1 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 11:44:16.37 1AOXQmiT0 1/38

「えーー、あの人とは別れちゃったのー」

「だって、あいついい加減超うざいじゃない? 来年は就活始めないといけないし、サークルも辞めて、フェイドアウト! 携帯も番号変えた(笑)」

「あはは……ひどーい」

「………???」

「そういえば、平沢さん、こういう話、興味ない?」

「あ、あたしも興味あるな。唯ちゃん、付き合ってる人、いないの?」

「へ? いるよ~」

「えーーー、意外!!なにそれ初めて聞く!! 教えて!」

「うん、凄い気になる。どんな人?!」

元スレ
唯「付き合ってる人、いるよ~」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280544256/

4 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 11:47:58.67 1AOXQmiT0 2/38

「んーーー、結構怖がりだけど、元気がよくて、抱きつくといい匂いがして、いつもお菓子をくれるかなー」

「お菓子???」

「あーー、なんか餌付けされてそうだね(笑)」

「いまいち、つかめないキャラだなー(……唯と同じ天然系?)」

「い、いつから付き合ってるの?」

「ん、高校からだよ」

「あ、長いんだ。意外だね。今までこういう話しなかったから、彼氏いないのかと思ってた」

「でも、最近少し疲れちゃった。毎日泊まりに行くのとか」

「毎日!?」

「うん。住んでいるところがバラバラだから、もう大変だよ~」

「バラバラって……」

5 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 11:50:11.77 1AOXQmiT0 3/38

「もしかして……一人じゃないの?」

「四人だよ。四人とも、高校時代、同じ部活だったんだー」

「……四人……毎日……(ちょっと平沢、かわいい顔して遊びすぎじゃないのか?)」

「ちょっと待って。唯って確か、女子高じゃなかった?」

「そだよー。澪ちゃんたちはみんな同じ学校出身なんだ」

「みおちゃん……って思い切り女の人の名前じゃない」

「あのねぇ。あたしたちは付き合ってる彼氏の話をしているのよ? 友達の話じゃないの」

「ハハハ……そんなことだろうと思った。女の子じゃねー(なんだ。男四人とじゃないのか……)」

「??……でも、今も付き合ってるよ」

「その付き合う、じゃなくて」

「男の子じゃないと、エッチできないしねー」

「うんうん」

「エッチもするよー」

7 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 11:53:03.38 1AOXQmiT0 4/38

「「えっ」」

「ん?」

「す……するの? 女の人なんでしょ?」

「もしかして平沢さん、そっちの……」

「ま、大体は軽くだけどねー。キスとペッティングぐらい? しないと機嫌そこねるし。だから大変なんだ」

「「……ゴクリ」」

「澪ちゃんとりっちゃんなんてもう凄いしねー。道具まで使うんだよ。三人でしたときなんて、唯は後でなとか言って、あとはもう二人の世界だしー」

「さ、3P?」

「ど、道具?」

「うん、なんか太いやつ 名前とかはよくわかんないけどー」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………あの……続きは……?」

12 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 12:02:45.55 1AOXQmiT0 5/38

「高校の時は、澪ちゃんが一番情熱的だったかな。最初に告白してきたのも澪ちゃんだったし。

 『ずっと温めてきたこの想い。……お前じゃないとダメなんだ、唯と身体を重ねたい!!』

 『でも、りっちゃんはどうするのさ、修羅場とかはゴメンなんだけど』

 『それとこれとは別腹だ!なんとかする!!』

「でも最近はちょっとマンネリ気味なんだ。せわにょーぼーみたいに面倒みてくれるのはいいんだけど。本妻ぶってみんなと喧嘩始めるのはちょっと困るかな」

「りっちゃんがそういう意味では一番楽かなー。『唯はキープで、本命は澪』って振りをしているけど、私が本命なのはバレバレだしね。

キスしてあげるだけで、目がトロンとしちゃうし。一番乙女かも」

「ムギちゃんはね、なんかお父さんにお願いして、女の子同士でも結婚できる法律を作ろうとしてるみたい。

こないだなんか、ベッドで私のおっぱいを揉みながら、それがダメだったら二人でフィンランドに移住しようって真剣に言ってたよ。

ムギちゃん的には抜け駆けする気マンマンなんだろうけど、やっぱり移住するなら5人でないと!」

「おっぱいらんどフィンランド……」

「リアルハーレム……」

「…………あの……もう一人は……?」

「一人?」

「さ、さっき、四人って言ったじゃない・・・平沢さん」

「ああ、あずにゃんか……ふぅ」

「あずにゃんが一番、重いんだよねー」

「あずにゃんは私と肉体関係を持つのがイヤみたいなんだ。」

15 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 12:15:47.43 1AOXQmiT0 6/38

「ま、女の子同士だからね。キモチワルイと思う人がいても不思議じゃないよね」

((い、一応、そういう常識はあるんだ……))

「毎回、キスは私の部屋に呼びつけて、玄関先で、あずにゃんの方からさせるんだけど、本気で嫌がってるんだよね。

クイっと、靴のかかとを上げて、背伸びして、目をぎゅーっとつむって、アレ、絶対自分がこれからキスする相手を、同性だって認識したくないんだよ。

『私がキスするのは、唯せんぱいじゃなくて、カッコいい男の人、男の人……私は同性とキスするような変態じゃないんだ』って自分に言い聞かせながらね。

それでも結局、くちびるを合わせる時は、すごく震えてるし、お互いの体温の熱とかがくちびるの薄い粘膜を通して伝わるじゃない? 鼻息もかかるし。

そこで、あ、くちびるが柔らかい、女の人とキスしてるんだ、わたし……って気づいちゃうんだよね。あの瞬間がすごく気持ち悪いみたい。

だから、あずにゃんはキスが終わるまでずっと目をつぶったままなの。そんなに女同士がイヤなのかなぁ。

でもきっと、男の人に無理やり男の人とキスさせたらあんな感じかもねー。」

「まあそんな『最悪のキス』が終わったあと、必死で涙をこらえてる顔のあずにゃんを見るのが楽しいんだけど」

((ドS!?))

18 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 12:35:38.62 1AOXQmiT0 7/38

「キスをさせた後は、すぐに二人でお風呂に入るんだ。

ローションを全身に塗らせて、洗いっこをするの。でも、アソコ同士を擦り合わせるのがどうしても抵抗あるみたい。

肉厚のもうひとつのくちびる同士の粘膜接触が、あずにゃんにとっては最高に背徳的で、変態的な感触なんだろうね。

あずにゃんにとって、そこは将来の旦那さまのために取っておいている、神聖な場所なんだから。

でも、そこを私は穢してあげる。ニュルニュルのローションをまぶして、前後に擦ってやれば、むき出しにしてあげたお豆さんも擦れて、たまらないんだよね。

行為の最中はずっと、まゆをぎゅーっと潜めて耐えてる感じがたまらなくて、そこでまた我慢できなくて、キスしちゃうんだ。

でも、下の口と口を合わせている状況だから、今度はもうキスへの抵抗は弱いんだよね。あずにゃん的には「女としてサイテーの行為」をやってる最中だから、もう女同士でのキスなんてささいなこと、なんだよ。

舌を入れて絡めても、すぐにあずにゃんの方から舌を絡め返してくるし、唾液の交換も平気だよ。とっとと、性の快楽に溺れてすべてを忘れてしまいたいのかな。

で、少なくとも三回はお風呂場でイカせるの。

終わったあとのあずにゃんはホント、放心状態で、暗い目をして私のことを、罵るんだ。

でも、さんざんイカされたあとに、唯先輩は変わってしまった、唯先輩は不潔です!!って言われても、説得力がね~~。うふふ」

「こ、後輩なんだ……」

「つ、続き……」

19 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 12:51:23.89 1AOXQmiT0 8/38

「よく身体を乾かして、あずにゃんの全身と髪は私がバスタオルで拭いてあげるの。

あずにゃんはね、凄く小さくてかわいいんだ。あずにゃんもそうやって子ども扱いされるのはまんざらでもないみたい。

だから、耳元で 『あずにゃん、お風呂場で女の子同士のえっちはイヤだった? また一つ、変態さんになっちゃったね』 って囁いたら、大粒の涙がボロボロ。

そこを抱きしめて、『あずにゃんは悪くないんだよ。あずにゃんは素直ないい子だね』って頭をなでてあげるんだ。

悪いのは私だよ、あずにゃんは悪くない、変態さんもあずにゃんじゃなくて、私なんだよ、って言って、ぎゅっと抱きしめる両手を強めてあげる。

そしたら心の中の涙の堤防が決壊したのかな。

肩を震わせて嗚咽して、それまで以上に、わあわあ泣いちゃうんだ。

で、ひとしきり泣き終わって、涙がおさまったら、『もうそろそろ、ベッドに行こうか?』って言われても、恥ずかしそうに目を伏せて無言でうなづいてくれる」

20 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 13:06:15.52 1AOXQmiT0 9/38

「新婚さん夫婦が買うようなおっきなダブルベッドを寝室にいれてあるんだけど、そのベッドに連れ込んだら、あとは基本的には『お指遊びでイカセてあげる』ってパターンだね。

最初は、小指と人差し指をゆるく、浅く抜き差ししてあげるだけで軽くイッちゃうみたい。

その後も段々激しくしてあげるんだけど、私は道具は使わない主義かな。

普段は私もソフトなえっちが好きなんだけど、あずにゃんが嫌がるから、かえってハードなプレイを毎回させたくなるんだ。不思議だよね~。」

「そ、その後輩の子とは、まだ……」

「あずにゃんは、部活の先輩として私のことを愛しく思ってくれているみたいだし、尊敬もしてくれてるけど、あくまでも性的には、ノーマルで、本当は男の子が好きなんだと思う。

でも、最近は女の子との快感をたっぷり覚えてきたから、そろそろ戻れないかもね~」

「ひ、ひどい……」

「ひどい? なんで?」

「だって……そんな女の子の気持ちを弄ぶような……」

「ふーん、そんなものかな?」

「あ、あのっ!……平沢さん、お、女の子同士ってそんなに気持ちいい、ものなの……?」

22 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 13:12:32.43 1AOXQmiT0 10/38

「それは相手にもよるんじゃないかなー 上手い人もいれば下手な人もいるし。 男の子の場合と同じだと思うけど」

「男の子の場合と同じ……」

「ひ、平沢さんだったら……?」

「まあ、私は女子高時代は学校で結構モテたからねー。女の子の扱いは馴れていると思うよ。……ふたりとも、あたしのこと好きなんでしょ?」

「「……な、ど、どうして!!」」

「分かるよ、二人の視線を見ればね。それにいつも私の前で男の人の話とか振ってくるし。かまかけて探りを入れてたんでしょ? 私、男の人には興味ないから、安心していいよ」

「……あ、う……平沢さん」

「……ゆ、唯」

「ふたりともちょっとイイなって思ってたんだ。四人が六人に増えたってどうってことないし。ちょうど倦怠期っぽくて、新鮮さが欲しいところだったから、歓迎するよ? 」

「ようこそ、HHT(放課後えっちタイム)へ!!」

「「……は、はい!!」」

23 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 13:13:51.71 1AOXQmiT0 11/38

とりあえず、以上です。

初けいおんSSでした。読んでくれた人ありがとうございました。


32 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 13:37:40.07 1AOXQmiT0 12/38

もし続きを書くとしたら、唯×誰がいいでしょうか?
ちょっと前向きに検討してみます。


49 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:25:20.20 1AOXQmiT0 13/38

では、リクエストをありがたくも頂戴いたしましたので、ジゴロ唯×和ちゃんをお送りします。


50 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:26:34.63 1AOXQmiT0 14/38

唯の自宅(一人暮らし)


携帯のメール着信音。

「のどかちゃんからのメールだ」

「……唯、この間のこと謝らせて欲しいの。か……」

「これで同じ文面のメールが10通、と」

「わかってないんだね、和ちゃんは」

「私の気持ちの受け入れを拒んだ和ちゃんを私が許すことはない」

「のどかちゃんは、そのことを自覚しなくてはいけない」

「私たち二人の友情はもう終わったんだ」


「メールへの返信……」

「やっぱり来てない」

「でも一度会って話をしないと。」

「私は唯を失いたくない」


52 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:29:15.92 1AOXQmiT0 15/38

翌日、唯の大学にて


「唯!!」

「……のどかちゃん」

「あまり驚いてないわね、唯」

「そろそろ来るころだと思ってた。……近くのオープンカフェでいい?」

「ええ……私はあなたと話し合いたいの」

「私には話すことなんてないけどね。でもこれが最後だから。話だけは聞いてあげる」


白いパラソルの下、同色のプラスチック製のテーブルとチェアで統一された瀟洒なオープンカフェ。

初夏の折、薄着になり始めた学生たちの談笑する姿がそこかしこにあった。


「……で?」

「私、この間のこと謝りたくて」

「……謝るのは私の方でしょ。気持ちが悪かったでしょ、ごめんね」

「唯」

和は唯の手をそっと握る。


53 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:32:38.35 1AOXQmiT0 16/38

「唯……私はあなたのことを気持ち悪いと思ったことはこれまで一度もないわ」

「そんな見え見えの嘘、つかなくていいよ。誰だって引くからさ、あたしが空気読めなかったんだ。あんなこと言わなければ、しなければ、よかった」

「…………」

「のどかちゃんと寝たいだなんて、一生心の中に隠しておくべきだったんだ。そうすればずっと友達として」

「…………ずっと友達の振りをして、アタシのことを『女』として見つめ続けるの?」

「!……あはは、今のグサッと来た……。そっかー、やっぱり気持ち悪いよね。ほんっとにごめん。あたし帰る」

立ち上がる唯の、しかし右手はまだ和に握られたままだ。

「この手は何よ。気持ち悪いんでしょ。もう離して」

「確かに、女が性的対象として女を見るなんて私には理解できない。その対象に自分がなるなんて思っても見なかったし、正直気持ち悪いとも思う。

 でも、私は唯を気持ち悪いと思ったことはないわよ」

「……だったらなんで、あんな」

「突然だったし、いきなりキスされたのよ」

「……」

「それにあれは私のファースト・キスだった」

「……」

「初めて、だったのよ、唯。……私の気持ちもわかって」

「平手打ちぐらいで済んで、謝らなくちゃいけないのはアタシの方ってことみたいだね」

「少なくともあれは唯への拒絶ではないの。ただ、私は女の子をそういう対象として見たことはないし、これからも見ることはできない」

「……でも、私にとってのどかちゃんは初恋の人だし、永遠にこの気持を変えることなんてできないよ。」

「……」

「ねぇ、私たち、どう、すればよかったのか……な」


54 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:41:13.79 1AOXQmiT0 17/38

「一つだけ……シアワセになる方法はあるわ。」

「え?」

「あれから、ずっと考えてた。出た答えは一つだけ……」

「……和ちゃん……?」

「私、唯に……」

「……」

和の白くて細い指先が、唯の指の先に絡まる。

唯は引き寄せられるように、オープンカフェの白い椅子に再び座り込んだ。

「和ちゃん」

「目をつむって」

「……和……ちゃん?」

和は空いている方の手で、唯のまぶたの上を覆った。

ふたたび手を離した時、唯のまぶたは閉じられたままで、

和はそっと立ち上がり半身を乗り出して、唯に顔を近づけた。

「……」


55 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:46:52.25 1AOXQmiT0 18/38

触れ合う頬と頬。

ついばむように、和のくちびるが、唯のくちびるをつまんだ。

一口、二口、三口

和がついばみ、唯が受け入れる。和の熱い吐息が、唯の秘めやかな吐息と交わる。

和が吸い、唯が吸われる。

静かに、永遠のような時が流れる。

二人の女性同士の情熱的なキスを、周囲の学生たちも驚きの表情を顔に貼りつけたまま、凝視していた。

二人のくちびるがそっと離れると、固まった時間が動き始める。

「……これで、この間の不意打ちのキスはなかったことにしてほしいの」

「和ちゃん……どうして」

「私が唯のことを気持ち悪く思ってないって信じてもらうにはこうするしかないと思って。あと、これが私の本当のファースト・キスだから」

「ごめん」

唯が両の小さな拳を膝の上でぎゅっと握った。

「あたし、和ちゃんのことを信じてあげられなかった。和ちゃんが私のことを嫌うはずなんてないのに、勝手に決めつけて、自分の気持ちだけで、和ちゃんのファースト・キスとか全部台無しにしちゃった。本当にごめん……」

手の甲の上に、ぽろぽろと水滴が落ち、そこに落とした唯の視界も滲んでいく。


57 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 14:58:26.29 1AOXQmiT0 19/38

「もういいのよ、唯。私のことを好きになってくれたことは本当に嬉しい。それは本当なの」

そして、和は立ち上がり、そっと、唯の首に手を回し、耳元にくちびるを寄せて、小声でささやいた。

「……唯、私をホテルに連れていってくれる?」

「……のどか……ちゃん……」

「私、いつも勉強とかばかりで……こういうことはからきしだから、時間がかかっちゃったけど。でも解決策は一つしかないの。唯と今までどおりの友達でいるには、もう、私が唯のオンナになるしかない」

「……」

「私を唯の女にして。私が女の子のことを愛する対象にできなくても、唯のオンナになることはできる。唯が気持ちをぶつけて、私はそれを受け入れるだけなんだもの」

「ほ、本当に、いい……の?」

「これがきっと運命だったのよ。幼稚園であなたに最初に頼られた時から、ずっとね」

「……でも、和ちゃんがそれじゃ」

「唯と友達でいられなくなるほうがつらいもの。でも、澪たちとの浮気はほとほどにしてね?」

「う、うん(全部バレテーラ……)あ、あははは……」

「うふふふ」


58 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 15:05:20.65 1AOXQmiT0 20/38

「けっきょく、唯の部屋に来ちゃったわね」

「だってホテルは高いもん。それにこれからはしょっちゅう、こういうことするんだから、節約しなきゃ、だよ!」

「はいはい。本当に唯はあいかわらずねー」

「じゃーん、ここが二人の愛の寝室だよーー!」

「唯にしては、綺麗に片付けてるわね」

「まあ、色々来た人に掃除してもらったりとか……てへへ」

「本当に唯はモテるわねー。女の子限定だけど」

「妬かない妬かない~、のどかちゃん」

「そして、今晩、またその新たな餌食に私がなるわけだ」

「……の、のどかちゃん(ゴクリ)」

「まさか、男の人ではなく、女の子とこういうことするなんて思っても見なかった」

「やっぱり……後悔してる? やめる?」

「ムリしなくていいわよ。唯は私を抱きたいんでしょ?」

「う、うん!!」

「だったらその気持を素直にぶつけて。女の子とのHは正直、私にはまだ抵抗はあるの。でも唯だから耐えられるし、受け入れられる。

  唯だけが頼りなのよ」

「せ、責任重大だ!」

「そう、重大なのよ。ちゃんと責任を取ってね」

「が、合点承知之助。わかりやした!!」

「もう、相変わらずなんだから」



59 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 15:20:07.82 1AOXQmiT0 21/38


「シャワー……お互い、浴びたし。あとは……」

「寝るだけ、よ」

「うん」

ベッドシーツをあげると、裸身の女性2人が仲良く、そこに潜り込む。

「あのね、和ちゃん。あたしね、和ちゃんに最初に出会ったときから、ずっと和ちゃんのことをお嫁さんにしたいって思ってたんだよ」

「あは、ありがとう、唯」

「ほんとのほんとに本当なんだよ!! だから、憂に女の子同士では結婚できないって教えてもらった日の夜はわあわあ泣いちゃった。いつの間にか眠っちゃってたけど」

「……そ、そこまで。本当に私のことを好きになってくれていたのね」

「だって、和ちゃんはなんでも完璧にできるし、お母さんみたいに優しいし、私の理想のお嫁さんなんだモン!」

「ありがとう、唯……私も唯と違う性別だったらよかったのに、って今なら思うわ」

「あたしは和ちゃんと同じ女の子でよかったな。そうじゃなきゃこんなに仲良くなれなかったもの。それに…」

そこで唯が、和の上に勢い良く覆いかぶさって、両腕で身体を支えながら、下になった和をじっと見つめる。

「女の子同士が本当に気持ちいいってこと、これから少しずつ、和ちゃんにも教えてあげるから」

「……よ、よろしくお願いします」

「あは。真っ赤になったのどかちゃんも可愛いなー。じゃ、肩の力を抜いて、私に全部任せてね」

「はい……」



60 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 15:35:04.46 1AOXQmiT0 22/38

「まずはキスなんだけど」

「う、うん」

「和ちゃんには同性同士のキスだってこと、ちゃんと認識してほしいの」

「え?」

「あずにゃんなんかは必死で目をつむって、女の子同士のキスだって事実から目を背けようとしているけど、和ちゃんは強い子だから、大丈夫なはずなの。だから!!」

唯は猛禽のようにいきなり、和を襲撃し、そのくちびるを奪う。

くちびるだけでなく、口腔粘膜を舌先で蹂躙するようなキス。

(エエッな、何……これ。それに、梓って……澪たちだけじゃなく、梓まで唯の毒牙に?)

惑乱する思考が整理できないままに、和の口腔は犯される。唯の舌が、和の舌を絡めとり、くちびるとくちびるのキスだけではなく、舌と舌でのキスを強要される感覚は、いままでの2回のキスとは完全に別種のものだった。

「うんんッッ、うんッ、ゆ……ゆいぃ!」

「ほ、ほろかひゃん……のおくちのなか、おいひいよぉ……これ、もうあたしのものだ……だれにもわたさないっ」

「ひ、ひたが、ゆいのひたがわたしのひたをおかしてっ……い、いやっ、わたし、」

「ほろかひゃん、もうあたしの……したもくちもぜんぶっ」



61 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 15:38:10.60 1AOXQmiT0 23/38

「ねっ、ノーマルな女の子だと、女の子同士のキスってやっぱり、かなり気持ち悪いでしょ」

「う、うん……やっぱりディープなのは、まだキツイものがあるわ……」

「そこがポイントです!!」

「へっ!?」

ちょっと涙目になって呆けている和のくちびるを、唯は不意討ちのように再び、んちゅ、んちゅとついばむ。

「や、やだ。キツイって言ってるところを……また、キスして……」

「上書きちゅーだよー、同性同士のキスの嫌悪感を、和ちゃんは忘れないで!!」

「??? ど、どういうこと…?」

「だから、変態でもないのに同性愛を強要されて、キスをさせられているという感覚を忘れないで欲しいのです!」

「……で、でも、それじゃいつまでも慣れないでしょ」

「初心忘るるべからずです! 私への友情・愛情と、私のオンナという性への嫌悪感を共存させるのです!!」

「そ、それはどうして」

「その方が燃えるからです! 私も和ちゃんを襲ってる感じで燃えるし、のどかちゃんも無理やり感が燃えるようになるよ!」



65 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 16:14:24.11 1AOXQmiT0 24/38

「はぁ、ずいぶんマニアックな世界なのね」

「だから私は基本的に男の子役用の道具とかも使いません! オンナの指先で蹂躙するので、それを素直な感情で受け止めて」

「分かったわ。でもね……唯」

「ん?」

「私は今日、嫌悪感を感じていても、それは本能によるものだからしょうがないとしても、段々唯のやることを好きになっていく確信があるわよ。

 だって唯にされることなんだもの」

「……のどかちゃん」

「たぶんそうやって私の中のあなたへの気持ちは、段々と深い愛情へと変わっていくんでしょうね。違和感が残ったとしても、それがあなたへの気持ちを揺るがせることは決して無いわ」

ぶわっと、唯の二つの下まぶたに感動の涙滴がたまる。

「ありがとうぉ~~……のどかちゅぁん~~」

「こ、こら、そんなにくっつかないで!! 乳首やヘンなところが擦れてるからっ」

「だってもう和ちゃんは、ヘンなところまで含めて、全部私のものなんだよ~~ 和ちゃんの身体が夜泣して、男の人を求めても永遠に抱かせないし、平沢唯が独占するんだからあ!!」

「ふぅ~~まぁ、もう決めたことだからそれでいいけど……困ったものねぇ、唯にも……」

「申し訳ありませんが、和ちゃんは男の人が欲しくなったら、オンナの私とのセッ○スで我慢してください!!」

「……だったら、今ここで、私が男の人と、ディープキスがしたいと言ったらどうする?」

「へ?」

「まだまだキモチワルイ、ディープなキスをよろしくね」

そう言って、和はちょっと頬を薄く染めて、ゆっくりと両目を閉じた。


66 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 16:16:10.21 1AOXQmiT0 25/38

以上でのどか編終了です。最後までお付き合いくださった方、本当にありがとう。
よろしければ感想など聞かせてもらえれば幸いです。


68 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 16:45:01.56 y0hzK+2D0 26/38

ジゴロ唯よかった
憂編もプリーズ


73 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:18:52.14 1AOXQmiT0 27/38

ご感想ありがとうございました。

それでは、憂版をお送ります。


74 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:20:08.52 1AOXQmiT0 28/38

「ハッ、私……尾行けられているッ!!」

「唯、どうしたーー?」

「いや、なんかさっきから誰かに尾行されている感じがするんでさぁ、りっちゃん刑事」

「何ィ? どこだどこだ? 平沢デカ!!」

「あ……でも今気配消えちゃった」

「唯の気のせいじゃないのか?」

「違うよ、りっちゃんが不用意に騒ぐからだよぉ~ぶぅぶぅー」

「何をぉ!」

「二人とも喧嘩はやめろよ、往来で恥ずかしいじゃないか」


今日は私こと、平沢唯はりっちゃんと澪ちゃんの三人で街までお買い物。

二人は高校時代からの親友で、目下熱愛中の私の恋人でもある。

友情と愛情が同時成立するのが、女の子の凄いところだと個人的には思う。


「んー、でもさっきの気配、本当に何だったんだろう」



「お姉ちゃん、週末なのに実家にも帰らず……出かける予定って、律さんたちとのデートだったんだね。ひどいよ……」



76 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:28:22.53 1AOXQmiT0 29/38

「しかし、三人でこうやって買い物に行くのも久しぶりだなー」

「澪が、唯と私との仲に嫉妬して、デートの誘いがあっても無視したりするからだろぉ」

「ちがっ、ヤキモチなんて私は焼いてない! たまたま忙しかっただけだ!」

「えへへー、澪ちゃんは、三人の関係が正三角形でないと!って意見だもんね。ちょっと最近は澪ちゃんに寂しい想いをさせすぎたかな?」

「……うん、それはそうかも。私も少しだけ意地になってたかも、ごめん」

「あ、認めた。こいつ唯の言うことなら素直に認めるようになったなー。正三角形とか言ってるくせに、エコひいきだー。アタシにも唯へのと同じぐらいの愛情を寄越せー」

「べ、別にそんなわけじゃ。それに律とは今朝も出がけにキスしたし、ラブレターも書いて渡しただろ」

「ラブレター!? そんなロマンチックな物体を献上させているのでありますか、りっちゃん隊員は!」

「最近、律に無理やり書かされるんだよ、愛情確認とか言って」

「澪ちゅわんの、メルヘンポエミーな恋文で、純愛を確認したいのですわよん」

「イイナー。律っちゃん、ちゃんと愛されてるじゃん」

「でも、澪は唯に対するみたいにあたしには優しくないし」

「まあ、澪ちゃんとりっちゃんは夫婦、私と澪ちゃんは恋人だからねー。奥さんとは喧嘩して、愛人さんの言うことは素直に聞くもんだよ」

「じゃ、私と唯の関係は何だよ?」

「え~~、それを私の口から言わせるのぉ?」

「……い、言ってみろよ」

「本当に言っちゃっていいの?」


81 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:36:21.85 1AOXQmiT0 30/38

「わ!! や、やっぱダメ!! 言わなくていい! 唯の気持ちは私の心の中の想像に留める!」

「にしし。ほんと、りっちゃんは可愛いなー。クラクラするぐらいに可愛いよ」

「だって、不安なんだもん……私が唯や澪にどう思われてるかって」

「はっ、今のしゅんとした表情可愛すぎる。抱きしめてもよかですか!!」

「おい、それはムギだろ」

「まあ、りっちゃんは私にとっては親友かな?」

「そ、それだけぇ……?」

「うふふ」


私は黙って律っちゃんに近づくと、彼女の形の良いあごを指で持ち上げ、そっと熱いベーゼを交わした。


「言葉で言える関係だなんて思ってないよ。これが答え。不足?」


りっちゃんは、目をシバシバさせて、じっとくちびるに指を当てていた。


「くぅ!何か色んな意味で負けた気がする……」

「え、エロすぎる……唯、私にもキス……」

「いいけど、りっちゃんとキスして」

「え、律と?」

「うん。りっちゃんと澪ちゃんが仲良くしてないとイヤだから。ね? そしたら、澪ちゃんとキスする。」

「わ、分かった……でもいつもしてるから、改めて言われると結構照れるな……」

「外でのキスなんて、は、はずかしい」


こんなふうにいつもと同じような楽しく幸せな日常が、今日も始まろうとしている。その時には、私は単純にそう思っていたのだった。


「はっ、今さっきの気配と同じ気配がまた……」

「あれ? でも、すぐに消えちゃった」


「……お姉ちゃん、さすがに勘が鋭いね。」

 「でも、いったい何人の恋人を作るつもりなの? そのたびに私の心が傷ついていることにも気づいてよ…」


82 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:41:20.09 1AOXQmiT0 31/38


「あれ?あの窓の外にいるの、憂ちゃんじゃないか?」

「あれ、ほんとだ。店に入ってくるぞ」


日差しが強くなってきたので、喫茶店で涼みながら休憩をしていた私たち3人のところにやってきたのは、平沢憂、私の妹だ。

憂は実家から大学に通っているので、一人暮らしの私(唯)とは、久しぶりの再会となる。


「お姉ちゃん、お久しぶり」

「うい? どうしたの? こんなところで すごい偶然だねー」

「こんにちは、憂ちゃん」

「……偶然? 偶然なわけないでしょ、お姉ちゃん。お姉ちゃんを家から尾行してきたんだよ。気づいていたんでしょ?」

「あ、さっき唯が言ってたのって」

(憂ちゃんだったのか、相変わらずだなー)

「ふぅ、またなの、憂。いい加減に私ばかり追いかけてないで、独り立ちしてくれないと。いつまでも子どもじゃないんだから」

「お姉ちゃんの言う大人っていうのは、こういうことですか?」


そう言って、憂が私たちのテーブルの上にぶちまけたのは、どこから撮ったのだろうか、私と、律ちゃんやムギちゃん、澪ちゃんなどとのデート中の写真などだった。

中にはホテルに入る写真まである。



83 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:48:36.49 1AOXQmiT0 32/38

「私はお父さんたちが日本にいない間、お姉ちゃんの私生活についてもちゃんと見るように言われてるんです。それなのに、こんなに乱れた生活で……いったい、どうしちゃったの、お姉ちゃん!!」

「別に恥ずかしいことはしてないよ、私」

「最近は和ちゃんまで篭絡したんでしょ! 和ちゃん、ノーマルな人なのに、無理やりお姉ちゃんの趣味に引きずり込んで、可哀そうだと思わないの?」

「……」

「和までっ!……それは聞いてないぞっ、唯!」

「わたしは先週聞いたけどなー」

「何ーーーー!」


澪ちゃんとりっちゃんが大騒ぎしている間も、憂は私のことだけをじっと見つめて、私の答えを無言で求めている。

憂が求めているもの、それを与える方法を私は知っていたが、それはできなかった。


「私の下半身事情を、憂が調べる必要はないんだよ。男相手に遊んでいるわけじゃないし、私の身体も相手の身体も傷つかないんだから」

「私の心は傷ついているよっ!!」

「……っ!」

「と、とにかく落ち着いて。ここじゃ迷惑かかるから、河岸を変えよう、なっ」

「そ、そうだな。とりあえず、この写真もしまって……憂ちゃん。どこかに移動するよ」


だが憂は澪ちゃんたちの配慮も無視して、お腹の底から振り絞ったような悲痛な叫びを上げるのだった。


「星の数ほど、恋人を作るつもりなら、どうして私を入れてくれないのっ!! 私はお姉ちゃんの一番大事なひとになれなくてもいい、one of themで十分なのに!!」


それだけ叫ぶと、ぶちまけた写真もそのままに、憂は店を飛び出して、駈け出していった。



84 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 18:56:44.23 1AOXQmiT0 33/38


「……う、憂ちゃん!……ゆ、唯、急いで、追いかけないと」

「唯……」


でも、その時、私には憂を追いかけるつもりはなかった。

永劫にも思えるような沈黙だったが、実際には1分もたっていなかったのだろう。

私は重い息を吐き出すように、誰にともなくつぶやくのだった。


「……家族はね、決して、one of themになんか……なれないんだよ。」



「憂はね、子どものころから聞き分けのいいできた子だったんだ。あたしなんかとは比べ物にならないぐらいね」

「あたしは姉だというのに、みんなも知ってるとおり、高校卒業までずっと、妹の憂に頼りっぱなしだった。大学入学を期に家を出たのはそのため、なんだ」

「知ってたよ。唯が憂ちゃんに迷惑かけないようにって、頑張っていたこと。それに、唯にとって、憂ちゃんは別格なんだって、こともな。」

「そりゃあ、家族……だからね」

「でも、あの子の気持ち、唯は気づいているんだろ? だったら、どうして!」

「澪……!」

「いいんだよ、律ちゃん。ありがとう。」


別に二人に聞かせてどうなる話でもないが、この二人になら素直になんでも話せる気がしていた。

私はおもむろに語りだした。



85 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 19:00:58.22 1AOXQmiT0 34/38

「子どものころ、まだ性に明確な関心も持たなかったころなんだけど、憂と二人でお医者さんごっこをしたときがあって……それで、両親に珍しく、こっぴどく叱られた時があったんだ。」

「その時は、どうして叱られるのか分からなかった。でも成長して、自分が同性である女性にしか興味を持てないんだって気づいた時にようやく理解したんだ。

  たぶん、うちの両親は私の性的嗜好に気づいていたんだろうね。だから、憂を私の趣味に引き込ませたくなかった。せめて、憂だけはって」


「でも、憂ちゃんは唯のことが好きなんだろっ。同性同士だって私たちみたいに恋人にはなれる。それなのに、どうして憂ちゃんだけは……」


「家族……だから」


「……!」


「憂は私にとって一番大切な家族なんだ。だから、こっちの世界に来て欲しくない。

そんなの親友や幼なじみまで巻き込んでいる私が言えた義理じゃないし、みんなにも怒られるかもしれないけど、憂には、わたし、普通の女の子として幸せになって欲しいんだ。今まで苦労をかけた分もね……」


「ごめんね、勝手な言い草だよね。まるでりっちゃんや澪ちゃんならどうなってもいいみたいな考えだもん。あたしって酷いな。……もう、嫌いになった?」


「バカ!! 嫌いになんてなるわけないだろっ、絶対にっ! 私も澪もムギも和もお前を嫌いになることなんてないッ!! 唯は梓には嫌われているって思ってるかもしれないけど、あいつだって、お前のことがっ」


「うん。嫌いになんてなれないよ。ちょっとジェラシー感じるけど、家族と恋人は違うもんな。唯から大切に思われている、憂ちゃんが羨ましいのと同時に、唯がこちらの世界で一緒に歩んでくれる相手に、私たちを選んでくれたことは誇りに思いたいんだ。」


「りっちゃん、澪ちゃん……」


87 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 19:12:49.44 1AOXQmiT0 35/38

「でも、だからこそ、唯はその気持ちを憂ちゃんに伝えるべきだ。……その気持ちをちゃんと言葉にしてね」


澪ちゃんのその言葉に、律ちゃんも大きくうんうんとうなづいた。

 ―ああ、親友って、恋人って本当に嬉しい存在だな。


「涙が出そうになったーー」

「いや、涙も鼻水も既にダダ漏れだし」

「汚いなー、唯は……」


そうだった。私はいつの間にか、号泣するように泣いていたらしい。

私は勢い良く立ち上がって、鼻をすすりながら、涙声のまま、宣言した。


「悪いけど、本日はこれにて御免!! 拙者は走らなければならない!! 行き先は……」

「憂ちゃんの所!!」


私は親指を立てて、大きくうなづくと、クシャクシャの顔のまま、店を飛び出していった。


88 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 19:17:15.90 1AOXQmiT0 36/38

―キミがいないと何もできない

  キミのご飯が食べたいよ

  もしキミが帰ってきたら

  とびっきりの笑顔で抱きしめたい

  キミがいないと謝れないよ

  キミの声が聞きたいよ


高校時代に作詞した曲のフレーズが、頭の中に思い浮かぶ。 

ごめんね、憂。本当にごめん!

私は憂を恋から遠ざけるために、姉妹としての普通の接触も避けすぎていたんだ。


私、平沢唯は、今、無性に、平沢憂に会いたかった。この世界でたった一人の血をわけた妹に!!

でも、私は憂のことを追いかける間に、澪ちゃんのアドバイスを一点だけ、無視することに決めた。


つまり、気持ちを「ちゃんと言葉にして伝える」のは中止にしたのだ。

ごめんネ、澪ちゃん。


言葉で言える関係じゃない、ってことを伝えるための手段はりっちゃんでさきほど実践済みだ。

だから、憂に追いついたら、私は全身で抱きしめて、これを伝えたい。


I love you!

憂のこと、平沢唯は、世界中の誰よりも愛しているんだって!!


家族にでも、同性にでも使える、キスは愛情をたっぷり込めた最強の挨拶なのだから。


89 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 19:18:58.76 1AOXQmiT0 37/38

うい編、以上です。
最後までお付き合いくださった方、ありがとうございました。

90 : 以下、名... - 2010/07/31(土) 19:34:18.03 1AOXQmiT0 38/38


うい編・おまけ(憂ED)


「ハッ、どうして私は憂とすっぽんぽん同士で寝ているのだッ」

「すごく、情熱的なキスだったよ~ エッチも上手だね~ さすがお姉ちゃん」

「……あのまま、盛り上がってホテルに入ってしまったみたいでごわす」

「これで、もうずっと一緒だね、お姉ちゃん」

「どうしよう!! お母さんたちに、怒られるーーー」


記事をツイートする 記事をはてブする