令嬢「タンポポなんて誰がほしがるのよバカ!」
河童「…クヮ…」
令嬢「……。…ま、まあ…、捨てたらゴミになるだけだし?特別にもらってあげても……」
河童「クワ!」
令嬢「つ、次はもっと気の利いたもの用意しなさいよね!」
元スレ
令嬢「プレゼント…?ただの雑草じゃない!」河童「クヮー…」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1308918096/
河童「クヮー♪クァー♪」
令嬢「調子に乗るんじゃないわよ、うっとおしい…」
河童「クヮ……」
令嬢「貴方が我が物顔で泳いでた川だってね、私の家の所有地なのよ?」
河童「ク、クヮ」
令嬢「分かったならもっと、私にちゃんと敬意を表しなさい」
河童「クワ、クワ」コクコク
令嬢「はぁ…、理解できたのなら、何か芸でもやりなさいよ」
河童「クワ?」
令嬢「全部言わないと分からないの?私、すごく退屈してるの。暇つぶしがほしいのよね」
河童「ク、クヮ、クワァ…」アセアセ
令嬢「何かできないの?泳ぎは上手みたいだけど、陸に上がったらとんだ役立たずね」
河童「ク…ワ……」ションボリ
令嬢「そうだ」
河童「クヮ?」
令嬢「歌くらいなら歌えるでしょ?私が歌ってあげるから、貴方も歌いなさい」
河童「クヮ」
令嬢『あーるー晴れた、ひーるー下がりー』
河童「クーワー♪クヮヮー♪」
令嬢「へたっぴ」
河童「クワァ…」ガーン
令嬢「…ぷっ、ふふ…あはははっ!」
河童「クワ?」
令嬢「ふふ…、はぁ…面白いわよ、貴方」
河童「クワワ!」
令嬢「変な顔だし」
河童「クヮー!?」
令嬢「また会えたら、遊んであげるわ」
河童「クゥ♪」
令嬢「な、何よその顔…!別に会いにくるなんて言ってないでしょ!?」
令嬢「もしも!偶然!運命の悪戯で!何かの間違えで!!また会えたら遊んであげる、って言ってるの!」
河童「クヮ」
令嬢「ほんとに分かってるの!?まったく……。それじゃあ、私は暗くなる前に帰るから」
河童「クーヮー!」ブンブン
令嬢「はいはい、じゃあね」
~すごく大きくてすごいお屋敷~
メイド「お帰りなさいませ、お嬢様」
令嬢「……」
メイド「…どちらへ、お出ででしたでしょうか?」
令嬢「どこだって、貴方には関係ないでしょう…」
メイド「ですがこの時間は、家庭教師の先生が……」
令嬢「あんな退屈な授業、ごめんだわ」
メイド「お嬢様……」
令嬢「なによ、説教なら聞き飽きたんだけど」
メイド「…川の方まで、出向かれていたので?」
令嬢「…なんでよ」
メイド「そのタンポポは、近くではあの川の辺りにしか生えておりません」
令嬢「……っ」
メイド「お嬢様…、あの川にはあまり、近づかれませんよう…」
令嬢「私に指図する気?」
メイド「失礼ながら。…あの川は見た目よりも深く、少しの雨でも途端に流れが速くなります」
令嬢「……」
メイド「柵もありませんし、危険でございます。河童が出るなどという噂もありまして…」
令嬢「……なによ、それ」
メイド「…もとより命令のつもりもございませんが、何卒お聞き届け……」
令嬢「違うわよ!」
メイド「は?」
令嬢「だから!『かっぱ』って何か、って聞いてるの!」イライラ
メイド「は?」
メイド「河童……、ご存知ありませんので…?」
令嬢「なによ、馬鹿にしてんの?」イライラ
メイド「い、いえ」
メイド「…ここが、こうなってて…」カキカキ
令嬢「ふんふん」
メイド「……で、頭にお皿があって……」カキカキ
令嬢「ふんふん」
メイド「…で、こんなクチで……完成です」
令嬢「…貴方、意外と絵うまいのね」
メイド「そ、そうですか!?いやぁ実はこれでも一時期漫画家のアシやってて夏コミも結構常連で……」
令嬢「ふぅん、興味ないわ」
メイド「あ、はい……」
令嬢「にしても……」
令嬢(あいつ、『河童』っていうんだ……)
令嬢「…ねえ、この絵の河童、何持ってるの?」
メイド「キュウリです」
令嬢「キュウリ?なんで?」
メイド「河童は俗に、キュウリを好んで食べると言われています」
令嬢「ふぅん…、キュウリが好きなんだ……」
~翌日、川原~
河童「クヮッ!クワー!クワー!」ピョンピョン
令嬢「偶然!たまたま!通りかかった川原に!偶然!たまたま!貴方がいただけなんだからね!!」
河童「クヮ」
令嬢「なに?今日も何か持ってきたの?」
河童「クアー」
令嬢「何これ…、石…?いや、石英ね……」
河童「クヮ!」ドヤ
令嬢「…あのね。私の家にはね!こんな石ころよりずっと綺麗で、ずっと高価な宝石が、山のようにあるの!」
河童「ク…クワァ…」
令嬢「ダイヤもルビーも真珠も、飽きるくらい持ってるの!こんなのただの石ころよ!!」
河童「ク…ワァ……」
令嬢「…貴方、その手」
河童「クヮ?」
令嬢「怪我してるじゃない」
河童「クワ、クヮヮ…」
令嬢「石英を探してるときに怪我したのね…」
河童「…ク、クワ」コクン
令嬢「……バカ」
河童「クヮ」ショボン
令嬢「…ふ、ふん!貴方がそこまで言うなら、もらってあげ…ない、ことも…ないかも…」
河童「クワッ!?」
令嬢「と、特別によ!特別に!次はちゃんとしたの用意しないと、承知しないんだからね!」
河童「クワー♪」
令嬢「…なによ、はしゃいじゃって…」
河童「クワックワッ♪」
令嬢「ふふっ…、ばかね」
令嬢(あ、そうだ……)
令嬢「あ、い、いけなーい。今は農園の野菜をお屋敷に届ける途中だったわー」
河童「クワ?」
令嬢「でもカバンいっぱいのキュウリなんて、運べないわー」チラッチラッ
河童「クワワ?」
令嬢「あーこれ、食べてもらってでも減らさないと運べないかもー。いや運べないわ実際ー」チラッチラッ
河童「?」
令嬢「ななな、何よその目ぇ!!」カァァ
令嬢「た、食べていいっていってんのよ!このキュウリを!」
河童「ク、クヮ……」
令嬢「ほら!好きなんでしょ!これが好きなんでしょ!遠慮なくむしゃぶりつきなさいよこの立派なキュウリに!!」グイグイ
河童「ク、クヮー!」
令嬢「……食べないの?」
河童「……」
令嬢「…なによ…。ふんだ…」
令嬢(……せっかく、喜ぶかと思って……)
令嬢「……ちぇ」
河童「……。…クヮ」モギ
令嬢「あ……」
河童「ポリポリ」
令嬢「食べた…!食べたー!食べたわー!!」ピョンピョン
河童「ポリポリ」
令嬢「何よー!我慢なんてしないで遠慮なく食べたら……」
河童「ポリ…ポリ……」
令嬢「あ……」
河童「モソ…モソ…」
令嬢「…ひょっとして、キュウリ…嫌い…?」
河童「……」コクン
令嬢(騙された…。メイドのやつめ……)
河童「ポリポリ」
令嬢「っ…!やめなさいよ……!」バッ
河童「クヮッ!?」
令嬢「嫌いなのに無理して食べてもらっても、ちっとも嬉しくないって言ってんの!」
河童「ク、クヮ……」
令嬢「…………わよ」
河童「クヮ?」
令嬢「………かったわよ」
河童「クーヮ?クヮ?」
令嬢「悪かったって言ってんの!!」
河童「クヮ」
令嬢「あっ……」カァァァ
河童「クヮー……」
令嬢「……なによ」
河童「クヮ。クーヮークワワー♪クーヮークヮワー♪」
令嬢「何それ。へたっぴなう…た………」
令嬢(…ドナドナ…?)
令嬢(私が歌ったのを…、覚えて?)
令嬢(練習したんだ……)
河童「クワクワクーヮ♪クーヮ♪」
令嬢「…それで、元気付けてるつもり?バカね」
河童「くゎ!?」
令嬢「へたっぴな歌聴いてたら、なんか全部どうでもよくなっちゃった」
河童「クヮ…」ショボン
令嬢「ふふ…っ。まあ、今日はもう帰るから」
河童「クヮー」
令嬢「『また』ね」
河童「ク、クヮ…。クッワ!!?」
令嬢「…ふふっ」スタスタ
河童「クヮー!クヮー!!」ピョンピョン
~お屋敷~
令嬢「メイド!メイドはどこ!?」
メイド「おかえりなさいませ、お嬢様」
令嬢「おかえりじゃないわよ!貴方、私に嘘ついたわね!!」
メイド「…は?」
令嬢「河童の好物はキュウリなんて、真っ赤な大嘘じゃない!!」
メイド「…えーっと…」
令嬢「好物どころか、むしろ苦手だったじゃないの!おかげで恥をかいてしまったわ!」
メイド「苦手だったってそんな…、河童が嫌がるのを見てきたような言い草ですね、お嬢様」
令嬢「ば!バカね…!と、友達に話したらそう言われて、バカにされたのよ!まったくもう貴方ときたら本当に!!」
メイド「そ、そうですか。それは申し訳ありませんでした…」
令嬢「それで?」
メイド「は?」
令嬢「だから、河童の好物よ!キュウリじゃないなら、何が喜ぶのよ!」
メイド「そう言われましても…うーん……」
メイド「あ、あれですかね」
令嬢「あれ…?」
メイド「尻子玉ですよ、お嬢様」
令嬢「シリコ……何ですって?」
メイド「尻子玉です。漢字ではこう書きます」カキカキ
令嬢「し…っ、尻……」カァ
メイド「尻子玉は、人の身体の中にあって」
令嬢「え」
メイド「河童はそれを取って食べるといいます」
令嬢「え…?え?」
メイド「尻子玉はその名の通り、お尻にあるんですけど」
令嬢「え?」
メイド「河童はそれをアナ………、失礼、だ、大の方の穴から、手を突っ込んで」
令嬢「え?え?」
メイド「引きずり出して、食べてしまうんです」
令嬢「ええええぇぇ!?」
メイド「尻子玉を抜かれた人間は、全身の力がフニャフニャに抜けて、死んでしまうと言います」
令嬢「…怖…」
メイド「うふふ…、もちろん迷信ですよ、お嬢様。尻子玉なんて、人間の身体にはありません」
令嬢「し、知ってるわよそれくらい!!」
メイド「失礼いたしました」
令嬢(でも…本当なのかしら……)
令嬢(尻子玉を抜いて、人を殺しちゃうなんて…)
令嬢(あいつ、そんな怖いやつには見えないけど……)
~翌日~
令嬢(今日もあいつ、待ってるのかしら…)
令嬢(間抜けな面で、くゎー♪って……)
令嬢「ふふっ…」
令嬢(あ、でも……)
令嬢(尻子玉……)
令嬢(…まさか、あいつに限って、ね…)
令嬢「お、お尻綺麗に洗ってから行こう……」
~川原~
河童「クーヮヮ、クーヮヮ!」
令嬢「…なーにやってんだか…」
令嬢(やっぱり、考えすぎよね)
令嬢(こんなのん気なアホ面が、悪いことなんて…)
令嬢「…あ、いや確かにアホ面だけど、別にカッコ悪いとかそういうことじゃなくて」
令嬢「か、カッコ悪いとかじゃないけど、別に褒めてるわけじゃないんだから!!」
令嬢「って私誰に言い訳してんのよもう!」
河童「クヮ?」
令嬢「ううううるっさいバカー!!」
河童「ク、クワ!?」
令嬢「な、なによもう…」
河童「クヮッ!」
令嬢「くれるって?」
河童「クヮ」コクン
令嬢「水晶の…原石かしら?編んだクローバーで結えて……。首飾り?」
河童「クヮ!クヮ!」コクコク
令嬢「……」
河童「……ク、クヮ」ショボン
令嬢「…クスッ…」
河童「?」
令嬢「ありがと」
河童「!」
令嬢(なんだか、こういうのも……)
河童「クーアーヮー♪クーァー♪」
令嬢「悪くない、かもね……」
令嬢「…ねぇ、この首飾り、つけてくれる?」
河童「…クワ?」
令嬢「つけ方分からないの?男ならそれくらい常識でしょ?」
河童「クヮァ……」
令嬢「仕方ないわね…。ほら、私の後ろに行くの」
河童「クヮ」テクテク
令嬢「こうやって、私が髪を持ち上げてるから、首にまくの」
河童「クヮ、クヮ」
令嬢「ほら、早く」
河童「クワー」
蜂「ブーーーー」
河童「クワ!」
令嬢「なに?どうしたの?」
蜂「ブーーーーーー」
蜂「ピト」
河童「クヮヮ!クヮワ!」
令嬢「何なのよもう、早くしなさいよ!」
言うまでもなく蜂は少女の臀部に止まっており、
河童は蜂が毒を持つ危険な虫であることを知っている。
河童「クー……ヮー……」ソォー…
令嬢「ちょっと貴方、さっきから何やって……」
サワッ
令嬢「ひっ!」
河童「クワ」
蜂「ブーーーー」
令嬢「あ、あああ、あ…貴方…」
河童「クヮ!?クヮクヮ!?」
令嬢「今…、私のお尻を……っ」
河童「クヮ!クヮヮ!!」ブンブン
令嬢「……っ!」
バチン!!
河童「!」ドタッ
令嬢「結局……、私の尻子玉が目当てだったのね……っ!」
河童「クヮ?クヮクワワ!?」ブンブン
令嬢「ちょっとでも信じた…、私がバカだったわ…!」ダダッ
河童「クァ!」
令嬢「こないで!」
河童「!」
令嬢「……河童なんて、大っ嫌い…!!」ダッ
~雑木林~
令嬢「…はぁ…」トボトボ
令嬢「……」トボトボ
令嬢「…河童のバカ…」トボトボ
令嬢「……」トボトボ
令嬢「…どこだろ、ここ…」
令嬢「……迷っちゃったなぁ……」
ポツ… ポツ…
令嬢「雨まで降ってきて……」
サァァァーーー……
令嬢「最低だわ……」
ザァァ――
令嬢「雨の音…、だけじゃない」
令嬢「…川の音がする…」
令嬢「川に沿って歩けば、いつもの川原に……」
令嬢「でも…」
令嬢「まだ河童…、いるかも……」
令嬢「あ、あんなやつのこと、気にしてるわけじゃないけどっ!」
令嬢「……」
令嬢「大嫌いって、…言っちゃったしなぁ…」
令嬢「……」
令嬢「…河童、怒ってるかなぁ…」
令嬢「……」
令嬢「考えても、仕方ないか…」テクテク
~川の上流付近~
ゴォォォ――――
令嬢「うそ…、こんなに流れ、速いの…」
令嬢「そういえば、メイドも言ってたっけ…」
メイド『…あの川は見た目よりも深く、少しの雨でも途端に流れが速くなります』
令嬢「ちょ、ちょっと怖い…かも」
令嬢「これだけ速いと…、あいつでも泳げないかもね…」
令嬢(あいつ……)
令嬢「河童……」
ツルッ
令嬢「あ、」ヨロッ
令嬢「れ?」ヨロヨロ
令嬢「きゃ――」
バシャーン!
ゴォォォーーー――――
令嬢「ゴボッ……えほっ、うそっ…!落ちちゃった…!」バシャバシャ
令嬢「だ……っだめ、ゴボッ……プハッ、溺れ……ゴホッ」バシャ
令嬢(誰か……)
令嬢「ゴホッ…、はっ、はぁ…!助け……っ、ゴボッ……」
令嬢(助けて…)
令嬢(助けて……河童……)
クァ…
令嬢「ゴボ……」
令嬢(河童……)
クヮ!!
~???(河童のほら穴)~
令嬢「……」
令嬢「……ん」
令嬢「……ハッ」
令嬢「…あれ、私…生きて……」
令嬢「っていうか、ここは……?」
河童「クヮ!」
令嬢「…河童!?」
令嬢「…ここ、もしかして貴方のお家…?」
河童「クーヮ」コクン
令嬢「……じゃあ、ひょっとして貴方が、私を助けてくれたの」
河童「クヮックヮ」コクン
令嬢「…そっか…」
河童「クア」
令嬢「じゃあ…」
河童「クヮ?」
令嬢「私が赤裸なのも、貴方の仕業……!?」ギロッ
河童「……」
令嬢「……」
河童「……クヮ」コクン
令嬢「バカーッ!スケベ!エロ!このエロ河童!!」
河童「クウヮ、クゥゥ!」アセアセ
・
・
・
令嬢「……それじゃあ、服が濡れてたから、焚き火に当てて乾かしてた、と」
河童「クワヮ!」コクコク
令嬢「…まあ、分かったわ。その件に関しては不問に処す。…それより…」
河童「クヮ」
令嬢「貴方、なんでそんなに、私から離れてるのよ」
河童「…クゥー…」
令嬢「もしかして、私が怒ってるとか思ってるわけ?」
河童「クヮー……」
令嬢「当たり前じゃない」
河童「クヮヮ!?」
令嬢「……こっち来なさいよ」
河童「ク、クヮー…」
令嬢「いいから早く!」
河童「ク、クヮ!」
ピトッ
河童「クワワワッ!!?」オロオロ
令嬢「…私の尻子玉…、無理やり取ったり、しない…?」
河童「クヮ!クワクワ!!」コクコク
令嬢「…なら、許してあげる」
河童「クワー……」ホッ
令嬢「それから……、ありがとう、助けてくれて…」
令嬢「ねえ、こっち向いて…」
河童「クヮ?」
チュッ
河童「~~~っ!?」
令嬢「た、たた、助けてもらったお礼!べべべつに他に変な意味があるわけじゃなくて…っ!」
河童「クウウウゥゥゥワアアアァァァ!!!!」
令嬢「叫んでないで聞きなさいよ人の話ーっ!!」
・
・
・
令嬢「…雨、あがったみたい」
河童「クヮ。ククァ」
令嬢「服も乾いたのね…、ありがとう」
河童「クーヮ」
令嬢「送っていってくれるって?ふふっ、貴方にちゃんとエスコートできるのかしら?」
河童「ク…クヮァ……」
令嬢「クス、冗談よ」
令嬢「……」テクテク
河童「……」テクテク
令嬢「…ねえ」
河童「クヮ?」
令嬢「私の尻子玉、ホントはちょっと、ほしかったでしょ」
河童「ク、クヮ!クワワァ!!」ブンブン
令嬢「全然?」
河童「クヮクヮ!」コクコク
令嬢「なぁんだ……、残念…」
河童「ク、クヮ?」
令嬢「なんでもないですよーだ、ばーか」
河童「クワァ……」
~お屋敷前~
令嬢「ついたわ」
河童「クヮ…」
令嬢「本当は、みんなにも貴方のこと紹介したいけど……」
メイド「お嬢様っ!?お嬢様ー!?」
令嬢「なによもう…、騒々しい…」
メイド「あ、あぁぁ……、よくご無事でぇ……。うぇぇぇん…」グスグス
令嬢「大の大人がエンエン泣かない!」
メイド「グスッ…だってぇ……」グズグズ
メイド「…えぐ…っ…、あ、あれ……?」
令嬢「どうしたの?」
メイド「お嬢様、誰かとご一緒じゃ…ありませんでした…?」
令嬢「さぁ?」
メイド「おかしいなぁ…、一緒に人影が見えた気がしたのに……」
令嬢「気がついたら、パッと消えちゃった?」
メイド「え、えぇ…」
令嬢「何それ。まるで妖怪みたい」クスクス
メイド「い、いえ。気のせい…ですよね……?」
令嬢「さあ?どうかしら?」
~数日後~
令嬢「お散歩に出かけてくるわ」
メイド「お待ちください、お嬢様」
令嬢「…何よ。家庭教師の話はもうウンザリよ」
メイド「これを、お持ちください」
令嬢「…何これ?」
メイド「鮎の塩焼きです。今朝、ちょうど天然ものが手に入ったので」
令嬢「何のつもり?」
メイド「物の本によれば、河童の好物は、魚だといいます」
令嬢「……!」
メイド「美味しい鮎です」
令嬢「…一応、持って行くわ」
メイド「はい」
令嬢「ありがと」
メイド「♪」
~川原~
河童「クワクワクーワー♪」
令嬢「へたっぴ」
河童「クヮ!」
令嬢「ふふっ…、『たまたま』通りかかっちゃったわ」ニコッ
河童「クヮヮー!」
河童「クヮ♪クヮ♪」チョイチョイ
令嬢「なに?こっちこいって?」
河童「クヮヮ!」
令嬢「え?プレゼント?」
河童「クヮ」コクン
令嬢「今度は期待を裏切らないでちょうだいね?」
河童「クヮ!」
令嬢「あら…、これ……」
~おわり~
120 : 以下、名... - 2011/06/25(土) 01:31:10.97 S1QbK2Vc0 62/63終わったー!!
読んでくれた方、ありがとうございました
レスくれた方、支援してくれた方、嬉しかったです。ありがとうございました
個人的には河童は喋れない方がいいと思うんです
~おまけ~
令嬢「か…、河童とだったら……私、いいよ…」
河童「ク、クヮァ……」
令嬢「わ、私の尻子玉……、あげる……」クパ
河童「…」ゴクリ
令嬢「…あっ!ほ、本当に取っちゃ駄目だからね!舐めるだけよ!!」
河童「ペロペロペロ」
令嬢「ひぁ…っ!こ、こら…!そっちの穴に尻子玉はな……、っやぁぁ
~おわり~