1 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:05:25.39 TsywBfVc0 1/32

京子「結衣ー!お見舞いに来たぞー!」

結衣「!」ビクッ

京子「お見舞いに来て上げたってのにーなんだよ浮かない顔して!」

結衣「あ、あの…」

京子「んー?」

結衣「あなた、誰ですか…?」


京子「」



元スレ
京子「結衣が記憶喪失になった!?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1313564725/

3 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:13:21.16 TsywBfVc0 2/32

今から三日前、学校の階段から結衣が転落した。

30段もの高さから落ちた衝撃というのは人体にはキツ過ぎたらしい。

大きすぎる衝撃を受けた結衣の脳は、今までの思い出をすっかり忘れてしまったらしい。

あかりの話だと、その当時の私はいままでに無いような表情をしていたそうだ…


京子「冗談やめろよー!」

結衣「ご、ごめんなさい…」

結衣「あの、あなた…名前は?」

京子「あはは、京子だよー!歳納京子…」

結衣「歳納さん…?」


5 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:16:56.05 TsywBfVc0 3/32

京子「なんだよ歳納さんって…今まで京子って呼んでたじゃないか…」

結衣「いままで…?私と歳納さんは初対面じゃ…」

京子「結衣のばかっ!」

結衣「あっ…歳納さん…!」


そのまま私は、家に帰ってしまった。

家に帰るといの一番に、綾乃に電話した。

綾乃「あら、歳納京子からの電話…!」


6 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:21:45.69 TsywBfVc0 4/32

京子「もしもし…綾乃?」

綾乃「な、なに?何か用事でもあるの?」

京子「実はさ…今日、結衣のお見舞いにいったんだけど…」


     (中略)

綾乃「へえ、船見さんが…」

京子「結衣のヤツ、歳納さん、なんて呼んできて…」

綾乃「うーん…記憶喪失なんて、そう簡単にありえることじゃないと思うんだけど…」

綾乃「船見さんの冗談だってことは無いの?」

京子「冗談なんかには見えなかった…そもそも、あいつ冗談なんていうようなタチじゃないし…」

綾乃「まあ、心配はノンノンノートルダムなんじゃない?明日会ってみたら、案外ケロリとしてたりして」


7 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:27:04.43 TsywBfVc0 5/32

翌日

京子「昨日飛び出して帰っちゃったし…なんか病室には入りづらい…」

千歳「あれ?歳納さん?」

京子「ち、千歳!?」

京子「どうして千歳がこんなところに…!?」

千歳「船見さんのお見舞いに来たんよ~」

京子「結衣のお見舞い…?」

千歳「同じクラスの友達が大怪我して入院したんなら、お見舞いぐらい行くのが友達ってもんやないの~」

京子「友達…私、もう結衣の友達じゃないのかな…」

千歳「なに言っとんの!二人とも綾乃ちゃんが嫉妬するほど仲良かったじゃ…」

京子「結衣、昨日お見舞いに行ってやったらあなたのこと知らないって…」

千歳「…?ちょっと詳しく聞かせてもらってええ?」


9 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:33:07.58 TsywBfVc0 6/32

京子「昨日、結衣のお見舞いに行ったら…」

     (中略)

千歳「そうだったんか…にわかには信じられへんけど…」

京子「まさか、記憶喪失なんじゃなくて、私の存在だけ結衣の中から消えてたり…」

千歳「そんなん、なかなかありえそうな話じゃあらへんけどなあ…」

京子「でも、昨日は本当に!」

千歳「歳納さんの話はちゃんと信じとるで?でもなあ…」

千歳「とりあえず、病室に入ってみよ?」

京子「う、うん…」ガチャ


結衣「お!千歳!それと…歳納さん…?」

京子「ど、どうして…」

千歳「歳納さんって…船見さん、何言っとるんよ~」


12 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:38:41.36 TsywBfVc0 7/32

結衣「千歳、歳納さんと知り合いなの?」

千歳「知り合いも何も、船見さんの幼馴染だって船見さんに紹介してもらったやないか~」

結衣「私の幼馴染?」

結衣「そんなはずは…ない、と思うけど…」

千歳京子「!!」

京子「結衣冗談もそろそろいい加減にしろよ!結衣ッ!」ガタッ

結衣「ご、ごめんなさい…っ…でも、私…」

千歳「お、落ち着いてな、歳納さん」

京子「落ち着いて…られるかよ…結衣……本当に、本当に私がわからないの…?」

結衣「ごめんなさい、私…」

千歳「あかん…歳納さん泣いて…」

京子「じゃあ、あかりとちなつちゃんのことはっ!?二人のことは知ってる!?」


14 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:43:27.41 TsywBfVc0 8/32

結衣「知ってるも何も、二人は同じ部活の子で、あかりは私とは幼馴染なんだけど…」

京子「……そんな…どうして私だけ」

千歳「歳納さん…とりあえず一旦帰ろう。顔、真っ赤で…」

千歳「ほな、船見さん、騒がしくしてごめんな。このヤマユリはお土産やから、好きなところに飾っといて?」

結衣「うん。ありがとう…」

京子「どうして…っどうして…」


病院の駐車場

千歳「ほんまに、船見さんが嘘ついてるようには見えへんかったなあ…」

京子「私だけ、ユイの記憶から居なくなっちゃ…って…」ポロポロ

千歳「歳納さん、これハンカチ」

京子「ありがとう…」


16 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:49:07.70 TsywBfVc0 9/32

千歳「でも、なんで船見さんは歳納さんのことだけ忘れてしまったんやろ…」

京子「きっと、結衣は私の事が嫌いだったんだ…だから、ショックで私のことだけ…」グスッ

千歳「そんなことあるはずないやん!」

京子「でも…」

千歳「きっと何か理由があるはずや。一緒に考えてみよ?」

京子「うん…」

千歳「ほな、綾乃ちゃん家行こうか」

京子「綾乃ん家?どうして?」

千歳「三人寄れば文殊の知恵ってな?二人より三人の方が断然解決方法も考えやすいんとちゃうかな?」

京子「うん…」

千歳「ほな、行こか!」

京子「お――っ!」

千歳(ああ…楽園を見られる予感が…っ)


18 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:55:33.21 TsywBfVc0 10/32

綾乃の家

綾乃「で、私の家に来たと」

千歳京子「はーい」

京子「ついでに泊まりに来ましたー」

綾乃「今日はパパもママもいないからいいけど…」

京子「やったー!」

綾乃「も、もう…しょうがないんだから…」

千歳「そんなこと言うたかて、まんざらでもなさそうやないの?」ヒソヒソ

綾乃「…!」カァァァァ


19 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 16:56:20.13 TsywBfVc0 11/32

京子「で、本題なんだけど…」

綾乃「どうして船見さんが歳納京子のことだけを忘れてしまったのか、よね」

京子「うん…」

綾乃「前に聞いたみたいに、冗談だってスジは無いの?」

京子「本当のことは私自身にもわからないけど…それについてはなさそう」

綾乃「うーん…」

綾乃「船見さんが階段から落ちたとき、あんた一緒にいたんじゃなかったけ?」

京子「あ、いたよ」

綾乃「その時のこと、ちょっと思い出せる?」

京子「えーっと…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・


20 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:02:11.19 TsywBfVc0 12/32

結衣『へー、それは災難だったね」

京子『ホントだよなー。あはは』

結衣『でもさ、空き缶で指を切るって結構痛いよね。私も昔やっちゃったことあるよ」

京子『結衣でもそういうドジ踏んだりするのかー」

結衣『私を何だとおもtt

京子『ゆ、結衣!』

ここで、結衣が落ちて…それで、私が先生を呼びにいったんだよな…


京子「こんなカンジだった」

綾乃「聞く限りじゃそこにヒントは無さそうね」

京子「どうして…」

ピピピピピピ お風呂が沸きました

千歳「続きは、お風呂でゆっくり考えへん?」


24 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:07:08.66 TsywBfVc0 13/32

京子「三人ではいると結構狭いなー」

綾乃「仕方ないじゃない…一人ずつ入ってたら時間がもったいないし…」

千歳(綾乃ちゃん、照れちゃって可愛ええなあ)

綾乃「京子って…好きな人とか居るの?」

千歳(ッ!?)

京子「なんだよいきなりー!…今はいないかな」

綾乃「そ、そうなの…」

千歳「綾乃ちゃんは、好きな人おるん?」

綾乃「ちょ、千歳っ…!

京子「あー!それ私も気になるー!」

綾乃「い…いないことも、ないかしら?」

京子「へえ!だれだれ!?」

綾乃「ひひひ、秘密よっ!」

千歳(ああ…お風呂場だからどんどん血圧が上がってくわあ)ブシュウウウウ

綾乃「キャー!千歳――っ!」


29 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:11:53.50 TsywBfVc0 14/32

京子「千歳、大丈夫かー?」

千歳「も、問題あらへんよー」ダパー

綾乃「もう…お風呂でのぼせちゃうなんて…」

千歳「ごめんな、綾乃ちゃん…ええところやったのに…」

綾乃「ばっ…!いいところって何よ!」

京子「いいところ?」

千歳「なんでもあらへんよ~♪」

京子「んー?」

綾乃「///」

京子「うわっ!綾乃ものぼせてるっ!」

千歳「」ブッ

京子「こっちも悪化した――――!?」


30 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:18:45.88 TsywBfVc0 15/32

京子「二人の介抱してたら夜になっちゃったじゃないかー!」

千歳「ご、ごめんな歳納さん…」

綾乃「ごめん…」

京子「まあいいよ。のぼせちゃうのは仕方ないことだし…」

京子「今日はもう寝よう?」

綾乃「そ、そうね…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

千歳「ほな、電気消すでー」パチ

京子「今日は色々あったなー…」


32 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:21:53.18 TsywBfVc0 16/32

千歳「ほんまになあ…でも、気を落とさんといて、歳納さん」

京子「うん!結衣には、私が無理矢理でも私のことを思い出させるからねっ!」

綾乃「記憶、もどると良いわね」

京子「ありがと、綾乃」

綾乃「わたしだって、落ち込んでるあんたなんて見たくないから…」


京子「さっきさー」

綾乃「ん?」

京子「さっき、好きな人の話したじゃん?」

綾乃「あ、ああ…したけど…それがどうしたの?」


35 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:27:20.34 TsywBfVc0 17/32

京子「もしかしたら…」

綾乃「な、何よ…」

京子「私、結衣のことが好きなのかも」

綾乃「船見さんのことが…?」

京子「うん。こんな風に考えたのは初めてだけど」

綾乃「どうして…そう思うの?」

京子「わかんない。でもさ…結衣の記憶が戻らなくて、私の思い出がなくなっちゃってたとしても…」

京子「これからまた、結衣と新しい歳納京子としていっしょに居られたら、もうそれだけでもいいかなって」

京子「こんな風に思うのは、結衣のこと、こころのどこかじゃきっと、なんか特別な風に考えてるからだろうなって…」

綾乃「……そっか」

京子「うん…」

千歳(綾乃ちゃん…)


40 : ごめんなさい >>39の前にこれが入ります - 2011/08/17(水) 17:38:00.51 TsywBfVc0 18/32



綾乃「起きろー!歳納京子お――!」

京子「今…何時…」

綾乃「朝の六時よ」

京子「あと30分…」

千歳「起きて、歳納さん!」


39 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:37:12.37 TsywBfVc0 19/32

京子「今日休みじゃんかー!」

千歳「あ、起きた」

綾乃「今から、決着を付けに行くわよ。船見さんが本当に歳納京子のことを忘れちゃったのか、確かめてやるの!」

千歳「朝早くから行くのも船見さんに申し訳あらへんけどなあ」

京子「そっか…結衣のところに行くんだ…」

京子「うん…決心はついてるよ。覚悟もできた。足りないものは…ないよね」

綾乃「何言ってるのよ」

京子「え?」

綾乃「思いを伝える準備は?」

京子「あっ…」


42 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:44:25.05 TsywBfVc0 20/32

京子「そうだよね…記憶があっても無くても、言うべきことがあるよね…」

綾乃「歳納京子!」

京子「はいっ」

綾乃「いい?船見さんの前では絶対泣かないこと」

京子「え、ど、どうして?」

綾乃「船見さんがあなたのことを忘れていたとしても、それは船見さんのせいじゃないわ。船見さんだって、あなたを泣かせちゃったって落ち込むわよ。」

京子「うん…」

綾乃「覚えてたとしたら、そうね…嬉し泣きなんてしても、冗談喉が過ぎたって落ち込んじゃうわよ」

綾乃「好きな人の泣いてるところなんて…見たい?」

京子「ううん。私のせいで好きな人が泣いているところなんて、見たくない!」

綾乃「でしょ?」

千歳(綾乃ちゃん…昨日の、ショックじゃあらへんかったのかな…?)

千歳(まさか無理してるんじゃ…)


46 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 17:54:30.50 TsywBfVc0 21/32

病院 前

京子(なんか怖い…昨日、あんなことは言ったけど…やっぱり、忘れられてたら…)

千歳「赤座さん?池田千歳やけど…うん、うん…そっか」

千歳「うん……ほな、よろしくな」

京子「千歳、誰と電話してたの?」

千歳「生徒会長さんとや~」

京子「ふーん。なんか用事?」

千歳「今日は生徒会の行事があったんやけど、ウチと綾乃ちゃんが休むって伝えといたんよ」

京子「ごめんな、用事があったのに…」

千歳「ええってええって」


48 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:01:05.48 TsywBfVc0 22/32

病室の前

京子「……」

綾乃「どうしたの?」

京子「い、いやあ…緊張しちゃって」

千歳「無理も無いわあ。やっぱり、忘れられてたら…って恐怖は抜けへんよなあ」

京子「う…」

千歳「歳納さん、頑張って!」

綾乃「頑張れ!歳納京子!」


49 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:03:14.70 TsywBfVc0 23/32

病室の前

京子「歳納です」コンコン

  「どうぞー」






京子「…っ」ガラッ


50 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:07:35.11 TsywBfVc0 24/32

       パ―――――ン

京子「えっ!?」

京子「クラッカー…?」

あかり「えへへー!びっくりした?」

京子「あかり…」

ちなつ「驚きました?京子先輩」

京子「ちなつちゃん…」



京子「これは、どういうことなの…?」


51 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:13:31.65 TsywBfVc0 25/32

あかり「はーい!じゃあ、今回の主役、歳納京子さん、この企画の主催者の船見結衣さんの前へどうぞ!」

京子「???」

結衣「えー、まずは一言」


結衣「ごめんな、京子」

京子「え?え?」

京子「どういうことなの…?」

結衣「じゃあ、説明していこうか」


53 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:20:11.32 TsywBfVc0 26/32

結衣「京子、階段から落ちたときのことは覚えてる?」

京子「う、うん」

結衣「あの時、私は本当に階段から落ちて…本当に救急車で運ばれた。合ってるよね?」

京子「うん」

結衣「で、ここからが今回の企画になるわけだけど…」

結衣「私は、歳納さん…京子のことを、忘れたフリをしていました」

京子「忘れた…フリ?」

結衣「そう。で、京子は引っかかった」

京子「そんな…」

京子「まんまと騙されたああああああああああ!」


56 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:25:30.22 TsywBfVc0 27/32

あかり「私とちなつちゃんもグルだよ。…ごめんね、京子ちゃん。」

ちなつ「ごめんなさい、京子先輩」

京子「で、でもでも、どうしてこんなことを?」

結衣「ちょっとからかうつもりだったんだけど、随分大げさになっちゃったんだ…」

結衣「ごめんな、と…京子」

京子「馬鹿!こっちは本気で心配したんだからな!」

結衣「ごめんな…」


千歳「ほな、後はがんばってな、歳納さん」コソ



千歳「綾乃ちゃん、行こうか…」



綾乃「うん………」


57 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:29:08.95 TsywBfVc0 28/32

京子「実は、私も結衣に言わなくちゃいけないことがあるんだけど…」

結衣「…何?」

京子「…その……今回のことで、はっきりと判ったことがあるんだ…」

結衣「わかったことって…」




京子「私は、結衣のことが好きだ」


61 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:34:59.63 TsywBfVc0 29/32

あかりちなつ「ええええええええええ!?」

結衣「わ、私のことが…?」

京子「うん。忘れられちゃったこと思ったときは、死ぬほど辛かった…」

結衣「ごめん…」

京子「でも、そんなことに関係なく、わたしは結衣のことが好きだったんだ」

結衣「私も、京子のこと、好きだよ」

京子「結衣……っ!」




病室のほぼ真ん中。

そこが、二人の少女が抱き合って、一人の少女が涙を流した場所だった…

  

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


64 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:38:36.37 TsywBfVc0 30/32

綾乃「うっ……うぐっ…」ポロポロ


千歳「綾乃ちゃん…ごめんな…」


綾乃「うっ………うっ…」ポロポロ

千歳「ごめんなぁ……」ポロ




綾乃「うう…うわあああああん…うっ…うわあああああああああああん」ボロボロ


66 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:44:13.64 TsywBfVc0 31/32

後日 その病室

あかり「結衣ちゃん、本当に…本当に、これでよかったの…?」


結衣「うん。心配かけてごめんなさい、赤座さん…」

結衣「私も、決心が付いたから。新しい船見結衣として、新しい歳納京子と…過ごすことが、きっと今の私にとって一番良いことなんじゃないかって、思うから」


結衣「もう記憶も思い出も無いから…後悔なんて、もちろんしてなくて…」

結衣「今は、とっても……」





あかり「結衣ちゃん…」


71 : 以下、名... - 2011/08/17(水) 18:50:57.58 TsywBfVc0 32/32

数年後 某大学

京子「なあ、結衣」

結衣「なに?」

京子「結衣がさ、階段から落っこちた時のこと、覚えてる?」

結衣「ああ…あの時は大変だったね」

京子「本当に記憶喪失になっちゃったんじゃないかって、私が思い込んでさ…」


結衣「うん……なつか…しいね…」

京子「そういえば結衣、あんまりあれより前の思い出話、しなくなったよね」

結衣「なんかさ、あそこで人生が再スタートしたような気がするんだ」

京子「どうして?」

結衣「京子に告白されたから、かな…」

京子「あっはは!あれは人生の大きな岐路だったのかもしれないって、私も思ってるよ…」


                          
                          おしまい


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