1 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:46:47.10 QDrLdL3UO 1/77

プルルルル
カチャ
「はいもしもし田井中です」

『パンツ何色!?』

ガチャ
プープープー



2 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:49:19.38 QDrLdL3UO 2/77

「何だったんだー?」

「…間違い電話」

プルルルル
「…」

ガチャ

「はいもしもし田井中です」

『ごめんごめんりっちゃん!あたしだよ!唯だよ~!』


3 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:51:49.78 QDrLdL3UO 3/77

「…ねーちゃんの友達ですか?」

『えっ』
『あ…もしかしてりっちゃんじゃないの?』

「はい」

『…さっきの電話も?』

「はい」

ブツッ
ツーツーツー

「あたしの知り合いか?」
「…唯って人みたいだったけど?なんか切れた」


4 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:53:59.57 QDrLdL3UO 4/77

「えっ、唯?なんで切れたんだ?」

「さあ。よくわかんないや」

「電話した方がいいのかなあ」

「しなくていいんじゃない?(頭おかしそうだし)」
♪アンマリソワソワシナイデー
「おっ携帯」


7 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:55:33.53 QDrLdL3UO 5/77

ピッ
「もしもし?なんだ澪か」

「わりーわりー」

「え?今から?」

「おう、行く行く。暇してたんだ」

「うん、うん」

「おー。じゃあなー」


8 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:58:07.76 QDrLdL3UO 6/77

「聡ーちょっと出かけてくるわ」

「どこ行くの?」

「プール。澪がさ、むぎに誘われたんだって」

「へぇ」

「唯って人は誘わないの?」

「え、唯?……悪い奴じゃ無いんだけどな…ちょっと違うっていうか…」


9 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 00:59:31.68 QDrLdL3UO 7/77

----
「ほんじゃー行って来るわ」

「行ってらっしゃい」

バタン


プルルルル
「…」

カチャ
「はいもしもし田井中です」


11 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:02:36.55 QDrLdL3UO 8/77

『あ、あの…りっちゃんは…』

「たった今出掛けました」

『ええ!?』

『誰と!?』

「よくわかんないけど、澪姉とむぎ?って人と。あ、あと、梓って人も誘ってました」


13 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:04:27.36 QDrLdL3UO 9/77

『嘘だっ!!じゃあなんであたし誘われなかったの!?』


「さあ。面倒くさがらてるんじゃないですか?ちょっと頭弱いみたいですし」

ブツッ
ツーツーツー

「言い過ぎたかな」
「まあいいか」


14 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:06:44.92 QDrLdL3UO 10/77

ごふんご!

プルルルル

「…」

カチャ
「はいもしもし田井中です」

『うわあああん』
『ひっぐ…ひっぐ…

『びえええ 「うるさい」

ガチャ

ツーツーツー


23 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:10:17.31 QDrLdL3UO 11/77

プルルルル
「…」
プルルルル
「…」
プルルルル
「…」

カチャ
「はいもしもし田井中です」

『なんであたしハブられたの!?』

「なんで俺に言うんですか?」

『えっ』

『男の子だったの?』

「はい」


26 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:11:59.66 QDrLdL3UO 12/77

『まあそれはいいや』

『なんであたしハブられたの?!』

「知りませんよ。姉ちゃんに直接聞いたらどうですか」

『なるほど!』

ブツッ
ツーツーツー

「やっぱり馬鹿だ」


29 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:15:24.87 QDrLdL3UO 13/77

そのまたごふんご

プルルルル
「はいもしもし田井中です」

『ひどいよ!』

「はあ」

『りっちゃんったらひどいよ!』

「なにがですか?」

『なんであたしハブられたのって聞いたのね?!』

「はい」

『そしたらさ、じゃあ唯も来るかって言われたんだよ!?』

「良かったじゃないですか」

『』

『そうか!』


32 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:18:09.67 QDrLdL3UO 14/77

「行ったらいいじゃないですか」

『でももう断っちゃったよ…』

「(馬鹿だなぁ…)」

『あたしどうしたらいいの!?』

「…」

「姉ちゃん達は諦めて、別の人と遊んだらどうです?」

『そうか!』

ブツッ
ツーツーツー


34 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:21:25.76 QDrLdL3UO 15/77

プルルルル
「はいもしもし田井中です」

『おい聡!お前か?唯に教えたの?』

「うん」

『たっく…勝手にベラベラしゃべんなよ!わかったか?』

「わかった」

「うん、うん」

「じゃあね」


35 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:22:47.58 QDrLdL3UO 16/77

「嫌われてるなあ」

「さすがにちょっと可哀相だ」

「まあ関係ないけど」

プルルルル

「はいもしもし田井中です」


36 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:26:54.99 QDrLdL3UO 17/77

『断られた…』

「(なんで俺に言うんだろう)」

『和ゃんだけは親友だと思ってたのに…』

「まあ色々あるんじゃないですか(他にも友達いたんだ)」

『うん…きっと生徒会のお仕事が忙しかったんだね!』

「はあ」


40 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:30:31.41 QDrLdL3UO 18/77

『でもどうしよう…あたし他に番号知ってる友達いないよ…』

「(家でおとなしくしてればいいのに)」

「無理に遊ばなくてもいいんじゃないですか」

『何言ってんの!?』

『夏休みだよ!?』

『夏休みに一日中家に居るなんて…』

『そんなぼっちにはなりたくないよっ!!!』

「(この様子だともうなってるよな)」


41 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:31:54.33 QDrLdL3UO 19/77

『…そうだっ!』

「なんですか?」

ブツッ
ツーツーツー

「なんだったんだろう」

「まあいいや。宿題でもしよう」


44 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:36:24.74 QDrLdL3UO 20/77

しばらくして
ピーンポーン

「誰だ」

「…まさかな」

ガチャ
「…」

玄関を開けると、見知らぬ女性が立っていた
歳はちょうど姉ちゃんと同じくらいだろうか
嫌な予感を抱きつつ、俺は質問した

「どなたですか」
「君が聡くんだね!?唯だよっ!!!」
バタン
「(…やっぱりか)」



47 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:39:26.82 QDrLdL3UO 21/77

「ちょっと!!!なんで閉めるのさ!!!」
ドンドン

「見えない聞こえない」

「こんな可愛い娘が来たんだよっ!?童貞にはもってこいのエロゲー展開じゃんっ!!!!」

「見えない聞こえない」

「開けろ!!!開けろってば!!!」
ガチャガチャガチャ

「見えない聞こえない」


49 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:41:28.51 QDrLdL3UO 22/77

「開けろってば…」

「開けてよぅ…」

「お願いだよう…」


「さーて宿題するか。えっとどこまでやったかな…」



プルルルル

「…」

「はいもしもし田井中です」


54 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:43:52.80 QDrLdL3UO 23/77

『大変です(裏声』

「…」

『貴方に、今、玄関に居る美少女を構わないと一生童貞になる呪いをかけました(裏声』


ブツッ
ツーツーツー


プルルルル

「はいもしもし田井中です」


57 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:46:45.98 QDrLdL3UO 24/77

『これしきのことで諦めると思ったか!!!』

「はあ」

『!!きゃああああ!!!』

「どうしたんですか」

『へいへいお嬢ちゃんちょっと遊んでいかねーか(裏声』
『きゃああああ!助けてぇえう!!』
『うっへへ。泣いた顔も可愛いぜ(裏声』

ブツッ
ツーツーツー


58 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:48:24.06 QDrLdL3UO 25/77

「これは…どうしたらいいんだろうか」
「…ご近所さんに変な目で見られるのは嫌だなあ」

「しょうがないな。説得して帰ってもらうか」


62 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:50:39.39 QDrLdL3UO 26/77

ガチャ

「あの」
「!!」

「へっへっへ!!騙されたな!!お邪魔します!!」

「ああ、俺の腕力が無いばっかりに家に上げてしまった」

「まあいいか。家の中で説得しよう」


64 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:53:13.02 QDrLdL3UO 27/77

「きゃああああ!りっちゃんの匂いがするうう!!!」

「あの、とりあえず座ってもらえますか」

「変態っ!」

「(なんで?)」

「あの、とりあえずお茶です。暑さで頭がやられてると思うんで、麦茶でも飲んで頭冷やしてください」

「きゃああああっ!憧れの、友達の家の麦茶だあああ!!」


69 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 01:56:22.62 QDrLdL3UO 28/77

ゴキュゴキュ

「ぷはあっ!」
「家の麦茶のほうがおいしいっ!!!」

「はあ」

「さあ!…えーっと」

「なんですか」

「りっちゃん弟!遊ぶぞ」

「(名前聞かねーのかよ)」


73 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:00:02.90 QDrLdL3UO 29/77

「あのですね」

「僕、よく知らない人と遊ぶ趣味ないんで。しかも女子高生で、姉の友達でって、そんなシュチュエーション今まで体験したことが無いんです」

「それに、いきなり押しかけてくる貴女みたいな変質者と遊べる程僕器用じゃないんで」

「…愚かものだよっ!!!」


81 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:03:59.11 QDrLdL3UO 30/77

「はあ」
「そんなんじゃねえ」

「いつまでたっても童貞ぼっちなままだよっ!」

「別に構いませんが」

「若者よ、ガンガン行こうぜ!!ってことだよ!! 引いて駄目なら押してみろ!!」

「押してばっかですが」

「あたしは今が旬の女子高生美少女だよ!??」

「自分を美化しすぎじゃないですか」

「そんなあたしを目の前にして、ムラムラしないなんておかしいよ!!」

「主に貴女の頭せいですね、ムラムラしないのは」


83 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:07:37.38 QDrLdL3UO 31/77

「こんな非日常、もう二度と味わえないかもしれないんだよ!?」

「今、童貞を卒業するか、一生童貞のままか!?」

「ここが人生の分かれ道!!!」

「とりあえずスイカでもたべますか。あと、年頃の女の子がそんなに童貞童貞言うもんじゃありませんよ。みっともない」

「な…なんだとコイツ…」

「スルースキルが高すぎる…!」


85 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:10:42.09 QDrLdL3UO 32/77

---
「まあこれでも食べて落ち着いてください」

「すいかー!!」

「いただいまーす!!!」

「(普通にしてれば可愛いのに)」

「…はっ」

「このスイカ…何かかかってる」

「塩ですが」

「媚薬…?変態っ!!」

「変態は貴女じゃないですか」


90 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:14:58.71 QDrLdL3UO 33/77

「でもこうして男の子と二人っきりでスイカ食べるなんて、なんだか青春だねっ!おとにゃん!」

「おとにゃんってなんですか」

「りっちゃんの弟だからおとにゃんだよっ!!あずにゃんは裏切り者だから、後輩キャラは君が浮けつぐんだよっ!」

「はあ(名前聞けばいいのに)」

「さて、スイカも食べ終わったことだし」

「遊びにいこう!!」


93 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:19:16.81 QDrLdL3UO 34/77

「…」

「どしたの?」

「…」

「あ、もしかして、おとにゃんって呼ばれるのが嫌だった?」

「まあそれもありますが、知らない人と遊びに行くなってお母さんに言われてるんで」

「えぇっ?!」

「あたし達、あんなに愛し合ってたじゃない!!!」

「捏造しないでください」

「やだなあ冗談だよっ」

「(冗談を言える器量がこの人にあったのか)」


94 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:21:46.20 QDrLdL3UO 35/77

「それにしてもさ、知らない人はないでしょっ!種を深く食べあった仲なんだから!」

「卑猥な言い方しないでください」

「ね~お願いだよおとにゃ~ん」

「…(この様子じゃ何言っても引きさがらないな)」


97 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:24:36.42 QDrLdL3UO 36/77

「千円でいいですよ」

「ほえ?」

「だから、千円でいいです」

「愛をお金で買わせようって言うわけ?」

「まあ、ややこしい解釈をすれば」

「…」

「ちょっとまって」

「」パカッ

「いち…じゅう…」

「五十七円しか入ってない…」


100 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:27:05.45 QDrLdL3UO 37/77

「ああ…こんな世の中じゃポイズンだわ…」

「(このまま家で騒がれても迷惑だなあ)」

「しょうがないですね…」

「えっ」

「バイトして返してください」

「なんか不服だけどおとにゃーん」ダキッ

「暑苦しいです」


102 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:29:33.56 QDrLdL3UO 38/77

----
「さあやって参りました!」

「何がですか」

「夏!リア充の季節!」

「はあ」

「リア充と言えば!」

「はあ」

「自転車二人乗り!!」


104 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:32:24.63 QDrLdL3UO 39/77

---
「俺が漕ぐんですか…」

「あたり前じゃん!時かけでも耳すまでもみんな男の子が漕いでたよ!」

「はあ」

「さあ!川原まで漕ぐんだよ!」

「結構とおいですね…」

「やだやだ!時かけごっこするんだもん!」

「よくわかりませんがわかりました」


107 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:34:57.71 QDrLdL3UO 40/77

ギイッ
「ぐっ…(意外に重い…)」

「重くて悪かったね!」

「はあ」

「えっ本当にそんなこと思ってたの。」

「はい」

「…」

「あたしが漕ぐ!」


109 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:37:09.23 QDrLdL3UO 41/77

「おとにゃん!しっかり捕まってるんだよ!」

「これはこれで恥ずかしいな…」

「いくよ!」グイッ

「おお、早い」


「こんなの日の為に自転車漕ぐ練習してて良かった!」

「…」


113 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:38:51.29 QDrLdL3UO 42/77

川原
「はあ、はあ」

「すごい、あっと言う間だ」

「交代だよ!」

「えっ」

「時かけごっこするんだもん!」

「時かけごっこ…?」


「だからね、」


118 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:42:06.78 QDrLdL3UO 43/77

ポワワワーン
「唯さん」

「なんだいおとにゃん」

「姉ちゃんに彼氏ができたら、唯さん一人になっちゃうじゃないですか」

「ええっ」

「…俺と、付き合いませんか?」

「…ちょっと止めて」

「今、なんていったの」

「だーかーら」
「俺と付き合いませんか」

「俺、そんなに顔も悪くないでしょ」

ポワワワーン


121 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:44:15.00 QDrLdL3UO 44/77

「…本気ですか?俺、虫酸が走っちゃいました」

「時かけを馬鹿にするな!」

「(唯さんになんだけど)」

「さっ漕いで漕いで」

「大体姉ちゃんに彼氏居ないんだけど」

「聞こえない聞こえない」


124 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:48:10.69 QDrLdL3UO 45/77

「まあいいや。妥協します」

「まあ相手がこんながきんちょってとこがネックだよね~」

「…乗りませんよ」

「嘘嘘っ!嘘です!おとにゃん最高っ!りっちゃん並にイケてるっ!!カワかっこいい!!」

「…早く乗ってください」

「にょほほー乗せやすいのー」


127 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:51:34.86 QDrLdL3UO 46/77

----
「…」
「…」

「姉ちゃんに彼氏ができたら…」ゴニョゴニョ

「え?」

「唯さん一人に…」ゴニョゴニョ

「…ちょっと止めて」

「だーかーら」

「タイムリープしなきゃ!」ガシャン

「お、俺、と、付き合いま…ってあれ?唯さん?」

ドドドド

「いっけええうえええ」

バッシャン


132 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:53:56.72 QDrLdL3UO 47/77

----
「ぶえっくしゅん」

「完全に噛み合ってませんでしたね」

「おとにゃんの声が小さすぎるのがいけないんじゃ…ぶえっくしゅん…」

「…」

「あの、これ」

「へ?」


135 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:56:48.93 QDrLdL3UO 48/77

「う…上着…?」

「…」

「おとにゃん…」

「フード被って歩いてください。さっきあんなことしたからジロジロ見られるんで」

「ぶえっくしゅん!」

「なんじゃそりゃ!?」

「あ、タオル替わりには使わないでくださいね…って」
「」ゴシゴシ


138 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 02:59:02.49 QDrLdL3UO 49/77

「」ズビージュルル
「ありがとうおとにゃんっ!夏だからすぐ乾くしもういいよっ!!!」

「…」

「うおりゃあああっ」ブンッ

バッシャン

「な、流されちゃったよ!?」

「もう満足ですね。帰りましょう」


140 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:01:43.93 QDrLdL3UO 50/77

「えーまだ全然遊び足りないよ!!!」

「あのねぇ…」

「…聡?」

「姉ちゃん!」

「りっちゃん澪ちゃんムギちゃんあずにゃん!!!」


143 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:03:57.59 QDrLdL3UO 51/77

「…何してんの?」

「ふんっ!ハブられたの根に持ってるんだからねっ!今更誘ったって無駄なんだからねっ!」

「別に…」

「唯、お前何してんだよ」

「え…」


147 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:05:53.16 QDrLdL3UO 52/77

「…ありえねー」
「…」
「…」
「あ、あの、その」

「いや、別にいいんだけど。聡、説明してくれ」

「うんまあ」
かくかくしかじか


149 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:08:54.35 QDrLdL3UO 53/77

「酷いっ!私は変人じゃ」
「あのさあ、唯。お前悪い奴じゃないんだけどさ」

「なんでそうやって見知らぬ他人に迷惑掛けれるんだよ」
「怖かったわね、聡くん」
「ちょっと引きますわ、先輩」
「…うざ」

「え、えぇと…」

「…」
「ウザイならそう言えばいいのに」


152 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:11:10.02 QDrLdL3UO 54/77

「え?」
「なんでそうやって希望持たせようとするんだよ」

「…良い奴とか、思ってないんだろ?」
「ウザイキチガイって、ハッキリ言ってやった方が唯さんの為だよ」

「うわあああん!!!」


156 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:13:22.31 QDrLdL3UO 55/77

「あれ」
「お、おい唯」

キコキコキコ
「聡くんの禿ぇえええええ」

「ちょ、自転車勝手に…!」
「待てよ!」
ダダダダダダ



「…なんだありゃ」
「りっちゃんの弟結構可愛いわ…」


158 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:15:12.81 QDrLdL3UO 56/77

-----
「ハァ…ハァ…」

「…」
「いきなり漕ぎださないでくださいよ…」

「…自転車、パンクしちゃった」
「はあ…」ドサッ


159 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:16:46.25 QDrLdL3UO 57/77

「早く漕ぎすぎです」

「…」

「…」

「…」

「…」

「あたし、ウザイかなあ」


161 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:21:30.99 QDrLdL3UO 58/77

「ウザイですね」
「酷いっ」

「正直に言った方が唯さんの為です」

「おとにゃんにはデリカシーが足りないよ」

「そんな物要らない気遣いです。期待させる方が残酷です」

「…」

「…(川原で二人…夕焼けを見ながら…)」

「(語り合う…)」

「(あれ?これ青春じゃね?)」


163 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:24:06.51 QDrLdL3UO 59/77

「我が青春、ここに見つけたり!」
「はあ」

「…はあ」

「元気ないですね」

「…あたり前じゃん。あたしだって人間なんだから」

「…」

「おとにゃんにこんなに嫌われてるなあんてさ」

「あたし、わかってたんだよ」


165 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:27:20.65 QDrLdL3UO 60/77

「みんなにハブられたの、あたしがウザイからだって」
「みんなあたしのこと嫌いなんだ」
「あたしを好きになってくれる人なんて居ないんだよ」

「でもそれじゃあ余りにも淋しすぎるから」
「だから、気付かないふりしてたの」




「ママー、あのお姉さん一人で喋ってるよ?」
「シッ見ちゃいけません」


166 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:28:59.35 QDrLdL3UO 61/77

「えっ」


「ちょっと、聡くん?」

「ああすいません、喉渇いてたんでアクエリアス買ってきてました」

「…」

「飲みます?」


168 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:30:34.60 QDrLdL3UO 62/77

「あのですね、唯さん」

「貴女は俺が、貴女を嫌ってるとか言ってましたが」

「別にウザイと言っただけで、嫌ってはいません」

「え…」

「(まあ、好きでもないけど)」


171 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:33:39.16 QDrLdL3UO 63/77

「おとにゃん…」

「それって…(告白…)」
「(ああ、心なしかおとにゃんが凄くイケメンに見える…)」

「(あたし、おとにゃんとなら上手くいくかも)」


175 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:38:32.97 QDrLdL3UO 64/77

「おとにゃん!」
「はい」

「幸せな家庭を築こうね!!!!」
アーイトユウキダケーガトーモダーチサー
「…もしもし」


176 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:40:54.25 QDrLdL3UO 65/77

「うん…わかってるよ」

「ああ、はいはい」

「愛してる愛してる」

「え」

「じゃあな」ピッ

「あの…?」

「すいません、俺彼女居るんで」


177 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:42:50.00 QDrLdL3UO 66/77

-----
「私、悟りました」

「この世で一番残酷なことって」

「期待させといて、落とすことなんです」


180 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:48:28.53 QDrLdL3UO 67/77

数日後
プルルルル
「…はい、平沢です」

「えっ…お姉ちゃん!電話だよ」

「三次元死ね三次元死ね三次元死ね」ブツブツ

「お姉ちゃん!聡って人から電話」

「!」


181 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:51:21.65 QDrLdL3UO 68/77

「…もしもし?」
『もしもし、田井中です。田井中聡です』

「…」

『あの、唯さん』

「…おとにゃん」

『言い忘れてたことがあって』
「…何よ、今更」



『自転車代とパーカ代と、遊んであげたぶん、しめて1万円頂いてないんですが』
ブツッ
ツーツーツー


184 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:53:04.52 QDrLdL3UO 69/77

「三次元死ね三次元死ね三次元死ね」ブツブツ

「お姉ちゃん…」

プルルルル
カチャ
「はい、平沢です」

「えっ、ああはい」

「お姉ちゃん、また…」


186 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:56:06.43 QDrLdL3UO 70/77

「…」

『唯さん、約束はきちんと守りましょう。法で訴えることだってできるんですよ』

「…何よ!」

「何よ、偉そうに!!!」

「ぼっちの降りしてリア充だったくせに!!!」

『(酷い言い掛かりだ)』


190 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 03:58:27.74 QDrLdL3UO 71/77

「なんで、あんな期待させたのよ!」

「私を見てくれない!抱き締めてもくれないくせに!」

『はあ』
『抱き締めたら、一万円返してくれるんですか?』

「ほえ?」
ブツッ
ツーツーツー


192 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 04:00:30.20 QDrLdL3UO 72/77

しばらくして!

ピーンポーン
「はい、えっあの」

「唯さん、来ましたよ」

「えっ!?おとにゃん!?」

「姉ちゃんに聞いてきました」
「…今更何しにきたのよ!」
「唯さん」
「…」
「…」


194 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 04:02:50.48 QDrLdL3UO 73/77

「…(あんだけ言ったから抱き締めるよね)」
「」チラッ
「」チラッ

「…」
「やっぱり駄目だ」
「え?」

「好きでもない相手を抱き締めるなんてできません」

「はああ!?」


196 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 04:08:19.20 QDrLdL3UO 74/77

「浮気はしたくないんです」
「てめぇふざけてんのかああかくらわはには」
「お姉ちゃん落ち着いて!」
「だから、唯さんを好きになるように努力します。彼女とは別れます」
「えっ」

「(一万円は、デカい)」

「おとにゃん…」
「おとにゃんじゃありません」

「聡です」
「抱き締めたら、一万円返してくれるんですよね」
「聡くん…!」

「何これ」


201 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 04:14:14.35 QDrLdL3UO 75/77

数日後
「聡くんかぁ」

「いやあ、もう聡くんはすっかりあたしの魅力にメロメロですよ」

「それこそ、一万円のことなんて忘れてるくらいにね」

「捏造しないでください」

「捏造しないとやってられんわ!」
「なんなの!?毎日家に来たりして一回も抱き締めないじゃん!!!!」

「うーん、なんか違うんですよね」

「もうここまで来たら意地でも一万円返したくないわ」


204 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 04:17:01.90 QDrLdL3UO 76/77

「墓穴掘っちゃいましたね。ハハハ」

「聡くんも頑固だね!!!そんなにあたしには魅力がないかい!!!」

「いや、そういうわけじゃなくて」
「実は、ここに来るのが楽しみになってるから…なんて」

「ふん!もう騙されないよ!どうせ憂目当てでしょ」

「…ちがうよ」

「へ」


208 : 以下、名... - 2010/07/23(金) 04:22:46.75 QDrLdL3UO 77/77

「(ギー太…)」

終了
「待て待て待てい」
「もういい加減終わらせたいです。ゴールが見えません」

「もー!だからさ、あたしを抱き締めればいい話じゃん!!!」
「それはできません」

「どうしてさ!?」

「だって、そんなことしたら」



「…もう今みたいには居られませんよ」
「へ」
ギュ

おしまい


記事をツイートする 記事をはてブする