上条「ふむ……」
禁書「とーま!とーま!なにしてるの?」
上条「ああインデックスか、いやなに。この珍妙な筒についての考察をだな」
禁書「うーん……」
禁書「…だめ、頭の中にもこの形状のモノに関する図書はないかも」
上条「インデックスさんにもわからない筒、か」
上条「……」
カポッ
上条「!」
禁書「とーま!とーま!」
上条「ああ、思わず力を入れてみたが……まさか蓋があったのか」
禁書「TENGA?英語圏の言葉かなあ?」
上条「わからん、とにかく学校に行くまでに解明したいところだな」
元スレ
上条「TENGA……??」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1267924830/
禁書「穴があるね」
上条「穴があるな」
禁書「……」
ズボ
上条「!」
上条「インデックスさん!いきなりなにをしてるんですかあ!?」
禁書「うぇ……なんかネチョォってしてるよ…」ネチョ…
上条「あぁあぁ、とりあえず指を拭け!」
禁書「本当になんだろ…ゼリー?食べ物かなあ」
上条「お前はなんでも食い物に繋げるな…」
上条「……」
ズボ
上条「うわぁ~!ネチョった~!!」
禁書「……とーまってやっぱり馬鹿かも」
上条「完璧に行き詰まってしまった」
禁書「うーん、やっぱり科学側のアイテムらしいし小萌に聞くのが一番手っ取り早いかも」
上条「そうだなあ……」チラ
【TENGA】
上条「(もしかしてアレイスターが作った新兵器っつーことも……)」
上条「魔術側との新しい火種にならないといいけどな」
そうして俺はこの謎の物体【TENGA】を力一杯握りしめ、朝もやの残る通学路へ第一歩を踏み出した。
「暖かくなってきたとはいえ、まだまだ冷え込むなあ」
【TENGA】をジャグリングしながら歩を進める。真っ白な【TENGA】が細い太陽光を浴び、ソレがもつ色の特性上淡く光を反射した。
「しっかし、なんでこんなもんをあのビリビリが」
――…前日
上条「プレゼント?」
美琴「えぇ。」
上条「なんだコレ……TEN、GA?」
美琴「しらないわよ。黒子がアンタが喜ぶだろうからって」
美琴「べ、べつにアンタのたm 上条「あのツインテがねえ……」
上条「まあありがたく受け取っとく、あんがとな」ニッ
美琴「~~」ボッ
と、いう経緯がありこの謎の物体を入手する次第となったのだが。
上条「ただの嫌がらせかもな……」
ありえる。あのチビが発案したとなればその可能性は爆発的に上がる。
上条「おっ」
上条「あの娘は……」
上条「君は……」
初春「あっ上条さん、おはようございます」
上条「うっす、おはよう」ポロ
コロコロ
スッ
初春「?」
初春「なんでしょうか?……TENGA?」
上条「ああ、ソレについてわかってるのは名前だけっつー用途不明の危険物だ」
初春「危険物!?」アワワ
上条「大丈夫大丈夫、落としたり中に指つっこんだりしたけどなんもなかったから」
初春「そうなんですか……」
カポッ
初春「!」
初春「あ、開いちゃいましたっ」アワワ
上条「言ったろ?指を入れてもなにもなかったって」
初春「そうでしたね……」
初春「……」
ズボネチョ
初春「は、入りました!」
ヌッ…
初春「……吸い付いてきます」
ズボ…ヌッ……ズボ…ヌッ……
初春「すご、い……中にあるヒダが絡みついてきて」
上条「あの……初春さん?確かに指を入れても大丈夫とは言いましたけど、そんな出し入れしたらどうなるかわかりませんけどぉ!?」
初春「……はっ」ハッ
初春「……すみません」
上条「いやいや別に悪いワケでは」
初春「うーん」
初春「入れたり抜いたりしてて感じたんですけど……」
上条「ほぉ」
初春「なんて言ったらいいか……若干指が気持ち良かったりしたので」
初春「もしかしたらこれは最新式のリラックスアイテムかもしれません!」
上条「なるほど……!」
初春「よく見るとデザインも可愛らしいですし」
初春「佐天さんが好んで着られてる服とも似通った柄です」
初春「間違いありません!」
初春「これは今年流行する(予定)のセラピー効果もあるオシャレアイテムです!」
上条「お~」パチパチ
上条「さすが女の子だな!納得したよ」
初春「いやいや」テレ
上条「そうかそうかオシャレアイテムか!それならあのマセたツインテが送ってきたというのも説明がつく」
上条「……しかしどうオシャレなんだ?最近の若者のセンスには高度すぎて長々……」サッ
上条「とりあえず肩に乗せてみたが」
初春「ストラップホルダーがありますからお譲りしますよ」サッ
上条「おっいいのか!?悪いな今度なんか奢るよ!」
上条「鞄に付けて、と」スッ
鞄∽【TENGA】
上条「これで上条さんも今日からオシャレの仲間いりですよ!」ニカッ
上条「~♪」フフフン
上条「なんかたまに視線を感じるな……そのどれもがリーマンのおっさんというのが予想外だが」
土御門「おはようだにゃーカミや~ん」
上条「うっす土御門」
土御門「今日はやけに機嫌が…」
鞄∽【TENGA】
土御門「……」
鞄∽【TENGA】
土御門「(疲れてんのかなオレ)」
土御門「悪い、少ーし保健室に行ってくるな」
上条「おっどうしたんだよ急に……」
上条「アイツこれを見て急に落ち込んだよな……」チラ
鞄∽【TENGA】
上条「もしかしてこれって……」
上条「流行の先端かつ、すげえ高価だとか!?俺に先を越されて自信を喪失したから急に元気がなくなって…」
吹寄「ちょっと上条当麻!」
上条「?どうしたんだ吹寄」
吹寄「その肩に乗ってるのはなんなの!?」
上条「なにって……お前も年頃の娘なら知ってるだろ?TENGAだよTE・N・GA」
吹寄「なっ……」カァァ
吹寄「あ、アンタねえ…!」
上条「どうだ?似合ってるか」ニッ
吹寄「ば、馬鹿じゃないの!?」
上条「なにをそんなに怒ってんだお前……まさか」サッ
上条「こ、これは俺のだからな!くれって言ってもやらないぞ!」
吹寄「い、いらないわよっ!」
上条「じゃあなんでそんな顔を真っ赤に……あっ」
上条「そうか吹寄お前……」
上条「この【TENGA】を見て(オシャレ心に)火がついてムラムラきてるんだろう!!」
吹寄「っ……」
吹寄「さ、さいってー!!」
バチン!!
上条「ぐわぁっ!!!なぜ!?」
上条「お前のなにに触れたのかはわからねえが……」
上条「その幻想(勘違い)ぶち壊す!!!」
カパッ
吹寄「きゃっ」ビクッ
上条「ふんっ」ムンズ
吹寄「指!?」
上条「どうだ!?」
ズボ…
吹寄「……」
ネチョ……ズボ…ヌッ……ズボ…ヌッ……ズボ
上条「どうだ!?(癒されて)感じたか!?」
吹寄「は、ハハ……」
上条「(やった笑ってる!効果は抜g 吹寄「死ね!!」
バチドゴーン!!!!!
上条「ぐはあっ……な、なぜだ……ぁっ」グハァッ
上条「……いてて」
吹寄「……っ」ハァハァ
上条「……帰るわ」
吹寄「待ちなさいよ!今先生を」
上条「うるせえっ!」
上条「お前本当は気づいてるんだろう?」
吹寄「……」
上条「この【TENGA】で、誰もが喜んで誰もが気持ちよくなれる、そんなハッピーエンドを!! (買えない)嫉妬や妬みに縛られて人を殴って……お前が本当にソレを望んだのか!?違うだろ!?お前だって気持ちよく、他人に【TENGA】で気持ちよくなってもらいたい、そんな世界を望んでいるんだ!さあ始めようぜ吹寄!俺とお前、世界を気持ちよくするための【TENGA】を!!」
吹寄「っっねぇぇェェェェェェェ!!!」
ボガスガバチドゴドゴーン!!!!!
上条「ぬわーーーーーっっ!!」
小萌「か、上条ちゃーん!?」
小萌先生の相変わらずな、甘ったるく緊張感の足りない悲鳴を聞いたのが最後に、俺は意識を落とした。
――…
上条「ただいまー……いてて」
禁書「……とーま」
上条「ん?どうしたんだそんな顔して、飯時を過ぎて帰ってきたワケでもないですよ?」
禁書「違うの!その……TENGAの事なんだ」
上条「ああTENGAな誰にも盗られないように胸ポケットに入れて帰ってきましたよ!」ニカッ
禁書「ちがうの……その、TENGAは……」
上条「……へ?」
こうして今日一日の出来事は、俺こと、上条当麻の歴史ノートに黒く記載される結末となった。
了