ジョニィ「……」
ジョニィ「……なんだ? いきなり」
ジャイロ「いや別に深い意味はないぜ? ただふと思った素朴な疑問っつうかよ~~」
ジャイロ「よくある話題だろ? それともチェリーボーイかよおめー?」
ジョニィ「君はぼくがチェリーボーイに見えるのかい?」
ジャイロ「いや? 全然見えね~~」
元スレ
ジャイロ「ジョニィ、おまえ今までに何人の娘とヤッた?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364567267/
ジャイロ「だが、だからこそ疑問だぜ」
ジャイロ「おめーがこの話題にノッてこないってことがな」
ジョニィ「……」
ジョニィ「別に……その話題に興味がないわけじゃあないさ。ただ」
ジョニィ「あまり良い思い出がないんだよ……いやホント」
ジョニィ「ヤッた人数なら両手両足の指で数えられないくらいあるけどさァ」
ジャイロ「おいおい本当かよおめェ。俺より5つか6つ下だろ? サバ読んでるんじゃあないだろうな」
ジョニィ「そんなことないよ、3Pだって経験済みさ」
ジャイロ「おい、今3Pつったか?」
ジョニィ「でも、経験豊富だからこそ反省すべきことがあるっていうかさ……」
ジャイロ「おいおい……3P経験済みってのにもツッコんでやりたいが、とりあえず置いておくとして……」
ジャイロ「何かうつされたことあるのかよおめー、病気持ちか?」
ジョニィ「そんなんじゃあないよ。ただ……慢心は身を滅ぼすって言う『教訓』っていうかさァ」
ジャイロ「なんだ意味ありげによォ」
ジャイロ「いかにもプレイボーイって面してるくせに」
ジョニィ(『宿命』……そう言ってしまえばお終いだけど、『慢心』)
ジョニィ(そう、あれはぼくの『慢心』が招いたことだ)
ジョニィ(ぼくの足が動かなくなった理由を教えたら君はぼくを軽蔑するだろうか?)
ジョニィ「それより君はどうなんだ? そんな話題ふってくるってことは相当経験あるんだろ?」
ジャイロ「ニョホッ? 聞いちゃう? それ聞いちゃう?」
ジャイロ「俺の百戦錬磨の経験談、気になっちゃう?」
ジョニィ「……」
ジョニィ「……いや」
ジャイロ「おいおいおい、マジかよおめェ~~」
ジャイロ「人がせっかくこの何もない荒野で野宿って状況を楽しくしようと話題ふりまいてやったのによォ」
ジャイロ「おめーてやつは冷たいやつだなァ~~ジョニィ」
ジョニィ「……」イラッ
ジョニィ「じゃあ言えよ……君の百選練磨とやらを……聞いてやるからさ」
ジャイロ「あれ? 聞きたいの? やっぱり聞きたいの?」ニョホッ
ジョニィ「ああーー、いいッ! いいッ! やっぱいいッ! どうせあれだろ?」
ジョニィ「君の実家の病院の患者さんに手を出してるってあれだろ?」
ジョニィ「今思い出した! 前チョロッと言ってたよなァ~~君」
ジョニィ「その話だったらしなくていいよ、同じことをまた話すってのは無駄だからな!」
ジャイロ「ジョニィおめェーー……」
ジャイロ「結構ムカつくやつだな」
ジョニィ「それ、人のこと言えるのかい?」
ジャイロ「ああ言えるね! だが俺は心が広いからな……」
ジャイロ「やっぱり言わねェことにしておく!」
ジャイロ「だから今お前に『ムカつくやつだな』って言ったのも取り消してやる」
ジョニィ「そうかい」
ジャイロ「ムカつく『敵』が現れたら勿論ぶちのめすがな」
ジョニィ「それよりカードやる? ポーカーでいい?」
ジャイロ「いいや、いつもポーカーやってるからな。ブラックジャックにしようぜ」
ジョニィ「OK! ほら」チャリーン
ジャイロ「裏!」
ジョニィ「表、ぼくが親だ」
ジャイロ「クソ!」
ジョニィ「そういえばさ」
ジャイロ「んん?」
ジョニィ「ジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』って読んだことある?」
ジャイロ「あの月だの海底だの突拍子もない話書いてる野郎か? ヒット」
ジョニィ「ほいッ。そう言うなよ、いずれ人類がああいう場所に到達すると思うとワクワクするじゃあないか」
ジョニィ「で? 読んだことある?」
ジャイロ「暇な金持ちが賭けで世界一周旅行に出発するってあれだろ?」
ジャイロ「話だけは知ってる。それがどうした? ヒット」
ジョニィ「ほいッ。去年、新聞の企画で女性記者が小説と同じことしようとして、実際に72日間で世界一周しちまったんだってさ」
ジャイロ「ほォ~~それはドエライ話だな」
ジャイロ「そんなイカれた企画に金出した新聞社の正気を疑うね。スタンド」
ジョニィ「じゃあヒット……はい、ぼくの勝ち」
ジャイロ「クソッ! ほらよッ!」ジャラジャラ
ジョニィ「でもさ、それはこのスティール・ボール・ラン・レースにも同じこと言えるだろ?」
ジョニィ「優勝賞金だけでも5000万ドルだよ5000万」
ジャイロ「くッそォォォォ……まァ~~俺は金には興味はねえがな……」
ジャイロ「んで、それが何だってのよ。ヒット」
ジョニィ「運営側がレースを監視するため気球を飛ばしてるだろ?」
ジョニィ「鉄道に合わせてあれ使えば、もっと楽に世界一周できる時代がくると思うんだよね」
ジャイロ「まァそうかもな……ヒット」
ジョニィ「だからさ、これからどんどん文明は発達して、『隙』がなくなってくると思うんだよ」
ジョニィ「そういう時代なんだ……だから今行われているこの『レース』」
ジョニィ「この『レース』は大統領が遺体を集めるための陰謀だけど」
ジョニィ「だけどこういうレースっていうか『冒険』って、すごく大事なことだと思うんだよね」
ジョニィ「だけど文明の発達とともにそれも廃れていってしまう」
ジョニィ「だから今この時代にそれに参加してるぼく達ってさ、結構すごいよね」
ジャイロ「んん? かもな……ヒット」
ジャイロ「クソッ! バーストだ!」
ジョニィ「ん……ぼくの勝ち」
ジャイロ「クッソ!」
ジョニィ「そんな手ならサレンダーしなよ」
ジャイロ「嫌だね!」
ジョニィ「思ったんだけどさ」
ジャイロ「なによ?」
ジョニィ「『鉄球』の『回転』とか『スタンド』をイカサマに利用できないかな」
ジャイロ「おいおい……何言ってんだおめェ~~」
ジャイロ「まさか『スタンド』でイカサマしてたのか? そんな卑怯なやつとは思わなかったぜ」
ジョニィ「いやいやいや、単純に疑問に感じただけだってば」
ジョニィ「だいたい僕の『爪』で、どうやってトランプでイカサマするっていうんだい?」
ジョニィ「そもそも僕がイカサマしてるなら、こんな話題を君にふると思うかい?」
ジャイロ「わからんぜ。『あえて』って線も捨て切れないからな」
ジョニィ「もォ~~本当にしていってばァ。たださァ」
ジョニィ「世の中にこんなに『スタンド使い』がいるんなら、一人くらいそういうやつがいたって不思議じゃないだろ?」
ジョニィ「って話だよ」
ジャイロ「んん~~……かもなァ」
ジャイロ「ジョニィ、おめーもしかして天才じゃね?」
ジョニィ「だろ?」
ジョニィ「カードに限らずルーレットとかチェスで『スタンド』を使ってイカサマをやればバレないし負けることもない」
ジャイロ「実際いるかもなァ」
ジャイロ「イカサマとしか思えないのに、実際にイカサマしてる素振りもないやつってのは『スタンド使い』かもな」
ジョニィ「大統領の部下とかも危険な仕事しないで、そうやって生計立てればいいのにね」
ジャイロ「まァ、ギャンブル向いてない能力ってのあるけどよ」
ジャイロ「そういう危険に首つっこむ頭の『イカれた』ところが『スタンド使い』が『スタンド使い』たる所以なのかもな」
ジョニィ「君はぼくがイカレてるって言うのかい?」
ジャイロ「ああ、イカレてるぜおめーは。ジョニィ」
ジョニィ「……」
ジャイロ「……」
ジョニィ「……ふッ」
ジャイロ「……ニョホッ」
ジョニィ「今度こそ君、人のこと言えないぜ、それ」
ジャイロ「お互い褒め言葉として受け取っておこうぜ……そろそろ寝るか」
ジャイロ「明日も長丁場だしな」
ジョニィ「そうだね」
ジャイロ「トランプで負けたから俺が先に見張りやっといてやるぜ」
ジョニィ「ああ、その前に……」
ジャイロ「んッ?」
ジョニィ「コーヒー淹れてくれないか? 何故か急に飲みたくなった」
ジャイロ「おいおいおいおいィ~~、寝る直前に飲むのか?」
ジョニィ「ああ、今飲みたいんだ」
ジャイロ「たく、しょうがねェなァ~~。飛び切り美味いの淹れてやるぜ」
ジャイロ「ちょっと待ってな」
ジョニィ「ありがとう。いつか君の国にも行ってみたいな……食べ物も美味しそうだ」
ジャイロ「期待してる程のものでもねェぜ?」
ジャイロ「俺はこの国も悪くないと思うがな、つっても大統領があれだがよ」
ジョニィ「そうだね……」
ジャイロ「……ほらよ、淹れたてだ。砂糖もタップリ」
ジョニィ「ああ、ありがとう。乾杯する?」
ジャイロ「そうだな……じゃあ祖国に乾杯、てのは?」
ジョニィ「ぼくにとって祖国って、アメリカなのか? それともイギリスなのか?」
ジャイロ「俺が知るかよ」
ジョニィ「でも……いいね、祖国に乾杯」キン
ジャイロ「祖国に乾杯」キン
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