上条「じゃあ、行ってくるよ」
禁書「いってらっしゃーい。……さてと」
禁書(とうまは……うん、ちゃんと学校に向かったね)
禁書「鍵を閉めて……一応、窓も閉めて……よし!」
禁書「とうまの居ない間に……これを、今の内に」
禁書「とうまの……とうまの……」
禁書「とうまの歯ブラシ……はむっ」
元スレ
禁書「とうまの歯ブラシ……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329974750/
禁書「あむっ……んっ、ぺろ……ずちゅっ……」
禁書「あぁ……とうまの歯ブラシ、えろ……今日も変わらず、んちゅ……美味しいんだよ……」
禁書「あっ、とうま、髪の毛拭いたタオルも置きっぱなし……」
禁書(とうまの使ったタオル……まだ濡れてるけど、顔に――)
禁書「すぅー……くんくん。あぁ……いい香りなんだよ……」
禁書「さーて、次は……とうまの寝ているときに着てた服を」
禁書「すぅー……はぁー……もう一度、すぅー……」
禁書(ちょっぴり汗臭いけど……それがまた格別かも!)
30分後
禁書「ふぅ……とうまの香りは刺激が強いから、つい時間を忘れちゃう」
禁書「こんなに私を溺れさせるなんて、とうまは罪深いんだよ。ねぇ、スフィンクス?」
スフィンクス(は、はぁ……そうっすか)
禁書「あっ……いけない! とうまのお箸もペロペロしないといけないんだった!」
禁書「おっはし♪ おっはし♪ おっはっしー♪」
禁書「とうまの唾液がたっぷりついた、極上のメインディッシュ……」
禁書「恵みに感謝して、いただきます……あむ、えろん……」
禁書「んんっ、はぁ……とうまの唾液、甘い蜜みたいなんだよ……」
禁書「はむっ、んちゅっ……ずずっ……」
30分後
禁書「……とうまの味、無くなっちゃった」
禁書「んー、もうちょっと楽しみたいのに……何かいいものは――あっ」
禁書「あそこにあるのは……とうまの毛布!?」
禁書(とうまの毛布――それはこの世でもっとも長い時間とうまの香りを吸収し、とうまの汗を吸い尽くす罪深い存在。しかし、私にとっては憧れでもある……)
禁書(なぜなら、とうまの香りをダイレクトに、そしてよりリアルに感じる事ができるから!)
禁書(でも、これは甘い罠……もしとうまの毛布を嗅ぐと――私の匂いが移ってしまう)
禁書(とうまにばれずにこっそり楽しんでいたのに、もしとうまが知ったらきっと……)
上条『……インデックスって、ただの変態だったんだな。見損なったよ』
禁書「なんて事になっちゃうんだよ! だから絶対にこれだけはダメ!」
禁書「……でも、とうまの香りをもっと楽しみたいってのが正直なところなんだよ」
禁書「あぁ……これは私に与えられた試練。でも、この試練を私はちゃんと……すんすん」
禁書「乗り越えて、くんくん……立派な……すぅー……修道女になるんだよ!」
スフィンクス「な、なー」
禁書「あれ? ふん……すぅー、どうしたのスフィンクス?」
スフィンクス「なー、なー(手に持ってるのを見てみろって)」
禁書「私の手を見てどうし……あれ? これはとうまの毛布……」
禁書「これを今、私は顔に近づけて……すんすん、はぁぁ……最高なんだよ……」
禁書「……し、しまったっぁああああああああ!?」
禁書「ど、どうしよう……我慢できずに嗅いじゃったんだよ……くんくん、あはぁん……」
スフィンクス(……だめだこりゃ)
30分後
禁書「はぁ……どうしよう、たっぷり堪能してしまったんだよ……」
禁書(このままだと……とうまにばれて)
インデックスの妄想
上条『インデックス、毛布からお前の匂いがするんだけど』
禁書『そ、それは……』
上条『隠しても無駄だ。お前が俺の歯ブラシや箸を舐めたり、服の匂いを嗅いでんのは知ってんだぞ?』
禁書『ええっ!? そ、そんなぁ……』
上条『俺の居候がこんなに変態なわけがない、って最初は思ってたんだけどなぁ……』
禁書『う、うぅ……ごめんなさい』
上条『いーや、許す訳にはいかねえよ。ほら、こっちに来い』
禁書『えっ……? な、何するつもり?』
上条『決まってんだろ? オシオキだよ』
禁書『お、オシオキ……?』
上条『あぁ、これが何か分かるか?』
禁書『そ、それは……とうまが三日間も履き続けたパンツ……!』
上条『これをどうすると思う?』
禁書『わ、分からないんだよ……』
上条『じゃあ教えてやる――こうするんだよ!』ガバッ
禁書『んんっ!? と、とうま! 苦しい、苦しいんだよ!』
上条『お前の鼻を俺の下着で塞いでるからな。さぁ、気分はどうだ?』
禁書『こ、こんなの……苦しくて、臭くて……』
上条『……それだけか? 正直に言ってみろよ』
禁書『と、とうまの香りが……すっごい濃くて……』
禁書『最高なんだよぉぉぉぉぉおおおおおお!! ああんっ……』バタッ
――――
禁書「み、みたいな事になるのかな……? ど、ドキドキするんだよ……」
スフィンクス(あっ、もう手遅れだ)
禁書「……でも、嫌われたら嫌なんだよ。とうまと一緒に居たい、だけど……もう時間は戻らない」
風斬「こ、こんにちは……」
禁書「……あれ? ひょうかだ、どうしたの?」
風斬「えっと……困ってるみたいだったから。……何があったの?」
禁書「う、うぅ……ひょうか……ひょうかー!」ガバッ
風斬「わわっ……だ、大丈夫?」
禁書「このままだと……私、私……」
風斬「う、うん……」
禁書「とうまのパンツで安楽死してしまうかも! とうまのパンツが三日間なんだよ!」
風斬「…………へっ?」
風斬「えっと、つまり……毛布に匂いがついちゃったからどうにかしたいって事?」
禁書「そうなんだよ……オシオキは嬉しいけど、嫌われるのは嫌なの……」
風斬(……オシオキって、なんなんだろう)
禁書「ねぇ、ひょうか……どうしたら良いと思う?」
風斬「うーん……あっ、こういうのはどう?」
禁書「えっ? 何か良い考えでもあるの!?」
風斬「た、多分……」
禁書「ひょうか! 今すぐ教えて! とうまのパンツは残念だけど、今はひょうかに任せるんだよ!」
風斬「とりあえず……落ち着いて?」
禁書「で、どうすればいいの?」
風斬「えっと、今日はいいお天気だよね」
禁書「うん、ぽかぽかしてて、とうまの歯ブラシを味わうのには最高のお天気なんだよ!」
風斬「歯ブラシ? そ、それは置いておいて……だから、毛布を」
禁書「毛布を?」
風斬「外に干せば、あなたの香りも消えて誤魔化せるんじゃないかな……?」
禁書「――っ!」
風斬「ど、どうかな?」
禁書「……ひょうか、一つ言っていい?」
風斬「うん……何?」
禁書「私は……そんな愚かな事を考えるともだちをもったつもりはないんだよ!!」
風斬「え、ええぇ!?」
禁書「だって考えてみてよ! この毛布にはまだとうまの香りが僅かだけど残ってる!」
風斬「そ、そうなの……?」
禁書「そうなんだよ! 嗅げば分かるもん! すんすん……はぁん……」
風斬(……なんであんなに恍惚とした表情ができるんだろう)
禁書「ふぅ……とうまの香りは貴重なの! だから消すのはダメ!」
風斬「えっと、それじゃあ……どうすれば」
禁書「……だから困ってるの。助けてよぉ、ひょうか……」
風斬(この子を――大切な『ともだち』は助けてあげたい……でも、どうしよう)
禁書「ううっ……ぐすっ……やっぱり干すしかないのかなぁ……とうまの香りがぁ……」
風斬「……あっ、そうだ。干す事には変わりないんだけど……こう考えたらどうかな?」
禁書「ひぐっ……おえっ……。……どう考えるの?」
風斬「えっと、つまり――」
上条『ただいまー』
禁書『おかえりなさい、とうま』
上条『あれ? どうして毛布がここにあるんだ?』
禁書『えっとね、今日はいいお天気だったから、干したらとうまが気持ちよく寝られると思って』
上条『えっ? つまり、インデックスが……俺の毛布を干してくれたのか!?』
禁書『うん、勝手に干してごめんね?』
上条『インデックス……俺は、俺は……猛烈に感動している!』
禁書『と、とうま……?』
上条『インデックス! 確信したよ! 今、俺がインデックスに抱いている思いは――愛だ!』
禁書『愛……って、とうま。それって……』
上条『あぁ! 結婚しよう、インデックス! そして毎日俺の毛布を干してくれ!』
禁書『とうま! つまり……とうまのパンツを毎日嗅いでもいいの!?』
上条『当たり前だろ? さぁ、俺のパンツ――四日履いたヤツだ! 受け取れ!』
禁書『ふ、ふおおおおおおおおお!! とうまの香りがスパイシーアンドダイナマイトなんだよぉぉ!!』
―――――
禁書「ってことになるの!?」
風斬「……ならないと思う。でも……ありがとうって言ってくれるよ、きっと」
禁書「そっか……とうまにありがとうって言ってもらえたら……きっと、すごく嬉しいんだよ」
風斬「それなら……干しても、いいよね?」
禁書「うん! とうまの毛布を干すんだよ! ありがとね、ひょうか!」
風斬「……ううん、喜んでくれて私も嬉しいよ」
禁書「よいしょ、よいしょ……これでいいかな?」
風斬「うん、風も強くはないから大丈夫だと思う」
禁書「とうま、早く帰ってこないかなー……まだかなー」
風斬「どこかに出かけてるの?」
禁書「学校って言ってたんだよ」
風斬「学校……今日は日曜日なのに……?」
風斬(それに……何かこう、引っ掛かるものが……気のせい?)
禁書「……とうまはいっつも、ほしゅうだーって言って、休みの日でも学校に行っちゃうから」
風斬「そっか……それだと一人だから、ちょっとさみしいね」
禁書「ううん、大丈夫。さみしくなんかないんだよ」
風斬「えっ?」
禁書「だって、私の側にはひょうかが居てくれるもん。だから大丈夫!」
風斬「私が居れば……さみしくないの?」
禁書「うん! ひょうかは私と一緒だと楽しい?」
風斬「う、うん……とっても楽しい。……どんな時間より、この時が一番好き」
禁書「私も一緒だよ、ひょうか」
風斬「……ふふっ、ありがとう」
スフィンクス「なー!」
禁書「あっ、ごめんごめん。スフィンクスももちろん一緒なんだよ!」
風斬「よしよし……」ナデナデ
スフィンクス「なー(ご飯まだですかー?)」
風斬「じゃあ、私……そろそろ行くね」
禁書「うん、助かったんだよひょうか。ありがとう!」
風斬「……えっと、天気の悪い日は毛布は我慢した方がいいと思う」
禁書「う、うん……反省したかも」
風斬「ふふっ……さようなら、またね」
禁書「またねー!」
風斬(……あんな一面もあるんだなぁ。あれ……? ドアの外に居るのは……)
上条「……よう、風斬」
風斬「な、何をしてるんですか……?」
上条「決まってんだろ? インデックスの観察だよ」
風斬「か、観察……?」
上条「あぁ、毛布やタオルからインデックスの香りがして気になってさ」
風斬「ええっ!? 気付いてたんですか……?」
上条「……この上条さん、女の子の甘い匂いには敏感なのでございますの事よ」
風斬(こ、怖い……)
上条「っつー訳で、今日は学校行くって嘘ついてインデックスを見張ってたんだよ」
風斬「そ、そうなんですか……」
上条「しかし、インデックスのヤツ……好き勝手やってくれたな」
風斬「あ、あの……決して悪気があった訳じゃなくて……」
上条「いーや、庇っても駄目だ。……キチンとオシオキしてやんねーとな」
風斬「お、オシオキ……?」
上条「あぁ、俺が履いてる下着――五日目だ」
風斬「……はい?」
上条「インデックスの想像を上回る俺の下着……これでアイツの世界をいっぱいにしてやるんだ!」
風斬「こ、怖い……」
上条「よーし! いっくぞー!! インデックスゥー!!」
禁書「と、とうま!? おかえりなさい……実は私、とうまの毛布を」
上条「俺の歯ブラシや箸、そして毛布はどうだった?」
禁書「えっ……? と、とうま……まさか」
上条「この上条さん、お前のやった事はまるっとお見通しなんだよ!」
禁書「そ、そんなぁ……ご、ごめんなさい……」
上条「いーや、許さねえよ。……コレを見ろ、インデックス!」
禁書「そ、それは! 漂うオーラ……その神々しさは、五日目のパンツ!」
上条「これをどうすると思う、インデックス?」
禁書「だ、ダメ! そんなの嗅いだら……」
上条「……喰らえ!」
禁書「……っ!?」
禁書「ふ、……ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ビクンビクン
風斬「……その日、私はともだちの笑顔を見て複雑な気持ちになりました」
おわり