和「幼稚園の頃の約束だし仕方ないわよね」
唯「幼稚園の頃・・・思い出せないや」
和「酷いわね」
唯「ご、ごめんよぅ・・・」
唯「ど、どんな約束だったっけ?」
和「将来の夢を絵に描くってことがあって・・・」
唯「あー!お菓子の家に住みたいってお菓子の家の絵を描いたんだよね!私にお菓子の家を建てろってか!」
和「それは唯、あなたの将来の夢だったでしょ」
唯「あぅぅ・・・」
元スレ
和「へぇー覚えてないんだあの約束」 唯「ごめん・・・」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293624525/
和「私の夢は綺麗な花嫁さんだったからウェディングドレスの絵を描いたの」
唯「へー初耳だよそれ」
和「いや、あなたも横に居たわよ・・・」
唯「・・・・・・それでそれで?」
和「私、男の子っぽかったから周りの子達が『お前なんか花嫁になれねーよ』って」
唯「酷いなぁ~」
和「あなたも一緒になって笑ってたけどね・・・」
唯「ご、ごめんなさい・・・」
和「で、私泣いちゃったのよねぇ」
唯「の、和ちゃんも泣くことあるんだ・・・」ポカーン
和「・・・」
唯「・・・」
和「そしたら唯が泣いてる私にね、
『和ちゃんが大人になって結婚出来なかったら私が和ちゃんのお嫁さんになってあげる!』
って言い出したの」
唯「私がお嫁さんになるんだ・・・」
和「そこはお婿さんよねぇ・・・逆よねぇ・・・」
和「そいでね、周りが女同士だから結婚はできないよってチャカし始めたの」
唯「まぁ、そうなっちゃうね」
和「そしたら唯がムキになって
『それなら将来モロッコで性転換して男になるからいいもん!』
って言い返して・・・」
唯「ちょちょちょちょちょ和ちゃん」
和「なに?」
唯「・・・モロッコってなに」
和「国の名前よ。あなたそんなことも知らないの」
唯「それくらいは知ってるよ・・・(どこにあるかまでは分かんないけど)」
和「じゃあなんなのよ」
唯「ほんとに幼稚園のころの私、そんなこと言ったの・・・?」
和「・・・」
唯「・・・言わないよね、性転換とか」
和「・・・まあ、正直モロッコは私も言いすぎたわ」
唯「うそだよね」
和「嘘じゃない。ちょっと盛りすぎただけ」
唯「うそなんじゃん・・・」
和「嘘じゃない」
唯「えー・・・」
和「嘘じゃないもん」
唯「もんって。和ちゃんのキャラと違うよ・・・」
和「とにかくそんなこんなだったわけよ」
唯「自分がふりになると無理にごまかそうとする。
和ちゃんはいつもそうだ・・・」
和「それでね・・・」
唯(無視かい)
和「結局のところ唯は言い負かされて半泣きになっちゃったんだけど」
唯「そうなんだ」
和「自分だって泣いてるのに、それでもまだ『泣かないで、和ちゃん』って
『私が絶対お嫁さんになるから』って」
唯「・・・・・・」
和「その時の唯、普段と違ってかっこよかった」
唯「のどかちゃん・・・」
和「私はあなたに手を握られながら『あの涙ぺろぺろしたいなあ』とか思ったものよ」
唯「ちょちょちょちょちょ」
和「なにかしら」
唯「い、いま何か不適切な発言が混じらなかった?」
和「『唯の体液をくまなくなめとりたいなあ』のこと?」
唯「それじゃないけど、もっと悪くなってるよ・・・」
和「唯、どうしてちょっとずつ後退してくの」
唯「和ちゃんがだんだん近づいてくるからだよ」
和「そうかしら」
唯「そうだよ・・・」
和「まあ、良いわ。とにかく、そういう約束があったの」
唯「そっか・・・」
和「やっぱり思い出せない?」
唯「うう・・・ごめんね、和ちゃん」
和「いいわよ、別に。唯が覚えてなくても、私は覚えてられたのだし」
和「すこし、残念なだけ」
唯「・・・ごめんね」
和「いいってば」
唯「うん」
和「そういう訳だから、さあ、唯」
唯「和ちゃん?」
和「どうしたの」
唯「どうして急に両腕を広げたの・・・」
和「何故わからないの」
唯「わからないよ」
和「ハグだけど」
唯「はぐ?」
和「ぎゅっとして。私はウエルカムなんだから、早く」
唯「あ、そっか・・・」
唯「行くよ」
唯「・・・やっぱなんか恥ずかしい」
和「早くしなさい」
唯「はい」ぎゅっ
和「ゆい・・・」
唯「和ちゃん・・・」
和「ん・・・あ、ふ、ああ!」
唯「・・・」スッ
和「無言で離れないでよ」
唯「だって、なんか変な声出すんだもん」
和「はあ・・・まあ良いわ。じゃあ、改めてよろしくね、唯」
唯「・・・?」
和「よろしく」
唯「なにを?」
和「これからの私の、いえ、二人の人生に決まってるじゃない」
唯「ちょっと和ちゃんが何言ってるのかわからないよ」
和「あなた、今まで私の話をちゃんと聞いてたの?」
唯「うん」
和「約束、したでしょう」
唯「うん・・・、まだ思い出せないけど」
和「そしてあなたは私を、抱いた」
唯「和ちゃんがしろっていうから・・・」
和「じゃあ分かるでしょ。これはもう事実上の結婚ということじゃない」
唯「ぜんぜんわからないよ」
和「なんでよ。何がわからないのよ!」
唯「なんにもわからないよ!なんでぎゅってしただけでそういうことになるのさ!」
和「今まで軽い気持ちで私を抱いてたの?」
唯「えっ・・・」
和「遊びで私の身体を使っていたのかって訊いてるのよ」
唯「ちょ、ちょっと落ち着いてよ」
和「ひどい・・・ひどいわ、唯・・・」
唯「落ち着いてってば。
むしろ和ちゃんがそんなに重い気持ちで私を受け止めてたことにびっくりだよ・・・」
唯「まず普通ハグと結婚は結びつかないと思うんだけどぉ・・・」
唯「そんなら私、あずにゃんとかとも結婚しなくちゃいけないし・・・」
和「浮気してたのね。あの泥棒猫・・・」
唯「あずにゃんを悪く言わないでよ」
和「だって、唯をとられるなんて、くやしくって・・・ぐすっ」
唯「だからそういうんじゃないって。
だいたい、憂はどうなっちゃうの・・・よくぎゅってしあってるのに」
和「近親相姦・・・!?」ワナワナ
唯「何度も言うけど、ハグってそういうものじゃないんだって!
なんで和ちゃんわからないの!」
和「わかってるわよ、なにもかも。私以外にも女がいたってことでしょ、
あっはっは、それなのに私・・・唯の一番だと思ってた・・・とんだピエロだったってことね」
唯「なにもわかってないよ!外人さんはハグなんて挨拶代わりなんだよ?」
和「それは外人の話でしょう。あなた何人なの」
唯「に、日本人だけど・・・」
和「なら話がちがうじゃない。へ理屈でごまかそうとするのはよして」
唯「どっちかっていうと和ちゃんの方がへ理屈っぽいんじゃないかな・・・」
和「・・・・・・わかった、わかったわよ」
唯「のどかちゃん、泣いてる・・・」
和「泣いてなんてない」
唯「でも・・・」
和「ほっといて。・・・百歩譲って、ハグについてはそういうことにしといてあげるわ」
唯「うん・・・和ちゃんは人に譲ることを覚えたほうがいいと思うよ」
和「でも結婚はしてくれるわね」
唯「なんでさ」
和「私、結婚式は教会でって決めてるの。私が白のドレスで、唯が黒のタキシードで」
唯「なんでさ」
和「だって、あなたタキシード似合いそうじゃない」
唯「そういうことを聞いてるんじゃないよ!なんで結婚することになってんのさ!」
和「はあ・・・いい、唯?」
唯「うん。いや、よくないけど」
和「昔、幼稚園の時にね、将来の夢を絵に描くってことがあって」
唯「聞いたよ、その話はもう!」
和「唯ったら『私、将来のどかちゃんと結婚するー!』って大きな声で」
唯「だからその話はもう・・・いや、聞いてないよ!
さっきからだいぶ変わってるよその話!」
和「私は本当はアイドルと結婚したかったんだけど、唯が
『のどかちゃんじゃなきゃやだ!』って駄々をこねるもんだから仕方なく・・・」
唯「つごうよく事実を捻じ曲げないでよ・・・」
和「あなた、覚えてるの?」
唯「いや、覚えてないけどー・・・」
和「ならどうして事実と違うってはっきり言えるの?」
唯「覚えてないけどそれは絶対に違う気がするんだ」
和「唯の気なんて天気予報より当てにならないわよ。
言うなれば金田一耕助の等々力警部が言う『よし、わかった!』くらい当てにならないわ」
唯「うう・・・よくわかんないけどひどい言われようだってことだけはわかる」
和「唯のために分かりやすく言うと、唯はばかだってこと」
唯「ひどい言われようだ」
和「ばかなんだから唯はよけいなこと考えないでいいの」
唯「和ちゃん、ほんとは私のこときらいなの・・・?」
和「好きよ。愛してるわ」
唯「じゃあ、なんでそんなひどいこと言うの・・・」
和「よくあるじゃない。小学生が好きな子にいたずらしたくなるってやつ」
唯「うん・・・」
和「あれよ。私は唯が好きだからひどいことを言っても許されるの」
唯「和ちゃん、小学生なの?」
和「・・・高校生だけど」
唯「じゃあ話がちがうじゃん。いいかげん大人になってよ・・・」
和「ごめん・・・」
唯「変なところで子どもっぽいよね・・・」
和「ごめんなさい。小指でもなんでも詰めるから嫌いにならないで、唯」
唯「重いよ、のどかちゃん!私そこまで怒ってないって!」
和「じゃあ・・・切腹する。それでいいでしょ」
唯「しなくていいって。なんでさっきより重くなってるのさ。のどかちゃんが死んじゃうよ・・・」
和「私のこと嫌いにならない・・・?」
唯「ならないから」
和「よかった・・・じゃあ結婚」
唯「しないよ?」
和「えっ・・・ど、どうして」
唯「なんで意外そうな顔してるのさ。むしろどうしてこの流れで結婚できると思っちゃったの?」
和「私のこときらいなの?」
唯「のどかちゃんのこと、きらいじゃないよ」
和「好きなの?」
唯「うん・・・」
和「なら結婚・・・」
唯「しないって」
和「なんでよ!言ってることめちゃくちゃじゃないの、唯のばか!男前!ミュージシャン!」
唯「悪口言わないでよ・・・・・・悪口?」
和「好き同士なら結婚するのが当り前でしょ!?」
唯「と、友達の『好き』のつもりだったんだけど・・・」
和「なにそれ、好きに区別なんかあるの?」
唯「普通あると思う・・・」
唯「和ちゃんは親友だし、りっちゃんや澪ちゃん、ムギちゃんにあずにゃん、さわ子先生、
クラスの人たち・・・それに憂とお母さんとお父さん・・・
みんな大好きな人たちだけど、どれも違った意味の『大好き』で、」
和「話がよくわからない」
唯「ええぇ~・・・」
和「要するに、唯は私と結婚したいの?したくないの?」
唯「それは・・・」
和「お願い、答えて」
唯「のどかちゃん・・・」
和「おねがい、唯・・・」
唯「・・・・・・」
唯「・・・のどかちゃんはどうしてそんなに私と結婚したいのかな」
和「毎日セッ○スしたいからに決まってるじゃない」
唯「えっ」
和「げふんげふん。なんでもない、なんでもないわ」
唯「でも、今なにか変なこと・・・」
和「聞き間違えよ」
唯「う、うん・・・じゃあ、のどかちゃんはどうして私と結婚したいの?」
和「それは、幼稚園の時に将来の夢を」
唯「違うよね」
和「唯はなんにも夢が思いつかず『のどかちゃん、どおしよお』と私に泣きついてくるので
すかさず私が『しょうがない、ゆいはわたしのお嫁さんになればいいや』と、
そしたら『ありがとー、のどかちゃん!』って・・・」
唯「違うよね、のどかちゃん」
和「・・・今度は八割方本当よ?」
唯「そうじゃなくって・・・」
唯「普通、そんな小さいころの約束、果たそうとしないよ」
和「私は約束を守る女なの。嘘もつかないし」
唯「ぜったいうそだ・・・」
和「嘘じゃないもん」
唯「のどかちゃんは、小さいころに約束したから私と結婚するの?」
和「・・・・・・」
唯「幼稚園の頃の約束のせいで私と結婚しなきゃとおもってる?」
和「・・・・・・」
唯「そもそも、今までそんなこと言ってこなかったじゃん」
和「それは・・・あなたが約束を忘れてたから・・・
私はずっと覚えて楽しみにしてたのに、あなたが忘れてしまったから」
唯「ごめんね・・・でも」
和「いいよ、唯。私と結婚さえしてくれれば」
唯「のどかちゃん、ふざけないで聞いて」
和「私は真剣なの」
唯「私とのどかちゃん、そもそも付き合ってすらいないよね」
和「・・・ええ」
唯「それなのにいきなり結婚とか言われても、私うなづけないよ・・・」
和「勇気を出すのよ、唯。あなたはやればできる子」
唯「いや、勇気とかそういう問題じゃないよ。
むしろのどかちゃんのその蛮勇はどこからでてくるのさ。びっくりだよ」
和「愛ゆえに、よ」
唯「はいはい」
和「唯のいけず・・・・・・」
唯「それに、私ものどかちゃんも女の子なんだよ?」
和「そのくらいわかってるわ。何度もあなたの体は確認してきたもの」
和「目をつぶれば即座に思い浮かべられる程度には把握してるわ」
唯「・・・頭のいいのどかちゃんなら分かると思うけど、女の子同士がそういう関係になるのって
普通じゃないんだよ?」
和「私は気にしないわ、普通なんて」
唯「私が気にするって言ったら」
和「・・・じゃあ私モロッコに行く」
唯「いや、行かないでいいよ」
和「でも・・・」
和「唯はわたしに・・・その、と、トンちゃんが生えてないのがいやだってこと?」
唯「わお・・・」
和「なによ」
唯「と、トンちゃんって・・・」
和「オブラートに包んだつもりだったんだけど。唯は私にペニ」
唯「言わないで!分かってるから言わなくていいよ、そういうことじゃないから」
和「じゃあ何が問題だというの」
唯「私もよくわかんなくなってきたけど、一番の問題はのどかちゃんの発想のような・・・」
和「勘弁してちょうだい。私はこういう性格なんだから」
唯「うん・・・よそであんまりこういう一面を見せないでね」
和「私がおかしくなるのは唯の前でだけ」
唯「おかしいって自覚はあったんだね」
唯「・・・うぅ~ん、なんて言えばいいのかなぁ。わっかんないよぉ・・・」
和「唯?」
唯「わたし、ばかだから上手く言えないけど・・・ねえ、のどかちゃん」
和「なに、唯」
唯「あのさ、どうして今なの?」
和「今?」
唯「だから、どうして今なの、のどかちゃん。なんで今、結婚しようって言い出したの?」
和「・・・・・・」
和「・・・どうして」
唯「自分でもわからないの?」
和「そうじゃないの。唯、あなたはどうしてわからないの?」
唯「・・・・・・」
和「だって、今じゃなきゃ、今言わなければあなたは私から離れて行ってしまう」
唯「そんなことないよ」
和「そうよ。現にもう、あなたは昔の唯じゃない。どんどん私の知らない唯になってる」
唯「私は変わってない・・・」
和「いいえ、変わりました。自分で気づいてないだけ」
和「一人で学校も行けるようになったし、勉強もできるようになった・・・
ブラのサイズも大きくなったし、柄も大人っぽくなったし、
夜一人でトイレに行けるようになったせいで、おねしょ癖もなくなってしまった」
唯「ちょちょちょ!」
和「なに?」
唯「半分以上おかしいことを言ってない?おねしょとかいつの話を」
和「はあ・・・それだけあなたは立派な人間になってしまったのよ」
唯(無視した・・・)
和「もう、私抜きでもやっていけるくらいに」
唯「のどかちゃん・・・」
和「言い訳は無用よ。あなたにとって私は過去のものになりつつある・・・」
唯「いや、そうじゃなくて、なんで私のブラのサイズとか知ってるのかなあって・・・」
和「・・・」
唯「のどかちゃ」
和「あなたにとって私は過去のものになりつつある・・・ガン消しみたいにね」
唯「いや、のどかちゃん・・・」
和「ガン消しで字を消そうなんて思わないでしょ?
唯にとって私はそういう存在だったってことね。笑えるわ」
唯「ぜんぜん意味分からないよ。また無理にごまかそうとして・・・」
和「好きな人のスリーサイズくらい把握してたいわよ、悪い!?」
唯「逆切れされても困るんだな」
和「それどころか持ってるわよ。唯のパンツ持ってるわよ。私盗んだ。パンツ盗んだ」
唯「どん引きだよ・・・」
和「もっと聞きたい?お望みならもっと白状するわよ」
唯「のどかちゃんの悪事には非常に興味があるけど、今は本筋からずれるからいいや」
和「・・・」ほっ
唯「後で聞かせてね」
和「寝てるうちに唇を奪ったことは内緒にしておいた方が無難ね・・・」
唯「おい、お前」
和「ともかく私はもう過去の女なのよ、さながらガン消しのように」
唯「そのくだり気に入ってるの?」
和「そうなんでしょ?そうだって言って!」
唯「私はのどかちゃんを過去の人だなんて思ってないよ」
和「だって、あなたはもう私抜きでなんでも出来るじゃない」
唯「そんなことない・・・のどかちゃんがいなきゃ、私なんにもできないよ」
和「いいえ、それは嘘」
唯「・・・もし、そうだとしても、やっぱりのどかちゃんは必要だよ」
和「・・・なぜ?」
唯「だって、のどかちゃんはのどかちゃんだもん」
和「・・・・・・」
唯「それに、もしほんとに私がのどかちゃん抜きでなんでも出来るようになっていたのだとしても」
唯「それはのどかちゃんが近くにいてくれたからだよ・・・」
唯「私一人で成長できたんじゃない・・・のどかちゃんがいてくれなきゃ、なんにもできないよ」
和「でも・・・でも・・・」
和「実際、あなたは離れていくのよ。大学だって、別のところに通うことになる・・・」
唯「それは・・・」
唯「別の大学にいっても、今まで通り会えるよ」
和「それは同じ道を行く軽音部のみんなのこと。私と唯は今までどおりではなくなる」
唯「そんなこと」
和「そうだもん!そういう道を選んだんでしょ、私より軽音部をって・・・」
唯「・・・・・・」
和「そんなに言うならそっちが進学先変えればいいじゃないって顔ね」
唯「いや、べつに・・・」
和「だって、私は頭いいんだから、あなたと同じ大学になんていけないじゃない」
唯「言うね」
和「ごめんなさい」
唯「のどかちゃんって実は結構、いやかなりめんどくさい子だよねぇ・・・」
和「ごめんなさい」
唯「やれやれ・・・」
和「私のこときらいになった?」
唯「ちょっと引いた、かな」
和「やっぱり・・・私指詰めるね」
唯「しなくていいって・・・のどかちゃんがそういうところあるって知ってるから
のどかちゃんの良いところも悪いところも全部知ってるよ」
和「私も唯の全部知ってるよ」
唯「ブラのサイズまで?」
和「匂いも」
唯「匂いかいでるんだ・・・どん引きだよ」
和「ごめん・・・」
唯「変態だもんね、のどかちゃん」
和「あっ・・・唯の罵り、ちょっと気持ちいい」
唯「へんたい!」
和「も、もっと!もっと言って」
唯「やだよ、もう・・・」
唯「ねえ、それより今のが理由?」
和「うん?」
唯「急に結婚してくれって言ってきたことの理由なの?」
和「・・・・・・」
唯「のどかちゃん」 ぽんぽん
和「だって、さびしい・・・」
唯「うん」
和「唯がいなくちゃ、さびしいじゃないの・・・」
唯「うん」
和「今まで、ずっと一緒だったのに・・・一緒にお泊まりもしたし、
一緒にゲームもした、ファーストキスも二人で一緒だったのに・・・」
唯「うん、最後のはちょっと覚えがないな・・・」
和「それなのに、別れるなんて、できないよぉ・・・・・・」
唯「うん、のどかちゃん」
和「・・・おかしいよね、ずっと唯のお姉さん面してきたのに、
私が、私の方こそ、唯がいなければ何もできなかったのよ」
唯「のどかちゃん」
和「ぐすっ・・・きーみがーいーなーいーとなんにーもでーきーなあいよぉ」
唯「今歌うタイミング?」
和「唯のご飯が食べたいよ!!」
唯「のどかちゃんがキレた・・・」
和「もう私、唯がいないと死ぬからね」
唯「のどかちゃん落ち着いて・・・死ぬなんて言っちゃやだよ」
和「ぐすっ・・・ごめん」
唯「めっだよ、死ぬなんて言っちゃ」
和「はい・・・」
唯「のどかちゃんは、ばかだねえ・・・」
和「・・・かも」
唯「その上さみしがり屋だし、甘えん坊だし、へんたいさんだし」ぽんぽん
和「ふえぇ・・・」
唯「よしよし」
和「ひぐっ・・・唯、私ちょっとMかも」
唯「は、はい?」
和「そのぽんぽんってされるの気持ちいい・・・」
唯「うん、のどかちゃんは空気とか読むのも苦手だよね」ぽんぽん
和「ごめんね、唯・・・」
唯「いいよ・・・私やっぱり結婚はできないよ」
和「唯、いや」
唯「聞いて。結婚すれば、私と離れないで済むと思ったんだよね?」
和「・・・・・・うん」
唯「結婚じゃなくちゃだめかな」
和「・・・・・・わかんない」
唯「さっきも言ったけど、私達まだ付き合ってもいないよね」
和「キスはしたよ」
唯「それはのどかちゃんが勝手にしたんでしょ・・・」
和「私の想定ではあのとき唯も私と喜びをともにしてたのよ、確実に」
唯「それは妄想だよ・・・」
唯「ねえ、だからさ・・・とりあえず恋人同士からってんじゃだめ?」
和「恋人同士?」
唯「そう。恋人」
和「でもあなたさっき、私に対しての『好き』はあくまで友情だって言ったじゃない」
唯「あ、覚えてたんだ」
和「三歩歩けば忘れるあなたと違うわよ」
唯「のどかちゃん・・・」
和「女の子同士はおかしいとも言った」
唯「それは一般論のつもりで・・・」
和「中途半端なことを言わないで」
唯「あぅ・・・ごめんね」
和「なら、それなら一般論じゃない唯の考えはどうなの?私と結婚できる?」
唯「・・・私もわかんない」
和「そんなの、困るわよ」
唯「私はばかだから、急にじゃわからないんだ。のどかちゃんとの約束も覚えてなかったし」
唯「でも、のどかちゃんと離れたくないのは確かだよ」
和「唯・・・」ぎゅっ
唯「だから、のどかちゃんが私とそういう関係になって安心するなら、私もそうなりたいよ。
女の子同士がどうかってのは、よくわかんないけど・・・
のどかちゃんのことは好きだから、それはのどかちゃんにハッキリさせて貰いたいんだ」
和「わがままね」
唯「うぅ・・・そうかなぁ」
和「・・・信じていいの?」
唯「うん。私を信じて」
和「やっぱりだめ、信じられない。唯は嘘つきだから・・・」
唯「それはのどかちゃんでしょお?」
和「証拠をちょうだい、私が唯のことを信じられる」
唯「しょ、証拠?いったいどうすれば・・・」
和「とりあえずセッ○ス」
唯「さようならのどかちゃん、今までありがとう」
和「ああん!」
唯「どん引きだよ、のどかちゃん!次言ったらほんとにさよならだからね!」
和「唯のいけず・・・」
唯「のどかちゃん?」
和「わ、わかった!じゃあキス!これならいいでしょ」
唯「き、きすか・・・」
和「・・・だめ?」
唯(うっ、かわいい)
和「唯・・・」
唯「だ、だめじゃないけど・・・」
和「じゃあ、お願い」
唯「くちびるに・・・?」
和「もちろん」
唯「ちょっと、ちょぉっとだけ、心の準備を!」
和「どうぞ。じゃあ私待ってるから」
唯「すーはー、すーはー・・・」
和「・・・・・・」
唯「うぅん・・・」
和「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
和「・・・・・・」
唯「・・・よしっ」
唯「のどかちゃん、私、ききききき・・・きすするよ!」
和「ええ」
唯「行くよ」
和「うん」
唯「本当にするからね?」
和「どんとこいよ」
唯「きす、するからね、のどかちゃん」
和「のどかって呼んで」
唯「のどか・・・」
和「早くしなさい」
唯「ちゅ・・・」
和「・・・ん」
唯(のどかちゃんときすしちゃってるよお!)
唯(のどかちゃんくちびるやわらかいけど、べつにレモンの味はしないなぁ・・・)
唯(・・・これってどのくらいすればいいんだろう)
唯(・・・・・・・・・・・・)
唯(・・・・・・・・・・・・!?)
唯(舌入ってきた!?)
和「ふむん・・・ひゅい・・・」
唯「んー!んー!」
和「んむ・・・ぴちゃ」
唯「む・・・ぷはっ、の、のどかちゃ!」がばっ
和「うふふ、ゆーい」
唯「ゆーい、じゃないよっ!いきなり冒険しすぎだよ!」
和「何が?」
唯「なにがって・・・その、無理やり、その、あれするなんて・・・」
和「ディープキス?」
唯「それだよぅ!」
和「フレンチキスのこと?」
唯「いや、なんで言いなおしたの?ともかく私達にはまだ早すぎるよそういうのはぁ・・・」
和「いいじゃないの、長い付き合いなんだし」
唯「うーっ、でもぉ・・・」
和「ファーストキスでもないしね」
唯「そう言えばそうだった・・・」
和「ならいいじゃない」
唯「いや、おかしい・・・のどかちゃん絶対におかしいよ・・・」
和「そんなのはじめから分かってたことでしょう?」
唯「堂々と言わないでよ・・・とにかく、これで信じてくれたねっ?」
和「信じる?なんのこと?」
唯「キスし損!?」
和「冗談よ。・・・これで私達、恋人同士なのね」
唯「あ・・・う、うん。急にしりあすになるね・・・」
和「これからよろしくね、唯」
唯「うん、のどかちゃ・・・ううん。のどか」
和「ふふ、なんだかくすぐったいわね・・・」
唯「へんたいののどかにもそういう繊細な感覚があってよかったよ」
和「・・・それって私のことばかにしてるの?」
唯「そんなつもりでは」
和「まあ、いいわ。大学生になったらいっぱいエッチしましょうね」
唯「わあ、へんたいだ」
和「うふふ」
唯「うん・・・まあ、いいや。・・・いや、よくはないけど」
和「これから唯のためにがんばるから」
唯「がんばるって、なにを?」
和「私が女の子同士のよさを唯に教えなくちゃいけないんでしょう?
ぜったいに私から離れられなくしてあげるからね、楽しみにしててよ」
唯「うーん・・・それはあんまりがんばらなくていいけど」
和「だめよ。私は唯の恋人なんだから」
唯「・・・私ものどかの恋人だね」
和「うん・・・」
唯「・・・・・・でものどかちゃん?」
和「えっ」
唯「その前に言わなくちゃいけないことあるんじゃないかな?」
和「なんのことかしら・・・」
唯「下着」
和「・・・・・・」ビクッ
唯「盗んだんだって?」
和「・・・・・・さあ」
唯「さっき自分で言ってたじゃん・・・」
和「なんのことやらサッパリよ」
唯「へんたいののどかちゃんには余罪がありそうだなあ」
和「・・・・・・」ギクリ
唯「全部教えてくれるまでキスはお預けだからね」
和「そ、そんなぁ!!」
唯「下着もちゃんと返してね」
和「あ、あんまりよ・・・横暴だわ!これはもうDVよ、ドメスティックバイオレンスよ!」
唯「いやいや」
和「ひどい・・・あんまりだ・・・」
唯「ひどいのはのどかちゃんだよ」
和「だってだって・・・」
唯「ちゃんと全部白状したら許してあげるからさ」
和「し、知らない・・・」
唯「の ど か ち ゃ ん?」
和「・・・・・・う」
和「・・・・・・レ」
唯「ん?」
和「トイレ盗撮してました・・・」
唯「・・・・・・」
和「録音、とかもしてました・・・」
唯「・・・・・・」
和「ごめんなさい!あとで私のトイレもみせてあげるから!」
唯「・・・・・・ぃゃぃゃ」
和「つまり、その・・・」
唯「・・・・・・」
和「ゆるしてくれる・・・?」
唯「えっと、のどかちゃん・・・」
和「はい・・・」
唯「その、非常に言いにくいんだけど・・・」
和「うん・・・」
唯「やっぱあんたお嫁さんとかむりだよ」
和「ゆ、ゆいいいいいいいい」
唯「おしまい!」