シャミ子「あなた達魔法少女は己の欲望の為だけに私達まぞくの命と居場所を平気で奪うんです」
シャミ子「桃だって例外じゃないでしょう?きっと今まで私以外のまぞくを討伐したことがあるんですよね?」
桃「ち、ちが…っ!私は無害の魔法少女を襲ったりなんか…!」
シャミ子「無害だとか有害だとか…それを決めているのは貴方達魔法少女ですか?」
シャミ子「事情は分かりませんが…私のお父さんを封印したのも桜さんですよね?」
桃「そ、それは…」
シャミ子「ごせんぞだってそうです」
シャミ子「あんなに優しいごせんぞが四千年間もの間封印されているなんて間違っています、あまりにもかわいそうです…」
シャミ子「私達は神話の時代から呪いや封印を施され地獄のような生活を強いられてきました」
シャミ子「桃……私達が何か悪いことをしたんですか?私が悪いんですか…?」
桃「ごめん……ごめんなさい……」グスッ
元スレ
シャミ子「私が悪いんですか?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1574960079/
シャミ子「謝らないでください、桃が魔法少女の中でも穏便なのは知っているんです」
シャミ子「でも考えてみてください、私の…私達の苦しみは一体誰のせいなのかを」
桃「やめて……」
シャミ子「正直な話お父さんやごせんぞの封印を解くアテなんかありません」
シャミ子「封印の解除には魔法少女の生き血が必要だからです」
シャミ子「でも私は貴方達とは違う……だれかの血を流してまで失った者を取り戻そうだなんてとても思いません」
シャミ子「だれかが憎しみを背負ったまま生きないと悲しみの連鎖は終わらないんです」
桃「……ごめんなさい……ごめんなさい…っ」ポロポロ
シャミ子「……はわぁ~」ゾクゾクッ
桃「ごめん………ごめ…っ……うぅ」グスッ
シャミ子「そうですよね、憐れですよね」
シャミ子「かわいそうで涙が出ちゃうでしょう?」
シャミ子「あなたにも人の心があるみたいで安心しました、『千代田さん』…」
桃「……えっ」
シャミ子「……なにかつてない顔してるんですか」
シャミ子「いいですか?本当に私や私達まぞくの事をかわいそうだと思っているなら」
シャミ子「そのカッターで手首を切ってください」
桃「そ、そんなことしたら…っ!」
シャミ子「ええ、今の弱ってる桃が私に魔力を譲渡したら消えちゃうかもですね」
シャミ子「でも私は貴方血に触れません、まぞくへの魔力譲渡でなければただの切り傷でしょう?」
桃「でも……」
シャミ子「私を信じられないんですか?」
シャミ子「そうですよね…わざわざ私みたいな化け物の前に餌を放り込むような真似できないですよね」
シャミ子「よくわかりました、私も貴方もやっぱりただの敵同士なんですね」
シャミ子「さようなら千代田さん…二度と顔を見せないでくださいね」スクッ
桃「ま、待ってシャミ子!!やる…!やるから…っ!」
桃「私を一人にしないで……私を罪人にしないで……っ」グスッ
シャミ子「はわぁ~……」ゾクゾクゾクゾク
シャミ子(うう~!いますぐ桃に謝りたい!抱きしめたい!今の桃めっちゃかわいい!子犬みたいでかわいい!!)
シャミ子(だってだって普段あんな強くて凛々しくて動じない桃がこれ!!!これですよ!?!?!?)
シャミ子(もうこんなんめちゃめちゃ興奮するじゃないですか!!!テンション上がってきた!!!)
シャミ子(本当はこれ以上はダメ…っ!心ではわかってる、わかってるつもりなんですけど……!)
シャミ子(…………やっぱりこの辺で謝っておきましょう)
ザクッ
桃「うっ……」タラッ
シャミ子「ふふふ、光も闇も中身は一緒なんですね…おんなじ赤色」
シャミ子「よぉーくわかりました…桃の優しさは本物です」
桃「…わかってもらえたみたいでよかった」
シャミ子「やっぱり桃は私の大事な人です、酷いこと言ってごめんなさい」ギュッ
桃「よかっだ……わたしシャミ子に嫌われたらどうしようって……っ……本気で思って……っ!」グスッ
シャミ子「もう、今日の桃は泣き虫ですね…ほんとに」
シャミ子「ほら……目を閉じて……深呼吸をして……」
シャミ子(今のうちに血を拭き取ってあげて、あといきなりキ、キスとかしてビックリさせちゃいます…!)
シャミ子(あぁ……悲しみから解放された桃の緩み切った顔……きっとすごくかわいいんだろうなぁ)
バスッ
シャミ子「あ……え……?」ドロッ
桃「シャミ子…!?!?」
ミカン「……」
ドサッ
シャミ子「」
桃「シャミ……子……?」
桃「う、嘘だよね……え?……えっ?」ユサユサ
ミカン「間一髪ってところね」
桃「ミカン…?なんで…」
ミカン「事情はわからないけど、シャミ子…貴方が目を瞑っている間に血を盗もうとしていたから」
ミカン「桜さんに続いて貴方を失う訳にはいかなかったの…心苦しいけど」
桃「そんな……」ヘナッ
ミカン「…仕方がないことなのよ」
ミカン「私達が和平を望んでも…長寿であるまぞくには古来から今もなお続く呪いや封印が施されている」
ミカン「私がシャミ子の立場でもきっとこうしたわ、家族のためですもの」
桃「……」
ミカン「残酷な運命だけど仕方ないわ…私達は桜さんのように魔力操作についてもっと知識をつけ、呪いの調整やいずれは封印の解除の方法なんかも模索して…」
ドシュッ
ミカン「あがっ……!?」
桃「………仕方がないこと、なんだよね」
ミカン「桃……何を…」ボタボタ
桃「シャミ子は私の大切な人だったんだ……ミカン、私の立場ならどうしてたかな?」
ミカン「……はは……悔しいなぁ……私のが……桃と…長い付き合いなのに………」
ドサッ
………
シャミ子「『がんばれ桃さん!!憎しみの牙を剥き、闇の中で踠き続けるのだ!!』……って」
シャミ子「なんですかこれ!!悲しい!!悲しすぎます!!」
良「闇の一族の主であるおねぇにちょっとダークなキャラ付けをして書いてみた!どうかな!?」
シャミ子「却下です却下!!認めません!!」
シャミ子「良!!お姉ちゃんちょっと怒ってますよ!!さてはインターネットさんの入れ知恵ですね!?」
良「き、聞いておねぇ!!近年のアニメじゃこういう女の子が主役のハードな作品とかが凄く流行ってて…」
ピンポーン
桃「お邪魔します」ガチャッ
シャミ子「よくきたな魔法少女よ!」
シャミ子「今日は私とレトロゲームで決闘する約束だったな!」
シャミ子「負けた方がおやつ奢りですからね!!」
桃「以前シャミ子に負けたのが悔しかったら猛練習してきた、今日は負けないよ」
シャミ子「ククク、そのクールな表情いつまで続くかな?」
シャミ子「神話の時代より続く貴様らの愚かな行い、この私が裁いてくれる!!」
桃「…なんかシャミ子今日言葉キツくない?」
なにをしている清子!!子供を自由にスクスク育てるのは良いことだが、ブラウザの一部サイトのアクセス権限は親がしっかりロックをかけるべきだと思うぞ!!
みんな仲良く、血を流さない世界を目指すのだ!!