18 : 以下、名... - 2019/10/25 01:30:42 qGn3R8lY 1/18

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女吸血鬼「お、狼人間ですって……!?」狼男「あっ、はい」
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女吸血鬼「ゆ、遊園地ですって……!?」 狼男「うん」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1571933418/

1 : 以下、名... - 2019/10/25 01:10:18 qGn3R8lY 2/18

「きゅ、急にどうしたのよ」

「姉ちゃんが彼氏と行く予定だったらしいんだけど、外せない予定が入って行けなくなったみたい。それで勿体無いから使えってチケットを貰ったんだ」

「そうなんだ」

「あっ、予定とかあったら断ってもいいから。その時は友達でも誘って……」

「い、行くわ! 二人で遊園地に行きましょう!」

「本当?」

「一応、あなたの彼女なわけだし……少しチケット借りるわね。えっと、それじゃあ土曜日とかどうかしら?」

「大丈夫、楽しみだね」

「えぇ」

(告白されてから約一ヶ月経ったけど、まだ私が吸血鬼だって事を彼に伝えられていない。今度こそ伝えなきゃ……)

(でも……)

2 : 以下、名... - 2019/10/25 01:11:03 qGn3R8lY 3/18

「お母さん、この服どうかな?」

女母「随分と気合い入ってるわね……うん、似合ってるわよ。なになに、デートにでも行くのかしら?」

「ち、ちがっ……くもないけど、今週の土曜日に少し」

女母「へぇー、お土産はデートの話でよろしくね。期待してるわ」

「わ、分かった」

女母「そっか、彼氏が出来たかぁ……お父さんが怒りそうねぇ」

「そうなったらどうしよう……」

女母「私から言っておくから安心していいわよ。土曜日楽しんできてね」

3 : 以下、名... - 2019/10/25 01:11:41 qGn3R8lY 4/18

「姉ちゃん、この服変じゃない?」

男姉「別に変じゃないけど……どこか行くの?」

「うん、土曜日に遊園地行く」

男姉「あーね、友達と楽しんできなさいね」

「彼女と行く」

男姉「あーね……は?」

「服を見てくれてありがと、寝るね」

男姉「ちょっと待ちなさい……って、部屋に戻るの早いわね」

4 : 以下、名... - 2019/10/25 01:12:33 qGn3R8lY 5/18

「えっと……男?」

「あっ、こんにちは女さん」

「待たせちゃったかしら?」

「全然、まだ集合時間の15分前だし」

「私は15分前行動派なのよ……あなたは何分前からここに居たの?」

「30分前から待ってた」

「早すぎるわよ……次からは私も30分前に来るようにするわ」

「そうしたらこっちは1時間前行動になっちゃうね」

「どうしてそうなるのよ!」

「待つのが好き」

「変な所は矯正してあげるから覚悟してなさい」

5 : 以下、名... - 2019/10/25 01:13:28 qGn3R8lY 6/18

「何から乗りましょうか」

「やっぱりジェットコースターから?」

「あなたはジェットコースター得意? ちなみに私は……普通よ!」

「実はジェットコースターに乗ったことが無いんだよね。多分、大丈夫」

「そう、泣いたりしないでね?」

「泣かないよ」

「泣いているあなたを私が抱き締めて慰めている隙を狙って首を噛まれたりしたら堪ったものじゃないわ!」

「そんな事しないよ」

「まぁ、手を繋ぐくらいはしてあげるわ」

6 : 以下、名... - 2019/10/25 01:14:10 qGn3R8lY 7/18

「……」

「高いね」

「……」

「駐車場が広いね」

「そ、そうね……」

「女さんに握られている手が痛い」

「が、我慢してちょうだい……ぁ、落ちる? もう落ちる? イヤ、待って待って」

「握力が女の子してない、あっ、山が綺麗」

「そんな事言ってる場合じゃなぁぁぁぁぁぁ!!!」

7 : 以下、名... - 2019/10/25 01:14:48 qGn3R8lY 8/18

「余裕だったわね」

「震えが止まらないよ」

「そうね、泣かなかった事は褒めてあげる」

「わぁい」

「……」

「手が痛いです……」

「え、あっ、ごめんなさい……大丈夫?」

「なかなかの握力を持っておられる」

「そ、その、鍛えてるから……ね?」

8 : 以下、名... - 2019/10/25 01:15:55 qGn3R8lY 9/18

「次は少しおとなしいアトラクションにしましょう」

「それならあれだね」

「あれ?」

「お化け屋敷」

「へぇ……いいじゃない。あなたはお化け得意? ちなみに私は……普通よ!」

「正直言うと苦手……かな?」

「え、何言ってるのよ。ハロウィンじゃ私たち……じゃない、狼男や吸血鬼は有名でしょ?」

「小さい頃に観た映画が忘れられなくて」

「へー……ふふっ、じゃあ手を繋いであげるから頑張って進みましょうね?」

「うん」

9 : 以下、名... - 2019/10/25 01:17:29 qGn3R8lY 10/18

「な、なかなかいい雰囲気してるじゃない。あなたは大丈夫?」

「ぜ、全然平気だよ、ちょー平気。どれくらい平気かと言うと……かなり平気」

「こっちが進む道ね」

「ひっ……あそこの人形怖い」

「確かに不気味ね……髪も伸び放題だし」

「あ、あっちに誰かいる……?」

ゾンビ「ヴォォォォ」

「きっと驚かせる役の人ね」

「あっ、ち、血だらけの人が倒れてる……!」

「落ち着きなさい、ほら行くわよ」

「う、うん」


倒れてる人「誰かたすけ、て……」

10 : 以下、名... - 2019/10/25 01:18:28 qGn3R8lY 11/18

「そこまで怖くなかったわね」

「怖かったよ」

「まだ震えてるの? もう、仕方無いから……う、腕を組んであげるわ」

「あ、ありがとう」

「休憩出来る所にでも行きましょうか」

「そうだね、休憩しよう……観覧車とかどう? あれ乗ってみたかったんだよね」

「……」

「女さん?」

「あっ、いえ、そうね……観覧車に乗りましょう」

11 : 以下、名... - 2019/10/25 01:19:58 qGn3R8lY 12/18

「……」

「楽しくない?」

「ん? 楽しいわよ?」

「そっか、じゃあ何か悩み事でもあったり?」

「まぁ、うん。よかったら……聞いてもらってもいい?」

「いいよ、任せて」

「友達に亜人の子がいるんだけど、その子はある男性とお付き合いしているの。でも色々あって自分の正体を言えてないらしいのよ」

「もしかして、お付き合いしている男性はその子を普通の人として認識してるのかな?」

「多分……ね」

12 : 以下、名... - 2019/10/25 01:21:52 qGn3R8lY 13/18

「そしてね、その子は自分の正体を彼に伝えるのが怖くなってしまったの」

「どうして?」

「に、人間としての自分を好きになってくれたんじゃないかって……そう、思うようになったらしい……わ」

「どうすれば、いいのかしらね」

「……俺としては、言っちゃえばって思うな」

「簡単に言うのね」

「簡単だよ、だって」

「女さんが吸血鬼でも、この気持ちは変わらないから。ずっと、好きでいる自信があるから」

「し、知ってたの……!?」

「吸血鬼なんだろうなってくらいかな。女さんは頑張って隠そうとしてたけど流石に自爆が多くてね」

13 : 以下、名... - 2019/10/25 01:22:46 qGn3R8lY 14/18

「……ごめんなさい」

「なにが?」

「私は、あなたを騙していたわ……天敵である種族が故に姿を隠してあなたと過ごしていた」

「全然隠せてなかったけどね」

「それでも、騙していたわ」

「気にしてないよ」

「私は気にするわ」

「じゃあ一つだけお願いを聞いてもらってもいいかな」

「えぇ、いいわよ」

「じゃあ、もう一回告白するね」

「へ?」

14 : 以下、名... - 2019/10/25 01:24:55 qGn3R8lY 15/18

「吸血鬼の女さん、貴女の事が大好きです」

「あ……」

「狼男の私と付き合ってください!」

「で、でも……!」

「女さんは俺のこと嫌い?」

「好き……大好きよ」

「俺も」

「……ふふっ、ありがと」

「スッキリした?」

「えぇ、あなたのお陰でね」

「よかった」

15 : 以下、名... - 2019/10/25 01:26:06 qGn3R8lY 16/18

「今日はとても楽しかったわ」

「また二人で来ようね」

「うん」

「帰ろうか」

「あっ、その前に1つやりたい事があるの。少し目を瞑ってもらってもいい?」

「いいよ」

「これは今日のお礼と、私の気持ちだから……しっかりと受け取ってね」

「!」

「……それじゃあ帰りましょう!」

「え、今のって……あっ、ちょっと待って! 置いてかないで!」

「待たないわ! だって恥ずかしいんだもの!」

16 : 以下、名... - 2019/10/25 01:26:41 qGn3R8lY 17/18

「取り敢えず」

「お母さん達にどう紹介すればいいか考えないと……!」

17 : 以下、名... - 2019/10/25 01:29:14 qGn3R8lY 18/18

おわり
狼男要素が少なくてごめん

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