男「もしもし」
女「……」
男「あのぅ」
女「……」
元スレ
男「白い着物を着た髪の長い女が座り込んでる」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1280842020/
男「あのぉ、具合でも?」
女「……」
男「救急車呼びますか?」
女「あの」
女「ワタシキレイ?」
男「えっ」
女「ワタシキレイ?」
男(まずいな…マスクしててよくわからないし、下手な事いうわけにもいかないし)
女「……」
男(どうしよう…おっ、いい脚)
女「ワタシキr」
男「いい脚しとるやないか」
女「ワタシk」
男「暗くてよく見えないが、美しいシルエットだ」
女「ワタs」
男「なるほど、着物がその脚を引き立ててるのだな」
男「そして小さな足、たまらない」
女「あの、顔は…」
男(…しまった!)
男「あ、あぁ顔ね」
女「……」
男「というか、人に聞くならせめてマスクをはずしてくれないか」
女「いや、それはちょっと」
男「んー、まぁ目元から相像するに中の上といったところか。でもまぁ脚がいいから上の下ともとれる」
女「顔はこんなんなのに? 脚を見るの?」
男「はっ、わかってないな」
男「君がいっているのはにわか脚フェチのことだ。にわかは脚が好きとか言うくせにまずは女の顔をみやがる」
女「…はぁ」
男「だがね、本物は顔ではなく脚を見るのだよ」
男「言ってしまえば、私にとって女性の基準は顔ではなく脚だ。よって君はいい女だよ」
女「私が?」
男「……こんな夜道でうずくまっているなんて、何かあったのかい? 悩みでもあるのなら聞こう」
女「……」
女「この…マスクの下…」
男「ほう」
女「あなたは私をきれいって言ってくれたけど、本当はバケモノなの」
女「…私は人にきれいって言って欲しいだけなの…、でも、男の人はみんな顔で人を決め付けるの…」
女「あなただって、きっと私の顔を見たら恐ろしくて逃げ出すわ」
男「あぁ、結構。見せなくていいとも」
女「!?」
男「女性には見せたくないものがあるというのは私も良く知っている。それを見たがるのは男のクズってものだ」
男「君にとって、それはマスクの下のものなんだろ?」
女「……」
男「それに、私はあなたの正体がわかってきたよ」
女「えっ!」
男「あなたのことは昔から良く聞いていた。都市伝説にもなってるしね」
男「そんなに長い間悩んでたんだな。私の言ったことで悩みが晴れたのならうれしいよ」
男「私が言いたいのは、君には誇るべきものがあるということだよ」
女「……脚のこと?」
男「いいや、私に自分の晒したくないことを晒したこと」
男「……すなわち、人に相談する勇気だよ」
男「……さて、私もとっとと帰るとしよう。あなたも夜風に当たりすぎると風邪ひきますよ」
女「……」
男「それじゃ、あなたが幸せになりますように」
女「……あのっ!」
男「ん?」
女「今日はありがとうございました……。悩みが晴れていってすっきりしました」
男「それはなにより」
女「それから、私は都市伝説ではどのように伝えられてるのですか?」
男「んー……」
男「そんなこと言っては女性に失礼ですよ」
女「まぁ、でも気になります」
男「そんなこと…口が裂けても言えませんよ」
女「……」
女「くすっ」
この日を境に白い着物を着た髪の長いマスクをつけた女が姿を現すことはなかった。
この物語の女性がどのような容姿であったか…それはご相像におまかせします。
おわり