1 : 以下、?... - 2019/07/03 22:28:44.426 h1xA7sU30 1/21

魔王「クックック……」

「!」ビクッ

魔王「何をしていたのだ?」

「もちろん……勇者様の無事を祈ってたのよ」

魔王「勇者はここへはたどり着けんよ。もう諦めろ。諦めて余のものとなれ」

「触らないで!」パシッ

ボキッ

「……あら?」

元スレ
魔王「諦めて余のものとなれ」姫「触らないで!」パシッ 姫「……あら?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1562160524/

2 : 以下、?... - 2019/07/03 22:32:55.964 h1xA7sU30 2/21

グニャリ…

(魔王の首が曲がって……)

「もしもし? もしもーし?」ユサユサ

(起きない……)

(どうしよう……)

(私、魔王を殺しちゃった……?)

3 : 以下、?... - 2019/07/03 22:35:40.802 h1xA7sU30 3/21

「どうしましょ、どうしましょ!」

ドクンドクン…

「あっ、魔王の心臓はまだ動いてる! 心臓マッサージをすれば……!」グッ

グチュッ

シーン…

「いやあああっ! 潰しちゃった!」

7 : 以下、?... - 2019/07/03 22:38:20.199 h1xA7sU30 4/21

「魔王様、どうなされました?」


「!」ハッ

(魔王の側近が来た! もし魔王を殺したことがバレたら殺人罪に問われちゃうかも……!)


「入りますよ」


(こうなったら、私が魔王の死体を動かすしかない!)グイッ

8 : 以下、?... - 2019/07/03 22:43:30.198 h1xA7sU30 5/21

側近「失礼します」

(魔王の死体を担いで……私が声を……)

魔王『う、うむ』カクカク

側近「何をしてらしたのですか」

魔王『さらった人間の姫をからかって……遊んでおったのだ』ガクガク

側近「そうですか。しかし我々の目的は打倒勇者であり、人類を支配下に置くことです」

側近「くれぐれも程々に……」

魔王『分かっておるわ!』ギクシャク

10 : 以下、?... - 2019/07/03 22:46:31.467 h1xA7sU30 6/21

魔王『とっとと下がれ!』

側近「は……」

魔王『ああ、あと、しばらく余の部屋に入るでないぞ』

側近「なぜです?」

魔王『決まっておろう! 姫とあれこれするためだ! よいな!』

側近「……かしこまりました」

バタン…

「ふぅー、なんとかなったわ」

(これでしばらく時間を稼げる……なんとかして魔王を蘇らせないと……)

12 : 以下、?... - 2019/07/03 22:51:08.152 h1xA7sU30 7/21

数時間後――

「ダメだわ! 何やっても生き返らない!」

プーン…

「ん?」

「……臭い!」

「どうしよ! 早くも腐ってきちゃった! 魔族って腐るのが早いのかしら!」

「ひいい、もう魔王を生き返らすのは無理だわ!」

14 : 以下、?... - 2019/07/03 22:54:23.859 h1xA7sU30 8/21

(もし、このまま勇者様がやってきたら――)


勇者『あれ、魔王は?』

『私が……倒してしまいました』

勇者『うわっ、なんて野蛮な! 君のことは嫌いになったよ!』

『そんな……!』


「きっとこうなってしまう!」

「こうなったらなんとしても魔王には復活してもらわなくては!」

16 : 以下、?... - 2019/07/03 22:57:33.249 h1xA7sU30 9/21

「あのー」

側近「! なぜ出歩いている!?」

「魔王様が自由時間をくださったの」

側近(また勝手なことを……!)

側近「それで?」

「このお城って図書室あるかしら?」

側近「図書室? 書庫だったらあそこを曲がってすぐだ」

「ありがとうございます!」

側近「……?」

17 : 以下、?... - 2019/07/03 23:01:06.807 h1xA7sU30 10/21

「ここが魔王城の書庫……さすがにすごい量だわ」

(ここを漁れば、きっと魔王を蘇らせる方法も見つかるはず!)

「えーっと……」

ペラペラ…

「これでもない……この本も違う……」

ペラペラ…

20 : 以下、?... - 2019/07/03 23:06:04.399 h1xA7sU30 11/21

「――あった!」

「“死んだ魔族をアンデッドとして蘇らせる術”……これでいいわ!」

「魔力を膨大に使うのと、そこまで使わないのがあるのか……使わない方でいっか」

「やり方は……ふむふむ……」

「……」

「……」

「よし、いよいよ魔王復活だわ!」

21 : 以下、?... - 2019/07/03 23:09:19.466 h1xA7sU30 12/21

(魔王の死体を魔法陣の中に置いて、と)

「ドッデンア……ドッデンア……」

「ビーンゾ、ビーンゾ……イタシタッサク……」

「よみがーえーれー!!!」ボアァァァァァ…


魔王「……」ピクッ


(動いた!?)

22 : 以下、?... - 2019/07/03 23:13:36.962 h1xA7sU30 13/21

魔王「……」ムクッ

「立った! 魔王が立ったわ! やったーっ!」

魔王「……」ボロボロ…

「!」

魔王「ウ、ウガ……」

「あら?」

魔王「ウガァァァァァ……」

(体は崩れてるし、知能もまるでない! これじゃとても魔王とはいえないわ!)

「くっ……ケチらず、魔力をたくさん使う方の術にすべきだったわ……」

23 : 以下、?... - 2019/07/03 23:16:41.654 h1xA7sU30 14/21

側近「失礼します」ガチャッ

魔王「……」

「!?」ビクッ

(なに!? なんでいきなり入ってくるの!?)

魔王「ウ、ウガ……」

(ヤバイ、私が魔王の声をやらないと!)

魔王『側近よ、なに勝手に入ってきておるか。いいところだったというのに』

側近「魔王様……」

魔王『なんだ』

25 : 以下、?... - 2019/07/03 23:20:14.724 h1xA7sU30 15/21

側近「あんたの天下は今日で終わりだ!」

「へ!?」

側近「人類支配という目的も忘れ、人間の小娘などと遊び呆け……」

側近「あんたの身勝手な独裁には、昔から我慢ならなかったんだよ!」

(クーデター!?)

側近「喰らえッ! 爆破呪文!」

ボウンッ!

魔王「ウガァッ!」ボロッ…

(ゲーッ! 今の魔王は死んでるから、熱には弱いんだってば!)

側近「おおっ、私の呪文が通じる! やはり私が魔王軍最強だ!」

(不完全とはいえやっと蘇らせたのに、なんてことしてくれるのよ、このバカ!)

27 : 以下、?... - 2019/07/03 23:23:53.753 h1xA7sU30 16/21

側近「トドメだ!」


ボガァァァァァン!!!


側近「や、やった……!」

側近「!?」

「痛い……」プスプス…

側近「な!? なぜ姫が!? 魔王の盾に!?」

「えーと……この小娘の体を操り、盾とさせてもらったのだ」

側近「くっ、なんという卑劣な! ならばもう一撃――」

30 : 以下、?... - 2019/07/03 23:27:38.515 h1xA7sU30 17/21

「させるかァ!!!」バチンッ

側近「ぶっ!」ボキッ

ドサッ…

「ふぅ……やっつけたわ」

魔王「ウ、ウガ……」

「――って、こいつがクーデター起こすならそのままこいつに魔王になってもらってもよかったか!」

「あー、失敗したー……」

「ま、いっか! やっぱり魔王は魔王がやらなくちゃね!」

33 : 以下、?... - 2019/07/03 23:30:33.061 h1xA7sU30 18/21

「魔王!」

魔王「ウガ?」

「それじゃ改めてあんたを殺して、今度は魔力をたっぷり使う術で蘇らせてあげるからね!」

「そしたら、ちゃんと魔王として勇者様を迎え撃ってね!」

魔王「ウガァ……」コクッ

「せーのっ……」

バキィッ!


…………

……

34 : 以下、?... - 2019/07/03 23:34:30.138 h1xA7sU30 19/21

……

勇者「ついに、ついに……ここまでたどり着いたぞ」

勇者「出てこい、魔王!」

魔王「フハハハハハ、来たか、勇者よ!」

勇者「姫は!? 姫はどこにいる!」

魔王「奥の部屋で大人しくしてもらっておるよ……クックック」

勇者「今こそ貴様を倒し、姫と平和を取り戻す!」

魔王「青二才めが……余の力の前にひれ伏すがいい!」

勇者「いくぞーっ!!!」ダッ

35 : 以下、?... - 2019/07/03 23:36:50.983 h1xA7sU30 20/21

ザシュッ!

魔王「ぐはっ……! 余を倒す、とは……!」ドサッ…

勇者「ハァ、ハァ……やった……!」

勇者「姫!!!」

「勇者様!」

勇者「よかった、無事だったんだね!」

「はい……!」

37 : 以下、?... - 2019/07/03 23:39:34.145 h1xA7sU30 21/21

「苦しい旅だったでしょう」

勇者「うん……」

勇者「しかし、こうして手強い魔王と戦い、この手で倒すことができたのは、諦めなかったおかげだ」

勇者「君を助けることができて本当によかった……」

「私も……諦めないでよかったです……!」






― 完 ―

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