男「大した距離じゃないし歩いて帰れよ」
女「いいじゃんバイト帰りのついでなんだし後ろ乗せてよ♪」
男「仕方ねーな」
女「やった!」
元スレ
女「ねえ、バイクで迎えに来てよ!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1557928647/
男「迎えに来たぞ、今日もこれ(ヘルメット)被っとけ」
女「ありがとう、でも男くんが被りなよ」
男「俺は大丈夫だよwそれよりお前怪我したら大変だから早く被っとけって、ほら行くぞ」
女「送ってくれてありがと」
男「まあいいってことよ」
女「はい、これコーヒー♪そこの公園で一緒に飲もっ?」
男「お、気が利くじゃん」
公園にて
女「ーーなんだよねw」キャッキャツ
男「ヤバすぎだろそれw」ゲラゲラ
女「…はぁ…」
男「ん?どうした?」
女「大学卒業しちゃったらもうこんな風に急に会ったりできなくなるね…」
男「…まあそうだな、でも先のことなんか分かんないよ…」
女「そうだよね、ごめんごめんwそろそろ遅いしもう帰ろっか!」
男「そうだな…」
後日
男(もう卒業までそんなに日にちないな…)
男(バイクで迎えに行くの楽しみだけど、それもあと何回できるか…)
男(それにしても本当あいつ可愛い顔してるよなぁ…)
男(ヘルメット買うか…)
さらに後日
女「今日もよろしくねっ!」
男「毎回毎回タクシー代わりに使ってんじゃねーよ…w」
女「家の近くの公園までお願いします♪」
男「今日はついでに夜景でも見に行かね?」
女「行きたい!連れてってくれるの?」
男「ああ、もうすぐ卒業だし久しぶりに見に行きたくてな、あとこれ被りな」
女「この新品のヘルメットどうしたの?」
男「流石にノーヘルで山道は怖いからな、買っといた」
女「じゃあ新しい方は男くん被って♪」
男「え、でも古い方はもうボロボロだし新品の方あげるつもりで…」
女「ううん、それでも私はこっちがいいの」
女「こっちのヘルメットの方が、男くんと一緒にいつも帰ってた時のこと思い出せるから♪」
男「なんだそりゃ…まあいいや、行くか!」
女「うんっ!」
夜景スポットにて
女「わー!すごくキレイだねっ!」
男「そうだな。ここに来たのっていつ振りだっけ?」
女「確か私達が出会ってすぐの時にサークルの皆と来たんだよ!」
男「あー懐かしいな、もうかなり前の事みたいだな」
女「ねえ、男くん…」
男「ん?」
女「卒業してもまた二人で来れるかな…?」
女「たまにでいいし、暇なときでも良いから、男くん仕事で大変そうなら私もバイクの免許取るし、だから…」
男「なあ…女」
女「…なに?」
男「…」
男「…付き」
女「…つき?」
男「…つ、月がキレイに見える秋ぐらいにでもまた来たいね!ハハッ」
女「そうだね…」
男「はぁ…また二人で来ような」
女「うんっ♪」
男「じゃあそろそろ帰ろうか」
バイクでの帰り道
男(あそこまで言葉が出かけて告白できなかった…)
男(俺ヘタレすぎるだろ…何やってんだ)
女「いつも思ってるけど男くん背中広いね!」
男「ん?、そうか?」
男(まあこれで二度と会えないわけじゃないし、またタイミング考えるか!)
ピカッ
山道で突如光る対向車線、
二人と同じ大学生が度胸だめしで無灯火運転をしていたのか、あるいは停車していた車がエンジンをかけたのか、
宙に投げ出された二人には分からなかった
ただ一つはっきりしているのはーー
男「おい、しっかりしろ!女!おい!」
女「」
男「来年もまた一緒に夜景見るんだろ!」
男「バイクの免許取るんじゃなかったのか!なあ、起きろって!」
男「今日はまだタクシー代のコーヒー貰ってないぞ!おい、しっかりしろよ!」
女「」
男「俺、まだお前に気持ちも伝えられてないのに…」
新品のヘルメットを被っていた男は九死に一生を得た。
しかし古びたヘルメットを被っていた女は頭から血を流し、目を開けることはなかった。
グシャグシャになった、想い出のヘルメットを被ったまま眠る女の表情はどことなく幸せそうにも見えた。
あの時新品のヘルメットを被らせていれば…古いヘルメットに思い入れさえなければ…最初からノーヘルじゃなく一つずつヘルメットを被ってさえいればこんなことにはならなかったのかも知れない
終
25 : 以下、?... - 2019/05/16 00:06:54.133 jvNv/JFvd 13/13交通ルールは守りましょう