――見滝原駅前
さやか「まどかたち、おっそいなー・・・・・・」
まどか「さやかちゃ~んお待たせ~!!」
???「ゼェ・・・ゼェ・・・、お、お待たせしましたー!!」
さやか「おぉっ!遅いよ、まどか。転校s・・・・・・」
まどか「ごめんねさやかちゃん!ちょっといろいろあって」スーハー
めがね「本当にごめんなさい!!お待たせしてしまって・・・・・・」ゼェゼェ
さやか「」
元スレ
さやか「メガネじゃねーか!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334048493/
まどか「それじゃあ行こっか!今日は駅前の可愛いお店練り歩きだもんね」
めがね「鹿目さんとお買い物なんて、夢のようです!!」
まどか「も~、ほむらちゃんってば大げさだよ。ウェヒヒ」
さやか「」
めがね「美樹さんも、今日は計画してくれてありがとうございます!!」
まどか「さやかちゃん言ってたんだよ~?『まどかはもう転校生と濃密な仲になったのか!?けしからーん、あたしも混ぜろー!!』って」ウェヒヒ
めがね「そ、そんな・・・濃密な仲だなんて・・・・・・」レンズクモリ
まどか「あっ、ほむらちゃんってば照れてる。可愛い!!」ウェヒヒヒ
めがね「もう、鹿目さんってば・・・・・・」
さやか「」
まどか「それじゃあ最初はどこに行こうか?」
めがね「私は鹿目さんの行きたいところで・・・・・・」
まどか「ん~、それじゃあアクセサリーのお店に行こう!!この間、ほむらちゃんに似合いそうなアクセ、見つけたんだ~」
めがね「私に!!?楽しみです!!」
まどか「さぁ、さやかちゃん。もう行こうよ」
さやか「」
――アクセサリー店内
まどか・めがね「キャッキャウフフ」
さやか(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや)
さやか(・・・・・・・・・・・・いやいや)
さやか(・・・・・・いやいやいやいやいやいやいやいや)
さやか(なにあれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!??)
さやか(めがねしゃべってる!!めっちゃしゃべってる!!!しかも照れると曇る!!!どうやって!!!??)
さやか(転校生なの!?あれが転校生の真の姿なの!!?魔法少女ほむらはいつからメガネキャスターほむらになったんだよ!!!!??)
さやか(まどかも普通に接してるし、もうわけわからん!!?昨日までは普通に人型だったのになんでだ・・・・・・)
さやか(はっ!?まさか魔女の仕業!?ならば魔女の刻印がほむらの体のどこかにあるはず・・・・・・!!)
まどか・めがね「キャッキャウフフ」
さやか「いやいや、どこにもねーよ」
さやか(落ち着け、落ち着くんだ名探偵さやかちゃん・・・)
さやか(真実はいつもひとつ。あのめがねが転校生のように振舞ってるからって、転校生自身とはまだ証明されていない)
さやか(つまり、転校生の体、もしくは本人は別のどこかにある可能性もある)
さやか(まずはその可能性を探っていこう・・・・・・)
さやか「あー、転校・・・生?ちょっと訊いてもいいかな」
めがね「はい?」
まどか「あっ、じゃあわたし店内をもう少し見てくるね」
さやか「ありがと、まどか」
さやか「さて。昨日の夜・・・いやさ学校から帰ってからなにか変わったことってなかったかな?」
めがね「変わったこと・・・ですか?うーん・・・・・・」
めがね「あっ、そういえば・・・・・・!!」
さやか「おぉ、なになに!?(もしかしたらなにかヒントが・・・!!)」
めがね「昨日学校を出てから何か肩の調子がおかしくて、それで自宅に帰ってから精密ドライバーを探してたんですけど」
さやか(はいもうおかしいね、肩の違和感と精密ドライバーなんら関係がないねおかしいね)
めがね「家中探しても見つからなくて、仕方ないので近くの金物屋に買いに行ったんです」
さやか(金物屋って渋いね普通に量販店とかでいいのにね)
めがね「でもそのお店でも欲しいサイズの物がなくて、日も暮れてきたので帰宅したんですけど・・・」
めがね「部屋にも戻ったら、テーブルの上に欲しいドライバーが置いてあったんです!!家には誰もいないのにすごく不思議だなって」
さやか(いやそれ怖くね?)
――店外
さやか(結局有益な情報はなにも得られなかった・・・・・・)ゴクゴク
さやか(いっそのことまどかと転校生に事情を説明しようか・・・・・・)プハーアンバサウメー
さやか(二人してあたしを担いでるって可能性も捨てきれないし・・・・・・)
さやか(よし、そうしよう!それで騙されてたら円満だし、マジでも作戦の立てようがある!!)
さやか(最悪あたし一人が離脱して事件解決に臨めばいいわけだし)
さやか「よっしゃ、そうと決まれば店に戻って・・・・・・」
???「あら、美樹さん?こんなところで奇遇ね」
さやか「・・・・・・・・・・・・えっ?」
おっぱい「こんにちわ。お休みにウインドウショッピングなんて、ちょっと意外だわ」ウフフ
さやか「」
おっぱい「あっ、ごめんなさい。嫌味とかではないのよ?」
おっぱい「ただどうしても元気よく遊んでるイメージがあったから、失礼だったかしら・・・・・・ごめんなさい」
おっぱい「ところで、今日はお一人?それとも鹿目さんと一緒かしら」
おっぱい「もしよければご一緒したいわ。恥ずかしい話、今日は一人で歩いてて飽き気味だったの」
おっぱい「魔法少女同士、親睦を深め合う意味でも。これは後から言うと胡散臭く感じちゃうかしら」ウフフ
おっぱい「特別にお昼も奢っちゃうわ。どうかしら、美樹さん」
さやか「」
さやか(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや)
さやか(・・・・・・・・・・・・いやいや)
さやか(・・・・・・いやいやいやいやいやいやいやいや)
さやか(なんじゃこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁあ!!!!!??)
さやか(めがねはまだいいよ!ちょっと地面から3mmほど浮いてただけだから!!いやそれでも十分不自然だけども!!!)
さやか(でもこれおっぱい!!おっぱいだけが目の前に浮いてるよ!!怖いよ、ホラー以外の何者でもないよ!!!)
さやか(え、ていうかこれマミさんだよね?声とか形からしてマミさんで間違いないんだよね?)
さやか「・・・・・・・・・・・・いやぁ、ほんと奇遇ですねー」
おっぱい「ホントよねー」
さやか「・・・・・・ティロ」
おっぱい「フィナーレ」
さやか(はいご本人ーーーー!!まごう事なき、マミ☆フィナーレェェェェェェェ!!!)
まどか・めがね・おっぱい「キャッキャウフフ」
さやか(異様な光景だ)
さやか(仲のいい同級生がめがねとでかいおっぱいを前に腹話術で一人トークしてるようにしか見えない)
さやか(自分で言ってて全然意味わからんのが、少なくとも名探偵さやかちゃんの意識感性が正常な証拠かな・・・・・・)
さやか(しかしマミさんがあんな歩く公然猥褻みたいになっちゃったことで、まどかと転校生があたしを担いでる可能性はなくなった)
さやか(物理的におかしいもんね、おっぱいだもんね)
さやか(おっぱい部分だけなのに私服?なのが腹立つけど)
さやか(・・・・・・)
QB「なにやら難しい顔をしているね、さやか」
さやか「うひゃおぅ!!!??」
QB「一般の女子中学生からはおよそ聞こえないような声が出たね、興味深いよ」
さやか「きゅ、QBか・・・。脅かさないでよ、もう」
QB「それはすまなかった。近くにマミたちがいるのに、君が離れて一人で考え事をしているようなのでね」
さやか「悪いけどさやかちゃんは今真剣に悩んでるんだから、特に用事がないなら後・・・に・・・・・・」
さやか「ん?」
さやか「QB、あんた今マミさんがいるって言った?」
QB「うん?言ったけど?」
さやか「・・・・・・マミさんがどこにいるっていうの?」
QB「?向こうにまどかやほむらといるじゃないか。君たちは今日、一緒に行動してたんじゃないのかい?」
さやか(こいつもか・・・・・・)ウンザリ
――喫茶店
まどか「おいしーい!マミさん、ここのケーキすっごくおいしいです!!」
めがね「ホントです!ふんわりとしていてしつこくないのに、フルーツとクリームの甘さが絶妙にマッチしてて・・・・・・」
おっぱい「お口に合ったようでよかったわ」
さやか(約二名口ないけどね)モグモグ
さやか(・・・・・・なんかもう慣れてきたな。魔女の仕業かと思ったけど、見た感じ特に害はないみたいだし)
さやか(このまま今日一日過ごしてから探しても、遅くはな―――)
まどか「はい、ほむらちゃん。あーーん」
めがね「え、えぇっ!?あ、あーーん」ベチャッ
おっぱい「あらあら」ブルンブルン
まどか「ウェヒヒヒ、おいしかった?」
めがね「もう、鹿目さんったら!!」メガネクモリ
まどか・めがね・おっぱい「キャッキャウフフ」
さやか「」
さやか(いや、やっぱ無理)
さやか( 限 界 だ わ !!! )
さやか(こうなったら今からでも抜け出して魔女探しに行くしかない!)
さやか(まどかも転校生もだめ、マミさんもおそらく当てにはならない。だけど・・・・・・)
さやか(あたしは一人ででも、みんなを助ける!!!)
さやか「みんな、あたし・・・・・・!!」
???「よー、おまえら。うまそうなもん食べてんなー」
さやか(この声は・・・・・・杏子!?)
さやか(そうだよ、まだあんたが・・・・・・!!!)クルッ
━━━一「四人で出歩いてるなんて珍しいな。今日は魔女のバーゲンセールかなんかかい?」
さやか「」
おっぱい「あら佐倉さん、今みんなでお茶してたところなの。貴方も一緒にどうかしら」
まどか「こんにちわ杏子ちゃん!ここのケーキすっごくおいしいんだよ、一緒に食べようよ」
めがね「こ、こんにちわ」
━━━一「おっす。じゃあ邪魔しちゃおうかな。当然マミの奢りなんだろ?」
おっぱい「そうなんだけど、当たり前のように言われるとなんだか財布の紐が固くなっちゃうわ」ウフフ
━━━一「そう冷たいこと言うなよー」
まどか「冷たいといえば杏子ちゃん。外は暑かったでしょ、はい、氷水」カラン
━━━一「おっ、サンキューまどか。く~っ、生き返るねぇ~」チャポン
おっぱい「もう佐倉さんたら、肩までつかっちゃって」
まどか・めがね・おっぱい・━━━一「キャッキャウフフ」
さやか「」
さやか(・・・・・・いや、なんとなくわかってたよ)
さやか(まさか○ッキーとは思わなかったけどね)
さやか(せめてセオリー通り身体の一部とかであって欲しかったよ)
さやか(グ○コもびっぐりこ)
さやか(駄洒落も言いたくなるよ・・・・・・)
さやか「もう・・・・・・、どうにでもなれ」
――夕暮れ
まどか「今日は楽しかったねぇ」
めがね「えぇ、ほんとうに・・・とっても楽しかったです!」
おっぱい「うふふ、鹿目さんにおしゃれな小物店紹介してもらっちゃったし、佐倉さんとも会えたし、今日は良いことだらけだったわ」
━━━一「そういうはずかしいことをさらっと言うなよな・・・・・・。まぁ、あたしはケーキ食えたから良いけど」
さやか(結局あれから抜け出すタイミングを逃してしまった・・・・・・。仕方ない、こんばんは徹夜かな)
おっぱい「それじゃあ暗くなる前に解散しましょうか。私たちだって一応女子中学生なのだしね」
━━━一「おう、んじゃなー」
めがね「さようなら。鹿目さん、美樹さん、巴さん、さようなら」ペコリ
おっぱい「えぇ、それじゃあね。二人ともさようなら」
まどか・さやか「「さようならーー」」
さやか「あーー、つっかれたーーーー!!!」テクテク
まどか「・・・・・・ごめんね?さやかちゃん」ピタッ
さやか「んぁ?どしたの、まどか」
まどか「さやかちゃん今日、具合悪かったのかなって。なんだか全然しゃべらないし、難しそうな顔してたし・・・・・・」
さやか「あー、それはその・・・・・・」
まどか「無理してたのなら、言ってくれればよかったのに・・・・・・」
さやか「違うんだよぅ、まどか。今日はちょっと考え事する日だったんだよぅ」
さやか「それにほら、みんなの前でシリアスさやかちゃんを演出するのも一興かなーって」
まどか「ウェヒヒ、もーなにそれ、さやかちゃんってばー」
さやか「あっはっは、ごめんごめん」
さやか(ホントのこと言って信じてくれるとは思えんし)
さやか(でも今日一日通してなんか違和感が・・・・・・)
さやか「それにしてもまどかはよくあたしの事を見てるなー、そんなにあたしに惚れてるのかねぇ?」ワキワキ
まどか「えっ!?ちょ、さやかちゃん!?」タジ
さやか「けしからーん!まどかはあたしの嫁になるのだぁ~!!」
まどか「ちょ、も、もうやめてよ、さやかちゃ~ん!!」ウェヒヒヒヒ
さやか「はっはっはっ、つめたっ!!・・・・・・・・・・・・え?」
さやか(なんだろう)
さやか(まどかの服、ぐっしょり濡れてる?)
さやか(いや、服だけじゃない。身体も濡れて、物凄く冷たい)
さやか(・・・・・・そうだ、今日一日あった違和感)
さやか(転校生やマミさん、杏子は他人の印象やレッテル、言ってしまえば記号的な姿に変えさせられていた)
さやか(それはおそらく魔女の仕業で間違いない)
さやか(ならば、なぜ)
さやか(なぜ同じ魔法少女であるまどかだけが、『いつもと同じ姿』でいたのか!!)
さやか「ま、まどか・・・・・・?」
まどか「なぁに、さやかちゃ・・・・・・ゴボォッ!!!」
さやか「ひっ!!?」
さやか(まどかが吐いた!?いや、違う・・・・・・これは、水?)
さやか(なんでこんな大量の水を、今いきなり・・・・・・!!)
さやか「まどか!!大丈夫!!?どうしたのさいきなり!!!」
まどか「ごほっ、ごぼっ・・・・・・。大丈夫だよさやかちゃん。それよりさ・・・・・・」
さやか「・・・・・・えぇ?」
まどか「身体が冷たいの・・・・・・。水にずっと浸かってて、濡れちゃってて、とっても寒いんだよ・・・・・・。だから・・・・・・」グググ
さやか「ひぃっ!!?(こっちを、向・・・・・・!?)」
まどか「もっと抱きしめて、あたしを暖めてよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」グバァッ
さやか「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ドン ダッ
まどか「・・・・・・・・・・・・いたた。痛いなぁ・・・もう」
まどか「でも、もう無駄だよ。さやかちゃん」
――路地裏
さやか「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!!」
さやか(なんだあれなんだあれなんだあれなんだあれ)
さやか(親友の眼球が腐っていた親友の肌が真っ白だった親友の唇は紫色だった親友の体中から水があふれだしてた)
さやか(あんなのもう人間じゃない人間じゃない人間じゃない)
さやか「いったい・・・・・・どうなってんの?魔女は他人からのイメージの姿に変えるんじゃなかったの!?」
さやか「まどかは死んでないのに!!なんであんな土左衛門みたいな・・・・・・!!!」
QB 「いったいなぜなのだろうね」ヒョコ
さやか「!! QB!!!」
QB 「僕にさえ、なぜ鹿目まどかがあのような姿に変えられてしまったのか、皆目見当もつかないよ」
さやか「やっぱりあんた、気づいてたのね・・・・・・!?どうしてあの時言わなかったのよ!!」
QB 「いやいや、僕も気づいたのはつい先ほどさ」
QB 「鹿目まどかは君たちと一日を過ごして、徐々にその姿を変えられていったんだ」
QB 「マミたちと別れるとき、その変化は如実に現れた。まぁもっとも、僕にしかわからない様な些細な事象変化だったけどね」
QB 「おかげで今日一日騙されていた分の記憶は、同一固体を使うことで一気に正常に改竄されたよ」
QB 「晴れて君と同じ、『正常』な判断に戻れたというわけさ」
さやか「くっ・・・・・・!!」
QB 「しかしこれはおそろしい魔女だね」
さやか「そうだね・・・・・・。まどかをあんな風にしちゃうんだから」
QB 「いや、そこではないんだよ美樹さやか」
さやか「・・・・・・えっ?」
QB 「おそろしいのは魔女の能力範囲とその強ささ。暁美ほむらの昨日の行動の話を覚えているかい?」
さやか「たしか、学校から帰ってそれで肩が痛くなって精密ドライバーを買いにいったとかなんとか・・・・・・。まさか!?」
QB 「そのまさかさ。彼女は魔女やその使い魔と遭遇してなどいないんだ。もちろん結界にだって入っちゃいないだろう」
QB 「加えていえば、おそらく巴マミや、佐倉杏子も遭遇していないだろうね」
QB 「つまり件の魔女は、結界も張らず使い魔も使わず、直接相対もしないのに対象をその能力にかけることが可能な力を有している」
QB 「しかも能力自体は幻覚というよりも事象変異。存在そのものを書き換えてるんだろう」
QB 「わかるよね?ぼくがおそろしいといった意味が」
さやか「そんなの・・・・・・かないっこないじゃない・・・・・・」
QB 「そうだね。正直一魔法少女では勝つのは難しいだろう。普通は干渉を受けない僕ですら欺く魔女だからね」
QB 「なにせ能力だけなら神に近いものを有しているのだし」
さやか「あたしは・・・・・・、どうしたら・・・・・・」
QB 「・・・・・・絶望に打ちひしがれるのもいいけれど、君にもあまり時間は残されていないようだよ」
さやか「・・・・・・えっ?」
QB 「みてごらん」
さやか「・・・・・・?」
さやか「!!!・・・・・・あ、あれって魔女!!?」
その姿は醜悪の一言に尽きた。
人間の腕や脚、目や耳などをはじめ、鳥の羽や獣の尾、電柱や自転車、本や服など、とにかく有象無象のものが
ごちゃまぜになって、それがコントラストを奏でるでもアシンメトリーを映すでもなく
ただただ、醜悪な姿―――
汚物の腐った臭いのような、花の芳香のようなものが漂い、ペンキで塗りたくられたような身体の色は黒なのか白なのかもわからない
自身が何者なのかもわからない、他者を記号でしか表せない、愚者。
『それ』がゆっくりと、路地の向こう側からこちらに向かってくる。
さやかは逃げ出そうと、踵を返した。
あれには適わない!今は逃げなきゃ!!
しかし、なにかにつまづき、勢いよく転倒する。
打った顔を押さえ、ふとつまづいたなにかに目をやる。
「さやかちゃん、ひどいよ蹴っちゃうなんて」
鹿目まどかだったものが、そこに横たわっていた。
怯え慄き、一寸遅れて立ち上がろうとしたときには、もう魔女は目の前にいた。
魔女のおぞましい手があたしに伸びる。
いやだいやだいやだ。あたしはあたしだ。それ以外になんてなりたくない、変えて欲しくもない!!
鹿目まどかだったものが笑っている。
こうなれば楽だよ、さやかちゃん。だって余計なことは考えなくて済むもの。
魔女の手はもう鼻先だ。
いやだ、そんな自分を記号化するだなんて。特徴だけが人間じゃない。印象だけが人間じゃない。
あたしの特徴なんて・・・・・・
特徴なんて・・・・・・
・・・・・・あれ?
さやか「あたしの特徴って・・・・・・なんなの?」
魔女 「!!!!!!!!」
まどか「!!!!!!!!」
QB 「!!!!!!!!」
さやか「・・・・・・えっ?」
魔女 「グ、グォォォォォォォォン・・・・・・!!!」シュウシュウシュウ
さやか「へっ?」
魔女 「」シュウン
さやか「消え・・・た・・・?」
―――――
マミ 「そう、そんなことがあったの・・・・・・」
杏子 「とんでもねぇ魔女もいたもんだな。そりゃ手がつけらんねぇ」
ほむら「」ガタガタブルブル
まどか「よしよーし、ほむらちゃん。もう怖くないよー」ナデナデ
さやか「いやホントに大変だったんだから!!しかしなんていうのかねー、さやかちゃんの高貴な精神が魔女を打ち倒したといいますか・・・」
さやか「やっぱりさやかちゃんは見滝原、いや全魔法少女のエース?みたいな!?」
杏子 「いや、要は魔女でさえお前の特徴を見つけられなかったってことだろ?」
さやか「うぐっ!」
マミ 「他人を記号化するのが能力であり存在意義でもあった魔女だから、美樹さんを記号化できないとわかった途端崩壊したんでしょうね」
さやか「はうっ!」
ほむら「美樹さんの実力とはまた別の話だったんですね・・・・・・」
さやか「ごはぁ!うぅ・・・・・・、まどかぁ~・・・・・・」
まどか「・・・・・・ごめんね、さやかちゃん」ウェヒヒ
さやか「こぺらっぱ!」
さやか「ふんだ、もういいよ!さやかちゃんのおかげで危機は去ったっていうのにみんなそっけないんだから!!」
まどか「ウェヒヒ、ごめんごめんさやかちゃん。覚えてはないんだけど、本当に感謝してるよ?」
マミ 「えぇ。ありがとう美樹さん」
ほむら「本当にありがとうございました!」
杏子 「おいおい、おまえらこいつの話を信じるのか?どう考えても与太話だろうが」
マミ 「たしかに美樹さんの話を証明する術はないけど・・・・・・」
マミ 「でも同時に否定する術もないわ。悪魔の証明というやつね」
まどか「この場合は魔女の証明、かな」ウェヒヒ
マミ 「うふふ、そうかもね。でもわたしは美樹さんを信じてるわ。彼女の目を見ればわかるもの。彼女が本当にがんばってくれたことが」
さやか「マミさん・・・・・・」
杏子 「ちっ、わぁったよ。すまねぇな、さやか。迷惑かけた」
さやか「ううん・・・・・・。信じてくれてありがと、杏子」
杏子 「んだよ・・・・・・、なにもしてねーのにお礼言われたってさー」ポリポリ
まどか(杏子ちゃん照れてる照れてる)ウェヒヒヒ
ほむら(なんか可愛いですね)ホムホム
マミ 「さて!それじゃあ美樹さんの祝勝会もかねて、ケーキバイキングにでも行きましょうか!!」
まどか「やたー!!」
杏子 「さやかの話じゃあマミはあたしらに一度奢ってるらしいからな。その気前の良さを今回も見せ付けて欲しいもんだぜ」
マミ 「あら、そんなこと言う子にはドリンクバーだけで我慢してもらいましょうかね」
杏子 「じょ、冗談だよ・・・・・・」
まどか・ほむら・マミ・杏子「キャッキャウフフ」
さやか(よかった、みんな元に戻って・・・・・・)
さやか(あたしの特徴が傍目にはないってのには、少し・・・割と・・・結構傷ついたけど)
さやか「それよりなにより」
さやか「みんなが無事でよかったよ」
さやか「名探偵さやかちゃんは廃業して、救世主さやかちゃんを開業しちゃおうかな?」
まどか「さぁ、さやかちゃん。もう行こうよ!」
さやか「おうさ!」
さやか(みんなそのままが、一番だね!!!)
激臭 もとい 劇終
ありがとうございました。質問受け付けます
>>107
何故まどかはどざえもんだったの?
>>112
さやか「名探偵さやかちゃんがお答えしよう!」
さやか「まどかが記号化してしまうのはわりと最初から予定していたのだが、
残念ながら素の状態から思い浮かぶのがリボンか淫乱ピンクしかなかった」
さやか「しかもリボンは案の定予想レスされてしまった、さてどうしよう」
さやか「まどかやべぇ、意外に見た目の特徴全然ねぇ、やべぇ」
さやか「あっ、でも魔法少女主人公で死んで水にさらされる奴ってそうそういなくね?」
さやか「ちょうどまどかってば劇中で特異点扱いだし、これイケルんじゃね?」
さやか「苦しいのはわかってる!でもやっちゃえ~」
―終了―
さやか( 説 明 忘 れ た )
さやか「以上ですホンマすいませんでした」
乙乙
けどこれは罰として名探偵さやかちゃんのドタバタ日常編を書くしかないな
>>116
さやか「日常編かぁ、それもいいかもね」
さやか「また今度、日常における名探偵さやかちゃん武勇伝を聞かせてやろうではないか」
さやか「だからほら今日はね?明日もしごt・・・学校だしね、ね?」
さやか「ん~・・・・・・」
さやか「さらば!!!」
糸冬
まどかは予想レスされてもリボンの方が良かったかなあ。