2/23 夜
浪人生「ついに、国立の前期かぁ……。」
浪人生「不安だ……。経済的に二浪はできないし……。」
浪人生「去年の悪夢がフラッシュバックする……。」
浪人生「……。」
浪人生「……いや、大丈夫、大丈夫。今日のために一年間がんばったんだ!」
浪人生「ゲーム、友達との遊び、いろんな誘惑を耐え抜いてきた!」
浪人生「周りの浪人生が付き合ったり、酒飲んだりしてる間に、必死に勉強してきたんだ。自分を信じて……ん?」
浪人生「>>4からメールだ!」
内容 >>8
元スレ
浪人生「大丈夫、大丈夫。」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361793841/
4 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:06:47.93 gdT+RFCt0 2/28
ばあちゃん
8 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:08:54.12 q/1MYEjST 3/28
私の息子と息子の嫁が死んでから育ててきましたが
もう限界です
浪人生「ばあちゃんからだ……。応援かな?」
浪人生「今年は本当にお世話になったな……。ぜひ合格して恩返ししなくちゃ!」
浪人生「迷惑かけたぶん、いいところに就職して安心させてあげたいなぁ。」
浪人生「……みてみよう。」
タイトル:孫へ
本文:私の息子と息子の嫁が死んでから育ててきましたが
もう限界です
浪人生「え……。」
浪人生「……。」
浪人生「……えっ!?」
浪人生「そんな……。」
幼い頃に両親を亡くした俺は、ばぁちゃんに育てられた。
ただでさえ少ない年金の額。
それなのに、部活も、高校も、予備校さえも通わせてくれた。
なんでこんなババァと暮らさなきゃいけないいだ!
そんな風に反発した時も会った。
だけど、ばぁちゃんはいつでも笑顔で
俺のことを受け止めてくれて……。
浪人生「いきなりどうしたんだろう……。」
浪人生「どうしよう……。」
浪人生「今からでも行きたいけど、受験できなくなっちゃう。」
浪人生「でも、ばぁちゃんが……。」
どうする?>>14
1.ばぁちゃんに会いにいく
2.メールで心配する
3.邪魔すんじゃねぇよ、ばばぁとメールする
4.無視する
5.その他
14 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:38:42.70 mzjh5ODi0 6/28
3
浪人生「……いや、やっぱりやめとこう。」
浪人生「明日のために、すべてをかけてきたんだ。」
浪人生「てか、それぐらい、ばぁちゃんもわかってるはずだろ!」
浪人生「……なんか腹たってきた。」
浪人生「こうなったら……。」
タイトル:うるせぇ!
本文:邪魔すんじゃねぇよ、ばばぁ!
浪人生「……ったく、ばばぁのメンヘラなんて需要無いだろ……。」
結果は>>19
1.返信きた(内容も)
2.音沙汰なし
3.そのた
19 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:51:14.61 hL0FF13S0 8/28
実は浪人生を試すための神からのメールだった
浪人生「……ん?返信か?全くいい加減にしてくれよ……。」
浪人生「えっと、開封で……って、うわぁ!?」
開封をおした刹那。
俺のiphoneが光り始めた。
目もくらむ様な閃光の中、意識が遠のいていく……。
気がつくと、一様に白な神々しい世界。
浪人生「いたた……って、ここは?」
???「受験を戦い抜く戦士よ……。我を刮目せよ!」
浪人生「誰だ!?お前がこんなとこに連れてきたのか!?早く返せ!!」
???「落ち着いて話を聞くのだ、若者よ。」
???「その早計な貴様の性格が、去年の悪夢を生み出したのは理解しているはずだ。」
???「冷静になれば、計算ミスなどしなかったものの……。」
???「sin^2θとsin2θを読み間違えるとは・・・。」
浪人生「お前には関係ないだろ!って、なんでそんなことを……?」
浪人生「一体、何者だ!?」
???「我は受験を司る神。すべての受験生を監視し、その適性を見定める“天空の面接官”だ。」
浪人生「なんだって!?」
神「先ほどのメールは、貴様を試させてもらった。」
神「受験の神として、貴様に“合格者”の素質があるのかをな……。」
神「そして、その結果は>>26だ!(理由も)」
26 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:17:51.86 UgzvliFF0 11/28
不合格
顔がタイプじゃない
神「そして、その結果は不合格だっ……!!」
神「残念だったな、貴様には十分な素質がない。」
受験生「……くっ!」
受験生「そんなの納得できねぇ!!」
受験生「俺はこの一年間、誰よりも勉強してきた自信がある!!」
受験生「チャートもやりこんだし、ターゲットもボロボロになるまで暗記した!!」
受験生「理由を……納得できる理由をくれ……。このままじゃ……。」
神「顔だよ」
受験生「え?」
神「だから、顔。」
神「タイプじゃないんだよ、貴様。」
浪人生「……。」
神「顔を直して出直せ、若者」
神「顔。顔。顔だよ、顔。」
浪人生「……ざけんな。」
神「あ?」
浪人生「ふざけんなって言ってんだよ!!」
浪人生「いくら神だからって、そんな横暴許されるかよ!」
浪人生「確かに、俺の顔はお世辞にもかっこいいとは言えねぇ……。」
浪人生「でも……だからこそっ!」
浪人生「受験ってのは、容姿が足りなくても、運動ができなくても!」
浪人生「勉強という努力は、誰にだってできる!!」
浪人生「自分のチカラでつかみ取れる!!」
浪人生「どんな奴にだって与えられる、最後のチャンスなんじゃないかよ!!」
浪人生「答えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
神「……。」
浪人生「それとも何だよ……。」
浪人生「生まれた時に、すべてが決まってるってか?」
浪人生「全ては運ですってか!!」
神「……。」
浪人生「……確かに、そういう部分はある」
浪人生「人生、自分だけじゃ何もできないことも多い。」
浪人生「俺だって、現役の時に講習や予備校に行けていたら……って、思うときもあったよ……。」
浪人生「両親が生きてたら……、こんなババァに育てられなければって……。」
浪人生「でも、全部仮定の話だ。」
浪人生「幻想だ。言い訳だ。」
浪人生「所詮、俺たちは無力だ。なんて諦めても。」
浪人生「今あるものの中で生きていかなきゃならねぇ。」
浪人生「それでも、どんなに貧しくても。」
浪人生「俺はここまで来られた。」
浪人生「先生、友人、ばぁちゃん。天国の両親。」
浪人生「みんなの支えがあってここまで来れた……。」
浪人生「だから、俺は証明しなくちゃなんねぇ!」
浪人生「こんな俺でも合格できるっ!!」
浪人生「自分のために、みんなのために。」
浪人生「だから、俺の前に立ちはだかる者は」
浪人生「軍隊だろうと、悪魔だろうと!」
浪人生「たとえ、神だろうと容赦なく叩き潰す!!」
神「……。」
神「……。」
神「……ふっ。」
浪人生「……なっ!?」
神「……ふふっ…ははは……っ…………ははははははははは!!」
神「あははははははははははははははははははははは!!!!」
浪人生「何がおかしい!俺は『 神「いい顔してるじゃねぇか。」 』…え?」
神「顔だよ、顔。」
神「今のお前の顔、タイプだよ。」
神「くくっ……大人しそうな顔して、貴様、なかなか言うではないか!!」
神「よかろう……。気に入った!」
浪人生「ホントか!?じゃぁ……!!」
神「ただし、あくまでもチャンスだ。」
神「すぐに合格というわけにはいかない。」
神「ただし……」
神「貴様の言うとおり、誰にも負けない努力をしたなら。」
神「それだけの力があるなら。」
神「きっと、手に入れられるだろうよ。」
神「サクラはサクはずだ。」
神「それでもいいなら……」
神「元の世界に戻してやる。」
神「どうだ?」
浪人生「……。」
浪人生「……。」
浪人生「……わかった。」
浪人生「必ず証明してやるよ。」
浪人生「このチャンス無駄にはしねぇ。」
浪人生「自分を信じて、掴み取ってみせる。」
浪人生「だからさ……。」
浪人生「合格発表、ちゃんとみてろよな!!」
神「…はははは…あはははははははっ」
神「くくっ……生意気な。」
神「まぁ、いい。楽しみにしてるぞ。」
神「せいぜい足掻くことだ。」
神「さてさて……。」
神「そろそろ……時間だな。行くぞ、若者よ。」
浪人生「……。」コクッ。
受験の神の右手が、不思議なオーラをまとい始める。
それは徐々に大きくなり、周囲の空間を取り込んでいく。
神「それでは!!さらば!!」
再び、光に包まれ視界が霞んでゆく。
薄れゆく意識の中で、誰かが微笑んでるのが見えた。
暖かくて、心地よい温もり……。
……。
「必ず、できるはずだよ。大丈夫、大丈夫。」
……。
気がつくと、もとの世界に戻っていた。
確認してみたが、
メールは友達の応援だけで、あのメールは届いていなかった。
光はやがて霧散し、空気に溶け込む。
神「これでよかったのですか?」
浪人生が消え去った不思議な世界に、
受験の神がポツリと、溜息とともに漏らす。
???「えぇ、あの子ならきっと大丈夫です。」
神「こんな試すような前をしなくても……。」
神「一言、声をかけてあげるだけでも違ったのでは……?」
???「信じていましたから。それに……。」
神「それに……?」
???「……いや、なんでもないですよ。」
???「さて、本来の世界に戻りましょうか。」
???「向こうで待っているだけなのも可愛そうですから。」
神「しかし……。」
???「神様?エスコートお願いしますね。」
神「……喜んで。」
そういって、手を取り二人も、希薄な大気の中に溶け込んでいった。
2/25 朝
今日は、ついに受験だ。
やっと……ここまでたどり着いた。
あの不可思議な体験が現実だったのか、夢だったのか。
確かめる術は、ない。
でも、あの出来事のおかげで
迷いを断ち切ることができた。
もう、どんなことがあっても揺らぎはしないだろう。
受験会場に着くと、皆そわそわしていた。
無理もない。たった一度の試験で人生が変わるのだ。
友人と話している受験生も目立つ。
後ろのグループでも知り合い同士なのだろうか。
会話の内容がちらほら聞こえる。
現役生A「ぜってー、浪人なんてしたくねぇよなwww。」
現役生B「わかるわwww。人生最大の汚点だろwwwwww。よくまたここまで来れるよなww。」
現役生C「てか、浪人するくらいならこんなカス大学受けねぇわwww。」
現役生A「浪人生(笑)」
以前の自分なら、どうだっただろうか?
怒りに身を悶えながら、
歯を食いしばっていたかもしれない。
羞恥心から、固まってしまっていたかもしれない。
でも、今は違う。
確固たる信念があり、夢があり、理想がある。
全く気にならないわけではないが
心は不思議と平穏だった。
それに、彼らの気持ちも痛いほどわかるから。
みんな不安なのだ。
人生で初めて、たった一人。
乗り越えなくてはいけない、最初の試練。
それは、かつて経験したものでも、
いや、だからこそ
足が震え、動揺し、恐れおののく。
そんな不安をかき消したくて、
自分を維持したくて
周りを中傷する。
決して褒められることじゃないが、自然な反応。
人間の防御本能。
それが痛いほどわかるから、
俺は傷つかない。
浪人生「それに、俺は一人じゃないもんな。」
心の中でつぶやく。
試験官「よーい、始め。」
運命の時が来た。
俺は微笑み、ひと呼吸して、問題用紙をめくった。
4/? 入学式
学長「えー、我が大学は伝統と……。」
新入生「……ふぅ。話が長いのは大学でも変わんないのか。」
新入生「ばぁちゃん、寝ちゃいそうだなぁ……。」
新入生「……。」
新入生「……もし、一緒に来られてればなぁ。」
新入生「向こうに行くのは、もう少し待って欲しかったぜ。」
新入生「……畜生。」
俺が不可思議な体験をしたあの日。
ばぁちゃんは亡くなった。
だいぶガタが来ていたらしい。
俺が出発したあとすぐに入院したみたいだ。
叔父さんたちが俺に知らせようとしたのを
ばぁちゃんは必死で止めた。
あの子の邪魔はしたくない。
せめて最後くらいは、邪魔したくない、と。
新入生「一緒に、入学式行こうって言ったじゃねぇか……。」
新入生「俺の夢を……邪魔すんじゃねぇよ、……ばばぁ。」
新入生「……。」
新入生「なぁ、天国から見てるか?」
新入生「もしかしたら、母ちゃん、父ちゃんと一緒にいるのかな?」
新入生「まさか、受験の神様とも会ってたり…なんて。はは。」
新入生「……。」
新入生「安心して眠ってくれ。」
新入生「こっちの方は任せろ。」
新入生「だって、ばぁちゃんの自慢の孫だからなっ!!」」
新入生「それに……
―――――――――――――――――――――――――
「それに……心の中で生きていますから。
……これから、どんなに辛いことがあっても
大丈夫、大丈夫。」
―――――――――――――――――――――――――
おわり

