<教室>
生徒「……」ピコピコ
教師「コラァッ!」
生徒「なんすか?」
教師「授業中にゲームなんかやってるんじゃない!」
生徒「へへっ、先生。教師なら拳で語って下さいよ」
教師「……くっ」
元スレ
教師「オラァッ!」バキッ 生徒「体罰が足りねェなァ!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1485349747/
教師「オラァッ!」バキッ
生徒「……へへっ」
教師「!」
生徒「体罰が足りねェなァ!」
教師「なにっ!」
教師「ドリャアッ!」ドゴッ
生徒「ゲボォッ!」
生徒「なかなかいい蹴りじゃないスか、先生」
教師「……」
生徒「さあもっと! もっと体罰を!」
教師「もういい」
生徒「もう終わりですか? なんだ、つまらない」
教師「……つまらなくて結構」
不良「ぐぅ……ぐぅ……」
教師「コラ!」
不良「むにゃ?」
教師「授業中に眠るんじゃない。ちゃんと授業を聞いて――」
不良「先公よォ……授業聞いて欲しいんなら、体罰してみろや!」
教師「……おのれぇ!」
教師「オラ、オラァ!」ドカッ バキッ
不良「ぐあっ……い、いてえ……」
教師「これ以上殴られたくなきゃ、ちゃんと授業を――」
不良「もっとだ! もっと体罰をォ!」
教師「……!」
女子高生「でさぁ~、キャハハハ」
教師「コラ! 授業中に電話するんじゃない!」
女子高生「なによ、先生~」
女子高生「だったら……体罰してよね!」
教師「むう……!」
教師「このっ!」バチンッ
教師「このぉっ!」ビタンッ
女子高生「やだ、うそ、なんでビンタ? 男女差別ってやつ?」
女子高生「グーで殴ってよ! ねえグーで殴ってよ!」
教師「くそっ……」
メガネ「……」カリカリ
教師「コラ、学校の授業中に予備校の予習なんてしちゃいかん」
メガネ「ふっ……ならば体罰でいうことを聞かせたらどうです?」
教師「どいつもこいつも……!」
教師「オラァッ!」バキッ
メガネ「ふふふ、こんなんじゃメガネも割れませんよ」クイッ
教師「ぐっ……!」
メガネ「ガッカリですね、あなたの体罰はこの程度とは……」
教師(なんなのだ一体……)
教師(こんな世の中……間違ってる!)
<校長室>
校長「君ィ……」
教師「はい」
校長「君の体罰はちょっと生ぬるすぎるんじゃないかね?」
教師「……どういうことでしょう」
校長「問題のある生徒を見つけても、一、二発しか殴らないそうじゃないか」
校長「そんなんじゃ、生徒の更生は期待できんよ、君ィ」
教師「しかし、校長!」
教師「暴力で生徒を従わせるなんて、間違ってます!」
校長「間違ってる? どこがだね?」
校長「人は痛くなければ覚えないのだよ」
校長「いずれにせよ、PTAからも君の生ぬるさには苦情が来ておるんだ」
校長「これ以上、生ぬるい教育を続けるようなら、こっちとしても君の進退を考えねばならん」
教師「くっ……!」
教師(こんなのおかしい……!)
教師(生徒を殴って蹴って、いうことを聞かせる教育なんて……!)
教師(こんなの間違ってる……!)
教師(しかし、今の俺にはどうすることもできない……!)
<職員室>
教師「はぁ……」
女教師「……どうしました? 先生?」
教師「実は校長に呼び出されましてね」
教師「君の体罰は生ぬるいって……」
女教師「先生はお優しいから……」
教師「俺としては……こんなの間違ってると思うんですよ」
女教師「その通りですよ! 間違ってます!」
教師「で、ですよね! そうですよね!?」
女教師「はい、先生の生ぬるさは間違ってます!」
教師「え……」
女教師「ちょうどいい。今から手本をお見せしましょう」
<教室>
女教師「はーい、それじゃ今から授業を始めまーす!」
DQN「へへへ……」ペチャクチャ
ギャル「キャハハ……」ペチャクチャ
教師(手本っていったい何を見せてくれるってんだ……?)
女教師「しゃべってんじゃねえぞ!!!」ドゴォッ!
DQN「ごふっ!」
女教師「10代半ばにして総入れ歯にしてやろうか、あぁん!?」ガッ ゴッ ガッ ゴッ
DQN「ぐえっ、ぐはっ! ぎゃぴぃっ!」
ガッ ドゴッ バキッ ガッ ゴッ
教師(もう気絶してるのに……!)
女教師「じゃあ次はあなたねー」
ギャル「はいっ!」
女教師「あなたは女の子だからビンタにしてあげる!」
バチンッ ベチンッ バチンッ バチンッ ベチンッ バチンッ ベチンッ ベリッ
教師(今、鼓膜が破れる音が聞こえたんですけど……)
女教師「あとは見せしめに……この二人を逆さに吊るす!」
DQN「うう……」ブラーン…
ギャル「うげえ……」ブラーン…
女教師「皆さん、真面目に授業を聞かない子は、こうなっちゃいますからねー」
女教師「さあ、先生を称えなさい!」
「先生万歳!」 「先生万歳!」 「先生万歳!」 「先生万歳!」 「先生万歳!」
教師(こんなの……こんなの間違ってる!)
教師(俺は絶対こんなのお手本にしない!)
<教室>
教師「いいか、みんな!」
教師「俺は宣言する! 今後、俺は君たちを一切殴らない!」
生徒「へへっ、そりゃいくらなんでもぬるすぎるんじゃないですか」
教師「ぬるくて結構!」
生徒「!」
教師「君たちは日頃から体罰を受けすぎて、体罰を当たり前と思うようになってしまった」
教師「だが、そんな時代はもう終わりだ!」
教師「俺は暴力ではなく、心で君たちに教育してみせる!」
生徒「先生……」
不良「先生……」
女子高生「先生……」
メガネ「先生……」
教師(さて……これで校長がどう出てくるか……)
<校長室>
校長「……あのバカめ! 体罰をしない宣言などしおって!」
校長「このままではまたモンスターペアレントどもに怒られてしまうではないか!」
校長「早くなんとかせねば……!」
教頭「あの……校長」
校長「なんだね?」
教頭「お客様が見えられてます」
校長「お客……?」
校長「あ、あなたは……!」
校長「教育委員会のお偉いさんである教育長!」
教育長「なかなか手こずっているようだね」
校長「は、はい……!」
教育長「あのような教師がいると、教師の権威に傷がついてしまう」
教育長「この私が何とかしてあげようじゃないか」
校長「ははーっ! ありがとうございます!」
教育長「ただし、私の手を煩わせたとして、君の腕を一本折らせてもらう」ボキッ
校長「うぎゃぁぁぁぁぁ……っ!」
<教室>
教師「この問題が分かる人!」
不良「はいっ!」
教師「はい不良」
不良「X=2です!」
教師「全然違う!」
どっ!
不良「もう俺たち、殴られなくていいんですよね?」
教師「もちろんだとも!」
教師(そうだ……体罰なんかしなくても、人間は更生できるんだ……!)
ガララッ!
教師「!」
教師「誰ですか、あなたは? 授業中ですよ?」
教育長「私は教育委員会のお偉いさんこと……教育長だ」
教師「教育長……!」
教師(まさか、こんな大物が出てくるとは……!)
教育長「問題のある教師を更生させるのは教育委員会の務め」
教育長「さあ今すぐ、ここで宣言するのだ! 私は体罰をしまくります、と!」
教師「あいにくだが……俺は体罰はしない!」
教師「人を殴ってなにが教育か!」
教師「そんなものは教育でもなんでもない! “狂育”だ!」
教育長「ほざいたな、若造!」
教育長「ならば兵士たちよ、こいつに教育的指導を与えてやれ!」
ザザザッ…
教育兵A「指導!」ドゴッ!
教育兵B「指導!」バキッ!
教育兵C「指導!」ベキッ!
バキッ ガスッ ドカッ ボゴッ ガッ バキッ ゴッ バゴッ グシャッ
生徒「ひ、ひでえ……! ボコボコだ!」
不良「死んじまうぜ!」
女子高生「でも、見て……!」
バキッ ドカッ ガッ メキッ グシャッ ボゴッ バキッ ガンッ
教師「……」
ドゴッ ボグシャッ バキッ ベシッ ドカッ ガッ ドズッ ガスッ
女子高生「あんなに殴られてるのに先生は倒れないよ……!」
メガネ「なんというタフネス!」クイッ
教育兵A「ダ、ダメです! 倒せません!」
教育長「おのれぇっ!」
教育長「ならば私がこの刀で切り刻んでやる!」チャキッ
教師「来い!」
教育長「ぬりゃあああああああああああああっ!」ドシュッ ズバッ ザンッ
教師「まだだ……! まだまだ……!」
教育長「な、なぜだ!? なぜ倒れない!?」
教師「決まってるだろう……」
教師「俺は体罰には屈しないからだ!」
教師「いくら殴られ蹴られ斬られても、心までは自由にできない!」
教師「さぁ、もっと来い!」
教育長「!!!」ガーン
教育長「体罰も……絶対ではなかったか……!」
教育長「私の負けだ……!」ガクッ
教師「……では、もう体罰を強要されることはないのですね?」
教育長「その通りだ……」
教育長「君が理想とする心による教育……それこそが真の教育だったのだ……!」
ワァッ!!!
生徒「先生、かっこよかった!」
不良「最後の啖呵もよかったぜ!」
女子高生「先生が死ななくてよかった~!」
メガネ「教育委員会を認めさせることができて……よかったですね」
教師「ああ、本当によかったよ……」
教師(本当に……気持ちよかった……)
教師(これでやっと、体罰をしなくて済む……)
教師(こんな気持ちのいいことを、わざわざ他人にするなんて耐えられないよ……)
教師(あ、そうだ。斬られた傷口には後でワサビでも塗ろっと。もっと気持ちよくなれるぞ!)
<終わり>