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ー食堂ー
東条「さて、あとは春川さんと赤松さんだけね」
江ノ島53世「はい、約束の時間まであと1分〜」
最原「入間さん、これ持ってくれないかな」つ壊れたPC入れたエコバック
入間「も、もしかしなくてもプレゼントだな…!?」受け取る
最原「いや違うけど。後でそれ、どうにかしてほしいなと思って…」
入間「プレゼントじゃねーのかよ!チッ、気が利かねぇな!これだから童貞は!!」
最原「…えーっと…。…あ、荷物になるから捨てようと思ってたけどバタバタしてて捨て忘れてたハトのえさがあるけど、これいる?」つハトのえさ
入間「いらねーよ!!てか捨てる予定の物プレゼントすんじゃねーよ!」バシッ
春川「来たよ」ドアバンッ
赤松「お、おまたせ…」ゼーハー…
江ノ島53世「では参りましょうか。王馬君も遊んでないでさっさと行きますよ」スタスタ
王馬「あっちゃー、時間足りなかったか―。まあ後で残り全部やるかー」モノタロウをアルミホイルでぐるぐる巻きにしてる
百田「テメーのそれは何やってんだよ…」
王馬「後でこんがり焼いて頂こうと思ってさ、その下準備?」モノタロウ抱える
モノタロウ「えぇっ!?」
王馬「にししっ、嘘だよ!食べられるわけないじゃんロボットなんか」スタスタ
百田「食べれたら食うのか?」スタスタ
王馬「場合によっては食べるかな」
モノタロウ「それも嘘なんだよね?」
王馬「……」
百田「おい、真顔で黙るのやめろよ…」
王馬「オレは熊肉なんて食べたことないけど、東条ちゃんが調理してくれたら絶対美味いよなって想像してさ…」
モノタロウ「あわわわ…」
百田「だからやめてやれよ!!」
王馬「ところでキー坊達は卒業しないのに何で着いてきてるの?」
キーボ「…皆さんの見送りですよ。いけませんか?」
真宮寺「出口の位置を把握していれば気が変わった時、いつでも出られるだろうからネ…」
江ノ島53世「出口の位置がわかっても、あんたらなんかじゃ出られません―!残念でしたー!!」
夢野「そ、そうなのか…」
茶柱「…夢野さん、今からでも一緒に卒業しませんか?」
夢野「んあ…、だから誘惑するのはやめい…。悩ませるでないわ…」
茶柱「す、すみません…」
赤松「夢野さん、茶柱さんは寂しいんだよ。折角お友達になれたのにお別れになっちゃうから…」
夢野「う、ウチとてそれは……」
夢野「…んああ!!もう!何も言うでないわ!!」タタタッ
茶柱「え!?夢野さん!」
赤松「ゆ、夢野さん……どこか行っちゃった…」オロオロ
春川「行くよ赤松、置いて行かれるよ」腕グイッ
赤松「…私、余計なこと言っちゃったのかな…」
春川「今の夢野にとっては余計なことだったんだろうね。でも気にしなくていいよ、あいつもこんな状況で錯乱してるだけだろうし」
百田「お、おい!早く行かねーと白銀構わず歩いて行ってるぞ!」
春川「行こう、赤松。…茶柱も、ほら」
赤松「うん…」タタタッ
茶柱「わ、わかりました…」スタタッ
ゴン太「大丈夫かな、夢野さん…」
江ノ島53世「この才囚学園に居るうちは健康で文化的な最低限度の生活を送れるように生活面的な意味では保証するけど、あの子が今後メンヘラキメちゃったり悩みすぎて自殺とかしちゃう分とかは、こっちも干渉はしないからわかんないかなー!」
江ノ島53世「てかそもそもあんたは夢野さんのことより自分の心配したらー?」
ゴン太「大丈夫!ゴン太はどんな所でも生きていけるよ!」
江ノ島53世「ゴン太君の場合、本当に何処でも生きられるでしょうから何言っても精神的ダメージにならなくて困りものですね」
江ノ島53世「さあ着いたわ、ここよ!」
天海「ここは…、校舎の裏側の果ての壁の前っすね」
最原「食品の搬入する時とかもここからなの?夜中に誰かが出歩いてたら見られる可能性だってあるよね?それとも外と出入りできる場所って何箇所かあるのか?」
江ノ島53世「そんなことどうでもよくない?あんたらはもうこの学園に関わることは何もないんだからさ」
東条「それで…、扉なんてどこにも見当たらないのだけれど、どこから出入り出来るのかしら?」
江ノ島53世「ちょーっとわかりにくいんだけど、ここにドアがあって、ここに指紋センサーがあるんだよね」
真宮寺「なるほどネ。だからさっき君は出口の場所が判っても僕らは出られないと言ったんだネ」
江ノ島53世「そういうこと!このドアを開けるには指紋が登録されているスタッフが触るか、出口の向こうから誰かが開けるか、モノクマが開けるしかないってわけ!」手の平を壁に押し付ける
最原(マザーモノクマの部屋の隠し扉みたいに、扉がスライドして開いたな…)
江ノ島53世「じゃあここで留年組とはお別れよ。アタシも次のゲームが始まるまでは外で生活するから、アタシともお別れってことになるわ」
江ノ島53世「まあモノクマは後で新しいの作っておくから、何かあったらモノクマかモノクマーズでも呼んでよ。それじゃあ精々、良い余生を」
真宮寺「最後に1つ、質問してもいいかな?」
江ノ島53世「んーまあ良いわよ、どうぞ」
真宮寺「次のゲームの開始時期が決まったら、ゲームが何日後に開始されるとかのアナウンスは何かあるよネ?」
江ノ島53世「あるから安心していいわよ。まあどうせゲームが始まったらあんたはまた記憶を消されて、ここに連れてこられた状態に戻るけどね」
真宮寺「そう。それじゃあ卒業する君達の健闘を祈っているヨ…ククク…」
茶柱「あ、あの、キーボさん、真宮寺さん」
真宮寺「何かな?」
キーボ「どうかしましたか?」
茶柱「卒業する身でこんなお願いをするのは差し出がましいと思うのですが、この施設の中にはあなた方しか頼れる人が居ないので言わせていただきますが…」
茶柱「…夢野さんを気にかけてくれませんかね?出来れば元気づけてもらえればありがたいのですが、あんな調子でしたから…」
キーボ「ええ、ボクは構いませんよ。夢野さんとはまたここでしばらく生活を共にしますから、ボクとしても彼女には元気であってほしいですし」
真宮寺「…そうだネ。僕も彼女のことを気にかけるとするヨ」
茶柱「ありがとうございます…」
江ノ島53世「ねえ、もういい?センサーから手を離したら10秒で扉閉まるからアタシずっと壁に手つけて地味に辛いんだけど」
王馬「じゃあちゃっちゃと卒業しちゃおっか」
江ノ島53世「あんたはそのモノタロウを置いていってからね」
王馬「イチ抜け卒業ー!」ダダダッ
江ノ島53世「あ、こら!勝手に行かないでよ!そこもうチームダンガンロンパの社内なんだから勝手なことしないでよね!?」
最原「へぇ、社内なんだ…」スタスタスタ
江ノ島53世「ちょっと!奥まで勝手に行かないで!そこで待ってて!!」
江ノ島53世「スタッフー!!そいつら止めてー!!」
春川「なるほど、この中はもう会社なんだ。……幹部殺す」シュタタッ
江ノ島53世「そっちにヤバイの行ったから、警備員呼んでスタッフー!!」
江ノ島53世「ほら!あんたらもさっさとここ通って!卒業するんでしょ!?」
天海「いやー、白銀さんはほんと威厳がない首謀者っすね」
江ノ島53世「こんなに人数居る個性派集団相手に、アタシ1人でまとめられるわけないでしょ、常識的に考えて!」
江ノ島53世「ほら、さっさとここ通る!閉めちゃうわよ!?」手を壁から離してドアの中に駆け込む
東条「!また学園に閉じ込められてしまうわ。みんな、急ぎましょう!」タタタッ
赤松「春川さん…、保育士なのに無茶するんだから…」タタタッ
百田「テメーら元気でいろよ!じゃあな!」ダダダッ
バタバタ……ドアガチャンッ
真宮寺「…騒がしい別れだったネ」
キーボ「ええ。…皆さんとちゃんとお別れできなかったのが、ちょっと残念でしたね…」
真宮寺「今後彼らに会うことが無ければ、それまでの間柄だったってことサ。…強い縁があれば、いずれまた彼らに会えるヨ」
キーボ「縁ですか…。縁とは偶発的な出会いの現象に、そう名付けただけのものですよね?非科学的です」
キーボ「ですが…、あれば素敵ですね。縁が」
ー社内廊下ー
江ノ島53世「あ、居た!王馬と最原!意外と大人しく待ってた!!」ダダダッ
最原「人のこと何だと思ってるのさ…。普通にスタッフに止められたから、ここでみんなを待ってたんだよ」
王馬「春川ちゃんはどっか行っちゃったけどねー」モノタロウにアルミ巻き巻き
江ノ島53世「ヒェッ…」
男スタッフ1「今警備員が探しています…」
天海「あれ?春川さんは?」タタタッ
王馬「行方不明だよ」アルミ巻きモノタロウ完成
赤松「も、もしかして春川さん、チームダンガンロンパの人達にどこかに連れて行かれちゃったの!?」
百田「何ィ!?おい!卒業したらダンガンロンパから解放されるんじゃなかったのかよ!?」男スタッフの胸ぐらを掴む
男スタッフ1「ヒィッ!?あの人勝手に走ってどっか行っただけですよ!こっちだって行方知りませんよ!?」
百田「よし!オレらも春川を探しに行くぞ!」
江ノ島53世「はぁ!?勝手しないでよ!あんたらまでウロチョロされたらこっちは迷惑なの!!」
江ノ島53世「春川さんならちゃんと捕まえてきっちり社外に放り出してあげるからさ、あんたらは先に外で待ってなさい!今外に案内するから!」
最原「放り出すだけ?春川さんを警察に突き出すとかはしないの?」
赤松「さ、最原くん余計なこと言っちゃだめだよ!」
江ノ島53世「私様は広い心を持っているから、警察なんて大げさにはしないであげるから安心していいわよ」
最原「ふーん……」
最原「…で、今から外に僕らを案内するの?」
江ノ島53世「そうよ」
最原「その前にやることあるよね?」
江ノ島53世「は?やること?……別に何もないけど。後はあんたらを追い出すだけよ」
最原「僕らがここに自主的に来たにしろ連れてこられたにしろ、身1つで来たなんてありえないよね?持ち物を返して欲しいんだけど」
江ノ島53世「ああ、持ち物ね。それなら全部捨てたわよ」
最原「え?財布も?」
江ノ島53世「うん、財布も。だってコロシアイする奴らの荷物なんて管理するわけなくない?殆ど死ぬんだし」
赤松「ひ、酷い…!」
茶柱「最ッ低ですね!最も低いです!!」
天海「困りましたね…。何か持ち物が残っていれば俺らのことが少しでも解ったんでしょうけど…」
最原(やっぱり、真っ当な組織とは思えないな…)
最原(でも真っ当でないなら、それはそれで財布を処分しているとは思えないな。財布のガワは処分され、現金は抜かれて分からなくなっていたとしても、カード類が何かに利用できるってことでどこかに保管されているかもしれないし…)
最原(それに、仮にさっき白銀つむぎが言っていた『僕らが自らダンガンロンパのオーディションを受けた』っていうのが本当だとすると、履歴書なりは残っているだろうし、それはそれで僕らの情報がわかるだろうし…)
最原(やっぱり、ここを出る前になるべくここを調べてから出た方が良さそうだな…)
男スタッフ1「ところで小松さん、暗殺者ちゃんは何する気なんでしょうかね?」
江ノ島53世「今は江ノ島って呼んでくれた方がいいんだけど」
江ノ島53世「幹部殺すとか物騒なこと言ってたのよねー」
赤松「えっ!ちょ、ちょっと待って…!?」
百田「……暗殺者ってひょっとして、春川のこと言ってんのか…!?」
最原「えっ!春川さんの話だったの!?全然関係ない話してると思ってた…」
江ノ島53世「あれ、赤松さんも知らなかったんだー。1番仲良さそうだったのにー」
赤松「し、知らないよ!初耳だよ!?」
東条「白銀さんの言い方的に、どうやら春川さんのことで間違い無さそうね…」
王馬「ふーん、あいつそんな大嘘つき野郎だったんだ」
赤松「きっとみんなを無駄に警戒させないために黙ってただけだよ!」
王馬「うん、警戒されずに油断させて殺す為だよね!」
赤松「ち、違うよ!春川さんはそんな悪い子じゃないよ!」
王馬「赤松ちゃんと仲良くなったのも、キミを殺すつもりだったからとかじゃない?」
赤松「ああ、もう!春川さんは危険な人じゃないって私が保証するから!もう…、春川さんと友達になったら王馬くんにもわかるよ!」
王馬「暗殺者の友達とかごめんなんだけど」
最原(悪の総統の癖に暗殺者と仲良くなりたくないのか…。どういうキャラなんだよキミの中の悪の総統って…)
ゴン太「2人とも、ケンカはだめだよ!」
江ノ島53世「そうよ、今更こんな話題で内輪もめしないでよ!そういうことはコロシアイ生活中にやっといてよ!」
赤松「もう!白銀さんは黙ってて!ずっと!!」
最原(……まあ春川さんは確かに愛想が悪かったけど、僕もそんなに悪い人には思えなかったから暗殺者かどうかはひとまず置いておくとして…)
最原(とりあえず、騒ぎに乗じて情報を探す方がいいかもな…)スタスタ
男スタッフ1「あ、探偵くん勝手にどこか行っちゃ駄目ですよ」
江ノ島53世「また最原か!今度は何!?」
最原「別に、ちょっとトイレに行こうと思って…」
江ノ島53世「トイレに行こうとする探偵はもれなく勝手な捜査をするもんよ。コナンくんで何百回と見た展開よ」
江ノ島53世「というわけで、行かせないわよ!」
最原(コナン許すまじ…)
最原「じゃあ何、我慢しろってこと?もう結構ずっと我慢してるんだけど…」
江ノ島53世「荷造りする時、時間あったでしょ!」
最原「言う方は簡単だけどさ、寄宿舎と食堂を往復しないといけない上荷物をまとめるのに30分って時間相当カツカツなんだよ。それはもうトイレを行くのを我慢するほどに」
江ノ島53世「いやトイレは行きなさいよ、どんなに時間カツカツでも。膀胱炎なるわよ」
東条「…荷造りの時間は実際カツカツだったし、食堂でみんなでコーヒーを飲んでいたし、このタイミングでトイレに行きたいと思っても仕方のないことだと思うわ。私もなんだか行きたくなってきたことだし…」
王馬「あー、そういえばオレもトイレ行きたいかも」
江ノ島53世「最原・王馬・東条・天海はトイレに行かせないからね。絶対」
天海「俺はまだ何も言ってないんすけど…」
王馬「探偵がトイレ禁止されるのはわかったけど、メイドや総統や冒険家がトイレ禁止されるのは何で?コナンにそんな定番展開あったの?」
江ノ島53世「そんな定番展開コナンにあってたまるかっての。トイレアニメかよ」
王馬「わかった!じゃあ見張りが居ればいいんじゃないの?ほら、そこの男スタッフさんを見張りにつけなよ」
江ノ島53世「うーん…」
王馬「見張りつきも許可してもらえないなら、もうトイレにダッシュするしかないんだけど。流石に高校生にもなって漏らすなんてとんでもないし」
江ノ島53世「アタシ、小スカまでなら大丈夫だからお構いなくー」
王馬「いやこっちは構うよ、何言ってるの」
最原(どうもトイレじゃ抜け出せそうにはないな…)
最原(一度外に連れ出されてから侵入するか…?でも、建物への侵入が困難そうなら困るからな…)
最原(外はどうなってるのかわからないけど、既に建物の中に居るこのチャンスを逃したくないし…)
最原「……じゃあトイレは我慢することにするよ」
江ノ島53世「そう。精々がんばってねー」
最原「そういえばキミはこのダンガンロンパが全世界に流れていると言ったけど、今のこの様子も見られているの?」
江ノ島53世「ううん。さっきの才囚学園をドアをくぐってこっちに出てきた段階で放送終了よ。カメラはこっちに出てこれないしね」
最原(僕達を見張っているカメラが無いならいけるかな…?)
最原「…学園に置いてきてる人はいいんだけど、もしモノパッドを持ってきてる人が居たら、電源を消しておいてくれないかな?」
赤松「えっと、節電…?わかったよ」カチッ
入間「やってほしいなら理由を具体的に説明しやがれってんだよ、不親切原」カチッ
最原(モノパッドの電源は切ったし、モノタロウもあんな状態だから多分これでもうGPSで追跡されたりする心配はないよな…?)
最原(才囚学園内では寄宿舎の鍵にGPSがついていてマップに表示されていたけど、モノパッドはGPSがついていないかモノパッドのマップに反映されてなかったみたいだけど、まあ電子機器だし一応ね…)
最原「あとまさかとは思うけど、まだ寄宿舎の鍵を持ってる人は居ないよね?」
百田「もう使わねー部屋の鍵持ち歩くやつなんざ、いねーだろ流石に」
最原「だ、だよね…。ごめんねみんな、変なこと訊いて…」
最原「…ねえみんな、僕達は何も知らなすぎるからまだここから出ちゃ駄目だよ。幸い今は春川さんに注意が向いているようだし、この隙に何か僕らのことがわかる物を手分けして探した方がいいと思うんだ」
江ノ島53世「!?えっ、ちょっ…。…アタシの目の前で堂々とそんな話しちゃう?」
最原「本当は穏便にいきたかったけどトイレ行かせてくれないみたいだし、スタッフ2人ならどうにかなるかなと思って…」
江ノ島53世「えっ」
最原「ごめんねゴン太くん、東条さん。白銀つむぎとそこのスタッフを気絶させるか捕まえてくれないかな」
ゴン太「えぇっ!?」
東条「…そうね。春川さんもまだこの建物に居るようだし、私達だけ先に出るわけにはいかないわよね。依頼として受け取るわ」シュッ、トンッ
江ノ島53世「アイエッ!?」バタッ
東条「獄原君、そちらのスタッフを任せたわ」
男スタッフ1「えぇっ!?いや、あんなのにやられるとか無理無理死ぬ死ぬ!!」タッタッタッ
ゴン太「あっ、えっと…」
星「仕方ねえな、ほらよ」シュッ、トッ
男スタッフ1「エンッ!!!」バタッ
最原「よし、縛ろう」腕と足にガムテープ巻き巻き+口に貼る
百田「…確かにこいつらはろくでもねえ会社の社員だけどよ、テメーら躊躇ねえな…」
最原「素直にトイレに行かせてくれたらもっと穏便に済ませられたんだけどね、仕方ないね」
東条「ねえ、あそこに監視カメラがついているわ」
最原「警備員は今春川さんを追いかけているはずだから、多分大丈夫じゃないかな?保証はないけど。まあとりあえず、こいつらは近くの部屋に放り込んでおこうか」
ゴン太「ご、ごめんね…。ゴン太、他人を気絶させるのは紳士らしくないんじゃないかって考えちゃって…」
星「いや、ゴン太はそのままでいい。こういう汚れ役は俺がやる方がお似合いなのさ」
最原「ゴン太くん、この2人を抱えてそこの部屋に放り込んでおいてくれないかな?今そこ開けて確認したけど人居なかったからさ」
ゴン太「うん、わかったよ」俵担ぎx2
ースタッフを放り込んだ部屋ー
最原「じゃあ、さっきも言ったけど…」
赤松「春川さんを探しに行こう!」
百田「ああ、そうだな!」
最原「いや、春川さんなら最悪捕まったとしても(多分)外に追い出されるだけで済むし、警備員を引きつける囮にできるし そのままにしておこう」
赤松「うー…、でも…」
王馬「あんな人殺し女、どうなったってよくない?」
天海「手厳しいっすね、小吉君」
百田「春川は暗殺者かもしれねーが、オレ達と一緒に過ごしてきた中で一度も殺しなんてしなかった。だからアイツは悪いヤツなんかじゃねー!」
最原「解斗くんちょっと落ち着いて、声が大きすぎるよ。他のスタッフにバレちゃうから…」
百田「終一も王馬と同じで春川をどうでもいいだなんて言うのか?」
最原「いや、勿論春川さんも僕らの大切な仲間の1人だと思うけど、今は情報g」
百田「だったらテメーも春川を探しに行くよな?」
最原「えっと…」
王馬「いや終一ちゃんはオレと同意見でしょ。春川ちゃんよりどう考えたって情報の方が大切だもん。ねー?」
最原「ちょっと王馬くんは黙ってて…」
王馬「え、嘘でしょ?流石にここは百田ちゃんに流されたらいけないよ?」
最原「待って、今考えてるから…」
百田「迷うまでもねーだろ!?」
赤松「そうだよ!仲間が1番大切でしょ!?」
最原「2人はとりあえず声を抑えて…」
百田「早く春川を探しに行ってやんねーと、警備員に捕まって警棒とかで痛めつけられてるかもしれねーぞ」
最原「だ、大丈夫だよ。春川さんが本当に超高校級の暗殺者だとしたら、そう簡単に捕まるようなヘマはしないって…」
茶柱「転子も春川さんが心配ですね…」
東条「…私はみんなの意見に従うわ」
アンジー「アンジーも民主主義的にみんなの意見に従うよー。神さまは絶不調中につき、よくわかんないらしいしー」
入間「オレ様は最原の意見に従ってやるよ。な、なんてったってアタシは終一の彼女なんだし…///」
最原「…入間さんが誤解しているようだから言うけど、僕はキミのことを彼女だなんて思ってないけど」
入間「……へ?」
入間「じょ、冗談キツイぜ最原…。だってさっきテメーは食堂でオレ様に愛の告白をしやがっただろ?」
最原「……心当たりないけど」
入間「う、嘘ぉ!?『僕は入間さんの大切な人になれないかな?』っつって、オレ様が確認で『そういう意味なんだよな?』って訊いたら『勿論』っつったじゃねーか!!アレは嘘だったのかよ!?」
最原「嘘はついてないよ、入間さんは大切な”仲間”だよ」
最原「…入間さんは寂しさのあまり僕が『大切な人』って言った部分を恋人と勘違いしちゃったんだね。ごめんね、(ワザとだけど)紛らわしい言い方をして…」
入間「……さ、詐欺だろこんなの……」
最原「本当にごめんね、紛らわしくて…」
最原「……じゃあ、春川さんをどうするかっていう話だけど…」
入間「切り替え早すぎんだろ!!フッたならフッたでもう少し慰めろよ!!」
入間「てかなんでオレ様は告白を受けた側なのにフラれてんだよ!?おかしいだろ!!」
最原「入間さん、落ち着いて…。声大きいから。外に人が居たらバレるから…」
入間「そ、そんなにオレ様を黙らせたいなら口をふさげよ…!///」
最原「じゃあ…」ガムテープビリッ
入間「違うだろ!クソ童貞が!」
王馬「ねえ、いつまで漫才している気?」
最原「僕は早く本題に移りたいんだけど、入間さんが煩いから…」ガムテペタッ
入間「上のお口に貼るなよ!!」ベリッ
王馬「入間ちゃんもさー、こんなマキャベリストを彼氏にするとか正気の沙汰じゃないから止めといた方が良いって」
最原「王馬くん、もっと言い方があるでしょ。……まあ、入間さんみたいな才色兼備な女性はきっと他に幾らでも良い人が見つかるよ。だから落ち着いて」
入間「じゃあ何で終一は才色兼備なアタシと付き合ってくれないのぉ…?」
最原「僕も選べる立場じゃないけど……。うん、才色以外の部分が駄目だからかな」
入間「ふぇぇ…」
天海「終一君、そんなにストレートに言わなくても…」
アンジー「それは追い打ちだぞー蘭太郎ー」
入間「うぅっ…、ダメな所具体的に言ってよぉ…。頑張ってなおすからぁ…!」
最原「…入間さんって、ただ心の拠り所になる男性が欲しいんだよね?」
入間「うん…」
最原「じゃあここから出たら僕が、キミと付き合ってくれるような男性を探してみせるよ」
入間「絶対見つけてくれる?」
最原「……うん」
入間「1週間で見つけろよ!?」
最原「無茶言わないでよ、努力はするけど。努力はする。だから見つからなかったらごめんね」
東条「…もう大丈夫かしら?」
最原「うん、ごめんね余計な時間くっちゃって…」
入間「オレ様は悪くねーぞ!」
赤松「最原くん、もうそんな詐欺みたいなことしちゃ駄目だよ?」
最原「詐欺だなんて…。僕はただ、入間さんにどうしても学園の外に出てほしかったから…。勿論、入間さん以外の人もなるべく頑張って声掛けしたつもりだったんだけど…」
入間「嘘つけお前、真宮寺にだけドライだったじゃねーか」
最原「あれはしょうがないだろ。入間さんだって自分を殺そうとした人に優しくできないでしょ」
王馬「で、結局春川ちゃんどうするの?」
最原(入間さんのせいで一々話が止まるな…。うーん…、春川さんはなんか大丈夫そうな気がするから情報だけ集めたいんだけど、そういうわけにもいかなそうだし……)
最原「…考えたんだけど、情報も仲間も大切だから2チームに分かれるっていうのはどうかな?」
最原「情報を集めるチームの人達は、僕らの所持品や経歴を探したり、この建物のことやチームダンガンロンパに関することとか…、まあ色々な情報を探すんだよ」
最原「春川さんを探すチームの方は、春川さんと合流して警備員を撒くかどうにかしたら春川さんに人殺しはさせないように説得して、こっちのチームも情報を探すんだ」
赤松「うん、それなら私はいいよ」
アンジー「チームはどうやって決めるのー?」
最原「希望制でいいんじゃないかな。どっちか迷ってる人は情報のチームに来てくれたらありがたいんだけど…」
最原「さっきも言ったように、春川さんが超高校級の暗殺者だとするとそう簡単に敵に捕まるとは思えないし、みんなが助けに行くことによって逆に彼女の足を引っ張る可能性もあるからね」
最原「あと、2チームに分かれるとは言ったけど、基本単独行動が良いと思うんだ。人数が多いからみんなで動くとここの社員に見つかりやすくなっちゃうかもだし、分かれたほうが効率がいいだろうしね」
天海「まあ捕まったとしても、過激な発言をした春川さんでさえここからつまみ出す程度の処遇みたいですから、皆さん緊張しなくてもいいと思うっすよ」
茶柱「でも、転子達がこうやってスタッフを気絶させて捕縛したことがバレたりしたら、向こうも武力行使してきたりする可能性もありますよね…?」
アンジー「もうその時はギブアップってことで、外に逃げちゃえばいいんじゃないかなー?」
百田「そうだな。あいつらは元々オレらを追い出してぇみてえだし、そのまま締め出される可能性はあるけど、外に出ちまえばあんまり深追いはしてこねーだろ」
天海「ここは才囚学園と違って、窓なりなんなりでいつでも外に出れるっすからね」
東条「では希望するチームを発表していきましょうか。私は情報を優先的に探すわ。でも途中で春川さんを見かけたら彼女を手助けするつもりよ。仲間だもの」
最原「僕は情報を探しに行くよ。僕程度の力じゃ春川さんの助けにはなれそうもないからね」
赤松「うーん…。春川さんを助けられそうかどうかで言うと私も力にはなれそうもないけど、やっぱり私は春川さんを助けたいし、私は春川さんを探すチームになるよ」
百田「無理はすんなよ赤松。オレも勿論春川を助けに行くぜ」
アンジー「アンジーは情報のチームになるねー。神さまと一緒に頑張って何か見つけるよー」
入間「オレ様は別にあの女がどうなろうがしったこっちゃねーし、勿論情報だな。この美人すぎる天才発明家入間美兎様がフィクションなんて、オレ様はまだ認めてね―からな!ぜってーオレ様がリアルだって証拠を見つけてやるよ!」
赤松「……入間さん。あんまり仲間のことに無関心なようなら、いつか入間さんが誰かに捕まっちゃっても誰も助けてくれなくなっちゃうからね」
入間「えぇっ!?も、勿論冗談に決まってるだろ…。オレ様だって春川のことちゃんと心配してるっての…!ただの言葉の綾だよぉ…」
ゴン太「えっと、ゴン太はどうしようかな…」
王馬「ゴン太はオレと一緒に情報探そうよ」
ゴン太「うーん…。ゴン太、ちゃんと役に立てるかな…」
王馬「誰もお前に成果を期待なんてしてないから大丈夫だって。お前はオレの足になったり護衛をしてればいいよ」
ゴン太「王馬くんを守ればいいんだね?わかったよ!」
百田「あ!?ゴン太は力あんだから春川捜索のチームだろここは!いざ警備員とバトルった時に戦えるやつが居たほうがいいに決まってるだろ!?」
ゴン太「どうしたらいいのかな…」
アンジー「主は言いました…。もうジャンケンで決めてはどうかと…」
百田「こんなことジャンケンで決められっかよ」
赤松「でも時間をかけて決めたらそれだけ春川さんを助けに行くのが遅れちゃうし、別にジャンケンでもいいんじゃないかな」
王馬「じゃあとっとといくよー。オレが勝ったらゴン太はこっちのチームだよ。百田ちゃんが勝ったらゴン太は春川ちゃん捜索組。恨みっこなしね」グー構え
百田「しかたねーな…」
王馬「じゃあ、さーいしょ…」
王馬「っから」パー
百田「あぁ!?」グー
王馬「はいオレの勝ち―。ボディーガードゲットー」
百田「最初はグーだろ普通!」
王馬「えー、そんな百田ちゃんの普通とか知らないよー。オレの地元じゃこの最初っからジャンケンが普通なんだよ?」
百田「卑怯じゃねーか!正々堂々ジャンケンしやがれってんだ!!」
星「おい百田。もう少しクールにならねーと外の連中にいつ気づかれるとも…」
女スタッフ1「誰か居るんですかー?」ドアガチャッ
全員「…………」
女スタッフ1「……えっと…」転がされているスタッフを見る
東条「お願い、騒がないでくれる?」近づく
女スタッフ1「……」ドアバタンッ
女スタッフ1『キャアアアァッ!!誰かぁああ!!!』タッタッタッ
東条「黙らせてくるわ。でも人が来るのは時間の問題だと思うから、もう各自移動しましょう」ドアガチャッダダダッ
最原「仕方ないね。残りの人は各自の判断に任せるよ」
茶柱「情報を集めた後、集合場所とか集合時間とかどうするんですか!?」
王馬「適当に建物から離れた外で落ち合うってことでいいんじゃない?どうせどんどん外に追い出されるんだし」
天海「東条さん出ていっちゃいましたし、誰か彼女に会ったら外で集合ってことを教えてあげないとっすね」
最原「うん、そうだね。みんな無理はしないようにね。それじゃあまた」
ーーー
最原(とりあえずさっきの部屋からちょっと離れた部屋に駆け込んでみたけど、この部屋には運良く誰も居ないようだ)
最原(でもいつ人が入ってくるかも分からないし、気をつけないとな…)
最原(こんな鍵もかかってなくて誰も居ない部屋で何か見つかる気はしないけど、折角入った部屋だしとりあえず漁ってみるか…)
コンマ判定
01~11またはゾロ目で何か発見
12~70で何も見つからない
71~90でスタッフに見つかる(偶数で女、奇数で男。女は他のスタッフに場所を知らせ、男は捕まえようとする)
91~98で警備員に見つかる
男スタッフに捕まるかどうかは再びコンマで判定になります
警備員には必ず捕まりますが、低確率コンマ判定で逃げられます
逃げられなかった場合、建物の外に追い出されます
コンマ↓1
769 : 以下、名... - 2017/09/04 00:39:24.50 i9uIvXlUo 1117/1655よ
最原(……ざっと探してみただけだけど、やっぱり何も見つからないか…)
最原(まあそうだよね、何か大切な情報なり物があったら鍵をかけてたりするもんね)
最原(仕方ない、他の部屋を探そう)
最原(僕は廊下に続くドアをそっと開け、周囲に人が居ないことを確認すると別の部屋へと移動した…)
ーーー
江ノ島53世「ああもう、酷い目にあったわ!」足のガムテベリベリ
女スタッフ2「小松さん、高校生を全員どうにか出来たら着替えて第1会議室に行って下さい。会議だそうです」ガムテベリベリ
江ノ島53世「わ、わかったわ…。春川さんは見つかった?」
女スタッフ2「暗殺者の子どころか卒業生全員まだ見つかってません。代わりに警備員が2人気絶させられているのが発見されました。相手は超高校級ですし、残りの警備員も時間の問題じゃないですかね」
江ノ島53世「えっ!警備員がやられちゃったらもうどうしようもなくない!?」
女スタッフ2「ですね。今代わりに男スタッフがおっかなびっくりしながら高校生を捜索しています」
女スタッフ2「……今までお仕事お疲れ様でした」
江ノ島53世「まだクビとか決まったわけじゃないから!!」
女スタッフ2「でもこれは……いや、そうですね。今上司が狙われているとなると、いっそ暗殺者の子に殺させておくか上司をかっこよく助けることが出来れば首は繋がるんじゃないですかね」
江ノ島53世「上司を殺させてしまえばその時点で私は職を失ってしまうものだと思います。ところで今回のダンガンロンパの評判は……いえ、後ほど自分で確かめることにします」
江ノ島53世「ともかく、放送は終わったけどアタシのダンガンロンパはまだ終わってないってことよね」
男スタッフ1「そんな、帰るまでが遠足みたいなことを言われましても…」ガムテベリベリ
江ノ島53世「実際、外に出るまでがダンガンロンパでしょ!首謀者としての機能はまだ使えるはずだし、もう追い出すなんて優しいことしてあげないんだから!卒業生全員生きてここから出さないわよ!!」ドアガチャッダダダッ
ーーー
江ノ島53世「もしもーし。マザーモノクマ、聞こえる?」
マザーモノクマ『はいはい、通信してきたりしてどうしたの?』
江ノ島53世「産め」
マザーモノクマ『ああ、こっちに居る留年組の見張り用?』ウィーンガチャガチャ
江ノ島53世「産め産め産め産め産め」
マザーモノクマ『えっちょっ』ガションガション
マザーモノクマ『…何?結局タイムリミットの動機使わなかったのに、何この無駄な六つ子モノクマ達』ガション
マザーモノクマ『そうだねぇ…。じゃあ生まれた順に名前はオソクマ、カラクマ…』
江ノ島53世「今作ったモノクマ達、全員本社に寄越して」
マザーモノクマ『え、モノクマを学園の外に出すの?』
江ノ島53世「卒業生が本社の中を自由に彷徨いててめっちゃウザイの。超高校級相手じゃ警備員も役に立たなくてさー…」
マザーモノクマ『上に許可とか取ったの?』
江ノ島53世「上司どこに行ってるかわかんないし、取ってる時間もないの!大丈夫、社員には手を出さないかつ社の備品や建造物を壊さなきゃ平気よ。それに第一、アタシにはまた首謀者としての権限があるんだし」
江ノ島53世「ともかく、さっさとこっちに来てクマ本来の野生みを解放しちゃって卒業生を殺してくれない?」
江ノ島53世「卒業生の人数が多いからさー…」ウィッグ外し
白銀「勿論、モノクマ達に任せっきりにはしないでわたしだってちゃんとみんなを探すし、わたしも戦うよ?」着替え着替え
辺古山コス「そうだな、戦場むくろだと社内で火器を使うことになるし、ここは辺古山コスで行くか」メガネチャキッ
辺古山コス「私は先にあいつらを探しに行く。モノクマ達も到着次第生徒を探して殺ってくれ。だが上司を見かけた際は彼らの護衛をしてやってくれ。春川が狙っているんだ」日本刀装備
マザーモノクマ『…そっちの様子も放送した方が面白いんじゃないの?』
辺古山コス「私の失態を全国ネットで流すなど、笑いものもいいところだろう。そろそろ切るぞ」
マザーモノクマ『とっくに笑いものなんじゃないの?あとで2ちゃんとかツイッターとか見てみなよ』
辺古山コス「切・る・ぞ。大事なことなのでもう1度言っておくが、決して社内を荒らしたり傷つけたりはしてくれるなよ。生徒のはらわたをぶちまけるのは大丈夫だ、後で私が掃除をする」
マザーモノクマ『野性解放して虐殺しろって言ってる割には制限が多くて嫌になっちゃうねー』
辺古山コス「無駄口を叩くな、早くしろ」通信切断
辺古山コス「さて…。GPSは使えないし、足でなんとか探すか」ドアガチャッ
ーーー
最原(あ、この部屋開いてる…)ガチャッ
最原(…誰も居ないようだし、じゃあ次はこの部屋を探索するか…)コソコソ
最原(みんなは大丈夫かな?って、他人の心配している場合じゃないか…)
最原(よし、何か見つけるぞ!)
コンマ判定
01~20またはゾロ目で何か発見
21~70で何も見つからない
71~80でスタッフに見つかる(偶数で女、奇数で男。女は他のスタッフに場所を知らせ、男は捕まえようとする)
81〜90でモノクマに見つかる
91~98で白銀に見つかる
男スタッフに捕まるかどうかは再びコンマで判定になります
モノクマか白銀に見つかった場合はコンマで逃走判定となります
逃走に失敗した場合、負傷します
コンマ↓2
777 : 以下、名... - 2017/09/04 02:00:42.66 zii7vRnjO 1123/1655コンマ
最原(えーっと…、この棚とか何か無いかな?ガラス戸の中に幾つもファイルが入ってるように見えるけど)
最原(あ、棚に鍵がかかってる)ガチャガチャ
最原(ガラス戸だから割ってもいいけど、音で他の人が来ちゃったら嫌だし、割れたガラスで怪我するかもしれないからなぁ…)
最原(……小さい鍵だし、これくらいなら前に王馬くんに教えてもらった南京錠のピッキングと同じ要領で開けられるかな?)カチャカチャ…
最原「……」カチャカチャカチャカチャ…
最原「…………」ガムテープガラスニペタペタ
最原「せいっ!」肘で割る
最原(うん、こっちの方が早いな…。ガムテープ貼れば音もそんなにしないしガラスも散らからないし…)ガチャガチャ…
最原(さて、棚に鍵がかかってるくらいだから、何か良い物が見つかればいいんだけど…)適当にファイルを取り出して見る
最原(……これは事件のファイルか…。何のだろう…)パラパラ
最原(…あ、早見弓子の名前があるな…。ってことは、過去のダンガンロンパのものか…)
最原(一応貰っとこうかな、後でちゃんと読んでみよう)
最原(えっと、他には何があるかな…)別のファイル取り出す
最原(こっちは…、過去の52回目までのダンガンロンパの参加者のプロフィールと、判明している分だけの生き残りのその後みたいなのが簡潔にまとめられているね)パラッパラッ
最原(……天海くんのもあるけど、モノパッドに書いてたプロフィール以上のことは書いてないね…。住所とか載ってたら良かったんだけど…)
最原(ちょっとお粗末すぎるまとめだけど、無いよりマシだろうしこれも持っていこうかな…。天海くんも52回目の他の参加者の生き残りとか気になるだろうし…)
最原(他のファイルは…、『モノクマ劇場決定稿』『モノクマーズの作れるレシピ』……うん、どうでもいいな…。というかモノクマ劇場って何なんだよ)
最原(こっちは…?……研究教室のデザイン画か…)パラッ
最原(……ちょっと気になるな…。僕の部屋ってどんな感じなんだろう)パラパラッ
最原(…アンティークだね。探偵ってことで安直にホームズイメージか。でも落ち着いて読書が出来そうな、無駄にいい部屋だな…)
最原(学園にあった地下の図書室は暗すぎるし埃っぽかったし地下で寒かったし、これくらいの大きさのこういう部屋がいいよね。あとソファがあればケトルを持ち込んで1日中居られるな…)
最原(あ、そういえばこれで春川さんの部屋を見たら彼女が保育士か暗殺者かが確定するんじゃないかな)
最原(春川さんの部屋はっと……あった)パラッ
最原(……これは…どう見ても保育士の研究教室じゃないね…。彼女の才能は暗殺者で確定か…)
最原(まあそうだよね。保育士がここの幹部を殺そうと単身で行かないよね、普通)
最原(こっちに危害を加えないなら、別に暗殺者でもいいかな…。そもそも超高校級の才能がチームダンガンロンパが植え付けたものだとしたら、彼女はまだ誰も殺してないことになるし…)
最原(超高校級の才能が元々僕らの持っていたものだとしても、政府公認ってことだから彼女は危険人物じゃない。…と、思うし…)
最原(あとどうでもいいんだけど、この天海くんの部屋の怪しさは何なんだ…。天海くんの才能って確か冒険家なんだよね…?)
最原(冒険家要素……この金庫とかかな?映画とかにありそうな、謎の遺跡にありがちな謎を解いたら中から秘宝が出てくるみたいな…?)
最原(そういえば入間さんも赤松さんも与えられた研究教室を見て喜んでいたし、天海くんもこの部屋見たら喜ぶのかな…?えぇっ…、意外と趣味悪いなぁ…。もっと普通の人かと思ってたのに…)
最原(……同い年か1つ2つしか年が違わないであろう男子高校生にお兄ちゃん呼びさせようとしている時点で普通の人じゃないね…)
最原(てかよく考えたら変わってる人が多いし、超高校級って凄いけど変人の集まりなのかもしれないな…。やっぱり僕って超高校級っぽくないんじゃないかな…地味だし普通だし…)
最原(あ、そういえば解斗くんの研究教室ってどんな感じなのかな)パラッ
最原(SF映画によくある感じのコックピットみたいだね。シミュレート操作でもできるのかな?この大きなモニタは)
最原(あれ?解斗くんはもう1部屋あるんだ…。えっと、ゴフェル計画の記憶の裏付け用コールドスリープ装置…か。なんか人類はウイルスで滅んでるだの何だの言ってたあれだったよね、ゴフェル計画って)
最原(こういうのはちゃんと作る癖にツッコミどころ満載で設定が甘かったよね。まあ、そのおかげで論破できたんだけど)
最原(これが未開放研究教室にあったんじゃなくて、もっと普通に行き来出来る場所にあったらもう少し僕らもゴフェル計画を信じたかもしれないのにね。実際に装置も見たなら)
最原(そもそもこんな大事な装置を個人の研究教室に置くってどういうことだよ。解斗くんが宇宙飛行士の卵だから宇宙系で理由だけで隣の部屋に置いたのか?)
最原(…ゴフェル計画を本当ということにしたら、仮にこのシミュレート装置っぽいモニタがやけにリアリティある感じで本当にこの宇宙船才囚学園号を操作できるみたいな感じにされてたとしたら、大事なコールドスリープ装置もコックピットの真横にあったりしてるし、これは解斗くんがコロシアイ生活の首謀者として疑われてしまう可能性も多少あったんじゃないかな…?)
最原(もしそういう狙いでコールドスリープ装置をそこに置いたんだとしたら、チームダンガンロンパは本当に性格悪いな…)
最原(というかそもそも何で解斗くんにだけ死に至るウイルスに感染させたんだよ、なんだよその殺意の高さは。僕らにコロシアイをさせたいんじゃないのかよ、そっちが時限爆弾で殺すなよ、クソッ)
最原(……いけない、全然捜査が進んでなかった。チームダンガンロンパへの怒りは置いとくとして、今はなるべく情報を集めないといけないよね)
最原(不要かもしれないけど、一応この研究教室のデザイン画のファイルも持っていくかな。別に春川さんを問い詰めるつもりはないけど、万が一暗殺者ってことをしらばっくれられてもまあ証拠になるし)
最原(えーっと、この棚には他にどんな資料が入ってるのかな…)ファイルパラッ
最原(……ほんと大したもの入ってないな…。なんかもっと社外秘みたいなものが欲しいのに…)
最原(…ひょっとしてこの棚の中身は、社員なら鍵借りて誰でも見れる資料だけみたいな感じなのかな?)
最原(ここにあるのは基本的には昔のダンガンロンパの情報と、今回のゲームの重要じゃない設定の資料ばかりか…)
最原(多分、コンピュータを調べれば今回のダンガンロンパに関する情報とか色々出てくるかもしれないけど、1部屋目を調べる時にその部屋にあったパソコンをつけてみたけどパスワードが解らなくて使えなかったからな…)
最原(まあ他の部屋を調べればまた紙の資料とか出てくるかもしれないし、今は僕にできる捜査をしよう)リュックにファイルを入れる
最原(みんな大丈夫かな…。ここの人に見つかっても本当に追い出されるだけならいいんだけど…)コソコソ移動
【コンマ判定】
01~11またはゾロ目で次の部屋で何か発見
12~50で何も見つからない
51~70で他の生徒に遭遇
71~80でスタッフに見つかる(偶数で女、奇数で男。女は他のスタッフに場所を知らせ、男は捕まえようとする)
81~90でモノクマに見つかる
91~98で白銀に見つかる
・他の生徒に遭遇になった場合、誰と遭遇したか安価を取ります
・男スタッフに捕まるかどうかは再びコンマで判定になります
・モノクマか白銀に見つかった場合はコンマで逃走判定となります
・逃走に失敗した場合、負傷します
・本社滞在中合計3回逃走判定に失敗をして負傷した場合、行動不能になります
コンマ↓1
790 : 以下、名... - 2017/09/07 23:10:39.63 r/jBItnDO 1130/1655あ
他の生徒に遭遇になったので、誰に遭遇するか1人名前を書いて下さい
(本社に居ないキーボ・真宮寺・夢野は除く)
安価の名前の生徒が誰かと一緒に居る場合はその生徒も出てきます
安価↓1
792 : 以下、名... - 2017/09/07 23:19:43.94 GPp/E/Mp0 1132/1655キルミー
最原(次はこの部屋を…)ガチャッ
最原「あれ、鍵がかかってるな…」
東条「最原君?」ドアガチャッ
最原「あ、東条さん」
東条「とりあえず入ってちょうだい」廊下を見渡しながら引き入れる
最原(東条さん以外に人は…………部屋の隅で倒れているここの社員らしき人が何人か居る…)
最原(その気絶させられている人達はマウスなりUSBケーブルなりのPC周辺のケーブルで拘束されている)
最原「えっと東条さん、怪我はない?」
東条「ええ大丈夫よ。伊達にメイドはしていないもの」
東条「最原君こそ怪我はしてない?もし怪我していたら手当するわよ」
最原「まだ怪我してないよ、ありがとう」
最原(というかメイドに戦闘能力って必要なのか…?確かに多少力仕事とかはあるだろうけど…)
最原「ところで春川さんは見つかった?」
東条「いえ、まだよ。一応私は部屋の物色をメインにしているから、まだそんなに部屋数を見れていないの」
最原「制圧しながら探索してくれているみたいだし、時間もかかるよね」
東条「ええ…。私だけならきちんと制圧して回らなくてもいいのだけれど、他の生徒もその部屋に来るかもしれないってことを考えると、みんながより安全に回れるように敵を無力化していく必要があるもの」
東条「ところで最原君はモノクマには会ったかしら?」
最原「え、モノクマがこっちにも居るの!?」
東条「ええ。しかも複数体居るらしいわ」
最原「えっと…、東条さんは複数のモノクマに会ったの?」
東条「いえ、私が会ったのは1体だけよ。けれどそのモノクマが自分の他にも居ると言っていたの。私達を惑わせる嘘の可能性もあるけれど、一応注意しておいてちょうだい」
最原「……ちなみに、その遭遇したモノクマってどうなったの?」
東条「そのモノクマは破壊したわ。廊下にそのまま放置しているから、ひょっとしたら残骸を見かけるかもしれないわね」
最原(……メイドって凄いな…)
東条「モノクマは加減はしていたけれど殺意はみられた攻撃をしていたから、もし遭遇したらそのまま外に逃げてしまった方がいいかもしれないわ」
最原「殺意はみられたのに加減をしていたって、どういうことなの?」
東条「なんというか…、建物を傷つけないように庇っていたといった感じかしら?爪を振り上げてこちらに走ってきたのだけれど、壁を背にした私が横に避けると壁に当たらないように減速を見せてわたわたとこちらに方向転換したのよね」
東条「私がパソコンのモニタをモノクマに向かって投げた時も、避けたりそのまま爪で切り捨てたりせずに一々受け取っていたし、私達以外は傷つけないように指示されているんじゃないかしら?」
東条「正直、モノクマの体内爆弾を使われていたら私ももっと苦戦していたかもしれないけれど、爆発せずに頭を潰したらもう動かなくなったし…」
東条「…とはいえ、戦闘のできない貴方が敵う相手ではないと思うわ。なんなら、すぐにでもこの部屋の窓から先に外に脱出してもいいと思うわ。幸いここは1階のようだし」
最原「まだみんながここに居るのに僕だけ逃げるわけにはいかないよ」
東条「勿論、他のみんなに会ったら私は同じことをみんなに提言するし、場合によっては外に出られそうな場所までみんなを護衛するわ」
東条「そもそも元は『ここの人達は私達を外に追い出すことしかしない』と思っていたから私達はここの探索を開始したのよ。怪我をするどころか死んでしまう可能性があるなら話は別だと思うわ」
東条「私達の存在がフィクションだとするなら、怪我をしてしまっても保険が使えないのだから治療費が大変なことになってしまうと思うの。ただでさえ百田君を病院にかからせなければならないし…」
最原「確かにそうだけど、僕もリスクなしで情報が得られるなんて思っていないよ。それに春川さんを置いてここからは出られないよ。みんなもそう思ってるだろうし…」
東条「春川さんならみんなを外に逃した後私と獄原君で探そうと思っているわ。他のみんなは居ても足手まといにしかならないと思うの」
東条「情報は…、そうね…。今回はもう諦めるのが懸命じゃないかしら。日を改めて私が単独でこちらに来て潜入して調査するというのもありだと思うわ」
東条「確かに春川さんは大切な仲間だけれど、貴方や他のみんなもそうなのよ。モノクマがあと何体ここに居るのか解らないし、…後のことは私に任せて今回は諦めてくれないかしら?」
最原「……」
①外に出る
②まだここに居る
安価↓1
797 : 以下、名... - 2017/09/08 00:32:10.64 0OBD4SXNo 1137/1655ぶっちゃけ正論だと思うわ
バラけて行動してる以上各個撃破される可能性あるし
どうしたもんか。出ちゃっていいか?
798 : 以下、名... - 2017/09/08 00:40:52.64 nEhgKJrm0 1138/1655上に同意
それにここの最原なら出るだろうね
799 : 以下、名... - 2017/09/08 00:42:47.66 /7MVCGY5o 1139/1655じゃあ出よう。1で
最原「……わかったよ、先に外に出ることにするよ」
東条「わかってくれてありがとう。それじゃあこれを貴方に渡しておくわね」つ鍵
最原「…車の鍵?」
東条「ええ、社用車と書かれている場所にかかっていたの。私が外に出るまでの間に車を見つけておいてもらえるかしら?」ブラインドを開ける
東条「見ての通り周りは山で囲まれているようだし、車がないと下山は難しいと思うわ」
最原「こんなど田舎なのに外に放り出す気だったのか…」
東条「才囚学園とその周りを囲うようにして接地しているこの本社、広大な敷地になるもの。多少不便でも田舎に作った方が維持費がかからないものね」
最原「まあそうだけど…。ところで誰か運転できる人が居るのかな」
東条「私が運転できるわ。と言っても免許を取得したのは海外で、外車しか動かしたことがないのだけれど」
最原「……もしもだけど、その免許を取得したというのもダンガンロンパ側が植え付けた設定とかだったら、やばくないかな?」
東条「大丈夫よ、問題ないわ」
最原(…東条さんが問題ないっていうなら、実際問題ないんだろうな…)
最原(僕は東条さんが開けたブラインドがかかっていた窓を開けた)
東条「これから屋外に出るとはいえ、一応モノクマやここの社員には用心してちょうだいね」
最原「うん、東条さんも気をつけてね。あと…」
東条「安心して、みんなは必ず無事に私が外に出すわ」
最原「勿論それもなんだけどね。えっと、僕がさっき見つけた資料では春川さんは暗殺者で確定っぽかったんだよね」
東条「そうなのね。…それを聞いて安心したわ」
最原「安心?」
東条「だって彼女が保育士だったら今頃無事では済んでいなさそうだし…。彼女が暗殺者ならきっと今も上手く立ち回っているんじゃないかしら」
最原「そうだね。それじゃあ先に行って待ってるね」
最原(僕は窓枠を乗り越えて外に降り立った)
最原(どっちに向かえば正解なのかよく分からないけど、とりあえずこの巨大な建物の壁にそって歩きだした…)
最原(窓の前を通る時は、内側から窓を遮蔽するものが見えない場合はしゃがみながら通って行った)
最原(もし中から誰かに見られたら危ないかもしれないし…)
最原(しかし大きな建物だな…。こんな巨大な建物を所有しているくらいだから、もしかしてダンガンロンパは本当に世間に認められているちゃんとした会社なんじゃないかと不安がよぎる)
最原(もしそうだったらどうしよう…)
最原(って、まだ実際はどうかも確かめてないのに弱気になったらいけないよね。弱気にもなりたくなっちゃうような状況だけど…)
最原(それにしてもモノクマが社内をうろついてるだなんて、予想外だったなぁ…。ていうかモノクマが居るなら警備員なんていらないんじゃないか?)
最原(そういえば解斗くん大丈夫かな…。病気なんだからあまり無理してほしくないんだけど…)
最原(既に外に出てくれてたらいいけど、流石にまだ出てないだろうなぁ…)
最原(心細いし、誰か外に居ないかな。凄くなんとなくなんだけど、入間さんとか真っ先に外出てそうなイメージあるな…)
最原(駐車場とかまだ見えてこないけど、もしかして屋内地下…とかじゃないよね?)
最原(もしそうだったら、みんなで車に乗って脱出する時に閉じ込められそうで困るな…)
最原(とりあえず立体駐車場とかは今のところ無さそうに見えるね。普通に屋外にあってほしいけど…)
最原(というかここ本当にどこなんだ…。このダンガンロンパの建物は山の山頂にあるようで、周囲に様々な大きさの山が見える)
最原(……寒いな…。別に凍えるほど寒いというわけじゃないけど、山の上だからなのかそういう時期だからなのか知らないけど、結構冷える)
最原(アンジーさんはあんな格好で大丈夫なのか?と、つい心配になってしまう)
最原(あ…、建物の出入り口がある…)
最原(建物の近くをずっと歩いていたせいで気が付かなかったが、どうやらこの建造物はドーム状の建物と ちょっとしたビル状の建物がくっついた物のようだった)
最原(僕はビルの方から歩いてきたわけだけど、どうやらここが正面だか裏手だかの玄関口らしい)
最原(入口のドアをそっと開け中を覗いてみたが、近くに誰も見当たらないし人の居る気配もしなかった)
最原(人が居ないならちょうどいいかな…。丁度ここの玄関口の前に駐車場があるし、車を見つけてそのままここでみんなを待ってようかな)
最原(この辺にあるのは普通車や軽ばかりで、多分ここのスタッフの通勤用の車だろうね)
最原(社用車っていうくらいだから会社のロゴが入ってたり大きめの車なんじゃないかなと思いながらも、僕は車の鍵のスイッチをカチカチと押しながら駐車場を歩いて行く)
最原(それにしても誰も居ないな…。やっぱりみんなまだ屋内なのかな…?)
入間「あ!マキャベリ原!」
最原「うわ!?」
最原(誰も居ないと思って完全に油断しながら歩いていると、駐車してある車と車の隙間に居た入間さんが声をかけてきた)
入間「はっは~ん…。さてはテメーも早々に怖気づいちまって出てきたってわけだな!」
最原「入間さんは怖気づいて外出たんだね…。僕は東条さんに『屋内にモノクマがうろついてるから外に出た方がいい』って言われて出てきたんだよ」
入間「えっ!?い、いや、オレ様も東条のヤツに同じことを言われて出てきたんだぜ!?この美人すぎる天才発明家入間美兎様がここのパンピー共やモノクマごときにびびるハズねーだろ!?」
最原「別に嘘つかなくてもいいよ。そんなことより、それは何してるの?」
最原(僕はそれを指さした。半分解体されているような状態のモノタロウだった)
入間「ああ、これはオレ様が建物を出る時にツルショタに出くわしてな。その時に『先に外出るならモノタロウを預けるから、こいつのGPSとかあったら切ったりして、あとオフラインでしか動作しないようにしろ』って言われたんだよ」
最原「そうなんだね」
入間「もう諸々切ったし、後は元に戻して電源を入れてやるだけだ」
最原「じゃあもうアルミホイルまみれにしなくて済むね」
入間「あー、なるほど。電波を遮断する為にアイツはアルミ巻きにしてたんだな」
最原「入間さん、専門分野なのに気がつかなかったんだね…」
入間「普通気がつくわけねーだろぉ!?」
最原「いや、普通気がつくでしょ…。電化製品をアルミで巻くって言ったら目的はそれくらいじゃない?」
入間「そ、そう言えばテメーの戦果見せてみろよ。情報探すって意気込んでたから何か見つけたんだろ?」
最原「役に立つかわからないけど、資料棚から幾つかファイルを持ってきたよ。気になるなら後で入間さんにも見せてあげるね」
最原「ところで、そういう入間さんは何か見つけた?」
入間「……」
最原「特に何も見つけてないんだね、わかったよ」スタスタ
入間「お、おい!どこ行くんだよ!?こんな所に1人にしないでよぉ…」
最原「別に遠くに行かないから大丈夫だよ。ちょっと車を探してるんだよね」
入間「車?」
最原「東条さんが社用車の鍵を見つけたんだよね。これで下山するから車を探しておくようにって言われてて…」
入間「車ねぇ…。オレ様達全員入るのかよ?」
最原「さぁ…。マイクロバスみたいな大きめの車ならいいんだけど…」
最原(鍵のボタンをカチカチと押しながら歩いていると、不意に車の鍵が開いたことを知らせる電子音が聞こえてきた)
最原「…あれかな?」
最原(駐車場の1番端に黒いハイエースが停まっている。近づいてドアを引くと開いた。やはりこれらしい)
最原「えっと…、多分全員乗れるんじゃないかな…?」
最原(座席の後ろの方がフルフラットベッド構造になっていた為、車に詳しくない僕にはこの車が何人乗り用かわからなかったが、多分全員乗れると思う)
最原(……これは座席に戻せるのだろうか?)
最原(座席に戻せるものなら戻してみようとベッド部分を持ち上げてみたが、蓋のように取れてしまった。…これは座席にならないんだな。元々あったであろう座席は見当たらないし、このまま乗らないといけなそうだな…)
最原(人数が少ないならくつろげていいんだろうけど、人数が多いとなるとこの構造は奴隷船状態じゃないのかこれ…。困ったな…、僕パーソナルスペース広いのに……)
最原(とりあえず、色々あって疲れた僕は靴を脱いで荷物を置いてベッドスペースに寝転んでみた)
最原(なんというか、車の座席をそのまま平らにした感じなので決して寝心地がいいというわけではないが、床よりマシといった感じだった。最近はずっと才囚学園の寄宿舎のホテルのようなベッドでずっと寝ていたので、なんというか…固いなという感想しか湧かない)
入間「お!いいもんあんじゃねーか!」
最原(モノタロウを元に戻し終わった入間さんが車の中にそのまま上がり込んできて、ブーツを履いたまま僕の隣に寝転がってきてしまった)
最原「入間さん、もっと端に寄って寝てくれないかな。あとブーツ脱ぎなよ」
入間「え…?脱げって…?」
最原「ブーツをね」
入間「テメーよく女に向かってブーツ脱げって言えるよな。そんなんだからいつまで経っても童貞なんだよ」
最原「ブーツ脱ぎたくないなら、そっちの座席の方で休憩すればいいんじゃないかな」
最原(僕は入間さんが元に戻したばかりのモノタロウを僕と入間さんの間に置いた。物が間にあれば多少パーソナルスペースに他人が入ってきても平気だしね…)
入間「オレ様は徹夜作業してんだぞ!?多少仮眠は取ったがよ…」
アンジー「やっはー!終一ー!美兎ー!」
最原(隣に置いたモノタロウが突然何者かに取られたかと思うと、アンジーさんが空いたスペースにどかっと体を落としてきた。誰が何のためにモノタロウを置いてたとかこの人は考えないんだろうな…と思い、諦めて僕は体を起こして座席の方に移動してそっちに座った)
最原「……よくここがわかったね」
アンジー「美兎の賑やかな声が聞こえてきたからねー。でも駄目だぞ終一ー。外に集合なのに2人ともが車の中に入ってたら、新しく外に出た人はどこに集まればいいのかわかんないからねー」
最原「うん、ごめんね。でもちょっと疲れちゃったから少し休憩してて…。勿論、少し休憩したら車の外に出るつもりだったんだけど…」
アンジー「あれま!疲れちゃってたのなら仕方ないねー」
最原「アンジーさんは東条さんに会った?」
アンジー「うん、会ったよー。モノクマがウロウロしてるんだってねー。アンジーはモノクマには会ってないよー」
最原「モノクマに会わずに外に出れたんだね。それは良かったよ」
最原「ところで、何か見つけた物とかはある?」
アンジー「鍵のかかった所が多くて全然調べられなかったんだよねー。ごめんね終一ー」
最原「鍵を開けられるのなんて王馬くんくらいだし、仕方ないよ。アンジーさんが無事なだけで充分だよ」
入間「…テメー、オレ様には気遣わなかったよな?」
最原「そうだったっけ」
最原(入間さん達とあんまり無駄話するのもアレだし、僕は1度車を出て運転席に乗り込んだ)
入間「あ?テメーが運転するのか?免許持ってんのかよ?」
最原「運転はしないけど、カーナビがあるからちょっと見ておこうと思って。えーっと…」
最原(車の免許なんて持っていなくても大体どこをどうすればいいのかは一般常識として知っているので、僕はエンジンをかけてカーナビを起動させた)
カーナビ『今日は、10月3日、登山の日です』
最原「登山の日はどうでもいいとして、10月3日なのか…」液晶ポチポチ
最原(ここはどこなんだろう…)地図縮小ポチポチ
最原「……東北かぁ…」
最原(一体今どんなど田舎に居るのかと思ったら、ここは東北地方らしい。初めて来たぞ東北なんて。来るとしても旅行か何かで訪れるものだと思っていたよ)
アンジー「10月の東北で山の上なら寒いに決まってるよね、って神さまも言ってるよ―」ガタガタガタ
最原「まだ上旬で良かったね、アンジーさん」
入間「テメーは前閉めろよ痴女め」
最原「入間さんに痴女扱いされるなんて可哀想に…」
入間「なんでぇ!?アタシ間違ったこと言ってないよね!?」ガーン
アンジー「美兎ー、寒いからアンジーとくっついちゃおーよー」ベタベタ
入間「そういうのはチャバネゴキブリに言った方が喜ぶんじゃねーの」
最原「蔑称が酷すぎて誰のこと言ってるのか最早わからないんだけど…」エンジン切る
最原(他に外に人が出た時に集合場所がわかるように、外に出てるか…)ドアガチャッバタンッ
最原(……寒い…。歩いてた時は動いてたからそうでもなかったけど、じっとしてるとちょっと寒い…)腕サスサス
最原(早くみんな来ないかな…)建物の入口の方に歩いて行く
最原(……誰も来ないな…。いや、僕みたいに窓から出てきたらこの出入り口使わないんだけどさ…)玄関口のドアを少し開けて中を見る
最原(多分ここに居るのが1番いいだろうからな…。この辺に居ないとな…)出入り口前うろうろ
最原「…………」キョロキョロ
ガチャッ
天海「…ここが外っすか…」ゼーハー
最原「天海くn…………うわぁ……大丈夫…?」
天海「え?まあちょっと走ったんで息は切れてるっすけど、大丈夫っすよ」
最原「…僕には大丈夫そうには見えないけど…」
天海「心配してくれるのはありがたいっすけど、別に…………あ……」
最原(額をシャツで拭った彼は、そのシャツを見てぎょっとしていた)
天海「……いやー、てっきり汗かと思ってたんすよね…。どうりでなんかふらつくと……」
最原「…走ったみたいだから、そのせいで傷口が開いたみたいだね。みんなが来るまで安静にした方がいいんじゃないかな」
最原(僕は再び頭から血を流している天海くんに向かって言った)
天海「まだ終一君しか外に出てない感じっすかね?」
最原「ううん、あっちの車の中に入間さんとアンジーさんが居るよ。その他のみんなはまだだけど…」
最原「天海くんも車の中で休んだらどうかな。寝られそうな感じだったよ」
天海「車っすか…。いやー、俺車嫌いなんでこのまま外でみんなのこと待ちますよ」
最原「嫌いとか言ってる場合じゃないんと思うけど…。どのみち後でみんなで車に乗って下山することになるし…」
天海「下山…?……あー…」周りの景色を見る
天海「…この程度なら自力で降りられると思いますよ」
最原「どうしても車に乗りたくないんだね…。僕こんな山の中なんて歩けないし、ゴン太くんと東条さん以外のみんなも無理だと思うよ」
最原「それに天海くんも怪我してるんだから無理しちゃ駄目だよ。ほら、車の場所教えるから寝てきなよ」
天海「ここで休むんでご心配なく……」
最原「頑なだね…」
天海「だって車にはアンジーさんが居るんすよね?彼女は恐らく南国育ちなんでこの環境は絶対寒いと思ってますよね。てことは車の暖房をつけてそうっすよね?」
最原「まあ、暖房つけてるかもしれないけど…」
天海「じゃあ無理っす。暖房つけてるってことはエンジンかけてるってことっすもんね。酔うから無理っす」
最原「エンジンかかってるだけで酔うんだ…。車乗る度酔うってなんか、この世の中生きにくそうだね…」
天海「結構生きにくいっすね」
最原「ちなみに飛行機とか船とかは?」
天海「それは平気っす。大きい乗り物は酔いにくいんで」
最原「そうなんだ…」
天海「まあそういうわけなんで、車で山を降りるにしろギリギリまで外に居ることにするっす」
最原「うん、まあ、本人が楽に居られる場所がいいよね…。とりあえずせめて座ったら?地面冷たいだろうけど…」
天海「そうっすね」建物の壁に寄りかかって座る
最原「……ちなみに酔い止め薬とかは?」
天海「持ってたら苦労してないっすよ…」
最原「だよね…。…そういえば天海くんさっき走ってたって言ってたけど、何かあったの?」
天海「ああ、さっきまでモノクマに追いかけられてたもんで」
最原「えっ」ドアを開けて中の様子を伺う
天海「大丈夫っすよ、その後ゴン太君が来てそれを壊してくれたんで。いやー、ラッキーでした」
最原「あれ、ゴン太くんに会ったんだ。じゃあ一緒に居るはずの王馬くん連れてそのまま出てきたら良かったのに」
天海「……そういえば小吉君は見かけなかったっすね。先にゴン太君と別れて別のルートから外に出てるんすかね?」
最原「かな?僕は窓から外に出たし、王馬くんも変な所から外に出てる可能性もあるね。まあ外に出て今慎重に外壁を移動してるならいずれここに辿り着くんじゃないかな」
最原「僕が外壁周った時は他に開けた場所を見かけてないし、変な場所で待ってたりは多分してないと思うし。…僕が通ってない場所で他に開けた場所があるかもわからないけど…」
ガチャッ
赤松「あ、最原くん!」
最原「赤松さん、怪我とかはしてない?」
赤松「うん大丈夫だよ!私が怪我しないように百田くんが見ててくれてたし…」スタスタ
最原「一緒に行動してたんだ」
百田「おう!こいつ危なっかしいからな」スタスタ
最原「解斗くん!大丈夫?怪我とか…あと病気で調子悪くなったりとかしてない?」
百田「ああ、それは問題ねーぜ。ただ…」
赤松「……!?きゃあああ!!?天海くん、血!血が出てるよ!?」
天海「…………あ、また血が垂れてきちゃいましたかね」
赤松「今の間何!?気絶してたよね!?大丈夫!!?ケガしたの!?」
天海「気絶じゃなくてちょっとうたた寝しただけっす、問題ないっすよ。あとこれはさっきの頭の傷がちょっと傷口開いちゃっただけなんで大丈夫っす」
赤松「えっと、また止血とかした方がいいんじゃないかな!?」
天海「ちょっと今止血出来そうな物も無いんで、東条さんが来るまではこのままっすかね。まあ意識はあるし、心臓より高い位置に怪我した箇所があるんで大丈夫だと思いますよ」
赤松「意識なかったよね!?さっき!」
赤松「あ、そうだ。確か食堂で東条さんが天海くんを圧迫止血してたよね?東条さんが来るまで私が傷口押さえておいた方がいいよね?」
天海「そんな、お構いなく」
赤松「遠慮しなくていいよ!えっと、ここら辺だったよね?せいっ!」メリッ
天海「」
最原「今凄い音しなかった?」
百田「赤松、多分力強すぎだそれ」
赤松「え、そうかな?でもなるべく強く押さえた方が良いって天海くんの手当してた時東条さんが言ってたよ」
最原「所詮女性の力だし、そこまで心配することないと思うけど…。さっきの音は天海くんの……顎関節でもズレた音とかじゃないかな」
百田「終一、赤松は意外と力めちゃくちゃあるぞ。さっきも春川探す為に1部屋1部屋部屋中の家具をはたき飛ばしてたからな」
最原「……??」
百田「流石にモノクマには投げた家具はことごとく受け止められてたがアイツを近づけさせなかったし、こいつも流石超高校級だなと思ったぜ」
最原「ピアニストだったよね???」
赤松「うん、ピアニストだよ!ピアノ弾くのって結構体力いるから自然と鍛えられちゃうんだよね。特に腕!」
最原「そ、そうなんだ……」
赤松「私、腕相撲なら多分最原くんには負けないよ!」
最原「うん、僕が負けるだろうね…。ところで天海くんあれからうんともすんとも言ってないけど大丈夫?」
赤松「そういえば!……気絶してるね。さっきも気絶してたし、やっぱり失血したからかな?」
最原「それはどうなんだろう…」
百田「赤松、テメーにはこういうのは向いてないと思うからもうやめとけ」
最原(ストレートに言った…。でも赤松さんにはストレートに言わないと伝わらないか…)
赤松「うぅっ…、お料理も駄目で怪我の手当も駄目だなんて…。私、もっと力が欲しい……」
最原(もう力は充分あるんじゃ…?)
赤松「女子力が……」
最原(そっちか…)
百田「テメーにはピアノがあるだろ。一芸に秀でてれば充分だろうが」
赤松「そうだよね!負けない物が1つあれば充分だよね!」
最原「脈は正常みたいだけど…。天海くん、大丈夫?」肩ポンポン
天海「…………」
最原「……蘭太郎お兄ちゃん、しっかりして」
天海「お兄ちゃんなら大丈夫っす」b
最原「意識あるんじゃないか」
天海「たった今意識が戻ったところっすよ。ところで滅茶苦茶頭が痛いっす」
最原「だろうね」
天海「お兄ちゃん『痛いの痛いの飛んでけー』されたらちょっと治る気がするんで、お願いします」
最原「後で病院行って頭治してもらおうね」
赤松「私のせいで天海くんの頭が痛くなっちゃったかもしれないから私がやるよ!…痛いの痛いの〜…飛んでけ〜〜!!」頭さすさす
天海「…なんかちょっと痛みが減った気がするっす。ところで赤松さん、俺の妹になってくれませんかね?」
赤松「天海くんの妹に?どういうこと??」
最原「天海くん節操ないね。誰でもいいんだ」
天海「終一君嫉妬っすか。モテるお兄ちゃんは辛いっすね。でもお兄ちゃんはみんなのお兄ちゃんなんで、妹の赤松さんには優しくしてあげてくださいね」
最原「問答無用で赤松さんを妹にしちゃったよこの人…」
赤松「えっ!?私、いつの間に天海くんの妹になっちゃったの!?」
最原「なってないよ、天海くんが勝手に言ってるだけだよ」
天海「赤松さん、俺のことはこれからは気軽に蘭太郎お兄ちゃんと呼んでくださいね」
赤松「ううん、嫌だ」
天海「……こんなにキッパリ断られるとは思ってなかったっす…。予想外っすよ…」
最原「逆になんでいけると思ったの?」
百田「軽く その辺見て回ったが、まだ他に人はいねーんだな」
最原「あ、向こうにある車の中に入間さんとアンジーさんが居るよ。その車を使って下山するんだって」
赤松「車が使えるんだね!良かった〜!てっきり歩いて人里まで行くのかと思ってたからさ」
百田「誰か運転できるヤツが居んのか?」
赤松「こう見えて私、車運転できるんだよ!」
最原「えっ……いや、東条さんが運転してくれるって」
赤松「そうなんだね!でも私も久しぶりに運転したいなー」
天海「いや、ここは東条さんに任せましょう。その方が良いと思うんで恐らく多分きっと必ず」
赤松「まあ確かに、東条さんが運転した方が安全そうだよね」
天海「あ、すみません。そういうつもりは無かったんすけど…『久しぶりに運転』って言ったんでちょっとだけ不安になってしまったというか…」
赤松「ううん、いいのいいの。細くて見通しの悪そうな山道なんて運転難しそうだし、それに私結構スピード出しちゃう方だから危ないかもしれないし…」
最原(イメージ通りの豪快な運転をしそうだ…)
天海「へえ、どのくらいスピード出すんすか?」
赤松「何キロとかはちょっと覚えてないんだけど、乗せた人に速い速いって言われるから速いんだろうなって」
最原「……あ、そういえば解斗くん。さっき言いかけてた言葉の続きが気になるんだけどいいかな」
百田「さっき?」
最原「えーっと…ほら、最初に僕が大丈夫か訊いた時に、健康状態は問題ないけどただ…って言ってたから…」
百田「…ああ、そういえばそんなことも言った気がすんな。にしてもよく覚えてんな」
最原「キミが言ったことだからね。ほら僕助手だから…」
百田「そうか、流石オレの助手だな!」
最原「えへへ…」
百田「その言おうとした続きは…まあ、今こうやって関係ない話してるからなんかもうなんとなく解ってるとは思うが、オレ達は春川には会えなかったってことだな。すまねえな…」
赤松「頑張って探してみたんだけど、ごめんね…」
最原「…うん、まあ春川さんはダンガンロンパの社員にも見つかってないみたいだし、僕らがちょこっと探しただけじゃ見つかりっこないんじゃないかな。情報を探していたチームの人で何の成果もない人達も居るし、気にしなくていいと思うよ」
天海「モノクマも何体か彷徨いていたことですし、2人が無事なだけでなによりっすよ。ね?終一君」
最原「うん、怪我がないのが1番だよ。任せっきりで申し訳ないんだけど、春川さんはきっと東条さんが見つけてくれると思うよ」
赤松「そうだよね!東条さんは何でも出来るメイドさんなんだし、春川さんもすぐ見つけてくれるよね!」
最原「だから僕達は信じて待たないとね。…ここは寒いし、キミ達は車で待ってたらどうかな?案内するよ」
百田「終一達は車に行かねーのか?」
最原「僕は残りの外に出てくる人達を待たないといけないからね。……天海くんは車が嫌いだから極力乗りたくないんだって」
赤松「嫌いって…?」
天海「俺酔いやすいんすよね、車…」
百田「ただの好き嫌いならなおした方がいいって言いてえところだが、乗り物酔いはまあ体質だろうししかたねーよな。でもまだ動いてねーんだし平気じゃねえのか?」
天海「いやー、暖房つける為とかでエンジンかかってるだけでも駄目なんすよね俺。あと怪我してるから、なるべく静かで涼しいところで待機してたいなっていう感じなんで…」
最原「入間さん煩そうだもんね」
天海「まあ…はい。だから俺のことは気にしなくていいっすよ」
赤松「気にしなくていいって言われても気になっちゃうよ…。天海くん怪我してるんだし…」
天海「でも赤松さん、その格好で外は寒いっすよね?俺は大丈夫なんで。なんてったって俺は超高校級の冒険家ですし、このくらいどうってことないっすよ」
百田「…わかった、天海がそこまで言うなら本当に放っといても大丈夫ってことだろ。オレ達も休める時に休んだ方がいいし、車に行こうぜ赤松」
赤松「えっ!?う、うん…」
百田「ただ、外は寒いのは確かだしテメーは怪我してるからな…」ジャケットを脱ぐ
百田「ほら、これ羽織ってろよ。オレは今から車に乗るから別に寒くねーしな」ジャケットを渡す
天海「えっ!?あ、ありがとうございます」
最原「……」
百田「おい終一、早く車の場所に案内しろよさみーだろ」
最原「えっ、あ、ごめん。こっちだよ」タッタッタッ
百田「別に走らなくてもいいけどよ」スタスタ
赤松「まあ走ったほうが体も暖かくなるからね!私も走ろっかな!」タタタッ
百田「おいおい、いざという時の為に体力は残しといたほうがいいと思うぞ」
最原「あ、この車だよ」
赤松「思ったより距離近いね!?」
最原「まあそんなに駐車場大きくもないしね…。それじゃあ僕はまた玄関口の方に戻るけど……あっ…」ドアガチャッ
最原「これ僕の荷物だけど…」車内のリュックゴソゴソ
最原「えっとこれ僕が取ってきた資料なんだけど、疲れてたら無視して寝ててくれてもいいんだけど、もし時間持て余してたらこれ見たらどうかなって…」ファイルを渡す
百田「おお、なんか見つけたんだな!流石オレの助手だな!」頭わしわし
赤松「最原くんすごーい!」
最原「斜め読みしかしてないから役に立つかどうかはわからないけど、一応持ってきただけの物なんだけどね…」
百田「まあ何か解ったら儲けもんくらいでいいんじゃねーの?それじゃあ、ありがたく車の中で読ませてもらうとするぜ」
最原「それじゃあ僕戻るね」スタスタ
赤松「うん、寒いだろうけどもうちょっと頑張ってね」乗車する
最原「…………」スタスタ
最原(……天海くんが安らかな顔をして眠っている…)
最原「…天海くん、生きてる?」
天海「…アイムファインセンキューっす」b
最原「ファインの意味解ってる?やっぱり怪我で結構頭やられちゃってる?」
天海「ちょっと自分じゃどの程度ヤバイかわかんないっすけど、あんま痛くはないんで多分本当に大丈夫っす」
最原「本当なのか多分なのか…」
天海「ただちょっと眠いだけっすかね…」
最原「こんなところでそんな状態で寝たら死んじゃうから我慢してね。僕だってもっと寝たいの我慢してるんだから」
最原「ところで、僕がちょっとここ離れてた間に誰か来なかった?」
天海「多分誰も来てないっすよ」
最原「……結構前にゴン太くんと別れたようだし、王馬くんとかそろそろ出て来てもいいんじゃないかなって思うんだけど遅いよね…」
天海「ちょっと心配になるっすね…」
最原「うーん…、やっぱりここ以外にひらけた場所があって、そこに居る可能性もあるよね…。1回建物の周り周ってみた方がいいかな…」
天海「そうっすね…。俺がなんともなかったらささっと行ってくるんすけど…すみません」
最原「別にいいよ。無理して途中どこかで倒れられても困るし…。もうちょっとだけ待ってみて来なかったら僕が建物の周り見てくるよ」
最原「……ねえ天海くん、ちょっと訊きたいことがあるんだけどいいかな?しんどいみたいなら別に無理して答えなくても良いんだけど…」
天海「会話するくらいなら大丈夫っすよ。なんすかね?」
最原「いや…、天海くんってどうして外に出ることを選んだのかな?って思って…。他の人達はなんとなく理由を言ってた気がするけど、そういえば天海くんって外に出る理由何か言ってたっけ?って思ってさ」
天海「うーん…。言うまでもないかなと思ったんすけど、次のコロシアイに参加したくなかったからっすね。俺は過去にもダンガンロンパに参加させられたようだし、とにかくもう嫌だなと思ったんすよね」
最原「コロシアイをしたくないっていうのは学園に残った夢野さんやキーボくんも思ってることだとは思うけど、特に夢野さんが気にしてたことだけど、もし自分の経歴とか知人が全部フィクションだったら…とかはキミは考えなかったの?」
天海「え?そりゃあれだけ黒幕にフィクションフィクション言われてれば、もしかしてそうかもしれない…とか思っちゃうっすけど、外に出るまでは事実かどうか分かりようがないし、気にしてもしょうがなくないっすか?もし実際フィクションだったとしたら、まあその時はその時ってことでなんとかなるっすよ」
最原「…キミって結構楽観的なんだね」
天海「まあ俺って今まで色んな国を旅してきて色々と経験してきたんで、結構トラブルも慣れっこなんすよね。毎回なんとかなってきたんで、今回もなんとかなると思うっす」
天海「というかてっきり終一君も俺と同じ考えなのかなと思ってたんすけど、キミは違うんすか?」
最原「……なんか、色々ありすぎてちょっと自分でも考えがまとまってないんだよね。だから上手く言えないけど、もしフィクションだったとしたら…って思ったら、僕はキミみたいに楽観的には考えられないかな」
最原「みんなを外に出そうとした時は外に出てもらいたかったから言いくるめる為に色々言ったけど、仮に黒幕の言ってた通り全部フィクションだったとすると、この先僕らに何が出来るかなんて全然思いつかないんだよね…」
最原「…とりあえず、警察に行っても無駄っていうことは解ってるんだけど…」
天海「俺らが学園に軟禁されていた間、助けに来なかったからっすか?」
最原「それもあるけど、それ以前に今回のダンガンロンパが開催されたってことは、警察はダンガンロンパに対して口出し出来ないんじゃないかと思って…」
天海「それは警察がダンガンロンパを知らないだけじゃないっすか?ほら、アングラなネット生放送みたいな感じっぽいですし」
最原「いや、知らないはずはないと思うんだ。僕は社内の探索した時に見た資料で知ってるんだけど、今までのリアルフィクションでのコロシアイで生き残って脱出した人達が何人も居るみたいなんだよね。その人達全員がダンガンロンパのことを警察に言わなかったわけないよね?何人かは泣き寝入りせずに警察に駆け込んだりしているハズだ」
最原「なのに今回53回目のコロシアイが行われてしまったということは、警察がよっぽど無能だったか、この外の世界の法律ではダンガンロンパは問題がないのか、はたまた警察か国がダンガンロンパと何かしら癒着しているってことなんじゃないかな?」
天海「そうだとしても、俺らは誘拐されているんだし警察に行ってみるべきだと思うっす」
最原「いや、警察には行かない方が良いと思う。もし僕らのこの経歴がフィクションではなく実際のものだとしたら親類も捜索願でも出してくれているだろうし構わないんだけど、もしフィクションの設定が与えられているとしたら僕らはデタラメなことを言う集団家出少年少女扱いされるし、おまけに車は盗むわ無免許運転だわであんまり良くない事になると思うんだよね…。保護者も見つからないしお金も無いし…」
最原「比較的マシな警察無能説で考えたとしても、ダンガンロンパが今も行われているということは、ああ見えて表向きではチームダンガンロンパは相当上手く立ち回っていると思うんだよね。だからチームダンガンロンパのことを言っても最悪、僕らが頭のおかしい人扱いされて精神病院に閉じ込められる可能性もあるよ。良くてもどこかの施設に入れられたりしそうだよね…」
最原「警察が無能なわけじゃなくて癒着か、法律で問題ないパターンだったとしたらもっと最悪なんじゃないかな…」
最原「だから…、僕達はこれからとりあえずは急を要する感じじゃないし病院より先に家に帰ることを優先すると思うんだけど…お金も保険証も無いからね。家に帰るにあたって、自力で帰らなきゃいけないね。多分、ここから1番近い家の人の所にみんなで行くことになると思う」
最原「もしその家が実際にその生徒の家だったらいいけど、僕らがフィクションの設定を植え付けられた場合はそんな家なんて無いことになるし…」
最原「でも1軒目だけで決めつけるのは…ってなって2軒目に行ったとして、またその生徒の家なんて無かった場合は、きっと他の人の家もそうだろうってことになって、僕らがフィクションの設定を植え付けられたってことがほぼ確定的になるよね」
最原「そうなった時…、それからどうしたらいいかなって…」
天海「えっと…、まだ俺達がフィクションって決まったわけじゃないし、決まってからまたみんなで考えればいいと思うっすよ。今から思い詰めてても仕方ないっす」
最原「そんなこと言われたってさ……」
天海「あ、じゃあこうしましょう!もしフィクションだったとしたら逆に都合のいいことを考えるんすよ。そうしたら、フィクションでも悪いことばっかりじゃないなってなってあんまり気も滅入らないと思うっすよ」
最原「フィクションで都合のいいこと……。全部フィクションなら星くんが死刑囚じゃないってこととくらいじゃないかな…。確かに星くんはフィクション展開の方が都合がいいだろうけど、他の人達はフィクションって方が困る人達ばかりだよね。勿論僕もフィクションだったら困ることばかりだし……」
天海「えーっと、そうっすね…。……俺はありますよ、もし全てがフィクションだったら都合のいいことが」
最原「えっ?」
天海「前に俺の妹の話はしたっすよね。覚えてますか?」
最原「うん。小さい頃に外国で生き別れになっちゃったんだっけ。……12人と。それで確か今世界中をキミは探してまわってるんだよね?」
天海「はい、その通りっす。仮にこの設定がフィクションだった場合、見知らぬ土地で1人ぼっちになってしまった可哀想な女の子達は存在しないってことになりますよね。それって滅茶苦茶良いことじゃないっすか」
最原「いいこと…なのかな?確かにはぐれた女の子は居ないってことにはなるけど、キミの家族の存在とキミが今までやってきたこと全部が否定されちゃうんだよ?」
天海「確かに可愛い妹達が存在しないってことになると寂しいっすけど、俺のせいで悲しい思いをしている女の子が居なくなるっていうなら、まあ俺はそれでもいいかなって思うっすよ」
最原「……キミが何でフィクションでも納得できるのか、理由を聞いても僕にはよくわからないな…。だって自分には結局何も残らないわけだし…」
天海「うーん…、こればっかりはキミと俺の価値観の違いっすかね?まあ別に解ってもらわなくてもいいっすよ。俺はそうってだけなんで」
天海「まあだから、俺レベルにポジティブに考えろとは言わないっすけど、こういう風に『フィクションだったとしてもこうなるから…』って良い方にちょっと考えたら実際フィクションだったと知った時のダメージがちょっと減ると思うんすよね」
天海「だからキミもそういうの何か考えてみたらどうっすか?気が楽になるっすよ」
最原「それって現実逃避じゃないかな…」
天海「現実逃避だったとしても事実が解るまではどうしようもないんすから、何か心の支えがあった方がいいと思うっすよ。気を病むと病気にもなっちゃいますから」
最原「…確かに、事実が解るまではどうしようもないよね。……フィクションだったとしたら都合のいいことか……」
最原「……………………」
最原「……まあ、ないこともないかな…」
天海「おっ、どんなことっすか?」
最原「……いや…、…別にキミに教える必要ないよね?」
天海「えー、俺は教えてあげたじゃないっすかー」
最原「そもそもキミに教えるなんて一言も言ってないからね」
天海「お兄ちゃんは結構理解力あるんすよ?…まあ、言いたくないって言うなら無理に言わなくてもいいっすけどね」
天海「とりあえず、例え俺らがフィクションだったとしてもそういう良いこともあるんで、それを糧にみんなで頑張るっすよ」
最原「うん、そうだね。…そんな感じで入間さんのことも励ましてやる気にさせてくれたら嬉しいんだけど」
天海「あー…、入間さんは凹みやすいっすけど結構単純な人なんで、終一君がさっき言ってたように早々に入間さんに彼氏でも作ってあげたら大丈夫だと思うっすよ」
最原「自分で言っておいてなんだけど、入間さんが他人と上手く付き合える気がしないんだよね…。だって外の世界で友達も居なかった人なんでしょ」
天海「見つけてあげた後は本人達の問題になるんで、なんとも言えないっすね…。ところで、どうやって相手を見つけてあげるんすか?」
最原「……街で逆ナンでもさせようかと」
天海「思ったより古典的な手法っすね。上手くいく気が全くしないっす」
最原「わかる、あの人喋らせたらダメだもんね…。指示しても聞いてくれる気がしないし。もう少し猫被るとかしてくれたら、見た目は良いんだからなんとかなりそうな気がするんだけど…」
天海「いっそすっ飛ばしてお見合いさせるとかどうっすかね。そうしたら入間さんも緊張してあまり余計なこと喋れなくなる可能性あるっすよ」
最原「それで相手が騙されてくれたら、その相手が可哀想すぎるんだけど…」
最原「…まあ多分、僕らがフィクションにしろノンフィクションにしろそれが確定した時は色々あるだろうし、なんだかんだ色々してたら入間さんも忘れてくれるよね」
天海「入間さんが約束忘れたらそのまま投げちゃうんすね…」
最原「投げるつもりはないけど入間さんの彼氏探しなんて優先度低いことだし、そのまま色々してたら忘れちゃう可能性もあるよねってこと。お互いに」
天海「うーん…。まあ、いいっすけどね」
最原「……なんか、雑談してたら気持ちが落ち着いてきたかな。さっきまではこれからのことをずっと考えててストレスでムカムカしてたけど」
最原「フィクションだったとしても良いことがあるって考えたら楽になったよ。ありがとう天海くん」
天海「いえいえ、お役に立てたようで何よりっすよ」
天海「それに、別に1人でこれからのことを考える必要なんてないっすからね。コロシアイに参加させられてた俺らはみんな仲間なんすから、みんなで話し合って一緒に解決するのが1番っすよ」
最原「…そうだよね。ここまで来たら死なば諸共だよね」
天海「いやそこは一蓮托生とか言いましょうか、物騒なんで。…まあ、意味は一緒っすけど」
最原「じゃあそろそろ僕建物の周り1周周ってくるよ。他の人達もどこか別の場所に集まってるかもしれないし…」
天海「宜しくお願いします。危険かもしれないから本当は俺が行った方が良いんでしょうけど…」
最原「天海くんは怪我してるし、そのまま途中どこかで倒れられても迷惑だから気にしなくていいよ」
天海「迷惑……そうっすね…。気をつけてくださいね」
最原「うん。天海くんはここで誰か外に出てきたら、みんなが乗ってる車を教えてあげてくれないかな。車わかるでしょ?」
天海「はい、任せてくださいっす」
最原「それじゃあ…、建物の大きさがイマイチよくわからないし慎重に周るからちょっと時間かかるかもしれないけど、行ってくるね。また寝てたらダメだからね」
天海「はい、こっちも気をつけるっすね」手フリフリ
最原(僕は短く息をつき、再度建物の脇の道に踏み込んだ)
ーーー
最原「建物1周したけど誰も居なかったよ…」スタスタ
天海「えっと…、お疲れ様です」
最原「あれから誰か外に出てきた?」
天海「いえ、それがまだ誰も」
最原「…ひょっとして残りの人達はみんな春川さんを探してるのかな?王馬くんはあの調子じゃ春川さん探ししなさそうだけど、他の人達は」
天海「案外小吉君も春川さんのことが心配で一緒に探してるんじゃないっすかね」
最原「それなら春川さんを探しているであろうゴン太くんと分かれる必要がないし、多分外に出るフリをして勝手にまだ探索してるとかじゃないかな…」
天海「そんな…。モノクマが複数体うろついているっていうのに、心配っすね…」
最原「そんなことは王馬くんもわかっているだろうし、1人で居て何かあったら自己責任だよ」
天海「確かに自己責任ではあるでしょうけど、心配なもんは心配っすよ。建物に残ってる残りのメンバーは武闘派な方達っすけど、彼はか弱そうですし…」
天海「仕方ないっすね…、俺ちょっと建物の中の様子見てくるっす」立ち上がる
最原「キミは怪我してるんだし、東条さんに診てもらうまであまり動かない方がいいと思うけど…」
天海「大丈夫っすよ、軽く近くを見てくるだけなんで。台風の日にちょっと田んぼの様子を見てくるようなもんっすよ」
最原「わざわざ死にそうな例えを出さなくても…」
天海「死亡フラグなんてこうっすよ!」死亡フラッグベキッ
最原「なんでまたそれ持ってるの…」
天海「いつから持ってたかわからないっすけど、さっきポケットの中から出てきたんすよね」
最原「えぇっ…、自然発生するの?何それこわい…。僕持ってないよな…?」ポケットゴソゴソ
天海「多分、俺が食堂で気絶してた時にでもモノクマーズの誰かが嫌がらせでポケットに入れてきたとかじゃないっすかね」
最原「天海くんってただでさえ死にそうなオーラあるんだから、死亡フラッグなんて見つけたらすぐ折っちゃえばいいのに」
天海「死にそうなオーラって、どういうことっすかね…?」
最原「なんか発言とかがいちいち…」
茶柱「キエエエエエエエエェッ!」ドアバンッ
最原・天海「!?」
最原(茶柱さんが何故かドアを蹴り開けて出てきた…)
茶柱「あ、外です!ようやく外ですよ!」
春川「どうやらここで合ってたみたいだね。…最原、車はどこ?」
最原「…春川さんを見つけたんだね、茶柱さん」
茶柱「いえ、転子だけで見つけたわけではないですよ」
星「そんな話は後で幾らでもゆっくりと話せる。今は急ぐぞ」
最原(僕としては春川さんがダンガンロンパの幹部を殺せたのかどうかとかが気になるんだけど、なんかそんなことを言ってる暇は無いみたいだね)
最原「でも急ぐって言われても、まだみんな来てないし…」
星「じき来る。東条と獄原は今モノクマと白銀を足止めしている」
最原「白銀さん復活したんだ…」
天海「小吉君は…?」
王馬「呼んだ―?」ゼーハー…
春川「この程度で息切れ?少しは鍛えた方が良いんじゃないの」
王馬「あのさ、普段スポーツしてる茶柱ちゃんや星ちゃんや暗殺者なんかしてるお前とオレを一緒にしないでよね」
天海「無事だったんすね!お元気そうで何よりっす」
王馬「蘭兄ちゃんはまた頭から血流してヤバそうだねー」
春川「で、車は?」
最原「駐車場の端にある、あの黒いハイエースだよ」指さし
春川「そう。行くよ」タッタッタッ
茶柱「それでは助手席は転子がいただきますね!」タッタッタッ
天海「あ、申し訳ないっすけど助手席は譲ってください。俺車滅茶苦茶酔うんで」スタスタ
茶柱「男死と後ろの席に仲良く座るだなんてご遠慮したいのですが!」
星「自分の近くに女子を座らせればいいだろ。助手席は天海に譲ってやれ」タッタッタッ
最原(荷物を重そうに背負いなおしてみんなの後を追う王馬くんを見届けて、先程みんなが出てきたドアから建物の中を伺ってみる)
モノクマ「ばあっ!」
最原「うわっ」ドアバタンッ
最原(あれ?モノクマ達って確か東条さんとゴン太くんが足止めしてたんだよな?2人は大丈夫なんだろうか…と思っていると、扉の向こうで何か固いものがバキバキとへし折れるような音が聞こえた)
最原(直後、モノクマに開けられないようにと押さえていたドアノブが取られてドアが開いてしまった)
最原「うわぁっ!?」ガチャッ
ゴン太「あれ、最原くん?大丈夫?」
最原「う、うん…。モノクマは?」
ゴン太「ああ、ドアの前に居たモノクマなら今壊したところだから安心していいよ」
最原「東条さんは?」
ゴン太「東条さんなら今上の階で白銀さんの相手をしているよ。でも東条さんなら大丈夫だと思うよ」
最原(そんなことを話していると、僕らが話しているビルの玄関口の軒の上の方から物音と人の声が聞こえてきた)
ガシャーンッ
??「待て東条!」
最原「えっ?」
最原(僕とゴン太くんが軒から顔を出して上を見ようとすると、すぐ目の前に黒っぽい人が降ってきた)
最原(……2階から降ってきた東条さんは着地するとそのまま、直後降ってきたモノクマを長机の足のような金属の棒で殴り払って、すぐ近くに駐車してあって車に叩きつけた)
最原(モノクマがぶつかって変形して開いた車のボンネットを東条さんは持ち上げ、そこにモノクマの首を挟んで思い切りボンネットを閉めて首を落とした。たった数秒の鮮やかな技だった…)
最原(…なんでメイドがこんなアクションをやってのけるんだろう…。とりあえず凄すぎて引いた)
最原「…………」
ゴン太「東条さん!大丈夫!?」
東条「ええ、大丈夫よ。みんなが車に向かうのが見えたから降りてきたのだけれど、まだ最原君はこんな所に居たのね」ビルの上の方を見る
東条「白銀さんが窓際から居なくなっているわ。すぐに降りてくるでしょうから急いで車に向かいましょう」モノクマベキベキッ
最原「な、何やってるの?」
東条「モノクマの体内爆弾を取り出しているの」バキバキッ
最原「ば、爆弾を!?」
東条「ええ、危険だから早く車に行きなさい。車の位置は上からみんなの様子を見て把握しているし、私は大丈夫だから」ブチブチッ
辺古山コス「東条!覚悟しろっ!!」ドアバンッ
東条「覚悟するのは貴女の方よ」爆弾シュッ
辺古山コス「!?」ドアパタンッ
ドカーンッ
最原(……入口がにちょっとした瓦礫の山が出来た…)
東条「あら2人とも、まだ車に乗ってないの?さあ、急ぎましょう。他の場所から外にモノクマや白銀さんが出てこないとも限らないわ」
最原「……うん…」
最原(言いたいことは色々あった。が、それを飲み込んで僕らは車に乗り込んだ)
ーチーダン社内ー
辺古山コス「げほっ、ごほっ…。し、死ぬかと…じゃない」
辺古山コス「ふっ、やってくれるじゃないか…!絶対に逃すものか、追うぞ!ついて来い、モノクマ!」ダダダッ
モノクマ「でも車で逃げたみたいだよ?エンジン音が聞こえてきたし」ピョコピョコピョコ
辺古山コス「勿論私も車で追いかけるさ。道の数もそれほど無いし山道を走るならばスピードは出せないだろうから、すぐ追いつけるだろう。鍵を取ってくる」
ー車ー
最原「王馬くん、その荷物やたら重そうだけど何が入ってるの?」
王馬「ああ、オレはロッカールームを見つけたから全部のロッカー開けて貴重品盗ってきたんだよね。あと嫌がらせを諸々」
ゴン太「えぇっ!?盗んじゃったの!?犯罪はダメだよ、王馬くん!」
赤松「え?ゴン太くんって確か王馬くんと一緒に行動してたんじゃなかったっけ?盗んだ現場を見てないの?」
ゴン太「ロッカールームには行ったけど、どのロッカーにも鍵がかかってたからすぐに部屋を出たはずなんだけど…」
最原「王馬くんはゴン太くんと一緒に行動してない時間があったみたいだから、その時に盗みをしたんじゃないかな」
ゴン太「確かにあの後東条さんに会って王馬くんとは分かれたから、一緒に居ない時間があったけど…」
ゴン太「……そういえば王馬くん、なんで外に出なかったの!?モノクマが出るからって東条さんが説明してくれて王馬くんもすぐ外に出るって言ってたのに!その後ゴン太達とまた会ったってことはずっと室内に居たんだよね!?」
最原「いやだから、ロッカーを漁る為に王馬くんは残ったんじゃないかな」
ゴン太「でもあそこのロッカーはどれも鍵がかかってたけど…」
最原「王馬くんはピッキングが出来るから鍵とか関係ないんだよ」
ゴン太「えっ!ピッキング!?王馬くん、どうしてそんなことをしたの!?ダメだよ犯罪だよ!」
最原(ゴン太くんは東条さんがビルの入口を爆破したことは犯罪とは言わないのか…?東条さんが堂々としすぎて気づいてないのか?)
王馬「てか今更犯罪とかどーでもいいじゃん!元々あいつらが先にオレらの貴重品盗ったんだし、おあいこ様じゃん!」
ゴン太「そ、そうだったね…」
茶柱「ところで東条さん、今どこに向かわれているのですか?」
東条「どことかは無いけれど、とりあえず適当に走らせてコンビニでも見つけて駐車場に入ってから決めようと思っているわ。そこからは高速に乗って関東方面へ行こうと思っているのだけれど…」
東条「とにかく今は敵から距離を取るのが先決だと思っているわ」
王馬「追いかけて来るにしても、多分すぐには来られないと思うから安心してもいいと思うよ」
東条「あら、どうして?」
王馬「無駄に車の鍵も盗ってきたんだよね!でもこれ、もういらないから捨てちゃうけど」窓を開けて崖下の木々に向かって鍵を捨てる
ゴン太「ポイ捨てしたらダメだよ王馬くん!」
最原「え、今更ポイ捨てレベルを指摘する?」
百田「お、ようやく2車線になったな」
星「……なあ、車線逆じゃないか?」
東条「あらごめんなさい。日本で車を走らせたことはなかったから、つい癖で逆車線を走っていたわ」車線変更
天海「……日本の交通ルール、大丈夫っすよね?」窓全開で遠くを見てる
東条「きっと問題ないと思うわ」
赤松「東条さん、運転変わろうか?」
百田「やめとけ赤松。…やめてくれ」
春川「赤松は大人しくしてなよ」
アンジー「蘭太郎ー、走ってると風が寒いから窓閉めてくれないかなー?」ガタガタ
茶柱「閉め切った車内で吐かれでもしたら絶望的な環境になってしまいますので、アンジーさんが寒さを我慢した方がいいと思います…。こればっかりは流石に女子の意見でも優先できないかと…」
天海「………あの、東条さん…薬局を見つけたら、入ってもらってもいいっすかね…?」
東条「そうね、車酔いもそうだけれど貴方の頭の包帯も変えた方が良いようだし、見つけたら入るわ。それまで我慢してちょうだい」
ーチーダン社内ー
辺古山コス「くそっ!誰だ私のロッカーの鍵穴にガムを詰めた奴は…!」針ガリガリ
辺古山コス「しゃらくさい!モノクマ、このロッカーの扉を壊せ!」
モノクマ「んもう、壊せって言ったり壊すなって言ったり忙しいなぁ…」ジャキンッガガッ
辺古山コス「よし!車の鍵は……んん!?な、なんだこれは…!?中が荒らされているじゃないか!!」バッグガサゴソ
辺古山コス「……ない!財布がない!!あと車の鍵もない!!」ガサゴソガサゴソ
辺古山コス「…………ロッカーの扉の内側の鏡に私の口紅で『←バカ』と書いてあるところと他の状況を見るに、十中八九王馬の奴の仕業だな…」
辺古山コス「しかし何故ここが私のロッカーだとわかったのだろう?他のロッカーの鍵穴にはガムは詰まっていないし…」
モノクマ「でも他のロッカーも開いてるみたいだよ」ガチャッ
辺古山コス「なんだと!?」
モノクマ「王馬クンはキミの本名を知ってるんだし、財布に入れてる免許証なり保険証なりを見てキミのロッカーだとわかったんじゃないかな?他のロッカーは普通に漁られてるだけっぽいし」
辺古山コス「あんのクソガキ…!私のロッカーのみわざわざ鍵を閉めた上でガムで鍵が入らないようにするとか…!」
モノクマ「キャラ保ててないよ?」
辺古山コス「勝手に荷物を漁るのも気が引けるが、確認で……」他人のロッカーゴソゴソ
辺古山コス「……やはり財布も鍵も見当たらないな…。男子ロッカーの方も一応確認しておくか…」スタスタスタ隣の部屋ガチャッロッカーガチャッ
モノクマ「こっちもダメそうだね」
辺古山コス「くそっ!これではもうあいつらを追えないではないか!タクシーを呼んでもこんな山奥じゃ時間もかかるし…!」ロッカーバンッ
モノクマ「タクシーより鍵屋がいいんじゃないの?どっちにしろ時間がかかりそうだけど」
辺古山コス「いや、鍵屋なんて呼べるわけないだろう。建物の入口は崩壊しているし、表の車全ての鍵を作らせるなんて、どう見ても何かあったと思われるだろ」
辺古山コス「才能の植え付けの思い出しライトの作成は滅茶苦茶時間がかかるが、鍵屋の才能でも植え付けた方が絶対マシだ。ピッキングの才能だけなら王馬の物を一部引っ張ってくるだけで済むが、鍵を作らなくてはいけないからな…。しかも普通の鍵じゃなくてイモビライザーキーだし…。専用の道具も必要だな……」
モノクマ「ていうかその前に着替えて会議だね!いってらっしゃい」
辺古山コス「ううっ…、頭が頭痛で痛くなるな…。そういえば皆は無事なんだろうか…」
モノクマ「それを確認する為にも行かないとね」
辺古山コス「……とりあえず余分なモノクマ達は瓦礫やモノクマの残骸の片付けや室内の掃除をしててくれ…」スタスタ
ードラッグストア駐車場ー
東条「着いたわよ、天海君」
天海「……もう結構限界なんで、トイレで吐いてくるっす…」ガチャッ
東条「薬は買っておくから、済んだら車に戻っておいてちょうだいね」
茶柱「道中はヒヤヒヤしましたが、なんとか吐くのを堪えてくれたみたいで良かったですね…」
アンジー「蘭太郎が吐かなかったのは神さまのお陰だよー!」
ゴン太「天海くん、大丈夫かな…」
王馬「さあ?でも胃の中空っぽになったら楽になると思うし大丈夫じゃないの」
東条「それじゃあ王馬君、盗んだ財布を預からせてもらえないかしら?」
王馬「別にいいけど、オレも買い物について行ってもいいよね?」
東条「…ええ。あまり無駄遣いはできないけれど、少しくらいなら何か買っても構わないわ。その代わり店内では大人しくしていて頂戴。他のみんなも必要なものがあったら遠慮なく言ってね」
入間「ぶっ飛べる薬買ってこい東条!」
東条「それは却下よ」
入間「な、なんでぇ…?」
最原「解斗くんは何か必要なものとか無い?病気で体つらくない?大丈夫?無理はしないでね…」
百田「今は結構調子もいいし問題ねーよ。それに治療薬さえ打っちまえば治んだろ」
最原「…うん…、調子が良いなら良いんだけど…」
東条「それじゃあ買い物を済ませてすぐに戻ってくるわ。みんなは車内か車の近くで待っていてちょうだい。行くわよ、王馬君」スタスタ
王馬「オレ、炭酸ジュースが欲しいなーママ!」タタタッ
東条「その呼び方をする限り、決して買わないわよ」スタスタ
最原(王馬くんと東条さんがドラッグストアの中に入っていった…)
最原「……ねえ春川さん。ちょっと訊きたいことがあるんだけど、いいかな?」
春川「…内容による」髪いじいじ
最原「直球で訊くけど、春川さんって1人でチームダンガンロンパの社内に入って行った時結局誰か殺したの?」
春川「あの中じゃ誰も殺してないよ」
赤松「本当!?よかったぁ…!」
春川「でも、もういつでも殺しに行けるよ」
最原(そう言って春川さんは自分のリュックの中から何かを取り出した)
春川「社員名簿だよ。探索している時に見つけたんだ」
最原(そう言って春川さんはパラリと中身をめくって見せた)
春川「これで誰が責任者なのかも解るし、住所も丸わかりだからね」パタン
赤松「…春川さん、人を殺しちゃうの?」
春川「さあ、わからない。私がフィクションかどうかの結果次第だと思ってるよ」
赤松「結果がどうだったらどうなっちゃうの?」
春川「私の経歴がフィクションじゃなかったら殺しに行く。フィクションだったら殺さない……かもしれない」
星「もしフィクションだったら、人を殺す能力はあっても実際には殺していないから…か」
春川「そうだよ。私がとっくに人殺しだったら今更ためらう必要なんてないけど、この記憶が思い過ごしっていうならわざわざ人なんて殺したいなんて思わないよ」
最原「…意外と春川さんって冷静なんだね。殺すとか言いながら社内に入って行ったから、てっきりそのまま会った人皆殺しにでもしているかと思ったんだけど」
春川「あんた、私のことを殺戮兵器か何かと勘違いしてるんじゃないの?私はあくまで暗殺者なんだけど」
春川「私だって余計な人間は殺したくない。トップやそれに近い人間さえ潰せば組織は崩壊するし、殺す必要もないからね」髪いじいじ
春川「……まあ、社内でそれっぽい人間に会ってればつい手が出た可能性もあったけどね。でも別に下っ端っぽいのしか見かけなかったし…」
赤松「うーん…。でもこうなってくると、私達がフィクションであってほしいとも思えちゃうかな…」
春川「どうして?赤松は本当にピアニストの方が都合がいいでしょ」
赤松「確かに私はそうだけど、私、春川さんに人を殺してほしくないからさ」
春川「…私、ノンフィクションだった場合は既に大量の人を暗殺してるんだけど」
赤松「そ、そうかもしれないけど……」
春川「やっぱり、人殺しとなんか友達になれない?」
赤松「ううん!そんなことないよ!例え春川さんが暗殺者だったとしても好きでやってたわけじゃなくて、仕方なくやってきただけだよね?なら別に私は気にしないよ!」
春川「確かに、嫌々やらされてたことだけど…」
赤松「じゃあ大丈夫!春川さんが私の知ってる心優しい春川さんのままなら、どんな経歴を持ってたとしても私は友達になるよ!」
春川「あんたは私が恐いとか思わないわけ?」
赤松「恐くないよ!だって春川さんは春川さんだもん!」
春川「な、なに恥ずかしいこと言って…」
赤松「あっ!」
春川「今度は何…?」
赤松「えっと…、もし私達が超高校級っていうのがフィクションだったとして、白銀さんの言っていたオーディションが本当にあったとしたら、私、あのオーディションのビデオみたいな性格なんだよね?元々…」
赤松「あれが本当だとしたら私、性格悪い子ってことになっちゃうよね…。元々あんな性格の私となんて春川さんは友達になりたくないよね…?」
春川「だからあれはCGだって言ったでしょ。あんなの信じなくていいから」
最原「例え僕らがフィクションだったとしてもオーディションが本当にあったかなんて疑わしいし、黒幕の言う言葉をそのまま鵜呑みにするのはどうかと思うよ」
赤松「うーん…、そうなのかな…」
最原「そもそもキミが元々あの映像の通りの性格だったとすると、解斗くんもあんな頭の悪そうな発言したってことになっちゃうよね。キミは解斗くんがあんな酷い人だったって言いたいの?」
赤松「あっ…ううん!そうだよね、百田くんがあんな酷いこと言うわけないもんね!」
赤松「私、自分のことは信じて良いのかわからないけど、みんなはいい人って信じられるから……うん、オーディションはきっと白銀さんの嘘だね!」
アンジー「うんうん。真実がわからないなら自分の信じたいものを信じればいいって神さまも言ってるよ―」
百田「なあ赤松、テメーがオレのことをイイヤツだって信じてくれるのはありがたいけどよ、春川もテメーのことを信じてやってるしオレだってテメーが元々イイヤツだって信じてるんだぜ。だからテメーも自分のことを信じてやれよ」
赤松「…うん、そっか。私は春川さんや百田くん達を信じているのに、その2人が信じている私のことを信じてあげないのはおかしいもんね」
赤松「よーっし!私も私のことを信じてみるね!」
茶柱「そうですよ!それに思い出しライトだか記憶植え付けライトだか知りませんが、人間の人格まで変えられるとは思えません!」
赤松「そうだよね!」
天海「ただいま戻ってきたっす」後部座席ガチャッ
赤松「天海くんおかえりなさい!」
天海「ん?赤松さん何か良いことでもありました?笑顔が素敵っすよ」
赤松「…えっとね、こんな素敵な仲間に囲まれて私は幸せだなーって思ってさ」
天海「?」
最原「ねえ天海くん、もう吐き気は大丈夫なの?」
天海「はい。全部出してスッキリしましたから、もう大丈夫っすよ」
入間「ケケッ!さては胃の中のもん以外も出してスッキリしてきたんだな?」
入間「なんせ同じ車内にこのヴィーナスボディのオレ様が一緒に乗ってるんだからな。同じ空気吸っただけで勃起もんだっただろ!」
天海「俺車に乗ってから一瞬も入間さんのことなんて見てなかったっすけどね、助手席だったんで。ずっと窓開けてたんで多分同じ空気も吸ってないっす。というか空気吸うだけで興奮するって、ちょっとレベル高すぎじゃないっすかね?」
最原「天海くん律儀に答えなくていいんだよ。入間さんはスルーしとくのが1番だから」
アンジー「あれー、ていうか蘭太郎服濡れてるけどどうしたのー?」
天海「ああ、シャツに血が付いちゃってたんでちょっと洗ったんすよ。落ちなくなったら困るんで早く洗った方がいいなと思って…」
最原「服に血の跡が付いてても天海くんが着てれば、なんかそういうファッションに見えるんじゃないかな」
天海「いやいや…」
茶柱「というか、こんな寒い中濡れた服をそのまま着ているのってどうなんですか…。風邪をひくかお腹冷やしますよ」
天海「つっても……うーん、じゃあ脱ぐっすよ」ぬぎっ
赤松「きゃっ…!?///」
春川「…なんで1枚脱いだだけで上半身裸になるの」
茶柱「いつも裾から出ている白と黒のシャツはどこに行ったんですか!?飾りなんですか!?」
天海「飾りっすね。重ね着風シャツなんでこれ」
茶柱「なんなんですかその無意味さは!早く着てください、男死の半裸なんて汚らわしいです!目が腐ります!」
アンジー「女子の半裸ならいいのかー?」
茶柱「はい!」
赤松「いや、何元気に返事しちゃってるの茶柱さん…」
最原(というかアンジーさんなんて、いつも半裸みたいなものだよな…)
ゴン太「天海くん、女性の前で半裸になるなんて紳士的じゃないよ…!」
入間「半裸がダメなら全裸だな!」
茶柱「何でレベルアップしてるんですか!?絶対ダメです!!」
赤松「というか天海くんってこの後も助手席に乗るんだよね?東条さんが引き続き運転をするだろうから…通行人が車の中を見ちゃったら、謎の美女がハイエースの助手席に謎の半裸イケメンを乗せてる謎の空間にしか見えないよね…」
星「カオスだな…」
入間「そもそも通行人から見りゃ半裸か全裸かなんてわかんねーし、乗ってる車はハイエースだし、これはもう後部座席でハイエースが行われるって容易に想像がつくだろうな」
赤松「ハイエースを行う…って、どういう意味…?」
春川「入間の言う言葉に意味があるなんて思えないから、気にする必要なんてないよ」
最原「入間さんが生き生きしているところから推測するに、どうせ下ネタな意味の造語なんじゃないかな」
春川「あんたも真面目に推理しなくていいよ」
百田「蘭太郎、服が乾くまでまたオレのジャケット羽織っとけ」つジャケット
天海「毎度すみません…」受け取り
アンジー「えー?裸ジャケットってどうなのー?」
星「それをあんたが言うのか…」
赤松「確かに百田くんのジャケットってお腹の位置くらいからしかボタンないもんね…。上まで閉められたら良かったんだけど…」
ゴン太「ゴン太の上着を貸しても天海くんには大きいから、多分ボタンの位置は似たような感じになるだろうね…」
アンジー「あー、だったら小吉のストールも借りたら丁度肌が隠れるんじゃないかなー?」
天海「…服のバランスとして、それってどうなんすか…?」
アンジー「それじゃあ、服のバランスを取るならストールよりネクタイだよねー。ゴン太か楓にネクタイを借りちゃおー」
赤松「そこまで来たらワイシャツがないとおかしいよね。なんだか、ソーシャルゲームの無課金で頑張ってるユーザーのアバターみたいになっちゃうよ…」
最原「アンジーさん、天海くんで遊んでるよね…」
コンコンッドアガチャッ
東条「お待たせしたわね。今買い物が終わったわ」
王馬「ただいまー。何してんの?」
アンジー「アンジー達は蘭太郎で無課金アバターごっこをしてたのだー」
茶柱「それをしていたのはアンジーさんだけですよ!」
東条「…?よく分からないのだけれど、誰か説明してもらえるかしら?」
天海「いやホント大した事ないんで大丈夫っすよ。それより酔い止め貰えますかね?」
王馬「さて問題です!今オレが持ってるこの両手の買い物袋のどっちに入ってるでしょうか?当たったらあげるよ!」
天海「後でお兄ちゃんがいくらでも遊んであげるんで、あまりそういう意地悪はしないでほしいっすね。……右っすか?」指さし
星「クイズには付き合うんだな…」
王馬「うーんと…」ガサゴソ
王馬「はい正解!」つ薬
天海「フッ、これが超高校級の冒険家の生存力の高さっすよ…」
王馬「なんでドヤってるのこの人」
最原(冒険家なのに車酔いが酷いのは、生存力が高いと言えるのだろうか…?)
王馬「てか蘭兄ちゃん何なのその格好。春先によく見かける変態みたいになってるけど」
赤松「いや、裸コートなんてそんなに見かけないよね…?え、よく見かけるの?王馬くんの家の近所絶対危ない人が住んでるよねそれ」
天海「春先の露出狂と一緒にしないでほしいっすね。見ての通りちゃんと着てるんで下」
春川「もうその話はいいよ。早く次の目的地の話をしなよ」
最原「えっと、ここから1番家が近い人の住所に行ってみるのが良いと思うんだよね。距離が似たり寄ったりだったら、医者に早く見せた方がいいだろう解斗くんと天海くんの家に行けるのが1番良いと思うよ。本当はすぐにでも病院に連れて行ってあげたいけど保険証が無いと困るからね…」
入間「まあそもそもオレ様達がフィクションだった場合はその住所もデタラメだろうから、保険証もクソもねーけどな」
最原「フィクションかどうかを確かめる為にも家に行ってみるのが1番確実だよ」
東条「わざわざ家に向かわずとも、電話をかけてみたらどうかしら?みんなそれぞれ実家に電話をしてみればもっと早くフィクションかどうか確認できると思うわ」
王馬「でも携帯ないじゃん」
入間「テメーが社員共の財布盗ってくるついでに盗んで来れば良かっただろーが!なんでしなかったんだよ!」
王馬「携帯使おうにもどうせ指紋認証とかパスワードかかってるでしょ。てか財布だけでも荷物めっちゃ重くなるのに余計な物なんて持ってこれないよ。見ての通りオレ超ってインドアなんだから」
王馬「その代わりと言っちゃなんだけど、携帯見つけた分は全部トイレに水ポチャしてきたよ」
茶柱「悪魔のような所業ですね…」
王馬「うん、オレって小悪魔系ってよく言われるー」
茶柱「小悪魔じゃなくて悪魔ですってば!小悪魔っていうのは可愛くて計算高い女子に使う言葉です!!」
入間「水ポチャとかもったいねぇな、1台盗ってくるだけでも違っただろーが。そもそもオレ様の手にかかればスマホのセキュリティなんざセキュリティ(笑)なんだからよ!」
王馬「他人の携帯なんて使っちゃったら、居場所特定されるかもしれないじゃん。携帯自体のGPSとかは切れても通話履歴とかでかけた場所とかバレちゃうんじゃない?どこの基地局から電波が~とかあるんでしょ。ドラマでたまに聞く話であるし」
東条「確かに社員の携帯電話を使うことは危険があると思うわ。それに、電話をかけるだけなら公衆電話を使えばいいもの」
アンジー「えー、公衆電話―?結構前から全然見なくなったよー?」
天海「今の時代1人1スマホが当たり前っすからね。でもコンビニや駅ならまだある所はあるんじゃないっすかね?」
百田「そんなの探してるより、もうその辺歩いてる奴らに携帯貸してもらった方がはえーかもな」
ゴン太「あっ!交番で電話を貸してもらったらどうかな?」
東条「それは止めた方が良いわ。私達は既にチームダンガンロンパに通報されている可能性もあるのだから」
赤松「ってことは、やっぱり誰かに借りた方が良さそうだね。スマホ貸してくれる親切な人が居たらいいんだけど…」
天海「任せてください。俺こういうのは得意なんで」
最原「やっぱりチャラい…」
天海「ナンパじゃないっすよ」
王馬「普段ならいいかもしれないけど、頭に包帯巻いた裸ジャケットの若い男に声かけられるとか携帯貸してくれるどころかそのまま通報されるかもしれないから止めといた方がいいよ」
ゴン太「それじゃあゴン太がお願いしに行こうかな。紳士的にお願いすればきっとみんな貸してくれると思うんだ」
最原「え、いや、こういうのは女性が行った方が良いと思うよ」
赤松「よーし!じゃあ私が行ってくるよ!」
最原「東条さん、お願いしてもいいかな?」
東条「ええ、任せて。あまり大勢で行っては相手に威圧感を与えるかもしれないから、私1人で行ってくるわね。もし私の自宅や勤め先に繋がらなければその時は一度こちらに戻ってきて他の人にも電話をお願いするわ。1人だけの結果でフィクションだと決めつけるのは早計だもの」
最原「うん、そうだね。それじゃあ気をつけてね」
最原(東条さんが駐車場から出て歩道を歩いて行った…)
赤松「…………」
最原「……東条さんの方が適任だと思ったから…」
赤松「うん、わかってるよ…」
王馬「で、東条ちゃんがダメだった場合は次は誰が電話借りに行くの?」
アンジー「アンジー以外が良いって神さまは言ってるよー」
茶柱「何故アンジーさんではダメなのですか?」
アンジー「電話番号覚えてないからだねー。神さまにも覚えられないことはあるんだよー…」
天海「あー…、そういえば電話番号なんて覚えてないっすね…。家にかけることなんて無いし、大体スマホに登録してるのをそのまま使うんで…」
赤松「そ、そういえば私も覚えてないかな…。なんとなくはわかるんだけど自信ないし、市外局番まで覚えてないんだよね…」
百田「ったくよぉ…、これだからゆとり世代はって言われるんだぜ?テメーの家の電話番号くらい覚えろよ」
王馬「オレらはゆとり世代じゃなくて悟り世代だけどね!ゆとり世代ってもう三十路だよ。百田ちゃんゆとりなの?年幾つ?未成年じゃなかったっけ?」
最原「王馬くん、話が脱線するから黙っててね。…自宅や勤め先の電話番号覚えてる人ってどれだけいるかな。僕は覚えてるけど…」
百田「オレも覚えてるぜ」
茶柱「すみません!転子は覚えてないです…。自分の携帯番号は覚えているのですが…」
ゴン太「ごめん!ゴン太もわかんないんだ!」
星「フン、俺には帰る家も迎えてくれる家族もいねーからな…」
最原「なんかこんなこと訊いてごめん…」
春川「私は…覚えてるよ。自宅なんてないから施設の番号だけど」
最原「春川さんもなんかごめん…」
入間「オレ様は覚えてねーぞ」
最原「だろうね」
入間「納得すんなよ!オレ様に失礼だろーが!!そこは『えっ!あの美人すぎる大天才の入間さんが!?意外!でもちょっと抜けてるところが親しみやすい!マジ女神!!』って言うところだろ!!」
最原「……あ、ささくれ出来てる…」自分の指先を見る
入間「せめてオレ様を見ろよ!この会話中一瞬も目があってね―ぞ!?」
最原「王馬くんは電話番号どう?」
王馬「オレは覚えてるよ。ホントだよ!」
百田「なんか王馬が念押して言うと嘘くさく聞こえるよな…」
王馬「百田ちゃん!レモン1個に含まれてるビタミンCはレモン1個分に相当するんだよ!これは嘘じゃないよー」
百田「すげえ、当たり前なのにめっちゃ胡散くせえ」
王馬「実はドイツって日曜はデパートとかお店とか全部お休みで、レストランしかお店開いてないんだよ!知ってた?」
百田「おい、なんだその嘘か本当か微妙なラインのやつは…。…で、本当はどっちなんだよ?」
王馬「これは嘘だよー!…っていうのが嘘だよー!」
百田「どっちだよ!?」
赤松「あ、これは本当のことだよ。私ドイツに行ったことあるから運悪く体験しちゃったんだよね。困るんだよね、お土産買いたいのに全然お店やってなくて…」
王馬「もー、ネタバラシしたらつまんないでしょ赤松ちゃん!……えーっと、じゃあ次はねー…」
最原「もういいから。解斗くんで遊ぶのはやめろよ。続けたら怒るからな」
春川「…で、東条が駄目だったら次は誰が行くの?女が行った方がいいみたいだし、私が行ってもいいけど」
王馬「春川ちゃんって無愛想だし目で人を殺しそうだから絶対こういうの向いてないって。最原ちゃんはなんかアレだし百田ちゃんはバカだから、ここは愛想が良くて頭のいいオレが行くのが1番いいかな?」
最原「なんかアレって何だよ」
百田「携帯貸してもらって電話かけるのにバカもくそもねーだろ。声かけて借りるだけなんだからよ。……て、誰がバカだ!」
最原「まあでも次は王馬くんで良いんじゃないかな。僕もわざわざ寒空の下に出て他人と話したくないし。解斗くんも天海くんにジャケット貸してるから外出たら寒いでしょ?一緒に車に残ってようよ」
百田「うーん、でもなぁ…」
春川「こんなヤツに任せるのが不安なんでしょ、私も同感だよ。」
王馬「えー?なんでオレ春川ちゃん達に信用ないわけ?」
赤松「春川さんには毒づいたし、百田くんにはちょっかいかけてるからじゃないかな」
春川「真面目に答えなくていいよ赤松」
赤松「あのね王馬くん、さっきも私が春川さんに言ったけど私達がフィクションだったら春川さんは誰もまだ殺してないんだからね」
王馬「うん、そうだね」
赤松「だからさ、フィクションが発覚したら人殺しだ何だって散々毒づいたこと春川さんにちゃんと謝ってね」
王馬「いいよ!覚えてたらね!」
赤松「私は覚えてるからね!」
王馬「逆にノンフィクションだった場合は、引き続き暗殺者なことを弄るね!」
赤松「むぅ…」
春川「もういいよ赤松。私は別にこんなヤツに何て思われようと気にしないから」
王馬「またまたー。他人の評価めっちゃ気にしてるくせにー」
春川「…殺されたいの?」ギロッ
王馬「ほらまた」
赤松「王馬くん、いい加減にしないと私も怒るよ」
最原「というか別に春川さんが暗殺者でもいいと思うんだけど、なんでそんなにギスギスしてるの?」
最原(本当に暗殺者なら例の社員名簿を使って責任者殺してもらうことも出来るし…)
赤松「そうだよ!暗殺者でもそうじゃなくっても春川さんは春川さんなんだよ!あの学園生活で一緒に過ごしてきた春川さんは演技なんかじゃないよ、私が保証するから!」
王馬「はいはい、わかったってば。てかさ、東条ちゃんが戻ってきたらわかることなんだしそう興奮しないでもうちょっと大人しく待とうよ」
春川「こればっかりは王馬に賛成だよ。ここで色々言ってても仕方ないからね」
赤松「そ、そうだね…」
春川「…でも、気持ちは嬉しかったから。ありがとう赤松」
赤松「友達を悪く言われたら怒るのは当然のことだよ。お礼を言われるほどのことじゃないよ」
コンコンッ
東条「…いいかしら?」後ろドアガラッ
赤松「ど、どうだった!?」
東条「結果を言うと、私は実家も勤め先にも繋がらなかったわ」
赤松「じゃあ…」
東条「単純にフィクションということではなく、何かしらの目的で記憶の一部が書き換えられただけの可能性もあるからまだ断定できないわ。それに、私だけフィクション、という可能性も無いことはないわ」
東条「とりあえず、情報をより正確にする為に2人目の電話をお願いできるかしら?」
王馬「じゃあオレ行ってきまーす」
東条「1人で大丈夫?私も付き添うわよ」
王馬「携帯持ってない若者が2人も居たら流石に怪しくない?それにオレは1人でも大丈夫だよ!じゃあねー」スタスタ
東条「一般の方に迷惑をかけないといいけれど…」
最原(今のところフィクションの可能性が高そうだな…。もしフィクションだったらどうやってダンガンロンパを潰そうかな…)
最原(帰るべき家が無いならそれはそれで家族に迷惑をかけないで良いっていう点と、一緒に脱出したメンバーがダンガンロンパ潰しを降りる可能性が低くなるのは良いんだけど、春川さんが暗殺者じゃないってなっちゃうのはな……)
最原(でもフィクションだとしても思い出しライトで暗殺者としての能力は植え付けられているようだし、なんとか彼女に動いてもらえたらいいんだけど……)
最原(……まあフィクションってことなら、しばらくはダンガンロンパをどうこうする暇なんて無さそうだけど…)
最原(解斗くんは病気のせいで吐血してるってことだし、あのアンプルが本物の治療薬だとしても既に内蔵が傷ついたりしてるだろうからしばらくは入院とかなるのかな…。まあでも宇宙とかアメリカとか物理的に遠くに行っちゃうわけじゃないし、別にいいかな…。お見舞い毎日行こ…。あと入院費頑張って稼ごう…)
最原(お見舞いにはいっぱい行きたいし長い時間居たいけど、働かないといけないだろうからなぁ…。拘束時間自由で短い時間で沢山稼げる仕事何かないかなぁ…)
最原(キーボくんが一緒に脱出してくれてたらロボットならではの処理速度と正確さでスロットの目押しとかさせてみたんだけどな…。出来るかどうかわからないけど、試してみる価値はあったと思う)
最原(……あ、でも、何故だかわからないけど、僕も何だかギャンブルで良い線いきそうな気がする…。今度試しにやってみようかな…)
赤松「あ、そうだ!脱出したら…って約束してたし、ハグやろっか百田くん」腕広げ
百田「ん?ああ、そういやそんなこと言ったな」
茶柱「赤松さん!この男死は当ててもらいたいからそんなことを言っただけですよ!そんな約束守る必要ありません!」
赤松「でも約束したし、私もハグしたい気分だし…」
茶柱「では転子とハグしましょう」両手バッ
赤松「んー…、じゃあみんなでハグしよっか!」
最原「えぇっ…」
茶柱「女子とだけでいいんですよ赤松さん」
百田「ったく、ハグくれーでぎゃーぎゃー騒いでんじゃねーよ。挨拶だろこんなもん。ほら、大したことねー…」転子にギュッ
茶柱「キエエエエエエエエエッ!!!!」ダァンッ
百田「うおっ!?」
天海「痛っ!?」巻き添え
星「おい、狭いところで技を出すな」サッ
最原「茶柱さん、解斗くんは病人なんだけど」
東条「茶柱さんはやり過ぎだと思うけれど、百田君も不用意すぎたと思うわ。彼女が男性嫌いなことは解っていたでしょう?」
入間「せ、狭いのに急に大声出さないでよぉ…」ビクビク
赤松「だ、ダメだよ茶柱さん!」
茶柱「すみません、男死相手とはいえつい病人に手が出てしまいました…。ですがそこの男死が転子に抱きついてくるものですからつい反射で…。なのでこれは事故です」
百田「いってて…」
最原「解斗くん、大丈夫?」
百田「ああ、まあ、下はそんなに固くはねーからな…」
最原「でも背中を打ち付けたよね?背中は白銀つむぎに踏まれたせいで打撲になってたし、凄く痛かったんじゃない?」背中さすさす
最原「茶柱さんのせいで余計に負傷してないといいけど…」ハァ…
茶柱「だから転子は謝ったじゃないですか!」
モノタロウ「天海クン、大丈夫?」
天海「あ、良かった。ちゃんと俺のこと見えてるんすね。あんまりにも誰にも心配されないからてっきり、俺いつの間にか透明人間にでもなってしまったのかと思ってました。いや、もしかしたらまだ人間には見えない状態かもしれないっすね俺」
アンジー「神さまにもちゃんと見えてるぞ―、蘭太郎ー」
天海「神さま優しいっすね…。入信しちゃいそうっす」
最原「宗教にハマる蘭太郎お兄ちゃんなんて見たくないな…」
天海「安心していいっすよ。入信しませんから」
ーチーダン社内ー
白銀「はぁ……」片付けガチャガチャ
モノクマ「表の瓦礫撤去あらかた終わったよ―」ボヨヨーン
白銀「あ、うん、ありがとう。……はぁ…」
モノクマ「辛気臭いため息なんてついちゃって、どうしたの?お偉いさん方はみんなセーフルームに居たから無事だったんでしょ?」
白銀「うん、なんだかんだみんな無事なのは良かったんだけどね……私、今回の責任を取るためにしばらく大幅に減給+いちスタッフに逆戻りなんだよ…。酷くない?こっちだって命がけで一生懸命仕事やってたのに…」
白銀「第一、モノクマが製造できなくなっちゃった時とかモノクマーズを使って私に最低限何かしら連絡とか指示とかくれても良かったんじゃないかな?それを放置して私に全部任せてきてさ…、だから私は自分で考えて出来る限り頑張ったっていうのに…」
白銀「そもそも学園を出た後のことなんて、私の責任の範疇じゃないよね?無能な警備員のせいだよね、こればっかりは」
白銀「……なんて、AIに愚痴っても仕方ないんだけどね…」
女スタッフ1「あ、小松さんお疲れ様でーす」ガチャッ
白銀(声がした方を見ると、そこにはわたしと同期の若い女性スタッフが立っていた)
白銀「お疲れ様小澤さん。…どうしたの?」
女スタッフ1「あのー、えっと、今回の件は残念でしたね…」
白銀「うん…。仕事も降ろされちゃうし、散々だったよ…」
女スタッフ1「設定甘い所とかロンパされちゃったけど、私はゴフェル計画の設定とか凄く良いと思ったんですけどね。まさかこんなに早く53回目のロンパが終わっちゃうなんてホント残念でたまりませんよ…。ほんとゴフェルの設定とか勿体無いです」
白銀「…まあ、53回もダンガンロンパをやってればこんな事もあるよね…」
女スタッフ1「……あんまり設定が勿体無いんで、次それ使っちゃっていいですか?」
白銀「…ん?どういうこと?」
女スタッフ1「私が次のダンガンロンパのGMに任命されたんですけど、今回のゲームが想定よりだいぶ早く終わっちゃったし早く次のゲームをした方が良いと思うんですけど、ゼロから設定考えるのって時間かかるし、まだ解放してない研究教室とかいっぱいあるし勿体無いじゃないですか。セットとかそのまま利用できるようにゴフェルの設定次回も使いますね」
白銀「…えぇっ!?」
女スタッフ1「あ、勿論要所要所設定の改良とかするつもりですよ。またロンパされても困るんで」
白銀「いや、そういうことじゃなくて…」
女スタッフ1「だから次回作はV4って言うかV3-2みたいな感じですね」
白銀「いや、そんなFFⅩ-2みたいな…」
白銀「…えーっと、とりあえず次回のGMおめでとう。でもゴフェルネタはもう封印しててほしいかな。確かに解放してない研究教室とか勿体無いし、また生徒の新たな才能にあわせて部屋をリフォームするのはお金かかるけどさ…」
女スタッフ1「でももうさっき、ゴフェルネタまた次も使いますねって上に言っちゃてOK貰っちゃったんですよね」
白銀「えぇっ…、せめて設定考えた私に先に一言言ってほしかったんだけど…」
女スタッフ1「先に言おうと後で言おうとどうせ了承は取るつもりだったんで、どっちでもいいかなーって」
白銀「うぅーん、この…」
女スタッフ1「そうそう、ネット掲示板見ました?今回のロンパめっちゃ叩かれてますよ」
白銀「…まだ見てないけど、別に今回に限らずロンパって毎回何かしら叩かれてるけどね…。まあ叩かれるってことはそれだけみんなが見てくれたってことだし、作品に対して真剣に考えてくれてるってことだよ」
女スタッフ1「小松さんが首謀者として甘かったってめっちゃ叩かれてるんですよ。あとゴフェルの設定ガバガバすぎとかって…」
白銀「…まあ、首謀者がネットで叩かれるのは仕方ないよね…、悪役なんだし…。設定は……まあ、そうだね…ガバガバは否定できないね…」
女スタッフ1「私はホントめっちゃ良い設定だと思うんですけどね、今作の。でもあの探偵くんとか総統くんが変にロンパの規律というか王道路線を乱しちゃったせいでゴフェルの伏線とか出していくことが出来なかったから、コロシアイ参加者達は勿論視聴者にも上手く響いてくれなかっただけだと思うんですよ。当初の通りきちんと伏線を張ることが出来ていれば、きっと響いてくれたと思うんですよね」
女スタッフ1「だから、次回作できちんとやっちゃいましょう!?視聴者を見返しましょう!協力してくれますよね?というか先輩も『小澤ちゃん初めての企画だから小松ちゃんサポートよろしくね』って言ってました!お願いします!」
白銀「…うぅーん…」
白銀「…ゴフェルネタを気に入ってくれてるのは嬉しいけど、やっぱり…」
女スタッフ1「お願いします!V4終わったら叙々苑奢るんで!」
白銀「いや、V4終わっても小澤さんが生きてるとは限らないよね?むしろ首謀者って結構な確率で死ぬよね?せめて先払いで奢ってほしいかな」
女スタッフ1「じゃあ先払いで奢るんでゴフェル使わせてもらいますね!」
白銀「えっ!?いや、使ってもいいって言ったわけじゃ…」
女スタッフ1「次回作の大筋が決定したことですし、それじゃあ早速企画についてまとめてくるんでこれで失礼しますね!小松さんのゴフェル設定の資料いただきますね!」
女スタッフ1「叙々苑は後日ラインで日程決めましょう!あ、そういえば携帯死んでたから今ライン使えませんね。社内メールで送りますね。それじゃまた!」ガチャッバタン
白銀「えぇっ!?いや、ちょっと!」
モノクマ「…まあ、仕方ないんじゃない?V3が早めに終わっちゃったせいで使われなかったセットや備品とかのせいで赤字だろうし。せめて放送スケジュールがいつも通り1ヶ月くらい取れてたら視聴料で回収できたんだろうけどね」
白銀「……そうだよね、一度会社に提出しちゃった企画は会社のものになっちゃうもんね。いちスタッフに戻っちゃった私には何の権限もないだろうし…」
白銀「…でも、私が二ヶ月寝る間も惜しんで考えた企画や設定を横から持っていかれちゃうとなんか、うん、やるせないかな…。超高校級達の性格や性能のバランスとかも考えながら作ってたからこそ成り立つハズだった企画だし、どうなることやら…」
白銀「とりあえず、生徒達の才能や性格まで全部丸々被らされたら流石に怒ってもいいかな…。焼肉じゃ誤魔化されないから…っていうか、焼肉とかどうでもいいし……」ハァ…
モノクマ「未開放研究教室のセットも使いまわす予定みたいだし、ある程度才能は被せてくると思うよ?まあ、ゴフェルに関係なく部屋変えやすそうな例えばピアニストの部屋とかは他の音楽系の才能の部屋とかくらいはするかもだけど」
白銀「うーん…。…なんだろう、この気持ち。大好きな漫画が適当な実写映画化されるみたいな…そんな微妙に不安で複雑な心境…。絶対にわたしのゴフェルじゃないゴフェルになりそうな、そんな感じ…」
モノクマ「ハリウッド版ドラゴンボールの悪口はそのくらいにしておくんだ」
白銀「別にドラゴンボールに限った話じゃないんだけど、何故か原作レイプ実写化の代名詞になってるよね、ドラゴンボール…。ドラゴンボールも酷いけど、こういう系だとわたし的にはリアル鬼ごっこJKバージョンが最も酷いと思……あ、やっぱりドラゴンボールも擁護できないや、原型無さ過ぎるもん。最後に申し訳程度にノルマとして例のオレンジの衣装着てかめはめ波したくらいでドラゴンボール感0だったし。いや、ノルマ要素あるからドラゴンボール感1はあるかな?でも100のうちの1だよ。残り99はなんかただのアメリカンだよ。でもリア鬼JKも監督がタイトルから内容を妄想してみたのを映像化したっていう意味のわからなさがもう…。リア鬼はドラマ版と映画1、2が好きかな。翼と洋は絶対付き合ってるよね、わかる。映画3・4・5は話が冗長すぎてね…。総合すると嫌いではないんだけど映画3本分は長いよ…、明らかにもっとコンパクトにまとめられるって…。あとB型ターゲットって流石に多すぎだし佐藤さんくらいで丁度良いと思うんだよね。まあB型減らしたいっていう発想は悪くないんだけどね。何故か悪名高いこと代表の血液型で可哀想だよねB型。あ、王様はどの世界観の王様もそれぞれいい味出してると思うよ。ああいうキャラのロンパ首謀者もアリだよね。ダンガンロンパのサイコポップな世界観に合うと思うし」マシンガントーク
モノクマ「うわぁ…、オタク特有の早口……」
白銀「…ともかく、次回のダンガンロンパはなんかやる気にならないんだよね…。まあ仕事だから任された分はやるけどね…。…好きを仕事にするってやっぱり辛いね。ただ視聴者であった時の方が何も考えないで楽しんで見れて良かったなぁ…。まあ、わたしならもっと面白くできるって思ったから入社したんだけどさ…」片付けガチャガチャ
白銀「…その結果があれなんだけども…」
ガチャッ
女スタッフ1「小松さーん、没キャラの常に四つん這いの彼…鈴木九萬一くん使ってもいいですかー?彼に外見ピッタリな高校生見つけたんですよー」
白銀「…あれは出落ちすぎるから絶対やめようか。5日くらいコスプレ衣装の製作でまともに寝てない時に気の迷いで考えたキャラだから」
モノクマ「仕事での寝不足じゃないんだ…」
白銀「もしどうしても使いたいならわたしを倒してからにしてね。こっちは殺してでも阻止するからね」日本刀チャキッ
女スタッフ1「倒……わ、わかりました。使いませんよ…。使わないから刀を収めて下さい…」
ー車ー
王馬「ウェアアアンヴ(ジュル)ヤェャァァァ↑アイィヤエ↑ヤゥィゥ!!!!」後ろドアガラッ
最原「うわ、びっくりした。随分遅かったけど、なかなか人が見つからなかったの?」
赤松「嘘泣きとはいえ一応泣いている事を気にしてあげよう?…ってことで、どうしたの?王馬くん」
王馬「…オレの秘密結社の番号にかけたらどこに繋がったと思う?」
天海「え、クイズっすか?」
入間「風俗店だな!」
王馬「正解!!チーダン絶許!!!!」床ダァンッ
最原「『チーダン』って…」
天海「うわぁ…、酷い嫌がらせを受けちゃいましたね。お兄ちゃんが慰めてあげるっすよ」
王馬「まじで?いやー、丁度鼻かみたいと思ってたんだよね」ジャケットを掴む
百田「おい、オレのジャケット」
東条「ティッシュならここにあるわよ」つティッシュ
王馬「ちなみに実家にも電話したけど繋がらなかったし、ウチの幹部にも何人かかけてみたけど繋がらなかったんだよねー」
赤松「そうなんだ…。ていうか王馬くん記憶力いいね」
王馬「だからオレは頭がいいって言ったでしょ?」
春川「で、どうするの?3人目誰か行く?」
最原「いや、もう充分なんじゃないかな…」
東条「たった2人の結果だけで決めつけるのはどうかと思うけれど、連続でこのような結果になった以上、確かにこれ以上やっても無駄かもしれないわね」
アンジー「ってことは、アンジー達は結局フィクションなのかなー?」
東条「先程も言ったけれど、コロシアイの動機だとか何かしらの目的で記憶の一部が書き換えられただけの可能性もあるからまだなんとも言えないわ。ただ、2人も連続して記憶していた電話番号がデタラメだったことが発覚したから、これ以上他の人が電話をかけてもまたデタラメな場所につながるかどこにも繋がらないかになる可能性が高いってだけよ」
最原「結局、直接誰かの家に行ってみるのが良さそうだね」
赤松「その住所も電話番号同様にフィクションかどうか微妙な判定にしかならないようにデタラメな記憶が植え付けられてたらどうするの?」
王馬「いや、流石に家は電話番号と違って『現実にちゃんと存在する』か『記憶の全てまたは殆どがガセってことが発覚する』かしかないんじゃないかな。電話番号はただの数字の羅列だけど、実家とその周辺の記憶は数年間そこで過ごした思い出とか色々あるだろうし、ちゃんと記憶を芸細に仕込みきるか素の記憶かしかなんじゃないかな」
赤松「なるほど…」
東条「と言うわけで…、みんなどこの出身か聞いてもいいかしら?ここから近い所、出来れば関東方面に行こうと思うのだけれど」
アンジー「アンジーはねー、オセアニア区だよー」
王馬「たはー、範囲めっちゃ広いねー!で、オセアニア区のどこ?」
最原「まさかの生物地理区で言ってきたよこの人…。まあ、アンジーさんは多分外国だろうし、そうでなくても島育ちってことからして離れ孤島だろうから今回行くことはないかな…」
百田「つーかみんなどうせ関東じゃねーのか?アンジー以外特になまってるヤツいねーしよ」
天海「地方が出身の人でも長い間関東で1人暮らししてる人とかは東京の方の喋り方に染まっちゃう人も居るらしいっすけどね。まあ俺は関東っすけど」
王馬「オレは樺太だよー」
最原(絶対嘘だ…)
赤松「王馬くん、それはボケとしてはちょっと微妙だよ」
王馬「えぇっ…、まさか赤松ちゃんにボケのダメだしされるなんて…」
赤松「てか王馬くんって顔芸したりノリツッコミしたりボケたりとお笑いに余念がないから……実は大阪出身だね!?」
最原(なんて雑な推理なんだ…)
王馬「赤松はん流石ですわー、ずばり正解でおまんがな」
最原(唐突にイントネーションも喋り方も何もかも滅茶苦茶雑な関西弁だ…。僕は関西弁のことはよくわからないけど、なんか明らかに間違ってる気がすることだけはわかるぞ…)
茶柱「……どうやらこの中に大阪出身の方は居ないようですね。もしいらっしゃったら今の王馬さんの雑な大阪弁に怒っていたでしょうし」
最原「そうだね…」
王馬「オレの中の大阪弁のイメージってこんな感じなんだよね。大体あってると思うよ」
天海「それは違う…と思うっすよ?」
東条「…話を戻してもいいかしら?」
最原(みんなに出身地を訊いた結果、アンジーさんとゴン太くん以外は関東の方の出身ということが判明した)
東条「じゃあ車だとどのお宅へ向かっても到着時間は大して変わらないでしょうし、病気の件もあることだし百田君の家から行きましょうか。天海君、後回しにしてしまってごめんなさいね」
天海「俺は別に構わないっすよ。東条さんが見てくれた限り怪我は大丈夫ってことですし」
東条「そう。それじゃあカーナビに目的地を入れたいのだけれど、いいかしら?」
百田「おう」前の席に移動カーナビポチポチ
最原「……」ジーッ
最原「解斗くんの実家、僕の実家から近いね」
百田「へー、終一はどの辺なんだ?」
最原「隣の県だよ」
王馬「近いってなんだろうね」
天海「まあ県境なら近いんじゃないんすかね」
最原「県境よりもうちょっとこっちの山側かな」地図指さし
天海「あっこれわりと遠いやつっすね」
百田「宇宙の距離考えたら全然ちけーだろ」
春川「馬鹿じゃないの?比較対象がおかしすぎるんだけど」
百田「あ?別に宇宙基準にしてもいいだろーが!」
最原「うん、ロマンがあって良いと思うよ。ところで解斗くんって今実家暮らし?1人暮らし?」
百田「実家じゃねーな」
最原「じゃあ1人なんだね。家はどの辺なの?」
百田「1人でもねーな、共同生活だぜ。宇宙飛行士の訓練生してるからずっとアメリカだな」
最原「あー…、なるほど。遠いねアメリカ…。いや、地球上な分宇宙よりは近いけど」
百田「確かにちょっとばかし遠いけどよ、別に日本と頻繁に行き来するわけでもねーし不便さはあんま感じねーぜ。それに住めば都ってやつだな!まあ訓練生活が忙しすぎてあんまアメリカを満喫できてねーけどな」
赤松「じゃあさ、チームダンガンロンパのこととか色々片付けたらアメリカ観光しようよ!」
百田「観光も悪くねーけどよ、オレは1秒でも早く宇宙に行きてーんだよな」
赤松「そっか、なら仕方ないね…」
最原「…じゃあ、僕らの存在がフィクションだったらってことで…」
百田「例えオレが宇宙飛行士の訓練生ってのがフィクションだったとしても宇宙飛行士になる実力は実際あるんだし、その時はまたすぐに訓練生に応募するぜ」
最原(NASAって滅多に職員募集してないから数年応募できないとか普通にあると思うけど、…いやそれ以前に…)
最原「……僕らがフィクションだったら戸籍とか色々無いわけだから応募は無理じゃないかな?キミの年齢が応募条件に達してない可能性も充分あるし…」
最原(というか十中八九年齢達してないよね…。確かNASAは大卒して職業経験か研究経験が無いといけないとかだったと思うし…)
百田「勿論あれこれ書類偽造するに決まってんだろ!」
最原「アッハイ」
最原(アメリカなんて行っちゃったら中々会えなくなりそうだし、不正がバレて書類選考はじかれてほしいな…)
東条「…まあ未来の話は追々ということにして、そろそろ出発にしましょう。トイレに行く人は今のうちに行くのよ。勿論、長いドライブになるから途中休憩は何度か挟むけれど…」
王馬「はーいママ!」
東条「だからその呼び方はやめなさい!」
天海「あ、呼び方と言えば…カーナビが今日は10月3日って言ってたっすけど、そうだとすると俺今日誕生日なんで良かったら皆さん俺のことをお兄ちゃん呼びしてほしいっす」
赤松「天海くん、お誕生日おめでとう!幾つになったの?」
天海「あの、お兄ちゃん呼び……18?とかですかね?」
アンジー「おめでたいねー蘭太郎ー。アンジーが似顔絵を描いてやるぞー?」
天海「ありがとうございます。…プレゼントとかはいらないんで、呼び方…」
春川「そもそも誕生日もフィクション設定の可能性があるんじゃないの?」
最原「誕生日の設定なんて別に元のから弄る必要ないと思うけど…。まあ、年齢の記憶は弄られてる可能性あるけどね」
百田「でもめでてーじゃねーか。才囚学園からの脱出が1番のプレゼントみたいな感じになったな」
ゴン太「お誕生日おめでとう、天海くん!」
天海「皆さんありがとうございます。誰も呼び方に触れもしてくれないのはわざとっすかね…」
東条「その呼び方の指定は依頼なのかしら?」
天海「依頼じゃなくてただのお願いっすね」
東条「そう。じゃあお断りさせていただくわね」
天海「…そんなに嫌なもんすかね?」
茶柱「いくら世間一般的に顔が良かろうが、あまり親しくもない同年代の男死にお兄ちゃん呼びを強要されるのはなかなか気持ち悪いと思います」
王馬「わかるー、蘭太郎お兄ちゃん必死過ぎて気持ち悪いよねー」
天海「小吉君結構ノリいいっすよね。ありがとうございます、今日1日それでお願いします」
王馬「うわーマゾだね。じゃあ、やーいサノバビッチー!」
天海「罵倒されたいわけじゃなくて呼び方の方っすよ」
東条「そろそろ本当に出発するわよ。天海君は助手席でしょう?席についてくれないかしら」運転席に移動
天海「あ、すみません。すぐ移動するんで」
入間「うぅっ…、結局もしフィクションだったらこれからどうなるのぉ…?そしてその場合、アタシに彼氏作る時間と余裕はあるのぉ…?」
最原(彼氏作りの件は忘れてくれててよかったのに…。性格と言動を改めてくれないと作ってあげられる気がしないぞ……。あ、彼氏ロボットとか作ればいいんじゃないかな。入間さんなら作れそうだし)
ーーー
ーチームダンガンロンパ本社ー
男スタッフ1「……はい、本日のメンテナンス終了です。お疲れ様でした」
キーボ「…ありがとうございました」
キーボ(学園から皆さんが卒業してから数ヶ月経ちました…)
キーボ(皆さんが居なくなってしまってからたまに卒業しなかった自分を後悔していた時もありましたが、意外とスタッフの方達にも丁寧に扱われ、こうして週に1回のメンテナンスをボクは受けさせてもらっています)
キーボ(最初はこんな悪の会社の社員にメンテナンスをされると聞いて正直気が引けましたが、普通に丁寧で、ホコリを取ってくれたりパーツを磨いてくれたりシステムチェックなどもしてくれています。お陰様で不調は感じないですし、電源を切ってからしてもらっているのでボクとしては一瞬でメンテが完了してますしね)
キーボ「…それじゃあボクは学園に帰りますね」スタスタ
キーボ(こんな場所に連れてこられてしまってから半年以上が経過しましたが、未だに飯田橋博士はボクを迎えには来てくれません。博士の技術力を持ってすればとっくの昔に見つけてくれていてもいいと思うのですが…)
キーボ(……やはり、ボク達はフィクションの存在だったと考えるのが妥当でしょうか…)
ー才囚学園屋外ー
キーボ(別にボクは拘束されているわけでも見張られているわけでもないのですが、外に行き場なんてあるはずもないので最短距離で学園の敷地内に戻ってきました。何故でしょう、一瞬でも外に行ってみようかと気の迷いを起こすだけで、すぐに気が引けてしまうのです)
キーボ「……特にやることもないですし、部屋に帰りますか…」
キーボ(ボクが寄宿舎へ足を向けた時、懐かしい音が聞こえてきました)
ピンポンパンポーン
キーボ「放送…?」
モノクマ『あーあー…、マイクテスマイクテス…。オマエラ久しぶり!元気にしてるー?』
キーボ(ボクは今居る場所から1番近い位置にあるモニターの前に移動すると、とても久しぶりにモノクマの姿を画面越しに確認することができます)
モノクマ『えー、お知らせです。1週間後に第54回ダンガンロンパが開始します。ゲーム開始間近につき見知らぬスタッフが出入りする様子を見かけることもあると思うけど、まあ気にせず無視しちゃって下さいね」
モノクマ『ちなみにゲームは朝から始まる予定なので、まあ当日朝もまたアナウンスするけどオマエラ、こちらにご協力のほどお願いします』
キーボ「協力…?」
モノクマ『ああ、協力っていうのはね、オマエラが現在生活している部屋から生活感を無くす為に、軽く部屋の清掃をしたりシャンプーなんかの補充をするから、当日はいつもより早めに朝の放送を流すから、放送を聞き次第留年のオマエラは食堂に集合して待機してほしいってことなんだ』
モノクマ『まあ朝ご飯を食べたりと通常通り食堂で寛いでいてくれていいよ。食事はキーボくんには関係ないことだけど、キミも食堂に来てくれないとダメだからね。具体的に言うとエグイサルで引きずってでも食堂に連れて行くから』
モノクマ『清掃と新規生徒の配置が完了次第オマエラには体育館の方に移動してほしいんだ。で、体育館に54回目の参加者が全員揃い次第、ボクかモノクマーズ達による前口上と生徒の記憶の書き換えとお着替えが行われるよ』
モノクマ『体育館にオマエラが入った辺りから放送が開始するから、なるべく速やかな移動をお願いするよ。いつまでもちんたらしてるとエグイサルを出動させるからね』
モノクマ『…まあ、当日のゲーム開始までの流れはこんな感じだよ。その後のことは話さなくても解るよね?まあこの流れは当日にも改めてアナウンスするから覚えてなくてもいいけどね』
モノクマ『ボクは約束とルールを破ることはモノミの次に大嫌いなことなんだ。だから半年前に宣言した通り、事前のアナウンスをしてあげたよ。当時アナウンスの約束をしたのはボクじゃなくて、今やただの平社員の白銀さんだけどね!』
モノクマ『……でもさ、このアナウンスに何の意味があるの?』
モノクマ『オマエラは卒業していったあいつらとは違ってただ流れに身を任せて受け身に生きているだけでしょ?当日朝突然宣言したって別に変わらないよね?抵抗しても無駄ってことを知ってるから抵抗もしないんでしょ?1週間前から怯えたり覚悟をしたりしてもどうせ思い出しライトで全部その気持も忘れちゃうんだし……』
モノクマ『まあ、ボクとしては放送機材のテスト放送が出来て丁度良かったんだけどね!半年ぶりだったけど問題なく使えてるようで良かったよ』
モノクマ『あ、そうそうキーボクン。チームダンガンロンパからのキミのメンテナンスは今日ので終わりだよ。来週からは新たなゲームが始まるから新規加入の生徒にメンテナンスやってもらうか、整備不良が目立つようだったらモノクマーズにやってもらうからね』
モノクマ『こんなこと言ったところで、どうせ思い出しライトで全部忘れちゃうんだろうけどね!』
キーボ(そう言いながらモノクマは高笑いをして、放送を切りました)
キーボ「…………」
キーボ(また、コロシアイ生活が始まる…。自分でここに残ることを決めてしまった以上、来るべくして来る当然の未来ではあるのですが……)
キーボ「…どういう未来の選択が正しかったのでしょうか…。外で明日も知れない生活を送るのと、ここで退廃的な生活を送るのと……」
キーボ「内なる声は…これで本当に正しかったと思いますか?」
キーボ(…………この半年間、何度かこうして内なる声に問いかけているものの何も返してくれず、自分の中がとても静かです。こういう自分の思考する声しか聞こえないのです)
キーボ(内なる声がここに残るように言ったから残ったのに、何故なのでしょうか……)
キーボ(もしまたボクのメンテがあったのならここに2人の仲間を残したまま単身外に出て行くことも出来たのかもしれませんが、その可能性も無い今、モノクマが言うように色々考えても無駄ということを知っているからこそ、ボクは考えるのを止めて寄宿舎の自室へ戻って行きました)
ー1週間後、チームダンガンロンパ本社ー
女スタッフ2「視聴者カメラ、体育館前廊下に到着しましたー」
男スタッフ1「間もなく放送開始です。5ー、4ー、さぁ…あああああ!!!!!????」
女スタッフ2「どうし……きゃあああああ!!!!????」
ー才囚学園体育館ー
女スタッフ1(えっ、何?どうしたの??放送開始した??)耳イジイジ
女生徒1「とにかく!いつまでもこうしているわけにはいかないと思うよ」
男生徒1「そんなこと言っても外にはあのロボットが居るし、下手に動かない方が良いと思うんだけど…」
ドアガチャッ
女生徒2「!?…ちょ、ちょっと!驚かせないでよ!またあのロボットかと思ったじゃない!!」ドキドキ…
キーボ「えっ!?あ、すみません…」
男生徒2「……見た目的にどう見ても、ロボットには違いないんじゃないかな」
キーボ「確かにボクはロボットですけど、エグイサルなんかと一緒にしないでいただきたいですね…」
男生徒3「エグイサル?」
真宮寺「キーボ君、下手なことを言って無駄に疑われるような発言をするのは得策ではないと思うヨ」
女生徒3「何ですか?貴方達は知り合い同士なんですか?」
夢野「んあー…、まあ、知り合いではあるのう…」
女スタッフ1「他のみんなは会ったことない人同士なのに貴方達は知り合いって、なんかおかしいですよね…。ロボットもいますし…」
男生徒4「本当にたまたまなんじゃないかな?ちょっと個性的な格好の人達だけど、あんまり怪しむのも良くないと思うよ」
男生徒3「ねえ、エグイサルって外をうろついていたロボットの名前のこと…っぽいよね?なんで貴方達がそんなことを知ってるの?」
女生徒4「この人達が私達を誘拐した首謀者ということかしら?」
女生徒5「ねえ、今ならキミ達があたし達を誘拐したことを許してあげるからさ、お家に返してくれないかな?」
夢野「許すも許さんも…、そもそもウチらは誘拐犯ではないわい…」
女生徒5「許してあげるって言ってるのに〜…。通報しないからお願いだよ!このままじゃママとダーリンが心配するし、何より今生きがいにしてる今夜のドラマが見れなくなっちゃう!」
男生徒5「ドラマとか言っている場合ではないかと…」
男生徒6「あーーーーっ!!思い出した!!」
女生徒6「なになに?」
男生徒6「こいつらどっかで見たことあるな―って思ってたんだけど、思い出したんだよ!ダンガンロンパだよ!ダンガンロンパ!!」
女生徒2「は?ダンガンロンパ…?なにそれ」
女生徒3「…誰か他に知っていますか?」
男生徒4「ちょっとわかんないかな…」
女スタッフ1「うーん…、私もちょっと心当たりないかな」
男生徒3「……あー、なんかタイトルだけ知ってるかも。タイトルとか雰囲気がお洒落ぶってて癇に障ったから見たことはないんだよね。あれは見たら負けだと思ってる」
男生徒6「食わず嫌いは損するぜ」
夢野「なんじゃ、意外と知名度ないんじゃな。全世界のみんなが見ているとは何じゃったのやら」
真宮寺「ネット放送なら一応全世界放映ってことにはなると思うヨ」
女スタッフ1(…あれ〜?おっかしいな〜??予定だとそろそろモノクマーズが登場してくるんだけどな…。何してるんだろう……まさか段取り忘れたとか?)
男生徒2「…で、ダンガンロンパって?」
男生徒6「ダンガンロンパってのはネットで不定期に放送しているリアルフィクションドラマだな。話が終わるまで24時間1ヶ月程度ぶっ通しで中継放送してるっていう最高にイカした作品だぜ」
男生徒1「……そのドラマの出演者が何でここに?」
男生徒6「そんなこと俺が知るわけ……あれ?そういえばここ、なんか作中で見たことあるような…」
女生徒4「…まさかとは思うけど、私達は今そのドラマに出演してるってこと?」
女生徒6「わたしドラマに出る心当たりが全くないよ?」
女生徒2「アタシだってないわよ!ちょっと!スタッフどこ!?出演者手違い起こってるわよマヌケ!!」
女生徒5「ただの手違いってことなら安心だね!すぐ帰れそうで良かった〜」
男生徒3「…本当にただの手違いなのかな?じゃあ訊くけど、この中にダンガンロンパってドラマに出演する心当たりのある人って居る?」
全員「…………」
男生徒3「ほら居ない。やっぱりこれってただの誘拐じゃないかな」
男生徒5「誘拐も『ただの』ってことじゃないと思うけどね」
女生徒3「やっぱり事件じゃないですかー!やだー!!」
キーボ(集められた生徒達がそんなことを言いながら騒いでいると、それは何の前触れもなく突然現れました)
ドガッシャァアアアアンッ!!!
キーボ(衝撃で体育館のステージ部分が無くなってしまいました。皆さんが呆気に取られてステージの方を見ると、衝撃で舞い上がった砂煙が落ち着いてそれが姿を現しました)
キーボ「……武装した大型トラック…?」
真宮寺「……が、エグイサルを1体轢いてそのまま体育館の壁を突き破って入ってきたみたいだネ…」
夢野「……一体あんなのどこからこの施設に入ってきたと言うんじゃ…」
キーボ「というか、あれは一体…?」
??「よいしょっと!」運転席ガチャッ
赤松「みんなお待たせ!もう安心していいからね!私達が迎えに来たから!!」目出し帽装着済
女生徒1「あ!ついに犯人が現れたよ!?」
女生徒6「わたし家はどっちかって言うと貧乏な方だし、お金ないんです!でも命は助けてください!!」
男生徒1「僕の人生短かったな…」
男生徒2「アブラカタブラ…」
女生徒5「なんでもするから命だけは助けてください!舐められるところは全部舐めますからぁ!」エーン
赤松「違うよ!?誘拐の犯人じゃないから!!私は貴方達の味方だから!!」アタフタ
夢野「格好に説得力が圧倒的に足りておらんぞ、赤松…」
キーボ「あの…、赤松さん、これは一体どういうことなんですか?」
赤松「ああ、それはね…」
キーボ(赤松さんが事情を説明しようとしたその時、武装したトラックに轢かれたエグイサルのアームが突然動き出し、彼女に銃口が向けられたました)
キーボ「!赤松さーー…」
キーボ(無意味と知りながらも思わず反射的に腕を伸ばして声をかけたものの、ボクの声は銃声にかき消されてしまい、硝煙の臭いが辺りに漂います)
春川「……油断するなって言ったでしょ」
キーボ(どうやらエグイサルが撃つより先に、いつの間にかボクの背後に居た春川さんがエグイサルに向かって撃ち、どうやらエグイサルは未発砲に終わったようでした。ちなみに春川さんも目出し帽を被っています)
赤松「春川さん!ありがとう!」
春川「何度でも言うけど、エグイサルは中のモノクマーズを破壊するまで油断すべきじゃないよ」ツカツカ…
春川「ふんっ!」エグイサル蓋バキッ
キーボ(どんな腕力してるんですか……)
夢野「あれは魔法……ではなくただのゴリラじゃな…」ボソッ
モノキッド「ぐっ…。頼むよォ…、モノダムのことは殺してくれてもいいがミーの命だけは助けてくれよォ…。ミーには田舎に残してきたまだ幼い子供が…」
春川「うるさい、ロボ死んで」バンバンバンッ
キーボ「ヒエッ…」
春川「万が一にも他のモノクマーズがこれに乗り込まないようにコックピットも壊しとこうかな…」バキバキッブチッ
女生徒3「……なんだかよくわかりませんけど、今のうちに皆さんどこかに逃げませんか?」コソッ
男生徒1「その意見に賛成するよ…」ボソッ
春川「ねえ、そこの高校生達」
女生徒2「ひえっ!?な、なんかアタシに文句でもあるの…?」
春川「あんた達はどんな超高校級なの?」
男生徒4「超高校級…?」
女生徒6「な、なんのことかよくわかりません…。少なくともわたしの高校は普通の偏差値の県立高校です…。なので県立高校級?です…」オドオド
男生徒6「俺も超高校級の能力なんて何も持ってない普通の高校生です……。でも殺さないで下さい…」ビクビク
女生徒1「えっ!一般高校生だと殺されちゃうの!?やだ…どうしよう…えっと…えっと……」
春川「超高校級じゃないならいいよ。まだ記憶が消されてないってことだし。あと私は誘拐犯じゃないから怯えなくても良いから」
真宮寺「キミの見た目が怪しいから警戒されているんだヨ」
夢野「春川の奴も、普段から目出し帽同然の格好のお主には言われとうないと思っておると思うぞ」
キーボ「あの、そろそろ説明してもらってもいいですか?なんだかさっきから他の場所でも銃撃戦?のような音も聞こえるんですけど…」
春川「私はあんたらを守る担当だから他の奴らを加勢しに行く必要はないの」
真宮寺「……赤松さん、代わりに状況を説明してもらってもいいかな?出来れば詳しくお願いするヨ」
赤松「えっとね、私達は文字通りダンガンロンパを潰しに来たんだよ」
夢野「本当に文字通りじゃな。確かに卒業する時潰す潰す言っておったが、まさか物理で潰しに来るとは思わなかったぞい。体育館のステージが見事に潰れておるぞ」
赤松「そりゃあ私達だって最初はこんなことするつもりなんてなくて、もっと温厚にネットで地道にロンパのネガキャンしたりとか、ダンガンロンパ被害者の会作ったりとか、チームダンガンロンパのお偉いさんを脅しに行ったりとかしてたんだけどさ、どれもイマイチ効果がなくて…」
春川「そうこうしているうちに次の54回目のダンガンロンパの放送日が発表されたから、このままだとまた新たな犠牲者が出ると思って仕方なく強硬手段に出たんだよ。ちなみに警察はチームダンガンロンパのスポンサーと癒着してるから多分使えない」
赤松「放送日の発表が1ヶ月前だったから、流石に色々凄く準備がバタバタしちゃったんだよね。だから多少雑なのは許してね」
真宮寺「ちなみにこの強襲の為に色々武器が用意されているみたいだけど、どうやって入手したんだい?」
キーボ「凄くお金もかかってそうですけども…」
春川「そんなこと別にどうだっていいでしょ」
赤松「武器調達の為の軍資金はみんなで集めたんだけど、大体東条さんが稼いでくれたんだよね。武器の入手ルートはよくわかんないんだけど、春川さんが頑張って色々集めてくれたんだよ!それで武器の扱い方とかはみんなで中国で練習したんだよ。春川さんと東条さんが教えてくれたんだ〜。銃はちょっと重いけど、結構撃つの楽しいんだよね」
春川「赤松、喋りすぎ。一応ここは敵地なんだから、どんな情報でもあまり曝け出さない方がいいよ。誰がどこで聞いていて、そこから何がバレるかわかったもんじゃないんだから」
赤松「そ、そっか。ごめんね素人で…」
真宮寺「どうやってそれらを日本に持ち込んだのかとかも気になるけど、まあそういうことならここから出た後でまた色々尋ねさせてもらうとするヨ」
春川「うん、そうしてもらえると助かるよ」
男生徒6「なんつーか…、さっきから聞いてると、ダンガンロンパマジヤバイってことか?」
赤松「うん、そうだよ!」
春川「あんたらはラッキーだよ。もう少しで記憶を消されて別の人物にさせられて、ここに居るやつらでコロシアイ軟禁生活をさせられるところだったんだから」
男生徒1「こ、コロシアイ軟禁生活だって…!?」
女生徒4「でも、貴女の言っていことは本当に真実なのかしら?貴女達の意見だけを聞いてそれを鵜呑みにすることは出来ないわ」
春川「じゃあ、あんたは好きにすればいいよ。私の話を信じる信じないは好きにしていいし、この体育館を出て行こうと私は引き止めないからさ。でもここから出て行ったあんたの生死は保証できないよ。ただ、ここに居るって言うなら私はあんたらを守ってあげる。それが私の役割だから」
女生徒4「…………」
男生徒2「今はこの目出し帽の女性方が敵か味方なんてのはわからないけど外でもなんかドンチャンやってるみたいだし、守ってくれるって言うならそれに賭けてここに残った方が得策だと思うよ。あくまで俺の意見だけど」
男生徒3「うん、ボクもそれに同意かな。というわけでお姉さん方宜しくね!」
女生徒3「超高校級だとかダンガンロンパだとか……何が何だかイマイチよくわかりませんけど、私のことも宜しくお願いしますね…?」
女生徒1「…私が理解出来るかはわかりませんけど、この戦いが終わったら全部説明してくださいね」
赤松「うんうん!この戦いが終わったらみんなで打ち上げに行こうね!そこで色々説明するからさ!」
夢野「『この戦いが終わったら〜』はフラグだからやめい…、縁起でもないわ…」
キーボ「ところで、何をもって終わりになるんですか?」
春川「それも誰が聞いてるかも知らないから言えないってば」
女スタッフ1「…………」
女スタッフ1「あの、ここを出て行っても止めないんですよね?じゃあ私はここを出ていこうと思います。貴女達のことはイマイチ信用なりませんし」
春川「そう、じゃああんたとはここでさよならだね。どうぞ好きな所に行きなよ。オススメは学園を囲っている壁の一部が開いてるハズだからそこからなら外に出られるよ」
女スタッフ1「そうですか、じゃあそうしますね。…ただ、流石に丸腰っていうのはキツイんで何か武器を貰えますか?」
春川「素人が武器を扱うと逆に危険だから止めといた方がいいよ」
女スタッフ1「だ、大丈夫です!拳銃ならハワイで親父に習ったことがあるんで扱えます!」
真宮寺「フーン、信用ならない相手から銃を借りるんだネ…。壊れている銃とかをわざと渡されたら…とかは考えないのかい?」
女スタッフ1「人は信用出来ませんけど銃は信用できるんで。それにこんなところに乗り込んでくるのにわざわざ壊れた武器を用意しておくとも思えませんし」
春川「……まあ、いいよ。じゃあこれを使いなよ」スッ
女スタッフ1(…SIGザウエルP220か…、ザ・9mm拳銃ね)貰う
春川「使い方はわかる?」
女スタッフ1「ええ、わかります。こう使うんですよね?」
女スタッフ1(私はこの場で1番やっかいな彼女に向かって、そのまま引き金を引いた)
カチッ
女スタッフ1「!?えっ…」
春川「ふんっ!」腕固め
女スタッフ1「イタタタタタ!!!!??痛い!!痛いです!!折れる!!!ギブ!!ギブです!!!」
キーボ「な、何故春川さんに向かって撃とうとしたんですか!?」
赤松「…決まってるよ。その子が今回のコロシアイの首謀者…チームダンガンロンパの社員だからってことだよね」ガムテ拘束する
女スタッフ1「くっ…、何故わかったんですか?直前までボロは出してなかったハズですけど」
春川「いや、あんたが首謀者だなんて正直わからなかったよ。チームダンガンロンパの社員の顔は全員分確認済みだったけど、髪型や化粧で人って幾らでも印象が変わるからね」
女スタッフ1「だったら何故…」
赤松「私達は過去のリアルフィクションでのダンガンロンパを全部チェックしたんだけど、どれも参加者の生徒の中に首謀者役の社員が居たんだよね。だから、この中の誰かが首謀者ってことなら事前にわかっていたんだよ」
春川「だから別にあんたが首謀者だろうがそうでなかろうが、今回の新規生徒から武器を要求されたら絶対に弾の入ってない銃を渡す予定だったんだよ」
女スタッフ1「そのせいで罪のない高校生がその辺で死んじゃったらどうするつもりだったんですか…」
春川「ここを出たら生死は保証しないって事前に言ったでしょ」
女スタッフ1「なかなか外道ですね……」
春川「勿論、首謀者が私達から武器を借りようとしない可能性や、自分で持ち込んだ武器を使う可能性も考えてたよ」
女スタッフ1「その時はどうするつもりだったんですか?」
春川「私か赤松なら絶対に私から潰したいと思うだろうし、私がわざと生徒達の近くに居れば自ずと私を狙うと思ってた。後は狙われた後にそれを避けて捕まえるだけだから簡単だよ」
キーボ「簡単ってなんでしょうか…」
真宮寺「ククク…、中々に脳筋な作戦だネ…。だけどそんな作戦でも成立させてしまうだけのものが、”超高校級の暗殺者”の設定を植え付けられた彼女にはあったのだろうネ」
春川「皮肉だよね。チームダンガンロンパが用意した設定でチームダンガンロンパの首を絞めているんだから」
夢野「それにしても春川はやたらと誰かに情報が漏れるのを警戒しておったが、こやつを警戒しておったのじゃな」
春川「高校生に紛れ込んだ首謀者の存在もそうだけど、この辺を飛び回って情報をマザーに伝えているとかいうカメラにも警戒してだよ。モノタロウが教えてくれたんだけど、モノチッチとかいう目に見えないほど小さい虫みたいなカメラがそこら中を飛び回ってるんだってさ」
夢野「目に見えないほど小さいカメラじゃと!?うぅっ…、知らん間に口の中とか鼻の中に吸い込んでしまってそうで嫌じゃのう……」
キーボ「呼吸って不便な機能ですね…、同情します…」