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ー教室ー
白銀(うーん…、悩ましいなぁ…)
白銀(入間さんのマザーモノクマの解析が一体どこまで進んでいるかわからないけど、そろそろわたしを突き止めるのは時間の問題だと思うんだよね…)
白銀(当初のゴフェル計画の記憶を植え付けるのはちょっと時間が足りなそうなんだよね…)
白銀(いきなり色々植え付けまくったら、急展開すぎて怪しまれるかもしれないし…)
白銀(とすると、大幅に路線変更して…こう……これをして…)思い出しライトの設定ポチポチ
ドアガラッ画面消える
白銀「ん?」
最原「あ……白銀さん…こんにちは…」
白銀「どうしたの?最原くん」
白銀(相手してあげてもいいんだけど、タイミング悪いなぁ…)
白銀(こうなったら、また後で最初から設定し直さないといけないんだよね…)
最原「えっと…、白銀さんと一緒に過ごしたいなと思って…」
白銀「わぁ!最原くんがそんなこと言ってくれるなんて嬉しいよ!」
白銀「じゃあそんなドアの所にいつまでも居ないでさ、こっちおいでよ」手招き
最原「う、うん…」スタスタ…白銀の近くの椅子に座る
白銀(最原くんがわたしに無意味に近づくとは思えないし…、一体何が狙いなんだろ…)
最原「えっと、白銀さん、この教室で1人で何してたの?」
白銀「うーん…、別に何してたってわけでもないんだけどね…」
白銀「AVルームは空いてないみたいだし、お腹が空いてるわけでもないし、本を読む気分でもなかったからさ、ただぼーっとしてただけみたいな?」
最原「そうなんだね」
2人「…………」
白銀(……話下手か!)
白銀(まあ折角だから、今朝のことを訊いてみようかな?)
白銀「ねえ最原くん、結局今朝は王馬くんと部屋で何話してたの?」
最原「えっ…、別に大したことじゃないから気にしなくていいよ…」
白銀「大したことじゃなくても大丈夫だよ!」
白銀「わたし、最原くんのことなら何の話でも聞きたいからさ」
最原(……あんまり隠しても怪しまれるか?)
最原(話題も特に思いつかないし、差し支えない程度なら話してもいいよね)
最原(人間明らかな嘘をつくと表情や態度に出ちゃうし、適度に本当のことも言っておかないとね…)
最原「…実は、王馬くん僕の部屋に泊まったんだよね」
白銀「へー、お泊り?仲いいんだね」
最原「モノタロウがお泊り会したいって言うからさ…」
白銀(ほーん。つまりモノタロウも最原くんの部屋に泊まってるってことなんだね)
白銀(モノクマーズの元に帰ってないんだ…。なるほどね)
白銀「一緒のベッドで寝てるの?」
最原「まさか!床に布団敷いて寝てもらってるよ」
白銀「うーん、でもお泊りかー。羨ましいなー」
最原「女子同士でもそういうのしたら良いんじゃないかな?」
白銀「わたしも最原くんの部屋に泊まりたいんだよね」
最原「異性が同じ部屋に泊まるのはどうかと思うけど…」
最原「白銀さんはあまり意識してないかもしれないけど、そういうことして間違いがあったらどうするんだよ…」
白銀「わたし、最原くんならいいよ?」
最原「僕は良くないよ」
白銀「そっかー…、残念だなぁ…」
白銀「ねえ最原くん、わたしのどこがいけないのかな?」
最原「えっと…、大胆すぎるところがちょっと苦手かな…」
白銀「今流行りの肉食系女子だよ?」
最原「僕はちょっと、肉食系女子は勘弁してほしいかな…」
白銀「大丈夫!肉食系の前に女の子はお花だから!」
白銀「お花なら草食系男子の最原くんも食べられるよね?」
最原「白銀さんはお刺身の上に乗ってる生花のタンポポを食べたりするの?」
最原「しないでしょ?僕も花は食べないよ」
白銀「肉も食べない、花も食べない…」
白銀「じゃあ最原くんは何を食べるの!?」
最原「野菜と魚かな…」
白銀「最原くんはもう少しがっついた方が良いと思うよ?」
白銀「頑張って女の子食べてみよう?」
最原「カニバリズムはちょっと……」
最原(……って、何の話をしてるんだ…)
最原(まあ時間が潰れるなら何でもいいけど…)
白銀「じゃあさ、最原くんはこの才囚学園に居る人達の中なら誰が好きなの?」
最原「えぇっ…、別に…、みんな好きだよ…」
白銀「適当に答えちゃダメだよ!」
白銀「あ、じゃあさ、アニメのキャラなら誰が好きとかある?」
最原「別にアニメのキャラを好きになったことはないかな…」
白銀「冷めてるなぁ…」
白銀「一般人でもさ、ルパンが好きとかルフィが好きとか、あるんだよ」
白銀「一般男性の好みはちょっと知らないけどさ…」
最原「そんなこと言われてもなぁ…」
最原(やっぱり、白銀さんと話するのは疲れるな…)
白銀(……ひょっとしなくても、最原くんって自分がどうでもいいと思った話題には凄い適当に答えてるよね…?)
白銀(失礼しちゃうなぁ、ぷんぷん!)
白銀(…ちょっと本気出しちゃおっかな?)
白銀「ねえ、最原くん…」おもむろに眼鏡を外す
最原「何?白銀さん」
白銀「……」
最原「……?」
白銀「…いや、なんか無いの?」
最原「何が?」
最原「…あ、えっと、…はいどうぞ」つティッシュ
白銀「は?」
最原「眼鏡拭きたいんだよね?」
白銀「そうそう!眼鏡を拭くものが欲しかっt…って、違うよ!」
白銀(何でわたしはノリツッコミさせられてるのかな…)でも折角なのでティッシュを貰ってレンズを拭く
白銀「もう…、『わたし眼鏡外したら結構可愛いでしょ?』ってことをアピールしたかったんだよ」
白銀「自分で言うのもなんだけどさ…」
最原「…?サングラスならともかく、眼鏡1つじゃ別に印象なんて変わらないよ」
最原「特に白銀さんはフレームが薄いし」
白銀「…わかったよ、もう…」
白銀「本当に本気出してみるんだからね!」席を立つ
最原「白銀さん?どこへ行くの?」
白銀「自室にメイクセットを取りに行くんだよ」
白銀「ガチメイクして最原くんを見返してあげようと思ってね!」
最原(!?だ、ダメだ…!今自室に行かせると王馬くん達が部屋を漁っているのが見つかってしまう…!)
最原「し、白銀さん待って…!」腕を掴む
白銀「ん?どうしたの最原くん?」
最原「えっと…、僕メイク濃い人ってあんまり好きじゃないんだよね」
最原「だから本気出してメイクされても、絶対ときめかないっていうか…」
最原「というか白銀さんって、そんなにメイクしなくても元々綺麗な顔してるじゃないか」
白銀「本当にわたしのこと綺麗な顔してるって思ってるの?」
最原「思ってるよ」
最原「ただ僕の好みではないってだけで、世間一般的に見たら充分美人だよ」
白銀「うーん…」
最原「だからメイクしない方がいいって」
白銀「いや…、わたし今の状態でも軽くメイクしてるんだけどね…?」
最原「えっ」
白銀「ナチュラルメイクだよ」
最原「…ど、どこをメイクしてるの…?」ジロジロ
白銀「うーん…この童t…げふんげふん」
白銀「最原くんみたいにすっぴんで色白美人って、ほんとに貴重なんだよ?」ガン見し返し
最原「美人とか言われても…」
白銀「あ、そうだ」
白銀「最原くん、メイクさせてよ!」
最原「は!?」
白銀「ただでさえ美人な最原くんがメイクしたら、どれだけ可愛くなれちゃうのか気になってきちゃって」
最原「いや、でも…」
白銀「大丈夫大丈夫!そんなにガッツリはしないからさ!」
白銀「この手持ちの化粧ポーチだけでやるから!」つ化粧ポーチ
最原(自室に行かないなら…まあいいか…?)
最原(やられている間は話題に困らないし、まあ終わったら落とせばいいし…)
最原「…じゃあ、いいよ…」
白銀「やったあ!じゃあまず軽く顔洗ってきてくれない?」
白銀「あ、これで前髪押さえてね」つヘアバンド
最原(…なんか、本格的にされそうだ…)
ーーー
白銀「最原くん、ほらリラックスして。力まれるとやりにくいから」
最原「やっ、ちょっと…、無理だよ…」
白銀「大丈夫だって!わたしを信じて身を委ねてよ!」
最原「だってこんな…こわいよ…」
白銀「大丈夫大丈夫、みんなやってるから!」
最原「こ、こんなことしなくてもいいだろ…」
白銀「うふふ…。可愛いよ、最原くん…」
最原「……くっ、ダメだ…」うるうる
白銀「あ、泣かないで!折角の可愛い顔が台無しになっちゃうから!」
最原「でもこれ…凄く目に染みるんだよ…」
白銀「まあ、つけまノリってちょっと刺激あるからね…」
白銀「でも最原くんがビューラー恐いって言うから、つけまにしたのになぁ…」
最原「しみる……」涙ホロリ
白銀「基本ウォータープルーフ使ってるけど、溶けちゃうかもだから我慢しようね―」ティッシュで涙拭い
白銀「じゃあ目と眉終わったし、一旦前髪下ろそうか」ヘアバンドを取る
最原「どう…?」
白銀「んー…」髪を櫛で整える
白銀「ビューラー使わなかったから自まつとつけまが別れてるから、マスカラでくっつけちゃおっか」
白銀「最原くん、顔の向きそのままで上目遣いしてー」マスカラ開ける
最原「こ、こう…?」
白銀「……うん、オッケーだよ」
最原「終わった?」
白銀「顔そのままで、ついでに下まつ毛にも塗っちゃおっか」塗り塗り
最原「待って、くすぐったい…」プルプル
白銀「あ、動かないで!目に入ったら地味に危ないから!」左手で後頭部を押さえる
白銀「…まつ毛って触れると、凄くくすぐったいよね、わかるよ」塗り塗り
白銀「自分でやっててもくすぐったくなっちゃうもん」塗り塗り
白銀(……くすぐったさを堪えてる顔がエロいなぁ…)
白銀「よし、目は終わりだよ!」
最原「『目は』!?」
白銀「チークいくよー」塗り塗り
最原「…あの、あんまり僕に塗っても化粧品の無駄だよ…」
白銀「大丈夫!楽しいから問題ないよ!」
白銀「じゃあ次は鼻筋ハイライト軽く入れるね」塗り塗り
最原「え、そんなところも塗るの?」
最原「何の意味があるの…?」
白銀「こうすると鼻が高く見えるんだよ」塗り塗り
最原「へぇ…」
白銀「あっ……」
最原「どうしたの?」
白銀「最原くんの肌が白すぎて、ハイライト入れても全く見えないんだよ…」
最原「…………」
白銀「じゃあ次口紅ね」
最原「いや流石にそれは…」
白銀「ここまで来たらやらないと!」リップブラシ構え
最原(というか、あのポーチに一体幾つの化粧品が入ってるんだ…)
最原(最初に眉まで軽く整えられたぞ…)
白銀「口紅塗ってー、グロスも塗って―…」塗り塗り
白銀「よーし、出来たよ最原くん!最強モテカワメイクだよ!」つ鏡
最原「…………うわぁ…」鏡を見る
最原(化粧が濃い…)
最原(でも流石は超高校級のレイヤー、凄くメイクが上手いな)
白銀「あ、折角可愛いメイクしたんだし、前髪よけておでこ出して顔がよく見えるようにしちゃおっか!」櫛で前髪を横に流す
最原(……誰だこれ…)
最原(ただでさえメイクが濃くて誰おま感あったのに、前髪まで変えられるといよいよ自分の顔がわからなくなるよ…)
白銀「どうかな最原くん!超高校級のレイヤーのメイクの出来栄えは!」
最原「…うん、なんというか流石だよ」
最原「自分の顔がわからなくなってくるよ…」
白銀「可愛いでしょー?」
白銀「カノンドスっぽい可愛い雰囲気に仕上げてみました!」
白銀「カノンドスはメイク薄め設定だけど、イメージメイクだし多少はね?」
最原(よく分からないけど、アニメかなにかのキャラクターなんだろうな…)
白銀「最原くんってクールビューティーな感じだけど意外とキュート系も似合って、わたし的にはこれもアリかなって感じだよ!」
最原「…えっと、じゃあ、落とすから…」
白銀「えっ!もう落としちゃうの!?」
白銀「こんなに頑張ったのに!?」
最原「そんなこと言われても…」
白銀「うーん…、まあ本人が落としたいって言うなら仕方ないかな…」
白銀「じゃあ、クレンジングオイル取りに部屋に行ってくるね」席ガタッ
最原「!!?ま、待って!」腕ガシッ
最原「やっぱり折角だから、もう少しこのままで居るよ…」
白銀「そう?あ、ひょっとして気に入ってくれた?」
最原「う、うん…」
白銀「嬉しいなぁ!」
最原「自分じゃない、他人になれてるみたいな感覚になれてちょっと楽しいよ…」
白銀「ほほう、最原くんはコスプレをするとハマりそうなタイプですな!」
最原「そ、そうかも…」
白銀「うんうん、いいねいいね!」
白銀「今度また素敵なキャラクターにしてあげるね…。ふふっ…」
最原(くそっ、早く落としたい…)
最原(結構長時間メイクされたと思うけど、王馬くん達はまだなのか…?)
白銀「あ、つけまは外した後捨てないでね?」
最原「あ、うん。返すよ」
白銀「じゃあまあ、忘れない内につけまケース渡しておくね」つケース
最原「うん」受け取る
ーーー
最原(話題が…、そろそろ話題が尽きてしまう…)
王馬「やっほー!」ドアガチャッ
最原(あ、やっと来た)
最原(キーボくんは居ないのか…)
王馬「…あれ?何その顔」スタスタ
最原「……白銀さんにメイクされたんだよね」
王馬「ほうほう」
白銀「可愛くない?良い出来だと思うんだけど!」
モノタロウ「うん、可愛いと思うよ」
王馬「まあ可愛い方なんじゃない?」
王馬「でも、チワワ百匹分に匹敵するオレの可愛さには敵わないよね―!」
白銀「チワワ千匹分の可愛さになってみない!?」化粧ポーチ取り出し
王馬「実はオレ、肌がすっげー弱いんだよね…」
王馬「だから化粧品なんてつけたら、硫酸ぶっかけられたみたいな肌になっちゃうんだよぉおおおおおおおうわああああああん!!」
白銀「パッチテストしよっか!」手の甲に化粧品をつける
王馬「だからやめてってば!」
白銀「よいではないか!よいではないか!」腕グイーッ
王馬「なりませぬ、なりませぬ!!」抵抗
最原「……お腹すいたな…」グーッ
白銀「じゃあ、お昼ご飯食べに行こっか」
最原「え?えっと…」王馬の方をチラッと見る
王馬「うん、いいんじゃない?お昼時だし」
王馬「オレも食べよっかな―」
白銀「じゃあ3人で食べよっか」席ガタッ
最原「…そうだね」ガタッ
王馬「調理は終一ちゃんよろしくー」
最原「えぇっ…、まあいいけど…」
最原(オムライスを作らされた…)
ー食堂ー
最原(そろそろ見張り交代の時間か…)皿洗いガチャガチャ
最原(そこで今回の結果を話すんだろうな…)
王馬「ねえ、そろそろ行こうよ」
最原「うん、そうだね」スタスタ
白銀「あ、お皿洗いお疲れ様」モノタロウと遊んでる
最原「白銀さん、僕達他の所に行くね」モノタロウを抱える
白銀「え?ああ、うん」
白銀「じゃあね…?」手フリフリ
最原「?うん」スタスタ
最原(なんか反応がおかしいな…)
王馬「あ、先倉庫行っていい?」スタスタ
王馬「用事すぐ終わるから」ドアガチャッ
最原「うん、別に構わないけど…」
ー隠し通路ー
最原「ねえ、そろそろ教えてくれていいんじゃないの?」スタスタ
王馬「まあまあ、マザーの部屋についてから話すよ」スタスタ
最原「…白銀さんの部屋で何か見つけたんだね?」
王馬「まあ……うん、そうだね」
最原(歯切れ悪いな…)
ーマザーモノクマの部屋ー
王馬「2人ともおっつかれー!」スタスタ
天海「ああ、交代の時間っすk……!?」
百田「おお、もうそんな時間d……!!??」
最原「…?2人とも、どうしたの?」
百田「いや、どうしたはこっちの台詞だろ!?」
百田「どうしちまったんだ終一!?」
最原「え?」
天海「可愛すぎてこんなの妹不可避っすよ」
最原「ちょっと何言ってるのかわからないんだけど」
王馬「すっかり忘れてるようだから、オレが教えてあげるね!」
王馬「化粧落とし忘れてるよ!」
最原「!!?」
最原(だから食堂を出る時、なんか白銀さんの態度がおかしかったのか!)
最原「ちょっと王馬くん!ここに来る前に教えてくれても良かったんじゃない!?」
王馬「にしし、だって訊かれなかったからね!」
王馬「訊かれなかったら教えなくていいんでしょ?」ニヤニヤ
最原(デスロードのこと言わなかったから、その仕返しか…!)
最原(クソッ、まさか根に持っていたなんて…)
最原(王馬くんは見た目と名前の通り小さい男なんだな…)
百田「何でそんなことになったんだ…?」
最原「白銀さんに遊ばれたんだよ…」
天海「納得のメイククオリティっすね」
最原「次の交代までこのままの顔か…」
王馬「ここの見張り中は洗顔行けないもんね」
最原「トイレを通る時、鏡の方を一瞬でも見れば良かったよ…」
王馬「落とせるのは、交代の夜時間になってからだね!」
最原「東条さんにも見られるのかこれ…」
王馬「あそこで今作業中の入間ちゃんにも、声かけて見せてきななよ!」
最原「作業の邪魔になるだろ…」
王馬「いい気分転換になると思うよ?」
最原(また変な蔑称が増えそうだし、入間さんには絶対見せたくないな…)
入間「おいチンカスども!また解析が進んで新たな情報が…」クルッ
入間「…………!!?」
最原(タイミング最悪じゃないか…)
入間「…なんつーか、笑ってやろうと思ったが変じゃないから笑いにきーな」ジロジロ
最原「…それで、新たな情報っていうのは?」
入間「おい誰か、使い捨てカメラとか持ってね―のか?」
最原「やめろ」
王馬「オレ持ってるよ!」つ使い捨てカメラ
入間「よーし、オレ様が撮ってやるよ厚化粧原!」パシャパシャ
最原「そんなのはどうでもいいから、さっさと情報教えろよ!!」テーブルバンッ
入間「ひっ!?な、なんだよぉ…」
入間「オレ様はずっと解析作業してて疲れてんだよぉ…」
入間「ちょっとくらい休憩してもいいじゃねーか…」
天海「ずっと液晶画面を見てて疲れてるだろうし、たまには気分転換すべきだと思うっすよ」
入間「だよな!?」
最原「入間さんが休憩するのは勝手だけど、僕を撮って良いことにはならないよ」
最原「壁尻の件といい、肖像権の侵害で訴えるからね」
王馬「肖像権っていうのは法律で明文化されてないものだから、別に法律違反でも何でもないよ?」
最原「確かに肖像権は法律で明確に定義はされてないけど、判例があるから充分訴えられるからね」
最原「そして僕は勝つ自信があるよ」
天海「そもそもこの学園は治外法権じゃないっすか」
最原「勿論外に出てから訴えるよ」
最原「別に、この学園にあるっていう裁判場を使ってもいいけど」
マザーモノクマ「えっ!?学級裁判場をそんなことに使っちゃうの!?」
マザーモノクマ「ちょっとちょっと…、神聖な裁判場の記念すべき最初の裁判が肖像権を巡る問題とか…、そんなの地方裁判所でやってよね!」
最原「じゃあさっさとここから出せよ」
マザーモノクマ「それはダメでーす」
入間「確か被写体の同意があれば、撮っても肖像権の侵害にはならねーんだよな…」
入間「撮らせやがれ白塗原!」
最原「許可するわけないよね」
最原「あと顔の白さは元々だよ、白塗り顔で悪かったな」
百田「おいお前ら!終一が嫌がってんだからやめろよ!」
最原「大正義解斗くんはやっぱり僕の味方なんだね…!」
百田「当たり前だろ!ボスが助手の味方をしねーでどうすんだよ!」
最原「はぁ…、一生ついて行く…」
王馬「てかオレ飽きてきちゃったし、この話題はこれくらいにしようか」
王馬「で、入間ちゃん新しい情報って何?」
入間「え?終わりかよ…」
入間「あー…、えっと、初回のダンガンロンパについての情報が出てきたんだ」
天海「ダンガンロンパ…?って何っすか?」
最原「聞いたことない単語だね」
百田「ダンガン…って、拳銃の弾ってことか?」
王馬「ロンパって、『論破する』の論破?」
入間「その用語に対する解説みたいなのは見当たらなかったから、詳しいことはわかんねーな」
入間「でも色んな文章を照らし合わせてみると、オレ様達が今やらされてるこのコロシアイゲームのことを指してるみたいだったぜ」
王馬「へえ、『ダンガンロンパ』っていうんだ。このゲームは」
入間「多分な」
百田「なんでそんな造語なんだ?」
百田「もっと分かりやすく『コロシアイゲーム』とかでいいんじゃねーのか?」
王馬「カッコイイ名前付けたかったんじゃないの?知らないけど」
天海「もしくは他のコロシアイゲームと区別するために、そういう名前を付けたんじゃないんすかね?」
入間「てか名前なんてどうでもいいだろ!」
入間「問題は中身だ、中身!」
入間「初回のダンガンロンパはコンピュータゲームだったってあるんだよ」
最原「コンピュータゲームか…」
最原「53回は少なくとも行われてきたらしいし、それなら納得だよ」
最原「現実の人が53回分も誘拐されてきてたら、凄い人数になっちゃうからね」
最原「何で今では現実の人間がこれをやらされているか知らないけど、こういうリアルでやらされるようになったのはつい最近のナンバリングからじゃないかな?」
最原「もしかして僕らのこの回からだとか…」
天海「なるほど。それならニュースで超高校級の誘拐事件を見たことなくても納得っすね」
百田「つまり、殺された早見なんて女は居なかったってことだな」
最原「本当に居なかったのかどうかはわからないけど、まあ彼女の名前をニュースでは見たことないから…」
王馬「仮にも高校生だから、実名報道されてないだけじゃない?」
最原「うーん…。でも超高校級って参政権もあるし、大人扱いされてそうだから何かあったら実名報道されてそうなものだと思うけどな」
天海「…とりあえず、もう少し入間さんの解析した情報を聞かないっすか?」
最原「そうだね」
入間「それじゃあ続きだけどよ…」
王馬「ねえ、その前に1ついい?」
王馬「気がついたらさっきからモノタロウがパソコン触ってるけど、あれはいいの?」
入間「ああ、時間が勿体無いからオレ様がパソコンに触ってない時は代わりに解析するように頼んでたんだよ」
王馬「ふーん…」
入間「で、続き話すぜ?」
王馬「うん、どうぞ」
入間「その初回のダンガンロンパっていうコンピュータゲームでは、物語の舞台である希望ヶ峰学園っていう学校に通っていた16人の超高校級の高校生を、学園に閉じ込めてコロシアイをさせたって内容なんだが…」
百田「ほぼオレらのこの現状と同じ内容じゃねーか!」
天海「そのゲームのファンで異常者な大金持ちが、ゲームを現実に再現しようとして俺達を誘拐してきた説がいよいよ濃厚なんじゃないっすかね?」
最原「そうだとすると、凄く迷惑な話なんだけど…」
最原「そのゲームがたまたま『超高校級』なんて現実にある制度を利用した物を作ったばっかりに、僕達がこんなことに巻き込まれることになるなんて…」
最原「勿論、悪いのはそのコンピュータゲームの製作会社じゃなくて、こんなことを現実に再現しようとした異常者の方だけど…」
王馬「入間ちゃん、他にわかったことは?」
入間「あと分かったことは、そのコンピュータゲームの登場人物のプロフィールや、そのゲーム内での事件くらいだな」
入間「この辺はあんまり今回の件には関係ねーだろ」
天海「所詮コンピュータゲーム内での話っすからね…」
入間「あ…でも、あれだ」
入間「モノクマっていうのは、このコンピュータゲームのマスコットキャラだったらしいぞ」
最原「ゲーム版のリスペクトってことで、その辺も再現してるのかな?」
王馬「こっちの世界のモノクマは、最早影めっちゃ薄いけどね」
天海「ずっと姿見てないっすからね」
入間「そんな感じで、今回の解析でわかった情報はその第1回目のコンピュータゲームに関することだけだな」
王馬「首謀者に関する情報は?」
入間「まだわかんねーな」
王馬「ふーん、そう。確信が欲しかったんだけどな…」
天海「確信?ある程度首謀者の予想がついてるってことっすか?」
王馬「うん、まあ」
天海「よかったら聞かせてもらえないっすかね?」
王馬「うーん…。蘭兄ちゃんはいいんだけど、百田ちゃんと肉便器に聞かせるのはまだちょっとアレかなって思って…」
入間「最近、まともに呼ばれることが多くなってきたと思ってたのにぃ…」
百田「あ!?何でオレらには聞かせられね―んだよ!?」
王馬「2人は態度に出やすそうだから、まだ問い詰める準備が完了してない内から態度に出て首謀者にバレたら嫌だなーって思ってさ」
王馬「というか百田ちゃんに関しては、本人に特攻して問答しそうだし…」
百田「何でオレの行動を見透かしてんだよ…」
百田「確かに本人に問いただすつもりだし、場合によっては説得するつもりだぜ」
王馬「うわバカかよ、マジでそうする気だったのかよ」
天海「解斗君、流石にその行動は軽率だと思うっす」
百田「わ、わかった…。準備が出来るまでその首謀者候補には普通に接してればいいんだな」
王馬「って言われても、百田ちゃんってバカ正直だからやっぱり不安だなー」
王馬「本音だよ?」
百田「オレが信用ならねーって言うのかよ!?」
王馬「うん」
百田「て、てめぇ!」
最原「わ、解斗くん抑えて!」
百田「終一!テメーはどっちの味方だ!?」
最原「えっ」
百田「オレの助手ならテメーはオレのこと信用出来るよな!?」
最原(正直、王馬くんの意見に賛成なんだけど…)
最原(解斗くんって正直すぎるから、態度に出そうだなぁ…)
最原(そこが良いところでもあるんだけど…)
最原(…でも嫌われたくないしなぁ…)
最原(……まあ、天海くんに解斗くんの動向や挙動を見張ってもらえば大丈夫かな)
最原(本当は僕が責任を持って解斗くんに付いてるべきだけど、見張り時間の関係上それは無理だし…)
最原(ポンコツなところもあるけど、頭のいい彼ならきっと何かある前にフォロー入れてくれるだろうし)
最原(…うん、天海くん任せたよ!)
最原「勿論、僕は解斗くんのことを信用してるよ!」
百田「だよな!」
王馬「えー…」
最原「でも入間さんは信用してないよ」
入間「贔屓かよ!?」
入間「…いや、オレ様としてもあまり面倒事に巻き込まれるのはごめんだからいいけどよ…」ヘッドホンを装着して解析作業に戻る
百田「蘭太郎もオレのこと信用出来るよな?」
天海「いや俺は正直…」
最原「蘭太郎お兄ちゃんも僕と同じ意見だよね!?」
天海「はい、解斗くんにはそれはもう絶対の信用を寄せてるっす」
王馬「ポンコツばっかかよ…」
百田「そもそも、確信が無いってことはまだそいつが首謀者かどうかわかんねーってことだろ?」
王馬「まあ、首謀者が仕組んだ罠の可能性もあるからね」
王馬「じゃあ、それを踏まえた上で聞いてほしいんだけど…」
王馬「現状、首謀者として1番疑わしいのは白銀つむぎだよ」
百田「な、なんだって!?」
最原「そんな気はしてたよ、王馬くんの態度的に」
天海「理由を聞いてもいいっすか?」
王馬「実は昨日から空き時間に、女子の個室にキー坊とモノタロウと3人で忍び込んで部屋に首謀者っぽい物がないか探してたんだけど…」
百田「!?ま、待て待て待て!!」
百田「色々と言いたいことが多すぎるぞ!?」
百田「まず何で女子の部屋に忍び込んでんだよ!?」
王馬「そんなこともわからないの?」
王馬「じゃあおバカな百田ちゃんの為に説明してあげるけど、この隠し部屋に繋がる隠し通路は女子トイレにあるじゃん?」
王馬「隠し通路を使う為に女子トイレに行っても怪しまれない人物って、女子じゃん」
王馬「つまり、ほぼ確実に首謀者は女子だよ」
百田「そ、そんなの、裏をかいて女子トイレに隠し通路を設置した男の仕業かもしれねーだろ!?」
王馬「バカかよ。そんなことしちゃったら、いざ隠し通路を使いたいってなった時に女子トイレに入るところを他の人に目撃されちゃったら、変態扱い不可避じゃん」
百田「た、確かに…」
王馬「はい他に質問はー?」
百田「えーっと…、何でキーボまで一緒に女子の部屋に入ったんだよ」
王馬「それは成り行きだね」
王馬「最初の女子の部屋の鍵をピッキングしてるところをキー坊に見られちゃったんだよね」
王馬「だから仕方ないから説得して、そのまま女子部屋暴きの仲間になってもらったってわけ」
天海「キーボ君はどこまで知ってるんすか?」
天海「この部屋のこととか、俺達の見張りのこととか知ってるんすかね?」
王馬「その辺のことは言ってないよ」
王馬「訊かれなかったし…、男女関係なしに何かの順番にオレが部屋を暴いていってると思ったんじゃない?」
王馬「まあ、オレが終一ちゃんと組んで女子部屋暴きをやってるってことだけは説明したけどね」
百田「終一も知ってたのか!?」
最原「うん…。僕もそれが手っ取り早いと思って王馬くんに協力して、王馬くんが女子部屋の探索中は僕が部屋の主を引きつけてたんだよね」
百田「お前なぁ…、ボスのオレにホウレンソウはきちんとしろよな」
最原「ご、ごめん。頭がいっぱいいっぱいで考えつかなかったよ…」
最原(こんなこと言えるわけないじゃないか…)
百田「ったく、しょうがねーやつだな」
百田「次からはちゃんとやってくれよな!」頭がしがし
最原「わわっ!…うん、次は気をつけるね」
最原(ケースバイケースで)
天海「髪がボサボサになっちゃったっすね」櫛で梳く
王馬「…で、質問は以上かな?」
百田「まだ肝心なことを訊いてねーぞ」
百田「テメーは何で白銀を首謀者だと思ってんだよ!」
王馬「それは今から話そうと思ってたんだけどな」
王馬「そもそも、そっちがオレが話すのをわざわざ止めて質問してきたんじゃん」
王馬「とりあえず他人の話は最後まで聞こうよ」
百田「そ、そうか。わりぃ…」
王馬「じゃあ改めて説明するけど、3人…いや、オレと2匹で忍び込んで部屋に首謀者っぽい物がないかを順番に探してたんだけど、キー坊が首謀者の物っぽい証拠品を見つけてくれたんだよね」
百田「それは何なんだよ」
王馬「モノクマのカラーリングをしたカードキーだよ」
王馬「多分、図書室の隠し扉のカードキーじゃないかな?」
王馬「『図書室の本棚を動かしちゃいけない』っていう追加の校則のせいで確かめられないけど、現状他にカードキーを使う所なんて見つけてないし、あそこのだと思うよ」
最原「カードキーか…。ちなみに部屋のどこで見つけたの?」
王馬「ん?見つけた場所なんてどうでも良くない?」
最原「全然どうでもよくないよ」
最原「そこから推理できることだって あるかもしれないじゃないか」
王馬「ないよ」
最原「何でそう決めつけるの?何か不都合なことでもあるの?」
王馬「いや…」
最原「もしかして何か隠してるんじゃないの?」
王馬「そんなのないって」
最原「じゃあ教えてよ。言えばすぐ終わることじゃないか」
王馬「真実絶対追求するマンやめよ?」
最原「情報の取捨選択は僕がするから、早く教えて」ずいっ
王馬「何か終一ちゃんってオレに対して手厳しくない?」
最原「話を逸らさないで、ちゃんと教えてよ」
王馬「何、カードキーの隠し場所に親でも殺されたわけ?」
最原「早く教えてってば」
王馬「あーもう!うるさいなぁ!」
王馬「わかったよ、教えてやるよ!」
王馬「クローゼットの中の着替えのストックの1番奥にあったブラジャーの内側のパッドを入れるポケットの中だよ!」
王馬「これで満足した!?」
最原「……うわぁ…、そんなところまで調べたんだ…」
王馬「教えろって言われたから教えてあげたのに、引くなよ」
王馬「言っとくけど、見つけたのはキー坊だからね!」
王馬「クローゼットはキー坊の担当だったんだからね!」
最原「いいよ、そんな必死に言い訳しなくても…」
王馬「嘘じゃないよ!ホントだよ!!!!」
天海「蘭太郎お兄ちゃんは小吉君のことを信じてるっすよ!」b
王馬「蘭兄ちゃウェアアアンヴ(ジュル)ヤェャァァァ↑アイィヤエ↑ヤゥィゥ!!!」天海に抱きつく
天海「ちょ…、涙はともかくとして、ヨダレと鼻水を俺の服に押し付けるのは止めてほしいっす…」
王馬「ぶえっくしょい!」ズビズビ
天海「ちょ」
王馬「あー、泣いたらスッキリした」
天海「……何で味方したのに、服をこんなにぐしょぐしょにされないといけないんすかね…?」服をティッシュで拭う
最原「王馬くんの味方なんてするからだよ」
王馬「終一ちゃんってば、ほんっとオレに手厳しいよね!」天海の服で鼻かみチーン
天海「あの、ティッシュあるんで…、ダメ押しやめてほしいっす…」つティッシュ
最原「それにしても、白銀さんってパッド入れてたんだ…」
百田「気になるのそこなのか」
天海「終一君、最近のブラジャーは大体デフォルトでパッドポケットがついていて、胸の形を綺麗に見せるためにデフォルトで薄めのパッドが入ってるんすよ」
最原「!!!??それって詐欺じゃないか!」
王馬「童貞丸出しかよ、恥ずかしいなぁ…」
最原「ということは、入間さんも盛っているのか…!?」
王馬「ヘッドホンしてるから本人には今聞こえてないとはいえ、よく本人の近くでそんなこと言えるね…」
王馬「いやー、それにしても巧妙な場所に隠したよね」
王馬「まあ、首謀者が白銀ちゃんを嵌めるためにワザと仕込んだって可能性も否定できないけど」
王馬「でもそれなら本人が着替えを変える時に気が付きそうな物だし、彼女の性格なら気がついたならみんなに言うだろうしね」
王馬「あと首謀者が白銀ちゃんを嵌める気なら、もう少しわかりやすい所に置きそうなもんだし…」
最原「確かにそんな隠し場所、男子はおろか女子さえそんなに注意深く気にしないよね」
最原「つまり、キーボくんはロボットの癖に変態なんだね」
天海「真顔でなんてこと言うんすか終一君」
王馬「キー坊を庇うのめんどいし、それでいいよ」
百田「庇ってやれよ!あいつのお陰で見つかったんだろうがカードキー!」
王馬「それにしても、女子トイレの隠し通路といい、ブラジャーのポケットのカードキーといい、なんかこう、男子を警戒してる感あるよね」
最原「探偵の僕や、特殊なモノパッドが与えられていた天海くんを警戒してるんじゃないのかな?」
天海「…あの、お兄ちゃん呼びは?」
最原「え?」
王馬「キミの同意が欲しくて一時的にお兄ちゃん呼びしただけに決まってんだろがバァーカ!」
天海「えっ!そうなんすか!?俺を利用したんすか!?」
最原「そんなことするわけないじゃないか」
天海「なんだ、それじゃあ小吉君の勘違いっすね」
王馬「頭めでたいなぁ…」
百田「おい、仲良しコントなんてしてないで、これからすることを決めようぜ」
百田「仮に白銀が首謀者だとして、どうすんだよ」
最原「ちょっと証拠としては弱いけど、現時点ではカードキーを白銀さんに突きつけて首謀者として問い詰めるしかないんじゃないかな?」
天海「一番良いのは、入間さんのマザーモノクマの解析の中で首謀者の情報が出てくるのを待つっていうことっすかね…」
王馬「それが出来るのがいつになるか分からないけど、複数の証拠が欲しいよねやっぱり」
最原「幸いこの部屋は僕達が押さえてるし、今のところ白銀さんは怪しい動きをしているようには見えないからまあ、長期戦になるかもしれないけどとりあえずは現状維持…って感じかな?」
百田「…………」
百田「ていうか、女子トイレの監視カメラを見たら白銀が首謀者かどうか確定するんじゃないか?」
最原「!確かにそうだね!流石だよ解斗くん!!」
最原「というか最初から女子トイレの監視カメラに目をつけてチェックしてればよかったね」
王馬「……あるの?トイレにカメラ」
最原「女子トイレのカメラなんてチェックしたことないからわからないけど、もしあったら王馬くんは女子の部屋を調べ損だったってことだね」
王馬「クソッ!」
天海「いやまあ、証拠は複数あるに越したことないっすよ」
最原「でもここへ出入りしてる映像があればもう首謀者だって一発だし、やっぱり無駄だったってことだよ」
天海「終一君、小吉君のことをもう少し思いやってあげて、ちょっとその意見は心にしまっててほしいっす」
最原「無駄なことを無駄と言って何が悪いの?」
王馬「もうやだこのパートナー」
最原「じゃあ王馬くんは、天海くんとでも組んだらいいんじゃないかな」
王馬「そうしたいのは山々だけど、多分もうここ見張る必要なくなるよね?」
王馬「あーもう損した!真面目に捜査したのに時間とSAN値無駄にした!」
天海「SAN値…何があったんすか…」
王馬「アンジーちゃんの部屋で名状しがたい何かを見てしまってぶっ倒れちゃったんだよ!」
最原「嘘だよね」
王馬「キー坊も言ってただろ!何でそうなんだよ!!」
最原「そんなこと言ってたっけ…?」
王馬「どうでもいいと判断したことは、すぐ忘れちゃうんだね」
王馬「終一ちゃんってば効率いい頭してて羨ましいなー!」
最原「そんなことより早く監視カメラの映像を見てみようよ」
王馬「皮肉すら受け流すんだね」
百田「王馬もいつまでも気にしてんなよ」
百田「そもそもテメーらがオレにちゃんとホウレンソウしてれば、こんなことにならずに済んだんだぜ?」
王馬「そんなの結果論じゃん」
最原「王馬くんその辺にしておかないと、めんどくさい女の典型みたいでいい加減うるさいよ」
天海「居ますよね…、いつまでも過去のことをグチグチ言う女性」
王馬「このくらいの愚痴も許されないんだね」
百田「まあ今回はたまたま結果が報われなかったけどよ、王馬は頑張って首謀者探ししてたんだしそれは認めてやらねーとな!」
最原「うん、そうだね」
王馬「百田ちゃんの上から目線も…、終一ちゃんのイエスマン(百田限定)も…、全部…ムカつく…!」プルプル
百田「かっかすんなよ!ここから出たらオレが美味い飯屋にでも連れて行ってやるからよ!」王馬の背中バシバシ
最原「え、僕も解斗くんと食事行きたいな」
百田「おう!みんなで行こうぜ!」
天海「まあ…、みんなで美味しいレストランに行く為にもさっさと首謀者を追い詰める必要があるっすね」
最原「じゃあ入間さんに女子トイレの過去ログ探してもらおうか」スタスタ
最原「入間さん、ちょっといいかな?」肩トントン
入間「セクハラだぞムッツリ原!」ヘッドホン外す
最原「女子トイレの過去の映像を調べて欲しいんだけど、お願いできるかな?」
入間「ムッツリかと思いきやオープンスケベ原かよ!」
最原「出来れば最初ら辺の記録を探ってほしいんだよね」
最原「首謀者が女子トイレの隠し扉を出入りしている記録があるはずなんだけど…」
入間「ほーん、なるほどな」カチカチ
入間「でもあの女子トイレの中って実は何故かカメラが少ねーんだよな」カチャカチャ
百田「プライバシーの為か?」
王馬「やっぱり、この部屋を今みたいに乗っ取られた時のことを警戒してるんじゃない?」
天海「それでも完全にカメラを退けないのは、そこで何かあった時の為でしょうね」
天海「具体的には…殺人事件っすけど」
入間「可動式カメラだからな、どういう仕組か知らねーが2人以上がトイレに入ってきたら人物を追うようになってるみたいだな」カチャカチャ
入間「よし、初日の初っ端のトイレのログあったな」ッターン
入間「ここから早回しで様子見すっか」カチャカチャ
王馬「っていっても大体トイレの入口映してるじゃんこれ」
天海「用具入れの辺りが映ってるのはないんすか?」
入間「だから、2人以上がトイレに入らない限りデフォルトはここ映してる1台だけなんだよ」カチャカチャ
入間「てかテメーら、さも当然のように監視カメラの映像見んのな。一応ここ女子トイレだぞ」
最原「通い慣れた場所だからね、もう何とも思わないかな」
王馬「てか入口のドアが映ってるだけだし」
天海「ドアを出入りしている人がいる映像…ってだけに見えるっすよね」
百田(これ見んのなんか恥ずかしいのオレだけなのか…)
王馬「うーん…、トイレに来てモノクマを製造する為にここに来るのにダッシュすればそんなに時間かからないし、ぶっちゃけここを出入りしている映像だけだとわからないよね?」
天海「いや、そうでもないっすよ」
天海「ちょっと手間はかかるっすけど、モノクマが製造されたであろう時間を絞り込んで、その時間に出入りしている人物をチェックすれば自ずと首謀者が絞られてくるハズっす」
天海「幸か不幸か、モノクマは何度も駄目にされてるから何度も製造されてるっすからね」
最原「時間を絞り込まなくても、何度も夜中にトイレに訪れる人物が居たら必然的にその人は怪しいよね」
最原「夜中の校舎のトイレに来る理由なんてないんだからさ」
百田「おお、確かにそうだな!流石はオレの助手!」
最原「解斗くんのアイデアあっての思いつきだよ」
入間「なるほどな、夜中な…」
天海「見ていくの時間かかりそうっすか?」
入間「早送りしてるとはいえ、人の出入りシーンなんて一瞬ずつだからな」
入間「見飛ばさない程度の速度だからまあまあ時間はかかるな、数日分あるわけだし」
天海「じゃあ解斗君は一旦、いつも通り赤松さん達と出口探しに行った方がいいんじゃないんすかね?」
天海「なるべく通常通り行動しないと、首謀者も警戒する可能性あるんで」
百田「ん?そうか。それじゃあ行くか」
百田「じゃあ蘭太郎も自由行動した方がいいんじゃないか?」
天海「まあ、そうっすね」
最原「…それじゃあ結果はまた後で教えるね」
百田「おう!それじゃあ後は宜しく頼むぜ!」スタスタ
天海「それじゃあまた夜に」スタスタ
最原「……じゃあ入間さん、後宜しくね」スタスタ
入間「えっ、もう見ね―のか?」
最原「うん、何か早送りの映像ずっと見てたら目が疲れちゃって」ソファに寝転がる
最原「それに何人が見ても結果は変わらないでしょ」小説を読む
最原「怪しいのは白銀さんってわかってるんだし、夜中に白銀さんが何度もトイレの出入りを目撃されたらほぼ確実じゃないか」
最原「あ、王馬くん忘れずにちょこちょこ真宮寺くんの方のリアルタイム見張りしててね」
王馬「キミってホントそういうやつだよね!嫌いじゃないよ!」
最原「そう」小説ペラリ
王馬「あーあーつまんないの。キー坊は弄り甲斐あったのに」メモ帳カキカキ
王馬「入間ちゃんはいこれ、首謀者がこの部屋を出入りしたと思われる時間帯リストだよ。ざっくりだけど一応ね」つ紙
入間「おう」受け取り
王馬「モノタロウはオレを癒やして」ギュッ
最原「ぬいぐるみ療法でぬいぐるみを抱きしめるという行為は、インナーチャイルド(心の中の子供の自分)を抱きしめる行為に相当するらしいから、実際癒やされるらしいね」
最原「王馬くんの場合は、インナーどころかアウターに子供っぽさがかなり滲み出しててアウターチャイルドって感じだけど」
王馬「モノタロウあいつ黙らせて」ブンッ
モノタロウ「うわぁっ!?」ドンッ
最原「うぐっ…!」
入間「仲良いなテメーら」
ーーー
入間「一応、ここの見張りを開始するまでの全部チェックが終わったぜ」
最原「結果はどうだった?」
入間「白銀のヤツが首謀者でぶっ決まりだ!」
最原「そっか…」
入間「で、これからどうすんだよ」
最原「今ここに居ない見張りメンバーにも情報を共有して、それからどう白銀つむぎを追い詰めるのか段取りを決めておきたいな」
最原「モノクマはここを見張りすることで封じてるけど、モノタロウ以外のモノクマーズはあっちの戦力だし、僕らが追い詰めてもエグイサル持ち出されたらどうしようもなくなっちゃうからね」
王馬「証拠突き出して追い詰めたら向こうは諦めて終わり…ならいいけど、抵抗されたり暴走して急に皆殺しされても困るしね」
最原「ここまで色々ルールを決めたりしてきた首謀者が、いきなりそんな皆殺しなんてするとは思えないけど、対策はするにこしたことはないかな」
モノタロウ「アドバイスすると、マップに表示されてない隠し通路は女子トイレからこの隠し部屋に行く通路しかないから、エグイサルは基本的には各部屋の中とかには入ってこれないよ」
モノタロウ「ああでも、図書室や体育館とかは両開きの扉があるからエグイサルも出入りできちゃうね」
王馬「そもそもエグイサルって、ちょっとした壁くらいなら壊せちゃうんじゃないの?」
モノタロウ「うん、壊せるね!」
最原「じゃあ体育館だろうと食堂だろうと、あまり意味はないのかな…」
モノタロウ「でもこの部屋なら、他のみんなもあまり壊したがらないと思うよ」
王馬「地下だしマザーが居るから…ってことかな?」
モノタロウ「うん。もし壊しちゃったら埋もれちゃうかもだし修理復興大変そうだもんね、地下は」
最原「つまり、エグイサルを封じたいなら白銀つむぎをこの部屋におびき寄せてから問い詰めるのがいいのか…」
最原「彼女が首謀者ならこの部屋に来るとモノクマを製造してしまうと思うけど、まあ、エグイサルよりは脅威にはならないか…?」
王馬「もしくはエグイサルが危害を加えに来ないことを祈って、みんなを食堂にでも集めてそこで白銀つむぎが首謀者だってバラしちゃう?」
最原「それも悪くないと思うけど…」
最原(どうしようかな…)
白銀を問い詰めるのは
①エグイサルを封じる為にマザーモノクマの部屋。見張り組が追い詰める
②エグイサルが来るかもしれないが食堂。他の生徒の前で首謀者だということを明らかにする
安価↓1
280 : 以下、名... - 2017/06/27 23:27:07.81 Qak2e8Rz0 844/1655百田東条の信頼得られそうな二人いるし2で
最原「白銀つむぎを追い詰めるのは食堂にしようか」
最原「生徒全員の前で全部話してもらおう」
王馬「オッケー、オレはそれでいいよ」
入間「で、いつヤるんだ?」
最原「その辺は他の3人に相談してから決めたいと思うけど、他の生徒が自然と集まりやすい朝食の時間なんていいと思うよ」
入間「朝食時の食堂か…」
入間「え、エグイサルが襲ってくる可能性もあるんだよな?」
入間「オレ様は例のフルアーマー着用して行くが、別に構わねーよな!?」
王馬「アレ着られると周りが危なくなるからやめろよマジで」
最原「ここまできて全員の目の前で殺人が起こるとか、冗談じゃないよ」
入間「何で天才発明家のオレ様の発明品が信用なんねーみたいな言い方してんだよ!」
王馬「だって前科あるじゃん」
入間「うぐっ…」
入間「ま、まあそれはともかくとして、その朝食の時間って明日のことだよな?」
入間「だったらオレ様は、もうマザーの解析をしなくていいのか?」
王馬「まあ確かにもう証拠は揃ってるけど…」
最原「うーん…」
①ギリギリまで解析を続けてもらう
②お疲れ様入間さん、もう大丈夫だよ
安価↓1
283 : 以下、名... - 2017/06/27 23:58:13.11 I0a3eIipO 847/16551
最原「証拠は多いに越したことはないし、解析によって何か重要な情報が見つかるかもしれないよね」
最原「なんなら白銀つむぎを問い詰める時は入間さんは寝ててもいいから、その分なるべく多くの情報を集めてほしいな」
入間「わかった。じゃあ今からいつも通り夜時間まで睡眠取るから、その後から…」
最原「え?今から取り掛かってよ」
入間「は!?」
最原「これが終わったら幾らでも休んでもらっていいから頑張ってね」つモノナミンV3
入間「なんとなく言葉遣いだけ優しげだけど、言ってること鬼畜すぎだろ!」
入間「そもそもオレ様は夜の見張り時間から基本起きっぱで…!」
最原「人間が自発的に眠らずにいられる期間って知ってる?」
入間「へ?」
最原「2週間だよ」
入間「そ、そうなのか」
最原「だから2徹くらい入間さんなら余裕だよ、頑張ってね」
王馬「解析、モノタロウじゃダメなの?」
最原「モノタロウは言ってしまえば黒幕側のロボットだから、出てきた情報の何が重要で何か重要じゃないかなんてわからないと思うんだよね」
最原「前の監視カメラ操作ソフトのプログラミングみたいに明確な目的があるならこちらも指示が出せるけど、マザーには他にどんな情報があるかなんてわからないから…」
最原「やっぱり人間に任せるのが1番だと思うんだ」
入間「さっさと何か見つけて寝るか…」カタカタ
最原「何か見つけたら終わりじゃなくて、朝食の時間まで続けるんだよ」
最原「プレゼントあげるからこれで頑張ってね」入間の周りにモノナミンV3を置きまくる
王馬「終一ちゃんみたいな人間は絶対人の上の役職につかせちゃいけないよね」
王馬「でもこういう人間が将来的に人の上の役職についちゃうんだろうなぁ…」
最原「王馬くん最近割りと思ってることそのまま喋るようになった気がするよね。主に僕に対して」
王馬「うん、歯に衣着せたくないなと思って」
最原「正直なのはいいことだね」
王馬「いや、正直とか嘘つきとかそういう問題じゃないよこれ」
ーーー
キーンコーンカーンコーン…
モノダム『…………』モニタープツッ
最原(夜時間になったな…)
最原(今日の見張りの時間は、比較的静かに過ごせて良かったな)
最原(入間さんはずっと黙々と解析を進めていたし、王馬くんはモノタロウを構い倒していた…というか完全にぬいぐるみ療法に浸ってたし…)
最原(無理もないよね。こんなところにずっと閉じ込められてコロシアイを強要されてるんだし、悪の総統とかいう訳のわかない肩書きを持ってる彼でも気が滅入るよね)
最原(多分これが僕がここの見張りをする最後の枠だと思うけど…)
最原(……色々大丈夫だよね?明日…)
最原(今のところモノタロウは僕達を裏切る様子はないけど、明日はどうなるかな…)
最原(心配してても仕方ないか…。裏切られる時は裏切られちゃうよね、相手は血も涙もないロボットだし)
最原(裏切られなかったらラッキーくらいに思っとこう)
東条「お待たせしたわね」スタスタ
最原「あ、東条さん…と、解斗くんと天海くん」
百田「よっ!」
天海「首謀者もわかったことなんで、改めて作戦会議した方が良いだろうなと思って来ちゃいました」
最原「うん、連絡する手間が省けて良かったよ」
東条「まだ私は細かい事情が聞けてないのだけれど、説明してもらってもいいかしら?」
最原「それじゃあ首謀者の正体と監視カメラの映像の件について話すけど…」
ーーー
最原「って感じかな」
東条「そう、やっぱり白銀さんが…」
百田「信じたくね―が、監視カメラの映像での確認でもそうなら実際そうなんだろうな…」
天海「残念っすね…」
東条「一応私も監視カメラの映像を確認してもいいかしら?」
最原「二度手間じゃないかな。白銀つむぎが首謀者なのはもう確定なんだし、作業中の入間さんの手を止めさせたくないんだけど…」
百田「終一、オレも映像の確認をするぜ」
最原「まあ確認する位置はもう入間さんもわかってるだろうし、時間もあまり取らないだろうしいいんじゃないかな」
最原「証言は多いに越したことはないし」
東条「それじゃあ少し確認させてもらうわね」スタスタ
東条「入間さん、ちょっといいかしら?」肩トントン
最原「…じゃあ僕はその間、東条さんが持ってきてくれたお弁当食べようかな」
王馬「お先いただきましたー!」
最原「うん知ってる。東条さんに説明してる時からめっちゃ食べてたね」
王馬「終一ちゃん!今日のデザートはチーズタルトだよ!めちゃくちゃ美味しいよ!」モグモグ
最原「ふーん」弁当モグモグ
王馬「あれ?あんまり興味ない感じ?」
王馬「じゃあオレが終一ちゃんの分も食べちゃおっかなー!」
最原「やめろ。お前なんかに食べさせない。僕が食べる」タルトの容器を引き寄せる
王馬「めっちゃデザート楽しみしてるんだね」
天海「なんせ東条さんの、約束された絶品の手作りデザートっすからね」
ーーー
東条「確認が終わったわ」
最原「納得してくれた?」
百田「まあ、一応な…」
東条「そういえばすっかり渡しそびれてたけど王馬君、キーボ君から受け取った使い捨てカメラの写真が出来たわよ」つ封筒
王馬「ああ、うんありがと」
最原「それは何の写真?」
王馬「例のカードキーの証拠写真だよ。もうあんまり意味のない物になっちゃったけどね」つ印画紙
天海「他にも印画紙が沢山入ってるみたいっすけど、他は?」
王馬「フィルムが勿体なくて撮ったキー坊とオレの写真だよ」つ封筒
最原「ほんと好きだね、フィルムの残りで遊ぶの…」紙ペラペラ
王馬「だって勿体無いじゃん?フィルムが」
天海「いいと思うっすよ」
東条「本題に話を戻してもいいかしら?」
王馬「どうぞ」
東条「白銀さんが首謀者で確定というなら、次にすべきことは彼女を問い詰めて首謀者ということを認めさせて、彼女を脅してでも私達をここから出させることよね?」
最原「うん」
東条「それはいつ行うのかしら?」
百田「早い方がいいと思うぞ」
最原「僕もそう思うよ。だから明日の朝食の時に食堂でなんてどうかなって思ってるんだけど、どうかな」
天海「朝食の時ならみんな大体、似たような時間に食堂に集まりますからね」
王馬「キー坊は来るかわからないけどね!朝食なんて食べないから!」
最原「首謀者を問い詰める時にはやっぱり全員居たほうが良いと思うから、もし来てないようだったら話を始める前に王馬くんがキーボくんを呼んできてほしいな」
王馬「えー何でオレ?」
最原「王馬くんの数少ない友達でしょロボットは」
王馬「終一ちゃんは友達いなそうだよね」
最原「居るから」
王馬「いるんだ、そんな物好き」
入間「言動キッツイからマゾばっかりそうだなテメーの友達は」
最原「入間さん、こっちの会話に参加しなくていいから早く解析進めなよ」
最原「それとも何か新たにわかったことでもあるの?」
入間「いや、まだ何もわかってねーけど…」
最原「じゃあ早く解析の続きに取り掛かってよ。時間はあまり無いんだから」
入間「うえぇ…わかったよぉ…」カチャカチャ
百田「入間にはちょっと無理させちまってるかもしれねーけど、実際時間があまりないからしかたねーよな…」
百田「終一もそのことをよく理解して心を鬼にして言ってるだと思うぜ」
王馬「多分あれ素のままだよ心」
天海「うーん…、そんなに急がなくてもいいんじゃないんすかね?」
天海「もっと落ち着いて、きちんと全ての準備が完了してから満を持して…具体的には入間さんのマザーモノクマの解析が終わってからでも遅くないと思うっすよ」
入間「もっと言ってくれキャベツ頭…。このまま解析を続けてもいいが、こんなに急かされてもオレ様も困るからな…」
天海「なんで蔑称で呼んじゃうんすかね?」
百田「真宮寺のことは見張ってるからいいけどよ、いつ真宮寺以外のヤツが外に出たがって殺人しちまうかもわかんねーし、はえーに越したことね―だろ」
最原「解斗くんの言うとおりだよ!」
王馬「最低限白銀つむぎを責めることは出来るんだし、こんなところに長居は無用だよね」
東条「私はみんなの意見に従うわ」
マザーモノクマ「おや?意見が真っ2つに割れたようだね?」
最原「マザーモノクマは関係ないだろ。しゃしゃり出てこないでくるなよ」
マザーモノクマ「いや関係ないこともないよね。ボクの解析も関わってるんだし」
最原「いいから黙ってろよ」
マザーモノクマ「はいはい黙ってますよ―っと。別に裁判じゃないしどうでもいっか」
最原「中立立場の東条さんを除くと3対2だし、やっぱり早めの決行でいいと思うよ」
入間「メイドババァ!」
東条「ごめんなさいね入間さん。多数決でそうなったなら私はその結果に従うわ」
入間「キャベツ太郎!」
天海「…多分俺のことっすよね?」
天海「味方につけたいなら、もっと普通に呼んだ方が良いと思うっすよ」
天海「でも解析を進めさせたいのに、明日の朝まで寝ずにやらせるっていうのはちょっと酷かと…」
天海「解析をさせたいなら数日かけて、じっくりやってもらうほうがいいと思うっす」
天海「どうしても明日の朝に首謀者と決着を着けるつもりなら、その時何が起こるかわかったもんじゃないんですから、入間さんにもきちんと睡眠を取ってもらうのがいいと思います」
最原「でももう多数決で決まっちゃったんだよ蘭太郎お兄ちゃん」
天海「決まっちゃったならしょうがないっすね。入間さん不眠で頑張ってください」
入間「!?」
王馬「呼び方の大切さがわかるね」
入間「あいつさっきまで普通に呼べっつった癖に、なんだよそういう性癖なのかよ!?」
入間「じゃあオレ様も特別にそう呼んでやるからオレ様の味方しろよ!ありがたく思え蘭太郎お兄ちゃん!」
天海「こう言ってはなんですけど、こんな下品な妹はちょっと…」
入間「なんで腹黒原はOKで、ヴィーナスボディを持ったオレ様はアウトなんだよ!?」
最原「僕には品がある。それが僕とキミとの差なんだよ」
入間「こんな世の中間違ってやがる!」
王馬「オレからしたら2人とも弟にも妹にもしたくないなー」
入間「オレ様だってテメーみてーな兄弟欲しかねーよ!」
最原「僕も王馬くんと兄弟になるのはちょっと…」
東条「実際兄弟になってみたら案外可愛く見えるものじゃないかしら」
東条「そんなことより、そろそろ本題に戻ってもいいかしら?」
最原「うん、どうぞ。入間さんも作業に戻ってね」
入間「うへぇ…」
東条「明日の朝、具体的にどういう手筈で白銀さんを追い詰めていくのかしら?」
最原「当事者だけじゃないから、部外者の生徒にも事情がわかるように軽く説明を挟んだほうが良いよね」
王馬「とりあえず、説明も白銀つむぎを追い詰めるのも東条ちゃんがやるのが1番いいと思うな」
東条「私が?」
王馬「他の生徒にも納得させないといけないからさ、見張りメンバーで1番他の生徒に信頼されてるのって東条ちゃんじゃん?」
最原「…そうだね、僕もそれがいいと思うな」
東条「そう…。みんなが良ければ私はそれで構わないわ」
天海「俺もそれで大丈夫っすよ」
百田「ああ、異論はねーな」
入間「もう好きにしろよ…」カチャカチャ
東条「それじゃあ…、頼まれるからには全力を出すわね」
王馬「勿論、東条ちゃんに丸投げするわけじゃなくてオレ達も援護射撃するから、まあそんなに気負わなくていいんじゃない?」
東条「ありがとう。でもなるべく貴方達の手を煩わせないようにするわね」
モノスケ「聞いたでキサマラ!」オハックマー!
モノタロウ「わぁ!……誰だっけ?」
モノスケ「数日会わなかっただけで兄弟のことを忘れるなんて、ほんまアホちゃうか?」
最原「何しに来たんだよ」
東条「今更私達の邪魔をする気かしら?」
百田「首謀者にこのことを伝えるつもりかもしれねーな。取り押さえてやるぜ!」
天海「何か俺達に用事があって出てきたって感じじゃないっすか?」
天海「首謀者に告げ口するだけなら、立ち聞きしてそのまま俺らに姿を見せずに首謀者の所に行けば良いっすからね」
モノスケ「その通りやで!」
最原「で、何の用なんだよ」
モノスケ「キサマラは明日食堂で首謀者を追い詰めるんやろ?」
モノスケ「ワイらモノクマーズは、別にそれを邪魔する気はないから安心しとき」
東条「あら、それは朗報ね」
王馬「オレ達を油断させるための嘘かもしれないけどね」
最原「それが本当なら、お前達は何故邪魔をしないんだ?」
最原「まさか白銀つむぎは実は首謀者じゃないって言いたいのか?」
モノスケ「白銀はんが普通の生徒か首謀者かなんて、ワイがキサマラに教えてやる義理はないで」
モノスケ「その辺のことは明日、明らかにすればええと思うで!」
天海「用事はそれだけっすか?」
モノスケ「なわけあるかい!なんでワイがキサマラの得になる情報を伝える為だけにこんな夜中に出てこんとあかんのや!」
最原「じゃあ勿体ぶってないでさっさと用事を済ませろよ」
モノスケ「んじゃ本題に入るわ」
モノスケ「キサマラが最終対決をムードもクソッタレもない食堂で望んでるっちゅーことで、現在食堂をプチリフォーム中なんや」
天海「…なんでリフォームなんてしてるんすかね?」
モノスケ「こっちにも色々と都合があるんや。まあキサマラには関係ないことやけどな!」
最原「都合か…」
モノスケ「まあせやから、明日食堂に行った時なんか雰囲気変わってたり物が色々置かれてたりするかもしれんけど、ただリフォームしただけっちゅーことやからキサマラは特に気にせず追加された大道具小道具にはあまり触らんでほしいわ」
東条「テーブルと椅子はそのまま残してくれるのかしら?」
東条「みんなが朝食を食べられる場所が無くなるのは困るわ」
モノスケ「残す残す。ついでに家事の邪魔にはならんようにするさかい」
東条「なら私は構わないわ」
モノスケ「用事はそれだけや!ほな!」バーイクマ!
天海「行っちゃったっすね」
最原「…気になるな…」
百田「リフォームの内容がか?」
最原「いや、そうじゃないよ。どうしてリフォームなんてするのか気になって…」
百田「食堂じゃムードもクソッタレもねーって言ってたな」
最原「ムードなんて作ったって意味ないと思うんだよね」
百田「モノクマーズのただの趣味じゃねーのか?」
最原「いや、ロボットの趣味なんて意味分かんないよ」
モノタロウ「ロボットだって趣味くらいあるんだよー!差別したらダメだよ最原クン」
王馬「最近キー坊とよく一緒に居たせいかキー坊の影響が…」
東条「王馬君、モノタロウの前でキーボ君をからかったのでしょう?それで覚えちゃったんじゃないかしら」
王馬「迂闊だったなー。キー坊2号誕生とか嫌だよオレ」
王馬「忘れろ忘れろ忘れろビーム!」
百田「なんだそれ」
モノタロウ「……?あれ、オイラ今さっき何喋ってたっけ?」
百田「効くのかよ!?」
王馬「やった!」
天海「はぁ…、弟にしたい…」
最原「天海くん趣味悪いって言われない?」
東条「……どうやら、私がしっかりしなくてはいけないようね…」ハァ…
最原「東条さん、僕と解斗くんはまともだから」
東条「…そう…。…そうだと良いのだけれど…」
最原(それから僕らは適当に打ち合わせをして、明日の朝食堂が開く前に1度この部屋に全員集まって入間さんから新たな情報を(あれば)聞いてから食堂に向かうということで話がついた)
ー寄宿舎ロビーー
百田「じゃあテメーら、しっかり寝ろよ!また明日な!」
最原「えっ、お泊りしないの?」
百田「あー…、風邪がだな、まだ完全には治ってねーからな」
百田「明日は大事な日なのに風邪うつしちまっても大変だからな」
最原「僕は気にしないよ」
王馬「オレは気にするよ」
天海「風邪が完治してない解斗君に気を使わせても悪いっすよ、終一君」
最原「この学園で過ごす最後の夜なのにな…」
百田「終一、オレ達は一応ここに軟禁させられてるんだから、あんまり修学旅行気分なのもよくないぜ?」
百田「明日はいよいよ首謀者との対決なんだし、もっと緊張感持たねーとな」
最原「うん…」
百田「その代わりによ、ここから出たらみんなで旅行にでも行こうぜ!」
百田「そこで存分に枕投げでもなんでもしたらいいと思うぜ」
モノタロウ「あれ?これって死亡フラg」天海に口を押さえられる
最原「旅行行くんだね!?絶対だよ!」
百田「おう!みんなの都合がつき次第な!」
最原「じゃあね解斗くん!明日には風邪治そうね!」ノシ
百田「ああ」ドアガチャッ
最原「あったかくして寝てね!加湿器つけてね!抱き枕も使いなよ!」ノシノシ
百田「わかったっての」ドアパタン
最原「……よし、さっさとシャワー浴びて寝よ…」
天海「切り替え早いっすね…」
最原「あれ、モノタロウは?」
天海「ああ、さっき小吉君が自室に連れて行ってましたよ」
最原「ふーん、そっか」自室ドアガチャッ
ーーー
ー最原の個室ー
最原(シャワーも浴びて髪も乾かしたし、明日はちょっと早く置きないといけないからさっさと寝よう…)シャワールームノドアガチャッ
モノタロウ「あ、最原クンほかえりー」
最原「うん。……」
最原「ねえモノタロウ、キミはこのコロシアイゲームが終わった後はどうなるの?」
モノタロウ「え?うーん……、よくわかんないや」
王馬「モノタロウ、オレの組織に入らない?」
モノタロウ「え?王馬クンの組織?」
王馬「うん!モノタロウは機械に強いみたいだし、ハッカーとかいいんじゃないかと思って。ウチ待遇もいいよー!」
モノタロウ「オイラがハッカーかぁ…」
最原(人前で犯罪組織に勧誘するなよ…)
最原(止めるべき…だよな…?)
最原「モノタロウ、王馬くんの組織なんて入ったらロボットだからって一生こき使われ続けるよきっと」
王馬「えー、そんなことないよ!オレの組織は超絶ホワイト企業だからね!」
最原「ホワイト企業の悪の組織ってなんだよ…」
王馬「それにモノタロウの引き取り手が居なかったら、こいつ路頭に迷っちゃうんじゃない?」
最原(ロボットが露頭に迷うも何もあるのか?最終的に解体処分とかじゃないのかな…)
最原(うーん…。ここまでモノタロウは僕達の味方になってくれたしもし最後まで裏切らなかったら、解体処分ってなったら流石にちょっと可哀想だよね…)
最原(王馬くんのところより良い引き取り手、どこかに居ないかな…?)
最原(入間さん……はなんか変な改造してきそうだから止めた方がいいよな…)
最原(…ロボット仲間のキーボくんとかいいんじゃないかな)
最原「モノタロウ、行く宛がなくなるならキーボくんの所が良いと思うよ」
モノタロウ「え?キーボクン?」
最原「うん。キーボくんを飼ってる?人もロボットが1体くらい増えようが別に構わないんじゃないかな。知らないけど」
天海「知らないんすね…」
最原「まあ…、もしキーボくんのところが駄目だったら僕のとこに来なよ」
モノタロウ「え!いいの?」
最原「うん」
王馬「あれ?どうしたの。優しいじゃん」
最原「まるで僕が普段は優しくないみたいな言い方だね」
王馬「ん?優しくないよね普段」
最原「……」
天海「まあまあ、2人とも…」
最原「…僕の家はペットとか飼ってないし、まあロボットペット飼ってもいいかなと思ったんだよ」
王馬「ペット扱いかよ」
王馬「モノタロウ、オレはペット扱いしないよ!オレのとこに来なよ!」
最原「王馬くんのとこだけはホント止めといた方がいいって。僕のところに来たらキミは働かなくていいよ」
モノタロウ「えっと…」
天海「じゃあ間を取って俺の家に来ます?」
最原「王馬くんのところじゃなきゃどこでもいいから、僕はその意見に賛成するよ」
王馬「まあ終一ちゃんのとこよりはマシだと思うけどさ」
最原「キミは僕の家の何に不満があるんだよ」
王馬「家というかキミの性格が…」
天海「喧嘩は駄目っすよ。それ以上続けるならお兄ちゃん怒るっすよ」
モノタロウ「うっうっ、キサマラ、オイラの為に争わないでよ…!」シクシク
王馬「言い方」
天海「モノタロウが俺の家に来る上での問題点を上げるとすると、俺自体がほとんど家に居ないってことっすかね…。殆ど海外に行ってるもんで…」
最原「まあ別に、天海くんが居ない間家の電気止めるとかいうわけじゃないならいいんじゃないのかな。充電できればモノタロウも問題ないだろうし」
天海「俺が居なくても、両親やメイドが居るんで別に電気は止めないっすけどね」
王馬「金持ち自慢かよ」
王馬「でもそれじゃあモノタロウが殆どぼっちで可哀想じゃん!やっぱりオレが引き取るよ!」
最原「キミが普通に家に引き取るなら僕もこんなに止めないんだけど、ハッカーにするなんて言われたらちょっとね…」
王馬「わかったよ、普通に引き取るね!」
最原「どうせ嘘なんだろ」
王馬「信用ないなー」
最原「何であると思ったのさ」
天海「まあ…、事が終わってキーボ君に相談してみて駄目だったら改めて考えるんでいいんじゃないんすかね?」
王馬「うん、まあそれでいっか」
最原「キーボ君の飼い主の人がいい人ならいいけどね…」
王馬「ところでさっきから気になってたけど、ロボットって飼うものなの?」
王馬「だとしたら、ロボット掃除機もドローンも所持してたら飼ってるっていうの?」
最原「でもロボット掃除機ってペットっぽいよねなんか」
王馬「まあわかる。脱走とかするしね」
天海「一体何の話をしてるんすかね…」
天海「はいはいもう寝るっすよ、明日も早いんすから」消灯
最原「僕の部屋なのに、自分の部屋のように電気消すんだね」
王馬「自分が消しに行く手間省けたじゃん」
王馬「モノタロウこっち来て一緒に寝よーよ。布団の上なら熱篭もらないでしょ」布団ポンポン
モノタロウ「えぇっ!?オイラ枕営業とかはちょっと…」
王馬「何言ってんだこいつ」
最原「…王馬くん、そんなにモノタロウをハッカーとして欲しいんだね」
王馬「悪の総統が優秀な人材を欲しがっちゃいけない?」モノタロウギューッ
天海「えっ…、小吉君は優秀な人材をスカウトする為に枕するんすか…?」
天海「そんな不健全な悪の組織ごっこ、お兄ちゃんは許さないっすよ!」
王馬「『ごっこ』じゃないよ。オレは1万人の部下が居る悪の組織を率いてるんだよ?嘘じゃないよ!」
最原「反論するポイントそこなんだ…」
王馬「本当は全部に反論したかったけど、とりあえず『ごっこ』は捨て置けなかったからね。悪の総統的に」
最原(凄くどうでもいい話をしながら、いつの間にか眠って朝を迎えた…)
ー朝7時ー
最原「…眠い……」
天海「本当朝弱いっすね。ほら、顔洗ってくると良いっすよ」布団畳み
最原「食堂が開く前にちょっとマザーの部屋寄って行くだけなら、もう少し遅くても良かったんじゃない?」スタスタ
王馬「最近、朝に白銀つむぎが待ち伏せてる事が多いからね」
王馬「それに入間ちゃんが新しく獲得した情報の共有が長引く可能性もあるし…」
最原「何か有益な情報が得られてるといいけどね」
天海「それを確かめる為にも、早く準備して出ないとっすね」
天海「俺も自室で支度してくるっすね」スタスタ
王馬「じゃあオレもー」モノタロウ連れてく
最原(モノタロウをキーボくんに引き渡す気ないよね…)
ーーー
最原(よし、支度が出来たぞ)
王馬「準備出来た?」ガチャッ
最原「うん。…出来たけど、チャイムくらい鳴らしてから開けてほしいな」
王馬「はい」ピンポーン
最原「いや遅いよ」
天海「じゃあ行くっすよ」
ーマザーモノクマの部屋ー
最原「おはよう解斗くん、東条さん」スタスタ
百田「おう!おはよう!」
王馬「おっはよー」
天海「おはようございます」
東条「おはよう。これで全員揃ったわね」
天海「何か新しい情報は得られたっすか?」
東条「ええ、得られたみたいよ。…詳しいことは入間さんに話してもらいましょう」
東条「それじゃあ入間さん、宜しくね」
入間「……んー……」ウツラ…ウツラ…
最原「…眠気覚ましに顔洗ったらどうかな?」
最原「はい、ミネラルウォーター」つペットボトル
東条「…最原君、もしその水を入間さんにかけるようなら、床が濡れてしまうから止めた方が良いと思うわ」
最原「そうだね、床が水浸しになったら滑って危ないから止めた方が良さそうだね」
東条「そうよ。この部屋にはモップが無いからすぐに掃除が出来ないもの」
最原「今は時間も無いしね…」
王馬「東条ちゃんサイコパスの扱い方上手だね」
天海「入間さん、早くちゃんと目を覚まさないと水かけられるかもっすよ」肩ユサユサ
百田「入間ー!起きろー!!」耳元で大声
入間「だああああああ!!うるせーな!寝かせろよ!!」
最原「寝ていいよ。報告が終わったら」
入間「よーし!じゃあとっとと終わらせるぞ!」
入間「今回のマザーの解析でわかった情報は、今回の首謀者の名前と天野の才能だ!」
天海「天野って誰っすか?」
王馬「多分蘭兄ちゃんのことじゃね?寝ぼけてるんだよ」
入間「テメーらはどっちから聞きたいんだ!?」
百田「首謀者の名前って…、白銀じゃねーのか?」
東条「というか『今回の』ということは、毎回首謀者は違うのかしら?」
最原「入間さんが以前突き止めた情報によると、以前までのナンバリングではアニメやゲームのフィクション物だったらしいし、まあ首謀者が変わっても不思議じゃないよね」
入間「今回の首謀者の名前は『小松未可子』だ!」
王馬「どっちから聞きたいのかに誰も答えてないのに、勝手に言っちゃったよこの人」
天海「というか、知らない名前っすね…」
最原「恐らく…、白銀つむぎの本名じゃないかな?」
東条「なるほどね。白銀つむぎというのはあくまでコロシアイに参加させられている超高校級のコスプレイヤーの役名ってことなのね」
最原「一応、その小松未可子が白銀つむぎのことって確信を取っておきたいんだけど、そういう情報はあったりした?」
入間「ええっと、小松のプロフィールが書いてあったんだけどよ、身長体重胸囲血液型誕生日がモノパッドから確認できる白銀のプロフィールと一致してたから、多分その2人は同一人物で間違いねーと思うぞ」
最原「なるほどね…」
天海「あの…、そろそろ俺の才能のこと訊いてもいいっすか?」ソワソワ
入間「テメーの才能は……」
天海「才能は…?」
入間「…何だと思う?」
天海「そんな合コンで年訊かれた女子みたいな質問されても困るっすよ…」
最原「超高校級のシスコンとかじゃないかな?」
天海「その可能性は充分あるっすね」
入間「惜しいな」
最原「え、惜しいの?」
入間「正解は『超高校級の冒険家』だ」
天海「惜しいってどういうことなんすかね?」
王馬「あれ?超高校級の冒険家って確か、52回目のダンガンロンパに出てたんだよね?」
最原「うん、確か52回目のダンガンロンパで殺された早見弓子の死体発見現場が超高校級の冒険家の研究教室ってことだったよね…」
天海「……」
最原「…僕が以前、天海くんに早見弓子の事を何か知ってないか訊いたことあるけど、知らないって言ってたよね?」
天海「…はい、早見さんなんて知らないっす」
天海「正直、俺が冒険家っていうのもイマイチまだしっくりきてないんすよね。どういう経緯でその才能になったのやら…」
入間「テメー嘘ついてんじゃねーだろうな!?」
百田「そ、そうなのか蘭太郎…!?」
天海「嘘なんてそんな…」
最原「…僕は天海くんが嘘をついてるとは思えないかな」
最原「うん、マザーモノクマの情報が本当だったとしても、彼は嘘をついていないように見えるよ」
最原「多分…僕達がこの学園に来た経緯を全く覚えてないように、天海くんも記憶を消されている…とかじゃないかな?」
入間「こんな狂った生活を前もさせられていて、しかも人が死んでるってのに忘れるとかありえねーだろ!何かやましいことがあって忘れたフリしてるにちげーねー!」
最原「ありえないなんてことはないと思うよ」
最原「入間さんだって、つい先日までありえないような出来事の記憶を忘れていたことがあったんだよね?」
入間「あ、ありえねーような出来事の記憶…?」
東条「それってひょっとして…、『超高校級狩り』のことかしら?」
最原「うん、そうだよ」
入間「そ、そういえば…!」
王馬「まあオレと終一ちゃんは全然心当たりない記憶なんだけどね、それ」
最原「うん。確か思い出しライトってやつで他のみんなはそれを思い出したんだよね?」
百田「ああ…」
最原「そのライトでみんなが思い出した記憶の話を東条さんから僕は聞いたんだけど、それでも心当たりが全く無いんだよね…」
入間「それはテメーが思い出しライトで思い出してねーからだろ」
最原「まあだから、そんな強烈な記憶を入間さんもライトを浴びるまで忘れてたんだからさ、天海くんが以前もダンガンロンパに参加させられていたとしてその記憶が無いとしても、何もおかしいことはないよね?」
入間「まあ…そうだな…」
天海「というか…、そもそもその早見さんが死んでいた部屋の持ち主の冒険家と俺が同一人物かどうかもわからないっすけどね」
王馬「まあ、才能かぶりがあっても不思議じゃないかな」
百田「あるのか?超高校級の才能が被ることなんて…」
最原「天海くんが52回目の参加者だったかどうかなんてどうでもいいよ」
最原「天海くんの記憶が戻らないかつ、マザーから情報が出ないなら真相なんて確かめようがないんだからさ」
入間「いや、天海が52回目の参加者だったかどうかは重要な情報じゃねーのか?」
入間「だってひょっとしたら、こいつは52回目のダンガンロンパを乗り切った殺人鬼だって可能性もあるんだからな!」
天海「ちょ、ちょっと待って下さい!俺が殺人鬼だなんて…!」
入間「どうせテメーが早見を殺した犯人なんだろ!?だって超高校級の冒険家の研究教室で早見は死んだってマザーの情報にあったからな!」
王馬「当時の研究教室がどんな感じだったかはわからないけど、お前や赤松ちゃんの研究教室は誰でも自由に出入りできるんだから、蘭兄ちゃんの部屋で死んでたからって蘭兄ちゃんが犯人とは限らないと思うよ」
王馬「むしろそんな疑われやすいことするかな?」
入間「自分の部屋で殺すわけがねぇ…。そういう裏をかいての行動かもしれねーぞ!」
最原「…入間さん、キミは自分が言ったことも覚えてないの?」
入間「な、何のことだ…?」
最原「52回目のダンガンロンパの話を聞いた時、僕がキミに早見弓子殺しの事件はどうなったのか訊いて、キミは…」
入間『んー…、犯人の名前や才能や動機なんかの部分はまだ解読できてねーけど、一応ちゃんと解決したらしいぜ』
入間『事件の調査中に犯人が判明して、その後の学級裁判が一瞬で片がついたんだとよ』
最原「…って言ってただろ」
入間「…そう、だったっけか…?んー…、なんかそんな気もしてきたな…」
王馬「オレもそれ覚えてるよ」
入間「じゃあ言ったんだろうな」
入間「…まあ、ど忘れすることもあるよな!」
天海「ど忘れで人を殺人鬼呼びするのは止めてほしいっす!」
入間「いや、これくらいじゃまだテメーが殺人鬼じゃねーって証拠にはならねーぞ!」
天海「まだ何かあるんすか…」
入間「そもそもこのコロシアイゲームを終わらせるには、人を殺して卒業するしかねーってルールだろ」
入間「テメーが今生きてここに居るってことは、誰かをぶっ殺したってことだろ!?」
王馬「おい肉便器、生徒手帳の校則をよく読んでみなよ」
入間「校則…?」
最原「うん。このコロシアイが終わる条件は、クロの勝ち逃げだけじゃないんだよ」
東条「最後の2人になった場合…よね」
最原「そう。2人になると学級裁判が成立しなくなるからね」
入間「あ、だから2人になったら終わるんだな」モノパッドジーッ
最原「だから天海くんが人を殺したとは限らないんだよ」
最原「そもそも、仮に天海くんがクロの勝ち逃げをしたとしたら、何で今ここに天海くんが居るのかってことになるしね」
百田「クロの勝ち逃げなら、卒業してオサラバしてるはずだもんな。多分」
最原「そう、卒業なんて嘘っぱちってことになるからね」
入間「天海がまた殺人をしたくて、自ら参加したって可能性もあるんじゃねーのか?」
天海「入間さんはどれだけ俺を殺人鬼にしたいんすか…。もう勘弁してほしいっす…」
入間「別にテメーを殺人鬼にしてーわけじゃねぇよ、ただ…」
入間「もしテメーが本当に殺人鬼だった場合、オレ様達に危害が及ぶかもしれねーだろ!」
入間「お、オレ様はそれを危惧して言ってんだよ!」
最原「仮に天海くんが殺人鬼なら、幾らでも殺人を行うタイミングがあったんだよ」
最原「例えばここでの見張り。8時間も天海くんと解斗くんが2人きりになるからね」
最原「それに最近は天海くんは僕の部屋に泊まってるんだし、寝ている僕や王馬くんを殺すことは容易いハズだ」
最原「そもそも最初の殺人は初回特典があるから、学級裁判は不要だしね。アリバイ工作なんて気にせずに幾らでも時間をかけて猟奇的に殺せるよ」
入間「そ、そいつが真宮寺みたいに女を殺したいって思ってる変態野郎の可能性だって…!」
最原「いい加減にしろよ!」テーブルバンッ
入間「ぴぐぅ!!?」
最原「何の証拠もないのにいつまで疑ってんだよ!」
入間「た、ただの可能性の話だろ!?それに疑わなきゃオレ様達は死ぬかもしれねーんだぞ!?」
最原「うるさい!可能性の域を出ない話で僕の仲間を疑うな!」
入間「ひぃいいぃ…。ど、怒鳴らないでよぉ……」
最原「お前がいつまでも身にならない話を愚痴愚痴と続けてるからだろ!」
最原「もう首謀者を追い詰めるところまできてるんだぞ!何で今更お前は一緒に協力してきた仲間を疑うんだよ!」
最原「…天海くんは、この学園に来て僕が最初に仲間になった人なんだよ」
最原「記憶がないからって疑わしいのはわかるけど、僕は今まで彼と一緒に過ごしてきて、彼がそんな酷いことをするような人じゃないってことを知っているんだ」
最原「それに僕は今まで彼を信じてきた」
最原「…もし今後彼が殺人鬼だったってことが発覚したなら、僕の見る目がなかったってことで僕も責任を取るよ」
最原「だから入間さんは、僕に免じて今は天海くんを信じてくれないかな」
入間「さ、最原…」
最原「ちなみに責任っていうのは、天海くんの耳のピアスを僕が全部むしり取ることだよ」
天海「!!!????」
天海「…それは…、俺がただ痛いだけなんじゃないんすかね…?」
最原「僕は暴力は嫌いなんだ。こんなグロいことをしないといけないなんて僕にも充分罰だと思うけど」
最原「…あと、反省文でも書くよ」
天海「反省文っすか…」
王馬「じゃあオレは、蘭兄ちゃんがもし殺人鬼だった場合は、バリカンで頭丸刈りにしてあげるね!」
天海「はは、それもキツイっすね…」
最原「…どうせ、やらなくて済むでしょ?」
天海「はい。……多分」
最原「探偵のくせに見る目がないなんてなったら僕の信用に関わるんだから、そこはもっと自信を持ってほしいな」
天海「すみません、記憶がないから確信が持てないもんで…」
天海「でも俺も、自分がそんなことをやる人間だとは思えないんで、多分安心していいっすよ」
最原「できればもう2度と、キミが疑われるようなことがなければいいんだけどね」
天海「2度目っすもんね、庇ってもらうの。毎回ありがとうございます」
天海「出来の良い弟を持ってお兄ちゃんは幸せっすよ」頭ヨシヨシ
最原「その、僕をすぐ弟にしようとするの何なの?」
最原「てかもし同い年なら誕生日的に僕の方がお兄さんなんだけど」
天海「なるほど。…じゃあ、終一お兄ちゃんっすね」
最原「違う、そうじゃない。お兄ちゃん呼びされたいわけじゃない」
百田「…終一ってちょっとクールすぎるところがあるから、ちょっと友人関係が心配だったんだが、なんだか大丈夫そうだな。安心したぜ」
最原「僕って解斗くんに友人関係の心配されてたの!?」ガーン
王馬「流石の百田ちゃんも、終一ちゃんの性格がちょっとアレなことには気づいてたんだね」
最原「アレって何…」
王馬「え、言っていいの?」
最原「いや、やっぱり言わなくていいよ…」
百田「終一、お前は最高の助手だぜ」b
最原「え?何が良かったのかわかんないけど、やったぁ!!」
百田「仲間を信じることってのは大切なことだからな」
最原「あ、そこなんだね。うん、まあ、仲間のことは基本信じてるからね僕。基本」
王馬「いやー、ツンドラ原ちゃんにもあったかい心の欠片はあったんだね。ツンドラの大地にカケラだけだけど」
最原「王馬くん何急に永久凍土の話してるの」
東条「……そろそろいいかしら?」
最原「あ、はい、どうぞ」
東条「とりあえず新しい情報は共有出来たのだし、食堂に向かう準備をしましょう」
東条「早い子だったらそろそろ起きて校舎内に居るでしょうし、みんなでぞろぞろ女子トイレから出てくるところを見られては不味いもの」
最原「…この部屋はどうする?もし全く人が居なくなったら、白銀つむぎがこの部屋にやってきてモノクマを作ろうとしてもどうしようもなくなるし…」
東条「そうね…。私達全員が食堂の前でドアが開くのを待っているのを白銀さんが遠目に気づいて、この部屋にやってこないとも限らないものね」
天海「それなら俺がここに残りますよ」
天海「元々朝は俺と解斗君の担当でしたし、妥当だと思うんすけど」
百田「じゃあオレも…」
天海「なるべく多くの人が食堂に居るべきだと思うんで、解斗君はどうか食堂に行ってください」
入間「じゃあオレ様がここに残るぜ!なんてったってクソねみいからな!」
最原「どうせ入間さんは戦力にならないだろうし、いいんじゃないかな」
天海「それだと2人になっちゃいますね。でも寝てる人だけここに残すのもあれですし、やっぱり俺も居た方がいいでしょうね」
百田「じゃあ蘭太郎と入間がここに残るんだな」
王馬「それでいいんじゃないかな。蘭兄ちゃん1人だけだと、不安に思う人も居るかもしれないしね」
王馬「蘭兄ちゃんを警戒してるのは、そこのビッチちゃんだけだけどね!」
王馬「いやー、さっきまで殺人鬼だのなんだのと言ってた男とよく同じ空間に居て、あまつさえそこで寝ようとよく思えるよね!すっごーい!入間ちゃんは神経が図太い超高校級なんだね!」
入間「え?あ…、天海、あれは違うんだ。オレ様はもうテメーを信じることにしてるから、殺さないでくれぇえええ!!」
天海「…殺さないっすよ。ピアスむしり取られたりハゲにされたりは御免っすからね」
入間「そ、それがなかったら殺すところだったのか!?」
最原「……おい、いい加減にしろよ」
入間「ひぅうう!?こっちもこええ!」
王馬「普通に食堂組に来れば良かったのにね」
東条「貴方が余計なことを言って、入間さんを警戒させるからでしょう」
最原「白銀つむぎとの話し合いが始まればもう彼女はここには来られないだろうし、話し合いが始まったタイミングで申し訳ないけど解斗くん辺りに天海くん達を呼びに行ってもらおうかな」
最原「…いいかな?」
百田「ああ、オレはそれでいいぜ」
最原「ありがとう」
王馬「じゃあホントそろそろ行かないとね」
東条「そうね。入間さん、短い間だけどなるべく睡眠を取ってちょうだい」
入間「ううっ、寝れるかよぉ…」ウトウト
王馬「今にも寝そうだけど」
ー食堂前廊下ー
東条「誰にも会うことなく来られたわね」
王馬「それどころか寄宿舎に鍵取ってくる時間もあったね」
最原「まあ、まだ朝の放送も鳴ってないからね」
東条「みんなが集まって朝食を取ってもらい、全員が集まり次第話を開始でいいのよね?」
最原「うん。それでもし途中で誰かが朝食を食べ終わって何処かへ行こうとしたら、引き留めようか」
百田「つまりこれが最後の晩餐ってことだな!」
王馬「いや、朝食なんだけど」
キーンコーンカーンコーン
モノダム『……』モニタープツッ
最原(とうとう最後まで喪に服してる仕様だったな…)
最原(…モノクマって何だったんだろう…)
東条「さて、開けるわよ」ガチャッ
ー食堂ー
最原(……室内にあったはずの雑草などの植物が無くなり、壁に白いベニヤが打ち付けられていて、テーブルの中央にはプロジェクターが乗っていた)
百田「なんか、案外普通な感じだな。突貫感あるが」
東条「一晩で植物を無くすことが出来るのなら、最初からやってほしかったわね。衛生面的にも」
王馬「まあ他の部分の校舎の改築を急ぎたかったんじゃない?」
東条「これ邪魔なのだけれど、昨晩触るなと言われたから仕方ないわね」>プロジェクター
東条「みんな、コードに足を取られないように気をつけてちょうだい」厨房スタスタ
最原「壁を白くした…というか白く塗ったベニヤを打ち付けたということは、このプロジェクターで壁に何か投影するのかな?」
王馬「何が投影されるんだろうね」
最原「何が映されても僕達のやることは変わらないよ」
百田「ああ、そうだな!」
ドアガチャッ
春川「……何これ」
赤松「どうしたの?春川さん」ヒョコッ
赤松「あ、あれ!?なんか食堂がいつの間にか清潔感溢れる感じに…!?」
王馬「なんということでしょう!あんなに大自然溢れていた食堂が、匠の手によって無機質な空間に!」
春川「…あんた達がやったの?」
最原「昨日の夜時間の直前までキミ含めて僕らも食堂に居たけどさ、その時までは雑草が覆い茂っていたでしょ」
最原「そして朝の放送が終わってすぐ食堂に入ると既にこの状態…」
最原「ということは、夜時間に食堂に立ち入ることができるやつが これをやったとしか考えられないよね?」
赤松「なるほど、消去法でモノクマーズがやったってことだね」
春川「ふぅん…、そうなの?」
モノタロウ「えっと…、オイラに訊いてるの?」
春川「この場にいるモノクマーズって、あんたしか居ないじゃない」
モノタロウ「…うーん…、そうみたいだよ?」
春川「はっきりしないね」
王馬「まあモノタロウって、最近全くモノクマーズに接触してないからそっちの事情知らないんでしょ」
最原「モノクマーズってずっと校舎の改築工事をやってるし、昨晩はたまたま食堂内を綺麗にしたってだけじゃないかな」
赤松「なるほどね。やっぱりご飯食べる所は清潔じゃないといけないもんね」
春川「別に食べる所なんてどうでもいいけどさ」着席
赤松「そんなことないよ!食べる場所が変わったら、味だって変わるんだよ?」着席
赤松「そうだ!春川さん、今日のお昼は外で食べない?」
春川「テラスでってこと?でもテラスは前にモノクマが爆発して、それ以来ずっと使えなくなってるじゃん」
赤松「そうじゃなくて、ピクニックみたいに…」
赤松「あ!藤棚のところなんてどうかな?綺麗だよ!」
春川「1人で食べれば?」
赤松「そんなの寂しいよー…」
春川「…ていうか、あんたらいつまで突っ立ってるつもり?」
百田「!ああ、じゃあ座るか…」
赤松「百田くん、隣どうぞ!」横の椅子を引く
百田「おお、わりいな」着席
最原「じゃあ僕その隣ね」着席
王馬「たまには終一ちゃん以外の人と隣になりたいなー…」
最原「じゃあ離れた席に座れば?」
真宮寺「おや、今日はみんな早いネ。おはよう」ドアガチャッ
最原「王馬くん、早く隣に座って…」
王馬「はいはい…」着席
真宮寺「僕を隣に座らせたくないんだネ?ククク…、傷つくなァ…」
赤松「真宮寺くんと最原くん、ケンカでもしてるの?ダメだよ仲良くしなきゃ」
春川「あんたらこの前まで仲良くしてたじゃん」
真宮寺「まァ色々あったからネ…、色々…」
ーーー
ワイワイガヤガヤ
最原(全員集まったな…)
最原(朝食を食べる必要が無いのに、キーボくんも居るし…)
最原(呼ぶ手間が省けて良かったよ)
ゴン太「ごちそうさま」食器片付け
東条「…ゴン太君、流しに食器を持って行った後だけれど、用事があるからこの部屋に残っていてくれないかしら?」
ゴン太「え?うん、わかったよ」
東条「みんなも食べ終わっても、この部屋に居てくれないかしら?」
東条「みんなが食べ終わるまで待ちたいと思っているけれど、話したいことがあるの」
星「話…?」
赤松「なんなんだろうね?」
百田「な、なんなんだろうな」
ーーー
夢野「んあ…、ウチが最後か…すまんのう…」食器片付け
茶柱「大丈夫ですよ、夢野さん!食事は早く済ませるよりゆっくり食べた方が体にいいんですから!」
最原「解斗くん、そろそろ…」
百田「ああ、呼んでくる」スタスタ…ガチャッ
白銀「あれ?百田くん部屋出ちゃったよ?東条さん、いいの?」
東条「ええ、あれは大丈夫よ」
白銀「ふーん…」
夢野「食器を流しに置いてきたぞ。それで東条よ、話とはなんじゃ?」
東条「長くなるかもしれないから、みんなの分の飲み物をいれてくるわね」
最原(天海くん達が来るまで待つのか…)
王馬「東条ちゃーん!オレはグランデチョコレートソースエクストラホイップチョコレートケーキトップフラペチーノwithコーヒーショットねー!」
最原「じゃあ僕はトールイングリッシュブレックファーストラテでお願いするよ」
赤松「わ、私は…、カプチーノで!」
春川「……ホットコーヒーで」
茶柱「…えっと、別にコーヒー系じゃなくてもいいんですよね?」
東条「ええ、何でも良いわよ」
茶柱「では転子は野菜ジュースを頂きたいです。チョイスは東条さんにおまかせします」
アンジー「じゃあアンジーはねー、トールチョコレートソースアドチョコレートチップエクストラホイップバニラクリームフラペチーノにするよー」
夢野「んあー!みんなして呪文を呟きおって!」
夢野「東条よ!ウチにもアンジーと同じナンチャラフラペチーノを頼む!」
東条「了解したわ」
茶柱「えっ!夢野さんもそれ飲むんですか!?じゃあ転子もそのナントカペペロンチーノでお願いします!」
東条「ペペロンチーノだとパスタになるのだけれど…、フラペチーノでいいのかしら?」
茶柱「はい!」
ーーー
天海「始まっちゃったっすか?」ドアガチャッ
東条「いいえ、今からよ。みんなの飲み物をいれていたの」
入間「うー、ねみぃ…」
東条「入間さんにはモノナミンV3よ」
入間「うげぇ!もうそれは懲り懲りだぜ!」
東条「それじゃあコーヒーでも入れるわね」
天海「なんだか、どこかのコーヒーショップのようなラインナップですね」
天海「なんか見てると甘いもの飲みたくなってきたことですし、俺はトールチョコレートチップチョコレートソースストロベリークリームフラペチーノでお願いします。あと朝食がまだなんでサンドイッチも」
百田「!!?」
天海「解斗君はどうします?」
百田「えーっと…、よくわかんねーけど、じゃあ蘭太郎と同じやつで…」
天海「大丈夫っすかね…」
百田「何か危険なことでもあるのか!?」
天海「いや、別に危険はないっすけど…」
東条「おまたせ、天海君、百田君」コトッ
百田「……すげー甘そうだな…」
天海「甘いっすよ」
百田「……」ゴクッ
百田「あ、オレこれ無理だわ」
東条「それじゃあ普通のコーヒーを入れてくるわね」スタスタ
赤松「…じゃあ百田くん、それ貰ってもいい?」
百田「ああ…」
王馬「ねえ、いつ始まるのこれ」ケーキモグモグ
最原「東条さんの配膳が終わるまでだろうね…」
最原「……王馬くんのそれは飲み物なのに何でケーキが乗ってるの?」
王馬「美味しいよ?」モグモグ
最原「答えになってないし、カロリーヤバそうだね…」
王馬「オレ太らない体質だから平気だよ!」
最原「だろうね…、羨ましいよ」
東条「百田君、おまたせしたわね」コーヒーコトッ
百田「おお、わるいな」
東条「ようやく全員に飲み物が行き渡ったところで…、話を始めさせてもらうわね」
東条「前置きも無しに話させてもらうけど、このコロシアイ生活の首謀者の正体がわかったのよ」
ゴン太「えっ!?それ本当なの!?」
東条「えぇ」
星「それで…、その首謀者っていうのは?」
東条「このコロシアイ生活の首謀者…、それは…」
東条「白銀つむぎさん、貴女よ!」ビシッ
白銀「えぇっ!?わ、わたし!?」
茶柱「し、白銀さんがですか!?嘘でしょう…!?」
真宮寺「ヘェ…」
アンジー「おー、何だか推理ドラマみたいだねー!」
アンジー「…あれー?確か終一は探偵だったよね?」
最原「今真面目なところだから、アンジーさんはちょっと黙っててね」
白銀「東条さん、これはちょっと冗談きついよ…」
東条「いいえ、冗談ではないわ」
東条「私が冗談でこんなことを言うような人間に見えるかしら?」
星「東条はそうでなくても、普通の冗談さえ滅多に言わねーからな」
白銀「たしかにそうだけど…」
白銀「と、とりあえずそんなことを言うってことは、わたしを疑う根拠があるってことなんだよね?それを訊かせてもらえないかな?」
東条「ええ、構わないわ」
東条「実はこの学園には監視カメラの記録や他の重要なコロシアイに関するデータが保管されているコンピュータが置かれている部屋があって、そこに入間さんにアクセスしてもらって過去のデータを解析してもらったの」
東条「そこで…」
反
星「雲外蒼天の極みだ」
論
東条「!?」
星「この学園のマップはモノパッドのマップで確認できるが、現在開放されているエリア内でそんなコンピュータなんて無かった」
星「第一、この学園にはどこにも監視カメラなんてもんはねぇ」
星「どういうわけか知らねえが、白銀を首謀者に仕立て上げてぇあんたの嘘なんだろ」
論
天海「それは違うっすよ」
破
天海「星君、これを見てほしいっす」モノパッド取り出し
星「誰のモノパッドでもマップの情報は変わらねえ。……!?これは…!」
アンジー「あらま!他の階の情報も表示されてるねー」
天海「はい。そして地下のここを見て下さい」
夢野「んあ?図書室の先に何か部屋があるのう」
天海「はい。図書室の本棚の奥に実は隠し部屋があって、そこに監視カメラのデータやコロシアイの情報が入ってる例のコンピュータってやつがあったんですよ」
東条「そう。その部屋で入間さんにコンピュータを解析してもらったのよ」
星「なるほどな」
反
茶柱「気をもって力を制すのです!」
論
茶柱「やはり男死は嘘つきですね!」
天海「一体何が嘘だって言うんすか?」
茶柱「図書室の本棚の奥に隠し部屋がある…、そう言いましたよね?」
天海「はい」
茶柱「校則をよく思い出して下さい。図書室の本棚を動かしてはいけないという校則があったハズでしょう!」
茶柱「本棚をどうかしようもなければ、図書室の奥にあるという隠し部屋にはいけません」
茶柱「ですから、そのモノパッドのマップはでっち上げです!」
天海「どうやってこれをでっち上げるっていうんすか」
茶柱「きっと入間さんをそそのかして、モノパッドを改造させたのでしょう」
偽
モノタロウ「そ、それは違うくまー!」
証
茶柱「えっ!?モノタロウさんが!?」
モノタロウ「あのね茶柱さん。そのモノパッドは改造できないようになっているんだよ」
茶柱「ですが入間さんは超高校級の発明家です!このくらいお茶の子でしょう!」
モノタロウ「モノパッドは手を加えようとすると、モノパッドの保護システムが作動して実は爆発する仕組みになってるんだよ」
夢野「んあ!?そんなの初耳じゃぞ!?」
モノタロウ「普通弄らないから、わざわざ言う必要ないと思って…」
モノタロウ「ほら、お父ちゃんだって体内に爆弾があってよく爆発してたけど、最初の爆発前にそんな説明なかったでしょ?」
茶柱「た、確かに…」
モノタロウ「そんなわけで、モノパッドは改造不可能なんだよ」
茶柱「わ、わかりました…。でしたらあのマップは本物なのでしょう」
真宮寺「でもさァ…、そうだとしたらおかしいことがあるヨ」
茶柱「何がおかしいのです?」
真宮寺「僕らのモノパッドのマップは2階までしか表示されないし、地下の隠し部屋の表記も勿論無かったよネ?」
真宮寺「なのにどうして天海君のモノパッドのマップだけ、そんなことになっているのかな?」
茶柱「た、確かに!」
茶柱「モノパッドが改造できないなら、そんなことになってる天海さんのモノパッドはおかしいです!」
キーボ「も、もしかして天海クンが首謀者なんじゃないですかね…!?」
キーボ「首謀者だからそんな特別なマップ表示なのでは!?」
最原「…疑われるのはこれで3回目だよ、天海くん」
天海「俺ってそんなに怪しいっすかね?」
最原「キミがというか、キミの置かれる状況がいつもどうもね…」
キーボ「2人で話してないで、何か反論があるなら言って下さいよ!」
反
最原「じゃあその言葉、斬ってみせる」
論
キーボ「『じゃあ』!?」
最原「反論しろってキミが言ったんだろ」
キーボ「もっと熱を込めて言ってくださいよ、なんか…」
茶柱「そんなことはどうでもいいです!反論内容をお聞かせ願いましょう!」
最原「天海くんの生徒手帳としてのモノパッドは、みんなと全く同じマップ表示なんだよ」
ゴン太「え?でもさっき天海くんが見せてくれたモノパッドは、マップが特殊だったよね?」
最原「見てもらうのが早いかな。天海くん、普通のモノパッドを出して」
天海「はい、どうぞ」つモノパッド
最原「ほら、普通でしょ」
茶柱「そう…ですね」
夢野「では先ほどのモノパッドは何なのじゃ?」
最原(生存者特典の話をしたらまた議論が停滞しそうだし、嘘をつくか…)
偽
最原「初日に校舎の中で拾ったんだよ、あれは」
証
アンジー「どこに落ちてたのー?」
最原「落ちてたというか…、倉庫の中にあったのをたまたま見つけて取得したんだよ」
星「そんなものを見つけたのなら、どうして俺達に相談が無かったんだ?」
最原「こんな物を見つけたって言って出したら、キミ達は疑うだろ?」
最原「現に今、このモノパッドを出した天海くんが首謀者なんじゃないかとかキミ達は疑ってるし」
キーボ「そ、それはそうですが…」
最原「最初から論点がどんどんずれていってるよ。話を元に戻したいんだけど、いいかな?」
茶柱「ま、まだダメですよ!」
茶柱「図書室の奥に隠し部屋があるなら、一体どうやってそこに行ったというのですか!?本棚を動かせない校則があるというのに!」
東条「図書室の奥の隠し部屋に続く、隠し通路があったのよ」
茶柱「隠し部屋の次は隠し通路ですか!?」
真宮寺「さっき天海君が見せてくれた特別な方のモノパッドのマップでは、隠し通路なんて無かったと思うヨ?」
東条「確かにあのマップには隠し通路の記載は無いわ」
夢野「では隠し通路の証明のしようがないではないか」
東条「百聞は一見にしかず…。隠し通路のある場所に案内しましょうか?」
白銀「うん、見せてもらおうよ」
王馬「見せるのは隠し通路の入口だけでいいと思うよ。奥まで行くとまた面倒そうだし」
東条「そうね」
茶柱「えっと…、その隠し通路に危険はないんですか?」
東条「ええ。私が保証するわ」
アンジー「ちなみにー、それはどこにあるのー?」
東条「女子トイレの用具入れの中よ」
ゴン太「えぇっ!?女子トイレの中!?ゴン太は紳士だからそんな場所には行けないよ…!」
茶柱「女子トイレに隠し通路があるというなら、当然男死は連れて行けませんよ!」
星「まあ、隠し通路を見に行った女子全員が存在を証明すれば、隠し通路は実在したってことでいいんじゃないか?」
真宮寺「僕もそれでいいヨ」
茶柱「それでは女子の皆さん、隠し通路を見に行きましょう!」
東条「一応案内するわね。ついてきて頂戴」
王馬「東条ちゃん、首謀者の白銀ちゃんがそのまま隠し通路の中に入って行かないようにちゃんと見張ってね!」
白銀「だから、わたしは首謀者じゃないんだってば!」
東条「勿論見張らせてもらうわ」
白銀「もう…」
ーーー
アンジー「戻ったよー」
真宮寺「結果はどうだったんだい?」
アンジー「斬美の言うとおり、確かに隠し通路はあったんだよー!神さまもびっくりしてるよー!」
ゴン太「え!?神さまにも知らないことがあるの!?」
アンジー「神さまだって万能じゃないからねー、仕方ないねー」
ゴン太「そういうものなんだね」
春川「私も隠し通路を確認したよ」
赤松「…うん、私も」
夢野「ウチも確認したぞ」
茶柱「ええ、転子も確認しました。東条さんは本当のことを言っていたようですね」
白銀「…まあ、通路は一応あったね」
東条「入間さんはずっとこの食堂で寝ていたから、まあ彼女の証言はいいとして…」
東条「これで証明ができたでしょう?隠し通路の存在と、首謀者が女子であるということが」
茶柱「悔しいですが…、認めるしかないでしょうね…」
茶柱「女子トイレが隠し通路の入口だとすると、男死は出入りが難しくなってしまいますからね」
白銀「でもさ、あの隠し通路が本当に図書室の奥の隠し部屋に繋がってるかどうかなんてわからなくない?」
白銀「だってわたし達は隠し通路の入口見ただけで、中には入ってないんだからさ」
夢野「じゃが、通路は下り坂になっておったぞ」
茶柱「ええ。地下に繋がっていることはほぼ確実だと思いますよ」
白銀「途中で行き止まりになってる可能性だって、充分あると思うよ」
王馬「それは無いよ。だってオレもあの通路の先に行ったことがあるもん」
王馬「ちゃんと隠し部屋に繋がってたから安心していいよ」
最原「僕も行ったことがあるから保証するよ」
茶柱「そうですか。それなら少し信憑性が上g…」
茶柱「……男ッ死!!」
王馬「文句なら、隠し通路を女子トイレなんかに設置した首謀者さんに言ってよねー」
白銀「こっち見ながら言わないでよ!?」
白銀「もう…、わたしは首謀者じゃないってどうしたら分かってくれるのかなぁ…」
最原「ともかく、あの隠し通路の先は図書室の奥の隠し部屋に繋がってるんだよ」
最原「ね、天海くん」
天海「えっ!?あ、はい。俺も保証します」
茶柱「男ッ死!!!!」
百田(オレは巻き込まれなかったか…)
白銀「ううん、違うよ!あの通路は隠し部屋になんてつながっていなくて、あの先はきっと行き止まりになってるんだよ!」
天海「随分ハッキリ言うんすね」
白銀「だってわたしは地味に他の隠し通路のことを知ってるんだけど、そっちは行き止まりだったからね」
最原「!隠し通路が他に…!?」
百田「何で今までそのこと言わなかったんだよ!」
白銀「行き止まりだったからだよ。出口には関係ないから言う必要ないかなって思って…」
東条「その行き止まりの隠し通路に案内してほしいのだけれど、いいかしら?」
白銀「うん。これでわたしの疑いが少しでも晴れるなら喜んで協力するよ」
赤松「白銀さん、場所は?」
白銀「厨房だよ」
東条「厨房に隠し通路が…?今まで気がつかなかったけれど…」
白銀「まあ見てみればわかるよ。案内するね」スタスタ
最原(協力的な態度を見せて、新たな情報を提供してくれるようだけど、そんなことをしても僕らは彼女が首謀者だと既に知っている…)
最原(彼女の狙いは、見張りをしていた僕ら以外のメンバーを味方につけることか…?)
最原(マザーの部屋までみんなを連れて行くのが1番手っ取り早いんだろうけど、マザーの存在が面倒臭すぎるんだよなぁ…)
最原(マザーの説明とか、マザーがベラベラ喋りだしたら面倒すぎるからなぁ…)
最原(でも議論がこのまま停滞し続けてしまったら、白銀つむぎを除いた何人かの女子を東条さんに案内させた方がいいだろうな…)スタスタ
ー厨房ー
東条「白銀さん、その隠し通路というのはどこにあるのかしら?」
白銀「えっとね、そこ…」指さし
赤松「あの天井付近にある扉付き収納棚の中なんだね?」
白銀「うん。その奥の壁が実は簡単に外せるようになってるんだよね」
赤松「わかったよ、私が登って確かめてみるね!」カウンターよじ登り
最原「赤松さん、そこに入る時にパンツ見えちゃうよ。男子が登った方がいいと思うけど」
赤松「あー…。まあ、見えてもいいよ」
百田「いや、よくねーだろ!」
赤松「そうだよね、みんなの目が汚れちゃうよね…」
百田「汚れはしねーけどよ…」
赤松「じゃあ早く誰か登ってくれないかな?」カウンターから降りる
赤松「早くここを調べて、白銀さんの無実を証明してあげないと可哀想だよ…」
王馬「その奥に通路があったとして途中で行き止まりだったとしても、白銀ちゃんが完全に無実ってことにはならないと思うけどな」
白銀「むぅ…」
天海「まあとりあえず調べてみるっすよ」
天海「それじゃあ俺が登りますね」
天海「よいしょっと」カウンターに登る
東条「確かその中には、大きな寸胴鍋が1つ入ってるだけだったわ」
天海「みたいっすね。じゃあとりあえずお鍋を出して…っと」扉を開けて鍋取り出し
天海「えーっと、奥の壁が外せるんでしたっけ?」
白銀「うん。なんか立てかけてあるだけなんだよね。その壁…っていうか、板」
天海「あ、確かに外せるっすね」ベニヤ板を外に出す
夢野「白銀の言っていたことは本当だったようじゃな」
白銀「そうだよ、わたしは地味に本当のことしか言わないからね」
最原「…それにしても、よくこんなものがあるのに気づいたね」
白銀「あの時は私も必死に出口を探してたからねー…。なんかもう手当たり次第探してて、偶然発見したみたいな…」
天海「ちょっと奥、見てくるっすね」棚の中に入る
百田「気をつけろよ!」
天海「当たり前ですけど、天井が低いっすね…」
赤松「頭ぶつけないようにね!」
天海「はは、大丈夫っすよ。それにちょっとぶつかっても死ぬわけじゃないですし…」
天海(……あ、これが行き止まりっすね)
天海(確かにこれ以上は行けそうもないっすけど、なんだか頑張れば壊せそうな気が…)
天海(何故かここはちょっと天井が高いですし、体当たりしてみるっすかね)ガンッガンッ
天海(…………)ガンッガンッガンッガンッメキッ
天海「あ、壊れ…なんっ!?」倒れた先の段差の角に頭をぶつける
天海「……………………で、こんなところに段差があるんすかね…?」ムクリ
天海「……段差じゃなくて狭い階段のようっすね…。ってて…」
天海「階段…、階段っすか…」
天海「この階段は確か、俺の研究教室に繋がってたんでしたっけ…」
天海「あの時はモノクマが……あれ?」
天海「…………」
ーーー
天海『まさか俺の研究教室で殺人が起きるなんて…』
△△『でも犯人はもう決まってるよな』
○○『モノクマファイルによる死亡推定時刻を見てみたら、この時間に犯行が可能だったのは☓☓しか居ないもんね』
□□『そうそう、■見と☓☓以外はみんな食堂に居たからな』
☓☓『えっ、ちょっと待ってよ…!』
□□『こんな事件、捜査するまでもないよな』
△△『行こうぜ』スタスタ
☓☓『そんな…』
モノクマ『えー!?みんな捜査しないの!?』
モノクマ『…まあ、☓☓クンは学級裁判が始まるまでの間に頑張って自分の無実を証明できるような証拠を見つけなよ』
モノクマ『うぷぷ、精々頑張ってねー!』ボヨヨーン
☓☓『……』
天海『☓☓君、頑張って捜査しましょう』
☓☓『…無理だよ…。だって犯行時刻にアリバイが無かったのは僕だけなんだから…』
天海『諦めるのはまだ早いっすよ』
天海『ここは俺の研究教室ですし、俺なら君の力になれると思うっす』
天海『だから諦めずに一緒に頑張って捜査するっすよ!』
☓☓『…うん。天海君、ありがとう…』
天海『じゃあ早速なんすけど、まずは彼女を殴打した凶器を特定するところから……』
ーーー
天海「……なんで、こんなことを…俺は…」
天海「…………」
天海「…確かあの事件では、あの生徒がここを通って彼女を…」階段を登って天井を開ける
天海「!?床に楽譜が…」
天海「ということは、ここは赤松さんの」残り数段を駆け上る
天海「なんっ!!?」ガンッ
天海「…………なんすかね!?今度は!」
天海「……グランドピアノ…っすね…」
天海「…………」のそのそとピアノの下から這って出る
天海「……」床を閉じて周囲を見渡す
天海「…ここには、俺の研究教室があったんすね」
天海「超高校級の、冒険家の…」
天海「……俺の部屋には窓なんて置いてくれなかったっていうのに、全く…」
天海「まだ断片的にしか思い出せてないっすけど、まあ、思い出せて良かったっすね…」
天海「…全然肝心なことが何も思い出せてなくて駄目っすね…」
天海「……首謀者の正体と…、彼らは結局、どうなったんでしょうね…」
ー厨房ー
ほぼ全員「…………」
百田「…なあ、やっぱり様子を見に行った方がいいんじゃないのか?」
王馬「『なん!?』っていう断末魔となんかでかい音が聞こえて、それから音沙汰ないもんね」
赤松「ま、まさか頭でも打って中で倒れてるんじゃ…!?」
最原「……仕方ないね、僕が様子を見てくるよ」
茶柱「も、もしかしたら中に変な人が潜んでいて、その人に天海さんはやられたんじゃないでしょうか!?」
夢野「首謀者か!?そやつが首謀者なのか!?」
ゴン太「じゃあゴン太が様子を見てくるよ!みんなは危ないからここで待ってて!」
白銀「いや…、ゴン太くんだと地味に入れないと思うよ…?体格良すぎて…」
東条「なら私が行くわ」
赤松「東条さん!危ないよ!」
東条「大丈夫よ、私は超高校級のメイドだもの」
赤松「じゃなくてパンツが!」
天海「皆さん、どうやら心配おかけしたようっすね」食堂の方から現れる
茶柱「!!!???きゃああああああああああああ!!!!??????」
夢野「んああああああああああ!!!!?????」
白銀「えええええええええええええええっ!!!!!!!???????」
東条「……貴方の姿を見て余計に心配になったわ、今」
天海「え?」
百田「頭から血出てっぞ蘭太郎!」
アンジー「勿体ないな―。今すぐイケニエになるー?蘭太郎ー」
天海「え?」頭を触る
天海「……」血ベッタリ
天海「……」フラッバタッ
赤松「怪我を自覚しちゃってダメになっちゃったやつのパターンだよね!?これ!」
東条「…意識を失っただけのようね。頭部に陥没は無いようだし、頭の傷だから出血が派手なだけでそんなに大事には至ってないと思うわ。気絶の原因は恐らく、失血による貧血ね」厨房にある布巾を取る
東条「とにかく、手当てしましょう。頭の出血は収まりやすいけれど私はここで一応傷を圧迫止血してるから、誰か倉庫に救急セットを取りに行って頂戴」
白銀「じゃあわたしが倉庫に取りに行ってくるね!」
百田「いや、オレが行ってくる。オレなら倉庫で救急箱がある場所や薬とか置いてある場所を把握してるから、早く戻ってこられるからな」
白銀「……」
東条「じゃあ百田君、頼んだわよ」
アンジー「神さまー、久しぶりのイケニエだよー!」
茶柱「何勝手にイケニエにしてるんですか!?」
最原「…天海くんがそっちの方からやって来たってことは、どこかに抜け出たんだね」
王馬「あの大きな音と断末魔は、行き止まりの壁を壊した時のものかな?」
星「戻ってきたってことは、少なくとも出口には出られなかったらしいな」
キーボ「冷静ですね…」
真宮寺「ククク…、今日は非常に人間観察が捗るヨ…!」
キーボ「ボクも観察されているのでしょうか」ソワソワ
最原(キーボくんは人間じゃないから、観察されるわけないよね…?)
最原「東条さんの感じだと天海くんは大丈夫そうだし、僕に出来ることはないし時間が勿体無いから、僕ちょっとこの隠し通路の中見てくるね」
王馬「じゃあオレは、白銀ちゃんが騒ぎに乗じてトイレに行かないように見張ってるね」
最原「うん、お願い。よい…しょっと」ヨジヨジ
最原(薄暗いな…当たり前か)モノパッドの明かり点けて進む
最原(何のための通路なんだろう、ここ)
最原(たまたま棚の壁が抜けたというより、明らかに通路なんだよな…)
最原(あ…、ここが行き止まりだった場所だね。ベニヤで塞がれてたみたいだな)
最原(これじゃ確かに女性の力じゃどうしようもないかな)
最原(あ、でも赤松さんの突っ張りならどうにかなりそうだな、この前教室の机を全部吹き飛ばしてたし)
最原(あれはなんだったんだろう…。ストレス発散でもしてたのかな…)
最原(……なんでわざわざこんな通路を作ったのに塞いでたんだろうか…)
最原(で、その先に階段か…)
最原(…………比較的新しい血痕がついてるけど…。天海くんのだね、どうみても…)
最原(……痛々しいなぁ、もう…)
最原(えーっと、他に道はないね。よし、階段を登ってみよう)
ー赤松の研究教室ー
最原「うっ…、どっこいしょっと」床板を開ける
最原「…うわぁ、こんなところにも天海くんの血が落ちてるよ…」
最原(えっと…、ここは赤松さんの研究教室…の、ピアノの下か)
最原(…………この位置だと、赤松さんが演奏中にここから出るとパンツ見えそうだな…)
最原(いや、見ないけど…)
最原(この蓋、厚みの割に重さがあるな…)外に出て蓋を閉じる
最原(……ここから食堂にショートカット出来るのかなと思ったけど、蓋に凹みや出っ張りがなくて指がかけられないから、ピッタリ閉じてしまったらここから出入りは出来なそうだね)
最原(それとも何か行き来できるような方法があるのかな…?)
最原(…本当になんなんだろう、この通路…。首謀者が遊び心で作っただけで、あまり意味はない…のか?)
最原「とりあえず食堂に戻ろうかな…」
ー食堂ー
最原「ただい…、………?」ドアガチャッ
東条「あら、おかえりなさい」
最原(何故か食堂に布団が一式敷かれていて、そこに天海くんが寝かせられている…)
最原(ちなみに、食堂に来てからずっと寝ていた入間さんは未だテーブルに突っ伏して爆睡している)
最原「えっと…、天海くんは大丈夫だった?」
東条「ええ。先ほど傷を縫ったから出血はもう大丈夫よ」
最原「…東条さん凄いね…」
最原「ところで、何で天海くんがここに布団ひいて寝かせられているの?」
東条「本当はちゃんとお部屋で休ませてあげたいのだけれど、首謀者とは早めに決着をつけた方が良いだろうし、天海君から目を離すのもどうかと思ってこうしたの」
最原「そうなんだ」
東条「ところで、隠し通路の先に行ったのでしょう?どうなっていたのか聞かせてくれないかしら」
最原「あの通路の先は赤松さんの研究教室に繋がっていたよ」
赤松「え、私の?そんな通路があるなんて気がつかなかったけどなぁ…」
アンジー「というかあの隠し通路って行き止まりって話じゃなかったっけー?」
アンジー「なんで繋がってるのかなー?つむぎー」
白銀「な、なんでアンジーさんまで疑いの目を向けだすのかなぁ…」
最原「いや、あの通路は確かに行き止まりだったよ。どうやら、ついさっき天海君が体当たりでもしてこじ開けたみたいだね」
アンジー「なるなるー、それで蘭太郎は怪我しちゃったんだねー」
茶柱「女子トイレの隠し通路は図書室の隠し部屋に繋がっているので意味のあるものですが、厨房から赤松さんの研究教室への隠し通路は一体何の意味があるのでしょうかね?」
夢野「夜中に小腹がすいた時に、厨房へ小腹を満たしに行けるではないか」
星「食堂は夜時間は入れねえと校則にある。恐らく厨房も食堂扱いだろうから、そんなことしたらエグイサルに殺されちまうぜ」
白銀「わかった!きっと赤松さんが首謀者なんだよ!」
赤松「えっ!?な、なんで私が!?」
ゴン太「ど、どうして赤松さんが首謀者ってことになるの?」
白銀「だって隠し通路は赤松さんの研究教室にあったんだよ?普通の生徒なら夜時間に食堂に出入りしたら校則違反ってことで殺されちゃうけど、赤松さんが首謀者なら殺されないんじゃないかな」
白銀「それに赤松さんは女子だから、女子トイレの隠し通路を怪しまれずに使うことが出来るよ!」
最原「なんで赤松さんが夜時間に厨房に忍び込む必要があるのさ」
白銀「きっと食品の搬入でもしてたんじゃないかな?知らないけど」
百田「つーか夜時間にこっそり厨房に忍び込むだけなら別に赤松じゃなくてもできるだろ!あの研究教室には鍵がねーんだからな」
最原「さっき僕は隠し通路を通って赤松さんの研究教室から出てきたけど、出た通路の蓋を閉じたらもうこちらからは開けられないようになっていたんだ。蓋に指を引っ掛けるところなんかなかったからね」
最原「だからあの通路は厨房側からの一方通行なんだよ。そもそも…」
白銀「本当に一方通行だと思ってるの?」
最原「え?」
白銀「例えば、ある昼時間に赤松さんがこっそり厨房から研究教室に出て、蓋をちゃんと閉めないで置いたら出入りは自由にできるんじゃないかな?」
天海「いや、それはないと思うっす」ムクリ
東条「あら天海君、もう大丈夫なの?」
天海「はい、心配おかけしました」
東条「あまり無理はしないようにね」
天海「ありがとうございます、気をつけますね」
白銀「それで、なんでないと思うの?」
天海「白銀さん自分で言ってたじゃないっすか。あの通路の先は行き止まりになってるって」
天海「確かに行き止まりになってたっすよ。俺がその壁を壊しちゃいましたけど」
天海「だからそもそも、どちらからも行き来なんて出来ないんすよ」
白銀「でも首謀者として折角隠し通路を作ったのなら、使わなきゃ意味がないよね?」
天海「ええ、使ってましたよ。52回目のダンガンロンパで」
白銀「!?」
天海「なんで通路を塞いじゃったのかは知らないっすけど、何度も同じ物を使ってアリバイ確保されると面白くないからじゃないっすかね?多分」
百田「蘭太郎、記憶が戻ったのか!?」
天海「まあ、はい。少しだけ」
白銀「…あれれ?なんで天海くんはそんなことを知ってるのかな?」
白銀「やっぱり天海くんが首謀者なんだよね!?だから52回目のダンガンロンパなんて正確なナンバリングが言えるんだよ!そうに決まってるよ!」
茶柱「…えーっと、そもそもそのナントカロンパって何ですかね…?」
ゴン太「あ、良かった。ゴン太だけ知らないことなのかと思ってたよ…」
夢野「ウチも知らんな…。誰か説明してくれんかの?」
白銀「あ、あれ?さっき出てきたよね?」
最原「この場では今初めて出てきた単語だよ」
白銀「そ、そう。じゃあますます天海くんが怪しいよね!なんでみんなが知らない単語について喋ってるのかな?」
天海「確かにみんなからしたら俺も怪しいかもしれないっすけど、白銀さんも中々怪しく映るんじゃないんすかね?」
天海「白銀さんはどうしてダンガンロンパって単語を、まるで知ってるかのように話したんすかね?普通、茶柱さんみたいにまず尋ねると思うんすけど」
白銀「…なるほど。天海くんはそういう風にして、わたしを首謀者に仕立て上げようとするんだね」
白銀「みんな、騙されちゃダメだよ!」
白銀「冷静に考えてみてよ…。わたしがさっき天海くんに『折角隠し通路を作ったのなら、使わなきゃ意味がないよね?』って言ったら彼は『ええ、使ってましたよ。52回目のダンガンロンパで』って返したんだけどさ、まるで自分の目で見てきたかのような言い方じゃない?これ」
夢野「言われてみればそうじゃな」
茶柱「やはり男死が首謀者ですか!女子トイレに隠し通路を作るなんて…!男ッ死!!」
アンジー「でもでもー、確かに蘭太郎の言うとおり、どうしてそのダンコンチョンパをつむぎが疑問を持たずに使うのかは気になるよねー」
茶柱「覚えやすい名前ですね、ダンコンチョンパですか。性転換手術のことですかね?」
星「……そんな名前だったか?」
白銀「ダンガンロンパ!ダンガンロンパだから!!何なのそのおぞましい名前!」
ゴン太「結局ダンガンロンパって何のことなのかな…?」
白銀「なんのことなんだろうね…?わたしもよくわかんなくてノリで使っちゃってたよ」
茶柱「ですから、名前から察するに男死が女子になることですって」
白銀「なんでそんなに自信満々に答えちゃうのかな…」
白銀「あーあ、何について話してるのかわかんなくなっちゃったね」
ゴン太「ごめん!ゴン太が余計なことを訊いたからだよね!?」
白銀「謝る必要はないと思うよ」
最原「確か話が逸れる直前の話は、アンジーさんが言った、『白銀さんがどうしてダンガンロンパを疑問を持たずに使ったのか』ってことじゃないかったっけ」
アンジー「終一ー、ダンガンロンパじゃなくてダンコンチョンパだよー」
最原「いや、ダンガンロンパだよ…。アンジーさんそのまま間違えて覚えちゃったんだね…」
王馬「名前について指摘してたら流れがいちいち止まっちゃうし、何のことを指してるのか分かればもうそのまま議論続けることにしない?」
最原「それに賛成するよ…」
王馬「じゃあ白銀ちゃんがどうしてその断水ロンパについてスルーして話を進めてたのかってことについて、理由を訊きたいんだけどいいかな?」
白銀「王馬くんはわざと間違えに行ってるよね?断水って…」
王馬「いいから早く答えろよ」
白銀「さっきも言ったけど、よくわかんないけどノリで使ってスルーしただけだよ。別に深い意味なんてないんだよね」
白銀「まさかこんなことで疑われちゃうなんて…」
茶柱「そもそも、今怪しいのは天海さんでしょう!」
茶柱「何故天海さんは『52回目の断熱ロンパ』などと急に言いだしたのですか!?一体どこからそんな言葉が急に出てきたんですか!」
最原「そもそもダンガンロンパっていうのは、このコロシアイゲームの名前らしいよ」
最原「例の図書室の奥の隠し部屋にあるコンピュータを入間さんに解析してもらってる時に出てきた情報として天海くんは知ってるだけなんだよ」
白銀「それって実は嘘なんじゃないのかな?」
白銀「だってさっき、天海くんがダンガンロンパのことを言った時に百田くんが天海くんに向かって『記憶が戻ったのか!?』って言ってたよ」
白銀「マザーコンピュータからの解析で解った情報なら、百田くんもそれを知ってるはずだよね?知ってたらそのタイミングでそんなことは言わないと思うんだけど」
最原「…白銀さん、キミはなにか勘違いしてるようだけど…、解斗くんは僕らの仲間じゃないんだよ」
百田「!?」
白銀「えっ!?」
最原「例の隠し部屋に行ったことがあるのは、東条さん、隠し部屋のコンピュータを解析した入間さん、僕、王馬くん、天海くんの5人だけなんだよ。だから仲間なのはこの5人だけなんだ」
白銀「え!う、うそ!?またわたしを嵌めようとしてるんだね!?百田くんはキミ達の仲間のハズでしょ!?」
最原「なんでそう思ったのか、聞かせてくれるかな?」
白銀「だって百田くんは天海くんとよく行動してるし、それにさっきだって、男子が女子トイレの隠し通路に入ったって話があったよね?」
最原「確かに男子が女子トイレの隠し通路に入ったって話はしたけど、その時に女子トイレの出入りが明らかになったのは自己申告した僕と王馬くん、それに僕が話しを振った天海くんだけだったよ」
白銀「う、嘘!?」
最原「茶柱さんならその話題について覚えてるんじゃないのかな?」
茶柱「は、はい。確かにその時女子トイレの出入りが明らかになったのは、自己申告した最原さんと王馬さん、最原さんが話題を振った天海さんだけで間違いないですよ」
最原「茶柱さんもこう証明してくれてるけど、……まあ実際には解斗くんも女子トイレを出入りしてたんだけどね」
茶柱「えっ」
最原「でも何で白銀さんはそのことを知っていたんだろうね?僕達はそんな話をしていないのに」
最原「解斗くんが隠し部屋に行っているということを推論する余地はなかったのに、どうしてキミは解斗くんが僕らの仲間だと思ったの?」
白銀「えーっと、それは……」
赤松「…それに、白銀さんは『百田くんと天海くんがよく一緒に行動してる』って言ったけど、そうでもないと思うんだよね」
赤松「百田くんは午前中は殆ど見かけることはないし、お昼すぎからは大体いつも私とキーボくんと一緒に外への出口探しをしてくれてたんだよ」
赤松「だから天海くんと一緒によく居るっていうか、私とキーボくんと一緒に居るって方が多いと思うんだよね…」
白銀「えっ…」
王馬「それにキミはさっき、図書室の奥のコンピュータのことを『マザーコンピュータ』って言ってたよね?」
白銀「なにもおかしいことないよね?」
王馬「いや、おかしいよ。オレらは誰も図書室の奥の隠し部屋にあるコンピュータのことを『マザーコンピュータ』なんて言い方してないからね」
白銀「重要な情報が色々入っている隠し部屋にあるコンピュータなんて、いかにも大層そうなコンピュータじゃない。だからマザーコンピュータって言っちゃっただけで、深い意味なんてこれっぽっちもないんだよ!」
白銀「いい加減にしてよ!最原くん達は結託してわたしのことを貶めたいみたいだけど、本当にわたしは首謀者なんかじゃないし、これは真の首謀者である天海くんの陰謀なんだよ!」
白銀「ねえ、他のみんなはわたしと天海くんのどっちが怪しいと思ってるの!?特に物的証拠もないのに揚げ足ばっかり取られちゃってるわたしと、52回目のダンガンロンパの話を急にしだした天海くん!どっちが怪しいと思ってる!?」
王馬「物的証拠があればいいの?」
白銀「えっ…」
茶柱「そんなものがあるんですか?あるならさっさと出してくださいよ!」
王馬「じゃあはい」つ写真
茶柱「…何ですか?このカードは。モノクマのカラーリングをしていますが…」
王馬「それは図書室側から隠し部屋に入る為に必要なカードキーだよ。それを見つけたのはなんと!白銀ちゃんの部屋でーす!」
白銀「!!!???わ、わたしの部屋に入ったの!?」
茶柱「男死ッ!」
王馬「白銀ちゃんの部屋に入った時は『首謀者が女子』ってことしかまだわかんない時だったからね、何か部屋に証拠がないか虱潰しで捜索してたんだよ」
茶柱「と、ということはまさか転子の部屋にも勝手に入ったってことですか!?」
王馬「いや、茶柱ちゃんの部屋には入ってないから安心していいよ?」
王馬「というか白銀ちゃんの部屋から探し始めたんだよね!だから他の女子のみんなは安心していいよ!」
最原「……」
白銀「こんなカードキー見たことないよ!わたしこんなの知らないから!」
アンジー「って言ってるけどー?」
王馬「じゃあ今から白銀ちゃんの部屋にみんなで行く?」
白銀「えっ!?」
王馬「そこでカードキーが出てきたら、白銀ちゃん首謀者説がほぼ真っ黒になるんじゃないのかな」
白銀「やめてよ!わたしにもプライバシーってものがあるんだよ!?みんなを部屋に入れるなんて冗談じゃないから!」
茶柱「そ、そうですよ!女子の部屋に男死が入るなんて…!」
王馬「じゃあカードキーがあった在り処をオレが教えるから、茶柱ちゃんがそれ取ってきなよ」
茶柱「そ、それなら…」
白銀「!だ、ダメダメ!同性同士だってプライバシーってものがあるんだよ!!」
茶柱「ですが、このままだと白銀さんはずっと疑われたままですよ?」
白銀「ダメなものはダメだよ!」
星「王馬の言うことが本当なら場所はわかってるんだから、余計な時間もくわねーだろうし最低限のプライバシーも守られる。茶柱を信頼して入れてやったらどうだ」
白銀「ダメダメ!」
王馬「え、どうしてダメなの?」
白銀「幾ら女子同士だからって、下着を見られるなんて地味に抵抗あるからに決まってるでしょ!」
茶柱「え、下着ですか?王馬さんは白銀さんの下着を漁ったのですか!?」
王馬「白銀ちゃん、さっきキミは『こんなカードキーなんて見たことない』って言った癖に、どうしてカードキーの在り処を知ってるのかな?」
白銀「うっ…!」
王馬「さっきからどんどんボロが出てきてるねー」
茶柱「王馬さんは女子の下着を漁ったんですね!?」
王馬「キー坊がね!!」
キーボ「えっ!?…いや、まあ、漁ったというか……はい」
茶柱「ロボットはギリセーフかと思いましたが、キーボさんは男死寄りなんですね!!」ガルル…
ゴン太「白銀さん…、本当にきみがこのコロシアイ生活の首謀者なの…?」
星「女でも部屋に入らせたくないってことは、そういうことなんだろうさ」
白銀「ち、違うよ!本当に違うんだってば!!」
最原(他のみんなが白銀つむぎを疑い始めている…。あともう一息かな)
東条「…仕方ないわね。それじゃあ決定的な証言をさせてもらうわね」
白銀「決定的な証言…?」
東条「議論の始めの方で私が言いかけた言葉の続きを話すわね」
東条「図書室の奥にある隠し部屋、そこにあるコンピュータの中にあった監視カメラのデータに…」
偽
東条「女子トイレの用具入れから隠し通路に入っていく貴女の姿が、バッチリ映っているのよ!」
証
白銀「!!!!???そ、そんなのありえないよ!!」
東条「あら、どうしてありえないのかしら?」
白銀「だってわたしはそんな通路なんて通ったことないもん!存在も知らなかったし!!」
赤松「……でも、東条さんがこんなにハッキリ言うってことは、そうなんだと思うよ」
白銀「違うよ!東条さんは最原くん達と結託してわたしを嵌めようとしているだけなの!」
赤松「東条さん達が白銀さんを嵌めたって、何のメリットもないんじゃないかな」
白銀「メリットはないかもしれないけど、真の首謀者である天海くんに東条さん達は騙されてるだけなんだよ!」
白銀「天海くん!いくらわたしが地味だからって、黙って首謀者にさせられるわたしじゃないんだからね!」
天海「いい加減にしてください!」
百田「こんなに証拠があるのに、まだ言い逃れ出来ると思ってんのかよ!?」
最原「マザーの解析で、僕らはお前が首謀者だって証拠を他にも持ってるんだぞ!」
最原「観念しろ!小松未可子!!」
白銀「!!」
白銀「…………ふふっ。なんだ、そういう情報も知ってたんだね…」
夢野「し、白銀…?どうしたのじゃ…?」
白銀「これ以上見苦しい姿見せるのもなんだし、そろそろノルマいっとこうかな」指パッチン
茶柱「!?な、なんですかこの煙は!?」
星「まさか毒か!?」
春川「いや、毒じゃないよ。ただのスモッグじゃないかな」
モノスケ「その通りやで!ただの大人の事情のスモッグや!」
ゴン太「えっ!?いつの間にモノクマーズが!?」
夢野「前が見えんぞ!?」
???「もー!ちょっとぉ!みんな静かにしてよ―!」
春川「…誰?今の声」
???「えー、じゃあ、コホン!」
???「うぷぷ…待たせたわね。オマエラの誰も待っていなくても、ザコドモに”またかよ”と思われても…」
江ノ島53世「美しくて絶望的な私様の登場よ!江ノ島盾子53世のねっ!」ドーン!
モノファニー「んもう!まだスモッグが晴れてないわよ!」ワタワタ
モノスケ「換気や換気!!」ドアガチャッ
江ノ島53世「イマイチ締まらなくて、凄く…絶望的です…!」