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赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】(1/4)
赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】(2/4)
赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】(3/4)
赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】(4/4)
1 : ◆k6xhNpU36A - 2017/05/23 20:52:13.37 jEdJiuLa0 652/1655このSSは前作『赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】』の続きになっております。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491223303/
※このSSはニューダンガンロンパV3のネタバレを含みます、クリア済み推奨
・V3コロシアイ生活中
・キャラ崩壊注意
>>2、>>3、>>4に前回のあらすじを勢いだけでまとめておきます
あらすじが終わり次第、前回の続きから本編となります
〜1スレ目の凄く大まかなあらすじ〜【1/3】
※主観関係なく時系列順
赤松「デスロード絶対クリアするんだから!」
百田「オレも手伝うぜ!」
最原「天海くん、僕の相棒になってほしいな」
王馬「天海ちゃん、このモノパッドは何?」つ生存者特典のモノパッド
天海「ええい、もう!事情を話すっす!一緒に図書室見張るっすよ!」
モノクマ「では追加の動機を発表しま…」ドカーンッ
入間「デスロードの攻略に役立つ発明品と、センサーとカメラが連動した装置を作ったぜ壁尻原!」
赤松「デスロードクリアしたよ!でもこんなことって…」
百田「いや、あれが外の世界なわけねぇ!キーボに協力してもらって証明してみせるぜ!」
白銀「最原くん、いいことしようよ!」押し倒し
最原「最近の女子高生恐い!」突き飛ばし
王馬「ずっと図書室を見張ってたのに、またモノクマが復活したね。黒幕は天海ちゃんでしょ?」
最原「それは違うよ!カードリーダーのホコリは落ちてないし形も変わってないからね」
最原「今日からは図書室の隠し扉に繋がる別ルートの隠しルート探しを、天海くん王馬くんと場所分担して行うよ」
王馬「ドアが開かないからピッキング(物理)だよ!」ガラスガシャーンッ
モノスケ「何しとんねん!校則追加や!」
キーボ「百田クンの指示通り、デスロードの先の世界を調査します」カメラパシャパシャ
最原「百田くん、赤松さんが勘違いして落ち込んでたから誤解を解いてきなよ」
百田「デスロードのゴール先の写真の現像を東条に頼んで、赤松のとこに行くか」スタスタ
赤松「百田くん、無理しちゃダメだよ。体に気をつけてね」
~1スレ目の凄く大まかなあらすじ~【2/3】
最原「センサーが鳴った!誰かが本棚と動かしたんだ!」図書室ダッシュ
最原「調査した結果、東条さんが怪しいぞ…。黒幕は東条さんなのか…?」
天海「とりあえず仕掛けたカメラを現像するっすよ」
王馬「入間ちゃんに頼んで図書室の隠し扉を開けてもらって、マザーモノクマを発見したよ!」
王馬「でもあんまり調査できない内にモノクマに邪魔されて、追加の校則で今後図書室の本棚を動かせなくなったよ!」
東条「私の推理によると、最原君天海君はこの学園の謎に迫っているようね」
東条「みんなに尽くすのがメイドの務め、彼らに協力するわ」
キーボ「東条さんに手伝ってもらって、デスロードの先の世界の写真の現像とプリントが出来ました!」
赤松百田最原「見せて」
赤松「よーし!デスロードはダメだったけど、他の出口探し頑張るよ!」
天海「図書室の写真の現像終わったっすけど、黒幕なんて写ってないっすね」
最原「なんだかんだあって、東条さんと入間さんが仲間になったよ」
最原「そのお陰で、女子トイレの中に隠し通路を見つけることが出来たよ」
マザーモノクマ「オマエラに教えることは何もないよ!」
最原「この部屋に黒幕がまた来るだろうから、この部屋を24時間体制で交代で見張ろう」
最原「百田くんを仲間にしたよ。これで2人体制3交代で見張れるね」
最原「深夜が入間さん東条さん、朝~昼が百田くん天海くん、昼~夜が僕と王馬くんの担当になったよ」
~1スレ目の凄く大まかなあらすじ~【3/3】
白銀「よーし、モノクマ作るk……隠し部屋の中に誰か居る…!?」聞き耳
白銀「やばい、最原くん達に隠し通路のことがバレた!24時間体制で見張り?は??」
白銀「モノクマーズは使えないし、わたしが何とかしなくちゃ…」
真宮寺「そろそろ女子を殺すヨ」
真宮寺「何だかんだあって殺害の準備に失敗してしまい、民俗学講座と、みんなで仲良くクッキー作りをしてしまったヨ…」
最原「大変だ!真宮寺くんが白銀さんとアンジーさんを殺そうとしている!」
入間「ダサイ原が実は女ってことにして、真宮寺に狙わせようぜ」
最原「いやいや、それは無……それだ」
最原「真宮寺くん、僕実は女なんだよね」
真宮寺「姉さんに会わせてあげるヨ」包丁ブンブン
最原「百田くん達に助けられて、なんとか助かった…」
最原「真宮寺くんはこれからマザーモノクマの部屋で行動を監視することになったよ」
モノタロウ「おはっくまー!」
最原「仲良くなって付け入って、情報を引き出してやろうかな」
最原「友達になろうよ」
モノタロウ「うん!いいよー!」
白銀「TOMODACHI!?」
こんな流れで1スレ目終了
以下2スレ目本編となります
ー13時57分、女子トイレ前ー
最原(部屋の鍵は置いてきたし、モノパッドのマップで周囲を確認したけど近くに人は居ないみたいだし…)
最原(さて、見張りの交代に行こう)ドアガチャッ
モノタロウ「え?ここ女子トイレだよね?」
モノタロウ「あれ?最原クンは女子だったの…?」
最原(僕達が隠し部屋の見張りをしていることを知っているだろうに、とぼけてるつもりか?)
王馬「そうだよ、最原ちゃんは女子だったんだよ!」
モノタロウ「そうだったんだね」
最原「もういいから、僕が実は女子ネタは」スタスタ
王馬「真宮寺ちゃんに刺されたことがトラウマにでもなった?」スタスタ
モノタロウ「あれ!?何で王馬クンも女子トイレに入ってるの!?」
王馬「実はオレも女子だったんだよね!」
モノタロウ「な、なんだってー!?」
最原「人が来るかもしれないから早く行くよ」モノタロウを抱えて隠し通路を開ける
ーマザーモノクマの部屋ー
最原「お疲れ様、交代に来たよ」スタスタ
天海「ご苦労様っす」
百田「うおっ!?本当にモノクマーズの赤いヤツを連れてるんだな…」
最原(まあこの部屋で真宮寺くんの見張りも兼任してるし、朝の食堂での出来事は見てるだろうし知ってるか…)
モノタロウ「ここに百田クンと天海クンも居るってことは…2人も女子だったんだね!?」
王馬「そうだよ!」
天海「一体何の話なんすかね…?」
最原「無視していいよ」
最原(入間さんは、まだプログラミングの作業をしているみたいだな…)チラッ
入間「……あぁん…、らめぇ…、流石に眠気がぁ……」ウトウト…
最原「そこのソファで、ちょっと寝たらどうかな?」
最原「ずっと通しで作業してたんでしょ」
入間「そんなこと言ってテメー、オレ様を襲う気なんだろ!?」
最原「そんなことしないよ」
入間「いーや、信用なんね―な!」
最原「もう…、入間さんなんかに興味ないから安心していいよ」
入間「なっ…!このヴィーナスボディを持ったオレ様に興味が無いだと!?」
入間「さてはテメー、インポだな!?もしくはホモか!?」
最原「面倒くさい人だなぁ…」
モノタロウ「ねえ、入間さんは何の作業をしてるの?」
入間「あん?テメーはモノクマ側のロボットだろ、知ってんじゃねーのか?」
入間「まあいいや。この学園にある大量にある監視カメラを、簡単に切り替えて操作出来るソフトをプログラミングしてんだよ」
モノタロウ「へー、そうなんだね」
モノタロウ「もし良かったら入間さんが寝ている間、オイラがそのプログラミングをやっとこうか?」
入間「へ?」
最原(……恐らく、真宮寺くんを見張る僕達を妨害する気かな…?)
王馬「えっ、モノタロウはプログラミングが出来るの?」
モノタロウ「うん!」
最原「…折角の申し出だけど、これは遊びじゃないんだよ」
最原「モノタロウはあっちで王馬くんと遊んでてね」
王馬「押し付けたね」
モノタロウ「遊びじゃないってことだって、オイラには分かってるよ」
モノタロウ「友達の友達を助けたいと思ってるんだけど、ダメかなぁ?」
最原(僕は入間さんとは友達になった覚えはないけど…)
最原(……どうする?)
モノタロウにプログラミングを
①やってもらう
②やらせられない
安価↓1
10 : 以下、名... - 2017/05/23 21:14:54.44 zC7vIv4qo 660/16551
最原(…うーん…、ちょっと賭けになるけど…)
最原「じゃあ折角だし、やってもらおうかな?」
王馬「えっ」
最原(これでもしやらかされたら、それ以降信用しなければいいだけだし、これでやらかされなければ信用できるようになるしね…)
最原「モノタロウ、もし分かんなくなったら途中で止めてもいいから、くれぐれも変にだけはしないようにね」
モノタロウ「うん、わかったよ」
入間「よーし、それじゃあオレ様が寝る前最後の力を振り絞って、作ろうとしている細かい仕様を説明するぜ」
モノタロウ「宜しくね入間さん」
王馬「……任せて大丈夫なの?」最原に小声で耳打ち
最原「まあもし駄目になったら、また入間さんに1からプログラミングやってもらえばいいし…」(小声)
王馬「うわぁ、流石に入間ちゃんが可哀想になってきたよ…」(小声)
入間「…って感じだ。わかったな?」
モノタロウ「うん、把握したよ」
入間「それじゃあオレ様は寝るぜ!」隠し通路に向かって歩いて行く
王馬「えぇっ…、がっつり寝に行く感じなの?」
入間「後はモノタロウが最後までヤッてくれるって言うからな」
王馬「…モノタロウの作業が終わったら呼びに行くからさ、その時ちゃんと問題ないかどうか確認お願いするよ」
入間「ちゃんとソフトが動くかどうかの確認だけなら、テメーらでも出来るだろ!」
入間「人類の遺産であるオレ様をもっと寝させやがれってんだ!」隠し通路のドアウィーン
天海「…行っちゃったっすね」
モノタロウ「よーし!それじゃあオイラも頑張るよ―」カタカタカタカタカタカタ…
百田「うおっ!よくわかんねーけどすげぇ!」
最原「…じゃあ百田くん達、もう行ってもらっても大丈夫だよ」
天海「…終一君、相手は一応モノクマーズっすから、どうか気をつけて下さいっすね」(小声)
最原「いざとなったら黒幕の方のセンサーを動かして、みんなを呼ぶから大丈夫だよ」(小声)
天海「なら一応大丈夫っすかね…」(小声)
天海「それじゃあ失礼するっす」スタスタ
百田「真宮寺の見張りも忘れんなよー」スタスタ
最原「…さて…」チラッ
最原(僕はモノクマーズがプログラミングをしているモニターの、隣のモニターに目をやった)
最原(入間さんがプログラミングをしていた時もそうだけど、こっちのモニターでは真宮寺くんが現在居る部屋を見張るようにしている)
最原(もし彼が別の場所に移動したら、その時は作業している入間さんに声をかけてカメラを切り替えて動向をチェックするようにしているんだよね)
最原(だから今なら、モノタロウに声をかければ多分カメラを切り替えてくれると思う)
最原(…今は真宮寺くんは、自室で本を読んでいるみたいだね)
最原(まあ図書室になんて居て、うっかり女子が1人で来て2人きりになっちゃったら、僕らに注意されちゃうしね…)
最原(…しばらくは大丈夫そうかな?)
最原(僕はモノタロウの作業画面に目を移した)
最原(プログラミングを開始した時の入間さんのスピードと同等か、それ以上の早さでタイピングをしていっている)
最原(デタラメにキーを打ってるようには見えないし、変に指が止まる様子もないから、何か変なことをやらかしているようにも見えない)
最原(…今のところは)
最原(そういえばあの手でどうやってキーボードを叩いているのかと気になって手元を見てみたが、早すぎてどうなっているのか全く解らなかった)
最原(話しかけるのも悪いかなと思い、僕はとりあえずソファに腰を掛けた)
最原(いつ終わるかは分からないけど、終わったら話しかけてくれると思うし、一応この位置からでも真宮寺くんのモニターをチラチラ見ることは可能だし)
最原(僕はここに来る前寄った倉庫で手に入れた新品のメモ帳を取り出し、そこに今までモノタロウから得た情報を書き出すことにした)
最原(モノタロウの目の前で見張りのみんなに情報を直接言うのは気が引けるから、このメモ帳をみんなに渡して見てもらおうという算段だ)
最原(ここに今書いてる大体は、さっき得られたエグイサルに関する情報だった)
最原(共有すべき情報を書き終わった次のページに『他何かみんなで共有したいことがあれば書き加えて』と書いた)
最原「王馬くん、これ…」つメモ帳
王馬「ん?」メモ帳をめくる
王馬「…………」
王馬「とりあえず、これでいいんじゃない?」つメモ帳
最原「そっか」メモ帳を受け取る
最原(じゃあこれは、次の交代の時に東条さんと入間さんに忘れないようにして渡さないとね)
最原(さて…、後はモノタロウの作業が終わるのを待つだけで、時々真宮寺くんの動向を見るだけだな…)
最原「…暇だね…」
王馬「まあいつものことだよね」
王馬「とりあえず何する?ジェンガ?」
最原「何でジェンガ…。まあ、大体もう遊び尽くしちゃったけどさ」
王馬「もっと人数が居れば色々遊べるのにね」パッケージから出す
最原「友達の家に遊びに来たわけじゃないんだから…」
王馬「何?もっとスリルあるゲームがしたいって?」
最原「そんなこと言ってない!言ってないから!」
最原(しばらくジェンガをして遊んだ…)
ーーー
モノタロウ「最原クン、出来たよー!」
最原(僕らがトランプのブラックジャックで遊んでいると、モノタロウが不意に声をかけてきた)
最原(時間は、僕らがここに来てから2時間ってとこだろうか)
最原「問題無さそう?」スタスタ
モノタロウ「うん、完璧だよ」
モノタロウ「ちなみにそれぞれ独立のモニターにしてマザーに繋げたから、片方が操作ミスをしても隣のモニタに影響が及ばないようになってるよ」
モノタロウ「操作方法を説明するね」
モノタロウ「このエ●コムのゲームパッドで操作するんだけど…」つコントローラー
モノタロウ「今は基本画面の真宮寺クンの個室になってるんだけど、ボタン2でマップ呼び出し出来るよ」
最原「マップ!?」
モノタロウ「うん、マップ。天海クンの特典モノパッドのマップデータがマザーの中にあったからそれを流用したよ」
モノタロウ「で、そのマップから部屋を選んで4ボタンで決定すると、その部屋の全体を撮影しているカメラの1台に画面が切り替わるよ」ポチッ
王馬「なんかゲームみたいだねホント」
モノタロウ「部屋内のカメラの切り替えは5ボタンか9ボタンを押したら別のカメラに視点が切り替わるよ」カチカチ…
モノタロウ「基本の操作説明はこのくらいだね」
モノタロウ「有線コントローラーだから、もし距離が短すぎるってことだったら、倉庫でUSB延長ケーブルでも持ってきて繋ぎ直せば距離は問題ないよ」
最原「あっはい」コントローラーカチカチ
最原(…予想外だ…。ちゃんと真面目にやってくれたのか…)
最原(疑って申し訳なかったな…)
最原(……いやいや、僕らを信用させるために、あえてちゃんとやったのかもしれないな)
最原(でもまあお礼は言わないとな)
最原「えっとモノタロウ、ありがとう…。おかげで助かったよ」
モノタロウ「いいんだよ、友達を助けるのは当たり前のことだからね!」
最原(とりあえずこれで、真宮寺くんの見張りが楽になりそうだな)
最原(あとはまた夜の交代の時に、入間さんに一応モノタロウが変なことをやらかしてないかチェックしてもらおうかな)
最原(さっき寝に行ったばかりの彼女を起こしに行くのも可哀想だし…)
王馬「やるじゃんモノタロウ!」頭わしわし
モノタロウ「わわっ!フェルトが禿げちゃうよ!」
最原「フェルト貼ってるんだ…」
王馬「それにしても、これなら見張りしなきゃいけない人が増えてもすぐ対応できそうだね」
最原「…増えなきゃ良いんだけどね…」
最原(その後、交代の時間になるまでモノタロウと適当に遊んで時間を潰した)
ー22時ー
東条「なるほど、モノタロウがプログラムを完成させたのね」
最原「うん、操作方法はさっき説明した通りで…」
最原「…大丈夫とは思うけど一応、入間さんもモノタロウの書いたプログラムを確認しておいてもらえるかな?」
入間「別に操作に問題なかったんだろ?じゃあいいんじゃねーか?」
王馬「いいから見ろっつってんだろビッチ」
東条「私からもお願いするわ、念のためだけれど」
入間「チッ、しゃーねーな」
入間「さっさとチェックを終わらせて、マザー弄り倒してぇのによぉ…」カチカチッ
マザーモノクマ「もう充分弄ったでしょ!?これ以上ヤられるとホントに壊れちゃうからぁ…!」
最原「そういえばマザーモノクマって、入間さん居る時はよく喋るよね」
王馬「何か通じるものがあると思ってるんじゃない?下ネタ的な意味で」
モノタロウ「ううっ、おばあちゃんが中身弄られて喜ぶビッチだなんて、オイラ信じたくなかったよ…」
東条「…喜んではないと思うわよ」
ーーー
最原「お弁当ごちそうさま」
王馬「美味しかったよー、東条ちゃん」
東条「それは良かったわ。お粗末さまでした」
最原「それじゃあ僕達は部屋に帰るけど…、あの、東条さんこれ…」つメモ帳
東条「これは?」
最原「後で読んでおいてもらえるかな?」
入間「はっは〜ん、さてはラブレターだな?」
入間「流石童貞!古風な真似しやがるぜ!」
最原「それじゃあおやすみなさい、東条さん」スタスタ
王馬「ほらモノタロウも行くよ」スタスタ
モノタロウ「わー待ってよー!」トテトテ
入間「なんで無視ぃ…?」
ー寄宿舎ロビーー
王馬「そういえばさ、モノタロウってこの後モノクマーズのところに戻るの?」
モノタロウ「うん、そうだよ」
最原(今モノタロウは僕らの味方になるような行動をしてしまっているけど…、帰して大丈夫なのだろうか…)
王馬「…モノタロウ、お泊りすれば?終一ちゃんの部屋に」
モノタロウ「え?お泊り?」
最原(押し付けたな…)
王馬「そう、お泊り!友達同士ってよくお泊りするもんなんだよ?」
最原(いや、そんなによくするものじゃないだろ…)
モノタロウ「うーん…。でもオイラ、夜は充電しないといけないし…」
王馬「その充電器って運べないの?終一ちゃんの部屋に置いたら?」
モノタロウ「まあ一応、運ぶことは可能だよ」
王馬「じゃあ決定!お泊りしちゃいなよ!」
最原(勝手に決めないでほしい…)
最原「…モノタロウは王馬くんとも友達だよね?王馬くんの部屋でお泊りしたら?」
王馬「!?オレ部屋はちょっと散らかってるから、やめといた方が良いと思うよ」
王馬「モノクマーズの充電器とか大きそうだから、多分置き場無いって」
モノタロウ「置き場に関しては、充電器は結構小さいから大丈夫だよ」
王馬「ふーん、そうなんだ」
王馬「…モノタロウの1番の友達は終一ちゃんでしょ?」
王馬「やっぱりそっちの部屋の方がいいって!」
最原「わかった、じゃあこうしよう」
最原「モノタロウに決めてもらおうよ」
モノタロウ「え?オイラ?」
王馬「モノタロウはどっちの部屋に泊まりたい?」
最原(泊まらないという選択肢をさり気なく消したな…)
最原(睡眠は誰にも邪魔されたくないんだけど、モノクマーズのところに帰すのも不安だしなぁ…)
モノタロウ「うーんと…」
①最原の部屋に泊まる
②王馬の部屋に泊まる
③みんなでお泊り会したい
④お泊りしない
安価↓1
25 : 以下、名... - 2017/05/24 00:32:49.45 yPtE0ieto 673/16553
モノタロウ「みんなでお泊り会したいな」
最原「…みんな?」
王馬「……みんなってどの範囲?」
モノタロウ「えーっと…」
①モノタロウと最原と王馬
②モノタロウとマザー部屋見張り組のみんな
③モノタロウと才囚学園の生徒達
④モノクマーズ全員と最原と王馬
⑤モノクマーズ全員とマザー部屋見張り組のみんな
⑥モノクマーズ全員と才囚学園の生徒達
安価↓1
28 : 以下、名... - 2017/05/24 00:42:15.32 dC0PPUtkO 675/16552
モノタロウ「オイラとマザー部屋見張り組のみんなとだよ!」
最原「と言っても、東条さんと入間さんは今部屋で見張り中だから…」
王馬「じゃあ百田ちゃんと蘭兄ちゃんとオレ達かな?」
王馬「誰の部屋に泊まるかは置いといて、とりあえず叩き起こそうか」百田の部屋ピンポピンポピンポーン
最原(折角寝てるのにごめん…)天海の部屋ピンポーン
百田「今何時だと思ってんだよ…」ドアガチャッ
天海「朝早いんで勘弁してほしいっす…」ガチャッ
王馬「お泊りしよーよ、百田ちゃん!」
百田「はぁ!?いきなりなんなんだよ」
最原「…夜分遅くにごめん、お泊りさせてほしいんだけど…」
天海「いいっすよ」
最原「いいんだ…、こんな急に言ったのに」
王馬「百田ちゃんもオッケーだって!」
百田「言ってねーよ!」
天海「4人っすか?多いっすね」
モノタロウ「オイラもいるよー!」
天海「4人と1匹?っすか。で、どこに泊まるんすか?」
百田「オレと天海は朝6時から見張りに行くから、このメンバーなら終一か王馬の部屋じゃねーか?」
王馬「オレの部屋はあんまり他人入れたくないし、消去法で終一ちゃんの部屋で」
最原(僕だってあんまり他人入れたくないよ…)
最原「というか4人もどうやって寝るの?」
王馬「普通に1人ベッド、3人床じゃない?」
天海「寄宿舎のベッドは大きいから、3人くらいまでなら詰めたらいけるっすよ」
百田「そもそも何で急にこんなことになってんだ」
王馬「かくかくしかじか、みたいな?」
百田「ふーん、モノタロウがか…」
百田「別に急に言われなきゃ泊まりしてもいいんだけどよ、準備ってもんがあんだろーが。布団を倉庫から持ってきたりとか」
王馬「終一ちゃんが急にお泊まり会するとか言うから…」
最原「そもそもは王馬くんが言い出したことじゃないか…」
モノタロウ「布団はオイラが寄宿舎の入口までエグイサルで運ぶよ!」
モノタロウ「幾つ持ってきたらいい?」
最原(どうしようか…)
①1人がベッド、3人が床だから布団3組
②2人までならベッド余裕だろうな、床用の布団は2組で
③詰めたら3人いけるんだよな、布団1組で
④頑張って全員ベッドに寝てみよう
安価↓1
32 : 以下、名... - 2017/05/24 01:16:14.14 EDxL3Y4vo 679/16552
最原「じゃあ布団は2組お願い」
天海「つまりベッド使えるのは2人っすね」
百田「ジャンケンか!?」
王馬「最初はグー!」
最原「ちょっと待ってよ、お泊まり会するのは僕の部屋なんだよね?」
最原「だったら部屋の主である僕はベッドを使えるはずだろ」
百田「まあ、そうだな」
天海「1人は決定っすね」
王馬「じゃあ残りはジャンケン?」
最原「いや、グループ面接で」
天海「面接」
最原「自己PR早い者勝ちでどうぞ」
王馬「じゃあオレから。オレは床で寝たら寝違えやすいからベッドがいいです」
最原「ふーん」
王馬「ふーんて…」
最原「だって嘘っぽいし…」
天海「じゃあ次俺っす。俺は香水つけてるんで、いい匂いが移ると思うっすよ」
最原「なんかやだ」
天海「嫌っすか…」
最原「百田くんは?」
百田「うーん…、なんも思いつかねぇな…」
百田「この中で1番体格良いのはオレだし、オレは布団で寝たほうが終一の邪魔にもならないと思うし、いいと思うんだよな」
最原「採用」
王馬「!?」
天海「なんでっすか!?」
最原「百田くんは嘘言わないし、自分を飾り立てることもしない素晴らしい兄貴性を評価しただけだよ」
王馬「1番邪魔くさいのに…、まあいいけどさ…」
百田「まあ、なるべく終一の邪魔にならないようにするぜ」
モノタロウ「じゃあお布団取ってくるねー」トコトコトコ
王馬「じゃあオレ自分の部屋で風呂入ってくるから、布団来たら中に入れといてねー」スタスタ
最原「僕も入らないとな…」
最原「…2人とも、急にこんなことに誘ってごめんね、寝てたのに…」
天海「モノタロウのことが気になったんすよね」
最原「うん…」
最原「今モノタロウが僕らに味方してくれてるのは、あいつが善意でやってくれてる可能性もあるけど、もしそうだとすると他のモノクマーズに虐められたりとか、洗脳されて元に戻される可能性もあるから、あまり目を離したくないんだよね」
百田「なるほどな」
最原「明日は夜どうなるかまだ分からないけど、もしかしたらまた明日も頼むかもしれないから、その時はまた付き合ってくれると嬉しいな」
天海「ええ、いいっすよ」
百田「オレもいいぜ!」
最原「ありがとう。それじゃあ僕はお風呂に行くけど、部屋の鍵は開けてるから、布団来たら入れておいてね」スタスタ
百田「おう!」
ー最原の個室ー
最原(…別に散らかってはないんだけど…、他人呼んで大丈夫だよね?この部屋…)
最原(とりあえず粘着クリーナーで、ベッドと床を清掃しよう…)コロコロ…
最原(……これで大丈夫かな?)ビリッ
最原(あと、布団が敷けるように家具を隅の方に動かさないとね…)ズズ…
最原(…よし、早くシャワー浴びよう)スタスタ
ーーー
最原(さっぱりした…)ドアガチャッ
モノタロウ「あ、最原クンやっほー」
百田「上がらせてもらってるぜ」
天海「小吉君はまだみたいっすね」
最原(2人と1匹で床に敷いた布団の上でトランプをしている…)
最原(…って、やばい!すっかり気を抜いてた!)
最原(帽子帽子…)帽子を被る
百田「おいおい…、髪濡れてるぜ?」
最原「わ、わかってるけど…」
天海「帽子、濡れちゃうっすよ?」
最原「大丈夫だからっ…!」ドライヤーを取って洗面所に戻る
最原(…いつもベッドに座りながら髪乾かしてたからなぁ…)
最原(事前に気づいて洗面所に置いてれば良かった…)ドライヤーカチッゴー
最原(……こんな僕が他人の家に泊まるなんて、絶対出来ないな…)ハァ…
天海「あの…、大丈夫っすか?」ドアの向こうから声掛け
最原「うん、大丈夫だよ…」
最原「バタバタして何かごめんね」
百田「開けるぜ」ガチャッ
最原「!!!!????」ガタカチャッガタッ
最原「…な、何…?」帽子を被る
百田「お前なんで風呂上がりでも帽子かぶんだよ」
最原「別にいいだろ…」
百田「室内で帽子被ってると、その内ハゲるんだぞ」
最原「別にいいよ…」
百田「何でそんなに帽子にこだわんだよ」
最原「百田くんには関係ないだろ…」
百田「話せよ、オレ達は仲間だろ」
最原「仲間ではあるけど…、別にこの才囚学園とは何も関係ないことだし、話すことなんてないよ…」
百田「あのなぁ、オレ達は別にこの才囚学園に関することだけ組んでるわけじゃねーだろ?」
百田「一緒に飯食ったりもするし、こうして部屋に泊まりもするし…」
百田「オレ達はテメーが何か抱えてたら力になりてーって思うんだよ!」
百田「それが仲間ってもんだろ!」
百田「テメーが何か辛いことあるってんなら、仲間にぶつけてみろよ!」
天海「……あの、本人が話したがらないのに あまり無理強いするのも…」
最原「…わかったよ、話すよ…」
天海「あっ、話すんすか…」
天海「長くなるようだったら先に髪乾かした方がいいっすよ、風邪引くんで…」
ーーー
最原「…それ以来、僕は他人の視線が気になって帽子を被ることにしたんだ…」
百田「なるほどな」
天海「そんなことあったんすね」
ドアガチャッ
王馬「……今来たんだけど、空気重いね?何この状況」
天海「事情は後で話すんで、小吉君はちょっと黙ってた方が良いと思うっす」
最原「話さなくていいよ」
天海「あっはい」
王馬「えっ!オレだけ除け者!?」
王馬「こんなの酷いよぉおおおおおおお!!うわああああぁむぐっ…」天海に口を押さえられる
百田「…事情はわかった」
百田「けどよ、ずっとそのままじゃいけねーだろ」
最原「勿論、わかってるよ…」
最原「いつかはこの帽子を取って、普通に人と接せるようにならないといけないって…」
百田「だったら今取れよ」
最原「…それは、まだちょっと心の準備が…」
百田「今取れねーなら、テメーは一生その帽子を取ることが出来ないと思うぜ」
百田「今ここに居るのはテメーの仲間だけなんだぜ」
百田「仲間っつーのは、家族みてーなもんだ!」
百田「むしろ家族以上の存在だろ!」
百田「テメーの味方しかいねー状況で殻被ってんじゃねーよ!さらけ出せよ!」
百田「ここには誰もテメーを責める奴なんかいねーじゃねーか!」
百田「おいどうした終一!なんかあるなら言い返してみろよ!」
天海「解斗くん、そんないきなりなんて無理っすよ…」
天海「こういうのは、ツバが半透明なサンバイザーとかから徐々に慣らしていってトラウマを…」
最原「わかったよ!取ってやるよ!」帽子をぱっと取る
天海「あっ、取っちゃうんすね…」
百田「…どうだ?終一」
最原「……っ…」チラチラと百田の顔を見る
百田「まあ、いきなりちゃんと見るなんて出来ねーよな」
百田「でも帽子、取れたじゃねーか」頭をわしわしと撫でる
百田「確かにテメーは探偵だからな、これから先も嫌な目で見られることもあるかもしれねー…」
百田「けどな、帽子を被って他人の目を見てねーと、終一に感謝してくれてる人のことも気づきにくくなっちまうだろ」
百田「終一はすげー探偵ってことはオレもわかってる」
百田「図書室の動く本棚に気づいたり、カードリーダーに仕掛けをしたり、センサーの件だってそうだったしな」
百田「もっとテメーは自信を持っていいんだぜ」
百田「もし何かあった時はオレが責任を取ってやるよ」
最原「責任って…、僕が何かやらかしても百田くんは関係ないよね…」
百田「じゃあ終一はこれからオレの助手になれよ!」
最原「え?助手…?」
百田「終一がオレの助手になれば、助手の責任はボスであるオレの責任になるだろ」
百田「テメーはもう失敗だの他人の目だの、気にすることはねーってことだよ」
百田「オレが終一の代わりに全部受けとめてやるからな!」
王馬「くっさ」
百田「なんだと!?」
天海「確かに良いこと言ってるっすけど、いきなり助手になれと言われても終一君も困るんじゃ…」
最原「…ありがとう百田くん…。それじゃあ僕、キミの助手になるね…!」
天海「あっ、なっちゃうんすね…」
百田「よーし!そうと決まれば、今後はオレのことをボスって呼んでくれたって良いんだぜ?」
最原「ボス呼びはしないけど…、下の名前で呼んでもいいかな?」
百田「おう!」
最原「じゃあ、えっと…、解斗くん…」
百田「なんだ?終一」
最原「ちょっと、呼んでみただけ…」
百田「おう!これからどんどん呼べよ!」
最原「うん!」
天海「……俺のこともこの機会に、蘭太郎お兄ちゃんと呼んでくれても良いんすよ?」
最原「なんで?」
天海「…何でなんすかね…」
王馬「ただの下の名前呼びなら、ワンチャン呼んでくれそうな気がするよ」
天海「お兄ちゃん扱いされたいんすよ…」
王馬「代わりにオレがいつも言ってあげてるじゃーん!蘭兄ちゃんって」
天海「なんかその言い方だと、何故かただ空手が強そうなイメージしかないんすよ…」
王馬「よーし、終一ちゃん!オレのことは『総統』って呼んでよ!」
最原「は?」
王馬「閣下とかでもいいよ!」
最原「僕はよくないよ」
王馬「部下の癖に生意気だなー」
最原「就職先には困ってないって前言っただろ。勝手に部下にしないでよ」
王馬「もー!就職先が無くなったって泣きついてきたって、知らないからね!」
最原「ところでモノタロウ、それがモノクマーズの充電器?」
モノタロウ「うん、そうだよー」
王馬「うわ、無視かよ!うわああああああん!!酷いよおおおおおおおおおお!!!!」
百田「夜中なのにギャーギャー騒ぐんじゃねーよ王馬!」
王馬「は?百田ちゃんだってさっきまでギャーギャーと偉そうに説教たれてたじゃん」
百田「実際オレは終一のボスなんだから、偉そうなんじゃなくて偉いぜ?」
王馬「なんで助手の方が優秀そうなんだよ」
天海「はいはい、そろそろいい時間なんで寝るっすよ」
モノタロウ「じゃあオイラは充電器のところで寝るねー」トコトコ
最原(ロボットが『寝る』とは…?)電気消灯
百田「じゃあお邪魔させてもらうぜ」ベッドに入る
最原「あ、うん。どうぞ」
天海「じゃあ俺の方の目覚まし時計で、5時半にセットするっすね」カチカチ…
王馬「布団超冷たいんですけど!」布団に入る
王馬「あ、待って。オレ良いもん持ってたわ」コズミックブランケットを取り出す
王馬「……」ガサガサガサガサ
天海「……すごく…うるさいっす…」
最原「…こっちまで聞こえるよ」
最原「王馬くん、うるさすぎ…」
王馬「だって寒いんだもーん」ガサガサ
百田「床と敷布団の間に敷くだけでも、床からの冷たさが無くなって音もあんまうるさくなくなっていいんじゃねーのか?」
王馬「ああ、なるほど」
王馬「…………」ガサガサ
最原「いや、早く実行してよ!何で返事だけしてるんだよ!」起き上がる
最原「ああもう、ほらどいて!」テキパキ
最原「はい出来た!」
王馬「ありがとー、終一ちゃん!」
天海「前に俺に小吉君を甘やかさないように言ってたのに…」
最原「甘やかしてるんじゃないよ」
最原「このまま放置してると、僕の安眠の妨害になるからね…」
最原「睡眠をする時はね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃダメなんだよ」
最原「独りで静かで豊かで…」
天海「アッハイ」
最原「それじゃあ今度こそ寝るからね」スタスタ
最原「くれぐれも煩くしないでね」ベッドイン
最原(そういえば、他人と同じ布団で寝たのなんて初めてかも…)
百田「…ぐおー…、ぐごー…」
最原「…………」起き上がる
最原(……解斗くんは仰向けで寝ている…)
最原(ということは横向きに寝かせられれば気道の確保が出来、いびきが改善されるはず…)
最原(ちなみに横向き寝は、肝臓の位置の関係上、体の右を下向きとすることが理想とされている)
最原(つまりこっち向きに体を動かして…)百田の腕を引っ張って横寝にさせる
最原(よし、これでOKのはず…)
最原(というか、解斗くん全然起きないな…)
最原(…モノタロウにも異常は無いみたいだね)チラッ
最原(……僕も早く寝よう…)ゴロン…
最原(…明日からは帽子なしか…)
最原(早く慣れるようにしないとね…)
ー5時半ー
ジリリリリリリリリリリリリ…カチッ
最原(目覚まし時計が置いてある距離が近いので、僕まで起きてしまった…)
天海「うーん…」ムクリ…スタスタ
天海「解斗君、時間っすよ」ユサユサ
最原「え、解斗くん寝てるの…?」
百田「……起きてる、起きてるぜ…」モゾモゾ
天海「ほら、早く自室に戻って顔洗って着替えて見張りの交代に行くっすよ」布団剥がし
最原「ちょ、僕まで寒い…」布団戻し
百田「……ん?何でオレの部屋に蘭太郎と終一が居るんだよ…」
最原「ここ一応僕の部屋なんだけど…」
天海「寝ぼけてるっすね」自分の分の布団畳み
天海「終一君、とりあえずこのまま布団置いてくっすね」
最原「あ、うん」
天海「部屋に帰るっすよ解斗君」百田の腕を引っ張って退室
最原(……8時まで2度寝しよう…)スヤァ…
ー8時ー
キーンコーンカーンコーン
最原「…………」
王馬「おーい、ねぼすけさーん」布団べしべし
最原「……何でまだ居るの?」
王馬「えぇっ…」
最原「王馬くんいつも朝食早いじゃないか」
最原「僕のこと放っておいて、食堂に勝手に行ってて良かったのに」起き上がる
王馬「ああ、それなんだけどね、ちょっと今日の自由行動時間の相談があったから起きるまで待ってたんだよね」
最原「相談?」モノタロウの方をチラッと見る
王馬「別にモノタロウが居ても大丈夫だよ」
最原「そう。で、何?」
王馬「最近首謀者に動きがないよね」
最原「まあ、マザーモノクマの部屋は僕達が占拠してて使えないしね」
王馬「普通に考えると、占拠してることがバレてるから来ないんだろうね」
最原「…まあ、そうかもね」
王馬「そこで、手っ取り早くこの冷戦を抜け出すためにオレは考えてみたんだけど…」
王馬「部屋の主が居ない内に、女子全員の部屋を暴いてみない?」
最原「えぇっ!?いや、それは流石に…」
王馬「女子トイレの隠し通路の件で、首謀者が女子ってとこまで割れてるじゃん」
王馬「あともう一息で首謀者がわかるんだよ」
王馬「あっちが何もアクション起こしてこないなら、こっちがやるしかないよね?」
最原「でも流石にプライバシーに関わるし…」
王馬「他人のプライバシーを暴く職業の人間が何言ってんだよ」
最原「全国の探偵に謝って」
王馬「やるの?やらないの?」
最原「まず他の人にも相談しようよ…」
王馬「ダメだよ、絶対反対されるじゃん」
最原「…僕なら反対しないと思ったの?」
王馬「というか、終一ちゃんなら仮に反対しても、他の見張りメンバーに言いふらすことはしないかなと思って」
王馬「見つかったらリスキーな部屋の調査はオレがするから、終一ちゃんは部屋の主と一緒に過ごしててほしいんだよね」
王馬「部屋の主が部屋に帰られると困るから」
最原「僕に女子と長時間一緒に居ろと…?」
最原「な、何話せばいいんだよ…」
王馬「別に何話したっていいから」
王馬「それとも終一ちゃんが部屋の調査の方する?」
王馬「って言っても、終一ちゃんはピッキングとか出来ないから無理だよねー」
最原「何で女子の部屋を調べる方向で話進めてるんだよ」
王馬「えっ!?協力してくれないの?」
最原(確かに早く事態を収束させたいけど…、でも女子の部屋を調べるなんて……)
①首謀者を暴くためだ、女子の部屋を調べよう
②やっぱりこういうのは良くない
安価↓1
62 : 以下、名... - 2017/05/25 00:55:58.40 DrlpSSM70 704/16551
論理言っている場合じゃないだろう。時間が経てばたつほど、百田がやばいし……
最原「…仕方ないね、わかったよ」
最原「協力するよ」
王馬「さっすがドライ探偵!わかってるね」
王馬「じゃあ調べる女子の順番を決めようか」
王馬「制限時間は交代の14時までだね」
王馬「ワンルームとはいえ、物が多ければそれだけ探索の時間がかかるし、難しいところだけど…」
王馬「頑張っても1部屋1時間半〜2時間くらいかなぁ…」
王馬「1日じゃ女子全員の部屋調べるのは無理だね」
王馬「あ、モノタロウは借りて行くからね」
王馬「人手は多い方がいいし」
最原(人…?)
モノタロウ「おはっくまー!事情は聞いたよ、オイラも頑張るね」トテトテ
最原「う、うん。頑張ってね」
最原(王馬くんはモノタロウが首謀者の証拠を見つけても黙っている可能性とか考えてないのだろうか…)
最原(考えてないはずないと思うけど…)
最原(…まあ、部屋の調査は彼に任せよう)
王馬「部屋を調べる順番は……春川ちゃん、赤松ちゃん、アンジーちゃん、夢野ちゃん、白銀ちゃん、茶柱ちゃん、東条ちゃん…でどうかな?」
最原「東条さんの部屋も調べるんだね」
王馬「だいぶ確率が低くなってるとはいえ、まだ完全に首謀者でないとは言えないと思うんだよね」
王馬「演技って可能性も捨てきれないと思うから」
王馬「…まあ、限りなく白に近いと思うから、時間が余ったらってことで最後にしてるけど」
最原「ちなみに入間さんが無いのはどうして?」
王馬「前に入間ちゃんを仲間にする時にも言ったけど、図書室の隠し扉を開ける時にも手伝ってもらったし、オレらの都合のいいように才能を奮ってくれてるからね」
王馬「あれが首謀者なら、自分の首絞めすぎのドMだよ」
王馬「春川ちゃんを最初に調べるのは、なんとなく怪しい感じだから」
王馬「彼女、あんまり自分のこと話さないしね」
王馬「次が赤松ちゃんなのは、最近よく春川ちゃんとつるんでるからだよね」
王馬「もし今日も一緒に居るようなら、そのまま引き続き駄弁ってればいいしね」
王馬「あとの順番は適当だよ」
王馬「なるべく2時間以内で探索を終わらせるつもりだけど、まあ調査が終わったら終一ちゃん達のところに行くから、そこで話を区切って次の女子の元にって感じにしてほしいんだよね」
王馬「最初の春川ちゃんから赤松ちゃんへのところでも、2人が一緒に居たとしても一度顔を出すからね」
最原「うん、わかったよ」
最原「王馬くん、食事はどうするの?」
王馬「朝ご飯だけささっと食べて、お昼は見張りの時間直前に食堂に行って何か持ってきて見張り部屋でそのまま食べるよ」
王馬「見張りの時間が深夜だったら、もっと時間が取れて良かったんだけどねー…」
最原「ちなみに、何を見つけたら首謀者認定するの?」
王馬「やっぱり、オレらが持ってない特殊な物を見つけた場合だよね」
王馬「蘭兄ちゃんが持ってた特殊なモノパッドみたいな物とか、図書室の隠し扉用のカードキーとか」
王馬「まあ…部屋に置かずに、常に持ち歩いてる可能性もあるんだけどね」
王馬「とにかくそういう物だよ」
王馬「首謀者なら何かそういう物の1つや2つあるでしょ」
最原「それを常に携帯している場合はどうするの?」
王馬「誰の部屋にも怪しい物が見つからなかった場合だよね」
王馬「その時は…、誰かにプールで遊びを企画させて、更衣室にガサ入れとか?」
王馬「流石に水着着てる時も携帯するとは考えにくいし」
最原「うわぁ…」
王馬「引いてる場合じゃないでしょ」
王馬「あ、ひょっとして更衣室のガサ入れは終一ちゃんがしたいんだね?」
王馬「しょうがないな〜、その時は任せるよ!」
最原「そんなこと言ってないだろ!」
王馬「遠慮しなくていいよ!オレも変態扱いされるのはご免だからね!」
最原「僕だって嫌だよ!」
王馬「どうでもいいけど終一ちゃん、早く顔洗って部屋出る準備しなよ」
最原「そうだね、あまり探索の時間が取れないしね…」洗面所ガチャッ
王馬「オレ先に食堂行ってご飯食べてるからねー」スタスタ
最原「あ、そうだ。王馬くん」
王馬「何?」
最原「事前に相談してくれてありがとう」
王馬「ん?」
最原「前に図書室の隠し扉を開ける時はさ、僕らに相談なく勝手に入間さん使って開けてたけど、今回はちゃんと相談してくれたじゃないか」
最原「僕のこと、仲間だって思ってくれてるってことだよね?」
王馬「…さっきも言ったけど、部屋の主が帰ってきたら困るから共謀者がほしかったってだけだけど?」
王馬「悪の総統がそう簡単に仲間なんて作るわけないじゃん、頭おめでたいなー」部屋のドアガチャッ
ー寄宿舎ロビーー
ドアガチャッ
白銀「あれ?王馬くん?」
王馬「ん?」
白銀「あれ、部屋間違え……てないよね…」ドアのプレート確認
白銀「何で王馬くんが最原くんの部屋から出てきたの!?」
王馬「何で白銀ちゃんが終一ちゃんの部屋の前に居るの?」
<えっ白銀さん!?
白銀「ああそれはね、地味に最原くんを出待ちしてただけだよ」
王馬「もしかしてストーカーってやつ?」
白銀「そういうわけじゃないんだけど…」
白銀「ていうか、王馬くんは何で最原くんの部屋から出てきたの?」
白銀「私は教えたんだし、王馬くんも教えてよ」
王馬「別に、朝ご飯の前にちょっと話したいことがあって、ちょっと部屋に寄ってただけだけど?」
白銀「嘘!わたし30分ここに居たから、少なくとも30分以上は部屋に居たでしょ」
白銀「ちょっとってレベルじゃないよ」
王馬「えぇっ…、30分も出待ちしてたの?」
王馬「裏口で待機するアイドルのファンかよ…」
白銀「アイドルのファンはもっと待ってると思うけど…」
白銀「って、王馬くん話逸らさないでよ」
王馬「しょうがないなー…、じゃあ教えるけど…」
王馬「ズバリ!女子には言えない男の会話をしてただけだよ」
白銀「朝から!?」
白銀「ていうか、王馬くんも最原くんもそういう話するんだね…?」
王馬「何想像してんの?」
白銀「地味にセクハラだよぉ…」
最原「……白銀さん、僕に何か用?」おずおず…
白銀「おはよう、最原くん」
最原「お、おはよう…」
白銀「用っていうか…、最原くんと一緒に食堂に行きたいなと思って待ってただけだよ」
最原(白銀さん、先日の出来事以来苦手になったんだよなぁ…)
モノタロウ「あ、白銀さんおはっくまー」トコトコ
白銀「おはっくまーだよ」
白銀「ねえモノタロウ、王馬くんって今朝は何の用事で最原くんの部屋に来たの?」
モノタロウ「え?王馬くんってずっと最原くんの部屋に居たよね?」
最原(この子口止めしてないと、質問されたら知ってること何でもべらべら喋りそうだな…)
最原「モノタロウ、ちょっといいかな?」部屋に引き入れて扉を閉める
白銀「『ずっと』とは」
王馬「えっ!オレの言うことより、あんなボケクマの言うこと信じちゃうの!?」
王馬「酷いよ白銀ちゃん!!」
王馬(別に部屋に泊まってたくらいなら言っても大丈夫そうなんだけど、芋づる式に女子の部屋暴きのこととかバレたら困るし、なるべく何も言いたくないよねー)
白銀(マザーから情報が貰えない今、何でもいいから見張り組の情報がもっと欲しいんだけど…ぐぬぬ…)
白銀「王馬くんって嘘つきじゃないの」
白銀「それならまだ、忘れっぽいだけのモノタロウの言うことの方が信用できるよ」
王馬「てか別にどうでもよくない?」
王馬「オレが終一ちゃんと何話してたかなんて、白銀ちゃんには関係ないよね」
白銀「それが大アリなんだよ」
白銀「だってわたしは最原くんのことが好きだからね!」
白銀(…っていう設定だし)
白銀「だから最原くんに関することは、なるべく把握しておきたいんだよね」
王馬「やっぱりストーカーなんじゃん」
白銀「それは違うよ!わたしは最原くんを見守ってるだけだから!」
王馬「ヤンデレってやつだね」
王馬「でも残念!終一ちゃんは他に好きな人が居るんだよね!」
白銀「えっ、初耳!だれだれ?」
王馬「アンジーちゃん!」
白銀「嘘が雑すぎるよぉ…」
白銀(…見張り組で比較的チョロそうな最原くん及びセットのモノタロウから情報を訊き出そうと思ったのに、何でわたしは今王馬くんと喋ってるんだろう…)
白銀(うーん…、昼過ぎに最もチョロそうな百田くんにも訊き出しに行こうかなぁ…)
白銀(入間さんもかなりチョロそうだけど、彼女最近部屋にずっと居るし…)
最原「あれ、まだ居たの」ドアガチャッ
白銀「酷いよ最原くん…」
最原「ご、ごめん…」
最原「それじゃあ僕、食堂に行くから…」モノタロウ抱え
白銀「じゃあ一緒に行こっか」
最原「う、うん…」
白銀「あれ?そういえば帽子はどうしたの?」
最原「ああ、うん…、別にもういいんだ…」
白銀「何かあったの?」
最原「別に、大したことはないから…」
白銀「……何でわたしと目を合わせてくれないの?」
最原「…ごめん…」
王馬(これからやってもらう女子との会話が、くっそ不安なんだけど…)
ーーー
ー食堂ー
王馬「ごちそうさま、それじゃあ後宜しくね」食器を運ぶ
最原「うん…」
最原(今から2時間程度、春川さんを部屋に帰さない為に会話をしないといけないのか…)
最原(春川さんが終わったら次は赤松さんで…)
最原(…赤松さんはともかく、春川さん相手なんて何を話せばいいんだよ…)
最原(とりあえず春川さんの席の前に今座ってるけど…)チラッ
春川「……何?」
最原「えっ、いや、別に…」
王馬「……」モノタロウを持っていく
最原(食堂を出て行く王馬くんが、何とも言えない顔で僕を見ていた…)
最原(なんとか…、なんとか話題を出して彼女を引き止めないと)
最原(もし春川さんが部屋に帰って王馬くんと鉢合わせたら、王馬くんは女子の部屋を漁ってる変態扱いになってしまう…)
最原(話題、話題……)チラッ
最原(…あ、春川さん、ネイルしてる…)
最原「春川さん、ネイルしてるんだね」
春川「何?私がしてちゃ悪い?」
最原「別にそんなことは言ってないけど…」
赤松「可愛いでしょ?これ昨日、天海くんが私達にやってくれたんだよね!」
赤松「何でも、倉庫でネイルセットを見つけたらしくて」
最原「へぇ、天海くんが…」
赤松「私はこれ!ギャラクシーネイルだよ!」
最原「ネイルでそういう柄も出来るんだね、凄く綺麗だね」
赤松「綺麗だよね〜!慣れたら初心者でも作りやすい柄らしくて、やり方も教えてもらっちゃったんだよね」
赤松「私の爪は天海くんに綺麗に塗ってもらったばかりから、これを消して復習するってわけにはいかないけど…」
最原(ネイルか…。あまり興味はないけど、時間を潰すのに丁度良さそうだな)
最原(春川さんもなんとか誘えればいいんだけど…)
最原「赤松さん、良かったら僕の爪使う?」
赤松「えっ!練習していいの!?」
最原「うん。今日は僕午前中は暇だから…」
赤松「やったあ!ありがとう!」
最原「春川さんも…えっと、一緒にどう?」
春川「は?何で私が…」
赤松「春川さん何か用事あるの?」
春川「別にないけど…」
赤松「じゃあ一緒に最原くんの爪をデコっちゃおうよ!」
春川「興味ないよ」
最原「赤松さんって何かと不器用だし、春川さんも居てくれた方が僕も安心するな―、なんて…」
赤松「えっ、最原くん酷いよ…」
赤松「でも、春川さんが居てくれたら私嬉しいな」
春川「…まあ、最原の爪が剥けたら私が手当てくらいしてあげるよ」
春川「赤松に任せてたら余計酷いことになりそうだし」
赤松「剥けないよ!」
最原「え、爪が剥けるの…?塗るものじゃないの…?」
赤松「剥けないってば!幾ら私がピアノ以外は不器用だって、流石にネイルを塗るだけで爪なんて剥けないってば!」
春川「どうだか…」
春川「初めてだったんだよ…、料理でふくらはぎを火傷した人を見たのは」
赤松「その節は本当にご迷惑をおかけしました…」
最原「あまり不安になることを言わないでほしいんだけど…」
春川「ふっ、冗談だよ」
春川「別に火を使うわけでも刃物を使うわけでもないから、怪我なんてしないでしょ」
最原「そ、そうだよね…」
ーーー
ガリッ
最原「いたぁっ!?」
赤松「ご、ごめんね!?」
春川「…まさかまだ何も塗ってないのに出血するなんて…」
最原「なんかやってること、ちょっと恐いと思ったんだよ…」
最原「何やってたの…?」
赤松「甘皮の処理…」
赤松「これした方が良いって、天海くん言ってたから…」オロオロ
赤松「…あ、ささくれ」ビリッ
最原「痛っ!」
赤松「ごめんね…、なんか思ったより大物だったねこれ…」
春川「……」
赤松「ううっ、冷ややかな視線…。春川さんの私への印象が悪くなったみたい…」
最原(女子に手を握られているシチュエーションなのに、どうしてこんなに物理的苦痛を伴うのだろうか…)
最原(これは冗談じゃなく、本当にいずれ爪が剥けてしまうのでは…?)
赤松「乾燥してるみたいだし、とりあえず保湿しとくね」ヌリヌリ
最原「…しみる…」
春川「ちょっと赤松、何してるの」
赤松「えっ…、保湿クリーム塗ってるんだけど…」
春川「あんたは天海の何を見ていたの?」
春川「あいつは保湿クリームなんて使ってなかった」
春川「この段階はキューティクルリムーバーと水しか使ってなかったでしょ」
春川「余計な物は使わない方が良いと思うけど」
最原(よく分からないけど、女子力高そうな単語を春川さんが喋ってる…、なんか意外だな…)
赤松「と、とりあえずこれでプッシュアップの項目は終わったから、一度水で甘皮をふやかして…」水の入ったボウルに指をつけさせる
赤松「ガーゼで爪のクリーンナップをして…」ゴシゴシ
赤松「キューティクルニッパーで残りを除去っと」パチンッ
最原「いっ!?身が切れてるよっ!」
赤松「ご、ごめんね…」
春川「…天海もこれは慣れるまで難しいって言ってたし、この段階は飛ばしてもいいんじゃない?」
赤松「うん…」
最原(下処理が終わるまでに、爪の周りの皮が無くなりそうだ…)
赤松「じゃあ次は爪の表面に軽く傷をつけて…」ゴシゴシ
赤松「ダストを取り除いて…」サッサッ
赤松「ネイルクレンザーをつけて…」
最原「クレンザー…」
最原(ちゃんと爪用だよね?大丈夫だよな?)
赤松「よーし!これで下準備は終わりだよ!」
最原(やっとか…。なんか疲れた…)
赤松「ちょっと面倒だけど、この下準備をしておくと仕上がりがとっても綺麗になるんだって」
最原「…そう…」
最原(むしろ指がボロボロになった気がするよ…)
赤松「じゃあベースジェルから塗るね!」ワクワク
赤松「ふんふーん♪」ヌリヌリ
春川「…赤松、親指はまだ塗らないでしょ」
赤松「…あっ、そっか!硬化する時にジェルが流れちゃうもんね」フキフキ
最原(実験台感がほんと凄いな…)
赤松「じゃあとりあえず1回硬化だね」UVライト準備
最原「乾かすんじゃないの?」
赤松「これはマニキュアじゃないからね」
赤松「ジェルネイルはUVかLEDの光を当てて硬化するんだよ」
春川「そんなことも知らないの?ここから出たら彼女にでも聞いてみれば」
最原「……」
ーーー
赤松「よーし、完成だよ!」
最原「……」
最原(完全に実験台なので爪ごとに整合性が無く、色んな模様を描かれたり、色々ストーンを乗せられたりした…)
最原「なんか…、マニキュアってもっと時間がかかるものだと思ってたけど、最近のってこんなに早く固まるんだね」
春川「だからマニキュアじゃなくてジェルネイルだってば」
最原(違いがわからない…)
赤松「なんかお陰で上達した気がするよ」
赤松「最原くん、爪貸してくれてありがとう!」
最原「あ、うん…」
最原(…まずいな、まだそんなに時間経ってないし…)
最原「えっと、もっと練習してもいいよ?僕暇だし…」
春川「…あんなに痛い目にあって、よくまだ赤松にさせる気になるね」
春川「あんたマゾなの?」
最原「別にマゾじゃないけど…」
赤松「マゾとかじゃなくて、最原くんは優しいだけだよね」
赤松「じゃあ、折角だからもう少し練習させてもらおうかな」
赤松「自分でやる時困らないように、次は全部左手でやってみるね!」
最原「…赤松さんは今まであんまりこういうお洒落とか興味あるようには見えなかったけど、意外と好きなんだね」
春川「あんたそれ失礼だよ」
春川「よく女子にそういうこと言えるね」
最原「えっ、失礼だった…?」
最原「ご、ごめん赤松さん…」
赤松「ううん、いいんだよ」
赤松「実際そうだしね」
赤松「私は普段はお化粧も最低限しかしてないし…」
最原「え?化粧?赤松さんはすっぴんだよね…?」ジーッ
赤松「えっ…」
春川「……」
ーーー
最原(散々爪をいじり倒された…)
最原(爪が悪くなってそう…)
食堂のドアガチャッ
王馬「あっれー!3人で何してるの?」
最原(やっと1部屋終わったのか…)
赤松「最原くんの爪借りて遊ばせてもらってるんだよ」
モノタロウ「最原くん、爪大変なことになってるね」
キーボ「まるで凶器ですね」
最原(王馬くんは何でキーボくんを連れてるんだろう…?)
王馬「じゃあ1杯お茶飲んだら次行こっか、キー坊」
キーボ「えっ、あ、はい…」
最原(次ってことは、春川さんの部屋からは首謀者になりえるような物は何も出てこなかったのかな)
最原(…キーボくんを連れてる理由は後で訊くか…)
ーーー
最原(その後も爪を犠牲に、なんとか時間をもたせることが出来た)
最原(王馬くん達もまた食堂に戻ってきて明らかに僕待ちしてるし、キリが良くなったら切り上げて次アンジーさんの所に行かないとな…)
赤松「よーし、でーきたっと」
春川「何この抽象的な模様は」
赤松「ショパンをイメージしてみたんだよ」
最原「ショパン…」
最原(どうショパンなのか、よくわからない…)
赤松「じゃあ次はどうしようかなー」
最原「あ、あの、ちょっとそろそろ爪普通に戻したいんだけどいいかな」
赤松「あ、ごめん。結構何時間も遊んじゃってたね…」
春川「お昼時だし、丁度いいんじゃない」
赤松「じゃあ遊ばせてくれたお礼に、私がお昼作るよ!」
最原「あ、折角だけど今お腹すいてないからいいよ」
赤松「そう?」
最原(赤松さんに料理は作らせられないし、時間が惜しいからね…)
最原(僕は爪を落とすと、食堂を後にした)
ー廊下ー
王馬「終一ちゃーん」スタスタ
キーボ「モノパッドのマップによると、アンジーさんは寄宿舎の自室に居るみたいですよ」スタスタ
王馬「まずは連れ出さないとね」
最原「…何で当然のようにキーボくんも居るの?」
キーボ「…ここ廊下ですけど、ここで喋っても大丈夫ですかね?」
王馬「終一ちゃんには後で教えてあげるから、とりあえず寄宿舎行こっか」
最原「う、うん…」
最原「とりあえず、春川さんではなかったってことでいいんだよね?」
王馬「多分ね」
最原「そっか、良かった…」
最原「赤松さんも違うんだよね?」
王馬「うん、暫定だけど」
最原「彼女たちは信じれるんだね、本当に良かったよ」
ー寄宿舎ロビーー
王馬「3人は終わらせときたいよね、今日は」
キーボ「女子の部屋を捜索するなんて、あまり気は進みませんけどね…」
モノタロウ「丁度お昼時だし、アンジーさんをご飯に誘ったらどうかな?」
最原「さっき赤松さん達に『お腹すいてない』って言っちゃったけど…、まあ、いいか…」
王馬「じゃあオレ達、寄宿舎の外に居るからねー」スタスタドアガチャッ
最原「さて…」ピンポーン
最原「……」ピンポーン
最原(…あれ?居るんだよね?)モノパッドマップチェック
最原(居るみたいだけど…、寝てるのかな?)ピンポピンポーン
アンジー「もー、神さまがうるさいって言ってるよー!」ドアガチャッ
最原「ご、ごめん…。寝てた…?」
アンジー「寝てないよー」
アンジー「神さまが作品を作ってたから、アンジーは体を貸してたんだよねー」
最原(何言ってるのか、よく分からないけど…)
最原「作品制作してたってことだね」
最原「でもそろそろお昼時だし、一度休憩にしたらどうかな?」
アンジー「でもでもー、今ちょっとキリが悪いんだよねー」
最原「アンジーさん何か食べたい物ある?」
最原「今から僕もお昼だから、このタイミングでお昼行くなら僕作るけど」
アンジー「えっ!ほんとー?」
アンジー「じゃあアンジーお昼ご飯食べるよー!」
アンジー「ちょっと待っててねー」ドアパタンッ
最原(ご飯に釣られてくれて良かった…)
最原(後はご飯の後適当に駄弁ってれば、時間潰れるよね…)
アンジー「準備オッケーだよー!」ドアガチャッ
アンジー「んー、終一に何作ってもらおっかなー」鍵掛け
最原「…あんまり難しくない物だと嬉しいけど…」スタスタ
ー食堂ー
赤松「あれ?最原くん、お昼食べないんじゃなかったの?」
最原「いや、なんか…、さっきは赤松さんに頼むとろくな事にならなそうだなと思って、つい断っちゃったんだよね」
赤松「むうっ、酷いなぁ…」
春川「正解だよ、それ…」
アンジー「ねえねえ、これどうしたのー?」
赤松「電子レンジが爆発しちゃって…」床フキフキ
春川「何が『ゆで卵なら出来るから!』だよ…」床フキフキ
赤松「おっかしいなぁ…」
赤松「前にテレビで、電子レンジでゆで卵が出来るってあったんだよね」
最原「水を入れてなかったんじゃない?」
最原「卵だけだとダメだよ」
赤松「そうなんだね」
赤松「よーし!じゃあ次は水を入れて再チャレンジだね!」
春川「赤松、厨房に立つのやめなよ…」
赤松「えぇっ…」
最原「ていうか、なんで春川さんと床まで卵まみれになってるの?」
最原「普通、電子レンジ内だけの惨事で済むと思うけど…」
春川「電子レンジが回ってる途中で私が異変に気づいて開けたら、そのタイミングで丁度爆発しちゃったんだよ」
最原「なるほど…」
アンジー「なるなるー、大変だねー」
アンジー「じゃあ終一ー、アンジー達もご飯作ろっかー」
最原「いや、流石に片付け手伝ってあげようよ…」
アンジー「主は言いました…、これは当事者の問題だと…」
最原「アンジーさんは食堂の方に座って待ってていいからさ、僕は片付けを手伝うよ」
赤松「ありがとう最原くん…」
ー寄宿舎ロビーー
キーボ「ま、まだなんですか?」周りキョロキョロ
王馬「急かさないでってば」鍵開けカチャカチャ
王馬「よし、開いた」ガチャッ
ーアンジーの個室ー
王馬「さて、と…」鍵閉めスタスタ
キーボ「アンジーさんの部屋は物が多いですね…」スタスタ
王馬「丸太だの絵の具だのが転がってるね」
王馬「モノタロウも気をつけてね」
モノタロウ「うん!」トコトコ
王馬「お、これはアンジーちゃんの絵かな?」布がかかったキャンパスを見る
王馬「オレこう見えても、昔は芸術家目指してたんだよね―!」
キーボ「はいはい、嘘ですね」
王馬「というわけで、拝見しまーす」布ペラッ
王馬「」バターン
キーボ「!!!!!????」
モノタロウ「お、王馬クン…?」
キーボ「まさかこの部屋に毒が…!?」
キーボ「……いえ、そのようなものは検知できませんね…」
モノタロウ「王馬クン、大丈夫?」ユサユサ
王馬「うーん……はっ!」
王馬「オレは一体何を…?」ムクリ
キーボ「だ、大丈夫ですか…?」
王馬「確かさっきアンジーちゃんの絵を見て…」チラッ
王馬「」バタッ
キーボ「王馬クン!!????」
モノタロウ「王馬クンどうしたのかな…?」
キーボ「よくわかりませんが、寝不足だったり疲労が蓄積でもしているのでしょうか…?」
キーボ「とりあえず、王馬クンは休ませた方がいいかもしれませんね」
キーボ「流石に女子であるアンジーさんの部屋のベッドに彼を寝かせるわけにもいきませんし…」
キーボ「致し方ありませんね、ちょっと王馬クンを自室に置いてきますね」おんぶする
キーボ「この部屋はボク達だけで探索し、時間が来るか探索が終わったら鍵をかけてもらうためにまた彼を呼びましょう」
モノタロウ「うん、仕方ないね」
ー食堂ー
アンジー「あとあとー、アンジーの島では寂しい時には家の戸に鎌を刺しておくと、みんなが慰めにきてくれるんだよー」
最原「へぇ…」
最原(アンジーさんの島の話を聞きながら適当に相槌してるだけで、結構時間が潰れてていい感じだな)
最原(テーブルに置いた手持ちの時計を確認すると、そろそろ見張り交代の時間が迫っていた)
最原(例え探索が中途半端でも、そろそろ王馬くん達には戻ってきてもらわないとな…)
最原(……まだかな)
ガチャッ
最原(あ、キーボくん王馬くんモノタロウが食堂に来たね…)
最原(王馬くんはそのまま厨房に行ったね)
最原(見張り部屋に持ち込むお昼ご飯でも作るのかな)
アンジー「聞いてるー?終一ー」
最原「あ、ぼーっとしてごめん。聞いてるよ」
キーボ「何話してるんですか?ボクにも聞かせてください」席に座る
アンジー「アンジーの島の風習を終一が知りたいって言うから、色々話してたんだよね―」
アンジー「今は島の結婚式の話してたんだよー」
キーボ「結婚式ですか…」
最原「あ、キーボくんは確かにロボットだけど、招待される側になることはありえると思うよ」
キーボ「フォローするように見せかけてロボット差別してますよね?」
アンジー「だいじょぶだよー!」
アンジー「アンジーの島に来れば、キーボは結婚式で新郎でも新婦にでもなれるよー」
キーボ「アンジーさんの島は、ロボット差別しない素晴らしい島ですね」
最原(ロボットが結婚式を挙げても良いなんて、意外と未来に生きてる島なんだな…)
最原(…アンジーさんの島の人で、キーボくんと結婚してくれる人が居るか知らないけど…)
王馬「何、キー坊結婚するの?」スタスタ
キーボ「あ、そういうわけじゃないんですけどね」
王馬「だよねー!ロボットと結婚したいなんて人居るわけないもんね!」
キーボ「居ないかどうかなんてわからないじゃないですか!ロボット差別ですよ!」
アンジー「そだよー、キーボが生身だったら結構いいかもって神さまも言ってるよー」
キーボ「…あれ?神さまロボット差別してないですか…?」
アンジー「えー?そうかなー?」
最原「まあ、生きてないから仕方ないよね」
キーボ「…敵しか居ませんね、ここには」
モノタロウ「オイラが味方になるよー!」
キーボ「やはり持つべきものはロボ友ですね」
王馬「ねえ、そろそろ…」
最原「そうだね」
最原「じゃあアンジーさん、島の話面白かったよ。ありがとう」席ガタッ
アンジー「またいつでも話すよー」
最原「ありがとう、それじゃあね」モノタロウを抱える
モノタロウ「アンジーさんキーボクンまたねー」
王馬「キー坊、明日も宜しくね!」
キーボ「明日もですか…。わ、わかりました…」
アンジー「キーボは王馬と何してたのー?」
キーボ「あ、部屋でボードゲームをしてただけですよ」
アンジー「なるなるー」
ー隠し通路ー
最原「ねえ、アンジーさんはどうだった?」スタスタ
王馬「アンジーちゃんかぁ…、ちょっとよくわかんないかな」スタスタ
最原「やっぱり時間が足りなくなって、探索しきれなかったってことかな?」
王馬「まあ、それもあるけど…」
王馬「…オレ、アンジーちゃんの部屋全然探索できなかったからキー坊の評価しか聞いてないんだよねぇ」
最原「あれ、何かあったの?」
王馬「実は探索しようとしたら、突然UFOにキャトられちゃったんだよ!」
最原「室内でUFOが出てくるわけないだろ」
王馬「あれ?UFOの存在は信じてるんだ?」
最原「信じてるわけないだろ、ああもう…」隠し通路の扉ウィーン
ーマザーモノクマの部屋ー
天海「あ、来たっすね」
百田「……」
最原「2人ともお疲れ様」
最原「…百田くん、なんかちょっと顔色悪いね…?大丈夫…?」
天海「ああ、何か風邪引いちゃったみたいで…」
モノタロウ「えっ!それじゃあ今日はお泊まり会できないね」
王馬「今日もするつもりだったんだ」
モノタロウ「賑やかで楽しかったからねー」
百田「オレは今日は自室で休ませてもらうが、オレのことは気にしなくていいからやってくれていいぜ」
王馬「じゃあ今日は鉄板の枕投げでもする?」
最原「僕そういうキャラじゃないから…」
最原「まあそういうことなら解斗くん、今日はちゃんと薬を飲んで休んでね」
百田「ああ…」
天海「東条さんに頼んで、夜ご飯は胃に優しい物作ってもらうっすかね」
百田「…そうだな」
王馬「体調悪いならとっとと休んでくれば?」持ち込んだサンドイッチもぐもぐ
百田「言われなくてもそうするさ」スタスタ
天海「部屋まで付きそうっすよ」スタスタ
天海「風邪薬は俺が倉庫で探しとくんで、ゆっくり休んでほしいっす」隠しドアウィーン
最原「…大丈夫かな…」
王馬「風邪なら、ちょっと休んでればすぐ治るでしょ」
最原「うん…」
最原(さて…、入間さんは今日もマザーとにらめっこしてるね)
最原(彼女は作業に集中する為にヘッドホンをしてるし、このまま話しても大丈夫だね)
最原「とりあえず、女子部屋の話の詳細を聞いてもいいかな?」
王馬「あ、やっぱり気になる?」
王馬「もー、終一ちゃんってば変態だなぁ!」
最原「とりあえず、さっきのアンジーさんの部屋が探索できなかったっていう件についてちゃんと知りたいんだけど」
王馬「だから、突然スナイパーに命を狙われてそれどころじゃなかったって言ったじゃん」
最原「UFOはどこに行ったんだよ…」
王馬「UFO?室内にUFOが出てくるわけないじゃん」
最原「ああもう、埒が明かないな…」
最原「モノタロウ、何で王馬くんはアンジーさんの部屋を探索出来なかったの?」
モノタロウ「部屋に入ってすぐ気絶しちゃったんだよね、2回」
王馬「っていう嘘をモノタロウに仕込んでおきました―!」
モノタロウ「あれ?そうだったっけ…?」
モノタロウ「これ王馬クンの嘘だったんだっけ…?」
モノタロウ「オイラわかんなくなってきたよ…」
最原「まさか毒ガスか睡眠ガスでも部屋に仕掛けられてたりしたの…?」
王馬「いや、キー坊もモノタロウもそういうのは感知できなかったって言ってるから、別の原因だと思うよ」
最原「やっぱり倒れたんだ」
王馬「あ、余計な情報だから教えないほうが良いと思ったオレの親切心を踏みにじったね!?」
最原「余計な情報かどうかは僕が判断するから、勝手に情報の取捨選択しなくていいよ」
最原「下手に嘘つかれた方が面倒くさいし」
王馬「そっちだって、オレに何でもかんでも教えてくれるわけじゃない癖に」
最原「何のこと?」
王馬「デスロードのこと、キー坊に聞いたんだからね」
最原「そうなんだ」
王馬「別に教えてくれても良かったんじゃないの?」
最原「だって訊かれなかったし」
王馬「…………」
最原「アンジーさんの部屋が調べられなかった理由は、まあわかったよ」
最原「貧血か何かじゃないかな?」
最原「じゃあ次の質問だけど、どうしてキーボくんも探索に参加してるの?」
王馬「スヤァ…」
最原「今寝ると夜寝れなくなるよ」ユサユサ
王馬「えー?何か言ったー?」
最原「キーボくんが女子部屋の探索に参加してる理由を知りたいんだけど」
王馬「ぐーすかぴー」
最原「モノタロウ知ってるよね、教えてくれるかな?」
モノタロウ「えっと、王馬クンが最初に春川さんの部屋の鍵を開けてたら、たまたまキーボクンに見つかっちゃっったんだよね」
最原「いきなり見つかっちゃってたんだ」
王馬「……」サンドイッチモグモグ
ー回想ー
王馬『……』鍵開けカチャカチャ
キーボ『あっ!王馬クン、何してるんですか!?』
王馬『あ、やべっ』解錠ガチャッ
キーボ『そこは春川さんの部屋ですよね!?』
王馬『それが、春川ちゃんにパシられちゃったんだよね!』
王馬『部屋に忘れ物したから取ってこいって…、ほんと人使い荒いよねー』
キーボ『それなら鍵を渡すはずでしょう!』
キーボ『春川さんに報告してきますね』スタスタ
王馬『キー坊、ちょっと』腕グイッドアガチャッ
キーボ『ちょっ、何で春川さんの部屋に押し込めるんですか!?』
キーボ『ま、まさか目撃者であるボクを殺すつもりですか…!?』
王馬『ロボットの場合、”殺される”じゃなくて“壊される”じゃないの?』ドアパタンッガチャッ
キーボ『このことは言いませんから殺さないで下さい…!』
王馬『ちょっと!オレを殺ロボット鬼みたいな言い方しないでよ!』
キーボ『殺ロボット鬼ってなんですか!殺人鬼じゃダメなんですか!?ロボット差別ですよ!』
王馬『とりあえず、春川ちゃんの部屋を開ける必要があったマリアナ海溝より深いワケを聞いてよね!』
キーボ『嘘ですね』
王馬『まだ何も言ってないよね、バラすよ?』
キーボ『ちゃんと聞くので、殺さないでくださいよ…?』
王馬『キー坊のことを信じて教えるけど、これは首謀者を暴くための行動なんだよね』
キーボ『首謀者を…ですか…?』
王馬『首謀者なら、自分の部屋にそれっぽい物の1つや2つあってもおかしくないでしょ』
王馬『だからそれを探すために、終一ちゃんにも協力してもらって部屋の主を引きつけてもらって、その間にオレが部屋の中を探してるってわけ!』
キーボ『そんなこと言って、本当は春川さんの下着でも盗もうとしてるんじゃないんですか!?』
モノタロウ『王馬クンの言ってることは本当なんだよ』
キーボ『そうですか、それは失礼しました』
王馬『あのさぁ…』
キーボ『ロボットが理由無く、王馬クンの嘘を支持するわけないですからね』
キーボ『ですが…、何らかの脅しを受けて王馬クンに言わされてる可能性が無くもないですね…』
王馬『キー坊の中のオレはどんだけ悪党なんd……いや、確かにオレは悪の総統だけど』
王馬『仕方ないなぁ…、じゃあ疑ってていいよ!』
キーボ『は?』
王馬『オレのこと見張ってなよ!下着なんて漁らないからさ!』
王馬『ていうかクローゼットの中見るのは流石に抵抗あったし、丁度いいからキー坊がそっち見てよ』
キーボ『えっ!?』
王馬『何か首謀者の物っぽい怪しい物があったら呼んでねー』ベッドの下捜索開始
キーボ『いやっ、ボクも女子の部屋のクローゼットを開けるのはっ…!』
王馬『ロボットの癖にいっちょ前に、思春期の人間のフリなんてしないでよねー』ガサガサ
キーボ『またロボット差別ですか!』
ー回想終了ー
モノタロウ「そんな感じで、そのままズルズルと成り行きで探索に協力してもらってたんだよ」
最原「なるほどね」
最原「まあキーボくんは性別不明だけど女子トイレに行く用事は間違いなく無いし、多分首謀者じゃないからいいんじゃないかな」
最原「人数が多い方が探索も早く終わるしね」
王馬「もー、モノタロウが居たから何言っても嘘もつけないし、つまんないよぉおおおおおおおお!うわああああああん!!」
最原「つかなくていいから」
王馬「まあ、そんな感じだよー」
王馬「明日はまたアンジーちゃんの部屋からやるからね」
最原「アンジーさんからだね、わかったよ」
王馬「部屋内があんまり変化ないようだったらまあ、すぐ終わると思うよ」
王馬「茶柱ちゃんの部屋まで行けたらいいんだけどねー」
王馬「せめて白銀ちゃんの部屋までかな」モグモグ
最原「東条さんと入間さんが首謀者の確率はかなり低いから、上手く行けば明日には首謀者が判明するんだね」
王馬「何度も言うけど、部屋にそういう物があったらだからね」
王馬「常に持ち歩いてたら知らないよ」
最原「でも、図書室の隠し部屋のカードキーなんて追加された校則がある以上不要な物だし、携帯はしてないんじゃないかな?」
王馬「オレもそう思ってるけどね」
最原「そういえば、もしそういう物を見つけたらどうするの?」
王馬「どうするとは?」
最原「取ってくるのか、そのまま確認だけして戻すのかってことだけど…」
最原「もし取ってきたら首謀者にバレたらちょっと危ないかもしれないし、でも確認だけして戻したら、首謀者を問い詰める段階でしらばっくれられて、証拠品の確認に部屋に行ったら配置がたまたま変わってて…ってなったら困るじゃないか」
王馬「ああ、そういうこと」
王馬「オレもちゃんとその辺りのことは考えてるから安心していいよ」
王馬「はい、使い捨てカメラ〜」ズボンのポケットから取り出す
王馬「これで隠し場所と証拠品をバッチリ撮影するつもりだよ!」
王馬「で、いざ首謀者を追い詰めるぞってなったら、直前に証拠品を取ってくるつもりだよ、予定では」
最原「なるほどね」
最原「ちなみにカードキーじゃないにしろ、何か怪しい物や用途不明な物は見つからなかったんだよね?」
王馬「見つかんなかったってば」
王馬「何か見つけたら言うよ」
最原「うん、ちゃんと隠さずに言ってね」
王馬「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
最原「別に僕は何も隠してないだろ」
王馬「そうだね!訊かなかったオレが悪かっただけだもんね!」
最原「そうだよ」
王馬「……」
※今回から、キューブダンガンロンパREDの設定のネタバレを少し含みます※
ギミックの謎解き自体のネタバレは含まない予定ですが、今後なぞともに行く予定のある方はご注意下さい
王馬「…じゃあまあ、他は特に報告することないから」
最原「そう」
王馬「それじゃオセロでもしよっか!」
最原「またオセロ?飽きてきたなぁ…」
王馬「そんなこと言ったって遊ぶ物少ないし、仕方ないよね」ガチャガチャ
王馬「今日はハンデつけないからね!先攻どうぞー」
最原「えっ、あ、うん」パチパチ
王馬「よーし、オレ色に染め上げちゃうよ!」パチパチ
最原(王馬くんが全力出してきて、ボロ負けした…)
ーーー
王馬「さて、もう一戦しよっか!」片付けカチャカチャ
最原「いや、遠慮しておくよ…」カチャカチャ
王馬「どうして?まだ時間はたっぷりあるよ!」
最原「あんなにボロクソやられて、流石に続ける気起きないよ…」ハァ…
王馬「えー?いっぱい時間あるじゃん!もっと遊ぼうよー!」
最原「真宮寺くん今どんな感じかな?」監視モニターチラッ
モノタロウ「オイラがずっと見てたけど、特に問題ないよ」
王馬「だってさ!」
王馬「オセロが嫌なら次は何する?」
最原「…ここでもDVDとか見れたら暇が潰せるのにね」
王馬「まあ見れないから仕方ないよね」
最原「じゃあ僕は本でも読むよ」
王馬「オレともっと遊んでよ!全然いじめ足りないんだけど!」
最原「いじめてたんだ…」
入間「おい、てめーら!」
最原「ん?」
最原「入間さん、どうしたの?」入間に歩み寄る
入間「マザーモノクマ内データの暗号化された文章の一部の解読が、やっと完了したんだけどよ…」
王馬「首謀者の正体でもわかった?」
入間「いや、それは解析中で今はまだわかんねーよ」
王馬「なーんだ」
入間「しかたねーだろ!めっちゃ頑固なんだよコイツ(暗号・セキュリティ)!」
最原「で、何があったの?」
入間「第52回目のコロシアイについての記録が出てきたぜ」
最原「ご、52回目!!?」
王馬「このコロシアイは今回が初めてじゃないってこと?」
入間「マザーによると、そうみてーだな」
入間「今出てきたのは、その52回目のコロシアイで起こったっていう、早見弓子の殺人事件の情報だけなんだがよ」
王馬「誰?」
入間「データによると、超高校級の泥棒らしいぞ」
王馬「超高校級の泥棒」
最原「総統よりは現実的な才能だと思うよ」
最原「そう思いはするんだけど…、泥棒なんて才能がギフテッドに選ばれるとは思えないよね」
王馬「まあオレなんて総統だし、星ちゃんはテニスプレイヤーだけど死刑囚だし、多少はね?」
最原「政府どうなのこれ」
最原「いやまあ、それは置いとくとして…」
最原「その早見さんっていう人が超高校級の才能を持っているとすると、もしかして他の参加者も超高校級って可能性もあるよね…?」
王馬「えー?超高校級持ちがそんなにホイホイ居てたまるかっての」
入間「それが居たみてーだぜ」
王馬「うそぉ…」
入間「早見の死体が発見された現場は、超高校級の冒険家の研究教室ってあるからな」
最原「超高校級の冒険家か…」
王馬「研究教室が用意されてるってことは、オレ達のこの状況とほぼ同じ感じってことかな?」
最原「仮にその52回目の参加者が僕らと同じ16人だとすると…」
最原「…待って、やっぱりおかしいよ」
最原「僕は超高校級が16人行方不明になった事件なんて、今までの人生で聞いたことないよ」
王馬「オレも聞いたことないよ」
王馬「もしそれが本当なら、ニュースで話題にされてそうなものだよね」
入間「じゃあこの情報は何だってんだよ」
王馬「首謀者がマザーに仕込んでおいた虚偽の情報とか?」
入間「このマザーモノクマに辿り着くまで、どれだけ手間がかかってると思ってんだよ!」
入間「隠し扉を発見してこじ開けるか、隠し通路を見つけて辿り着くしか、マザーを弄れるに至る方法はねーんだぞ!」
入間「それにこいつはここの生徒の中ではオレ様にしか解析できねーのに、オレ様がここに来る可能性なんてどれだけあるかわかんねーしな」
王馬「ここが明らかになる前に、キミが死んじゃってる可能性だってあるわけだしね」
入間「え、縁起でもないこと言うのやめてよぉ…」
最原(…マザーモノクマにある情報は本当にフェイクなのか?)
最原(もしそうなら、どうしてそんなことを…)
最原(僕らを混乱させるためか…?)
最原(仮に、その52回目で少なくとも2人の超高校級がコロシアイに参加させられてたことが本当だとすると、何故かそれがニュースで報道されてないってことになるけど…)
最原(その52回目のコロシアイが本当にあったとすると、僕らのこのコロシアイは最低でも53回目ってことか…)
最原(…53回…)
最原(それまでに参加させられた人達は膨大な人数に及ぶと思うんだけど、こんなことをする犯罪組織が何故未だに捕まらないのだろうか…)
最原(やっぱり、この52回目のコロシアイの情報自体がフェイクな可能性が高い気がする…)
最原「考えてみたけど…、やっぱりその『52回目のコロシアイ』に関する情報の一部は、首謀者が仕込んだフェイクじゃないかな?」
最原「だって、第1回目、2回目ならまだ分からないこともないけど、52回目って…」
最原「コロシアイに参加させられた人が多すぎるじゃないか」
王馬「その52回目のコロシアイが本当にあったとして…、最初からこのスタイルのコロシアイじゃなかったかもしれないよ?」
王馬「ほら、今では完全にサスペンスデスゲームにされてるけど、当初は違うスタイルのゲームで人数も少なくて、つい最近のナンバリングでこういうスタイルになったとか?」
王馬「むしろ最初はSAWとかのジグソウスタイルで、1人相手のデスゲームだったり?」
最原「うーん…。最初がそんななら最早別のゲームって感じだから、ナンバリングしないと思うけど…」
王馬「FFだってナンバリング毎に違うし」
入間「真相はわかんねーけど、まあ解析が進めばもっと色々情報が出てくると思うぜ」
入間「セキュリティが厳重すぎて、すげー時間かかるけどな」
最原(入間さんが首謀者の情報を掴む前に、王馬くんが先に女子部屋の探索で首謀者の証拠を見つけるかもしれないな…)
最原(それに、マザー内の情報がフェイクの可能性は充分あるし…)
最原(…でも一応、頭の隅に置いておこうかな)
最原(超高校級の泥棒と、超高校級の冒険家か…)
最原「…ねえ入間さん、ちなみにその早見弓子殺しの事件はどうなったの?」
入間「んー…、犯人の名前や才能や動機なんかの部分はまだ解読できてねーけど、一応ちゃんと解決したらしいぜ」キーボードカタカタ
最原(52回目の参加者達は、その裁判を無事乗り切ったってことか…)
入間「事件の調査中に犯人が判明して、その後の学級裁判が一瞬で片がついたんだとよ」
入間「参加者の中に、超高校級の探偵でも混じってたんじゃねーの?」
最原「探偵の才能持ちが僕の他にも居るだなんて、聞いたことないけど…」
王馬「犯人が大間抜けで、証拠残しまくりとかだったんじゃないの?」
入間「かもしれねーな」
最原「そもそも素人の犯した殺人なら、頭のいい人間相手にすると見透かされるだろうしね」
入間「こいつ暗に自分のことを頭がいいアピールしてんな」
王馬「ていうか素人じゃない殺人ってなんだよ」
入間「プロの殺人ってことだな」
入間「つまり暗殺者か!暗殺者が殺人をしたらオレ様達は詰むってことだな」
王馬「暗殺者なんて超高校級に認定されるわけないでしょ、ここ日本だよ?」
入間「だよな、それに高校生が暗殺者はねーよな」
最原「仮に暗殺者の超高校級が居るとしたら、総統の超高校級にそんなこと言われたくないと思うよ」
入間「そもそも総統の才能ってなんだよ!嘘くせーな」
王馬「嘘じゃないよ?オレは本当に超高校級の総統なんだよ!」
最原(どうだか…)
最原(その後も入間さんは解析を続けたけど、結局あまり捗らなかったようだ)
ー22時ー
最原「……よし、できた」カチャッ
王馬「おー、やるじゃん」
王馬「かなり早く開けることができるようになったね」
王馬「泥棒の才能あるんじゃない?」
最原「いらないよ、そんな才能」
最原(何故か王馬くんに南京錠のピッキングの仕方を教わった…)
最原(鍵式とダイヤル式、両方開けられるようになった…)
最原(別に覚えてて損はないけどさ…)
王馬「今度は誰かの部屋のドアでやってみない?」
最原「ピッキングしてるところなんて、誰かに見られたらまずいからやらないよ…」
最原「それじゃあこれ、返すよ」つピッキングツール、南京錠
王馬「終一ちゃんが少し悪に身を染めた記念に、それあげちゃうよ!」
最原「でもこれが無かったら、明日の調査出来ないんじゃない?」
王馬「もう1セットあるから大丈夫だよ」
最原(何で幾つも持ってるんだ…)
最原「じゃあ貰うよ」ポケットにしまう
東条「ごめんなさい、遅くなったわ」スタスタ
王馬「……それ何?」
東条「これは抱き枕よ」無地紺色抱き枕抱え
王馬「いや、見ればわかるけどさ」
最原「朝に僕が東条さんに作ってほしいって依頼したんだよね」
最原「昨日解斗くんのいびきが煩かったからさ、彼に使ってもらおうと思って」
最原「抱き枕があると、いびきや無呼吸の改善に繋がるんだよ」
王馬「へぇ」
東条「百田君用って聞いたから、大きめに作っておいたわ」つ抱き枕
最原「ありがとう、渡しておくね」
最原「と言っても解斗くん今風邪引いてるし、この後部屋に行って寝てたら申し訳ないな…。いつ渡せばいいかな…」ハァ…
王馬「今日はハンバーグだね」お弁当カパッ
東条「チーズインデミグラスハンバーグよ。はいお茶」コトッ
ーーー
王馬「…っていう情報が、マザーの解析からわかったらしいよ」デザートモグモグ
東条「なるほどね…」
最原「この情報は、首謀者が仕込んだ罠じゃないかなと僕は思ってるけどね」
東条「そうね…。でもまだなんとも言えないわね」
最原「信じてるの?」
東条「少しでも可能性があれば、考慮した方が良いと思ってるだけよ」
東条「勿論、私もそんなニュースは聞いたことないけどね」
最原「まあこれだけじゃまだ情報が少なすぎるよね」
東条「そうね、残りの解析を待ちましょう」
王馬「じゃあデザートも食べ終わったことだし、コイツ起こしてまた働かせよっか」
王馬「おーい!朝だよー!!」耳元で大声
入間「……!あっ、朝だぁ!?やべえ!見張りの時間起きてられなかった!」ガバッ
最原「今22時だから大丈夫だよ」
入間「嘘かよ!驚かせやがって!」
王馬「朝ならオレがこの部屋に居るわけないよね?」
入間「そんなん起きてすぐに判断できっかよ!」
王馬「じゃあオレ達は寄宿舎に帰ろっか」モノタロウ抱え
最原「そうだね」抱き枕抱え
東条「最原君、王馬君、モノタロウ、見張りお疲れ様」
モノタロウ「ばーいくまっ!」手フリフリ
最原「おやすみなさい東条さん」スタスタ
王馬「おやすみー、東条ちゃん&肉便器ー」スタスタ
入間「肉便器……いや、呼んでくれただけサイコ原よりマシなのか…?」
ー寄宿舎ロビーー
最原「寝てたらどうしよう…、起こすことになるよね…」百田の部屋の前うろうろ
王馬「明日の交代の時渡せば?」
最原「あ、そうだ。王馬くん、ピッキングで解斗くんの部屋開けてよ」
王馬「は?」
最原「これこっそり置いてくるから」
王馬「終一ちゃん面白いこと考えるね!」
王馬「普通そんな発想にはならないから、イタズラの演出の参考になるなー!」
ガチャッ
赤松「あれ…?2人とも、こんな時間に百田くんの部屋の前で何してるの?」
最原「赤松さんこそどうしたの?」
赤松「私はちょっと眠れないから、外に涼みに行こうと思ってたんだよね」スタスタ
赤松「それで、そっちは?」スタスタ
最原「えっと、実は解斗くん今風邪を引いてて…」
赤松「えっ!百田くんが風邪!?」
赤松「そういえばお昼の出口探しの時に見かけなかったし、夜ご飯の時食堂でも見かけなかったけど、まさか風邪だったなんて…」
赤松「大丈夫かな!?お見舞いしなきゃ!」ピンポピンポピンポーン
赤松「百田くん大丈夫!?」ドアドンドンドンドンピンポピンポーン
最原「赤松さん!やめて!!寝てたら迷惑になるから!」
最原「こっそりお見舞いしに行こう!?」
王馬「…………」
ガチャッ
百田「んだよ、騒がしいな…」
赤松「あ!百田くん!風邪って聞いたんだけど大丈夫!?」
最原「赤松さん、興奮しすぎだから、抑えて」
王馬「モノタロウ、オレの部屋行こっかー」スタスタ
モノタロウ「あれ?お泊りは?」
王馬「するけど風呂行くから」ガチャッパタン
赤松「熱は何度あるの!?ていうか計った!?」
百田「お、落ち着けって!」
最原「そうだよ赤松さん、落ち着いて」
赤松「ご、ごめんね…」
百田「熱はねーから心配すんなよ」
赤松「本当??」
百田「ああ、本当だ」
最原「風邪の症状は?」
百田「えっと、咳だけだ」
百田「大したことねーからテメーらも早く寝ろよ」
最原「あ、待って解斗くん」
最原「東条さんに作ってもらったんだけど、これ使って…」つ抱き枕
百田「何でこんなもん…」
最原「解斗くん自覚無いかもしれないけど、寝てる時いびきしてるんだよ」
最原「抱き枕を使うと自然な横向きでの睡眠ができるから、いびきと無呼吸の改善に良いんだよ」
最原「使 っ て ね ?」
百田「お、おう…」
赤松「!わ、私今ちょっとお見舞いの品持ち合わせてないや…」
百田「別にそんな気を使わなくたって…」
赤松「ちょっと待ってて!何か持ってくるね!」ダダダッガチャッバタンッ
ガチャッバタンッダダダッ
赤松「おまたせ!」
百田「お、おう」
赤松「乾燥は風邪の大敵だからね!はい、前向きな加湿器だよ!」つ前向きな加湿器
百田「えっ…、加湿器かぁ…、うーん…」
赤松「……もしかして、受け取ってくれないの?」
百田「こういう女っぽいもんはちょっとなぁ…」
赤松「湿度が40%以下だと風邪のウイルスが舞いやすくなるんだよ!」
赤松「あと風邪ひいてると喉が乾燥しやすくなるから、喉の乾燥対策にもなるよ!」加湿器を押し付ける
赤松「あとこれ!しょうが湯だよ!」つしょうが湯
百田「うーん…、しょうg」
赤松「これ飲んであったかくして寝てね!」ズイッ
百田「わ、わかった…」受け取る
赤松「…百田くんが思ったより元気そうでなんか、安心したよ」
百田「なんか…心配かけちまったみてーだな…」
赤松「ううん、私こそ押しかけるみたいなことしてごめんね」
赤松「明日またお見舞いに来るね!」
百田「いいって、風邪伝染るぞ」
赤松「大丈夫!私あんまり風邪ひいたことないから!」
最原「…ねえ、明日の朝(見張り)大丈夫そう?」
最原「もし無理そうなら天海くんに言っておくよ」
百田「でもオレが行かねーといけねえだろ」
最原「多分入間さんも居ると思うから、大丈夫だよ」
最原「無理をするより、早く治すようにした方が良いと思うよ」
最原「…助手に心配させないでほしいな」
百田「…確かに、自分の健康管理もできないボスなんてかっこつかねーよな」
最原「ごめん、そういうつもりで言ったわけじゃ…」
百田「いや、いい。わかってる」
百田「終一も心配してくれるのは嬉しいけどよ、ちょっと寝てたらもうだいぶ良くなってきたし、朝も問題ないと思うぜ」
最原「そう…?わかったよ」
最原「悪化しないように気をつけてね」
赤松「それじゃあ百田くん、ゆっくり休んでね!」
百田「おう、おやすみ」
最原「おやすみなさい」
パタンッ
赤松「…百田くん、大丈夫かな…?」
最原「確かに、本人の性格的に僕らに心配かけまいと振る舞っている可能性もあるけど、本人が大丈夫って言ってるから大丈夫じゃないかな…?」
最原「お昼に見た時はもう少し顔色悪かったから、多少良くなってると思うよ」
赤松「そうなんだね!よかったぁ…!」
最原「それじゃあ赤松さん、おやすみなさい」
赤松「うん、おやすみ!私は外に涼んでくるけどね」
最原「一応コロシアイ生活中なんだし、気をつけてね…?」
赤松「平気平気!みんないい人達だし、これからもコロシアイなんて起こらないって!」スタスタ
最原(それはどうだろうか…)
最原(…さて、僕も部屋に帰ってシャワー浴びて天海くん呼ばないとね…)
最原(モノタロウがまたお泊まり会したがってたし)スタスタドアガチャッ
ー最原の個室ー
天海「スヤァ…」
最原「何で僕のベッドに天海くんが勝手に入ってるのかな?」モノパッドで布団チョップ
天海「うぐっ…!あ、おかえりなさいっす」
天海「布団を温めてたら、つい寝ちゃったみたいっすね」
最原「そんな秀吉みたいなこと、頼んでないんだけど」
天海「昔、妹の布団もこうしてよく温めてたんで、気にしないでほしいっす」
最原「妹さんからしたらいい迷惑だったと思うよ、それ」
最原「はぁ…、香水臭いな…」消臭剤シュッシュッ
天海「この匂い嫌いっすか?」
最原「嫌いじゃないけど、布団に匂いつくのが嫌だから」シュッシュッ
最原「…………」
天海「ん?どうかしたっすか?」
最原「天海くん、早見弓子って知ってる?」
天海「早見弓子?……ちょっと記憶にないっすね」
最原「そう…」
天海「どんな人っすか?特徴教えてもらったら思い出せるかもしれないんで」
最原「特徴って言っても…、えっと、彼女は女子高生で泥棒らしいんだけど」
天海「泥棒…?」
天海「俺に泥棒の知り合いなんて居ないし、ちょっとそんなニュース見たかも覚えてないっすね」
天海「そもそも俺よく海外行ってたんで、国内のニュースなんてあんまりチェックできてないもんで…」
天海「その早見弓子がどうかしたんすか?」
最原「いや、知らないなら別にいいんだけど…」
天海「終一君、何かその女子高生に盗られちゃったんすか?」
最原「そういうわけじゃないんだけどね」
天海「??」
最原「……えっと…」
最原(僕は52回目のコロシアイの情報を天海くんに教えた…)
ーーー
天海「なるほど…」
天海「…やっぱり俺も、超高校級が誘拐されたりコロシアイをさせられていたみたいなニュースは聞いたことないっすね」
最原「そっか…」
天海「お役に立てず申し訳ないっす」
最原「いや、大丈夫だよ」
最原「その辺はやっぱり、入間さんの解析待ちになるね」
天海「そうっすね」
最原「あ、そういえばさっき解斗くんの部屋にお見舞いに言ったんだけど、明日の朝の見張りには行くらしいよ」
天海「そうっすか。解斗君、大丈夫そうだったっすかね?」
最原「お昼に僕が見た時より、顔色は良くなってたよ」
最原「風邪薬飲んでるだろうし、さっき赤松さんがしょうが湯と加湿器あげてたし、もっと回復に向かうんじゃないかな?」
天海「それは良かったっす」
最原「じゃあ僕シャワー浴びてくるけど、もう寝ないでね」スタスタクローゼットガチャッパタン
天海「終一君があがってくるより先に、小吉君が来るかもっすね」
最原「そうだね」スタスタガチャッ
ーーー
最原(よし、髪も乾いたね)ドライヤーオフ
最原(早く寝よう)ドアガチャッ
天海「スヤァ…」
王馬「スヤァ…」
モノタロウ「あ、最原クンほかえりー」ノシ
最原「何でみんなで僕のベッドに入ってるんだよ」天海にチョップ
天海「ぐっ…!?…あ、おはようございます」
王馬「いやー、やっぱり床の固い布団よりベッドだよね!」
モノタロウ「オイラは布団の中って苦手だなぁ」
モノタロウ「ロボットだから、熱がこもる場所っていうのはちょっと不安になるんだよね」
最原「じゃあ出なよ」ヒョイッ
王馬「あー!湯たんぽが!」
最原「はいはい、2人も出て」
天海「ゴン太君が寝返りをうっても平気なサイズのベッドっすからね、俺ら3人くらい川の字で寝れるっすよ」
最原「出て」布団めくり
ー7時半ー
王馬「はい朝だよー!起きて起きてー!」布団バシバシ
最原「…………まだ朝の放送前じゃないか…」時計を見る
王馬「今日はなるべく多くの部屋を回りたいからね」
王馬「放送と同時に食堂に入れるようにしようよ」
最原「んー…」布団に潜る
モノタロウ「おはっくまー!」最原の腹に飛び乗る
最原「うぐっ……」
最原「ただでさえ朝、5時半で1度起こされてるっていうのに…」ムクリ
王馬「それはオレも同じだし、ていうかオレの方が蘭兄ちゃんの目覚まし時計近いし…」
王馬「なんでもいいから早く起きなよ」布団剥ぎ
最原「寒い……」モノタロウを湯たんぽ代わりに抱っこ
最原「僕の睡眠を妨害するなんて…、これも全部首謀者のせいだな…」ムクリ
王馬「そうだよ、首謀者倒したら幾らでも寝ていいから頑張ろうね、ぐっすり探偵」
ー7時55分ー
王馬「準備できた?」
最原「うん」
最原「そういえば、アンジーさんって朝食早いの?」モノタロウ抱え
王馬「うーん…、食事に来る時間は不規則だけど、まあいつもの終一ちゃんより朝食は早いよ」
最原「そっか…。じゃあ早く行かないとね」ドアガチャッ
白銀「あ、おはよう最原くん!」
最原「え、あ、おはよう…」
最原(何で今朝も出待ちしてるんだ…)
白銀(結局昨日は、百田くんは部屋で寝込んでたみたいだったし話を訊けなかったから、今日こそ何かしら聞き出すんだからね!)
王馬「うわー、白銀ちゃんまた出待ちストーカー?」ヒョコッ
白銀「なんで今日も、王馬くんが最原くんの部屋から出てきてるのかな?」
王馬「だから、女子には言えないような話をしてるんだってば」
白銀「朝から連日で!?」
白銀「ねえモノタロウ、2人は何の話をしてたの?」
モノタロウ「えぇっ!?えっと…」
最原(昨日口止めしといたし、大丈夫だよね…?)
モノタロウ「な、何の話もしてなかったよー」
最原(嘘下手くそか)
王馬「…オレお腹すいたからダッシュで食堂行こうっと」ダダダッ
最原「えっ、じゃあ僕も」ダダダッ
白銀「!?ま、待ってよー!」ダダダッ
ー食堂前ー
最原「……」(息切れてる)
東条「3人とも、走ってやって来てどうしたのかしら?」
最原「いや、別に…」
最原(インドアな僕に、突然のダッシュは辛かった…)
東条「廊下は走ってはいけないわよ」
白銀「ご、ごめんね東条さん…」
キーンコーンカーンコーン
モノダム『……』ブツッ
東条「食堂が開いたわね」ガチャッ
白銀「そういえば、モノクマーズはいつまで喪に服してるんだろうね?」
王馬「さあ?」
白銀「……ていうか、モノタロウはどう見ても喪に服してないよね?」
モノタロウ「?何か喪に服すようなことあったっけ…?」
白銀「自分の父親が死んじゃったのに、忘れちゃってるんだね…」
最原「まあ、ロボットに父親も何もないよね」
キーボ「何やらロボット差別発言が聞こえてきた気がしました」スタスタ
王馬「あ、キー坊おっはよー!」
アンジー「アンジーも居るよー!」ヒョコッ
最原「おはよう、アンジーさん」
最原「良かったら朝食、一緒に食べない?」
アンジー「もっちもちだよー!」
ーーー
王馬「ごちそうさま!」食器片付けカチャカチャ
王馬「よーし!キー坊モノタロウ、行くよ!」モノタロウを引ったくって走る
キーボ「ま、待ってくださいよ!」タタタッ
茶柱「王馬さんはロボットコンビを引き連れて、一体何をするんでしょうかね」ご飯モグモグ
夢野「ロボットを組織に引き入れてエージェントにするために、奴らに仲良く振る舞っているのではないか?」
茶柱「なんと!?悪の組織にロボットエージェントが加入なんて、捨て置けない問題ですね!」
夢野「安心せい、転子」
夢野「ウチがそうならない為に、先手を打って魔法をかけておいたわい」
茶柱「えっ!いつの間に!?」
茶柱「流石です夢野さん!」キャー!
最原(あの2人は仲がいいな…)モグモグ
ー寄宿舎ロビーー
王馬「…………」ピッキングカチャカチャ
王馬「よし、開いた」ガチャッ
キーボ「この時間は基本皆さん食堂に集まっているので、安心して開けられますね」
ーアンジーの個室ー
ドアパタン鍵ガチャッ
王馬「さてと!キー坊は昨日どこを探索できてて、後はどこが残ってるの?」スタスタ
キーボ「えっとですね…」
王馬「ぁ」バターンッ
キーボ「!!!!!!?????ま、またですか!?」
モノタロウ「王馬クンしっかりしてよー!」王馬の腕を揺する
キーボ「寝不足なんですか?貧血なんですか?」
キーボ「自分の健康管理くらいしっかりしてくださいよ…」ハァ…
王馬「…気絶3回目にして、原因がようやくわかったよ…」ムクリ
キーボ「健康管理を怠った結果なのでは?」
王馬「いや、そうじゃないんだよね」
王馬「それ…、その絵のせいだよ」見ないようにしながら指をさす
キーボ「このアンジーさんの絵ですか?」
王馬「そう、なんかよくわかんないけどそれ見ると意識が飛ぶんだよね」
キーボ「そんな馬鹿な…」
王馬「なんかその辺に絵にかけられるもの無い?」
王馬「昨日は布かかってたじゃん」
キーボ「えぇっと…。あ、ありました」
王馬「じゃあそれかけといて」
キーボ「はあ…」絵に布をかけて隠す
王馬「いやー、とんだトラップだよね!」
キーボ「理解不能ですね…」
キーボ「この絵の何が問題なんですか?」
王馬「そんなことオレにもわかんないよ」
王馬「ただまあ、これ危ないよね」
王馬「コロシアイに利用できちゃうよ」イーゼルペシペシ
キーボ「はあ…、効果があるのは王馬クン限定なのでは…?」
王馬「これ爆破しようか」
キーボ「!!?」
王馬「嘘だよ―!びっくりした?」
キーボ「いや、正直王馬クンならやりそうだなと思いましたよ…」
キーボ「某総統リスペクト的な意味で…」
王馬「オレは最低限そういう教養はあるけどあんなに芸術を愛してるわけじゃないから、安心していいよ!本当だよ!」
王馬「さて、部屋出る時に忘れずにこの布取っておいて、状態を戻しておかないとね」
キーボ「ですね」
王馬「じゃあさっきも訊いたけど、探索箇所教えてほしいんだけど」
キーボ「えーっとですね……」
ー食堂ー
最原(今日もアンジーさんの島の話を聞きながら、時間を潰している)
アンジー「それでねー、……」
最原「ん?どうしたの?」
アンジー「んー…、なんか色々話してたから、ちょっと島が懐かしくなったんだよねー」
アンジー「神さまはいつでもアンジーの側に居てくれてるけど、島のみんなには会えないからねー」
最原「アンジーさん…」
最原「…あの、寂しいのはわかるけど……一応言っておくけど、殺人なんて考えたらいけないからね?」
アンジー「それはモチのロンだよー!」
アンジー「誰かが死んじゃうくらいなら、ここでみんなで仲良く一生暮らすべきたよねー!」
最原「いや、一生はちょっと…」
アンジー「えー?どうしてー?」
アンジー「16人も居たら結構楽しく過ごせると思うよー?」
アンジー「終一は今の生活楽しくないのー?」
アンジー「斬美の料理は美味しいしー、倉庫には何でもあるしー、個室もあるしー」
アンジー「結構快適だよ―!」
最原「確かに東条さんの料理は美味しいし、みんないい人達だし、そりゃ楽しいことだってあるけど…」
最原「でも、こんな場所に軟禁されてコロシアイを強要される生活が続くなんて、僕は絶対に嫌だよ」
アンジー「なるなるー、じゃあ終一は誰かの殺人を考えてるのかなー?」
最原「か、考えてるわけないだろ!」
アンジー「ホントかなー?」
最原「僕はみんなでここを出ることを望んでいるよ」
アンジー「えー?みんなで出るなんて無理だよー」
アンジー「ここから出るには、誰かを殺すかデスロードをクリアするしかないんだよー?」
アンジー「デスロードは難しいし、実際人を殺すしかないよね?」
最原(いや、首謀者を特定して追い詰めれば、僕らを解放せざるをえなくなるはずだ…)
最原(だから…)
最原「それは違うよ…」
最原「なんとか…、なんとかなるはずだよ…」
アンジー「んー…、あんまり根詰めるとつらいぞー?終一ー」
アンジー「でもでもー、終一が頑張るって言うならアンジーも神さまも応援してるよー!」
最原「あ、ありがとう…」
ーーー
ドアガチャッ
王馬「キー坊お茶淹れてきてー」スタスタ
キーボ「自分で飲むんでしょう。自分で淹れて下さいよ」スタスタ
王馬「ちぇー、ケチー」スタスタ
キーボ「まったく…」椅子に座る
最原(どうやら、アンジーさんの部屋の探索は終わったみたいだね…)
最原(えっと、次は確か夢野さんだったよね)
最原(アンジーさんの話を切り上げて夢野さんに会いに行かないと…)
アンジー「どしたー?終一ー」
アンジー「上の空だぞー?」
最原「あ、ごめん」
最原「アンジーさん、僕そろそろ人と待ち合わせてる時間になるんだよね」
最原「島の話は面白かったけど、続きはまた今度でいいかな?」
アンジー「うん、だいじょぶだよー!」
アンジー「ぐっばいならー!」
最原(…一応食堂を出る前に、王馬くんにアンジーさんの部屋の件を訊いてから行くか…)厨房の方に歩く
最原「王馬くん、どうだった?」(一応小声)
王馬「ハズレだよ、成果なし」(小声)
最原「ハズレって言い方……、まあ、いいけど…」
最原「じゃあ僕行くね」モノパッドマップチェック
最原「…夢野さんは今、1人でAVルームに居るみたいだね」(小声)
最原「何か見てる最中なら入りにくいな…」(小声)
王馬「話さなくてすむから、コミュ障の終一ちゃん的には楽だね!」(小声)
最原「……AVルームに居る彼女を見張るために、ゲームルームに行ってくるね」(小声)
最原「そこで本でも読みながら時間を潰して、彼女が出てきたらなんとか話しをして引き止めるよ」(小声)
王馬「じゃあまあ頑張ってね!オレも頑張るから」(小声)
モノタロウ「オイラも頑張るよ―」
最原「うん、モノタロウも宜しくね」頭よしよし
最原(僕はゲームルームに向かった…)
ーAVルームー
夢野「はぁ…」
夢野(ウチは映画を見ながら1人ため息をついてしまった)
夢野(ファンタジーものの映画を観ているのじゃが、いまいち気が乗らないでいる)
夢野(映画を見るのは好きなハズなのじゃが、こんな生活を続けさせられているせいか、どうにも楽しめないでおる)
夢野(しかし…、他に特にすることもないしのう…)
夢野(あと出来ることといえば、自室でぐだぐだ過ごすことか、食堂で何か飲み食いすることか、図書室で本を探すことくらいじゃ)
夢野(と言っても図書室なんて、読めないことはないのじゃが外国語の本が多くて読むのがめんどいし、そもそもどこに何の本があるのかなんてわからんし…)
夢野(興味ありそうな日本語の本を探すのが面倒じゃからのう…)
夢野(あとは…、たまに転子が自分のトレーニングにウチもどうかと誘ってくるのじゃが、体を鍛えるなんてめんどいの極みじゃからの…)
夢野(すると必然的に、このAVルームで適当に映画を観るしかないわけで…)
夢野(……正直、この過ごし方に飽きておる…)
夢野(ここには大量にDVDがある)
夢野(勿論、殆ど知らない作品じゃ)
夢野(じゃが、ただ映画を観て過ごすだけのこの日々には飽きたのじゃ…)
夢野(そもそも映画1本観るとその後の疲労感が半端ではない)
夢野(ウチは登場人物に感情移入するタイプなので、主人公達がピンチになる度にハラハラと神経をすり減らしてしまうのじゃ)
夢野(ウチの好きなファンタジー映画ともなると、主人公は何度もピンチになったり、おどろおどろしい怪物が出てきてチビってしまうこともある)
夢野(とにかく、疲れるんじゃ…)
夢野「……魔法を使いたいのう…」
夢野(ここにはウチの魔法を助ける道具が無いので、魔法を上手く使うことが出来ぬ)
夢野(簡単な魔法でも使えれば、少しは気が紛れるのじゃが…)
夢野(今の環境だと、精々トランプを使った魔法くらいしか出来んのじゃ…)
夢野(それにしても、助けは一体いつ来るのじゃろうか)
夢野(ウチ達がここに来てから何日が経った?)
夢野(警察は一体何をしておるんじゃ…)
夢野(……嫌なことを思い出してしまった)
夢野(確か誘拐は発生から2日以内だかなんだかに発見されなければ、大体が殺されているらしいので、ちゃんと捜査してくれなくなるとか、確かそういったものじゃ)
夢野(冗談ではない、ウチはちゃんと生きておる…)
夢野(ここに囚われているのは16人の超高校級…)
夢野(そのことを考えると、そう簡単に捜査が打ち切られるとは思えんが…)
夢野「……やるしか、ないのか…?」
夢野(ここから出るには)
夢野(学級裁判なんてされてはウチに勝ち目はないじゃろう)
夢野(そもそもウチが勝ったとしても、それでは他の者が全員死んでしまう)
夢野(そんなことになっては、目覚めが悪いなんてレベルでは済むまい)
夢野(じゃが、今なら…)
夢野(今なら初回特典がある…)
夢野(初回特典は、1人を殺すことさえ出来ればその時点で卒業…、ここから脱出することができる…)
夢野(ウチはもうこんな生活は懲り懲りじゃ…)
夢野(じゃが…………)
夢野(……どうするかの?)
①ロボ殺しに踏み切る
②やめとく
↓1安価
199 : 以下、名... - 2017/06/03 00:07:20.95 X8YZ8GgLO 791/16552
夢野(…………いや、やめとこうかの…)
夢野(いくらロボとはいえ、あやつは色々人間らしすぎてロボ殺ししにくいわい…)
夢野(いっそペッパーやアイボくらい、思いっきりメカメカしくしてくれたのならやりやすいのじゃが…)
夢野「はぁ…」
夢野(あと1週間は耐えてみるかの…)
夢野(もしそれでも助けが来ないようなら、今度こそ本格的にロボ殺しを再検討してみるかのう…)
夢野(ウチは再びスクリーンに目を向けて、今暫く現実を忘れることにした…)
ーゲームルームー
最原(あれから結構時間が経ったけど…)
最原(…全然出てこないな、夢野さん)
最原(何本もDVD見てるのかな)
最原(まあここじゃ娯楽も少ないし仕方ないよね)
王馬「やっほー終一ちゃん!」ドアガチャッ
最原「あ、終わった?」
キーボ「はい、調査は終わりましたよ」
モノタロウ「怪しい物は何も見つからなかったよー」
最原「そっか。じゃあ次は……白銀さんだね」
王馬「苦手だろうけど、まあ頑張ってね!」
最原「まあ、うん…。真宮寺くんと過ごすよりはマシだから、うん…」モノパッドマップチラッ
最原「……2階にある教室に……1人で居るみたいだね」
王馬「なんで教室なんかに行ってるんだろうね?」
キーボ「教室って別に何も娯楽の品はないですよね…」
最原「うーん…、まあよくわかんないけど、行ってみるよ」
最原「……なるべく早く探索を終わらせてくれると嬉しいよ…」
王馬「見逃しがないように、しっかり調べるつもりだよ」
最原「うん、まあそうだろうけど…うん…」
最原(僕は白銀さんが居る教室へと移動した…)