ガヴリール「ベテルギウスって星は太陽の1000倍の大きさらしいぞ」
ヴィーネ「それって、あの冬の大三角を形成してる星の一つよね」
ラフィエル「オリオン座の恒星で、地球から見える星の中では太陽を除いて一番大きく見える星ですね」
サターニャ「1000倍? それってそんなに凄いことなの?」
ガヴリール「太陽を1cmの小さな玉コロとすると……」
ガヴリール「ベテルギウスは10mの巨大な玉ボールだ」
サターニャ「なにそれ圧倒的じゃない!?」
元スレ
ガヴリール「宇宙ヤバくね?」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1510316919/
ヴィーネ「10mって3階建てのマンションぐらいの高さのボールよね」
ラフィエル「それに比べて太陽は1cmの小さな玉ですか……比較にもならないですね」
サターニャ「それって太陽が単に小さ過ぎるだけの話じゃないの?」
ガヴリール「地球の109倍」
サターニャ「えっ?」
ガヴリール「太陽は地球の109倍のデカさ」
ラフィエル「地球が1cmの小さな玉だとすると……」
ヴィーネ「太陽は1mを超える巨大なボールってことね」
サターニャ「えっ、何それ太陽めちゃくちゃデカいじゃない!?」
ガヴリール「1m超えのボールと1cmの小さな玉、それが太陽と地球の大きさの違い」
ヴィーネ「両手で大きく抱えられるボールと、指の先っぽで小さく摘むだけの玉の違いね」
ラフィエル「太陽は圧倒的に大きいんですよ、私たちが住んでる太陽系の中では圧倒的に」
ガヴリール「私たちが知ってる中だと木星なんかが相当デカいし、太陽系の中でもトップ3に入る大きさだけど」
ヴィーネ「その木星でも太陽に比べるとあまりに小さすぎるのよね」
サターニャ「それって木星が大したこと無いんじゃないの?」
ガヴリール「直径で地球の11倍」
サターニャ「えっ?」
ガヴリール「体積で表すと地球の1321倍のボリュームがある、それが木星」
サターニャ「なにそれ木星めちゃくちゃデカいじゃない!?」
サターニャ「地球の1321倍の体積……木星デカすぎじゃない?」
ガヴリール「太陽を除く太陽系の全ての惑星を足しても、木星単体の方が2倍~2.5倍ぐらい質量があるからな」
ヴィーネ「ガス惑星って聞いてたけど、結構重いのね」
ラフィエル「サイズがデカすぎますからね……ガス惑星といえどもそれくらいの重さになっちゃうみたいです」
ガヴリール「ちなみに木星のコアにはちゃんと高密度の岩石があるみたいだぞ」
サターニャ「巨大なガスを突き抜けた先にある中心核の岩石か……少しワクワクするわね!」
ガヴリール「自転は9時間55分らしい、地球より11倍もデカいのに、地球より自転がめっちゃ早い!」
ヴィーネ「木星表面の自転しているスピード、ヤバいわね」
サターニャ「なるほど、木星ってのはヤバいのね!」
ヴィーネ「地球の1321倍のボリュームってのは伊達じゃないわ」
ガヴリール「木星で発生する雷は、地球の雷の1000倍の規模らしいぞ」
ラフィエル「スケールが違いますからね、木星の雷とかヤバいです、恐いです」
ヴィーネ「磁場が地球より14倍ぐらい強いから、磁場の極点では常にオーロラが発生しているみたい」
サターニャ「木星のオーロラか……それは少しロマンチックね!」
ガヴリール「まあそんなスケールの違う木星でも、全く比較にならないのがあの太陽なんだけどな」
ラフィエル「私たちがいる太陽系は、太陽を中心とした空間です、太陽さんが主役なんですよね」
サターニャ「主役と言っても、ただ中心にいるってだけなんじゃないの?」
ガヴリール「99.86%」
サターニャ「えっ?」
ガヴリール「この太陽系の全ての質量の内、99.86%は太陽なんだよ」
ヴィーネ「それってもう、ほとんどが太陽じゃないの!?」
ラフィエル「この太陽系はほとんどが太陽という単体の星による主役ステージなんです」
ガヴリール「太陽系内の他の惑星も、太陽を中心にして回っているからな」
サターニャ「そんな……さっきまで木星がヤバいって話じゃなかったの!?」
ヴィーネ「所詮、脇役だったのよ木星は」
サターニャ「私たちの地球とかは、太陽の脇役だって言うの!?」
ヴィーネ「木星ですら脇役なんだし……太陽が太陽系の99.86%の質量を占めてるってのはどうしようもないわよ」
ラフィエル「地球の109倍、体積で表すと地球130万個分ぐらいですかね」
ガヴリール「太陽に比べたら地球なんて蟻以下、130万分の1っていう存在だからな」
サターニャ「駄目じゃないの、地球! っていうか太陽デカすぎでしょ、いくら何でも」
ガヴリール「比較画像を見てみるとほんとに豆粒にもなっていないからな、太陽は相当デカい」
ヴィーネ「表面も6000度とかいう灼熱なんだから、宇宙に浮かぶ巨大な火の玉ってところね」
ガヴリール「よくその太陽=表面6000度で熱いって思われがちだが、太陽の熱い所はそこじゃないぞ?」
ガヴリール「太陽の周りにはコロナと呼ばれている層がある」
ガヴリール「このコロナの温度が200万度」
ヴィーネ「えっ……に、200万って!?」
ラフィエル「表面の6000度とかいう数字がとても可愛く見えてきますね」
サターニャ「に、200万度って……っていうか、表面よりもそのコロナって層のが熱いってどういうことなの?」
ガヴリール「それについてはよく分かっていない、観測は進んでいるし、その観測結果による推測も立てられてはいるが……」
ラフィエル「コロナの異常な温度は太陽最大の謎とも言われていますね、結論はまだ出ていません」
ヴィーネ「なんで表面より外側の層のが圧倒的に熱いのよ……」
ラフィエル「太陽の面白い所といえば、自転周期が上と下で違うんですよね」
サターニャ「へぇー、太陽でも自転ってしているんだ」
ヴィーネ「地球みたいに固体で繋がってないから、そういう上下で自転の違いなんてのも起こり得るのね」
ガヴリール「高温でプラズマ化した流動体だからな、極点では30日を越えて赤道付近では27日などの違いが出る」
ラフィエル「でもそんな不安定な自転をしている太陽ですが、形自体は99.99%以上の完璧に近い球体です」
ヴィーネ「めちゃくちゃデカいのに、99.99%以上の球体ってのは凄いわね!」
サターニャ「地球は案外、凸凹の歪な形だってのは聞いたことあるわ!」
ガヴリール「地球は海で表層を誤魔化しすぎてる、ただでさえ楕円形なのに海が無かったら見た目は更に悲惨だからな」
ガヴリール「太陽の中心核はエネルギーの塊だ」
ガヴリール「全体の2%にしか過ぎない中心核に、太陽全体の50%の質量が詰まっている」
ヴィーネ「太陽が太陽系全体の質量の内、99.86%を占めていて……」
サターニャ「更に中心核の2%がその太陽全体の50%を占めているってわけね、凄まじいわ!」
ラフィエル「推定で2500億気圧、温度が1500万度、物質が理想気体とかいうよく分からないものになってるらしいです」
ガヴリール「太陽の光のエネルギーはこの中心核で作られている、私たちが普段受けてる日光もこの中心核で作られたエネルギーだ」
ヴィーネ「中心核ヤバいわね……どんだけ凄いエネルギーの塊なのよ!」
サターニャ「太陽が凄すぎて他の星が霞んで見えるわっ!」
ガヴリール「さて、話は戻すがベテルギウスの大きさは太陽の1000倍だ」
サターニャ「ちょっと待ったー!!!」
ガヴリール「なんだよサターニャ……話が進まないだろ?」
サターニャ「さっきまで太陽凄い、めっちゃくちゃデカいって話じゃなかったの?!」
ヴィーネ「1000倍って急に何? 太陽が地球の109倍でヤバいって話じゃなかったの?」
ラフィエル「太陽が1cmの玉だとするとベテルギウスは10mのボールです、最初にそう言ったじゃないですか」
サターニャ「いやいやちょっと待って、地球の109倍が太陽で、太陽の1000倍がベテルギウスで……」
ヴィーネ「地球って何? 塵なの?」
ガヴリール「太陽の時点で塵だ、その太陽と比べても塵なのが地球だ、つまり地球は塵以下の埃以下」
サターニャ「じゃあ地球って一体何なのよーっ!!」
ラフィエル「私たち太陽系の中では圧倒的にデカすぎる太陽でも、宇宙の中では小さすぎるんですよ」
ヴィーネ「太陽系って、もしかして豆粒なの? 私たちの太陽さんが宇宙では雑魚扱いなの?」
ガヴリール「宇宙では太陽よりデカい星なんていくらでもある、太陽は雑魚というより論外だよ」
サターニャ「私たちの住んでる太陽系が、宇宙では小粒以下だったなんて……」
ラフィエル「ベテルギウスを太陽系の中心に置くと、太陽から木星までがベテルギウスという一つの星になりますね」
ヴィーネ「ベテルギウスでかすぎでしょ!! 木星までベテルギウスとか何事よ?!」
サターニャ「太陽系に、もしベテルギウスが突っ込んで来たらもう一貫の終わりね」
ガヴリール「案外、洒落になってないんだよなぁ……そのベテルギウス」
ガヴリール「なんかここ15年で15%も縮小してて、しかも加速的に小さくなっていってるらしい」
ヴィーネ「なにそれ、ベテルギウスやばくない?」
サターニャ「収縮が行き着くとこまで行ったらどうなるの?」
ラフィエル「超新星爆発ってのが起こるんです、ベテルギウスは地球から割と近いですからね、影響はあるかもしれません」
ガヴリール「あのサイズの星が爆発ってなると質量変動とかも予測できないからな、本当に恐いよ」
ヴィーネ「なにそれ宇宙恐い、私たち地球がちっぽけな豆粒以下ってのが恐い」
サターニャ「宇宙で何かあって巻き込まれたら、成す術も無いじゃない! どうこう考えてもサイズが違いすぎる!」
ガヴリール「今は星自体が変形をしてて、大きなコブみたいなの持った変な形状になってて、非常に不安定な状態だな」
ヴィーネ「木星まで届くようなバカでかい星がそんな不安定な状態にあるとか恐いわよ!」
サターニャ「15年で15%縮小してて、しかもそれが加速してるってヤバくない? 私たちが生きてる間に爆発するんじゃないの?」
ラフィエル「一応、地球への影響は無いとの予測は立てられてますが、確実なことは何も言えていない、ただの予測ですからね」
ガヴリール「爆発したら昼でも見える明るい点が数日続くんだとさ、ちょっと楽しみじゃないか?」
ヴィーネ「あんたは気楽でいいわね……地球にどんな影響が起こるかも分からないってのに」
サターニャ「ガンマ線だとかなんだとかが地球に降り注ぐ可能性もあるんでしょ? ベテルギウスのサイズを考えたら恐いわよ!」
ガヴリール「まあ考えたってどうしようもないさ、宇宙の前では地球はちっぽけなんだからな」
ラフィエル「よく宇宙人が地球に来て云々なんて言いますけど……」
ラフィエル「側から見れば、まず小さな塵のような太陽を発見してくれていれば、まだ上出来なんですよ」
ラフィエル「その中で更に小さな微細胞のような地球を発見するとか、もはや無理ゲーに近いですからね」
ガヴリール「太陽よりもデカい星なんていくらでもある中、まず太陽を発見してくれて名前でも付けてくれてたらまあマシだわな」
ヴィーネ「宇宙人が居たとして、身体のサイズが雲を越えててもおかしくはないわね」
サターニャ「1000倍って数字おかしくない? だって体積で言えば10億倍なんでしょ?」
サターニャ「太陽の10億倍の体積とか意味が分からないんだけど……」
ガヴリール「もちろん宇宙にはベテルギウス以上に大きい星もある」
ガヴリール「おおいぬ座VY星、こいつは最近まで最大と思われていたが、そんな事はなかった1420倍だ」
ガヴリール「はくちょう座V1489星、こいつは確実に分かってる中では現時点最大の1650倍だ」
ガヴリール「でもおそらくは、たて座UY星、こいつのがデカいだろう」
ガヴリール「大きさは1708±192……はくちょう座V1489の1650倍より可能性としては多分デカい」
ガヴリール「可能性だけで言えばウェスタールンド1-26って星も1530~2544倍だが、こっちは非常に不確実すぎて何とも言えないな」
ガヴリール「他にも1500倍台は色々とあるし、300~1000倍くらいならかなりゴロゴロとしている」
ガヴリール「太陽はほんとにゴミ、小さ過ぎる短小の星なんだよ」
サターニャ「はぁ~……宇宙凄いわね」
ラフィエル「ちなみにL1551-ILS5って星もあり、こちらは直径148億kmですね」
ヴィーネ「えっ? 148億kmって……太陽の1万倍を超えている!?」
サターニャ「どういうことよ、10000倍を超えているって!?」
ガヴリール「その星は原始星だ、まだ星として固まってない、スカスカのガスが漂っている状態だ」
ラフィエル「ちゃんとした恒星として固まってない状態ですから、他の固まってる恒星と比べるのはちょっと違いますね」
サターニャ「はぁ、ビックリした……それにしたって148億kmは凄いわね!」
ヴィーネ「太陽が直径139万kmだから、おそろしいサイズだわね」
ガヴリール「この太陽系の中心に置くと、海王星や冥王星までスッポリ収まっちゃうサイズだからな」
ガヴリール「ちなみに冥王星までの距離は地球から48億~54億kmだ」
ガヴリール「これは時速3000キロの戦闘機でも200年掛かる計算になる」
ヴィーネ「冥王星めちゃくちゃ遠いじゃない! 50億kmでも私たちには絶望的な距離ね……」
ラフィエル「そう思うでしょう? だけどアメリカ航空宇宙局のNASAは、冥王星に人工物を飛ばすことに成功しました」
サターニャ「時速3000キロでも200年掛かる距離の冥王星に!? NASAって凄いじゃない!」
ガヴリール「NASAは凄いぞ、あんな遠すぎる冥王星に探査機を飛ばして、冥王星の詳細なデータと画像を撮ってきたんだからな」
ガヴリール「それまで望遠鏡で眺めてるだけだった遠い冥王星に辿り着けたんだから」
ラフィエル「NASAが冥王星に向けて飛ばしたその探査機には、冥王星の最初の発見者の遺灰が乗せてあります」
サターニャ「えっ……冥王星の発見者は、冥王星に辿り着いたの?!」
ヴィーネ「すごい……あんな遠すぎる冥王星に、まさか自分が辿り着けるなんて本人も思ってなかったでしょうね」
ガヴリール「まあ遺灰だけどな、これには本人もきっと満足だろう……」
ガヴリール「その探査機、ニュー・ホライズンズは冥王星を越えて今は次の星の探査に向かっているな」
ヴィーネ「NASAって本当に凄かったのね……名前だけかと思っていたわ」
サターニャ「私もいつか冥王星に行ってみたいわね、出来れば生きている状態で!」
ラフィエル「探査機と言えばボイジャー1号が太陽圏を突破し、187億km離れた位置を飛行中ですね」
サターニャ「187億km!? さっきのL1551-ILS5って星のサイズに勝てているわね」
ヴィーネ「太陽圏を突破してるってのは凄いわね、人類は太陽の領域を越えた場所に人工物を飛ばしているのね!」
ガヴリール「ただ飛ばしたのが1977年の年代物だからな、もう電池切れが近いんだよ」
ガヴリール「今はほとんどの機能を休止させて、シャットダウンを繰り返し、電池を出来るだけ永らえさせてる状態だ」
ラフィエル「それでも太陽圏の外がどうなっているのか、そのデータを取得出来たことは凄いことです」
サターニャ「はぁ、夢が広がるわね……NASAは偉いわほんと」
ヴィーネ「ボイジャー1号が宇宙のどこまで遠くに行けるか楽しみね!」
ガヴリール「人類の作った物が、いつかはオールトの雲を突破できたらいいよな」
サターニャ「オールトの雲? なによそれ」
ラフィエル「海王星より先……エッジワース・カイパーベルトと呼ばれる領域の、その更に先の空間です」
ガヴリール「この太陽系を包み込むように囲ってある、太陽系最後の外側の天体群だ」
ガヴリール「彗星などはこのオールトの雲から来ていると予測されている」
ヴィーネ「彗星の故郷なのね、オールトの雲ってのは……」
サターニャ「太陽系を包んでいるかんじの雲か、それを突破して初めて太陽系脱出となるわけね!」
ラフィエル「オールトの雲は広大ですから、突破は一番難しいんですけどね」
ガヴリール「予想で1.6光年の範囲だからな、オールトの雲」
ヴィーネ「そのオールトの雲を突破した先には、何があるの?」
ガヴリール「太陽系を突破ってだけだ、まだ同じ銀河内の中にいる事には変わりない」
サターニャ「銀河って何? 太陽系突破でも同じ銀河内なの?」
ラフィエル「太陽系ってのは銀河の中で、よくある集合体の一つに過ぎないんですよ、有象無象の一つにしか過ぎません」
ガヴリール「地球は太陽の周りを回っているが、太陽系は太陽系でそれが銀河内をぐるぐる回っているからな」
ヴィーネ「何それ、頭痛くなってくるような話なんだけど……」
サターニャ「もし太陽系が銀河内で他の太陽系みたいなのとぶつかったらどうなるの?」
ラフィエル「まあどうしようもないですね、あっけなく太陽系の終わりですよ」
サターニャ「銀河めちゃくちゃ広すぎない? 太陽系突破するだけでも厳しいのに」
ガヴリール「この銀河を130kmとした場合、太陽系はたったの2mなんだとさ」
ヴィーネ「何よそれ……銀河広すぎでしょ!」
ラフィエル「この渦巻くような銀河の中の、一つの塵に過ぎないのが太陽系なんですよね」
ガヴリール「銀河の中心には超大質量ブラックホールがある、太陽系とか他の集合体はそれを渦巻くように回っているってわけだ」
ヴィーネ「その超大質量ブラックホールとやらに太陽系が巻き込まれたら終わりね!」
サターニャ「何よもう、さっきから不安になるような話ばっかりじゃない!」
ラフィエル「地球も太陽も太陽系も、銀河の前では全くの無力でどうしようもないんですよ」
ガヴリール「太陽系は銀河内を回っているが、銀河は銀河で宇宙空間内をぐるぐる動き回っている」
ガヴリール「そしておめでとう、予想では40億年後には他所のアンドロメダ銀河ってとこと衝突して合体するらしいぞ」
ヴィーネ「なにそれ恐い、他所の銀河と衝突して合体するとか超恐い」
ラフィエル「銀河の運動も視野に入れると、私たちは宇宙空間内を一年で189億km移動してるみたいですよ」
サターニャ「なによそれ……そんなスピードで宇宙空間内を動き回っているの? 私たち」
ガヴリール「私たちがいる銀河が天の川銀河、そして更にこの銀河の集合体がおとめ座超銀河団」
ガヴリール「1000億年後にはこのおとめ座超銀河団が全部一つに纏まっちゃうとか言われてるな」
ガヴリール「私たちのいる天の川銀河、その中心部の超大質量ブラックホールは太陽質量の400万倍」
ガヴリール「そしておとめ座超銀河団、その中心にいるM87という銀河、その中心部の超大質量ブラックホールが30億倍以上」
ヴィーネ「何それ、私たちの天の川銀河が銀河団の中では更に雑魚ってこと?」
サターニャ「天の川銀河の中心部でも、本当の中心部ではないってことなの?」
ラフィエル「銀河団とは銀河数百~1万個からなる集団で、お互いの銀河が重力に影響を及ぼしています」
ガヴリール「おとめ座超銀河団とは、その銀河団を100個くらいまとめた更に大きな集団だ」
ガヴリール「おとめ座超銀河団の中心にいるのがおとめ座銀河団、その中心部にあるのがM87って銀河ってわけだ」
ラフィエル「このおとめ座銀河団の重力によって近傍の銀河団などは宇宙膨張速度による後退スピードにブレーキが掛かっています」
ヴィーネ「おとめ座銀河団の重力おかげで宇宙膨張速度に逆らってお互いが離れずに済んでいるのね」
サターニャ「話が大きすぎてよく分かんないけど、M87って銀河が中心にいるってことは分かったわ!」
ガヴリール「宇宙の恐ろしい話はここからだ」
ガヴリール「おとめ座超銀河団がやがて合体して一つに纏まっちゃうのは、まだいい」
ガヴリール「ただ、この時点で宇宙の膨張速度が光速を超えて……他の銀河が観測不能になるんだってさ」
ヴィーネ「何それ恐い、膨張速度が光速を超えて観測不能になる……?」
ラフィエル「光のスピードを超えて遠ざかっていくわけですから、光では観測不可能になりますね」
サターニャ「何それ……私たちの銀河団が宇宙に取り残されるって事?」
ガヴリール「10兆年か100兆年後には星も新しく誕生しなくなる」
ガヴリール「やがて全部の星が超大質量ブラックホールに飲まれるか、銀河間空間に放り出されるか、だってさ」
ヴィーネ「何それ恐い……超恐い」
サターニャ「宇宙ヤバくない? めっちゃ恐いんだけど」
ガヴリール「宇宙にある銀河の数は、観測できる範囲だけで少なくとも1700億個以上だ」
ラフィエル「人間の限界で観測できる範囲の話ですからね、実際にはもっと多いと思います」
ヴィーネ「何よそれ……太陽系が銀河の一部にしか過ぎず、銀河ってのがとんでもなくデカいっていう集団なのに」
サターニャ「その銀河が、更に宇宙では1700億以上ある……?」
ガヴリール「そして宇宙の膨張速度が光速を超えると、その銀河どうしは永遠に離れていき、やがてお互いに観測も出来なくなる」
ヴィーネ「何それ宇宙恐い、ヤバい」
サターニャ「全員がそれぞれ孤立しちゃうの……? この広がり続ける宇宙で、永遠に?」
ラフィエル「よく宇宙の話になると宇宙の果てがどうなってるかの話になりますが……」
ラフィエル「はっきり言ってそれ以前の話ですね、いずれ他所の銀河に行くことすら出来なくなります」
ガヴリール「この問題は宇宙が膨張している事にある、全ての原因は宇宙が膨張してるせい」
ヴィーネ「その宇宙の膨張ってのは何なの? なんで膨張しているのよ」
ラフィエル「それが分からないから恐いんですよ、ただ観測していれば膨張しているという事実だけが分かるんですよね」
サターニャ「どうやって膨張してるなんて事が分かるのよ?」
ガヴリール「ある地点、10m先、100m先、1000先にそれぞれボールがあるとする」
ガヴリール「それを観測していると、やがて11m先、110m先、1100m先になっていた」
ガヴリール「この事実を、どう解釈する?」
ヴィーネ「それは……やっぱり膨張しているって事なのかしら?」
サターニャ「何それ……理由は分からないけど、事実として宇宙は膨張しているって事?」
ラフィエル「そういう事です、誰も好き好んで宇宙膨張論なんて言っていません」
ラフィエル「ただ事実として実際に膨張してしまっているから、皆が頭抱えて悩んでいるんですよ」
ガヴリール「ビッグバンなんて話も、要は今現在膨張しているんだから逆に言えば過去は縮小していたんだろって話」
ガヴリール「宇宙が膨張しているという事実の原因を突き止める事が最優先なんだよ」
ヴィーネ「ビッグバン理論って、単に宇宙が膨張している事の逆説的な話にしか過ぎなかったのね」
ラフィエル「そう、何らかの根拠があって言っているわけではなく、単に逆に言えばそうなりますよねってだけの話なんです」
サターニャ「理由は分からないけど……事実として宇宙は膨張をしている」
サターニャ「これを突き止める事が、全ての手掛かりになるのね!」
ガヴリール「空間が膨張しているとかいう訳の分からない状態だからな、原因としてはダークエネルギーだとかが想定されているな」
ラフィエル「このまま空間が広がり続けると、やがて全ての熱が冷めてしまいます」
ガヴリール「それが宇宙の終焉の形だな、全ての熱が冷めて動かなくなる、そして永遠に止まる」
ヴィーネ「広がり続ける空間が、ある一定の時を境に縮小に転じるんじゃないかって説もあるわね」
サターニャ「どっちにしろ恐いわよ! 早く原因を突き止めなさいよ、その膨張とやらの原因を!」
ガヴリール「原因を究明できたとして、それらをなんとか出来るかは分からないけどな」
ラフィエル「何も知らずにこのまま終焉を迎えるのは嫌です、せめて原因ぐらいは突き止めてみたいですね」
ヴィーネ「ちっぽけな地球だけど、銀河に巻き込まれたり宇宙の終焉に付き合わされるのは勘弁してほしいわね!」
サターニャ「でもそれが事実なんでしょ? ちっぽけだけど事実を受け入れて向き合うしかないんじゃないの」
ガヴリール「地球なんてのはたまたま出来て、たまたま安定が取れただけの星だからな」
ガヴリール「たまたま宇宙が億年とか平気なのんびり屋だったおかげで、私たちの生きる万年とかが何事もないってだけ」
ラフィエル「人間もあと1億年ぐらい生きれば、億年平気な宇宙の謎に立ち向かえるかもしれませんね」
ヴィーネ「はぁ……話がデカすぎて頭が痛くなってきたわ」
サターニャ「宇宙がヤバいって事だけはよく分かったわ!」
おしまい☆
52 : 以下、5... - 2017/11/10(金) 21:43:19.33 oGHaPPM1d 32/32ピストル星とか太陽の一年間のエネルギーを僅か6秒で出してるらしいな、ヤバくね?