1 : 以下、名... - 2015/05/06 18:59:40.08 CxjISYG20 1/10

(それは、高校卒業を3日後に控えた日だった)

(ちなみに、場所は屋上だ)



後輩「好きです、付き合ってください」

「え」



(呼び出された僕は、所属していた部活の後輩に、まさかの告白をされたのだった!)

2 : 以下、名... - 2015/05/06 19:01:32.35 CxjISYG20 2/10

「本当に……僕でいいの?」

後輩「……はい」



(俺の問いに、顔を真っ赤にしながらコクリ、と頷く彼女!)

(信じられない!)

(しかしこれは、紛れもない現実なのだ!)

(やった、やったよ!)

(まさか!)

(まさかこの僕に、彼女が出来る日が来るなんて!)

3 : 以下、名... - 2015/05/06 19:04:33.49 CxjISYG20 3/10

「ありがとう! ありがとうぅぅぅぅ!」

彼女「キャッ!?」



(幸福の絶頂に上り詰めた僕は!)

(喜びの感情に身をゆだね!)

(彼女の制服に包まれた、腋の下をくすぐった!)



彼女「キャハハハハーッ!?」

4 : 以下、名... - 2015/05/06 19:06:22.31 CxjISYG20 4/10

(悲鳴をあげ、身体を捩って逃げようとする彼女!)

(そんな彼女を背後から羽交い締めにし!)

(さらに腋の下をくすぐろうと試みた!)

(オッケイ!)

(ギリギリ指が、腋の下に届くぞ!)



「こちょこちょこちょ」

彼女「アハハハハ! やめてーっ!」

5 : 以下、名... - 2015/05/06 19:08:06.70 CxjISYG20 5/10

彼女「やめてください~っ! キャハハハハ!」

「どう? くすぐったい?」

彼女「くすぐったいです~! アハハハハ! 私くすぐったがりなんです~っ!」

「くすぐったがり!」



(その言葉に、僕の心はヒートアップ!)

(彼女の腋の下をくすぐる指先もスピードアップ!)

6 : 以下、名... - 2015/05/06 19:09:05.13 CxjISYG20 6/10

彼女「やめて~っ! なんで、なんでくすぐるんですか~っ!」



(笑いながらのたうち回る彼女に、僕は答えた!)



「僕、くすぐりフェチだから!」



(そう!)

(僕は子供の頃から、どうしようもないぐらいのくすぐりフェチなのだ!)

7 : 以下、名... - 2015/05/06 19:39:56.83 CxjISYG20 7/10

(僕は女の子がこちょこちょされ、笑い悶える姿が大好きなのだ!)

(恋人同士ならば、ボディタッチはごく自然な事象!)

(ならば、くすぐりも許されるに違いない!)

(誰もが納得するであろう理論を脳内展開!)

(そして僕が腋の下をくすぐる指の動きをさらに早めようとした、その時だった!)



彼女「ごめんなさい! やっぱりなかったことにしてください~!」

「え」

8 : 以下、名... - 2015/05/06 19:42:11.05 CxjISYG20 8/10

(息も絶え絶えな様子で、後輩は交際のキャンセルを宣言した!)

(慌てて羽交い締めを解いたものの、時すでに遅し)



彼女「こんなの、毎日耐えられません!」



(そう言い残し、後輩は僕から逃げるように、屋上から走り去ってしまった……)

(ここに、初めての彼女との交際は終わった!)

(時間にして、わずか30秒の出来事だった……)

9 : 以下、名... - 2015/05/06 19:45:06.11 CxjISYG20 9/10

(くすぐりではなく、キスやハグだったらOKだったのだろうか)

(僕の問いに答える者は、もはやこの場には誰もいない)

(今日ほど、自分のニッチな性癖を悔やんだことはなかった)

(ただ一つだけ、確実にわかったことがある)

(それは)

(腋の下をこちょこちょされている後輩の笑い声が、最高に可愛かったということ)



(くすぐりフェチの僕に、彼女が出来る日は遠い……)



Fin

10 : 以下、名... - 2015/05/06 19:49:38.65 CxjISYG20 10/10

恋人といえどもくすぐり過ぎると破局を招きます

ソースは作者

自戒します

読んでくれた方、ありがとうございました

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