1 : VIPに... - 2012/07/07 00:11:34.81 /DSfGZIg0 1/465

どうも。
前回「完全に終了です」みたいな事を言ってましたが続いちゃいました。
多分前作ほど長くならないと思います。
蛇足かもしれませんが見てやってくれたら嬉しいです。


前作↓
男「監禁されて始まる恋?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1323870132/
http://ayamevip.com/archives/51131705.html

男「転校生が来る」友「マジで?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329055185/
http://ayamevip.com/archives/51131745.html



元スレ
男「久し振りに監禁された」 友「えっ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1341587494/

2 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:14:34.32 xM1f2syc0 2/465




友家。


男「……」ペラッ

友「……」ペラッ

男「……」

友「……」

男「なぁ。次の巻どこ?」

友「あ、それまだ買ってねーわ」

男「ふーん」

友「悪いな。今度学校に持ってってやっから」

男「サンキュ」




3 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:17:02.81 xM1f2syc0 3/465




男「そういやさ」

友「おう」

男「最近また監禁されるようになったんだけど」

友「えっ」

男「……」

友「……」

男「ちょっとトイレ借りるわ」スクッ

友「いや待て!!」ガシッ




4 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:21:47.19 xM1f2syc0 4/465




友「説明しろ。まず誰に?」

男「女に」

友「だろうな。どこで?」

男「女ん家」

友「理由は?」

男「知らん」

友「心当たりは?」

男「ない」

友「頻度は?」

男「ここんとこ毎日」

友「毎日!?」




5 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:24:46.97 xM1f2syc0 5/465




友(なんで!? 委員長の奴、男と付き合ってから大人しくなってたのに!)

男「監禁されたのなんてすげー久し振りじゃん? 懐かしくて思わず目頭が熱くなったね」

友「……因みに、どんな感じだった?」

男「そうだな……」




ホワンホワンホワン……





6 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:27:10.59 xM1f2syc0 6/465




女『あ、起きた?』

男『おう。おはよう』

女『ふふっ。もう夕方だけどね』

男『マジか。こんばんは』

女『こんばんは』

男『……』

女『……』

男『……で、なんで俺は久し振りに縛られてんの?』




7 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:30:22.20 xM1f2syc0 7/465



女『……あ、うん。ちょっとね』

男『? まぁ別にいいけど』

女『え? いいの?』

男『あぁ』

女『……外してとか言わないの?』

男『外して』

女『ご、ごめん。やっぱりそれはダメ……』

男『……』



8 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:34:08.46 xM1f2syc0 8/465



女『大丈夫……私は出来る……もう一年近く付き合ってるんだから……』スーハースーハー

男『なんかこれデジャヴだな』

女『……よし!失礼します!』ギシッ

男『重……くはないけど何だよ馬乗りになって。どうした?』

女『わ、わ、私!今から!男くんに!男くんを!』

男『落ち着け。もっかい深呼吸してみ?』

女『……あ、そうだね。ごめんね』スーハースーハー



9 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:36:40.73 xM1f2syc0 9/465



男『……で? 俺をどうするって?』

女『男くんを……その……お、お、襲っ……////』

男『相変わらず顔赤ぇのな』

女『……だから、その、えっと……私と、こう……////』

男『……』

女『……////』








女『――ご、ごめんなさい!やっぱり恥ずかしい!!』




10 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:38:34.56 xM1f2syc0 10/465




……ホワンホワンホワン




男「――とまぁ、こんな感じで」

友「それがここんとこ毎日?」

男「あぁ。因みに今日お前ん家来る前も監禁されてたぜ」

友「なんかもう色々と凄いな。いや感心しちゃいけない事だけども」

男「女もよく飽きないよなー」

友「……」



12 : 訂正 - 2012/07/07 00:41:36.91 xM1f2syc0 11/465



友「……お前、それ見て何とも思わないのか?」

男「思うぜ? あぁ可愛い奴だなーと」

友「惚けんな死ね。そんな事じゃなくてだな」

男「?」

友「委員長は、その、なんだ。お前ともっと繋がりたくて努力してるんだぞ?」

男「あぁ」

友「まぁその手段が監禁ってのはアレだけどさ」

男「あぁ」



13 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:44:03.29 xM1f2syc0 12/465



友「だからお前もそれに応えてやれよ。オレとか幼にあれこれ言われるのは筋違いだろーけど」

男「……」

友「お前は委員長の彼氏だし、委員長はオレの友達だ」

男「……」

友「だから……余計なお世話かもしんねーけど、委員長の気持ちに応えてやってくれ。頼む」

男「……」

友「……」

男「なぁ」

友「ん?」








男「……もう応えたけど?」

友「ん!?」




14 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:46:29.91 xM1f2syc0 13/465


キャラ紹介。



男・・・基本的に無感動で無表情なクールガイ。なのに馬鹿。
女の彼氏であり、付き合うまでは週三のペースで監禁されていた事もある。
一応これでも主人公。一応。



女・・・クラス委員長で成績は優秀。なのに馬鹿。そしてウブ。
男の彼女であり、以前は頻繁に男を監禁していたが基本的にアホなので(ry



幼・・・夏休み前に転入してきた、女の幼馴染。基本は馬鹿だけどツッコミ役になることも。
友の事が結構好きだが、今の関係も好きという有りがちな理由から告白はしていない。



15 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:48:26.71 xM1f2syc0 14/465



友・・・友達想いのいい奴。殆ど彼が主人公になってます。
幼の事がわりと好きだが、今の関係も好きという有りがちな理由から以下略。

ツッコミ役。



妹・・・友より二歳年下で、ブラコン・シスコン気味の中学生。
常にネガティブ思考で超豆腐メンタルの持ち主。
いまいち影が薄(ry



姉・・・友より三歳年上の、鋭い眼光を放つヤンk…もとい大学生。
家事は完璧で美人だけど、光り物を常備している少しアレな娘。



16 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:52:13.66 xM1f2syc0 15/465




友「え? 応えたの? いつ?」

男「今日ここ来る前にも監禁されてたっつったろ? その時に」

友「……え? マジで……?」

男「マジで」

友「じゃあお前はもう……その、なんだ。アレか。なんだオイ!アレなのか!?」

男「まぁ……そうなるな」

友「……」








友(キタ―――!!苦節約一年!!ようやくウブなバカップルが大人の階段のぼったぁぁぁ!!)




17 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:54:32.60 xM1f2syc0 16/465



友「そりゃ良かったな!おめでとう!」

男「サンキュ」

友「いやぁめでたいな!羨ましいぞコラ!」

男「どーもどーも」



ブーッブーッブーッ



友(電話……幼からか)スッ

友「もしもし―――」





『キタ―――――!!』





友「!?」ビクッ

男「うるさっ」



18 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 00:59:07.02 xM1f2syc0 17/465




友「ちょっ、うるせーよいきなり!」


『あ、ごめんごめん』


友「で、どうした?」


『聞いて驚かないでね!? なんと!女が!男と!まぐわったの!!』


友「え? なんで知ってんの?」


『へ? 今さっき女に聞いたんだけど……え? キミももう知ってるの?』


友「あぁ。オレも今さっき男から聞いた」


『あ、そうなんだ……でもやったね。私らの暗躍のお陰じゃない?』


友「ははっ。かもな」




19 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 01:01:35.21 xM1f2syc0 18/465




『それじゃあまた明日ね!』


友「おう。学校でな」





男「……」

友「……な、なんだよその目は」

男「いや、お前らはどうなのかなーと」

友「ど、どうもしねーよ。オレらはそういうのじゃねーし」

男「……誰も幼の事とは言ってないんだけどまぁそれは黙っておこう」

友「……」



20 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 01:05:22.54 xM1f2syc0 19/465



友「……いやぁ、それにしてもやっとか。やっとやったか」

男「あぁ。一応お前と幼にも礼言っとくよ」

友「なんだよ改まって。オレはただ焦れったかっただけで……」

男「それでもだよ。ありがとな」

友「……ま、まぁ気にすんな。むしろ余計な事してたかも知れないしこっちが謝るべきだろ」

男「あぁ。そういやそれもそうだよな」

友「……あ、そこは普通に認めるのね」



21 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 01:08:58.06 xM1f2syc0 20/465



男「――で、だ」

友「おう」

男「次はお前と幼の番じゃん?」

友「おう?」

男「お前らは付き合ってすらいないからな。まぁそこは直ぐ越えられるだろうけど――」

友「待て待て違うって。もう根本から違う」

男「女と俺でアシストするからお前らもハットトリックしろよ」

友「……ごめん。なまじ意味が分かるだけに意味が分かんないわ」



23 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 01:14:37.56 xM1f2syc0 21/465



友「オレは……まぁ、なんだ。あいつの事は好きではあるけどさ」

男「あるけど?」

友「何回も言ってるだろ。そういうのじゃないって」

男「分かりにくいな」

友「こればっかりは感情論だからな。仕方ないだろ」

男「お前がそう言うなら別に良いけど……まぁ気が変わったら言えよ。協力すっから」

友「はぁ……分かった分かった。ありがとな……」




38 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:44:52.42 xM1f2syc0 22/465




翌日。


ガララッ


友「はよーっす」

女「おはよー」

幼「おはよ」

友「あれ? 男は?」

女「まだみたい」

友「ふーん……」

幼「……」



39 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:46:16.15 xM1f2syc0 23/465



幼「友!」ガタッ

友「おうよ?」

幼「ちょっと来て!」

友「おうよ!」



スタスタスタスタ……

ガララッ、パタン。





女「……」





女「……」





女(今日はいい天気だなぁ……)ボーッ




40 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:48:34.00 xM1f2syc0 24/465



in非常階段


幼「……やったね」

友「……あぁ。やったな」

幼「遂に男と女が……!」

友「奮闘したぶん喜びもひとしおだぜ」

幼「これはもう完全に私達のお陰でしょ? 女にお礼まで言われちゃって照れちゃったわよ」

友「オレも礼言われたよ。なんか良いことしたみたいな気がするな」




41 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:50:55.42 xM1f2syc0 25/465



友「……まぁつまりそれはオレらの行動がバレバレだったって事で」

幼「いいじゃない。結果オーライでしょ?」

友「ははっ。それもそうか」

幼「……」

友「……」

幼「……」

友「……で、さ」

幼「?」



42 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:53:20.66 xM1f2syc0 26/465



友「どうする?」

幼「え?」

友「いや、オレらは男と女をキャッキャウフフさせるのが目的だったじゃん?」

幼「うん」

友「でもそれも達成したじゃん?」

幼「うん」

友「もうする事なくね?」

幼「……そっか。そうなっちゃうのか」ハッ



43 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:55:50.89 xM1f2syc0 27/465



友「……」

幼「まぁ……アレよ。ほら、普通にしてればいいんじゃない?」

友「んー……それもそうか」

幼「肩の荷が降りたって事でさ。ね? ここは一つ!」

友「肩の荷って……わりと酷いなオイ」

幼「じゃあ戻りましょっか」

友「そうだな」



44 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 22:58:14.30 xM1f2syc0 28/465



幼「……」スタスタ

友「……」スタスタ

幼「ねぇ」

友「ん?」

幼「キミは、さ」

友「うん」

幼「男と女を見て……どう思う?」

友「そうだな……『やっとか』って感じだな」

幼「いや、その、そういう事じゃなくてさ」



45 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:01:25.08 xM1f2syc0 29/465



幼「だ、だから……あの二人が一緒にいるところとかを見てさ、何か感じる?」

友「何かって言われてもなぁ……まぁ、幸せそうだなーとか?」

幼「!!……そ、それでその幸せそうな光景を見てどう思う?」

友「どうって……んー……」

幼「……」

友「いいカップルだなーと。今更だけどな」

幼「ふ、ふーん……」

友「?」



46 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:03:53.42 xM1f2syc0 30/465



幼「……ま、まぁ確かに? 気が合う二人が結ばれると幸せになるわよね?」

友「そうだな」

幼「そういう二人を見て、なんて言うか……こう、羨ましいと思ったりしない?」

友「あぁ、少しはな」

幼「……」

友「?」

幼「……そ、そっか。わわわわ私もそう思うわ。きききき奇遇ね」

友「??」



47 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:07:56.26 xM1f2syc0 31/465



幼「わ、私達って気が合うわよね」

友「ははっ。今更だろ」

幼「……」

友「……」

幼「キ、キミが……」

友「ん?」

幼「キミがどうしてもって言うなら? その、私もそういうアレになるのは悪くないと思うよ?」

友「え?」

幼「だ、だから!私達も!そういうアレになるのも案外アレなんじゃないのって事よ!」

友「ごめん。全く話が掴めないです」



48 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:11:57.60 xM1f2syc0 32/465



幼「ど、どうなの? キミはそれについてどう思うの? ねぇ、どうなの?」

友「いやだから何が!?」

幼「確かに私達ってそういうアレじゃないけどさ。
あの二人を見てたら……その……ねぇ? キミもそう思うんでしょ?」

友「頼む。頼むから落ち着け。な?」

幼「だって……でも……だって……」

友「深呼吸。深呼吸してみ?」

幼「……」スーハースーハー



50 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:15:06.13 xM1f2syc0 33/465



幼「……」

友「……」

幼「……」

友「落ち着いたか?」

幼「……うん。ごめん」

友「大丈夫か?」

幼「……うん……ごめん……」

友「そっか。いきなり訳分からん事言うからビビったぜ」

幼「あ、う、もうホントにごめん……私は一体何を……////」ブツブツ



51 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:19:25.10 xM1f2syc0 34/465



友「……」

幼「ごめん。忘れて……」ブツブツ

友「ま、まぁとにかく。そろそろ授業始まんぞ?」

幼「ごめん先行ってて。ちょっと反省して無と一体化してくる……」

友「なにそれこわい」

幼「三分前の私が許せない……何言っちゃってんのよ……///」ブツブツ

友「……」



53 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/07 23:22:45.11 xM1f2syc0 35/465




――――――――――



――――――



―――





友「――そんなこんなでまたしても騒がしくなりそうな十月」



友「男も委員長も幼も特に変わった様子もなく、いつものように皆で遊んで――」



友「そして、早くもあのイベントが近付いてきました」



友「……」



友「……ていうか二話目から欠席する主人公って……」




68 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:22:17.85 402G8bV10 36/465




先生「――皆さんも知ってのとおり文化祭が近付いてまいりました」

先生「私としてはただ皆さんを含め来てくださった方が楽しんでくれれば良いんですが、
先生達の世界ではこういった行事の結果すら評価されてしまいます。大人の辛いところですね」

先生「他のクラスの担任の方も人気No.1になろうと躍起になって生徒達に渇を入れてるでしょう」

先生「私としては結果は求めませんが、他の先生にドヤ顔されるのも癪なので
皆さんも頑張って一位になって下さい。応援しています」



ハーイ!



友「あれ、ヤバイ。早速ツッコミ所があるんだけど」

男「?」



69 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:25:06.59 402G8bV10 37/465



HR。



男「では出し物の希望がある人は挙手をお願いします」


ザワ…ザワ…


幼「楽しみね。文化祭」

女「幼ちゃんは今年が初めてだもんね」

友「毎年ムダに大規模だよな」

女「今年は『No.1カップル決定戦』が開催するらしいよ」

幼「なにそれこわい……」



70 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:28:47.81 402G8bV10 38/465



< メイドキッサガイイデース

< ア,オレモー

< ボクモー


男「……それではメイド喫茶で決定です。はい解散」



女「え?」

幼「ちょ、ちょっと待って! 展開早くない!?」

友「アイツが実行委員とか人選ミスにも程があるだろ……」



71 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:31:42.51 402G8bV10 39/465




昼休み。



幼「ねぇ男、キミ流石にテキトーすぎない?」

男「そんな事ねーよ。俺は本気でお前らのメイド服姿が見たいんだ」

幼「……あ、そうなの?」テレッ

女「でも恥ずかしいなぁ……」テレッ

男「大丈夫だって。ぜってー似合うって」





友(この子達ちょろすぎる……)




72 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:35:28.99 402G8bV10 40/465



友「なぁ」

男「ん?」

友「本音は?」

男「二人のメイド服姿が見たいから」

友「本音は?」

男「二人のメイド服姿が見たいから」

友「……」

男「……」







友「……本音は?」

男「女子がメインになって働くと俺が楽できそうだから」

友「だよな? それが本音だよな?」



73 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:37:05.29 402G8bV10 41/465



女「そういえばさぁ」

男「ん?」

女「メイド服、どこから調達するの?」

男「んー……分からん。どうする?」チラッ

友「なんでオレに振るんだよ」

幼「確か通販とかで買えるんじゃなかった?」

男「通販か」

女「でもそういうのって結構高そうじゃない? あんまり買えないかもね……」



74 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:39:11.18 402G8bV10 42/465



友「高校じゃあ予算も限られるからな……」

幼「自分達で作るのは……無理か」

女「うーん……」

幼「もう2、3着だけでも良いんじゃない?」

友「甘ぇよ。さっきも言ったけど毎年ムダに手が込んでるんだ」

男「毎年そういう所は妥協しないからな」

幼「今までどんな文化祭だったのよ……」





女「……あ。それなら先生に交渉しに行こうよ」




75 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:41:53.02 402G8bV10 43/465




そして……。



女「せんせー」

先生「はい。どうしました?」

女「女子全員分のメイド服が欲しいんですが」

先生「そうですか。良いんじゃないですか?」

女「できればオーダーメイドで作りたいんですよ。メイドだけに」

先生「良いですね。私も賛成です。メイドだけに」







男「相変わらずの行動力だな、女……」

友「つーかなんでオレら隠れてんの?」

幼「気分よ気分」



76 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:45:26.97 402G8bV10 44/465



女「でも皆の分を作るとなると、その、予算が……」

先生「確かにそうでしょうね」

女「何とかなりませんか?」

先生「校長を脅して予算の底上げですか……まぁ、やってみましょう」

女「ありがとうございます!」





男「よし」

幼「これで安心ね!」

友「……臆面なく言える委員長もすげぇがあの先生もすげぇな……」



77 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:49:51.19 402G8bV10 45/465




――夜、友家。



友「いただきまーす」

妹「いっただっきまーす」

姉「いただきます」

妹「そういえば兄貴、文化祭なにやるか決まった?」

友「メイド喫茶だってよ。あと今年はなんか『No.1カップル決定戦』とかいうのやるらしい」

妹「ふーん」

友「まぁオレには関係ないけどな」

姉「……」



78 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:54:20.55 402G8bV10 46/465



妹「……あれ?」

友「どした」

妹(メイド喫茶→女子がメイン→男子はわりと暇→自由時間が増える→
その分遊びに来た他校との交流が増える→可愛い子を発見→「妹になって下さい」→あたしはお払い箱)

友「どうした?」

妹「……」

友「おーい」









妹「……やだ!捨てないで!!」ガターン

友「エンッ!?」ビクッ




79 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 00:58:37.62 402G8bV10 47/465



妹「あたし嫌だから。そういうの絶対に嫌だからね……」ブツブツ

友「何のこと? ねぇ何のこと?」

妹「……ごちそうさま」

友(はやっ)



スタスタ……ガチャッ、バタン。



友「……」

姉「……」




80 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/10 01:02:43.02 402G8bV10 48/465




友「……」


姉「……」


友「……」


姉「……」


友「……」


姉「……」


友「……おぉ。この煮物すげー美味い」


姉「……ちっ」




92 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:00:16.74 LDcTsHDl0 49/465



文化祭当日。



友「……」スタスタ

男「……」スタスタ

友「……オレさぁ、もっと楽できるモンかと思ってたよ」

男「俺も」

友「これで何回目だ? 買い出し」

男「二回目だな」

友「まだ文化祭始まって少ししか経ってねーのに……」




93 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:03:09.21 LDcTsHDl0 50/465



男「まぁアレだ。全員可愛いから客足が途絶えないんだろ」

友「それもそうか……」ハァ

男「早くあいつらのメイド服姿見てーな」

友「だな」

男「……そういや姐さんと妹ちゃんは来んの?」

友「あぁ。二人一緒に来るってよ」

男「ふーん」

友「……」スタスタ

男「……」スタスタ




94 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:07:00.42 LDcTsHDl0 51/465




学校。



幼「いらっしゃいませ――って、なんだ。キミらかぁ」

女「おかえり。遅かったね」



男「卵が一人2パックまででな……レジ三往復してたら時間掛かっちまった。あ、それと似合ってるぜ」ガサガサ

友「ケチャップに玉ねぎに……あと女子全員に差し入れを。あ、それと似合ってるぜ」ガサガサ



幼「ちょっ、え? 私達はついでなの?」

女「あ、あはは……」



95 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:10:32.31 LDcTsHDl0 52/465



友「それにしても好評みたいだな」

幼「まぁね」

女「この服可愛いね。高かったでしょ?」フリフリ

男「あぁ。でも先生の予算底上げのお陰で何とかなったぜ」



ガララッ。



女「あ、ごめん。お客さんが来たみたい」

幼「また後でねー」

友「あぁ」

男「おう」



96 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:13:44.04 LDcTsHDl0 53/465




友「……さてと。じゃあオレは姉貴達を迎えに行くかな」

男「おう。暇だし俺も行くよ」

友「え? 校内を回ったり色々とチェックしたりしなくて良いのか?」

男「大丈夫だって。実行委員なんざ名前だけだから」

友「いや違うだろ……」

男「まぁ良いじゃん。行こうぜ」

友「はいよ。一応校門で待ち合わせしてんだけど―――」




97 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:18:06.45 LDcTsHDl0 54/465




校門。



友「やっぱ人多いな」

男「そうだな。明らかにカタギじゃない人とか来てるぞ」ホラ

友「ゆ、指さすな!」



ブーッブーッブーッ



友「おっ。妹からメールだ」

男「何だって?」

友「もう着くってよ」

男「……」ピクッ



98 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:21:31.81 LDcTsHDl0 55/465




モブA「あ、あのー」

友「……はい?」

モブB「今お一人ですか?」

友「え、いや、二人です―――」チラッ





友(――って男いねぇし!アイツどこ行きやがった!?)





モブA「?」

友「……あ、いや、やっぱり一人だったかなーなんて……」ヒクヒク




99 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:24:27.35 LDcTsHDl0 56/465



モブA「お暇だったら私らと回りませんか?」

モブB「せっかくですしー」

友「……」





友(何? 何この状況。まさか俗にいう逆ナンってやつか!?)

友(え!? オレ今ナンパされてんの!?)

友(なんかすげー嬉しい!案外捨てたもんじゃねーのか!?)





モブA「どうですかー?」

モブB「回りましょーよ」



100 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:26:49.81 LDcTsHDl0 57/465



友「……あぁ、でも気持ちは嬉しいけど―――」



――ゾクッ!!



友(――っ!!な、なんだこの寒気は……!)

友(ま、まさか……!)チラッ








妹「……」

姉「……」



友(いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)




101 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:31:38.19 LDcTsHDl0 58/465




――――――――――



――――――



―――



男「……あ、こんちわ」

妹「あ。男さん」

姉「……」





男「どうした友? 顔色悪いぞ」

友「お前のせい過ぎて何も言えねーよ」




102 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:33:39.41 LDcTsHDl0 59/465




教室。


女「やっと自由時間だぁー」

幼「疲れたー!」

友「お疲れ」

男「お疲れさん」

女「じゃあ早速回ろう!」

友「いや、付き合って初めての文化祭なんだから二人で回れよ」

女「え? でも……」

幼「そうね。それが良いんじゃない?」



103 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:36:44.02 LDcTsHDl0 60/465



男「良いのか?」

友「あぁ。楽しんでこいや」

女「ご、ごめんね二人とも……」

男「じゃあまた後でな。行こうぜ女」

女「うん!」





友「じゃーなー」

幼「いってらー」




104 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:37:57.42 LDcTsHDl0 61/465




幼「……」

友「……」

幼「……さてと。それじゃあ私も行こっかな」

友「え? 一緒に回ろーぜ?」

幼「お姉さんと妹ちゃん来てるんでしょ? 二人と回ってあげなよ」

友「お前も来りゃ良いじゃん」

幼(いや、そんな事したら色んな意味でキミが危ないじゃない……)




105 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/11 01:42:21.72 LDcTsHDl0 62/465



友「……お前がそう言うなら良いけどさ」

幼「そうよ。私だって他に友達いるんだからね?」

友「ははっ。じゃあまた後でな」

幼「ん。いってらっしゃい」







幼「……」







幼(……さてと。どこから回ろっかなー)




116 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/12 23:45:41.93 E19CUGkz0 63/465




友「それじゃあどこ行く?」

姉「……どこでも」

妹「お化け屋敷とか!」

姉「……」ピクッ

友「あぁ、それなら確か……○組がやってるな」

妹「行こー!」グイッ

友「引っ張るな中学生」

姉「……」



117 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/12 23:47:31.79 E19CUGkz0 64/465



そして。


受付「何かお身体に支障をきたす場合がございましても責任は負いかねますので。どうぞー」



友「え? なんかすっげー不安になるぞそれ」

妹「早く行こ!」

姉「ちっ……」



ギィィ……



友「……よ、よし。入るか」




118 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/12 23:50:36.08 E19CUGkz0 65/465




友「……」

妹「……」

姉「……」

友「く、暗いな」

妹「暗いね」

姉「……」



ガターン!



友「!?」

妹「わはっ!」

姉「ちっ!!」ビクッ



119 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/12 23:55:06.65 E19CUGkz0 66/465




首吊り死体『いらっしゃーい……』グルン



姉「!?」ギリッ

友「痛っ!痛いです姉貴!」

妹「ヤバイ!吊ってる!首吊ってるよ!」

友「あーそうだね吊ってるね!」





生首『ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』



姉「――ッ!?」ビクッ!

友「痛い痛い痛い!姉貴!締まってるって!」

妹「凄っ!これどうやって喋ってるの? ねぇねぇ!」

友「悪いけど突っ込む暇ねーから!」




120 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/12 23:58:57.23 E19CUGkz0 67/465




白い人『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……』



姉「!!」ビクッ!

友「いや姉貴ホント痛い!放して!息できない!」

妹「凄っ!女の人でもあんな声出せるんだ!?」

友「人によるけどね!」





人形『呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪……』



姉「……ちっ!……ちっ!」ギリギリ

妹「凄い!呪うって漢字がゲシュタルト崩壊した!」

友(ヤバイもう色んな意味で死にそう!お化け屋敷で死ぬとかワロスwwww)




121 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:01:44.15 uP2uNgRZ0 68/465



落武者『殺……ス……コロス殺s殺ずコロス殺す殺す殺すぅぅぅぅ!!』



姉「!」

友「うわぁぁぁ規制くらいそうなエグい落武者が刀持って襲いかかって来たぁぁぁ!!」

妹「あの鎧兜刀って自作かなぁ?」

友「あぁもう!さっきからぶち壊しだよ!」



キィン……



友(あれ? この鍔鳴りは……)




122 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:04:50.57 uP2uNgRZ0 69/465




姉「二人とも下がってろ」

妹「お、お姉ちゃん!」

友(姉貴!なんで抜刀してんの!?)

姉「……」ギロッ

落武者(えええぇ!? 何この人!どっから刀出した!? 目付き怖っ!)

姉「来るなら……来い」

落武者(え? 何これ果たし合い?)

姉「来ないならこっちから―――」








友「はいスト――――ップ!!」




123 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:07:16.19 uP2uNgRZ0 70/465




――――――――――



――――――



―――



友「何やってんの? ねぇマジで何やってんの?」

姉「……」

友「あんな所で抜刀すんなよ……」

姉「……だって刀持ってたから」

友「武士か!」



124 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:11:26.68 uP2uNgRZ0 71/465



友「……まぁとにかく、早く刀しまえよ」

姉「……」スッ



カタ…カタカタ……



姉「……」



カチャ……カタカタカタ……



姉「……」



カタカタカタ……カチャ……








友「……貸して。オレが納刀すっから」

妹「怖いんなら無理しなきゃ良かったのにー」

姉「……ちっ……」ブルブル




125 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:14:46.40 uP2uNgRZ0 72/465




その頃……



男「おーい。飲みモン買って来たぞ」

女「ありがとー」

男「次はどこ行くよ?」

女「そうだなぁ。軽音部とか演劇でも見に行こっか」

男「いいな。ちょっと疲れたし休むか」

女「友くん達も楽しんでるかな?」

男「ツッコミまくって疲労困憊かもな―――」




126 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:18:34.07 uP2uNgRZ0 73/465



そして……



妹「あたし達は先に帰るからねー」

姉「……」

友「おう。気ぃつけろよー」





友「……」





友(……あ、そうだ。幼にメールすっか)





友(『もう帰った?』……送信っと)




127 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:21:53.18 uP2uNgRZ0 74/465



ブーッブーッブーッ


友(はやっ)



12/11/3 16:15
from 幼
sub:無題
――――――――
まだ学校にいるよ





友(『どこにいる?』っと……)



友(……)



友(……いや、多分あそこだな)




128 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:25:23.39 uP2uNgRZ0 75/465




非常階段。



幼(……)



幼(あー疲れた……)



幼(二日目も大変だろうなぁ)



幼(……)





ピトッ。





幼「―――うぁぁぁっふ!?」ビクッ




129 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:27:53.67 uP2uNgRZ0 76/465



友「よ。お疲れ」

幼「な、なんだキミかぁ。びっくりした……」

友「ほら。これ飲めよ」

幼「あ、うん。ありがと」

友「……よっこいせ」ドサッ

幼「よくここだって分かったね」

友「いつもの場所だしな」

幼「……二人はもう帰ったの?」

友「姉貴達か? あぁ」

幼「そっか」



130 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:31:10.61 uP2uNgRZ0 77/465



友「明日も大変そうだな」

幼「全くよ。キミらはあんまり働かないで済むけど」

友「オレらだって買い出しとか買い出しとか色々やってるわ」

幼「代わって欲しいくらいよ」

友「一瞬にして客が来なくなるな」

幼「ふふっ」

友「……」

幼「……」



131 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:34:39.33 uP2uNgRZ0 78/465



幼「……じゃあ私も帰るね」

友「ん、あぁ」

幼「飲み物ありがと」

友「あぁ……」

幼「お先ー」スタスタ

友「……」





友「……」





友「……幼!」





132 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/13 00:39:37.26 uP2uNgRZ0 79/465



幼「なにー?」

友「明日は皆で回ろうぜ」

幼「え? どうしたの急に……」

友「いや、淋しかったと思ってさ。お詫びに」

幼「……」

友「……」








幼「し、仕方ないわね……キミがどうしてもって言うならいいけど?」ニヤニヤ

友(うわーすげー嬉しそう)




143 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:02:15.27 DvCabeqv0 80/465



文化祭二日目。



ヤキトリイカガッスカー

ニネンニクミデメイロヤッテマース

ケイオンブノエンソウハ――



友「じゃあ次はどこ行く?」

幼「そうね……」

男「腹減ったし昼にしよーぜ」

友「あぁ、それもそうだな」



144 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:05:25.20 DvCabeqv0 81/465




ワイワイガヤガヤ



幼「やっぱり人多いわね」

女「そうだね」

友「……あれ? つーか男はどこ行った?」

女「実行委員で呼び出されたんだって。なんか急用って言ってたけど」

幼「そういえば男って実行委員だったっけ」




友(なんか知らんがまた面倒な事になりそうな気がする……)




145 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:06:57.33 DvCabeqv0 82/465




――そして。



男「おっ。ここにいたか」

幼「あ」

友「よう」

女「もう済んだの?」

男「まぁ済んだっちゃ済んだんだけど……ちょっとアクシデントがあってな」

幼「え?」

友「……」



146 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:11:15.34 DvCabeqv0 83/465



男「件のカップル云々……って企画あるだろ?」

友「『No.1カップル決定戦』な」

男「そうそう。それ」

幼「キミ本当に実行委員……?」

女「で、それがどうかしたの?」

男「あぁ。参加者の一組が病欠しちまってな」

幼「へ、へぇ……」

友「……」



147 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:16:00.51 DvCabeqv0 84/465



男「だから人数合わせの為に友と幼を……こう、な?」

女「あ、それ良いね!」

友「」

幼「」

男「そういう訳だから。頼んだぜ」

友「」

幼「」

男「そろそろ準備が始まるから体育館に集合してくれ」

女「楽しみだなぁ」



148 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:19:44.45 DvCabeqv0 85/465



友「エ? ナニ? マッテ。キコエナイ」

男「病欠が出たから代わりにお前と幼をエントリーさせました」

友「……」

幼「……」








友「こ・の・クッソ野郎がぁぁぁ!!」

幼「ちょっ、落ち着いて!気持ちは分かるけど落ち着いて!」ガシッ

友「放せ! あいつは2、3発殴ってやんねーと駄目だ!!」



149 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:23:08.25 DvCabeqv0 86/465



友「ねぇ。ナニ? なんでお前はいつもそうやってアレなの? なにこれいじめ?」

男「いや俺も流石に悪いと思ったんだよ。でも上には逆らえなくて……」

幼「キミまともに働いてないじゃない……」

男「本当にすまん。代わりを探さないと退学させるぞって脅されて……」

女「そ、そうなんだ……それは仕方ないね……」








友「そっか委員長も敵か。よし分かった。オッケー☆」

幼「お、落ち着いて友!」



150 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:27:59.16 DvCabeqv0 87/465






……結局、二人は参加する事になりました。



司会『皆さんお待ちかね!「No.1カップル決定戦」を開始します!』



友「チクショウ。なんでこんな事に……あの野郎いつか高いモン奢らさせっかんな……」ブツブツ

幼「わ、私カップルの振りなんて自信ないわよ!?」

友「オレもだよ……」



司会『エントリーNo.1! ○年○組の――』



幼「あああもう始まっちゃったし……!」

友(胃が痛い……)



151 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:31:59.62 DvCabeqv0 88/465




司会『エントリーNo.5! 「まだ出会って三ヶ月、しかし絆は三十年!」友くんと幼さんです!!』



ワーワー!

エーアノフタリツキアッテタノー!?



幼「なんか変なキャッチコピー付けられてるし!!」

友「ヤバイ。これはヤバイ。恥ずかしすぎる」



司会『さぁ!これで全五組のカップルが出揃いました!
これより第一回「No.1カップル決定戦」を始めます!』



ワーワーワーワー!!






友「……まぁ、テキトーに頑張るか」ハァ

幼「……そうね」ハァ



152 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:34:35.98 DvCabeqv0 89/465



司会『それでは今からわたくしがカップルなら答えられて当然の問題を出します。
回答はお手元のフリップにお書き下さい』

司会『正解率が最も高いカップルには賞品と賞金を用意しております!』



ワーワー!



友「……おっ。少しやる気出てきたな」

幼「奇遇ね。私もよ」

友「よし。もう逃げられねぇみたいだし行くとこまで行くか!」

幼「そ、そうね!」



153 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:37:09.95 DvCabeqv0 90/465



司会『第一問!お相手の身長・体重をお書き下さい!』



友「えっ」

幼「えっ」



司会『このくらい答えられて当然ですよ? ちなみに事前に答えはこちらで入手しておりますので不正行為はできません』



幼(え? え? いきなり難しくない!?)

友(周りの奴ら書くのはやっ!こんなんテキトーに予想するしかねーだろ!?)



154 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:39:09.20 DvCabeqv0 91/465



司会『時間切れでーす。ではエントリーNo.1のお二人から答えをオープン!』



ワーワー!




―――――――


―――――


――




司会『ではエントリーNo.5のお二人、答えをオープン!』



友【160cm?とか165cmらへん? 体重は5、60kgくらい?】

幼【175.1cm、63.2kg】




155 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:42:06.45 DvCabeqv0 92/465



幼(ちょっと!キミ曖昧すぎでしょ!? 60kgもある訳ないじゃない!)

友(す、すまん!ホントこういうの平均とかも全然分かんなくて!)

幼(せめて身長くらいはもう少し絞ってよ!)

友(お前が絞りすぎなんだよ!本気で当てにきてるだろ!?)



司会『残念。お二人とも違います』



友(――って、普通に間違えてるじゃん)

幼(判定がシビアすぎる!)



156 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:44:18.15 DvCabeqv0 93/465



司会『それでは第二問!お相手の好きな食べ物はなんでしょう?』



友【カレー】

幼【焼肉】



司会『残念。お二人とも不正解ですー』



友(意外と知らんわこんなこと!まぁ焼肉も好きだけども!)

幼(とりあえず当たり障りのなさそうなの書いたけど駄目だったみたいね……)



157 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:45:56.79 DvCabeqv0 94/465



司会『では次の問題!お相手の嫌いな食べ物は?』



友(こんなんもっと知らんわ!)

幼(さっきから周りのグループは迷わず正解してるみたいだけど……)

友(やっぱ本物のカップルは違うな……)



司会『次の問題!お相手の好きな芸能人は?』



友(知るか!知るか!)

幼(でも周りの人凄い勢いで書いてる!?)



158 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:50:00.93 DvCabeqv0 95/465




―――――――――――



―――――――



―――



司会『では最後の問題です』



友(やっとか……長かった……)

幼(結局ひとつも正解しなかったわね)

友(これもう完全に替え玉だってバレてるだろ……)



司会『最後は少し問題の形式を変えてみましょうか』




159 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:53:05.72 DvCabeqv0 96/465




司会『ずばり!お相手の一番好きなところを一つ!お書き下さい!』



友(!!)

幼(!!)







男(グッジョブ司会!)

女(面白くなってきたね!)




160 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 00:57:51.84 DvCabeqv0 97/465




友(す、好きなところ!?)



友(なにこれ公開羞恥プレイじゃねぇか!どうする!?)



友(……)チラッ



友(……まぁ、その、こいつって美人だよな。浴衣も水着もめっちゃ似合ってたし)



友(いやでもそんな事を正直に書いたらオレの学生生活がポポポポーンしちまう。
何よりも男と委員長にからかわれそうだから嫌だ)



友(どうする……!?)




161 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 01:00:57.88 DvCabeqv0 98/465




幼(すっ、好きなところ……!?)



幼(……)



幼(そ、そりゃいっぱいあるけど……)チラッ



幼(……困った時はいつも助けてくれるし、私が突っ走ってもちゃんと付いてきてくれるし……)



幼(いやでもそんなの正直に書いちゃったら流石に恥ずかしい!無理!)



幼(……ど、どうしよう……)




162 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 01:03:52.49 DvCabeqv0 99/465




司会『ではエントリーNo.1のお二方からオープン!』



幼(あああ時間ない!何か書かないと―――あれ? 女が手振ってる……?)チラッ

幼(大きい紙持ってる……何か書いてあるけど……)




【本音を書いちゃえ!】




幼(……)




163 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 01:08:35.26 DvCabeqv0 100/465




司会『ではエントリーNo.5のお二方!オープン!』




友【ノリが良いところ】


幼【皆に優しくて友達想いで面白くて、たまにカッコいいところ】




司会『おぉふ……』




164 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 01:13:08.30 DvCabeqv0 101/465




キャーキャー!ダイタンー!

アツアツダネー

バカップルオツ



幼(えぇぇぇ!? 『ノリが良いところ』って何!? 司会の人も素の声出てたよ!?)


友(いや、その……うん、ごめん。てっきりお前もこういう系のこと書くと思ってた)


幼(真面目に書いた私が馬鹿みたいじゃない!あぁもう!超恥ずかしい!!)


友(ごめん。なんかごめん)


幼(謝んないで!)


友(あ、あと……ありがとな)


幼(お礼も言わないで!)



165 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/14 01:17:18.96 DvCabeqv0 102/465




――――――――――



――――――



―――



幼「それから会はつつがなく進行し、なんとか最後まで耐えきりました」



幼「まぁもちろん私達が一位になれる訳もなく。ただ恥ずかしい思いをしただけでした」



幼「……」



幼「……なんかもう思い出しただけで恥ずかしくて死にそうなのでこの辺で失礼します」



幼「……」



幼「……」



幼(……それにしても『ノリが良いところ』って何よ……)ハァ




172 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:33:44.10 22LCBPTT0 103/465




――友家。



友「……」ペラッ


友(最近寒くなってきたな……)


友「……」ペラッ


友「……」




173 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:35:52.66 22LCBPTT0 104/465



コンコン。



友「ん」



バターン!



妹「兄者!」

友「どうした?」

妹「テスト勉強手伝って!」

友「姉貴に頼めよ」

妹「あ、それもそうだね。なんであたし兄貴に頼んだんだろ」

友「……なんかオレが悪いみたいな言い方しないでくんない?」



174 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:38:08.39 22LCBPTT0 105/465



妹「まぁまぁそう言わずに。よいしょ」

友「おい待て。なんでナチュラルにベッドに寝っ転がる」

妹「スマブラやろーよ」

友「一人でやってろ。オレだって期末テスト近いんだから」

妹「……分かった。じゃあアイス○ライマーの妹の方だけ千回くらい倒しまくるね!」

友「……」

妹「兄より優れた妹なんていない兄より優れた妹なんていない兄より優れた妹なんていない兄より優れた妹なんていない……」カチャカチャ

友(今日も平和だな……)



175 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:41:31.11 22LCBPTT0 106/465



結局二人はスマブラに熱中しました。

そして……



ガンッ!


友「はいよ」


ガチャッ。


姉「飯」


バタン。



友「……だとさ。ここまでだな」

妹「えぇぇ!まだ一回も勝ってないのに!」

友「いつもの事だろ」

妹「ご飯食べたらまたやろ!」

友「いい加減勉強しろよ……まぁオレもだけどさ」



176 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:43:40.38 22LCBPTT0 107/465





友「いただきます」

妹「いただきまーす」

姉「いただきます」

妹「炬燵で鍋って最高だねー」

友「11月だしな」

姉「……おい」

友「ん?」

姉「妹も」

妹「はい?」



177 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:46:44.52 22LCBPTT0 108/465



姉「ゲームばっかりやってないで勉強しろ」

友「んー」

妹「あー」

姉「もうすぐ期末テストだろ」

妹「だって分かんないからやっても無駄かなーって」

友「そうそう(笑)」

姉「……ちっ」



178 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:49:15.50 22LCBPTT0 109/465



姉「妹」

妹「?」

姉「食べ終わったら勉強しろ。分からなかったら私が教えるから」

妹「えー……あたし鉛筆持つと死んじゃうもん―――」








姉「……鉛筆持って死ぬか斬られて死ぬか選べ」ギロッ

妹「ヤッターワタシベンキョウダイスキー!」




179 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:51:26.94 22LCBPTT0 110/465




そして……



友「……」ペラッ



<「お姉ちゃん、ここ分かんない」

<「この式に代入しろ」



友「……」ペラッ



<「そこスペル違う」

<「あ、ホントだ」



友「……」ペラッ




180 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:53:44.61 22LCBPTT0 111/465



<「活用形違う。ここが助詞なんだからここはこう」

<「あ、そうだっけ」



友「……」



<「えーっと……ここはこれで合ってる?」

<「違う。ちゃんとやれ」

<「ご、ごめんなさい!」



友「……」ビクッ



181 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 17:57:16.24 22LCBPTT0 112/465




<「そこ。さっきと同じ間違いしてる」

<「すみませんごめんなさい!」



友「……」



<「あの、お姉様……ここは……」

<「……」

<「ごめんなさい!そうですよね!全然違いますよね!」

<「……ちっ」

<「あぁもう覚えが悪くてごめんなさい!生きててごめんなさい!」





友(ス、スパルタだ――――――!!)




182 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:00:23.94 22LCBPTT0 113/465




そして。


友(あー期末テストめんどくせーなー)



友(まぁやるしかないか……)



友(……)



友(……って、机散らかりまくってんな。片付けねーと)ガサガサ



友(……)ガサガサ



友(……おっ。これ小学生ん時の卒アルじゃん!懐かしい!)




183 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:04:56.53 22LCBPTT0 114/465



――ガンッ!



友「!?」ビクッ



ガチャッ……



友(え? 何いきなり!?)








姉「……」ギロッ

友(ひぎいぃぃぃぃ!!)




184 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:06:48.61 22LCBPTT0 115/465



友「ど、どうした? せめて遺言くらいは書かせてくれよ」

姉「は?」

友「え?」

姉「……」

友「……」

姉「……勉強」

友「?」

姉「しろ」

友「はい分かりました!」

姉「……」



185 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:08:47.91 22LCBPTT0 116/465



友「……」カリカリ

姉「……」

友「……」カリカリ…

姉「……」

友「……」カリ…

姉「……」

友「……なんで仁王立ちしてんの?」

姉「……」

友(なんか無視されました)



186 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:12:51.37 22LCBPTT0 117/465



姉「……見てないとだらけるだろ」

友「ハハッ!そんなこと――」

姉「……」ギロッ

友「あります調子こきましたすんません」

姉「だから……見張り」

友(おうふ)

姉「あと分からない所があったら言え」

友「あ、うん。それは普通に助かるわ」

姉「……ちっ」



187 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:16:25.59 22LCBPTT0 118/465



友「ほら。椅子」

姉「ん」

友「……」カリカリ

姉「……」

友「……」カリカリ

姉「……」

友「……姉貴、ここ分かんない」ズイッ

姉「あぁ、それは――」







姉「―――!!」バッ

友「?」



188 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:20:00.93 22LCBPTT0 119/465



友「な、何だよ? どうかした?」

姉「ち、近…………いや、別に」

友「? で、この問題なんだけどさ」

姉「……この公式を応用すれば」

友「マジか。全然分かんねーわ……」

姉「……」

友「……あ、それとここも教えて」

姉「……」

友「……」

姉「……」

友「姉貴?」

姉「……あ、えっ? 何?」



190 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:23:49.72 22LCBPTT0 120/465




――――――――――



――――――



―――



姉「――で、こうなる」

友「なるほど!」

姉「……」

友「やっぱ姉貴は頭良いよな」

姉「別に。普通」

友「オレと妹はちょっとアレなのに」

姉「あの子もあんたもやれば出来る」

友(あれ? 今誉められた? 一応は誉められた……のか?)



191 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:26:50.24 22LCBPTT0 121/465



姉「……っ」ブルッ

友「寒いか?」

姉「別に。いいから解け」

友「寒かったらこのパーカー着てていーぜ」ヌギヌギ

姉「いい」

友「……」カリカリ

姉「……」

友「……」カリカリ

姉「……」








姉「……ちっ……」パサッ

友(結局着たか……やっぱ寒いんじゃん。なんか顔も赤いし)




192 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:30:59.93 22LCBPTT0 122/465




一時間とか二時間後。



友「……よし。こんなもんで大丈夫かな」

姉「……」

友「助かったよ。ありがとな」

姉「別に……」

友「じゃ、おやすみ」

姉「……おやすみ」



ガチャッ、パタン。




193 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/15 18:35:51.46 22LCBPTT0 123/465




友(……よし。これで一日目の教科はなんとかなりそうだ)



友(……)



友(あ。そういや姉貴、オレのパーカー着たまま部屋に戻っちまったな……)



友(……まぁ明日返してもらえばいいか)




203 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:27:24.49 sDONYfPm0 124/465



テスト当日。



ヤッベーゼンゼンベンキョーシテネーwww

マッタクワカンネー



先生「では用紙を回して下さい。時間が来るまで見てはいけませんよ」



友「頑張れ。オレはやれば出来るやれば出来るやれば出来る……」

幼「何を唱えてるの? 怖いよ?」

女「あはは。友くんは毎回こうだよ」



204 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:30:42.25 sDONYfPm0 125/465




先生「不正行為とかは見つかった方も見つけた側も面倒なのでしないで下さい」

先生「……では開始です」





友(よし!あれだけ姉貴に手伝ってもらったんだ。頑張んねーと!)カリカリ



友(……)カリカリ



友(……あ。そういやまだパーカー返してもらってねぇな……)



友(……)



友(おっといかん。集中せんと)カリカリ



205 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:34:02.90 sDONYfPm0 126/465




――――――――――


――――――


―――



友「よし!わりと出来た!」

幼「私もまぁまぁかなー。女はどうせ満点でしょ?」

女「うん!多分ね!」

幼「うわー普通に認めたよこの子……」

友「えーっと、次は確か現代文だよな?」

幼「え? 古文よ?」

友「……は?」



206 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:35:30.05 sDONYfPm0 127/465



友「え? いや、またまた!騙されねーぞ?」

幼「ううん。普通に古文よ?」

友「…………え? マジで?」

幼「マジよ」

友「ちょっ、委員長――」

女「古文だよ。ほら、予定表にも」

友「」

幼「……もしかしなくてもキミ、勘違いしてたの?」

友「……」



207 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:38:44.81 sDONYfPm0 128/465



友「ハハッ!ワロス!!」

幼「す、凄い汗よ!? 大丈夫!?」

友「ヤバイどうしようまだ古文とか手ぇ付けてねぇ!」

幼「落ち着いて!」

友「幼!オレの代わりにテスト受けてくれ!お前の分はオレがやる!」

幼「な、何言ってんのキミ!?」

友「これで行こう!完璧なプランだ!やったね!」

幼「落ち着いて!お願いだから落ち着いて!」





女「ねぇ二人とも。わたしにいい考えがあるんだけど……」




208 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:41:54.37 sDONYfPm0 129/465






友「せんせー!」

先生「どうしました? あと三分で二時間目のテスト始まりますよ?」

友「あの、それなんですけど……」

先生「?」

友「僕ちょっと時間割り勘違いしてまして、古文は全く勉強してないんですよ」

先生「それは一大事ですね」






女「頑張れ友くん!」

幼「これが『いい考え』なの……?」



209 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:44:31.01 sDONYfPm0 130/465



友「なので、その……言いにくいんですが」

先生「遠慮しないでいいですよ」

友「じゃあ……古文の試験日を変えることって出来ますか?」

先生「……あぁ、出来なくはないですね」

友(マジで!? 殆ど冗談だったのに!!)





女「……よし!いい感じ!」

幼「え? あの人そんな権力あるの?」



210 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:47:23.15 sDONYfPm0 131/465



先生「それなら校長と学年主任を脅してみましょう」

友「あ、ありがとうございます!」

先生「それでは。テスト頑張って下さいね」

友「うっす!お疲れっしたー!」





女「流石先生!!」

幼(いや、あの人何者?)



211 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:50:02.69 sDONYfPm0 132/465




――――――――――



――――――



―――



夜、友家。



友(……あ、そうだ。パーカー返してもらわねーと)


友(……そういや姉貴の部屋行くの久し振りだな)スタスタ



212 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:53:59.22 sDONYfPm0 133/465




友「おーい」コンコン



< ガタン!



友「!?」ビクッ



< バタバタバタ!ガタンバタン!



友(……え? 何? 部屋ん中で紛争でも起こってんの?)



< ……



友「……あ、姉貴?」コンコン



ガチャリ……



姉「……なに」




213 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 00:57:56.37 sDONYfPm0 134/465



友「貸したパーカー返してもらいに来たんだけど」

姉「……あ?」ギロッ

友「いや、だからさ。前にパーカー貸したろ? それを返して―――下さい」

姉「……」

友「……」

姉「あれは……」

友「あれは?」

姉「……無くした」

友「え?」

姉「いつの間にか無くなった」

友「2、3日で!?」



214 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/17 01:02:35.51 sDONYfPm0 135/465



姉「……そう。無くした。ごめん」

友「いや、まぁ別にいいけどさ……」チラッ






友(ベッドの下から袖がはみ出てるのバッチリ見えてるんですよね……)






姉「新しいの買ってやる」

友「い、いや、いいよ。そこまでせんでも」

姉「……」




223 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 22:56:35.15 qNdsr4T10 136/465




先生「―――テストも無事終わり、皆さんお待ちかねの修学旅行が近づいて来ました」

先生「こんな時期に中途半端ですがツッコミは無しでお願いします。ではプリントを配りますね」





友「修学旅行か……」

男「……」




224 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 22:59:22.21 qNdsr4T10 137/465



幼「へぇー、温泉ねぇ……」

男「なんだ。また温泉か」

女「私達はもう行ったからね」

幼「別の所に行きたいなぁ」

男「そうだな」

友「まぁオレはまた温泉でもいいけど―――」

男「二回は流石に飽きるだろ。色んな人が」





女「よし、それじゃあ困った時は……」




225 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:02:22.10 qNdsr4T10 138/465




昼休み。



女「せんせー!」

先生「はい。どうしました?」

女「修学旅行の場所変えませんか? 見てる人からしたら二回も温泉は飽きると思うんです」

先生「なるほど。一理ありますね」

女「だから出来れば他の所に行ってみたいなーなんて……」

先生「ふむふむ」





友「なんかもう『困ったら先生に』って風潮になってるな。いやオレも助けられたけども」

幼「……」



226 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:04:39.20 qNdsr4T10 139/465



先生「教育委員会と校長個人との間の不当な経理改竄や裏金について脅せば快諾してくれそうではありますが……」

女「お願いします!」

先生「分かりました。『穏便に』交渉してみますね」

女「やった!ありがとうございます!」

先生「それでは。最近冷えますから風邪を引かないように」

女「はーい」





男「よしキタ!入った!」

幼「流石先生!!」

友(……突っ込むのは止めとこう)



227 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:07:33.63 qNdsr4T10 140/465




友「―――はい。そんなこんなで修学旅行は二泊三日スキー旅行に変更されました」

幼「全員分のスキー用具借りるの? 予算がとんでもない事になりそうだけど」

女「あ、それも先生がなんとかしてくれたよー」

友「マジか」

幼「また校長先生のこと脅したの?」

男「いや、なんか教育委員会のプール金を少し強奪したんだとよ」

女「へぇー」

幼「そうなんだ」

友「いや待て。なんかお前ら感心してるけどそれって普通に犯罪じゃね?」

男「細けぇk(ry」




228 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:10:21.56 qNdsr4T10 141/465




――――――――――



――――――



―――



スキー場に着きました。



先生「早速自由時間にします。17時にこのロッジに集合して下さい」



ハーイ!



男「……あっという間に白銀の世界だ」

女「展開早いねー」



229 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:13:02.14 qNdsr4T10 142/465




友「―――で」

幼「?」

男「どうした?」

友「お前ら、スキーしたことあるか?」

男「人並みには」

女「わたしも一応は滑れるよー」

友「幼は?」

幼「私は初めてよ」



230 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:14:57.16 qNdsr4T10 143/465



男「意外だな。もっとイケイケかと思ってたぜ」

幼「その表現はおかしくない?」

男「じゃあ友、お前が指導してやれよ」

友「ん、まぁ別にいいけど」

幼「ありがと」

女「……じゃあ行こ!皆!」




231 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:17:19.54 qNdsr4T10 144/465




そして……



幼「あー疲れた!」ボフッ

女「でも凄いよ幼ちゃん。たった二時間で滑れるようになったんだから」

幼「そ、そう?」

女「わたしなんて最初はスキー(笑)状態だったもん」

幼「ふーん。でもスキーって凄く楽しいのね」

女「明日は上級者コース行ってみようよ」

幼「自信ないけどなぁ……」



232 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:20:36.37 qNdsr4T10 145/465




DQN1「ヘイそこの彼女たち!」

DQN2「いま暇かい?」



女「え?」

幼「あ、私達ですか?」



DQN1「俺らとお茶しない?」

DQN2「何でも奢ってあげるよ!」



女(……何でもって言ってもここスキー場だよね?)

幼(シッ。それは言わないであげて)



233 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:22:40.15 qNdsr4T10 146/465



幼「ごめんなさい。遠慮しときます」

DQN1「いいじゃん!少しだけ!」

幼「いえ、ホントに結構です」

DQN2「俺達と滑ろうよ!手取り足取り教えてあげるから!」ズイッ

幼「あ、あの……」

女(うぅ……どうしよう)

DQN1「よし。じゃあちょっと人目に付かない所に行こっか―――」








先生「――お二人とも、どうかしましたか?」




234 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:25:17.78 qNdsr4T10 147/465



女「せ、せ……」

幼「先生―――!!」

DQN1「あ? 先公だぁ?」

DQN2「チッ……」

女「あ、あの。先生……」

先生「まぁ見た感じ大体は予想できます。私の生徒が困ってるみたいなのでこういった事は遠慮して頂けませんか?」

DQN1「あ? 別に困ってなかったぜ?」

DQN2「そうそう。むしろ乗り気だったぜ、その子ら」



236 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:29:09.22 qNdsr4T10 148/465



先生「お二人とも、それは本当ですか?」

女「いえ……」

幼「全くそんなことはないです」

先生「――だそうですよ?」

DQN1「チッ……」

先生「こちらとしてもあなた方のような若い芽を摘むのは躊躇われるので……」

DQN2「分かったよ!あぁウゼェ!!」

DQN1「帰りゃいいんだろ!」




237 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:32:32.55 qNdsr4T10 149/465




女「ありがとうございます!」

幼「助かりました……」

先生「こういった事は案外起こるんですから、お二人とも彼氏さんから離れないように」

幼「え?」

女「はーい。すみません」

先生「ではまた後ほど。スキー楽しんで下さいね」

女「はーい」

幼「え? え? ちょっと待って下さい!」

先生「なんでしょうか」



238 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:35:54.88 qNdsr4T10 150/465



幼「えっと、今……彼氏って仰いましたか?」

先生「はい。それが何か?」

幼「友と私は別にそういうのじゃないですよ!?」

先生「そうですか。誰も友くんの事とは言ってないんですが面白いので黙っておきますね」

幼「」

先生「面白いので黙っておきますね」

幼「」

先生「面白いので黙っておきますね」

幼「だ、黙ってないじゃないですかぁ!!」




239 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/18 23:39:45.16 qNdsr4T10 151/465



< 「ではまた後ほど」スタスタ

< 「……もうホントなにあの人。男と同じ匂いがするんだけど……」

< 「あははー」







友「出るタイミング逃したな……」

男「だな」




250 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:25:51.68 jXejnRvz0 152/465



夜、旅館。



男「……思うんだけどさ」

友「おう」

男「こういう雪国の旅館って大体は温泉あるから最初からスキー旅行にしとけば温泉旅行も兼ねられるんだよな」

友「あぁ。まぁそうだけどいきなりどうした?」

男「別に?」

友「……」



251 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:29:04.35 jXejnRvz0 153/465



モブA「おい!お前らももっとこっち寄れって!」

友「え?」

モブB「修学旅行の夜っつったらアレだろアレ!」

男「なんだ? 麻雀か?」

友「ねぇよ」

モブA「うちのクラスの女子!誰が一番タイプだ?」

男「なんだそういうのか」

友「……」



252 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:31:50.77 jXejnRvz0 154/465



モブA「チッ。彼女持ちの野郎どもは余裕があっていいですねぇ」

モブB「敵だ敵!お前らなんて敵だ!」

男「ワロリンティヌスwwww」

友「煽ってんじゃねーよ!お前なんて敵だ!」








モブA「―――いや、お前もだから」

モブB「うん」

友「えっ?」



253 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:35:14.55 jXejnRvz0 155/465



モブA「ったく羨ましいぜ……」

友「え? え?」

モブB「転校してきてすぐ目つけるなんてよぉ。手が早ぇ奴だ」チッ

友「いや待って。誰の事? まぁ予想はつくけども」

モブA「幼さんだよ!」

友「……」

モブB「いつかやるとは思ってたけどよ……チクショウ」

モブA「もうこいつらはぶこうぜ」

モブC「そりゃいいな」

友「本人達の前で言うなし」



254 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:39:28.95 jXejnRvz0 156/465



友「ていうかなんでどいつもこいつもオレと幼をくっつけたがるの!?」

モブA「いやいや、もうくっついてんだろ?」

モブB「チッ」

友「付き合ってねーし!オレらはそういう感じじゃないんだよ!」

モブA「でも文化祭の『No.1カップル決定戦』に出てたじゃねーか」

友「アレは男が勝手にエントリーしやがったんだ。不可抗力だ」

モブB「それによく非常階段でなんか話してたじゃん」

友「それも主に男のせいだ。説明すんのダルいから省略するけど」

モブC「え? じゃあ本当に付き合ってねーの?」

友「だからさっきからそう言ってんだろ……」



255 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:43:37.00 jXejnRvz0 157/465



モブA「なんだ。じゃあ俺、幼さん狙ってみようかな!」

友「……」ピクッ

モブB「それなら俺も告白してみようかな。ちょうど修学旅行だし!」

友「……」ピクピクッ

モブC「よし!それなら今から早速呼び出そうぜ!」

モブA「女子もどうせ似たような話してて起きてるだろうからな!」

モブB「女子の部屋に突入すっか!」

友「……」



256 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:46:27.71 jXejnRvz0 158/465



友「……な、なぁ。お前ら本気か?」

モブA「当たりめーだろ!お前が付き合ってないなら俺らにもチャンスあるだろ!」

友「いやまぁそうなんだけど……でも……オレは……」

モブB「よし!善は急げだな」

友「……待て」

モブC「ん?」

友「やっぱ駄目だ。駄目だ」

モブABC「wwwwwww」

友「……」イラッ

男「wwwwwww」

友「てめーは寝てろ!!」



257 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:49:19.96 jXejnRvz0 159/465



翌日。



女「今日は上級者コース行ってみない?」

男「おぉ、いいぜ」

幼「いいわよ」

友「……まぁ皆が良いなら良いよ」

女「じゃあ決定だね。皆で競争しよ!」

男「じゃあ一位の奴の言うことを一つだけ友が聞くってのでいこう」

友「ねぇ。前から聞きたかったんだけどさ、お前なんかオレに怨みでもあんの?」



258 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:52:26.35 jXejnRvz0 160/465



男「ゴールは一番下のロッジ。どのコースを通るかは自由」

女「うん」

幼「OK」

友「了解」

男「んじゃ行くぞよーいドン!」

友「ちょ早っ!!」



―――


――――――


――――――――――




259 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:55:23.33 jXejnRvz0 161/465




――――――――――


――――――


―――



シャー



友(チクショウ。完全に出遅れたぜ……)



友(仕方ねぇ。こうなったらショートカットするか)チラッ



友(……あそこから行けそうだな……)




260 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 00:58:52.44 jXejnRvz0 162/465



友(……結構狭い道だけど大丈夫だよな?)


友(よし……急ぐか!)バッ




ズルッ!




友(!!)


友(やばっ!落ち―――)




262 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:01:52.69 jXejnRvz0 163/465





――ガシャァン!



妹「わっ!」

姉「……どうした」

姉「分かんないけどいきなり兄貴の茶碗が割れた……」

姉「怪我は?」

妹「ううん。大丈夫」

姉「……」








姉(……?)




263 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:05:40.22 jXejnRvz0 164/465



――――――――――


――――――


―――



幼「や、やっと着いた……」ゼェハァ

女「おかえりー」←二位

男「遅かったな」←一位

幼「……あれ? 友は?」

男「まだ帰って来てねーぞ」

幼「へぇ。意外」

女「これで罰ゲームは友くんで決定だね」



264 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:08:41.35 jXejnRvz0 165/465




そして……。



幼「……ね、ねぇ。流石に遅すぎない?」

女「もう一時間経ったよね……」

男「……」



先生「時間が来ましたので皆さん集合してくださーい」



女「ど、どうする?」

幼「先生に伝えた方がよくない……?」



265 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:10:44.88 jXejnRvz0 166/465



幼「……先生」

先生「はい?」

幼「あの、友がまだ帰って来ないんです」

先生「友くんが? ではもう少し待ってみましょう」

女「いえ、もう一時間以上戻って来てないんです……」

先生「本当ですか?」

幼「は、はい」

先生「……」



266 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:13:23.23 jXejnRvz0 167/465



先生「電話はしましたか?」

女「はい。でも出ませんでした」

先生「……分かりました。念を入れて探索届けを出しましょう」

幼「はい。お願いします」

先生「ではここは先生達に任せて皆さんは旅館に戻ってなさい」

幼「わ、私もここにいたいです!」

女「何か手伝える事があればやりますから!」

先生「しかしですね……」

女幼「「お願いします!」」

先生「……まぁ、分かりました。許可します」



267 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:17:36.74 jXejnRvz0 168/465



――――――――――


――――――


―――



ビュオォォォォォ……



友(……ヤバイ。はぐれた。本格的に迷った)


友(吹雪も強くなってきやがったし方角も全然分からん……)


友(どうする。修学旅行で遭難とか笑えねぇぞ)


友(つーかなんでオレばっかこんな目に……普通は主人公の特権だろこういうのは!)




268 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:21:47.15 jXejnRvz0 169/465




友(どうする……このままじゃ死んじまうぞ……?)


友(こんなとこで凍死なんてごめんだ。まだ彼女も出来たことねーのに)



ビュオォォォォォ……!



友(……)


友(……ヤバイ……しんどい……寒い……)フラフラ




269 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:25:33.32 jXejnRvz0 170/465




友(……)フラッ



ドサッ。



友(……幼……委員長……姉貴……妹……)



友(……)



友(……あ、それと男)



友(冗談抜きでヤバイみたいだ……ごめん……)




270 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 01:28:19.88 jXejnRvz0 171/465




ビュオォォォォォ……



友(……ん……?)チラッ



友(……あれって……)



友(……)



友(小屋……?)




278 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 18:17:45.44 vAshQwEe0 172/465




妹「……」

姉「……」

妹「今日も寒いねー」

姉「……」

妹「炬燵あったかいなぁ……」グデー

姉「……」

妹「……」

姉「今日、なに食べたい」

妹「お鍋!」




279 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 18:20:29.41 vAshQwEe0 173/465




姉「……」

妹「面倒なの頼んでごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ブツブツ

姉「……」

妹「……」

姉「……」スッ

妹「あ、お姉ちゃん。あたしにもみかん剥いてー」

姉「……ちっ」

妹「ありがとー」




280 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 18:24:26.50 vAshQwEe0 174/465




妹「……今ごろ兄貴はスキーしてるのかなぁ」

姉「……」

妹「白い雪……白銀の世界……」

姉「……」

妹「それでこっそり夜中に女子と逢引して雪のように白い肌を持つその子に白いものを容赦なく吐き出し真っ白に燃え尽きてるんだ……」

姉「……」

妹「それであたしのお先は真っ暗なんだ……もうやだ冬眠したい……」ブツブツ

姉「……はい。みかん」

妹「やた。ありがとー」




282 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/21 18:27:00.78 vAshQwEe0 175/465






妹「甘くておいしー」

姉(……すっぱい……)






290 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:01:42.82 3+52YKDt0 176/465




姉「……」モミモミ

妹「ねぇ、さっきから何やってるの?」

姉「……揉んでる」モミモミ

妹「みかんを?」

姉「……みかんを」モミモミ

妹「なんで?」

姉「揉むと甘くなるらしい」モミモミ

妹「へぇ。そうなんだ……」

姉「……」モミモミ




292 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:07:30.30 3+52YKDt0 177/465




男「……捜索隊は明日の昼には来るってよ」

女「……そっか……」

幼「……」

男「大丈夫か、幼?」

幼「……わよ……」ボソッ

男「え?」






幼「大丈夫じゃないわよ!」

女「!」




293 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:09:18.97 3+52YKDt0 178/465




幼「なんでキミはそんなに冷静なの!? 友が……友が……!」グスッ

女「幼ちゃん……」

男「俺だって内心は冷静じゃねぇさ」

幼「っ……」

男「ただ焦ってるよりは、今できることを考えてた方が建設的だろ」

幼「……」

男「な?」




294 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:12:41.24 3+52YKDt0 179/465




幼「……そう、かも」

男「……」

幼「……ごめん」

男「いいって。気にすんな」

幼「……」

女「……」

男「……」

女「……わたしのせいだよ。わたしが競争しようなんて言ったから」

幼「誰のせいでもないでしょ」

男「そうだ」




295 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:16:32.94 3+52YKDt0 180/465




先生「……皆さん、そう気を落としてはいけませんよ」

女「先生……」

先生「彼はきっと無事ですから。安心して下さい」

幼「はい……」

男「……」







男(……あ。良いこと思いついた)




296 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:20:10.20 3+52YKDt0 181/465




――――――――――――



―――――――



――――



ビュオォォォォォ……

ガタ…ガタガタ……



友(……取りあえず避難はできた)


友(鍵は掛かってなかったけど中に誰もいなかった)


友(小屋にはスコップやら使い古された暖炉やらランプがある)




297 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:22:11.80 3+52YKDt0 182/465




友(ありがたい事にマッチもあったが、生憎と燃やせるものがあんまり無く……)



友(……ケータイも電池切れ、と)



友(……)







友「――なんだよこの状況!テンプレか!!」







友(……)



友(……寒い。虚しい……)




298 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:25:11.24 3+52YKDt0 183/465



――――――――――――


―――――――


――――



幼「……」

女「……幼ちゃん。少し休んだ方がいいんじゃない?」

幼「うん……」

女「ここは先生達に任せるしかないよ」

幼「そう、だけど……」

女「ねぇ。男くんもそう思うでしょ?」

幼「……」

女「男くん?」




299 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:27:59.94 3+52YKDt0 184/465




女「……あれ? 男くんは?」

幼「トイレじゃない?」

女「……あ、先生!」

先生「なんでしょうか」

女「男くん見ませんでした?」

先生「いえ。見てませんが」

女「……」

幼「……」

先生「……」




300 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:30:51.66 3+52YKDt0 185/465




幼「……ね、ねぇ女」

女「何?」

幼「男のスキー板、無いんだけど……」

女「えっ」

先生「えっ」

幼「も、もしかして……」

女「……」

先生「……」




301 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:32:53.96 3+52YKDt0 186/465




――――――――――――



―――――――



――――



ビュゴォォォォォ……


ギシ……ガタガタ……



友(……吹雪が強くなってきやがった……)


友(……)


友(……ここに来てからどんくらい経ったかな……)


友(1、2時間くらいか……?)




302 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:34:07.89 3+52YKDt0 187/465




友(皆心配してくれてっかな……)



友(……)



友(はぁ……眠い……しんどい……)



友(……)



友(あー……こりゃアレだ……)



友(……死ぬ、かも……)




303 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:36:49.87 3+52YKDt0 188/465




友(……死んじまったら……)



友(もう姉貴のあの目付きも光り物も見られなくなるのか……)



友(妹の豆腐メンタルをつつくことも……一緒にスマブラすることも……)



友(……皆で遊ぶことも……)



友(……)





ゴン……





友(……ん?)




304 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:40:37.26 3+52YKDt0 189/465




ゴツッ……ゴン……



友(な、なんだ? 何の音だ?)



ゴン…ゴン…



友(まさか外に誰か……何かいるのか!?)



バターン!!



友(―――!!)




305 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/23 00:42:20.13 3+52YKDt0 190/465





男「よっ。探したぜ」


友「」





324 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:14:08.16 JxCsq2PG0 191/465




オトコクンモキエタラシイデス!

キュウジョハマダカ !?

ザワ…ザワ…



女「男くん……」グスッ

幼「旅館にも戻ってないらしいし……まさか……」

女「え?」

幼「友を探しに行ったの……?」

女「そ、そんな……無茶だよ……」




325 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:15:14.66 JxCsq2PG0 192/465




先生「お二人とも、やはり旅館に戻って休んだ方が……」

幼「……大丈夫です」

女「ここにいさせて下さい……」

先生「……」

幼「お願いします」

先生「……分かりました」

女「あ、ありがとうございます……」グスッ

先生「今は祈りましょう。二人の無事を―――」




326 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:17:12.59 JxCsq2PG0 193/465




――――――――――――



――――――――



――――



友「な、な……」

男「よう」

友「なんでお前ここにいんの!?」

男「いやー寒ぃなオイ。吹雪マジぱねぇぞ」

友「聞けやコラ!」




327 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:20:08.61 JxCsq2PG0 194/465




男「お前を探しに来た」

友「マジで?」

男「……って言いたいところだけど生憎俺も遭難しちまってな」

友「……」

男「そしたらこの小屋を見つけたって訳だ」

友「……」

男「でもまぁ、お前を見つけられたんなら結果オーライだな」

友「なんだそりゃ……」

男「よっこいせ。いやー寒い寒い」ドサッ

友(なんか腑に落ちなすぎてヤバイけどもうどーでもいいや!)




328 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:21:36.95 JxCsq2PG0 195/465




男「……」

友「……」

男「……皆心配しまくってたぞ」

友「そっか。そうだよな……」

男「ったく。迷惑ばっかかけやがって」

友「……すまん」

男「……」

友「……」








友「……いや、つーかお前も遭難してんだからな?」

男「あ。そういやそうだったな」



329 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:23:18.83 JxCsq2PG0 196/465




男「……おっと、忘れてたわ」スッ

友「ん?」



ピッポッパッ。

プルルルル……プルルルル……プツッ



男「あーもしもし? 俺だけど――」






『――ちょっと!キミ今どこにいるのよ!?』

『だ、大丈夫なの!? 無事なの!?』






友(あぁ、あいつらの声……なんか懐かしい気がするぜ……)




330 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:25:22.93 JxCsq2PG0 197/465



男「大丈夫大丈夫。あと友と合流できたぜ」


『『え!? 本当に!?』』


男「おう。今二人で小屋ん中にいるから」


『『小屋?』』


男「そう。山小屋」


『大丈夫なの?』

『二人とも怪我とかしてない?』


男「余裕余裕」





友(緊張感なさすぎだろ……)




331 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:28:20.30 JxCsq2PG0 198/465




男「おう。おう。大丈夫だって」

男「え? いいっていいって。なんとかなるって」

男「ん? 明日? 了解。友にも言っとくよ」

男「あ、先生? はい。はい。分かりました」

男「あぁうん。余裕だっつーの」

男「はいはーい。じゃあ切るなー」

男「OK。また明日にでも」ピッ







男「うーさみぃ……って、どうした?」

友「あ、なんでもないです」



332 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:30:00.40 JxCsq2PG0 199/465




男「救助隊は明日には到着するってよ」

友「マジで? 良かった……」

男「あと先生が『できるだけ体力は消費しないように』だと」

友「おう。分かった」

男「あと先生が『ポケットとかに入ってる毛玉、あれ火種になりますから』だと」

友「そうなの? ……んーと、こういうやつの事か」ゴソゴソ

男「あと先生が『風速が1m上がるごとに体感温度は1度下がるから絶対に外には出ないように』だとさ」

友「なんか凄ぇなあの人……」




333 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:32:43.45 JxCsq2PG0 200/465



ビュオオォォォ……



男「……」

友「……」



ガタ…ガタガタ……

ビュゴォォォォ……



男「……」

友「……」



ギシ……

メキ…ミシッ……



男「吹雪強ぇな」

友「な」



334 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:35:13.51 JxCsq2PG0 201/465




男「……それにしても暇だな。トランプとかねーの?」

友「ねーよ。ねーよ」

男「ふーん」

友「……なぁ。オレら今遭難してんだぞ?」

男「うん」

友「今夜はここでビバークなんだぞ?」

男「うん」

友「結構危ない状況なんだぞ?」

男「うん」




335 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:37:41.13 JxCsq2PG0 202/465




友「下手したら死んじまうんだぞ?」

男「うん」

友「ホントに分かってる?」

男「うん」

友「ホントか?」

男「うん」

友「絶対だな?」

男「うん。こ」

友「やっぱ分かってねぇ!駄目だこいつ!!」




336 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/24 17:40:35.72 JxCsq2PG0 203/465




友(……安心したらまた眠くなってきたな……)

友「少し休むか。一時間交代でいこうぜ―――」チラッ






男「ZZZ……」






友「……」



友(やっぱ駄目だこいつ……)




344 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:12:03.73 xUNpfBRT0 204/465






――――――――――――



―――――――



――――






345 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:13:20.63 xUNpfBRT0 205/465






友(……)




友(……)




友(あー、あったけぇ……)




友(……)




友(……)









友(……ん? 『あったかい』?)






346 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:15:00.06 xUNpfBRT0 206/465




友(……)



友(……ベッド……?)



友(明るい……)キョロキョロ



友(病院? 医務室?)



友(それとも―――)




347 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:15:59.56 xUNpfBRT0 207/465






幼「―――友っ!!」ガバッ


友「ぅぐぉっ!?」






348 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:18:54.99 xUNpfBRT0 208/465




友(えっ何!? 敵襲!?)

幼「よかった……!よかった……!」グスッ

友「幼……?」

女「本当によかった……」

友「委員長……」

男「よかったよかった」

友「おぉ、お前も」




349 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:20:56.01 xUNpfBRT0 209/465




友「な、なぁ男。これどうなってんの? オレら山小屋にいたよな?」

男「あぁやっぱ覚えてないのか」

友「え?」

男「……あの後な、雪崩があったんだよ」

友「雪崩!?」

男「小規模だったけどな」

友「へぇ……道理で右足が痛いと思ったら。包帯グルグルだと思ったら」

男「骨折だとよ」

友「Oh,f……」




350 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:24:35.49 xUNpfBRT0 210/465




男「……で、雪崩なんて起こったら俺らがいた小屋はふっ飛ぶじゃん?」

友「うん」

男「中にいた俺らも危ないじゃん?」

友「うん」

男「逃げようとするけどお前は寝てるし俺も眠いしでヤバイじゃん?」

友「うん」

男「まぁ諦めるじゃん?」

友「少しは抗って!?」




351 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:28:35.68 xUNpfBRT0 211/465



男「――そんで救助隊がギリで到着と。大体こんな感じかな」

友「そうだったのか……」

女「本当に本当に心配したんだよ?」

友「……ごめん」

男「医者曰く骨折で済んでラッキーだとよ」

友「だよな……」

女「……じゃあわたしと男くんは先生に伝えてくるね」

男「また後でな」



ガララッ……パタン。



友「え? あ、あぁ……」




352 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:31:18.04 xUNpfBRT0 212/465




友「……」

幼「……」

友「な、なぁ」

幼「……なによ」グスッ

友「そろそろ離れてもらってもいいか? かなり恥ずいんだけど」

幼「……やだ」

友「え?」

幼「……ごめん。もう少しだけ……」

友(こいつ、震えてる……?)




353 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:34:40.87 xUNpfBRT0 213/465




幼「……心配したのよ」グスッ

友「あぁ。ごめん」

幼「キミだけじゃなくて男までいなくなって……」

友「……ごめん」

幼「もう会えないかもしれないって思ったら……怖くて……」

友「……」ナデナデ

幼「……」ギュッ




354 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:37:19.38 xUNpfBRT0 214/465




――――――――――――


―――――――


――――



友「そんなこんなで修学旅行は――まぁ殆どが遭難でしたが――無事(?)終わりました」



友「これでようやく冬休み。でも全く安心できないのは気のせいでしょうか」



友「……あ、それと―――」




355 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:40:11.27 xUNpfBRT0 215/465




おまけ。



友「ただいまーっと」



ドタバタドタバタ!



妹「おかえり!大丈夫!? ホントに生きてる!?」

友「大袈裟だよ。ただちょっと遭難しただけだろ?」

妹「脚、痛そうだね」

友「でも骨折で済んで良かったぜ」

妹「あ。荷物はあたしが持つよ」

友「サンキュ」




356 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:42:54.84 xUNpfBRT0 216/465



リビング。


友「ただいまー」

姉「……おかえり」

友「いやー疲れたー」ドサッ

姉「……」

友「ねみー……」

姉「おい」

友「ん?」

姉「……」

友「どうした?」



357 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:44:37.59 xUNpfBRT0 217/465




姉「……あとで洗濯物とか出しとけ」スクッ

友「あ、おう」




スタスタ……ガチャッ、バタン。




友「……」

妹「……お姉ちゃんも素直じゃないなぁ」

友「?」




358 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:47:29.82 xUNpfBRT0 218/465




妹「兄貴が遭難したって学校から連絡来た時、お姉ちゃん大泣きしてたんだよ?」

友「マジで?」

妹「それこそ何も手に付かなくなるくらいにね」

友「いやホントに心配かけたみたいですんませんした」

妹「いいっていいって。代わりにあたしが遭難すれば良かったんだよ。うん」

友「……悪いけど今日は疲れてるから突っ込まねーよ?」




359 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:49:36.93 xUNpfBRT0 219/465




妹「……まぁとにかく。お姉ちゃんのこと慰めてあげてよ」

友「……」

妹「多分兄貴のこと抱き締めたくてしょーがないんだろうけど、
怪我もしてるし面目も立たないから我慢してるんだと思う」

友「シメたいの間違いじゃね?」

妹「いいから!ほら行った行った!」

友「えー……姉貴はそんなタマじゃねーだろ……」




360 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:51:25.44 xUNpfBRT0 220/465



――――――――――――


――――――――


――――



コンコン。



友「姉貴?」



< ……



友「……」



< ……



友「入るぞ?」



ガチャッ……




361 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:54:33.14 xUNpfBRT0 221/465




姉「……」ギロッ

友(なんか懐かしいな。あの眼光)

姉「なに」

友「……その、なんだ。心配かけて悪かったな」

姉「……」

友「あ、包丁はしまってね」

姉「……」

友「まぁ姉貴は心配なんてしてなかったかもしれないけどさ」

姉「……!」ピクッ




362 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 00:58:01.12 xUNpfBRT0 222/465




友「……」

姉「……」

友「……じ、じゃあオレは部屋に戻るわ」

姉「―――待て」

友「ん?」

姉「……」スタスタ








姉「……痛かったら、言え」

友「え?」



ギュッ……




363 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 01:00:55.33 xUNpfBRT0 223/465




友「」

姉「……」

友「」

姉「……」

友(あ、姉貴が……だ、だ、抱きついてきたたたたたたたたたたたたtttt)

姉「……」

友(あ、すげーあったけぇ……最近よく抱きつかれんなぁ)

姉「……」

友(……じゃなくて!なんだこれ!このまま自爆テロでもする気か!?)

姉「……」ギュッ




364 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 01:05:30.74 xUNpfBRT0 224/465




友「……なぁ」

姉「……」

友(無視されました)

姉「……」

友「姉貴――」

姉「――心配しないわけない」

友「!」

姉「心配しないわけ、ない……」ギュッ

友「……ごめん」




365 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 01:09:10.63 xUNpfBRT0 225/465




姉「……」

友「……」

姉「……」

友(……そろそろ恥ずかしくなってきたな……)

友「悪い姉貴。そろそろ……」

姉「……」

友「姉貴?」

姉「え? あ、うん……」スッ




366 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 01:11:34.19 xUNpfBRT0 226/465




友(正直このあったかさは名残惜しいが……)スッ

友「……ホントに心配かけてごめんな」

姉「許さない」

友「それに心配して大泣きしてくれたんだって?」

姉「!!!!」

友「妹が教えてくれたよ」

姉「い、いや、それは……その……」

友「ありがとな」

姉「……ちっ……」




367 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 01:14:35.93 xUNpfBRT0 227/465



―――――――――――


―――――――


――――



友「……」ペラッ



< 「あれ? どうしたのお姉ちゃん」

< 「……」



友「……」



< 「な、なんで刀持ってるの……?」

< 「……」




368 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/25 01:18:29.92 xUNpfBRT0 228/465




友「……」ペラッ



< 「顔真っ赤だよ? 大丈夫?」

< 「……」

< 「あれ? もしかして怒ってる? あたし何かしましたか……?」



友「……」



< 「ちょっ、怖いよお姉ちゃん! 待って待って待って!」

< 「……」

< 「ご、ごめんなさい!なんか知らないけどごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!」



友「……」







友「……今夜も冷えるな……」




379 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:31:25.44 IQyy+opc0 229/465




友家。



友(あーあ。脚怪我してっとマジでやることねぇなぁ)


友(せっかく良い天気で散歩日和だってのに……)


友(……)



ピーンポーン



友(ん?)




380 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:33:26.88 IQyy+opc0 230/465



友(……今は姉貴も妹もいないんだったっけ)


友(面倒だし居留守つかうか……)



ピーンポーン



友「いませんよーっと」



ピーンポーン



友(……)



381 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:35:39.46 IQyy+opc0 231/465




友(……)


友(……よし。諦めたみたいだな)


友(……)



ブーッブーッブーッ



友(電話? 面倒くせぇなぁ……)


友(幼からか)スッ


友「もしもし」




382 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:36:58.18 IQyy+opc0 232/465



『もしもし? 今どこにいる?』

友「家だけど」

『あ、そうなの? 私今玄関にいるんだけどさ』

友「あぁ、お前だったのか。悪い悪い」

『居留守つかわないでよね』

友「めんご。多分鍵は開いてるだろうから入っていいぜ」

『はーい。じゃあ切るね』プツッ



< ガチャッ……


< 「お邪魔しまーす」




383 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:39:31.26 IQyy+opc0 233/465




幼「や。おはよう」

友「おう。どうした?」

幼「お見舞いよお見舞い」

友「わざわざ悪いな」

幼「なんのなんの。これ差し入れね」ハイ

友「サンキュ」

幼「よいしょ。……あー寒い寒い」




384 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:41:25.80 IQyy+opc0 234/465




友「オレから聞くのもアレなんだけど男と委員長はいないのか?」

幼「うん」

友「そっか……まぁ別に寂しくないけどな。別に」

幼「今日は私が個人的にお見舞いに来ただけよ? そもそも二人の事は誘ってないし」

友「へ、へぇ……そうだったのか。別に寂しくないけどな」

幼「ふふっ。冷たく扱われてる訳じゃないって分かって安心した?」

友「うっせ」




385 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:43:34.45 IQyy+opc0 235/465



幼「……脚、痛い?」

友「んー、それほど。ただ歩きにくいのはやっぱ辛いわ」

幼「……そっか」

友「あと風呂もめんどいな」

幼(お風呂……か)

幼「……ねぇ」

友「ん?」







幼「お、お風呂、誰かに入れてもらったりしてるの……?」

友「はぁ?(テノール声)」




386 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:45:13.19 IQyy+opc0 236/465




幼「いや、別に大して興味はアレなんだけどね!? ただ純粋に疑問に思って―――」

友「風呂の話に食いつくとは思わなんだ」

幼「別にキミが身体のどこから洗うかとかには興味はないんだけど?
ただお姉さんとか妹ちゃんと一緒にっていうのも……ねぇ?」

友「え? さっきからお前はオレを蔑みたいの?」

幼「どうなの? 怪我を口実に一緒に入ったりしてないよね?」

友「してねーよ。入る時は脚にビニール袋まいてる」

幼「……そ、そう」




387 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:47:44.39 IQyy+opc0 237/465




幼「……それならまぁいいんだけどさ……」

友「何がいいんだよ?」

幼「何でもない!」

友「……」

幼「……」








友(……こいつもたまーに変なこと言い出すんだよなぁ)

幼「何その目?」

友「いや別に?」




388 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:50:24.55 IQyy+opc0 238/465




幼「……」ブルッ

友「寒い? 暖房つけるか」

幼「ごめん。ありがと」

友「それと茶ぁ入れてくるわ」

幼「私も手伝おっか?」

友「そりゃ助かる……よっこいせ」

幼「はい。松葉杖」

友「おう。サンキュ―――」スッ








友「―――いや、ちょっと待ってくれ」

幼「どしたの?」




389 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:52:46.55 IQyy+opc0 239/465




友「オレの直感が告げてやがる」

幼「何を?」

友「このままオレが立ち上がるじゃん?」

幼「うん」

友「そうすっとふらついてお前の事をベッドに押し倒しちゃうじゃん?」

幼「えっ」

友「そんでもって丁度帰ってきた姉貴か妹にその場面を見られて説教……と」

幼「えっ?」

友「まさにテンプレだぜ……だがオレは学んでるんだ。似たような手は食わん」

幼「ごめんちょっとなにをいってるかわからないです」




390 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:55:51.25 IQyy+opc0 240/465




友「という訳で幼。先にリビング行っててくれ」

幼「うん、まぁいいけど……」

友「時間差で降りればそういうハプニングは起こらないだろ?」

幼「??」

友「ぶっちゃけオレも疲れてるから面倒事は起こしたくないんだよ」

幼「ごめんほんとうになにをいってるかわからないです」

友「ほっとけ。そしてオレの言う通りにしてくれ」





幼(……友もたまーに変なこと言い出すのよね……)




391 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 00:58:18.71 IQyy+opc0 241/465




リビング。



友「コーヒーか紅茶か緑茶どれにする?」

幼「キミと同じのでいいよー。あとお皿借りていい?」

友「おう。そこの棚な」

幼(……あ、このお皿かわいい)

友「砂糖とミルクいるよな?」

幼「うん。沢山ね」

友「この甘党め」

幼「女子は大体そうなの!」




392 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:01:01.09 IQyy+opc0 242/465




友「―――よし。茶菓子の準備もできたし」

幼「戻ろっか」

友「……」ヒョコヒョコ

幼「……」スタスタ

友「……階段だな」

幼「う、うん。そうね」

友「……」








友「ここでもオレの凄い直感がヤバイ」

幼「えっ、また?」




393 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:04:29.70 IQyy+opc0 243/465




友「あぁ。まずお前が先頭になって階段を登った時」

幼「うん」

友「お前が足を滑らせる→下の方にいたオレも巻き添え→怪我してるし支えられない→
くんずほぐれず→そこを丁度帰ってきた姉貴か妹に見られる→fly away って流れだ」

幼「えっ」

友「次にオレが先頭になって階段を登った時」

幼「……」

友「オレが足を滑らせる→以下同文……となる」

幼「……そ、そう」

友「だから先に部屋に戻っててくれ!」

幼「はいはい……」ハァ




394 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:08:32.64 IQyy+opc0 244/465




友「……」ペラッ

幼「……」ペラッ

友「……」

幼「……ねぇ、この次の巻どこ?」

友「――あ。それ男に貸したままだったの忘れてたわ」

幼「えー」

友「悪い悪い。もう冬休みだし直接あいつん家に出向いてくれや」

幼「うーん、でもさ……」

友「?」

幼「男の家ってどこにあるの?」

友「そりゃお前アレだよ。ほら………………ごめん。オレも知らないわ」




395 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:11:08.01 IQyy+opc0 245/465




――――――――――――――


――――――――――


――――――



玄関。



ガチャッ……



妹「ただいまーっと」


妹(あれ? この靴……幼さん来てるのかな?)




396 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:14:39.41 IQyy+opc0 246/465




妹「……」スタスタ



< 「ちょっ、ちょっと……」



妹(? 兄貴の部屋から……)



< 「先にイっちゃ駄目よ?」

< 「オレの勝手だろ。だってお前すげー上手いんだもん」



妹「!?」




397 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:18:45.78 IQyy+opc0 247/465




妹(こ、これって……これって……)ドキドキ



< 「お前初めてじゃないんじゃねーの?」

< 「初めてよ!」



妹(……)



< 「あぁもう我満できねぇ!オラオラオラ!!」

< 「ちょ、待って待って!」

< 「待たん!」

< 「もう。乱暴なんだから……」



妹(……)




398 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:22:43.13 IQyy+opc0 248/465




< 「は、早い!早いってばぁ!」

< 「オラオラオラオラ!!」

< 「駄目!イかないで!」



妹(と、止めないと!このままじゃ……)


妹(既成事実→幼さんが嫁に→兄貴が「ついでに妹にもなってくれ」→あたしは破門……ってなる!!)






妹「―――やだ!捨てないで!!」





バターン!!





友「!?」ビクッ

幼「!」ビクッ




399 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:25:55.01 IQyy+opc0 249/465




妹「何やってるの!? まだ夜になってないのに何やってるの!?」

友「え? いや……」

妹「早いって何!? 『先にイかないで』って何!?」

友「お、落ち着け――」

妹「もうやだ!学校なんてやめてやる!!」

友「なんでや!学校関係ないやろ!」

妹「不潔な事ばっかりして!何やってんの!?」

友「いや、何ってそりゃ―――」






TV< Here we goー!






友「―――マ○オカートだけど」




400 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:29:19.19 IQyy+opc0 250/465




妹「え? ○リオカート? え?」

友「そうだよ。見りゃ分かんだろ」

妹「……」

幼「妹ちゃんも一緒にやらない?」

妹「……」

幼「妹ちゃん?」

妹「……いえ、遠慮しときます」

幼「そ、そっか」

妹「……」




401 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/28 01:33:54.92 IQyy+opc0 251/465




妹「分かってたもん……」

友「ん?」

妹「マリ○カートだって分かってたもん!別に変な勘違いしてないもん!」

友「あ、うん」

妹「それじゃあごゆっくり末長くお幸せに!!」




ガチャッ、バタ―――ン!




幼「なんで若干涙目だったのかな?」

友「んな事より続きやろうぜ!」

幼(……あ、日常茶飯事なんだ。こういうの)




414 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:19:56.94 ZPXpHEHX0 252/465




とある日。



TV < 「はい。次はPN『デツコ・マラックス』さんから」

TV < 「『私には好きな人がいます』……おぉ。青春ですねぇ」



姉「……」



TV < 「『でも彼は凄く鈍感で私のアプローチに全く気づいてくれません。どうしたらいいでしょうか』」

TV < 「あー、鈍感な人ってどの時代にもいるんですねー」



姉「……」




415 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:22:48.89 ZPXpHEHX0 253/465




TV< 「そうですね。鈍感な人には力技しかないと思いますよ」

TV< 「力技ですか?」

TV< 「えぇ。二人きりで面と向かって『あなたが好きです』と。
こうすればどんな鈍感な人でも流石に分かってくれるでしょう」



姉「……」



TV< 「『そんな勇気あったら苦労しねーよ』と思う方もいるでしょう。しかし本当に好きなら言うべきです」

TV< 「ふむふむ」



姉「……」




416 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:26:30.49 ZPXpHEHX0 254/465




TV< 「失敗すると考えてはいけません。成功すると思いなさい」

TV< 「ふむふむ」



姉「……」



TV< 「恥ずかしさは一瞬、喜びは一生のものですから」

TV< 「なるほど。良い言葉ですね」

TV< 「私の知人に高校教師がいましてね。その人の受け売りですが」



姉「……」




417 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:29:40.96 ZPXpHEHX0 255/465




TV< 「……では次のお便りに行きましょう」

TV< 「続いてPN――」



ガチャッ……。



友「はよーっす」

姉「!」

友「姉貴だけか」ヒョコヒョコ

姉「……」




418 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:33:35.70 ZPXpHEHX0 256/465




友「あれ? 髪に埃ついてるぞ」スッ

姉「―――!!」

友「ど、どうした?」

姉「……べ、別に……//」

友「そうか? じゃ動くなよ―――」

姉「触るな!自分で取れる!!」ギロッ

友「ごめんなさいッッッ」

姉「……ちっ……」




419 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:37:01.49 ZPXpHEHX0 257/465




姉「……」

友(顔真っ赤だ……ホントに大丈夫なのか?)

姉「……」

友「なぁ。熱とかあるか?」

姉「……別に」

友「咳とかは? 喉の痛みとか鼻水は?」

姉「ない」

友「……」

姉「……」




420 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:39:42.97 ZPXpHEHX0 258/465




友「一応風邪薬のんどけ」

姉「大丈夫」

友「一応だよ一応。冷えるからな」

姉「いい」

友「……ほら、アレだ」

姉「?」

友「姉貴が熱出したりして寝込んだらオレと妹は生きてけないだろうからさ」

姉「ッ……!///」ギロッ

友(あれ? 説得ミスった!?)




421 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:42:11.95 ZPXpHEHX0 259/465




姉「……」

友「……」

姉「……あんたって、鈍感」

友「そうか? ていうかなんでいきなり?」

姉「……」

友「?」








姉「……ちょっと散歩してくる」




422 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:43:34.22 ZPXpHEHX0 260/465




―――――――――――――



――――――――



――――




423 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:46:43.54 ZPXpHEHX0 261/465




姉「……」スタスタ



姉「……」スタスタ



姉(……なんで今日に限ってあんなに……)



姉「……」スタスタ



姉「……ちっ……」スタスタ






周りの人(なにあの子こわい)




424 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:49:46.99 ZPXpHEHX0 262/465




姉(『恥ずかしさは一瞬、喜びは一生』……)



姉「……」



姉(力技……か)



姉「……」スタスタ



姉「……」ピタッ



姉(逃げ――じゃなくて飛び出して来ちゃったけど……どこに行こう)




425 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:53:06.15 ZPXpHEHX0 263/465




姉(……ん?)



< 「へへっ。いいじゃん!俺とお茶しようよ」

< 「こ、困ります……」



姉(あの子……)



< 「奢ってあげるから!ね?」

< 「わたし彼氏がいるので……」

< 「そんなんどうでもいいからついてこいよ」

< 「あ、あの……」




427 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:58:49.22 ZPXpHEHX0 264/465




姉「……おい」

DQN「あぁん?」

女「あ、お姉さん!」

DQN「おいおいちょっと待って。あんた誰?」

姉「……」

DQN「もしかしてあんたが代わりになってくれんの? 積極的だねぇ」

姉「……」イラッ

DQN「じゃあ早速行こうぜ―――」







姉「……」スッ…




428 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 00:59:53.96 ZPXpHEHX0 265/465






※しばらくお待ち下さい※






429 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 01:03:37.17 ZPXpHEHX0 266/465




――――――――――――



――――――――



――――




女「ホントにありがとうございます。助かりました!」

姉「……別に。気を付けなよ」

女「はい!」

姉「……」




432 : ◆WhhIgObi8E - 2012/07/31 01:08:34.44 ZPXpHEHX0 267/465




女「お姉さんは何してたんですか?」

姉「………………散歩?」

女「あははっ。なんで疑問形なんですか?」

姉「女さんは?」

女「わたしも暇だったんでお散歩に……」

姉「……」

女「このあと時間ありますか?」

姉「……まぁ」

女「じゃあちょっとファミレスにでも入りません? さっきのお礼もしたいですし!」




446 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:21:12.16 eURK7/uI0 268/465




ファミレス。



女「―――それで、友くんってば男くんと―――」

姉「……そうなんだ」

女「いやホントに面白かったですよー」

姉「……」

女「あ、そういえば妹ちゃんは元気ですか?」

姉「元気すぎる」

女「あはは」




447 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:24:38.28 eURK7/uI0 269/465




姉「……そういえば」

女「はい?」

姉「女さんは男くんと付き合ってるんだったよね」

女「そうですよー」

姉「……」

女「それがどうかしたんですか?」

姉「……いや、別に……」

女「??」




448 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:27:56.34 eURK7/uI0 270/465




姉「……女さんは」

女「はい?」

姉「男くんのどういう所を好きになったの?」

女「そうですねー、長くなりますけどいいですか?」

姉「大丈夫」

女「まず挙げられるのがどんな事をしてもわたしに付き合ってくれた所ですね」

姉「……」

女「何をしてもわたしを見ていてくれますし、わたしの事を第一に考えてくれますし……」

姉「……」




449 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:30:58.36 eURK7/uI0 271/465




十分後。



女「―――それに男くんってクールですし、心も広くて包容力があって……」

姉「……本当に好きなんだね」

女「はい!最初はたまーに話が噛み合わなかったりもしましたが、今じゃ……」

姉「?」

女「大好きです。男くんの全部が好きです」

姉「……」

女「な、なんだか恥ずかしいですね……///」テレッ

姉「……ふふっ」




450 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:32:38.16 eURK7/uI0 272/465




女「でもどうかしたんですか急に? お姉さんからそんな事を聞かれるなんて……」

姉「べ、別に……」

女「?」

姉「……」

女「…………お姉さんは」

姉「?」








女「……好きな人、いますか?」

姉「!!!!」




451 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:37:11.97 eURK7/uI0 273/465




姉「え? 今……は? あ? 何が? なんっ……え?」

女「お、お姉さん!?」

姉「何が? 何が?」ミシミシ…

女(スプーンが千切れてる!!しかも縦に!!)

姉「……今日はいい天気。もういくつ寝るとお正月……」ミシミシ…

女「あ、やっぱり何でもないです!何でもないです!」

姉「……ちっ……!!」ギリギリ

女「おおお落ち着いて下さい!」




452 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:39:27.60 eURK7/uI0 274/465




女「だ、大丈夫ですか?」

姉「……」ゼェハァゼェハァ

女(お姉さんがこんなに慌てた所なんて初めて見たよ……)

姉「……ごめん」

女「いえいえ、わたしの方こそ……」

姉「ちょっと飲み物取ってくる」

女「あ、はい」






453 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:41:22.63 eURK7/uI0 275/465






女(戻ってきてからはずっと無言のままだ……わたし変なこと言っちゃったのかなぁ)

姉「……」

女「……」

姉「……私……」ボソッ

女「は、はいっ!何ですか?」

姉「……」

女「??」




454 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:45:18.37 eURK7/uI0 276/465




姉「私……の友達の話なんだけど」

女「はい」

姉「その……」

女「はい」

姉「す、好きな人がいるらしい」

女「……そ、そうなんですか」

姉「でも相手が凄く鈍感で、自分の事を……その、恋愛対象として見てないらしい」

女「……」




455 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:49:00.34 eURK7/uI0 277/465




女「お姉さんは―――」

姉「私じゃない。私の友達の話」

女「……あ、はい。その人は相手の男の人とはどんな関係なんですか?」

姉「おとうt……幼馴染だって」

女「幼馴染ですか」

姉「……そ、それとライバルみたいなのもいる。らしい」

女「そのライバルさんは?」

姉「……可愛くていい子」

女「それは大変ですね……」




456 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:52:07.63 eURK7/uI0 278/465




女「……でもお姉さんに好かれるなんてその人も幸せ者ですね」

姉「私じゃない。私の友達の話」ギロッ

女「ご、ごめんなさい!」

姉「……それで」

女「はい?」

姉「聞きたいことがある」

女「わたしにですか?」

姉「そう」

女「構いませんけど……」




457 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:55:50.84 eURK7/uI0 279/465




姉「……女さんは……」

女「はい」

姉「ど、どうやって男くんを……男くんと……」

女「付き合ったか―――ですか?」

姉「ん、まぁ、そう……かな」

女「わたしと男くんの馴れ初めですかぁ。これも長くなりますよ?」

姉「いい。教えて」

女「まずわたしが男くんを監禁したところから始まるんですが―――」

姉「えっ」

女「えっ」




459 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 00:59:17.73 eURK7/uI0 280/465




姉「換金?」

女「えーっと、そっちじゃないです」

姉「……」

女「とにかく。男くんを監禁したんです」

姉「あ、うん」

女「そうしたらいつの間にか付き合ってました」

姉「えっ」

女「えっ」

姉「すぐ話終わっちゃったけど」

女「そうですね」




460 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 01:04:30.10 eURK7/uI0 281/465




女「懐かしいなぁ。もうあれから一年くらい経つんだ……」

姉「……監禁された事について男くんは?」

女「全然気にしてないみたいですよ。というより監禁中も恐ろしく堂々としてましたし」

姉「……」

女「根比べでしたね。何回も監禁したんですが―――」

姉「な、何回も?」

女「はい……///」エヘヘ

姉「……」




461 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 01:08:15.33 eURK7/uI0 282/465




女「あ、そういえばこの前も久し振りに縛ったんですよ」

姉「あ、うん」

女「そうしたら男くんってば……」

姉「?」

女「……えへへへへへへ……」

姉「何かあったの?」

女「えっと、その……」

姉「?」

女「優しくしてくれました……///」

姉「!!」

女「最初は少し痛かったですけど、それよりも嬉しさが……///」

姉「」




462 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 01:11:20.51 eURK7/uI0 283/465






女「―――と、大体こんな感じですね」

姉「……」

女「参考になればいいですけど……」

姉「……ありがとう」

女「いえいえ。また聞きたいことがあったらいつでもどうぞ!」

姉「……」

女「わたしにできる事でお姉さんの為になるなら―――」

姉「おい」ギロッ

女「は、はい!?」ビクッ

姉「何回も言ってるけど、私の友達の話だから」

女「……は、はい……」




463 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/01 01:16:50.72 eURK7/uI0 284/465




――――――――――――――



―――――――――



――――



姉(……)スタスタ



姉(……)



姉(……監禁……か)



姉(……)







姉「……ちっ……」




478 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:26:47.26 m7/fM/sp0 285/465




十二月二十四日。



友「……」



友「……」ペラッ



友「……クーリスマスが今年もやってくるーっと」



友「……」ペラッ



友(……ヤバイ。だってのに暇すぎる)




479 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:29:28.46 m7/fM/sp0 286/465




友(男と委員長は二人でキャッキャウフフ、幼は家族でパーティーと)



友(……)



友(もしかしてオレ友達少ない? そんなことないよな?)



友(……ていうかどうせ遊びに誘われても脚まだ治ってないから行けないわーマジつらいわー)



友(……)



友(……)



友(チクショウ何がクリスマスだ!死ね!)




480 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:32:29.84 m7/fM/sp0 287/465




友(……そういや妹は珍しく友達の家に泊まりに行ったんだっけ。姉貴は家にいるみたいだけど)


友(はぁ。せめてオレも脚さえ治ってれば散歩とかできたんだが……)




――ガンッ!




友「んー」




ガチャッ……




姉「……」




481 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:36:23.05 m7/fM/sp0 288/465




姉「……」

友「どした?」

姉「昼、出前とる」

友「そうなん? じゃあオレは天丼にしようかな」

姉「……」

友「……あ、寒いしやっぱりきつねうどんで」

姉「……ん」




ガチャッ……バタン。




友「……」ペラッ




482 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:38:14.92 m7/fM/sp0 289/465




――――――――――――



――――――――



――――





そして。



友「いただきまーす」

姉「いただきます」

友「姉貴は天丼にしたのか」

姉「少しやる」

友「いいの? サンキュ」




483 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:42:03.06 m7/fM/sp0 290/465




TV < 「今日はクリスマスイブ。街は既にイルミネーションが――」



友「……姉貴はさぁ」

姉「ん」

友「クリスマス、どっか行かないのか?」



バキッ!



友「ほぅっ!?」ビクッ

姉「……」

友(割り箸が粉々に!これもしかして地雷踏んだ!?)




484 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:43:39.31 m7/fM/sp0 291/465




姉「……」



友(ヤバイ踏んだっぽい!どうする……!?)

友(……あ、そういや前に男が変なこと言ってたっけ……)





ホワンホワンホワン……




485 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:46:00.75 m7/fM/sp0 292/465




男『訳も分からないまま女性を怒らせてしまった時の対処法』

友『は?』

男『訳も分からないまま女性を怒らせてしまった時の対処法!』

友『あ、はい』

男『……アレだ。こう、可愛いとか言っとけば大丈夫だ』

友『お前から始めといて何それ?』

男『以上。訳も分からないまま女性を(ry でしたー』

友『お前って本ッッッ当にテキトーだよな!!』




486 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:47:32.19 m7/fM/sp0 293/465





……ホワンホワンホワン



友(……)



友(……ま、駄目元で試してみるか……)








友「……いやほら、姉貴って美人なんだからクリスマスとか誘われたりしねーの?」

姉「!!!!」




487 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:50:52.95 m7/fM/sp0 294/465




姉「あ? い、今あんた、何…………はぁ!?」ギロッ

友(やっぱ駄目だった!!)

姉「び、美……って……」

友(……あれ? でも案外大人しいぞ……?)

姉「……ちっ……」

友「?」

姉「……」

友(顔赤っ!調理された海老並みだぜ……天丼だけにっつって笑)




488 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:54:04.50 m7/fM/sp0 295/465




姉「……」

友「……」

姉「あんたこそ」

友「はい!」

姉「あんたこそ誘われないの?」

友「男と委員長は二人きりで幼は家の人とパーティーだと」

姉「……」

友「それに脚もまだ治ってねーし、今年は家でゴロゴロかな?」

姉「……そう」







姉(二人きり、か……)




489 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:56:36.46 m7/fM/sp0 296/465




そして。



姉「……ごちそうさま」

友「ごっそーさん」

姉「紅茶、入れる」

友「お。手伝うぜ」

姉「座ってろ」ギロッ

友「御意」

姉「……」




490 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 00:59:34.39 m7/fM/sp0 297/465




姉「……はい」コトッ

友「サンキュ」

姉「……」ジーッ

友「……」

姉「……」ジーッ

友「なんで睨んでるんですか?」

姉「睨んでない」

友(どうみても睨んでます)

姉「飲め」

友「ん、あぁ、飲むよ」ゴクッ

姉「……」




491 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 01:03:28.72 m7/fM/sp0 298/465




友「ふー」

姉「……」

友「姉貴も飲めよ。身体暖まるぜ」

姉「あ、うん。分かってる」

友「?」

姉「……」ソワソワ

友「やっぱ冬にゃホットだな」

姉「そ、そう」

友「?」

姉「……」ソワソワ

友(なんでソワソワしてんだ?)




492 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 01:06:29.50 m7/fM/sp0 299/465






友(……)



友(……)



友(……ん? あれ……?)



友(……)ウトウト



友(な、なんか……急に……眠……)ウトウト



友(……?)ウトウト






493 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/03 01:09:47.30 m7/fM/sp0 300/465





――――――――――――



――――――――



――――





505 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:19:46.19 Lnj71dAL0 301/465




幼家。



幼(クリスマスイブか……)


幼(本当は皆で遊びたかったとこだけど、たまには家族で食事もいいか)


幼(ふふっ……)


幼(……)






幼(ねぇ友、キミは今頃なにをしてるの?)




507 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:21:11.78 Lnj71dAL0 302/465






友「―――!」ハッ






508 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:24:04.41 Lnj71dAL0 303/465




友(あれ? オレ……さっき……)



友(寝てる……柔らかい……ベッド?)



友(――そうだ。姉貴と紅茶飲んでたら急に眠くなって……)



友(……それから……?)





ジャラ……





友(え? 何これ手錠!?)




509 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:28:51.73 Lnj71dAL0 304/465




友(両腕に手錠……? なんで? どうして?)


友(一体誰が―――)




ガチャッ……




友「!」

姉「……」

友「あれ? 姉貴?」




510 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:30:28.54 Lnj71dAL0 305/465




姉「……」

友「丁度よかった。これ外してくんない?」

姉「……」

友「なんかいつの間にか手錠掛けられててさ」

姉「……」

友「全く、世の中どうなってんだよなぁ……」

姉「……」

友「……あ、姉貴?」




511 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:34:55.04 Lnj71dAL0 306/465




姉「……」



カチャッ……



友「……なんで鍵掛けんの?」

姉「……」

友「おい、姉貴」

姉「……」



スタスタ……



友(ちょっ、無言で近寄るな!怖いから!)




512 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:37:18.54 Lnj71dAL0 307/465




友「……なぁ、もしかしてこれ姉貴の仕業か?」

姉「そう」

友「だよな!そんな訳ないよな!あっぶねー!」

姉「……」

友「まさかさっきの紅茶に睡眠薬入れたとか有り得ないよな!」

姉「入れた」

友「だよな!そんな事しないよな!愚問だったぜ!」

姉「……」

友「……」








友(―――チクショオォォォォォォ!!(AA略))




513 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:39:38.06 Lnj71dAL0 308/465




友「OK、一応聞いておこう。なんでこんな事したの?」

姉「……」

友「答えてくれ。どんな事でもいいから」

姉「……じゃあ、なんとなく」

友「じゃあじゃねーよ!」

姉「だって『どんな事でもいい』って」

友「いいかもっかい言うぞ? じゃあじゃねーよ!」

姉「……ちっ」ギロッ

友「あっ調子に乗りましたごめんなさい」ビクッ




514 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:43:27.39 Lnj71dAL0 309/465




友(理由は分からずか……男の奴も最初はこんな感じだったんかな?)


友(委員長もよく飽きずに何回も……)


友(……)


友(委員長……手錠……睡眠薬……)


友(……)





友「……姉貴」

姉「なに」

友「もしかして委員長と会った?」

姉「!!」

友(会ったんかい!)




515 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:46:59.39 Lnj71dAL0 310/465




友(って事はアレか。委員長がなんか姉貴に吹き込んだのか?)


友(いや何してくれてんのあの子!?)





姉「……おい」

友「ん」

姉「あんたは今、縛られてる」

友「悲しいことにな。つーか主犯が目の前にいるし」

姉「……」




516 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:48:24.14 Lnj71dAL0 311/465




姉「……」





『―――とにかく。男くんを監禁したんです』

『そうしたら、いつの間にか付き合ってました―――』





姉「おい」

友「なに……」

姉「今どんな気分だ」

友「えっ」

姉「どんな気分だ」

友「いや、また面倒な事になったなーと」

姉「……」




517 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:53:31.59 Lnj71dAL0 312/465




姉「おい」

友「なに……」

姉「……わ、私を見ろ」

友「ん? 見てるけど」

姉「……」

友「?」

姉「何か感じない?」

友「何を?」

姉「……ちっ……」

友(えぇぇ!? もう訳わかんねぇ!!)




518 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:56:48.58 Lnj71dAL0 313/465




友「なぁ。これ外してくれよ」

姉「駄目」

友「なんでだよ……」

姉「まだ駄目」

友「まだ?」

姉「……」

友「……」ハァ





友(……あ、そういや前に男が話してたっけ……)




ホワンホワンホワン……




519 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 00:59:09.99 Lnj71dAL0 314/465




男『訳も分からないまま監禁されてしまった時の対処法』

友『は?』

男『訳も分からないまま監禁されてしまった時の対処法!』

友『あ、はい』

男『……まず第一に堂々とする事が重要だな』

友『うん』

男『冷静に対処すりゃ無傷で脱出できるし』

友『何回も脱出してるお前が言うと説得力あるけど何回も監禁されてるお前が言っても説得力ないな』




520 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 01:03:26.54 Lnj71dAL0 315/465




男『まぁ慣れてくれば誰でもできるから』

友『慣れたくはないけどな』

男『以上。訳も分からないまま監禁されて(ry でしたー』

友『まぁオレを監禁したがるような奴がいるとは思えねぇし大丈夫だろ―――』





……ホワンホワンホワン





友(―――そう考えていた時期が僕にもありました)




521 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 01:05:29.97 Lnj71dAL0 316/465




友(よし、まずは落ち着こう。これが赤の他人だったらかなり動揺すっけど姉貴だからまだマシ(?)だ)


友(落ち着いて落ち着いて考えよう。なんでオレを縛ったのか。目的は何か)


友(第一に姉貴は委員長と会って駄弁ったらしい。で、その後にいきなりこれだ。って事は内容は監禁について……?)


友(……)


友(だとしたら女二人でなんて会話してんだよ……)


友(……おっといかん。話がずれたな)




522 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 01:07:38.87 Lnj71dAL0 317/465




友(第二に、目的は……?)


友(睡眠薬と手錠を前もって準備してるって事は計画的犯行だな)


友(……)


友(目的……真っ先に思いつくのはアレだ)


友(最近調子こいてるからちょっとコイツお灸据えとくか。みたいな)


友(クリスマスイブだしプレゼントの代わりに引導を渡しとくか。みたいな)




523 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 01:11:58.42 Lnj71dAL0 318/465




友(……って事は今からオレは千の風になるって訳だな、うん)


友(……)


友(……)








友(うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)


友(いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)


友(クリスマスイブが命日とかいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)




524 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/05 01:16:56.67 Lnj71dAL0 319/465




姉「……夜ご飯、なに食べたい」

友「何でもいいです手錠外して下さい」

姉「だめ」

友「オレも手伝うから手錠外して下さい」

姉「だめ」

友「スマブラやろうぜ!」

姉「だめ」

友「……脚痛いから手錠外して」

姉「あ……えっと……」

友(キタ!?)

姉「……ごめん。だめ」

友「……」







友(……あぁ、本能寺の信長ってこんな気分だったんだろうな……)




541 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/07 23:49:38.67 SwGxWbP/0 320/465




友「―――十二月二十四日。クリスマスイブ」


友「今日と明日。この二日間は誰もが楽しみにしてるでしょう」


友「街はイルミネーションに彩られ、怪我で外出できないオレでさえTVを見てても心が弾みます」


友「まぁ、今年はのんびり炬燵でみかんでも食べようかな」




542 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/07 23:53:23.80 SwGxWbP/0 321/465




友「たまにはそういうのも乙なモンじゃないですか?」


友「のんびり、皆で平和に―――」





ジャラ……





友「……」






友「クソがぁぁぁぁ!平和なんて嘘っぱちだぁぁぁぁ!!」←監禁中




543 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/07 23:55:55.72 SwGxWbP/0 322/465




友(なんとかして脱出しねーと。まぁ自分の姉貴の部屋から『脱出』ってのもおかしいけど)


友(怪我してるから脚だけは自由だ。優しいんだか優しくないんだか……)


友(今、姉貴は台所で夜飯を作ってる)


友(そもそも自分から行動する事なんて殆ど無かった姉貴がなんでこんな事を……)


友(……まぁ取りあえずそれは置いといて、と。どうすっかな……)キョロキョロ




544 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/07 23:59:37.10 SwGxWbP/0 323/465




友(部屋にはベッドと勉強机と箪笥だけ……つーか質素過ぎるだろ。普段部屋で何してんだ?)


友(とにかく、周りの物を使って手錠を外して脱出って流れは無理だな)


友(となると説得して外してもらうって案だが……さっきのやり取りからして難しそうだ)


友(あるいは他人任せだが助けが来るのを待つか……まぁこれは有り得ないな)


友(男はアテにならんし委員長もちょっと抜けてる……となると幼!助けてくれ!)ジタバタ



ポトッ。



友(ん?)




545 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:02:31.65 BopOor2f0 324/465




友(ケータイ……ポケットに入ったままだったのか!失敗だったな姉貴!)


友(よし、なんとかして……ぬぐぐ……)グググ


友(届け届け届け!)グググ


友(ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)グググ


友(よし!手の傍までケータイをずらす事は出来た!)


友(後は左手を使ってなんとか……!)グググ




546 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:04:22.58 BopOor2f0 325/465




――――――――――――



――――――――



――――



幼家。



ブーッブーッブーッ



幼(?)




547 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:09:05.67 BopOor2f0 326/465




幼(友からメール? 男と女にも一斉送信してる。珍しいな……)カチカチ


幼(どれどれ―――)




12/12/24 19:05
from 友
CC 男
CC 女
Sub:無題
―――――――――――
かきjんさろれた

とすけttくれ

たの





幼(えっなにこれこわい)




548 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:13:24.61 BopOor2f0 327/465




――――――――――――



――――――――



――――





友(チクショウ、やっぱ縛られてっと上手くメール打てねぇな……)


友(だが頼む。あれから察してくれ……!頼む……!)




549 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:16:48.34 BopOor2f0 328/465




ブーッブーッブーッ



友(キタ!早いな!?)


友(ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)グググ


友(よし届いた!)スッ


友(委員長からか!よっしゃ流石だ―――)




12/12/24 19:07
from 委員長
Sub:無題
TEXT:0.2kbyte
――――――――――――
どうしたの?
打ち間違えひどいよ?(笑)




友(あぁぁその疑問は尤もだけれども!!)




550 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:20:57.48 BopOor2f0 329/465




友(マズいな……そろそろ姉貴が戻って来そうだ……)



ブーッブーッブーッ



友(おぉまたキタ!皆優秀だなオイ!!)


友(幼からか!愛してるぜ―――)




12/12/24 19:09
from 幼
Sub:無題
TEXT:0.3kbyte
――――――――――――
何かの暗号?
ちょっと待ってて。解いて
みるから!


答えはまだ言わないでよ?





友(違う!ちっがぁぁぁぁぁぁう!!)




551 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:25:45.75 BopOor2f0 330/465




友(なんとか察して欲しいが流石に無理があるか……)


友(チクショウ。この分じゃ男も駄目だろうな)


友(……つーか今あいつ委員長と一緒にいるんだよな?)


友(気付いてくれ……監禁される事に関しちゃお前はベテランだろ……!)


友(頼む……!)




552 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:29:29.08 BopOor2f0 331/465




ブーッブーッブーッ



友(男、お前が最後の希望だ―――)




12/12/24 19:12
from 男
Sub:無題
TEXT:0.1kbyte
――――――――――――
かゆ


うま







友( 死 ☆ ね )





553 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:34:11.08 BopOor2f0 332/465




そして……



姉「……」ガチャッ

友「……」

姉「食え」

友「また睡眠薬とか入ってんじゃねーの?」

姉「入ってない」

友「ホントか?」

姉「もう必要ないし」

友「あ、それもそうか」




554 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:36:52.23 BopOor2f0 333/465




友「じゃあ手錠外してくれよ」

姉「は?」

友「このままじゃ食えないじゃん」

姉「……」

友「も、もしかして……」

姉「私が食わせる」

友「……」

姉「口開けろ」

友「……」

姉「開けろ」

友「……」





友(人生初の『はい、あーん』がこんな複雑なものになろうとは……)




555 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:40:11.11 BopOor2f0 334/465




――――――――――――



――――――――



――――



友(はぁ……こんな状況だってのに相変わらず飯は美味かった)


友(つーかホントこの状況なんなの? なんでクリスマスイブに自宅に監禁されてんの?)


友(……ワンチャン新年迎えられないまであるでこれ)




556 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:44:02.39 BopOor2f0 335/465




姉「おい」

友「何さ」

姉「……私を見ろ」

友「またか……ほい、見たよ」

姉「……」

友「……」

姉「……何か感じるか?」

友「何を?」

姉「……」

友「どうしたんだよさっきから」




557 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/08 00:49:26.39 BopOor2f0 336/465




姉「ちっ……!」スクッ

友「??」

姉「洗い物してくる。大人しくしてろ」



ガチャッ、バタン!



友(……)



友(……何だよさっきから『私を見ろ』って)



友(……)







友(……ていうかこの状況まだ続くの?)




571 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:09:22.01 JLus1HQB0 337/465




男「そんじゃあなー」

女「うん。また明日ねー」






女(……今日は楽しかったなぁ)テクテク

女(明日はどこに行こうかなー)



ブーッブーッブーッ



女(電話……? お姉さんからだ)




572 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:11:32.66 JLus1HQB0 338/465




女「もしもし」


『もしもし』


女「どうかしましたか?」


『変化がない』


女「え?」


『監禁したけど付き合えない』


女「??」


『嘘ついたの?』


女「は、はい!? 何がですか!?」




573 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:17:14.42 JLus1HQB0 339/465




『他には無いの?』


女「と言いますと?」


『もっと他に何かしなかった?』


女「うーん、そうですねぇ…………あ!」


『?』


女「馬乗りになったり服脱いだりしました!」


『!!!!』


女「そうしたら撫でられまして。男くんって凄く撫で上手なんですよ!」


『ぬ、脱……馬……撫で……』


女「お姉さん?」





『―――そ、そんな事できるわけないっ!!』





ブツッ!

プーッ…プーッ…プーッ…プーッ…



女(あ、切れちゃった……)




575 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:22:33.55 JLus1HQB0 340/465




友(……)



友(暇だ)



友(……もう十時か。見たいTVあったのに)



友(はぁ……)



友(なんでオレばっかこんな目に合うんだ……なんでオレの人生ってこんなんなんだ……)




576 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:24:50.37 JLus1HQB0 341/465




友(……しっかし、ホントになんで姉貴はこんな事をしたんだ?)


友(お灸据えられるにしてはさっきから殺気がないし……)←駄洒落じゃないよ!


友(……)


友(そういや何回か『私を見ろ』とか言われてるな)


友(もしかしたら姉貴を見る事によって何か答えが分かるかもしれない……のか?)


友(よし。試してみる価値はあるな―――)




577 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:27:39.94 JLus1HQB0 342/465




ガチャッ……



姉「……」

友「……なぁ、姉貴」

姉「なに」

友「ちょっとこっち来てくれ」

姉「……」スタスタ

友「よし、その辺でいいぜ」

姉「?」

友「……」ジーッ

姉「……」

友「……」ジーッ




578 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:30:35.17 JLus1HQB0 343/465




姉「なに」

友「いいから」ジーッ

姉「いや、なんで凝視……」

友「……」ジーッ

姉「だ、だからなんで……」

友「……」ジーッ

姉「……」

友「……」ジーッ

姉「っ……///」




579 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:33:34.03 JLus1HQB0 344/465




友(……? 何も感じないな。なんで姉貴は『私を見ろ』って?)


友(んー……距離的な問題か?)


友(だとすっと……)







友「……姉貴、もっと近付いて」

姉「!!??」




580 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:35:47.76 JLus1HQB0 345/465




姉「ち、近……?」

友「あぁ。もっと近寄ってくれ」

姉「……」ススッ

友「もっと」

姉「!?」

友「もっと近付いて」

姉「な、なんで急に……」

友「頼む。確かめたいんだ」

姉「……っ……///」




581 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:39:36.72 JLus1HQB0 346/465




友(……よし。こんなもんか)


姉(確かめるって何を?)


友(このくらい近付けば何か分かるかもしれん)ジーッ


姉(……す、すごい見られてる……!)


友(……)ジーッ


姉(ちっ……)スッ


友「目、逸らさないでくれ」


姉「」




582 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:42:30.73 JLus1HQB0 347/465




友(駄目だ。まだ分からん)


姉(目を逸らすなって……な、なんで?)


友「もう少し近付いてくれ」


姉「あ、う、いや……もうこれ以上はっ」


友「頼む」


姉「……!////」


友(うぉぉめっちゃ近い!でもこれなら何か分かるかもだ)


姉(目を逸らすな、もっと近付け……って事はもしかして……)




583 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:45:30.52 JLus1HQB0 348/465




姉(……)


友(……ん? なんで姉貴、目ぇ瞑ってんだ?)


姉(……)


友(……なんで姉貴、唇つき出してんだ?)


姉(……)ドキドキ


友(……)


姉(……)ドキドキ


友(あれ? もしかしてなんか勘違いしてらっしゃる!?)




584 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:49:13.67 JLus1HQB0 349/465




姉「ね、ねぇ……」


友「はい?」


姉「……まだ……?」


友「はい!?」


姉「やるなら早く……」


友(そんなつもりねーから!ていうか拒絶しろよ!)


姉「……もしかしてそれ以上身体起こせない?」


友「いや待て」


姉「それなら私から―――」


友「HAHAHA 。どうやら少しばかり話し合いが必要みたいだ」




585 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:53:05.19 JLus1HQB0 350/465




――――――――――――



――――――――



――――





なんやかんやの擦った揉んだのそんなこんなで友は無事に解放されました。





友「―――で、なんでオレを監禁(ってか軟禁)なんてしたんだ?」

姉「……」

友「それは相変わらずだんまりか……」

姉「……」

友「委員長に何を吹き込まれたか知らねーけど、姉貴はこういうの似合わないよ」

姉「……」




586 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:56:22.50 JLus1HQB0 351/465




姉「……あんたが鈍感だから」

友「え?」

姉「それが、理由」

友「鈍感だから? オレが?」

姉「そう」

友「……」

姉「……私、あんたが好き」

友「あ、あぁ。そりゃオレだって姉貴も妹も大好きだぜ」

姉「……」




587 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 00:58:14.90 JLus1HQB0 352/465




姉「……」ハァ

友(思いっきり溜め息つかれた!?)

姉「そういうところ」

友「え?」

姉「……何でもない。とりあえず変な事してごめん」

友「まぁ別に。こういうの慣れてるし」

姉「脚、痛くない?」

友「大丈夫」

姉「……そう」




588 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 01:02:25.66 JLus1HQB0 353/465




姉「風呂、沸かしてある」

友「サンキュ」ヒョコヒョコ

姉「……ねぇ」

友「ん?」

姉「諦めないから」

友「何を?」

姉「……」

友「?」

姉「……鈍感」

友「なんかごめんなさい」




590 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/11 01:07:56.66 JLus1HQB0 354/465




――――――――――――



――――――――



――――



友「―――このクリスマスイブの出来事を通して、姉貴は色んな意味で変わりました」


友「あまり舌打ちをしなくなった事、光り物を殆ど持たなくなった事、
言葉遣いも少しだけ丁寧になった事。全体的に優しくなった気がします」


友「どこか女の子っぽくなったというか。まぁこれはオレの気のせいかもですが……」









妹「―――恋は女の子を磨くんだよ!」

友「おぉ、おかえり」




608 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:35:25.78 kkD2w+uw0 355/465




大晦日。



友「はい、早くも今日は大晦日。オレ達は忘年会兼新年会をするために集合しました」

男「説明ご苦労」

女「なんだか四人揃うの久し振りな気がするね」

幼「言われてみればそうね」

友「オレらって意外に纏まりないんだよな」

男「そうか?」

友「あぁ。主にお前のせいでな」




610 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:38:00.39 kkD2w+uw0 356/465




幼「そういえば友、脚はもう治ったの?」

友「ほぼな。もう杖なくても歩けるぜ」

幼「そっか」




ゴーン……ゴーン……ゴーン……




女「……今年ももう終わりだね」

幼「そうね」

男「本当は真夏なんだけどな。季節ズレすぎだろ」

友「ダッマーレ☆」




611 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:41:21.47 kkD2w+uw0 357/465




女「今年は色んな事があったねぇ」

友「まず幼が転入してきて」

幼「うんうん」

友「なんかアレな子が増えたなーと思い」

幼「ひどっ」

友「案の定面倒な事になり」

幼「うっ……」

男「修学旅行では遭難し、姐さんに拘束された……と」

女「そうやって聞くと今年の冬は特に凄かったんだね」

友(去年の冬も大変だったけどね。主にあなたと男のお陰で)




612 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:46:00.86 kkD2w+uw0 358/465




幼「え? ていうかキミ拘束されたの!?」

友「う……まぁ、ちょっとな」

幼「お姉さんに? 大丈夫なの!?」

友「あぁ」

幼「じゃあもしかしてあのメールって……」

友「そう。暗号なんかじゃ全然ない。ただのSOSメール」

幼「さ、先にそれ言ってよ!朝の4時まで必死に考えたんだからね!?」

友「……すげぇ腑に落ちないけどなんかごめん」




613 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:49:16.34 kkD2w+uw0 359/465




友「そうだ!思い出したぜお前ら!」

男「……」

女「……」

友「委員長、姉貴に何か吹き込んでくれたみたいだな?」

女「……」

友「男は単純にあとでブチ殺す」

男「……」

友「聞いてんのか? おいコラ!」

男「……」

女「……」

友「お前らだよお前ら!なにさっきから悟り開いたみてーなツラしてんの!?」




614 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:52:52.99 kkD2w+uw0 360/465




男「待て。いいか? よく考えろ」

友「あ?」

男「元はと言えばあんな訳分からんメール送ってくるお前が悪い」

友「そ、そりゃそうだけどさ。でもお前の返信は酷いってレベルじゃなかったぞ?
ただ人をおちょくってるだけだぜ、アレ」

男「それに関してはホント、ごめ ゆる」

友「やっぱりおちょくってるよなお前!」

男「ごめ ゆる」

友「OK、表出ろ。白黒はっきりさせよーや」




615 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 00:54:55.53 kkD2w+uw0 361/465




友「……まぁ百歩譲って男はもういい」

男「ごめ ゆる」

友「それより委員長!」

女「なに?」ペラッ

友「漫画読んでんじゃねーYO!!」




幼「あ、そういえば男」

男「どした?」

幼「この次の巻貸してくれない? キミが持ってるんでしょ?」

男「あぁ、今度持ってくるよ」




友(こいつら好き勝手しやがって……ツッコミが追いつかねぇよ……)




617 : 訂正 - 2012/08/14 00:59:23.02 kkD2w+uw0 362/465




友「あのな、あんまこういう事は言いたくないんだけどさ」

男「なら言わなきゃいい」

友「黙ってろ。百円やるから」

男「ごめ ゆる」

友「委員長がなんか吹き込んだせいでキリストの誕生日がオレの命日になりかけたんだ」

女「……」

友「まぁ、それだけは分かって欲しいなーなんて……」

女「でもわたしは男くんとの馴れ初めを話しただけなんだけどなぁ」

友「だからそれが問題なんだっての!」




618 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:02:24.77 kkD2w+uw0 363/465




男「もうすぐ新年だからって飛ばし過ぎだぜ。今日はとことん飲もうや」※お酒じゃないよ

友「……ん、まぁそれもそうだな。飲むか!」※お酒じゃないよ

女「そうだよ。浴びるほど飲んじゃおう!」※お酒じゃないよ

幼「飲んで飲んで嫌な事は忘れよう!」※お酒じゃないよ







「「「「かんぱ―――い!!」」」」






619 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:05:57.74 kkD2w+uw0 364/465




――――――――――――



――――――――



――――





女「……」グデー

男「ZZZ……」



幼「結局二人とも即ダウンかぁ」

友「まだカウントダウンすら始まってないのにな」




620 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:09:32.01 kkD2w+uw0 365/465




幼「……今年は色んな事があったね。まぁ私がこっちに来たの夏ごろだけど」

友「そういやそうだよな。もう随分長いこと一緒にいる気がするぜ」

幼「まだ半年も経ってないんだー」

友「ははっ。でもお前と会えて良かったよ」

幼「……」

友「どした?」

幼「前から思ってたけど、キミにはキザな台詞は似合わないよ」

友「うっせ」




621 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:14:00.85 kkD2w+uw0 366/465




『お前と会えて良かったよ』



友「ん?」

幼「え?」



『お前と会えて良かったよ』



友「な、なんだこの音……」

幼「これって……」







男「わりーわりー。偶然いまの台詞録音しちまったわ」

友「起きてやがったのかテメェ!!」




622 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:17:40.36 kkD2w+uw0 367/465




男「……」カチッ



『お前と会えて良かったよ』



友「おい消せ。消せ」

女「男くん、わたしにもそのデータちょうだい」

幼(私も欲しいな)

男「いいぜ」カチッ



『お前と会えて良かったよ』



友「消せやコラ」

男「落ち着けよ」カチッ



『お前と会えて良かったよ』



友「いやホントもうやめて。頼む。千円あげるから」




624 : また訂正…… - 2012/08/14 01:22:23.10 kkD2w+uw0 368/465




男「女!」

女「なに?」

男「お前と会えて良かったよ」キリッ

女「わたしも!」キリッ

友「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!殺す!かくなる上はお前をブチ殺す!!」

幼「お、落ち着いて!」

男「ごめ ゆる」

女「あははー」

幼「キミらもそうやってからかわないの!」




625 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:25:30.50 kkD2w+uw0 369/465




友「ホントお前って人の逆鱗に触れるの上手いね。なに? コツでもあるの?」

幼(あ、なんだか友がヤバイ。これ相当キてる)

男「なんかはしゃいだら眠くなっちまった……」

女「わたしも……」

幼「もう分かったから大人しく寝てなさい」

男「おやすみ」

女「おやすみー」





幼(……私も疲れた……)ハァ




626 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:29:15.41 kkD2w+uw0 370/465




幼「―――そういえばキミは休まなくていいの?」

友「あ、あぁ。幼は?」

幼「まだ大丈夫」

友「つーかカウントダウンまだか? もういい時間帯だろ多分」

幼「それもそうね―――」チラッ





―――――――――――
2013年 1月1日 (火)

00 : 06
―――――――――――





友「」

幼「」




627 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/14 01:33:14.97 kkD2w+uw0 371/465




友「……」

幼「……」

友「……過ぎてるな」

幼「普通に新年明けちゃったわね」

友「なんでオレらってこう締まらないのかな?」

幼「そういう星の下に生まれたのよ。多分」

友「……」

幼「……」








友「まぁ……なんだ。月並みだけど、今年もよろしくな」

幼「うん。よろしく」




642 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:31:14.21 6ii2pEDa0 372/465




夜、友家。



妹「……ごちそうさま」ガタッ



スタスタ……ガチャッ、パタン。




友「……なぁ姉貴」

姉「なに?」

友「なんか最近、あいつ元気ないよな」

姉「……」




643 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:34:16.93 6ii2pEDa0 373/465




友「何かあったのか?」

姉「まぁ、少し……」

友「?」

姉「色々と思うところがあるんだって」

友「……そっか」





友(もうあいつも悩みの一つや二つ抱える年頃か……)




644 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:37:07.08 6ii2pEDa0 374/465




友「姉貴は知ってんの?」

姉「一応は」

友「それってオレにも教えられるか?」

姉「うん」

友「じゃあ教えてくれないか」

姉「……」

友「……」

姉「……あの子」

友「あぁ」ゴクリ…

姉「この前のおみくじ、小吉だったのがショックらしい」

友「……」




645 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:40:15.52 6ii2pEDa0 375/465




友「え? おみくじ?」

姉「そう。『中途半端だ!おみくじにもディスられた!』って」

友「えぇー……てっきりもっとシリアスかと……」

姉「あと、出番が少ないって嘆いてた」

友(……そういえば妹も男並みに自由な奴だったの忘れてたわ)





姉「……だから、あんたからも慰めてあげて」




646 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:41:31.53 6ii2pEDa0 376/465




――――――――――――



――――――――



――――




友(慰めろっつったってなぁ……)


友(まぁ仕方ない。やってみるか)



コンコン。



友「おーい、妹ー?」




647 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:46:18.09 6ii2pEDa0 377/465



ガチャッ……



妹「……なに……?」

友(テンション低ッ)

妹「何か用? 要らない子のあたしに何か用?」

友「お、おう……」

妹「小吉のあたしに何か用? そんな訳ないよね……フフッ……」

友(相変わらずメンタル弱くてわろた)

妹「で、どうしたの? 出番が多いお兄ちゃん?」ニコリ

友(いやこれいつにも増してヤバイぞ)




648 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:50:26.39 6ii2pEDa0 378/465




友「い、いやでもな? やっぱりお前がいないとオレも張り合いがねーよ」

妹「……」ピクッ

友「なんつーか、寂しかった……みたいな」

妹「ねぇ」

友「ん?」

妹「それホント?」

友「当然だろ」

妹「ホントにホント?」

友「あぁ」




649 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:52:13.05 6ii2pEDa0 379/465




友「だから元気出せ」ポン

妹「……」

友「な?」

妹「……うん……ありがと」

友「今日はお前の好きな事していいぜ。オレも付き合うから」

妹「ホントに?」

友「あぁ。バッチ来い」

妹「じゃあマ○オカートやろ!」

友「お、おう。つーか結局ゲームかい」




650 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:53:44.45 6ii2pEDa0 380/465




――――――――――――



――――――――



――――



妹「待たせたなあたしのヨッ○ー!!」

友「オレはル○ージにするか」

妹「よっしゃー来たー!ぶっちぎる!」




友(……今日くらいは手加減してやるか)フッ




651 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 00:58:33.93 6ii2pEDa0 381/465




< 「あぁぁ!こんな所にバナナの皮置いたの誰!?」

< 「わ、悪い。オレだ」

< 「うわーん!トップ取られたぁぁぁ!!」

< 「で、でもお前上手くなったよなー!」

< 「四位……おみくじと同じで中途半端だ……あたしの人生そのものだね……」ブツブツ

< 「いや―――」

< 「もうやだ。コース逆走してやる……」ブツブツ

< 「おおおちけつ!!」






姉(大丈夫……かな)コソッ




652 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:01:49.80 6ii2pEDa0 382/465




そして……



友「あーもうこんな時間か」

妹「やりたりないよーまだ一位とってないよー」

友「また今度な」

妹「……」

友「じゃあお休み」

妹「……」ジーッ

友「……ん?」




653 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:07:30.72 6ii2pEDa0 383/465




妹「……今日はあたしにとことん付き合ってくれるんでしょ?」

友「いやそこまでは…………でもまぁいいや。付き合うぜ」

妹「じ、じゃあ一緒に寝よ」

友「えっ」

妹「寒いし」

友「まぁそうだけど」

妹「だから一緒に寝ればあったくて良いんじゃないのって事!そうでしょ!?」

友「なんで怒ってんの!?」



友(ていうかなんかこいつも段々と姉貴に似てきてね?)




654 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:09:56.06 6ii2pEDa0 384/465




――――――――――――



――――――――



――――



そして……



友「……」

妹「……」

友「……」

妹「……」





友(結局一緒に寝ることになりました。だって断れないですもん)




655 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:12:07.02 6ii2pEDa0 385/465




妹「……兄貴、起きてる?」

友「ん」

妹「……」

友「……」

妹「……あったかいね」

友「そうだな」

妹「……」

友「……」

妹「でもやっぱりまだ寒いー」ギュッ

友「ただでさえ狭いんだからあんまり抱きつくなよな」




656 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:17:34.28 6ii2pEDa0 386/465




妹「普通こういう時って『お、おい!当たってるぞ!』からの『当ててんのよ』が王道じゃない?」

友「あぁ」

妹「やらないの?」

友「あぁ。だってお前…………いや何でもない」

妹「……」

友「……」








妹「分かった。明日豊胸手術してくる!」

友「まだ何も言ってねぇんですが!?」

妹「シリコン万歳!!」

友「O ☆ CHI ☆ TSU ☆ KE」




657 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:20:25.90 6ii2pEDa0 387/465






妹「……」

友「……」

妹「……兄貴、起きてる?」

友「おう」

妹「あのさ、もう一つお願いがあるんだけど」

友「なんだ? こうなりゃ乗り掛かった船だ。どんな事でも聞いてやるよ」

妹「じゃあ……」

友「おう」

妹「少しでいいからギュッてしてくれない?」

友「抱き締めてくれって事か?」

妹「うん」




658 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:23:41.86 6ii2pEDa0 388/465




妹「寒いから、だから」

友(そういや去年姉貴も似たような事言ってたな)

友「あぁ。いいぜ……ほら」ギュッ

妹「……あったかい」

友「……」

妹「……」

友「……」

妹「……」ウトウト




659 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:28:22.81 6ii2pEDa0 389/465




妹「……」ウトウト



友(こりゃ前言撤回かな)



妹「……」ウトウト



友(やっぱりこいつ、まだまだ子供だ)フッ



妹「……」ウトウト



友(仕方ねぇ。今晩はずっとこのままでいてやるか)



妹「……」スースー



友(……おやすみ)




660 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/17 01:32:30.33 6ii2pEDa0 390/465




――――――――――――



――――――――



――――





おまけ。



友「なぁ、なんで枕もってんの?」

姉「次は私の番」

友「えっ」




678 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:11:51.31 30Zui/o10 391/465




とある日。



ブーッブーッブーッ



友(幼から……?)

友「もしもし」


『あ、おっ……えっと、おはよ。じゃなくてこんばんは』


友「お、おう。つーかなんで開始早々テンパってんだよ」


『い、いや別に……』


友「で、どうした?」




679 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:16:05.22 30Zui/o10 392/465




『あーっと、その……なに、ほら……』


友「?」


『……』


友「もしもーし」


『ちょ、ちょっと世界七不思議について話さない?』


友「なにそれいきなり」


『私としてはあれね。やっぱりイースター島の―――』


友「えっ、ちょっ、ちょっと待って!それ話す為に電話してきたの!?」


『そ、そうじゃない――けどそうよ!悪い!?』


友(逆ギレされたでござる)




680 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:18:42.93 30Zui/o10 393/465




十五分後。



『―――や、やっぱり国民栄誉賞っていうのは簡単に贈呈しちゃいけないと思うの』


友「あーうん。確かにな」


『でね、話は戻るんだけど……』


友「戻っちゃうんだ」





友(なんだよこれ……いつの間にか社会の話になったんだよ……)





『……あ、あとさ』


友「ん?」


『キ、キミって甘いもの好きだっけ?』




681 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:19:33.48 30Zui/o10 394/465




友「まぁわりと好きだぜ」


『そ、そう』


友「?」


『じゃあチョコレートとかクッキーとか好き?』


友「あぁ。どっちかっつーとチョコのが好きだけど」


『……そう。分かった』


友「あ、そういやお菓子で思い出したんだけどこの前妹がさぁ―――」


『じゃあまた学校で!』プツッ




プーップーップーッ




友「……」



682 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:21:57.75 30Zui/o10 395/465




翌々日。



友(あー今日も寒ぃなー)テクテク

友(……)テクテク



男「よ」



友「おぉ。おはよ」

男「寒ぃな」

友「な。今日は委員長は一緒じゃないのか?」

男「あぁ」




683 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:23:42.10 30Zui/o10 396/465




友「へぇ。そりゃ珍しいな」

男「ほら今日ってバレンタインデーじゃん? なんか昨日の夜、準備とかなんとかで徹夜したらしい」

友「……」

男「?」

友「あぁ……いや、そうだよな。今日はバレンタインデーだよな。うん」

男「どうした?」

友「いやなんかサラッとネタバレしたなーと思って」

男「……そういや漫画の主人公ってよくバレンタインデーとか誕生日とか忘れてるじゃん?」

友「あぁ」

男「普通は忘れないよな」

友「いや、知らんけど」




684 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:26:14.65 30Zui/o10 397/465




――――――――――――



――――――――



――――



学校に着きました。



男「―――それでな、俺は言ってやったんだよ。『てめぇん家放火すんぞ』って」

友「おっほぉう過激ィ(↑)」




685 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:29:01.15 30Zui/o10 398/465




友「―――ぁ?」

男「どうした?」

友「いや、下駄箱ん中に―――」

男「……」チラッ




綺麗な包み < 私だ




男「おっ、これっていわゆるチョコレートじゃねーか?」

友「えっ? マジで? オレに?」

男「おいおい早速一つゲットかよ。羨ましいぜ」

友「全然羨ましがってるように見えないんだけどまぁそれは置いておこう」




686 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:30:56.32 30Zui/o10 399/465




男「で、誰から?」

友「んーと……一つ下の後輩の子らしい」

男「マジか。すげーな」

友「なんかアドレス書いた紙も入っとる」

男「マジか。すげーな」

友「うわなんだこれ嬉しい反面すげー恥ずかしい」

男「マジか。すげーな」

友「どうしよう!オレこういうの初めてだから分かんねぇ!これドッキリとかじゃねーよな?」

男「マジか。すげーな」




友(……あ、ダメだ。こいつもう興味失ってる)




687 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:33:07.44 30Zui/o10 400/465




そして……。



女「おはよー」

幼「おはよ」

男「よぉ」

友「今日は二人揃って登校か」

女「校門で偶然会ってさ」

幼「……」




688 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:34:07.85 30Zui/o10 401/465




女「友くん、はい!」

友「おぉ!まさか……」

女「そのまさかだよ。チョコレートです」

友「サンキュ!」

女「もちろん義理だよー」

友「……おぉう。分かっちゃいたけど面と向かって言われっとショックだな」

男「良かったな。これで二つ目じゃん」




689 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:36:43.35 30Zui/o10 402/465




女「二つ目? お姉さんと妹ちゃんから?」

男「いや、こいつ下駄箱の中に一つ入ってたんだよ」

女「へぇー」

男「しかも後輩から」

女「おぉーモテモテだね」

友「やめろ。死ぬほど恥ずい」

男「今日び下駄箱に入れるなんて中々渋い事するよな」

女「流石(?)だね」

友「やめて。ホントもうやめて。昼飯奢るから」




690 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:39:24.97 30Zui/o10 403/465




――――――――――――



――――――――



――――



休み時間、女子トイレ。



幼「……」



幼「……」



幼「……はぁ。どうしよう……」




691 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:40:51.01 30Zui/o10 404/465




幼(私だって作ってきたのに……)


幼(……こう、軽ーく渡せればいいんだけど)


幼(……)


幼(やっぱり無理なのかな……?)




バターン!




女「諦めちゃダメだよ!」

幼「ほうっ!?」ビクッ




692 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:44:39.50 30Zui/o10 405/465




幼「お、女?」

女「うん」ドヤッ

幼「なんで個室に―――ていうかいつからいたの!?」

女「『romanticが止まらない!romanticが止まらない!』あたりから」

幼「それいつ!?」

女「まぁいいじゃない。細かい事はさ」

幼「……」

女「……チョコレート、友くんの為に作ってきたんでしょ?」

幼「う、うん……一応ね」




693 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:47:57.03 30Zui/o10 406/465




幼「で、でも……やっぱり恥ずかしい」

女「軽ーく渡せば良いのに」

幼「それが出来ないのよ……」

女「じゃあわたしも協力するよ!」

幼「ホントに?」

女「うん。それに―――」




バターン!




男「俺もいるぜ!」

幼「」




694 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:51:53.33 30Zui/o10 407/465




幼「キ、キミまで!いつからいたの!?」

男「『フォースに陰りを感じる……』あたりから」

幼「だからいつよそれ!!」

男「……まぁとにかく。俺らが力貸すぜ」

女「そういうこと!」ニコッ

幼「………………あ、あり…がと……」

男「じゃあ早速―――」

幼「ちょ、ちょっと待って。その前に一ついい?」

男「おう」








幼「……ここ、女子トイレなんだけど」

男「そんなん関係ねぇよ。オッパッピーだ」




695 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/23 00:54:46.55 30Zui/o10 408/465




――――――――――――



――――――――



――――




幼(……そうよね)


幼(せっかく作ってきたんだから渡さないと……)


幼(……友に……!)ギュッ




707 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 16:50:04.82 n5BUN6LU0 409/465




先生「―――えー、つまりここがこうなるので、ここもこうなります」





幼(どうしよう。どうやって渡そう)


幼(……)


幼(私こういうの初めてだから勝手が分からないな……)


幼(……なんだろ、こう、フランクに―――)




ホワンホワンホワン……




708 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 16:52:15.21 n5BUN6LU0 410/465




幼『HEY!』

友『おう』

幼『ほらよ。愛しいママからのプレゼントだぜ』

友『な、なんだこれ?』

幼『きょーはなーんの日、フッフー♪』

友『ま、まさか……チョコ!?』

幼『ご名答だ』

友『あ、ありがとう!』




709 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 16:53:43.50 n5BUN6LU0 411/465




……ホワンホワンホワン



幼(……)


幼(そんな事あってたまるかぁぁぁぁぁぁ!!)


幼(何よ今の!!み○もんたか私は!!)


幼(あんな風に振る舞ったら友のツッコミがマッハになるし!)


幼(……)ハァ


幼(……もういい。次の休み時間に直接手渡す!)




710 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 16:54:55.94 n5BUN6LU0 412/465






休み時間。



男「―――で、俺はそいつに言ってやったんだよ。『13kmや』ってな」

友「おぉう超クール!」



幼「……ね、ねぇ」



男「ん?」

友「どうした?」

幼「……」

男「わり友、ちょっと卍解…じゃなかった。トイレ行ってくるわ」スクッ

友「どんな間違いだそれ」




711 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 16:56:39.88 n5BUN6LU0 413/465




幼「……」

友「……で、どうした?」

幼「にひょっ……」

友「にひょっ?」

幼「……」

友「?」

幼「……///」



友(……あぁ、噛んだのね)




712 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 16:58:29.97 n5BUN6LU0 414/465




幼「……」

友「どうしたんだよ?」

幼「……え、えっと」

友「?」

幼「……」

友「……」

幼「や、やっぱり無理!!」



タッタッタッ…ガララッ、バタン!



友(『無理』……?)




713 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:01:03.43 n5BUN6LU0 415/465




――――――――――――



――――――――



――――



幼「やっぱ無理よ……恥ずかし過ぎる……」

男「普段あんなに仲良いんだからいつものノリで渡せよ」

幼「何これ……他の皆はこんな恥ずかしい事できてたの?」

女「わたしは恥ずかしくなかったよー」

幼「そりゃ女は義理チョコだし……」ボソッ

男「何か言ったか? 丸聞こえだったけど」

幼「別に何も…って丸聞こえだったんかーい」

女「なんか幼ちゃんが突っ込むのって新鮮だね」




714 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:02:26.12 n5BUN6LU0 416/465




幼「どうしよう……」

女「こういうのって気後れすればするほど渡しにくくなるんだよね」

男「おし。なら俺が渡しといてやるよ」

幼「気持ちはすっごくありがたいんだけどね……」





女「……よし、じゃあ困った時は―――」




715 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:04:14.02 n5BUN6LU0 417/465




――――――――――――



――――――――



――――



女「せんせー!」

先生「はい。どうしました女さん?」

女「わたしの友達がチョコレートを渡せなくて悩んでるんです」

先生「幼さんが? それは一大事ですね」





幼「なんで私の事だって決めつけるのよ!その通りだけど!」

男「流石だな」




716 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:07:32.50 n5BUN6LU0 418/465




先生「まぁ私はこれでも教師の端くれですから一応言っておきますね」

女「? ……はい」

先生「学校にお菓子を持って来てはいけません」

女「あ、はい。ごめんなさい」

先生「―――で、話を戻しましょうか。幼さんが友くんにチョコレートを渡せず悩んでいる…と」

女「そ、そうなんです!」





幼「なんで私と友の事だって決めつけるのよ……その通りだけどさ……」

男「流石だな」




717 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:10:30.73 n5BUN6LU0 419/465




先生「……そうですね……」

女「……」

先生「……ではこういうのはどうですか?」

女「はい?」

先生「……」ボソボソ

女「ふむふむ」

先生「……」ボソボソ

女「ほうほう」





幼「ねぇ男、なんだかとんでもない事を吹き込んでる気がするんだけど……」

男(腹減ったな)




718 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:14:06.53 n5BUN6LU0 420/465




女「わざわざありがとうございました!」

先生「いえいえ。生徒の喜びは教師の喜びでもありますから」

女「それじゃあ失礼します」

先生「はい。幼さんと友くんに宜しく言っておいて下さい」



スタスタ……



男「――どうだった?」

女「えーっとねぇ、『とりあえず押し倒しちゃえ』だって」

幼「ほら!案の定よ!!」




719 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:17:12.42 n5BUN6LU0 421/465




幼「うぅ……どうしよう……」

男「こう、すれ違いざまにサッ!と友のポケットに入れるとかは?」

幼「残念だけど私一般人なのよね。残念だけど」

男「じゃあ身体中にチョコ塗りたくって寝込みを襲うとか」

幼「ただのホラーじゃない」

男「じゃあもうお手上げだ」

幼「早いよ!もう少し頑張って!」





女(……あ、そうだ)




720 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/25 17:21:37.54 n5BUN6LU0 422/465






昼休み。



女「……友くん」


友「おぉ委員長。どうした?」


女「ちょっと話があるんだけど、いい?」


友「?」






730 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:16:57.75 gvOiBfZW0 423/465




幼side。



幼「……」ウーン

男「よっ。まだ悩んでんのか」

幼「男……まぁ、ね」

男「お前ならもっとイケイケかと思ったんだけどな」

幼「こういうの初めてだからさ……。ねぇ、何かいい方法浮かんだ?」

男「そうだな……じゃあこれはどうだ?」

幼「なになに?」









男「まずボディに一発入れて―――」

幼「却下!!」




731 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:20:31.15 gvOiBfZW0 424/465




男「え? ダメか?」

幼「なんで? なんでそんな血の気が多いの!?」

男「そうかな」

幼「殴るのとチョコ渡すのなんてこの上なく関係ないじゃない!」

男「ボディに一発決める→吐く→胃の中身が無くなる→腹減る→それならチョコあげるよ☆ってなりやすいじゃん」

幼「絶ッ対にならないから!ていうか発想怖いよキミ!?」

男「じゃあもうお手上げだ。降参」

幼「……」




732 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:23:10.32 gvOiBfZW0 425/465




友side。



友「……」

男「よ」

友「おう」

男「……」

友「……」

男「……そういやお前って超鈍感だよな」

友「お前に言われたかねーよ。つーかなんだいきなり」

男「……」

友「……」

男「……」

友「お前から振っといて無視すんなし!!」




733 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:25:37.33 gvOiBfZW0 426/465




男「……なぁ、鈍感ツッコミ野郎」

友「おまっ…それもう只の悪口だからな!?」

男「失礼、噛みました」

友「違う。わざとだ」

男「噛みまみた」

友「わざとだ」

男「噛みまみまみた」

友「わざとだ!」

男「マミった」

友「おいやめろ」




735 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:29:33.50 gvOiBfZW0 427/465




――――――――――――



――――――――



――――



放課後。



幼(……)


幼(気づけばもう放課後になってる……)


幼(……)


幼(どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう)




737 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:32:16.07 gvOiBfZW0 428/465




< ピンポンパンポーン



幼「?」



< 「―――えー、○年○組の幼馴染さん○年○組の幼馴染さん」



幼(え? 私?)



< 「今すぐ屋上に来てください。お客様がお待ちです」



幼(こんな時間に? なにこれ罠の予感しかしないんだけど)




738 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:35:40.93 gvOiBfZW0 429/465




そして……



幼(全くもう……こっちはそれどころじゃないのに……!)スタスタ


幼(ていうか何よ『お客様』って。しかも屋上って)


幼(……)


幼(まぁ一応行くけどさ)




ガチャッ……





739 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:38:59.14 gvOiBfZW0 430/465




友「よ、よう」

幼「ちょっ…え? なんでキミがいるの?」

友「お、お前こそ…………ホントに来るとは」ボソッ

幼「どうしたの?」

友「あ、いや。なんでもない」

幼「?」

友「……ほら。これやるよ」

幼「缶コーヒー? ……って、ブラックじゃない」

友「オレに言われてもなぁ。いきなり先生がくれたんだよ」

幼「先生が? まぁ飲むけどさ……」




740 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:42:45.47 gvOiBfZW0 431/465




幼「……苦ぃ……」

友「苦ぇ……流石にこれは好き好んで飲めないな」

幼(砂糖ほしい……)チビチビ

友「……」

幼(ミルクほしい……)チビチビ

友「……」

幼「ど、どうしたの? そんなに見ないでよ」

友「……あ、いや。すまん」

幼「?」

友「……」





友(……さっき……)




ホワンホワンホワン……




741 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:45:48.19 gvOiBfZW0 432/465




女『……友くん』

友『おぉ委員長。どうした?』

女『ちょっと話があるんだけど、いい?』

友『?』

女『幼ちゃんの事なんだけど』

友『おう』

女『……幼ちゃん、友くんにチョコ作ってきてるよ』

友『おう』








友『……えっ?』




742 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:51:09.00 gvOiBfZW0 433/465




女『だから貰ってあげて』

友『いや、うん。くれるんなら貰うけど……え? それオレに言っちゃって良かったの?』

女『やっぱりダメだったかな?』

友『えっ』

女『えっ』

友『…………なんかもうどっちでもいいや』

女『多分幼ちゃんは恥ずかしがって渡せないと思うから友くんから「チョコちょうだい」って――』

友『いやそれただの痛い奴じゃね?』

女『でも実際作ってきてる訳だし大丈夫だよ?』

友『……』




743 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:55:18.29 gvOiBfZW0 434/465




友『オレもわりと恥ずかしいんだけどな』

女『放課後になったら先生が幼ちゃんを屋上に呼び出すから』

友『あの人も一枚噛んでるのか』

女『その後は友くんの腕が物を言う、と!』

友『……』

女『じゃあ分からない事があったらまた聞いてね!』タッタッタッ

友『……』





友『……相変わらず妙な所で行動力あるのな……』ハァ




744 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 00:58:48.75 gvOiBfZW0 435/465





……ホワンホワンホワン



友(……)


友(オレから『チョコちょうだい!』って言うのかよ……恥ずいってレベルじゃねーぞ)


友(つーか頑張れよ幼!恥ずかしがらずに!)


友(ほら!翼を広げて飛び立てよ!空は広いんだ!)




745 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 01:01:35.98 gvOiBfZW0 436/465




幼(さっきから友がチラチラと見てくる……)


幼(何? もしかして『チョコレートくれよ』的なアレ!?)


幼(そ、そんな期待した目で見ないでよ!)


幼(……ま、まぁそりゃ頑張って作ったし? 自分でも結構上手くできたと思うけど?)


幼(……どうしよう……)


幼(コーヒー苦い……)チビチビ




746 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 01:03:30.30 gvOiBfZW0 437/465




友(……)


友(……ちっ、仕方ねぇ。オレがやるしかねぇか!)


友(えぇいままよ!!)








友「……こ、こんだけ苦いの飲んでると甘いの食いたくなるよなー」

幼「!!」




747 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 01:06:19.69 gvOiBfZW0 438/465




幼(そ、それって……それって……)

友「あー苦いの飽きたわー超つらいわー」チラッ

幼(わ、私の……)

友「甘いの食いたいわー誰か偶然お菓子とか持ってねぇかなー」チラチラッ

幼(……)

友「……チョ、チョコレートとか食いたいわー」ジーッ

幼(……)







幼「……演技、下手ね」

友「う、うっせ!」




748 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 01:09:01.44 gvOiBfZW0 439/465






幼(……)



幼(さっきまであたふたしてたのが馬鹿みたい)



幼(……ふふっ。なんだか拍子抜けしちゃった)



幼(……)



幼(今なら――)






749 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/28 01:14:28.27 gvOiBfZW0 440/465




幼「……ねぇ」

友「ん?」

幼「はい。これ」スッ

友「なんだこの包み?」

幼「……」

友「……」

幼「……いじわる」

友「ははっ。仕返しだよ―――」







――夕暮れ時の屋上。


無糖の缶コーヒーが少しだけ甘くなったような……そんな気がしました。




767 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:36:30.62 qYodOnbC0 441/465




――――――――――――



――――――――



――――



ガチャリ……



友「ただいm

妹「おかえり」

友「お、おう。神速のインパルスだな」

妹「いくつ?」

友「何が?」

妹「いくつ貰ったの?」

友「……あぁ、チョコレートか?」




768 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:39:44.96 qYodOnbC0 442/465




友「今年は後輩からも貰ったぜ」

妹「……後輩?」

友「後輩」ウン

妹「……どんな人?」

友「いや、多分オレは会ったことない」

妹「――会ったことないのに貰ったの!?」

友「そうだけど!?」

妹「あ、分かった。その人をあたしの代わりに妹にしようって魂胆なんだ……ちょっと待ってて荷物まとめてくる……」ブツブツ

友「……お前もう少し強くなった方がいい。色んな意味で」




769 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:44:25.19 qYodOnbC0 443/465




妹「じゃあ……は……?」ボソッ

友「ん?」

妹「他の二つは誰から!?」

友「なんか怖いぞお前!」

妹「あたしには言いたくない!? 言う価値がない!? ごめん頭冷やして来る!!」





タッタッタッ……ガチャッ、バタ――ン!





友「いやなんでトイレにこもる!?」




770 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:47:10.54 qYodOnbC0 444/465




友「普通に委員長と幼からだよ!」



……ガチャッ。



妹「……」

友(おっ。出てきた)



テクテクテク……



妹「……」

友「……」

妹「……はいこれ。あたしから」スッ

友「おぉ、毎年ありがとな」




771 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:50:08.58 qYodOnbC0 445/465




妹「お返しは三倍だからね」

友「全身全霊で断る」

妹「……けち」テクテク



ガチャッ、バタン。



友「だからなんでトイレに帰る!?」




772 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:54:26.20 qYodOnbC0 446/465




リビング前。



友「あー腹減ったー」


友「ただいm―――」ガチャ…





姉「おい」





友「――ふぉあっ!?」ビクッ

姉「おかえり」

友「た、ただいま。あと気配消すの止めて」




773 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:57:22.58 qYodOnbC0 447/465




友「――で、どうしたよ?」

姉「……リビング」

友「ん?」

姉「リビングに入るな」

友「えっ」

姉「入ったら斬る」

友「」

姉「……いいって言うまで部屋にいろ」

友「」




774 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 00:58:46.29 qYodOnbC0 448/465




友「あ、あの」

姉「なに」

友「理由をお聞きしても……?」

姉「……」ギロッ

友「やっぱいいです大人しくしてます!!」

姉「……ちっ」




775 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:00:27.21 qYodOnbC0 449/465






友部屋。



友(……今年は大量だ)


友(まぁ義理ばっかだけど。委員長は当然義理だし、幼のも……義理、だよな?)


友(……)


友(義理、だと思う。多分)


友(……)


友(じゃあ早速食おうかな)ガサガサ




776 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:03:42.41 qYodOnbC0 450/465




妹「―――スマブラやろ!!」ドガッシャーン!

友「ノックくらいしろや」

妹「とにかくスマブラやろーぜ兄者!」

友「断る。オレは今からチョコを食べるんだ!」

妹「ふ、腑抜けたか兄者は!!」

友「……」

妹「……」








妹「……もういい? この茶番」

友「お前から始めたのに!!」




777 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:07:09.69 qYodOnbC0 451/465




結局二人はスマブラに興じました。



友「……あ、そういやさ」カチャカチャ

妹「なにー?」カチャカチャ

友「姉貴なにやってんの? さっきリビング来たらぶった斬るって言われたんだけど」

妹「……多分兄貴が考えてる事であってるよ」

友「マジか」

妹「いい匂いもするし、多分クッキーかな?」

友「そりゃ楽しみだな」




778 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:12:28.30 qYodOnbC0 452/465




友「なんならオレも手伝うのに」

妹「それじゃ意味ないじゃん。今日はバレンタインデーなんだしさ!」

友「ならなんでお前は手伝わないんだ?」

妹「……」

友「……」








妹「……す、隙あり!いけピカ○ュウ!!」カチャカチャ

友「甘い」カチャカチャ

妹「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」




779 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:14:00.12 qYodOnbC0 453/465




――――――――――――



――――――――



――――



一時間後。



友「……」ペラッ


友「……ハハッこのネタまだ使ってんのかよ」


友「……」ペラッ




780 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:16:18.33 qYodOnbC0 454/465




――ガンッ!



友「はーい」



ガチャッ……



姉「……」

友「おぉ、姉貴――」



バタン!



友「えっ」




781 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:20:11.27 qYodOnbC0 455/465




友(……え? なに今の。姉貴だよな?)

友(……?)



――ガンッ!



友「は、はい?」



ガチャッ……



姉「……」

友「ど、どうしたんだよ?」

姉「……」



バタン!



友「」




782 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:25:20.88 qYodOnbC0 456/465




友(?? 訳分からん)



――ガンッ!



友「は、はい?」



ガチャッ……



姉「……」

友「さっきからどうした?」

姉「……」

友「何か用か?」

姉「……」




783 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:29:56.09 qYodOnbC0 457/465




友「おい――」スッ

姉「!」

友「ま、待て!」

姉「……!」←ドア閉めようとしてる

友「ぬぐぐぐ……!!」←ドア抑えてる

姉「……っ!……っ!」グググ…

友「待て待て!なんだよ!? どうしたの!?」グググ…

姉「ちっ……!!」グググ…

友「落・ち・つ・け!!」グググ…




784 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:32:52.19 qYodOnbC0 458/465




――――――――――――



――――――――



――――



友「はぁ……はぁ……」

姉「……」ゼェハァゼェハァ

友「……で、どうした……?」

姉「……もう、いい」

友「え?」

姉「リビング。来てもいい」




785 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:36:28.26 qYodOnbC0 459/465




友「おぉ。って事はもうできたのか?」

姉「は?」

友「いや、だからさ。クッキーかなんか作ってくれてたんだろ?」

姉「!!」

友「楽しみだよ」

姉「な、なんで……知っ……」

友「だって匂いもしてたし今日バレンタインデーだし」

姉「……ちっ……」




786 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:37:54.45 qYodOnbC0 460/465




姉「……」

友「……」

姉「お、おい」

友「ん?」

姉「…………やる」スッ

友「サンキュ」

姉「……」

友「食っていい?」

姉「……好きにしろ」




787 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:41:28.79 qYodOnbC0 461/465




姉「……他に誰から貰った?」

友「あぁ、さっき妹に貰ったのと後輩と委員長と幼からかな」

姉「後輩?」

友「あぁ。オレは会ったことないんだけどな」

姉「……」

友「まぁ義理ばっかだよ」

姉「……そんな事ないと思う」

友「そうかね? でも義理でもすげー嬉しいぜ」

姉「……」




788 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:44:05.05 qYodOnbC0 462/465





姉「……少なくとも」ボソッ


友「?」


姉「わ、私のは違う……から」





ガチャッ……バタン。





友「お、おい姉貴!今めっちゃ顔赤かったけど大丈夫か!?」





789 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:47:58.60 qYodOnbC0 463/465




姉「……黙れ」スタスタ


友「いやでも超顔赤ぇぞ!?」


姉「うるさい」スタスタ


友「鏡見てみろって!」


姉「部屋に戻れ」スタスタ


友「風邪気味なら少し休んでろよ―――」









姉「 こ っ ち 来 る な 」

友(うわぁぁぁぁぁぁ久々に日本刀がぁぁぁぁぁぁ!!)




790 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:51:20.61 qYodOnbC0 464/465




――――――――――――



――――――――



――――



友「姉貴が作ったクッキーはどこぞのカントリーマ○ムも真っ青な程の出来映えでとても美味しかったです」


友「でも何故かその後、幼が作ってきてくれたチョコと食べ比べてどっちが美味しいか詰問され……」


友「まぁ当然の如く『どっちも美味しいZE!』と言って濁すしかありませんでした」


友「……」


友「……」




友「……お返しどうすっかな……」





791 : ◆WhhIgObi8E - 2012/08/30 01:55:56.71 qYodOnbC0 465/465

以上です。
とりあえずこれにて終了にします。
中途半端で大した進展もなく終わっちゃいました。
イチャイチャを期待してた方は申し訳ないっす。

前作・前々作と共に見てくださった方も、ありがとうございました!




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