1 : 以下、\... - 2017/06/26 23:48:27.414 7ypWprvf0 1/17

喪黒「私の名は喪黒福造……人呼んで笑ゥせぇるすまん」

喪黒「ただのセールスマンじゃございません」

喪黒「私の取り扱う品物は心……人間のココロでございます」

喪黒「この世は老いも若きも男も女も、心の寂しい人ばかり」

喪黒「そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします」

喪黒「いいえ、お金は一銭もいただきません」

喪黒「お客様が満足されたら、それがなによりの報酬でございます」

喪黒「さて、今日のお客様は――」

ウッソ松田 (25) 営業マン

オーッホッホッホッホッホ…

元スレ
喪黒福造「本当の『嘘松』とはどんな物かお教えしましょう」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1498488507/

3 : 以下、\... - 2017/06/26 23:49:20.112 7ypWprvf0 2/17

~とあるレストラン~

松田は、会社帰りに麻生佳代(あそう かよ)と食事をしていた。


松田「もうすぐ免許が取れそうなんだ。仮免1回落ちたし、教習も5時間オーバーしたけどね。」

佳代「本当に免許が取れたら、レンタカー借りてドライブしようよ!」

松田「それいいね!がんばるよ!」

食事が終わると二人はそれぞれ帰っていった。


松田は最寄りの駅で降り、駅の横にあるなじみの居酒屋で1杯飲んでほろ酔い気分だ。飲んだ後は、店から自宅までスマホで「スカッと倍返し」というサイトを見るのが日課になっている。


「何なに?自分の駐車場に知らない車が3日間停まってて、コンクリートとブロックで囲んでやっただと?車の持ち主が戻ってきて100万円を請求したら渋々払ってくれた?『はい嘘松!』」

「夫となる婚約者の母が早稲田卒でやたら高圧的だったけど、私が東大医学部卒業と知ると急に無口になった?女で東大医学部?これも『嘘松!』」

松田はネットの書き込みの粗を探しては「嘘松」とコメントするのが趣味だったのだ。

4 : 以下、\... - 2017/06/26 23:50:21.534 7ypWprvf0 3/17

ドン!

歩きながらスマホに夢中になるあまり、松田は人とぶつかってしまった。

松田「あっ、すいません!失礼しました!」

喪黒「いえいえ、いいんです。これも何かの縁、一杯ごちそうしますよ。」

松田「そんな、悪いですよ。ぶつかったのは僕だし…。」

喪黒「いえいえ、誰かと飲みたい気分なんです。近くにいいバーがあるんですよ。」

松田「そうですか…。それではお言葉に甘えて…。」

5 : 以下、\... - 2017/06/26 23:51:19.925 7ypWprvf0 4/17

~バー「魔の巣」~

喪黒「あなた、何か悩み事がおありのようですね。」

松田「そうなんです。そういえば、まだお名前を伺ってませんでした。」

喪黒「わたくし、こういう者です。」

松田「ココロのスキマをお埋めします…?『喪黒福造』さん?」

喪黒「私は人のココロを埋めるボランティアをしております。」

松田「はあ、なるほど。」

喪黒「ところで、いったいどんな悩みがあるのでしょう?」

松田「それが、ネットの書き込みに、本当の話かもしれないのに、すぐ「嘘松!」って書き込んでしまうんです。」

喪黒「それはいけませんねえ。でもこれからは、きちんと読んで、うかつに嘘松なんて書き込まないようにしたらどうでしょう。」

松田「そうですよね。本当にあった話もありますからね。」

喪黒「本当に気をつけてくださいね。酔った勢いで行動しちゃダメですよ。」

松田「わかりました。気をつけます。」

一通り話し終わると、松田は自宅へと向かった。

7 : 以下、\... - 2017/06/26 23:53:50.155 7ypWprvf0 5/17

家に帰ってメールをチェックすると、佳代からメールが来ていた。

「今日も楽しかったよ。ドライブ楽しみにしてるね。免許頑張ってね。これが魅惑のFカップだよ。」というメッセージ付きの、胸元を強調した写真だった。

「何がFカップだよ。どう見てもBかCじゃねえか。また話盛りやがって。でもそれもかわいいんだよなあ。」笑いながら写真を保存した。

8 : 以下、\... - 2017/06/26 23:54:47.733 7ypWprvf0 6/17

~数日後~

松田は仕事も終わり、いつものように居酒屋で1杯やった後、スマホを見ながら自宅に向かっていた。


ドン!

喪黒「またお会いしましたねえ。」

松田「ああ喪黒さん。すいません、またぶつかっちゃって。」

喪黒「いいんですよ。ところで、あれから嘘松なんて書き込んでないでしょうねえ。」

松田「もちろんです。あれから何だか気持ちも明るくなって、彼女ともうまくいってるんですよ。」

喪黒「それはよかった。これからはその調子で『絶対に』嘘松なんて書き込んではだめですよ。いいですね。」

松田「は…はい…!」


ドオーーン!!

10 : 以下、\... - 2017/06/26 23:55:51.900 7ypWprvf0 7/17

~自宅~

ほろ酔いの松田は久しぶりに「スカッと倍返し」を見ていた。すると、

「彼が自動車学校に通ってるんだけど、仮免5回も落ちて、20時間以上もオーバーしたんだって。もうやってられない!」という書き込みを見つけた。

松田「仮免5回?しかも20時間オーバー?俺よりひどいよ。でもさすがにこれは『嘘松』っと…。」

11 : 以下、\... - 2017/06/26 23:57:02.851 7ypWprvf0 8/17

~数日後、とあるレストラン~

佳代「何?話って。」

松田「とうとう免許が取れたんだ!ドライブはいつがいい!?」

松田は自慢げにピカピカの免許証を佳代に見せつけた。

佳代「教習を何時間もオーバーしたあなたが免許なんて取れる訳無いでしょ?その免許だって、もしかして偽造じゃないの?」

松田「なに言ってるんだ!俺頑張ったんだぞ!」

佳代「それに『ウッソ松田』なんて、純日本人顔のあなたがハーフみたいな名前を使って!いつも嘘ばっかり!もうやってられない!」

佳代は一人で店を出て行った。

12 : 以下、\... - 2017/06/26 23:58:13.784 7ypWprvf0 9/17

~数日後~

松田は、仕事帰りに同期の縄毛無太郎(なわけ ないたろう)と電車に乗っていた。

松田「みんななんで俺の言う事を信じてくれないんだ。」

縄毛「そう言えば、昨日だって課長に契約が取れそうだって自信ありげに言ってたよな。」

松田「ああ、あれ自信あったんだよ。でも…。」

縄毛「取れなかった。課長もさ、『お前みたいな嘘つきはこの課にいらない!』って、あれは言い過ぎだよな。」

松田「彼女には振られるし散々だ。今日はちょっと付き合ってくれよ。」

縄毛「ああいいよ。降りるのは次の駅だったな。」


松田と縄毛は駅を降り、駅横のいつもの居酒屋で酒を煽っていた。

松田「どうして、どうして…。俺嘘なんて言ってないのに…。」

縄毛「今日はそれぐらいにしとけって。あ、お勘定お願いします!」

14 : 以下、\... - 2017/06/26 23:59:30.189 7ypWprvf0 10/17

二人は店を出て線路沿いを歩いていた。

松田「なあ、もし俺がそこの踏切に飛び込むって言ったら信じるか?」

縄毛「なわけないだろう。さすがにそれは信じないよ。お前今日は飲み過ぎだぞ。」

松田「お、お前まで俺をバカにするのか!」

15 : 以下、\... - 2017/06/27 00:00:24.940 Am1cXCxO0 11/17

カンカンカン

ちょうどその時、警報機が鳴り、遮断機が下りてきた。

松田「ちょうどよかった。俺が嘘つきじゃないって証明してやる!」

縄毛「何言ってるんだ!バカな事はやめろ!」

電車が近づいてくる。


カンカンカン

電車はさらに近づいてくる。

松田は縄毛の静止を振り切り、遮断機を押し上げると踏切へ飛び込んだ。


喪黒「人の話を嘘だと決めつけると、それは自分に帰ってくる。因果応報とはまさにこの事。インターネットとはいえ、もっと人を信じてもいいと思いますけどねえ。え?私を信じろと?私は嘘なんか言いませんよ~。オーホッホホ…。」

18 : 以下、\... - 2017/06/27 00:28:59.034 vJhJqgOI0 12/17

(そもそも嘘松っておそ松関連の嘘のことなんじゃ……)

19 : 以下、\... - 2017/06/27 00:31:44.549 K9yz4z5V0 13/17

>>8
Twitterのおそ松腐女子が嘘ばっかりつくからこういう名前になっただけだぞ

21 : 以下、\... - 2017/06/27 00:36:41.378 Am1cXCxO0 14/17

いや、それはわかるんだが、最近いろいろなまとめサイトで嘘松の乱用がひどいので、今回使ってみました。

22 : 以下、\... - 2017/06/27 00:41:33.117 +fCezCRE0 15/17

>>18
どっちかというとツイッターの糞女の自慢嘘を嘘松とかいう感じだと思ったわ

この間の検索世代の話もそうだけどチョイスいいと思う

25 : 以下、\... - 2017/06/27 01:28:31.092 Am1cXCxO0 16/17

今思うと、スレタイが何か違う。大げさな感じがする。後から考えたらよかった。
また違う話を考えたら書き込むよ。読んでくれてありがとう。

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