ゼルエル「私たち、人間界の生き物に対して弱すぎると思わないか?」
ヴィーネ「……そうですか?」
ラフィエル「身に覚えがありませんが」
タプリス「特にこれといったものは」
ゼルエル「とぼけるんじゃない。情報は掴んでいる」
元スレ
ガヴリール「苦手なものを克服しよう」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1507129428/
ゼルエル「まず、私は犬が苦手だ」
ゼルエル「小型犬ならなんとか平静を装えるが、少し大きくなると無理だ」
ゼルエル「ラフィエルはカエル」
ラフィエル「あのヌメヌメとした見た目がどうしても受け入れられません……」
ゼルエル「月乃瀬はゴキブリ」
ヴィーネ「え……むしろ苦手じゃない人いるの?」
ゼルエル「タプリスは犬とか猫とかヤンキーとか、とりあえず全てがダメ」
タプリス「わたし地上で最弱みたいになってますけど!?」
ゼルエル「というわけで、みんなで弱点を克服するため集まってもらった」
タプリス「あ、今日はそういう会なんですね」
ゼルエル「うむ。実際に苦手な生き物と触れ合って慣れて欲しい」
ヴィーネ「帰ります」
ラフィエル「帰ります」
ゼルエル「まあ待ちなさい」
ラフィエル「私達ハードル高すぎませんか」
ヴィーネ「ラフィはまだ良いでしょ……私ゴキブリと触れ合うのよ……」
ゼルエル「心配するな。君たちだけではない。全生物が弱点のタプリスにも触ってもらう」
タプリス「私もしかして全て触るんですか!?」
ゼルエル「といっても、いきなりは難しいので強力な助っ人を用意した」
ラフィエル「誰なんですか……」
ヴィーネ「そもそもなんの助っ人なのよ」
ドア「」ガチャ
ガヴリール「姉さん。お金くれるって言うから仕方なく来てやったぞ」
ラフィエル「ガヴちゃんっ?」
ゼルエル「よく来たガヴリール。まずこれをつけなさい」
ガヴリール「なにこれ……犬耳?」スチャ
ゼルエル「ガヴリールかわいい!」ナデナデナデ
ガヴリール「うざ」ペシン
ゼルエル「こうやって苦手生物に扮したガヴリールをなでて弱点を克服するんだ」
タプリス「いやそれただお姉さんがプチコスプレの先輩を愛でたいだけじゃ」
ラフィエル「なるほど」
ヴィーネ「なるほど」
タプリス「白羽先輩!?月乃瀬先輩!!」
ゼルエル「ではまず私からだ」ワクワク
ゼルエル「色んなタイプの犬耳を用意したから全部つけなさい。ガヴリール」
ガヴリール「はぁーだっる。しかも姉さんに撫でられなきゃいけないんでしょ?帰るわ」
ゼルエル「お給料は弾むぞ」
ガヴリール「わんわん」
ガヴリール「ん」スチャ
ガヴリール(垂れ耳)「つけたよ」
ゼルエル「はぁぁぁぁぁ……っ!ガヴリールかわいい!」ナデナデ
ゼルエル「次これ」スチャ
ゼルエル「立ち耳ガヴリールもかわいい……!」ナデナデナデ
ゼルエル「はいこれ」スチャ
ゼルエル「丸耳ガヴリール……!」ナデナデナデナデ
タプリス「私も撫でていいですよねっ?全生物ダメなんですもんねっ?」
ゼルエル「待ちなさい。タプリスの番はちゃんと後で用意してあるから」ナデナデナデ
タプリス「やった!」
ゼルエル「うさ耳ガヴリール!もちろんかわいい!」ナデナデ
ガヴリール(うさ耳)「…………」
ガヴリール(うさ耳)「姉さん、なんか趣旨変わってるよね」
ゼルエル「すまない。お前に似合いそうだと思って片っ端から買ってしまったんだ」
ガヴリール(うさ耳)「無駄づかいすんなよ」
ヴィーネ「どの口が言うか」
ゼルエル「後はゾウ耳とかあるんだが」
ガヴリール(うさ耳)「絶対似合わないだろ。ちゃんとやってよ」
ゼルエル「わかった……犬耳に戻す」
ゼルエル「うん。だいぶ犬に親しみを持ててきた気がするぞ」ナデナデ
ガヴリール(犬耳)「そう?」
ゼルエル「今なら普通にさわれそう」
ガヴリール(……久しぶりに姉さんにこんな撫でられた)
ガヴリール(姉さん撫でるのだけは昔から上手いんだよな。すごく優しい手つきで)
ガヴリール「んぅぅ…………」トロ-ン
ゼルエル「ガヴリールかわいい」ギュッ
ガヴリール「こ、こら!抱きしめていいとは言ってないぞ」
ゼルエル「ガヴリール、そろそろ次の段階に進もう」
ガヴリール「次の段階?」
ゼルエル「下界はすごいな。付け耳だけでなく付け尻尾も売られていた」ゴソゴソ
ゼルエル「人々はこうして、より獣に近づきなりきる事で、異種族を理解しようと努力しているんだな」
ゼルエル「ほらこれだ」スッ
ガヴリール「ぶっっ!?」
ガヴリール「ね、姉さんそれって……!挿すやつ……っ!」
ゼルエル「どうしたガヴリール?」
ガヴリール「姉さんの変態!!!!!」パシ-ン
ゼルエル「まさかあれがそんな物だとは思わなかった」ヒリヒリ
ゼルエル「下界どうかしてる」ヒリヒリ
ガヴリール「ふんっっ!!!」プンプン
ゼルエル「気を取り直して、ガヴリールこれを被りなさい」
ガヴリール「なにこれ、カエルのフード?じゃあ次はラフィか」
ラフィエル「ひっ……」
ラフィエル「も、ももももうわたしの番ですか?」プルプル
ガヴリール「お前、流石に被りものでビビるとかないだろ。よいしょ」カポ
ガヴリール「どうだ?」
ヴィーネ「両生類ガヴかわいい……」
ラフィエル「う、ううう……」
ラフィエル「ががががガヴちゃんそそそれではなでますねっ」
ガヴリール「顔色悪いぞラフィ……これでも駄目なのか」
ラフィエル「うううう……すみません、想像力が豊かな方でして」ビクビク
ラフィエル「あああああああああああ」ワシャワシャワシャ
ガヴリール(すごく必死に触ってる感が……)
ガヴリール「仕方ないなラフィは。こういうのはちょっと強引にやったほうが慣れるんだ」
ラフィエル「ガヴちゃん……?」
ガヴリール「えいっ」ギュッ
ガヴリール「どうだほらカエルが抱きついてるぞ」ギュ-
ラフィエル「ああああああ」ゾゾゾゾ
ガヴリール「ゲコゲコゲコ」
ラフィエル「ガヴちゃんから抱きついてくれるのが嬉しいのにカエルに抱きつかれてると思うと最悪なのにガヴちゃんがギュってしてくれてる」
ラフィエル「私これ嫌がればいいんですか!?喜べばいいんですか!?」
ヴィーネ「喜べばいいと思うわよ」
ゼルエル「うん」
タプリス「素直に羨ましいです」
ガヴリール「どう?慣れた?」
ラフィエル「あ、ああ、はい。多少は……」
ガヴリール「それはよかった」スッ
ラフィエル「あっ……」
ガヴリール「ん?」
ラフィエル「えっと……あの、ガヴちゃん」
ラフィエル「……まだ少し怖いので、慣れるためにもう少しだけ、続けてもらえませんか?」
ガヴリール「ん」
ガヴリール「じゃあもう少し」ギュッ
ラフィエル「あう」
ラフィエル(やっぱりガヴちゃん可愛いですね……)
ラフィエル(落ち着いて見れば、カエルの被り物も可愛いかもしれません)
ラフィエル「ガヴちゃん……」ナデナデ
タプリス「あ、白羽先輩、自然に撫でれるようになりましたね」
ヴィーネ「すごい……ふざけた企画だと思ったけど意外と効果あるのね」
ゼルエル「流石ガヴリールだな!」
ゼルエル「よし、そろそろ次へ行くぞ」
ガヴリール「……」ミョンミョンミョン
ヴィーネ「……触覚がみょんみょん動くガヴリールかわいい」
ガヴリール「え、これなんのコスプレなの?」
ヴィーネ「ご、ごきぶり……」
ガヴリール「ゴキブリ!?」
ガヴリール「わたしいまゴキブリなのかぁ」
ヴィーネ「ガヴ、なでていい?」
ガヴリール「いいけど、触った瞬間槍で吹き飛ばすとかしないでよ?」
ヴィーネ「し、しないわよ」
ガヴリール「お前人の部屋を黒焦げにする問題児なんだからな」
ヴィーネ「あの時はほんとごめん……」ナデナデ
ヴィーネ「撫でるのは普通にできるわね」ナデナデ
ガヴリール「まあそうでしょ。触覚つけただけだし」
ヴィーネ「ぎゅってしていい?」
ガヴリール「うん。まあ」
ヴィーネ「ガヴ~」ギュ-
ヴィーネ「これも普通にできるわね」
ガヴリール「触覚つけただけだし」
ガヴリール「ていうかゴキブリ感が全くないよ」
ヴィーネ「四つん這いで這ってみるとか」
ガヴリール「すごく悲しくなりそう。絶対やらないからな」
ヴィーネ「私もそんなガヴ見たくない……」
ガヴリール「ところでヴィーネ、今日の晩御飯はお蕎麦を食べたい」
ヴィーネ「いきなり夕飯のリクエストを出してきたわね。それなら買い物付き合ってよ?」ナデナデ
ガヴリール「しかたないなー」
ヴィーネ「どんなお蕎麦にしよっか。冷たいのがいい?温かいの?」
ガヴリール「あったかいの」ギュ-
ゼルエル「すごいな、ゴキブリと献立を決めているぞ……」
ラフィエル「さすがヴィーネさん……ゴキブリと仲良しですね!」
タプリス「完全に克服してゴキブリを手なづけてます!」
ヴィーネ「ちょっと、変な表現しないで!相手はガヴでしょ!?」
タプリス「やっと私の番ですね!」
ゼルエル「うむ。タプリスには全てのガヴリールを味合わせてやろう」
ゼルエル「存分に堪能しなさい」
タプリス「やった!」
デデ-ン
ガヴリール「」(犬カエルゴキブリ)
タプリス「…………あの」ナデナデ
ガヴリール「ん?」
タプリス「…………これ、なんの生き物なんでしょう?」ナデナデ
ヴィーネ「……キメラじゃない?」
タプリス「こんなの下界にいませんよぅ……」ナデナデ
ガヴリール「慣れた?」
タプリス「そもそも怖くないです」
ゼルエル「ふむ、動きがないといけないのかもしれないな」
タプリス「そう言う問題では……」
ゼルエル「よしガヴリール、鳴き真似だ」
ガヴリール「鳴き真似……わからないぞ」
ガヴリール「タプリス、なんて鳴けばいい?」
タプリス「えぇ?えー……そもそもこの生き物鳴くんですか?」
ヴィーネ「キメラはそれぞれの生き物が同時に鳴くわよ」
ガヴリール「無理だろ……」
ガヴリール「とりあえず、なんかしら鳴いた方が雰囲気出るんじゃないの?」
タプリス「えー、えー……うーん」
ガヴリール「なんでもいいよ」
タプリス「なんでもいいですか?」
ガヴリール「うん」
タプリス「じゃ、じゃあ。タプリス大好きと……」///
ガヴリール「そんな風に鳴く生物怖くね?絶対いないし」
タプリス「なんでもいいなら鳴いてくれてもいいじゃないですか!」
ゼルエル「よし、みんな慣れたな?」
ヴィーネ「はい!」
ラフィエル「完璧です!」
タプリス「よくわかりません」
ゼルエル「次は実践だ。この幕の向こうにそれぞれの苦手な生き物を用意してある」
タプリス「えっ!?」
ゼルエル「実際に奴らと触れ合って克服できたか確かめるんだ!」
ヴィーネ「望むところです!」
ラフィエル「やってやりましょう!」
タプリス「いや、ちょっ……!」
ゼルエル「オープンザプライス!!(意味は知らない)」バッ
犬「ハッハッハ」
カエル「ゲコゲコゲコゲコ」
ゴキブリ「」カサカサカサカサカサカサ
ゼルエル「いやあああああああ!!」シュン
ラフィエル「いやああああああ!!」シュン
ヴィーネ「いやあああああああ!!」ヴォン
タプリス「ぎゃあああああああ!!」タタタタ
ガヴリール「いや!待っ……!」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「片付けてから帰れよ!!!!」
ゴキブリ「」カサカサカサ
カエル「ケロケロ」パクッ
ガヴリール「…………ええー」
【後日・ガヴリール宅】
ゼルエル「ガヴリール!」バ-ン
ガヴリール「うわなに!?」
ゼルエル「前回の失敗を学んだぞ!もっと見た目を実物に近づけるべきだったんだ!」
ラフィエル「ヴィーネさん協力のもと、着ぐるみを製作しました!」
ヴィーネ「ゴキブリもなんとか上手く可愛く作れたの!どう!?」
タプリス「キメラもありますよっ!」
ゼルエル「というわけで」
ゼルエル「リベンジだ!ガヴリール!」
ガヴリール「つきあってられるか!!!」
完