【ガヴリール宅前】
サターニャ「~~~♪」トコトコ
サターニャ「ガヴリールぅ!構いに来てあげたわよー!」ピピピピピンポ-ン
シーン
サターニャ「?」
サターニャ「いないのー?」ガチャ
サターニャ「……鍵空いてる」
サターニャ「ガヴリールー?」トテトテ
サターニャ「!?」
ガヴリール「」
サターニャ「ガヴリールが死んでる!」ガ-ン
元スレ
ガヴリール「お腹空いたのにお金ない」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1507215753/
サターニャ「が、がゔりーる?」チョンチョン
ガヴリール「」
サターニャ「ガヴリール!!」ユサユサ
ガヴリール「」
サターニャ「……もしもしラフィエル!ラフィエル!?ガヴリールが死んでるの!」
サターニャ「天使って何したら生き返るの?復活草とかそういうの無いの!?」
サターニャ「ふっかつのじゅもん?フェニックスの尾?なによそれ!いや嘘じゃないってば!!」
サターニャ「家に入ったらリビングで干からびたカエルのように倒れてて───」
ガヴリール「」ピク
サターニャ「ひっ、ひぃぃ!動いた!?」ビク
ガヴリール「サターニャ……!」
サターニャ「なっ、なに?」
ガヴリール「何か……喰わせて……」グゥゥゥ
ガヴリール「はぐはぐはぐはぐ!!」ガツガツ
ラフィエル「なるほど、お腹を空かせて倒れていたんですね」
ラフィエル「もう、サターニャさんが変な電話をよこすからネタ振りか何かかと思いましたよ」
サターニャ「こっちは緊急事態なのに勝手に大喜利始めてんじゃないわよ!」
ガヴリール「いやマジでやばかった。あと少しでほんと餓死してたわ」モグモグ
ラフィエル「まあ私達が人間界で亡くなっても天界に帰るだけですけどね」
サターニャ「餓死で帰省する天使って情けなさすぎるでしょ」
ガヴリール「はぁー、食った食った。助かったよ二人とも」
ラフィエル「コンビニの各種お弁当を数分で平らげましたね」
サターニャ「んで、なんであんたは倒れてたのよ」
ガヴリール「うむ、実は食べるものが無くてここ数日水だけで凌いでいたんだ。自宅にいながら半分遭難状態ってわけ」
サターニャ「それってつまり……?」
ガヴリール「課金しすぎて金がない!!恵んでくれサターニャ!」
サターニャ「アホなんじゃないのあんた」
ガヴリール「いやもう本当にすっからかんなんだよ!」
サターニャ「知らないわよそんなこと!」
ガヴリール「なんでもするから助けて!」
サターニャ「ん、なんでもする?」ピク
ガヴリール「します!」
サターニャ「ふふん、ああそう?そんなにお金欲しいの」
サターニャ「あー、フローリングの床だとお尻が痛いわ。ちょうどいい椅子はないかしら?」チラ
ガヴリール「喜んで!」ガバッ
サターニャ「なにほんとに四つん這いになってんのよ!!プライドないのあんた!?」
ガヴリール「プライドで死んでたまるか!」
ガヴリール「サターニャがダメなら!」
ガヴリール「ラフィ!お金を恵んでくれ!」
ラフィエル「あららー」
ラフィエル「そうですねー、そんなに欲しいなら這いつくばってワンと鳴いた後、丁寧に私の足を舐めてもらいましょうか」
ガヴリール「欲しい!」ガバッ
ラフィエル「えっ? あ。ほ、ほんとに舐めてくれるんですね。じゃ、じゃあ靴下脱ぎます」
ラフィエル「せっかくなら素足を舐めて欲しいので……」ドキドキ
サターニャ「やめなさいよあんた達!天使がやっていい行動じゃないから!!」
ラフィエル「別にお金に余裕はあるので普通に貸しても良いんですけど、ちゃんと返してくれます?」
ガヴリール「将来的には!」
サターニャ「いや仕送り来たらすぐ返しなさいよ」
ラフィエル「ではトイチで貸します」
ガヴリール「おに!あくま!」
ラフィエル「なんなら身体で返してくれてもいいんですよ?」
ガヴリール「淫魔!」
ガヴリール「なんでお前そんなに金あるんだよ……私がこんなに苦しんでるのに」
ラフィエル「それは天使のお仕事を頑張っているからですよ。その分しっかり仕送りを頂いているんです」
ラフィエル「天使学校次席として、その名に恥じぬよう人々を清く正しく導く」
ラフィエル「その為には、日々感謝の気持ちを持って精進していく事が当たり前なんです」
ガヴリール「それ私に言ってる?」
ラフィエル「いえいえ、首席様には何も言ってませんよ」ニコ
ガヴリール「サターニャ、ラフィがいじめるんだけど」
サターニャ「今のところはあんたに非があると思うわ」
サターニャ「とりあえず、これからガヴリールの生活をどうするか考えないとね」
ガヴリール「え?いや金だけ貸してくれればいいんだけど……」
ラフィエル「ダメですよ。ガヴちゃんにお金を貸すとそのままゲームの課金に使っちゃいますから」
ガヴリール「ぐ……そんな事ないって」
サターニャ「あんたには物資の供給以外はありえないわ」
ガヴリール「金を貰えないのはまずいな。そろそろガスと電気が止まりそうなんだよ」
サターニャ「あんたなに支払い滞納してんのよ!」
ガヴリール「今月!今月払う予定だったの!」
ラフィエル「ライフラインを止められる天使って……」
ガヴリール「最悪コンビニ生活かなって思ってたんだけど。お湯もあるし」
ラフィエル「そんなの身体に悪いですよ」
サターニャ「お風呂は?」
ガヴリール「生か死の前では必要ないだろ」
サターニャ「大層な理由を盾にしてきたけど、そうなった原因はあんた自身にあるのよ」
ラフィエル「女の子である以上、お風呂に入らないのは許しません」
ガヴリール「うーん、それなら当分は誰かの家に泊まるしか……」
サターニャ「くっくっく……」
サターニャ「いいわよガヴリール。私が飼ってあげるわ。これを付けたらね!」(首輪)
ガヴリール「はぁ?誰が付けるか。ラフィ、しばらく泊め」
ラフィエル「いいですよー」(首輪)(犬耳)(尻尾)(リード)
ラフィエル「あ、当然服は脱いでもらいますよ」
ラフィエル「だって犬にお洋服なんて必要ありませんから。うふふふふ」
ガヴリール「サターニャ飼って」
サターニャ「え、いいの?首輪よ?」
ガヴリール「あっちよりマシ」
サターニャ「あんたほんとプライドないわね」
ラフィエル「とりあえず犬耳は可愛いので付けてください」スチャ
ガヴリール(犬耳)「なんでだよ」
ラフィエル「ガヴちゃん可愛いですっ」ナデナデナデ
サターニャ「でもあんたの事だから、こういう時はヴィネットに泣きつくと思ってたわ」
ガヴリール「バカ、あっちだって仕送りきついんだぞ。お荷物一人増えたらやっていけないだろ」
ラフィエル「お荷物って自覚はあるんですね」
ガヴリール「というわけでよろしくサターニャ」
サターニャ「この会話の後に引き取るのはなんか嫌ね……」
【後日・サタニキア邸】
ガヴリール「さたーにゃぁ、ごはんー」グデグデ
サターニャ「今作ってるから待ちなさい」
サターニャ「あんた用に辛くないの用意しないといけないんだから」
ガヴリール「いやー、まさかお前がこんなに面倒見いいとは思わなかったわ」
サターニャ「ふふん。私は部下に対しては寛大なの!」
ガヴリール「誰が部下だ」
サターニャ「よし!できたわよー」
サターニャ「って、こらガヴリール!また付けるの忘れてるじゃない!」
サターニャ「いつも付けてなさいって言ってるでしょ!」スチャ
ガヴリール(犬耳)「いやこれ付ける必要ないだろ」
サターニャ「あんたは今私の飼い犬なんだからね!」
サターニャ「んふふふ♪」ナデナデ ニコニコ
ガヴリール「めんどくさい」
サターニャ「食器が1人分増えると地味に洗うの面倒くさいわね」カチャカチャ
サターニャ「ガヴリールも手伝いなさいよ」
ガヴリール「お前の家のキッチン私には高いんだもん。踏み台かなんか置いてくれよ」
サターニャ「あんたがいるとほんと手間がかかってしょうがないわ」
ガヴリール「でも私がいる事でメリットもあるだろ?ゲームとかやり放題だし」
サターニャ「ま、まあ。構っ……話し相手がいるから暇じゃなくなるわね」
ガヴリール「構ってほしいなら素直に言えよ」
サターニャ「か、構って欲しくなんかないわよ!」
ガヴリール「まあ素直に言われたところで構うかどうかは私の気分次第だけどな」
サターニャ「むきいいい!!」
ガヴリール「」ピコピコ
サターニャ「」ピコピコ
サターニャ「……ちょっとガヴリール!このボス全然倒れないんだけど!?」
ガヴリール「んー?」
ガヴリール「あー……」
ガヴリール「うたえ」
サターニャ「へっ?」
ガヴリール「歌えば倒せるんだよ。それ」
サターニャ「嘘でしょ」
ガヴリール「ほんと」
サターニャ「…………」
サターニャ「ぴ、ぴーぽーもでーぼーも」
ガヴリール「なんでお前が歌ってんだよ」
ガヴリール「ていうか新しいコマンド出たら試すだろ普通」
サターニャ「コマンドを増やして惑わせる敵の妨害だと思ってたわ……」
ガヴリール「そんなわけないだろ……」
サターニャ「あと、途中の山道で私と名前が似てるブサイクな雑魚敵が出てきたんだけど」
ガヴリール「その世界のお前だよ」
サターニャ「もっと可愛くしなさいよ!」
ガヴリール「私に言うなよ」
サターニャ「あんたはそれ何やってんの?」
ガヴリール「んー、一国の王子が温泉たまご食べて蛇になったり、水に入ってカエルになったりするゲーム」
ガヴリール「終わったらラフィエルに貸そうと思って」
サターニャ「それカートリッジに思いっきりカエルって書いてあるじゃない。絶対やらないでしょ」
ガヴリール「じゃあこれ」
ガヴリール「色々な時代を冒険するストーリーなんだけど、中世で仲間になる剣士がすごくかっこいいんだ」
サターニャ「パッケージにカエルの剣士がいるんだけど」
ガヴリール「これも無理かな」
ガヴリール「んじゃ、さっきのと同じスタッフが作ってるらしいんだけど、スマホゲーはどうよ」
ガヴリール「サムライ風のカエルのキャラがお茶目で面白いんだ」
サターニャ「あんたどうしてもラフィエルに嫌がらせしたいのね」
ガヴリール「主席の力を見返してやりたい」
サターニャ「やる事がちっさい!」
ガヴリールの携帯「」ヴヴヴヴ
ガヴリール「ん……」
ガヴリール「もしもし?姉さん?」
ガヴリール「うん、うん。……うん?」
ガヴリール「えっ、まじ!?」
ガヴリール「なんだよもう!絶対今月少ないと思ったんだよ!てっきり私が天使っぽくない事してたから減ったのかと……ああいやなんでもない」
ガヴリール「はいはい、清く正しく生きてますよ。じゃあね、姉さん」ピッ
ガヴリール「サターニャ!」
サターニャ「な、なによ?」
ガヴリール「今から仕送りが来るぞ!」
サターニャ「えっ」
ガヴリール「手違いで今月の仕送りが少なく支給されてたらしい。差額を振り込んでくれるってさ」
サターニャ「じゃあ……」
ガヴリール「世話になったな。お礼に焼肉奢ってやるよ」
【お店】
ジュージュー
サターニャ「…………」
ガヴリール「はむはむはむ!」
サターニャ「…………」
ガヴリール「なんだよサターニャ。食わないの?」モグモグ
サターニャ「ううん……」
ガヴリール「もしかしてあんまりお腹空いてなかった?」
サターニャ「いや、その」
サターニャ「あっさり終わっちゃったわね」
ガヴリール「んー?」
サターニャ「あんたとの生活、意外と悪くなかったなって」
ガヴリール「…………」
サターニャ「朝は全然起きないから何度も何度も起こさないといけないし」
サターニャ「学校行きたくないって駄々こねるから無理やり引っ張って出ないといけないし」
サターニャ「嫌いなものは食べ残すし」
サターニャ「掃除機かけたいのに床でゴロゴロしてるから邪魔だし」
サターニャ「お風呂は私が洗ってあげないと自分から入らないし」
サターニャ「夜遅くまで起きてるから生活音うるさいし」
サターニャ「寝相悪くてしょっちゅう抱きついてくるからうっとうしいし」
サターニャ「大変だったけど、振り返ると楽しかったわ」
ガヴリール「お前マゾなの?」
ガヴリール「いやごめん、迷惑かけてる自覚なかったわ……」
ガヴリール「……別にさ、お別れってわけじゃないじゃん?」
サターニャ「うん……」
ガヴリール「お前が構って欲しいなら泊まりに行くしさ」
ガヴリール「サターニャもうちに泊まりにこいよ。汚い部屋だけどな」
サターニャ「ほ、ほんとっ?いいのっ?」
ガヴリール「うん。いいよ」
サターニャ「ガヴリール……!」
サターニャ「え、えへへっ。そうね!泊まりに行くわ!掃除して待ってなさい!」
ガヴリール「掃除やだ」
サターニャ「よっし!お腹空いてきたわ!今日はじゃんじゃん食べるわよ!!!」
ガヴリール「いやお前、お金入ったとは言えあくまで差額なんだからな?セーブしろよ」
【1ヶ月後・ガヴリール宅前】
サターニャ「~~~♪」トコトコ
サターニャ「ガヴリール、遊びに来ていいって言ってたもんね。家にお邪魔してもいいわよねっ」
サターニャ「お泊まりセットも持って来ちゃったんだから!」ウキウキ
ピンポーン
サターニャ「がっゔりーるぅー!大悪魔様が相手しに来てあげたわよー!」ガチャ
ガヴリール「」
サターニャ「また死んでる!!」ガ-ン
完


