【昼休み】
ひふみ「…………」
ひふみ(デスクの上に起きっぱなしのこの枕……青葉ちゃんの私物かな?)
ひふみ(可愛い枕だけど、デスクの上に置いたままだとコウちゃんに注意されちゃうかも……)
ひふみ(……青葉ちゃんが恥ずかしい思いをしないためにも、引き出しになおしておこう)
ひふみ「…………」スッ
ひふみ「……これが青葉ちゃんが普段使っている枕……」
ひふみ「…………っ」キョロキョロ
ひふみ(ちょっとだけ、ちょっと匂いを嗅ぐだけなら……)
ひふみ「………んっ……」スンスン
元スレ
ひふみ「青葉ちゃんの枕……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1503148738/
ひふみ「…………っ」スンスン
ひふみ(青葉ちゃんの匂いと、ほんのりシャンプーの匂いが混ざって、いい匂い……)
ひふみ(もう少し近くで嗅ぎたくなるような、癖になる匂い……)
ひふみ「…………んっ」ボフッ
ひふみ「ふーーーーっ、ふーーーー!っ…………」フゴフゴ
ひふみ(あぁっ、今私、青葉ちゃんの枕に顔埋めてる、青葉ちゃんと一つになってる……!)
ひふみ(こんなところ人に見られちゃだめなのに、嗅ぐのやめられないよぉ……!)
青葉「ひ、ひふみ先輩……?何してるんですか……?」
ひふみ「!?!?」
青葉「……それ、私の枕ですよね?今ひふみ先輩私の枕で何してたんですか?」
ひふみ「青葉……ちゃん……?え、えっと、これは……違うの……っ」
ひふみ「つ、机の上に起きっぱなしだったから、片付けておこうと思って……っ!」
青葉「あの、私の見間違えでなければ、ひふみ先輩今」
青葉「……嗅いでましたよね?私の枕」
ひふみ「えっ」
青葉「顔埋めて嗅いでましたよね?」
ひふみ「…………」
青葉「え、えっと、なんで嗅いでたん……ですか?」
ひふみ「…………」
青葉「……ひふみ先輩?」
ひふみ「…………ごめんなさい」
ひふみ「青葉ちゃんの枕が気になって……」
青葉「私の枕の匂いが……ですか?」
ひふみ「あ、え、えっと……うん……」
ひふみ「ご、ごめんね、気持ち悪いよね、枕の匂い、勝手に嗅がれたりしたら……」
ひふみ「……嫌だよね?」ウルッ
青葉「ひふみ先輩……泣いてるんですか……?」
ひふみ「ご、ごめんね、情けない先輩で……っ、気持ち悪い先輩でごめんね……?」グスッ
青葉「……あの」
青葉「なんでひふみ先輩が被害者みたいな面して泣いてるんですか?」
ひふみ「……えっ?」
青葉「何で私の枕に顔を埋めてふごふご喚いてた変態が被害者面して鼻水垂らしながら泣いているのかって聞いているんです」
青葉「二十代真ん中の独身根暗処女に十代後半ピチピチ女子の犯罪スメル吸引されてるんですよ?泣きたいのはこっちなんですけど?」
ひふみ「あ、青葉ちゃ……っ、ご、ごめんなさい、…………っ!」グスッ
青葉「謝罪も涙も求めてないんですよこっちは、何で私の枕の匂いを嗅いでいたのかって聞いているんです」
ひふみ「……うぅ」
青葉「……」
青葉(どうしよう、こんな事言うつもり無かったのに、ひふみ先輩の泣き顔がかわいすぎて止まらなくなっちゃったよぉ~!)
青葉(後で謝ったら許してくれるかなぁ……?)
青葉「まぁ最初から変な人だってことはわかってたんですけどね」
青葉「会社でも録にコミュニケーションも取らずにいつもビクビクしてるし、話題を振ってもマトモな返しができないし」
青葉「最初はそういうのが苦手な人なんだなって事で理解はしていましたけど、今回の行動ではっきりわかりました」
青葉「やっぱりちょっとあっち系の人だったんですね、頭のネジの外れた変態さん、本当に気持ち悪い」
青葉「言っておきますけど、ひふみ先輩が男性だったら私、その場で叫んで警察呼んでますからね?己の美少女っぷりに感謝することですね」
ひふみ「ごべんなざい……っ!もう……許して……っ!」ポロポロ
青葉「はぁ、もういいです、幻滅しました、ひふみ先輩がこんな人だったなんて……っ」ゾクゾク
青葉(あぁ、何だかお腹の真ん中がキュンキュンしてきてる……♥私も変態さんなのかなぁ……?)
……
はじめ「それでさぁ、遅刻ギリギリで急いでたから思いっきり転んじゃって……」
ゆん「もう、気いつけぇや?そないな生活しとったらいつか事故に巻き込まれるんやから……」
ひふみ「ご、ごめんなさい青葉ちゃん……っ、もうしないから、嫌いにならないで……っ!」グスッ
ゆん「……ひ、ひふみ先輩?どないしたんですか!?」
青葉(あ、やばっ……)
ひふみ「ふぇぇぇぇぇん…………っ!!!」ポロポロ
はじめ「ちょ、ちょっとひふみ先輩!?な、何がどうなって……!!」
ゆん「青葉ちゃんひふみ先輩と一緒におったんやろ?ちょっと状況を説明して欲しいんやけど」
青葉「え、えっと、その……」
青葉(どうしよう、ひふみ先輩が私の枕を嗅いでいた話をしちゃうとひふみ先輩が皆に気持ち悪がられちゃう!)
青葉(でも、そこから説明しないとひふみ先輩が泣いている理由を説明できないし、うーん、どうすれば……)
青葉(……!!)
青葉「お、お騒がせしてごめんなさい、実は私がひふみ先輩の楽しみにしていたプリンを勝手に食べちゃったんです!」
ゆん「……プリン?」
ひふみ「……ごめんなさい青葉ちゃん……ごめんなさい……っ」グスッ
ゆん「……ひふみ先輩のほうがごめんなさい言うとるけど?」
青葉「……うっ」
ガチャッ
コウ「なになにー?ひふみんどうしちゃったの?」
りん「あらあら、本当に泣いてる、どうしちゃったのかしら……」オロオロ
葉月「はじめ君から聞いたよ、滝本くん、少し落ち着いて、訳を話してくれないかい?」
青葉「あわわわわわわ…………」
阿波根「滝本さんがここまで取り乱す姿は初めて見ました、何か深い訳があったのでしょう」
ゆん「うちが来た頃に既にこないな事になってて、唯一事情を知ってそうなのは青葉ちゃんくらいなんですけど……」チラッ
青葉「……」ビクビク
コウ「青葉、少し話そうか」
……
コウ「つまりこういう事か」
コウ「ひふみんが青葉の枕を嗅いでいたところを見てしまって、その事について問い詰めたらひふみんの反応が面白かったため」
コウ「追い討ちをかけたらひふみんを泣かせてしまった……と」
青葉「……はい」
コウ「……なぁ青葉、お前さ、中学とか高校とかでさ、部活とかやってた?」
青葉「ええと、まぁ、一応……」
コウ「先輩に挨拶するのは当たり前、先輩に敬語を使うのは当たり前、部活でも教わったろ?社会にでてもそれはそうだ、青葉もよくわかるよな?」
青葉「……はい」
コウ「青葉、その当たり前ができない奴に仕事なんて勤まるのか?」
青葉「……」
コウ「もう学生じゃないんだからさ、その辺少しは考えようよ」
コウ「いくら先輩が優しくて居心地がいいからって、発言には気をつけるべきだろ?青葉」
青葉「……」
コウ「返事は?」
青葉「……はい………っ」グスッ
コウ「そりゃ青葉だけが悪いわけじゃないさ、ひふみんが青葉の枕の匂いを嗅いでいて、青葉もあまりいい気分はしなかっただろうさ」
コウ「でもな、反応を面白がって言動がエスカレートしてって、小学生かっての」
青葉「……ごめんなさい」グスッ
コウ「今一度自分が社会人であるって自覚を持って、仕事に取り組んでくれ、青葉」
コウ「私だって青葉の事が嫌いでこんなこと言ってる訳じゃないんだ、これから先、一緒に仕事をしていく上で大事な事だから青葉に注意してるんだぞ」
コウ「青葉は頑張ってるよ、仕事もよくやってる、期待してるんだからさ、な?」
青葉「……はい、以後、気を付けます」
ガチャッ
青葉「……」グスッ
ゆん「青葉ちゃん、八神さんに結構キツい事言われたんやろなぁ」
はじめ「八神さん、あんな感じだけど言うときは言う人だからねー」
ゆん「まぁ元気だしぃや、ほら、青葉ちゃん、飴ちゃんいる?」ゴソゴソ
青葉「……ありがとうございます」スッ
ひふみ「……」
青葉「……あっ、ひふみ先輩……」
ひふみ「青葉……ちゃん……あの……」
ゆん「ほら、二人で話してきいや」
青葉「いや、でも、仕事中ですし……」
ゆん「そんな顔で仕事されたらウチらまで気が滅入るんやから、な?」
青葉「……ありがとうございます、ゆん先輩」
……
青葉「ごめんなさいひふみ先輩、私、酷いこと一杯言ってしまいました」ペコッ
ひふみ「わ、わたしのほうこそごめんなさい、勝手に枕……嗅いだりして……」ペコッ
青葉「……実は私、ひふみ先輩が私の枕を嗅いでいたの、そんなに、嫌じゃなかったんです」
青葉「む、むしろ嬉しかったというかなんというか……」モジモジ
ひふみ「……えっ?」
青葉「だ、だからごめんなさい!!本当はひふみ先輩の困った顔が見たかっただけなんです!!」
青葉「そんな事の為にひふみ先輩にあんな酷いこと言って、私、私……っ」グスッ
ひふみ「ううん、いいの、泣かないで、青葉ちゃん……」
青葉「ひふみ先輩……」
ひふみ「……よかった、私、青葉ちゃんに嫌われてなくて……よかった……っ」ポロポロ
青葉「ひ、ひふみ先輩だって泣いてるじゃないですかぁ……っ!」グスッ
……
りん「覗き見なんて、趣味が悪いわよ、コウちゃん」
コウ「し、仕方ないだろ、さっき青葉にあんなこと言っちゃった矢先、最後まで見届けるのが上司の義務……っていうか?」
りん「ふふっ、コウちゃんったら格好つけちゃって」
りん「心配だったのよね?二人が」ニコッ
コウ「ふんっ」プンッ
りん「……でも、青葉ちゃんの気持ち、わからないことも無いかも」
コウ「……何が?」
りん「あの二人の泣き顔を見てると、何だか私も変な気持ちに……」
コウ「も、もう!りんまで変な事言うのはやめろって!これ以上私の悩みを増やさないでくれーっ!」
りん「ふふ、冗談よ」ニコニコ
りん(コウちゃんの困った顔、かわいい♥)
完