あやめ速報-SSまとめ-

妹「お兄ちゃんお兄ちゃん」

兄「どうした妹よ」


妹「宿題が残ってました」ｽﾞｰﾝ

兄「え、こないだ終わらしただろ」


妹「絵日記がまだでした……」

兄「しかもよりによってそれか」


妹「妹は既に前半の記憶が曖昧です」

兄「……よく考えたら妹は基本家からでてないから平気じゃないか？」


妹「事実なだけにショックです！」

兄「ま、まぁ埋めるの手伝ってやるから気を落とすな」


妹「後半は花火とかプールとか行きましたし……」ｽﾞｰﾝ

兄「うんうん、楽しかったな」


兄「夏休みはまだあるからまた行こう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

妹「楽しみです！」ﾍﾟｶｰ

友「てなわけでやってきました」

後「市民プール！」

妹「です！」

兄「テンション高いな」

友「なんか久しぶりな気がして」

後「ですねー」

兄「二日前に会ったばかりだろ」

妹「不思議です」


友「まぁそれはいいとして、どうかな」

兄「どう、とは」

後「水着の感想ですよ」

妹「気になります！」


兄「いや見るの二回目だし」

友「つまんなーい」ﾌﾞｰﾌﾞｰ

後「一回目とは違う感想を期待しましたが」

妹「残念です」


友「というか、妹ちゃんはまたスクール水着なの？」

妹「これはこれで良いものです！」

後「一部からの需要はありそうですけど……」

兄「ごめんなさい俺の財布がピンチなんです」ｸﾞﾀｲﾃｷﾆﾊﾏﾂﾘﾃﾞﾂｶｲｽｷﾞﾀ


友「あー、浴衣とか屋台とか結構使ってたしね」

後「それは、ご愁傷様です……？」

妹「……お兄ちゃん、お金無くなりましたか？」ｽﾞｰﾝ


兄「いや、母さんに連絡して浴衣分は出してもらえる事になってるから！大丈夫だから！」

友「間に合わなかったってことか」

後「昨日の今日でしたからね、プールの予定決めたの」

妹「大丈夫、ですか」


兄「あぁ、だから妹は気にしなくていい」

妹「わかりました！気にしません！」

友「よし、そうと決まれば！」

後「遊びましょう！」


この後たくさん遊んだ

妹「目覚めよ我が眷属よ」

兄「 」


妹「何を呆けておるのだ」

兄「いや、え？」


妹「ククク、未だ眷属としての記憶を取り戻してはおらぬか」

兄「……あ、あーなるほど」


妹「我が眷属として」

兄「深夜のアニメか？」


妹「ち、ちがいます！」ｱｾｱｾ

兄「素が出てるぞ」


妹「ククク、我は漆黒に魅入られし者」

兄「ダークファンタジー系か」


妹「せ、世界を我が手中に納める為には眷属の覚醒が」

兄「んで眷属ってのが俺か」


妹「むー！」

兄「そのマントにしてるのは……あぁ、浴衣と一緒に買った風呂敷か」


妹「こ、これは能力で作ったマントです！けして風呂敷ではありません！」

兄「破かないようにしろよー」


妹「ぐぬぬ」

兄「それはそうとプリン買ってきたんだが、食べるか？」


妹「ぷりん！」ﾌﾛｼｷﾎﾟｲｰ

兄「焼きとカスタードがある」


妹「悩みますー！」ｳﾑﾑ

兄「じゃあ半分ずつにするか」


妹「そうします！」ﾊﾟｧｱｱ

兄「ちゃんと片づけてからな」


闇に魅入られし者ごっこは一日で終わりました

兄「ただいまー」

妹「お帰りなさいお兄ちゃん」


兄「今日は起きてたか」

妹「頑張りました！」ﾑﾌｰ


兄「お風呂入ってくるな」

妹「ではご飯を温め直しておきます」


お風呂からあがり


兄「では、いただきます」ﾊﾟﾝ

妹「いただきます！」ﾊﾟｼｯ


兄「お、この唐揚げ美味しい」

妹「下味を変えてみました」ｴﾍﾝ


兄「醤油ニンニクベースもいいけど、こういう甘辛のもいいな」

妹「これからは交互に変えていきます！」


兄「だが妹よ、付け合わせの野菜が兄の方に偏ってないか？」ｼﾞﾄｰ

妹「そそそそんな事はないですよ！？年齢に合わせた適量です！」ｱｾｱｾ


兄「まぁ、そう言うことにしておくか」

妹「そ、そのうち食べるようになるんです」


兄「あぁ、じゃないと大きくなれないからな」

妹「……やっぱり今から食べるようにします」


兄「あいよ」ﾋｮｲ

妹「ありがとうございます」ｸﾞﾇﾇ


好き嫌いは良くないというお話

兄「……おはよう」

妹「…………」ﾍﾟｺ


兄「朝ご飯、作っといたから」

妹「…………」ｺｸﾘ


兄「……学校行ってくるな」

妹「……ん」

・
・
・

兄「……懐かしい、夢見たな」


妹「おに……ん」ﾓｿﾞ

兄「……ちゃんと兄としてやれてんのかね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


妹「ん……お兄、ちゃん？」

兄「おう、おはよう」


妹「おはよう……ございます？」ｺﾞｼｺﾞｼ

兄「なんで疑問系なんだ」ﾊﾊﾊ


妹「まだ外、暗いですよ？」

兄「あー、朝かと言うと微妙な時間ではあるな」


妹「では妹はもう一度寝ます……」ﾓﾌ

兄「当然のようにここで寝るのか」


妹「これは……です……から」

兄「…………おやすみ」


兄「やれてると思いたいな」

妹「…………」

兄「妹……ね」


兄「まぁ、よろしくな」

妹「…………」ﾍﾟｺ


兄(無愛想だな)

妹「…………」ﾎﾞｿﾎﾞｿ


兄「ん？」

妹「ッ！」ﾌﾙﾌﾙ


兄「……これからは二人きりの家族なんだ」

妹「…………」


兄「気を落とすな、は無理か」

妹「…………」


兄「……ぼちぼちやってこう」

妹「…………」ｺｸﾘ

兄「はい、元、ですが」

兄「は？いやいや、そんな事今更」

兄「宛って、親戚とか他に」

兄「拒否って、それで俺の所ってのは」

兄「……いや、仕送りとかそう言う話じゃ！」

兄「わかりました！わかりましたよ！」

兄「卒業までは、うちで預かります」

兄「その後はその時話しあいましょう」

兄「はい、はい、来週ですね」

兄「わかりました、それじゃ」ｶﾞﾁｬﾝ

兄「……なんだか、なぁ……」ﾄﾞｽﾝ

兄「今日から俺が兄と言うことになる」

妹「……はい」


兄「正確には従兄だが、まぁ細かいところはいい」

妹「…………」ｺｸﾘ


兄「それで、一緒に暮らす上でのルールを決めようと思う」

妹「ルール……」


兄「一つ、家事は分担」

妹「……やったこと、無いです」ｳﾂﾑｷ


兄「なら教えながらやろう」

妹「はい……」


兄「俺は妹、お前は俺を……まぁ兄貴でも兄ちゃんでもいい、それで呼べ」

妹「名前、とかじゃなくてですか？」


兄「いきなり出来た兄妹だ、明確な関係で呼び合った方が早く慣れると思う」

妹「……確かに」ｺｸﾘ


兄「そうでなくとも、年頃の男女が二人きりだ」

妹「…………？」


兄「まぁ、抑止力は必要だって事だよ、分からないなら気にしなくていい」

妹「……はい」


兄「で、最後だが……」

妹「…………」


兄「俺達は今日から家族だ、例え血が繋がってなくともな」

妹「はい」


兄「遠慮は無しだ」

妹「……難しい、です」ｳﾂﾑｷ


兄「だろうな、だからさし当たって今日は、妹の好きなものを食べにいこう」

妹「わ、妹の……ですか？」ｷｮﾄﾝ


兄「あぁ、なにが食べたい？」

妹「……それ、じゃあ」


妹「お、お兄ちゃん、の料理が食べたい、です」


兄「そんなんでいいのか」

妹「……はい」ｺｸﾘ


兄「……わかった、任せろ」

兄「どうだ」

妹「……あんまり」


兄「そうか……」ｶﾞｯｸｼ

妹「ご、ごめんなさい」ｱｾｱｾ


兄「いや、正直に言ってくれて嬉しい」

妹「……でも」


妹「妹には、出来ませんから……」

兄「すぐ出来るようになるさ」


妹「そう、でしょうか」

兄「あぁ、俺なんかすぐ追い越しちまうだろうな」ﾊﾊﾊ


妹「だと、嬉しいです」ﾆｺ

兄「気長にやろう」ﾆｺ

兄「こ、これは……」ｷｮｳｶﾞｸ

妹「ご、ゴメンナサイ……」ｱｾｱｾ


兄「ま、まぁ、初めてだからな」

妹「次は、頑張ります」


兄「そのいきだ！……それはそれとして」ｻｯ

妹「え、あ！」ﾋﾞｸｯ


兄「ふ、ぐ、むぅ、ん」ｺﾞｸﾘ

妹「……大丈夫、ですか？」ｺﾞｸﾘ


兄「あ、あぁ、辛くて苦くて堅くて甘い、だけだ」ﾆｺ

妹「それ、大丈夫じゃないです！」ｱｾｱｾ

兄「おぉ……見た目は完璧だ」

妹「反論出来ませんが、酷いです」ﾑｰ


兄「味は……旨い！」

妹「頑張りました」


兄「というか俺より上手い……」ｶﾞｯｸｼ

妹「お兄ちゃんはあれからあまり上達しませんでしたから……」ﾄｵｲﾒ


兄「もう、料理は妹だけでいいんじゃないかな……」

妹「お、お兄ちゃんの料理、妹は好きです、よ？」


兄「……フフ」

妹「………えへへ」


兄「頑張ったな、妹」

妹「頑張りました、お兄ちゃん」

妹「……いま、なんて」

兄「……飛行機の、事故で妹の親父さんが」


妹「嘘」

兄「…………」


妹「冗談にしても、酷いです」

兄「……本当、なんだ」


妹「嘘、嘘、嘘嘘嘘嘘！」ﾀﾞﾀﾞｯ

兄「あ…………ッ！」

兄「妹」

兄「ご飯置いとくからな」

兄「……食べてくれな」

兄「……………」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

妹「……………」

兄「すいません、休学の手続きを」

兄「はい、急なことなので」

兄「……落ち着くまでは」

兄「はい、お願いします」

兄「そうしていただけると」

兄「ありがとうごさいます」

兄「はい、失礼します」ｶﾞﾁｬﾝ

兄「…………」

兄「……こんな所まで似なくても良いだろうが」

兄「それから妹の世話やら説得やら、色々忙しかったな」

幼「…………」ｱﾝｸﾞﾘ


兄「ん？どうしたアホ面して」

幼「おっっっもいわ！」ｸﾜｯ


兄「うぉ！？」

幼「昼時に何てヘビーな過去話広げてくれてんの！？」


兄「いや、昨日見た夢の話を」

幼「あー聞いた、確かに聞いたよ！？」


幼「どんな夢だったーって軽いノリでな！？」

兄「大声出すなよ、なにがそんなに気に入らないんだ」


幼「そら世間話程度のつもりだったのが軽くトラウマ級のが出てきたらこうなるわ！」

兄「えーと、なんかすまん？」


幼「それもそうだがなによりだ！」

兄「お、おう」


幼「その時俺に相談がなかったことが腹立つ！」

兄「 」


幼「あん時お前いつにもまして暗かったしな、何かあったろうとは思ってたけど」

兄「いや、だってこんな話今でこそできるけど」


幼「それでもだ！」


幼「それでも、話するだけでも、マシになることもあるだろ」

兄「……すまん」


幼「あー、いや謝まんなよ」ｶﾞｼｶﾞｼ

兄「俺もいっぱいいっぱいだった、んだと思う」


幼「まぁ、二度も経験すりゃあな」

兄「……さすがに、キツかったよ」


幼「それでも、妹ちゃんはあそこまで元気になった」

兄「あぁ、本当によかった」


幼「お前の頑張りがあったからだ」

兄「……そうかな」


兄「そうだと、いいな」

幼「そうに決まってんだろ、馬鹿」

兄「ただいまー」

妹「お帰りなさいお兄ちゃん！」


兄「おー昼はちゃんと食べたかー」

妹「はい！そうめんチャンプルーを作りました！」


兄「それはまた、えらい挑戦だな」ｳﾍｰ

妹「苦かったです……」ｳﾍｰ


兄「でもえらいぞ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

妹「頑張りました！」ﾃﾚﾃﾚ


兄「…………」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

妹「…………？」


妹「あの……お兄ちゃん？」

兄「妹は……」


妹「…………妹は、大丈夫です」

兄「…………」ﾋﾟﾀ


妹「本当はまだ辛いです」


妹「でも、お兄ちゃんがいます」


妹「１人じゃ、無いです」


兄「そう、か」


妹「そうです」


兄「なぁ妹」


妹「何でしょうお兄ちゃん」


兄「明日から、夏休みだな」


妹「明日から、夏休みです」


兄「いっぱい楽しい事、しような」


妹「はい！」


おわり