この記事は未完結の状態でまとめたものです。
現在は完結しておりますので、ワイルド・ハニーは砕かない をご覧ください。
1 : ◆eUwxvhsdPM - 2016/10/22 19:57:13.60 Hz+1casV0 1/112※初めに
・このSSは「静・ジョースターの奇妙な日常」の続き・第十八話です。
この話が『最終回』となります。
・『ジョジョの奇妙な冒険』第四部に登場した、透明な赤ちゃんが成長した姿を書いたオリジナルSSです。
・話が全てつながっております。長いですが最初から読んでいただけると嬉しいです。
・展開予想はおやめ下さい。
・更新遅いですが、のんびりお待ち下さい。
一話
静・ジョースターの奇妙な日常
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363790589/
http://ayamevip.com/archives/50359976.html
二話
仗助「静のやばい物を拾ったっス」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365094145/
http://ayamevip.com/archives/50388491.html
三話
静「ジャンケン教師がやって来た」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367669400/
http://ayamevip.com/archives/50455923.html
四話
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368951927/
http://ayamevip.com/archives/50455979.html
五話
静「泥棒をしよう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370177583/
http://ayamevip.com/archives/50469446.html
六話
静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373404472/
http://ayamevip.com/archives/50469515.html
七話
静「お見舞いへ行こう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379932767/
http://ayamevip.com/archives/50478595.html
八話
静「日本料理を食べに行こう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383137249/
http://ayamevip.com/archives/50482658.html
九話
静「幽霊屋敷に住もう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386418852/
http://ayamevip.com/archives/50495972.html
十話
静「双葉双馬は静かに暮らしたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391689545/
http://ayamevip.com/archives/50496017.html
十一話
静「吉岡純はお金が好き」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398837668/
http://ayamevip.com/archives/50504998.html
十二話
静「杜王町の人々」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404738764/
http://ayamevip.com/archives/50505043.html
十三話
静「静・ジョースターはキャンプをする」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408711275/
http://ayamevip.com/archives/50514954.html
十四話
静「町の背後霊」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432295512/
http://ayamevip.com/archives/50514982.html
十五話
静「ぼくは未来人」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445436858/
http://ayamevip.com/archives/50515060.html
十六話
静「彼の名はウォーケン」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454598348/
http://ayamevip.com/archives/50519453.html
十七話
静「メイの世界」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468158253/
http://ayamevip.com/archives/50549222.html
※管理人より注記
『静・ジョースターの奇妙な日常』シリーズは、現時点(2017年8月)で未完結・休止中の作品です。ご了承下さい。
元スレ
ワイルド・ハニーは砕かない
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477133833/
アハハ……ハハ……
静「待って……待ってよ、メイ。走るの、速いわ」
メイ「ふふ、ごめんなさい。それにしても、凄いわね。ジョースター邸のすぐ近くに、こんな大きな森があるなんて……」
バァァアア……
静「ええ。おじいちゃんがね、家は都会のゴミゴミした所じゃあなくって、こういう田舎で広い所がいいって言ってねェ――……あたしは都会の方が好きだったりするけど。まあおじいちゃんが好きな所だったら、どこでもいいのだけどね」
メイ「綺麗な所だわ……素晴らしい所よ、静」
サァァアア……
メイ「遊びましょう、静。妖精さんを探したり、虹色に輝く蝶を追いかけるの」
静「素敵ね、メイ……それは、とっても素敵だわ……」
サァ……ア……
静「あたし、貴女のようなお友達がいて、良かった……本当に、マジにそう思う……」
メイ「さあ、何をして遊ぶ?かくれんぼか……鬼ごっこ?」
…………
…………
『一日目』
…………
…………
杜王町――……
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「……らーら、らー……らららら、らら……」
暗闇の中、有栖川メイは、外れた調子で子守唄を口ずさむ。
町の人々は……杜王町の全ては、眠ったままだ。
人も、町も、犬も猫も、虫さえも、深い深い眠りへと落ちている。
しいん、という音が聞こえるほど、静かな世界で。
メイの子守唄だけが、響き渡る。
空条承太郎や、東方仗助、
そして、静・ジョースター達が、死んだように眠る中心で。
有栖川メイは、チェスタの亡骸を抱いたまま、子守唄のメロディを口ずさむ。
それは、かつて自分を犬のように捨てた母が、まだ自分を愛していてくれた頃、与えてくれた『優しさ』なのかもしれない。
母の顔など覚えているはずも無いが……何故か、暖かい声が奏でるこのメロディを、メイはずうっと、覚えていた。
「……神は、七日間で『世界』を創った……」
「ならば私は、七日間で世界を創り変えよう」
「皆が手を取り合える世界へ……『素晴らしきこの世界』へと創り変える」
「それまでは……眠りなさい、世界よ。すぐに……全てが変わるから」
ペラリ、という音がした。
紙が、風で動く音であった。
よく見ると、周囲には大量の紙が落ちている。
……その紙は……まるで、静を守るかのように、静の身体を覆っていた。
「…………」
「……双葉双馬。貴方は……自分の命より、『友達』の命が大切だったの?」
「……自分を守るより、他人を守るほうが大切だったの?」
「…………私にも、わかるかしら。世界が少し、変わったなら……私にもその気持がわかるのかしら」
「……」
黒い膜の向こうに、太陽が見える。
西に傾きかけたそれは、もうすぐ一日目が終わる事を示していた。
「……『素晴らしきこの世界』まで、あと……六日」
…………
…………
『素晴らしきこの世界(ワンダフル・ワールド)』
人々は長い眠りの中、自分の人生を最初から『追体験』する。
それは自分の人生を、もう一度やり直すという事に等しい。
(現実のようにリアルな夢が、人の『記憶』となりそれが『過去』となる)
しかしその『夢』の中には、『有栖川メイ』が唯一無二の『友達』として存在する。
七日後、目を覚ました時……全世界の人間は『有栖川メイ』の『友達』となるのだ。
(記憶が作り変えられているので、それは『事実』であり誰にも疑えない)
有栖川メイの『完成』された能力。
人は『運命を切り開く』と考えられているが、
彼女は運命を必然のものとした。
…………
…………
静「ハァ……」
メイ「どうしたの?静……なんだかスゴク辛そうだわ。調子でも悪い?」
静「違うわ……そろそろあたし達、ガッコーっていうのに、行かないといけない……年なんでしょ?」
メイ「ええ、そうね」
静「あたし、友達なんていないし……こんな顔立ちだから、みーんなにムシされちゃうからさ。それに、だれもあたしみたいな、すごい力を持ってない」
メイ「……」
静「だから……ガッコーなんて、行きたくないの。ずっと、おじいちゃんの側にいたい……」
メイ「案外、行ってみたら楽しいかもしれないわよ。静」
静「ウソぉ~~……?」
メイ「それに……『友達』なら、私がいる。……でしょう?静?何か問題でも……あるの?」
静「……ううん。無い」
メイ「フフッ、二人で学校に行くの、楽しみね?」
静「ええ。あたし……さ」
メイ「?」
静「……アンタっていう、『友達』がいて……良かった」
メイ「……私もよ。静」ニコッ
…………
…………
『二日目』
…………
…………
ザザザーッ……
「……こんにちは。ニュースの時間です……」
「ええ~~ッ……突如、M県S市上空を覆った、黒いドームのような『もの』……」
「……に、関する情報ですが……」
「……只今、現場と中継が繋がっています……現場の類洲さァ~~ん?」
ザザッ……
『ええ、こちら現場の類洲です……ご覧ください、見えますでしょうか……?あのドームが……』
「ええ……ハッキリと映っていますね……」
『はいィ。アレが突如現れたのは、お昼の14時ごろだという事で……ええ、あのようにシッカリと……覆っております……』
ザザザッ……
「アレは一体、何なのでしょうか?」
『専門家は異常気象の……濃い霧が溜まったものだという見解ですが……』
「霧……にしては、シッカリと覆っているようですが……」
『そうなんですッ!』
……ザザザーッ……
『ええ、しかもですね、どうやらあの『膜』は、徐々に広がっているようでして……』
「広がって……という事は、M県全域が覆われるのも、時間の問題という事でしょうか?」
『そうですね……ですが、全く何も、なァ~~~~ンにもッ!心配はいりませんッ!』
「?……類洲さん?ええと……スタジオの声、届いていますでしょうかァ~~……?」
『実は私は、S市杜王町の出身なのですが……ええ、ですから今回の現場に呼ばれたんですけど……どうやらあの『膜』の内側に入ると、『夢』を見るようなのです……幸せな『夢』を……』
「……類洲さん?あー……少し、マイクの調子がおかしいようなんですが……オホン!……オイ、聞こえてんのか?」
『幸せな『夢』ですッ!私は『メイちゃん』からそう言われましたッ!あれこそが『天国』なのだとッ!天国へ到達するための『道』なのだとッ!そう言われたんで……大丈夫です。エヘヘヘヘヘヘ……』
「お、オイ、カメラ止めろッ。放送中止だ……」
『私達はこの偽りの記憶を捨てて、新の『幸福』へと向かえるでしょう……この間実家に帰った時、そう言われたんでね……今はちょっと、メイちゃんとの記憶はアヤフヤですが、あのドームの中ならシッカリした記憶になると……』
「カメラを!止めろ!!と、言っとるんだァ――ッ!!放送中止ィィ――ッ!!!」
バタバタバタ!!
『視聴者の皆さん!私は一足先に、『天国』へと向かいます……『メイちゃん』を中心とした、皆が手を取り合える新しい世界へと……そこで、またお会いしましょう!!ウヘロヘロヘクケケケケケケケケケケケケ!!!』
ザザザザザ――ッ……
ピ――ッ……
ブツン!
ポルナレフ「……」
カラーバーが表示されるテレビのスイッチを、車椅子に乗った男……『ジャン・ピエール・ポルナレフ』が、リモコンを使って乱暴に消す。
亀の中の部屋に、沈黙が訪れた。
ポルナレフ「……これが昨日、日本で放送されたニュース番組だ。……今現在、M県全域はすでに『覆われている』」
ムーロロ「……専門家によると、あと四、五日でこの地球全てがあのドームに覆われるそうです」
ミスタ「……マジかよォ~~……」
「……」
亀の部屋にいるのは、四人の男だ。
一人は組織のナンバー2、ポルナレフ。
一人は組織のナンバー3、ミスタ。
そして、表向きはフーゴとシーラEの上司という役職に就き、その実……情報分析チームの長として、組織の『幹部』に名を連ねる、カンノーロ・ムーロロ。
最後に……もう一人。
金色の巻毛を長めに伸ばした、少年のように輝く瞳を持つ男が、そこに居た。
ムーロロ「『ご命令通り』……フーゴとシーラEの二人は、演技で話を伸ばして屋敷の中に入れず、外から『観察』させました。……屋敷が崩れ、中からあの黒い『スタンド』が飛び出すのを見ています」
ポルナレフ「……やはり、か」
ムーロロ「しかし……その後通信が途絶えました。二人の安否は不明……」
ミスタ「……」
ムーロロ「……二人に吸血鬼の始末を命じていれば、今頃、無事でいたのではないかと思うと……!!」
ポルナレフ「いや。フーッ……承太郎で無理だったのなら、他にスタンド使いが一人や二人いようが同じだ。それに……二人なら無事だろう。恐らくだが、な……」
ムーロロ「……」
ミスタ「他には?ムーロロ。というかだな……おれはここ最近仕事が忙しくてニュースもロクに見てねェー。世界は今どうなってやがる」
ムーロロ「……簡単に説明しますと……日本があのようになった事で、日本国外への逃亡者数……失礼、『旅行者数』が先月比でおよそ100倍に増えています。また日本に本社を置く企業の株価が大暴落……これにより、パッショーネも少なからず被害を受けています」
ミスタ「……他には?」
ムーロロ「日本のみならず、アジア全域で大混乱ですね。もちろん世界中混乱しておりますが……中には、先程の映像にあった情報を好意的に捉え、新しい宗教としてあのドームを崇める団体もいくつか出現しております。SNSには多数、ドームに突入した映像等が貼られていますが、どれもドームの内側に入った瞬間、映像が乱れて停止しています」
ミスタ「……」
ムーロロ「……撮影者の安否は不明。しかし、映像が途切れる瞬間に、『横たわっている』人の姿が確認されています。この事から、何らかの能力でドームの内側にいる人間は『眠らされている』と……考えられていますね。…日本の首相はオキナワという、日本の端まで移動し今後の方針について――……」
ミスタ「あ~~もういい。わかった!とにかく今日本は終わってるって事だな。で!今日寝て、起きて、メシ食って、また寝たら、今度はこの国が終わりって訳か!」
ポルナレフ「……」
ミスタ「……何なんだ、一体よォ~~……さっきテレビじゃあ『夢』だのなんだの言ってたな?っていうか、アレぁー『スタンド』だっつうのか?……」
「…………」
ミスタ「……おい、そろそろ何か言ったらどうなんだよ?疲れて寝てるっつ~~訳じゃあねえだろう?……『ジョルノ』!!」
「…………」
ジョルノ「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ミスタ「……ジョルノ、話聞いてたんだろ?……何が起こってやがる?」
ジョルノ「……ぼくの話には……ミスタ」
ミスタ「…………」
ジョルノ「……少なからず、『推測』が混じっています。だから、これから言う事が『絶対』という事ではありません。……いいですね?」
ミスタ「ああ、構わねえ……全く訳がわかってねェー今のおれよりマシだ」
ジョルノ「……あれは、情報にあった『彼女』――『有栖川メイ』の『スタンド』でしょう。そして……このままだと、世界は『破滅』……いえ、『支配』される」
ミスタ「……」
ムーロロ「……」タラリ
ポルナレフ「……わたしと同じ考えのようだな、ジョルノ。……やはり、アレは――……?」
ジョルノ「ええ。彼女の『レクイエム』と言えるでしょう。さらに先へと進化した――『イエスタデイ・ワンス・モア・レクイエム』ッ!!」
ミスタ「そッ……それがよォ――!なんだって聞いてんだよッ!見た所、みんなスヤスヤ寝てるだけじゃあ~~ねえかッ!!」
ジョルノ「……」
ポルナレフ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジョルノ「……ミスタ。貴方には…………」
ジョルノ「……貴方には、『友達』がいますか?」
ミスタ「……は?」
ムーロロ「……」
ポルナレフ「……」
シーン……
ミスタ「おっ、とっ……『友達』だァ?こーいう仕事だしよォ~~……最近は働き詰めだからな。ンな大したアレはねえよ……会うのは組織の奴らくらいだし……昨日も一人でピザ焼いて食ったな……」ポリポリ
No.2『悲シイ事言うなヨナォ~~ミスタッ!』
No.6『ソウだゼーッ!オレ達がイルっテーッ!!』
ミスタ「う、うっせえぞッピストルズッ!!」
ジョルノ「……そうですか。では……」
ジョルノ「ミスタ。貴方に『10人』の友達がいたとしましょう。……どうですか?」
ミスタ「おい、馬鹿にすんなよッジョルノ!いくらおれでも組織に入る前には友達の10人くれェ――……あ、アレ?そういや……色んな女の子と遊んだり、野郎からカネもらったりしたが……名前は知らなかったかな?」
No.5『ミスタ……うェェエエ~~ン!』
ミスタ「泣くんじゃあねーッ!!泣きてえのはおれだッ!!」
ジョルノ「……ともかく、『10人』です。貴方には友達が『10人』います。……どう、思いますか?」
ミスタ「……どう、って……そりゃあ~~その人数でメシ食ったりフットサルしたりすんのは楽しいんじゃあねえのか?時には女のコとかひっかけたりしてよォ~~うけけけけけ」
ジョルノ「……そうですか。では……」
ジョルノ「『50人』友達がいたら、どうですか?『50人』……ぼくの生まれ故郷、日本の学校なら、一クラスそのくらいの人数でしょうか」
ミスタ「『50』?そりゃあチと騒がしそうだな……その人数でメシ食ったりとかは難しいしよ……けど楽しいんじゃあねえか?ウン……楽しいよ。きっと楽しい」
ジョルノ「では……『100人』友達がいたらどうですか?日本では『友達100人出来るかな』という歌があります。その童話が現実になったら……どうですか?」
ミスタ「ひゃ、『100』?そんくらいになると全員で遊ぶのは無理だしよ~~……ああけど、遊ぶ相手にゃあ困らねえのはいいな。町歩いてたらだいたい友達に会えるって事だろ?」
ジョルノ「ええ、そうですね……」
ジョルノ「では、この町……『ナポリ』に住む人全員が……友達だったら、どうでしょう?誰もが貴方の顔を知っており、親しげに話しかけてくる……そんな世界は」
ミスタ「は、はあ?それってよォ~~……つまり、フラッと入ったアイスクリーム屋のジイサンがニッコリ笑顔投げかけてきたり、そこらをうろつく浮浪者がガッチリ肩組んできたりって……事か?」
ジョルノ「ええ、そうです」
ミスタ「……まあ、少し気味悪いかもだが……そんだけ親しいヤツがいたら、人生楽しいだろ。どこ行っても寂しくなんかねーもんなー……」
ジョルノ「……ちなみに、ナポリに住む人の数は『95万人』だと言われています」
ミスタ「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジョルノ「では、貴方に『6000万人』の友達がいたら?……『6000万』とはイタリアの人口です。電話帳を見れば、初恋のあの子からイタリア大統領の名前まで書いています」
ミスタ「……」
ジョルノ「では、貴方に『二億人』の友達がいたら?……『二億』とはおよそ、イタリアと日本の人口を合わせた数です。貴方がニッコリ手を振ると、東の辺境にある島国の人間が全員手を振り返します」
ミスタ「……」ゴクリ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジョルノ「……貴方に『5億人』の友達がいたら?……『二億』にアメリカの人口、『三億』を足した数が『五億』です。電話をすればハリウッドスターが駆けつけ、泣きべそをかいたらアメリカ大統領があやしにくる……そんな世界です」
ミスタ「……」
ジョルノ「……貴方に、『70億人』の友達がいたら?……もし、貴方が世界中の人間と友達だったら?」
ミスタ「……んな、の……」
ミスタ「……ありえる訳がねえ。世界が思い通りで……そんなの、まるで……!」
ジョルノ「『神』……そうです。『世界中全ての人に存在を認識される』というのは……『神』と同じなんです。キリストの名を知らぬ人間なんていない」
ミスタ「……」
ポルナレフ「……」
ムーロロ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ミスタ「つまり……中で行われているのは、そういう事か?……『植え付けている』……『友達である』という事を」
ジョルノ「ええ。そして、あの膜が地球を覆うというのなら……」
ジョルノ「非常にマズい事となる。例えば……『彼女』の悪口を言った者がいれば、どこかの国が『核』を落としたとしても、おかしくはない……そんな事に」
ミスタ「う!……」タラリ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ポルナレフ「……ジョルノ。君ならもうわかっているだろうと思うが……スタンドの『先』へ行ったものと、対等に戦えるのは……同じく『先』へ行ったものだけだ」
ジョルノ「…………」
ポルナレフ「……君から預かっていたものを、返す時が来たな」ニコリ
ジョルノ「……ポルナレフさん」
ポルナレフ「……」スッ
ジョルノ「……」
ポルナレフ「……受け取ってくれ」
ポルナレフ「君が受け継ぎ、先へと進めた……『矢』だ」
ジョルノ「……」スッ
ガシッ!!
…………
…………
アメリカ
フロリダ州――
ドサッ!
男「……」
???「……」
一人の男が、手に持った分厚いファイルを、テーブルの上に放り投げる。
開かれた頁には、黒いドーム状の膜の写真が、いくつも貼り付けられており、小難しい説明等がこまごまと書かれている。
男「……今、世界で起こっている大事件について、ご存知ですか?ミス――……?」
???「知ってる……世界が終わるかもしんないんでしょ?あたしには関係ないけどォ――……こんなセマっ苦しい監獄の中で世界の終末迎えるなんて、思ってもみなかったって感じィ――」
男「……あながち、関係のない話でもないかもしれませんよ」
???「……どういう事?っていうかさ、アンタ誰?自己紹介もなしにこんなファイル突き付けられてもさ~~困るっつーか……うおっ、これすっげ。今こんなのなってんの?日本が?飛んでるゥークールだわ……CGとかじゃあねえの?」
男「……『スタンド』です。そのドームは、一人の少女の『スタンド』だという調べがついています」
???「……『スタンド』」
男「そして、その少女は……『DIO』と『プッチ』の意思を継ぎ、あろうことか……『天国』へ向かおうとしているのです」
???「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
???「許される事じゃあないのは確かね。世界中の人々を踏みにじり、自分の都合の良い世界を創るなんて……ちっぽけな一人の人間が、行って良い事じゃあない」
男「そう。そして……ここからが大切な事なのですが……」
男「空条承太郎博士が、先日この『ドーム』の中で、消息不明となりました」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
???「…………何……ですって?」
男「貴女にとっては、世界の危機よりも大切な事なのではないですか?あァー……FE40536……『空条徐倫』様?」
徐倫「…………」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
徐倫「何なんだ?テメェー……あたしに何の用だ」
男「失礼。話が前後しましたが……」
男「この世界の危機と、空条承太郎博士の命を救えるのはッ!かつてプッチ神父の企みを阻止した、貴女しかいないと考えています。……そして、私はスピードワゴン財団の者です。貴女の力をお貸しして頂くよう、お願いに参りました」
徐倫「……考えるまでもねェー。答えは『YES』よ。父さんはかつて、命をかけてあたしを救おうとしてくれた。……今度は、あたしの番だ」
男「……ありがとうございます」ペコリ
徐倫「礼なんておかしいわよ。家族を助けるのは当然のこと……」
男「……ええ。それでも、礼を言わせて下さい」
徐倫「……フン」
男「すでに手続きは済んでおります。貴女は『仮釈放』という形で、これより『ある場所』まで飛んでもらいます」
男「そして……『ある人物』と協力し!作戦を遂行していただきます」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
男「目的は『標的(ターゲット)の完全沈黙』と『空条承太郎博士の救出』!および……『世界の救出』ッ!!」
男「命をかけて……作戦に挑んで下さい」
徐倫「……」
ガシャーン!
徐倫「……」
ミューミュー「……こっちだ、FE40536。付いてこい」
徐倫「……」
スタスタ……
ミューミュー「ハッ!こんな形でお別れとなるとはね。セーセーしたわ……せいぜい残り少ない人生、外で楽しく過ごしな」
徐倫「……また戻ってくるわ」
ミューミュー「あン?」
徐倫「元は無実の罪だけど、脱獄とかの罪は償ってない。全てが終わったら、罪を償いにまた戻るわ」
ミューミュー「……フン!ほら、さっさとゲートへ向かえ。仮釈放の最終手続きをする」
徐倫「……」
スタスタ……
エルメェス「ヘイッ徐倫!徐倫じゃあないか!何やってんの?ミューミューなんかと一緒に」
徐倫「エルメェス!」
ミューミュー「……」スタスタ……
エルメェス「おい待てよ!何なんだ?今度はどこへ行く気だ?」
ミューミュー「仮釈放よ。コイツは檻の外を出る。馬鹿みたいな事に……世界を救いにな」
エルメェス「……何だって?」
徐倫「覚悟は出来ている……エルメェス、アナスイに伝えて」
エルメェス「……」
徐倫「……もしあたしが無事に戻って来れたら……『結婚式』を挙げましょう、って」
エルメェス「……」
徐倫「これは暗闇なんかじゃあない。希望よ……希望の光があるから、あたしは前へ進める」
エルメェス「……お前何言ってんだ?徐倫?おい?」
徐倫「……」
ザッ
ザッ!
徐倫「……」
看守「バスに乗れ、FE40536!これより橋を渡り、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所管理ジェイル外へ護送する!いいかァ――『仮釈放』とはいえ、外へ出るまで妙なマネはしない事だッ!我々には貴様を射殺する権利がある!」
徐倫「……」スタスタ
ドサッ
徐倫「……フーッ……」
男「……一先ずは、仮釈放おめでとう。と、言っておきましょうか。ミス・徐倫」
徐倫「……アンタ何?なんでバスに乗ってんの?」
男「私は案内役として、貴女を無事『目的地』まで送り届ける義務があります。ありえない話ですが――……逃げ出さないよう『監視』するのも、仕事の一つです」
徐倫「……」
男「堅苦しいでしょうが、ご容赦下さい。……バスに乗るのは少し多めにカネを包んだら黙認されました」
徐倫「フ――ン、それなら今渡しても問題無いわよね……ハイこれ」ガサッ
男「?……なんですか?メモ?」
徐倫「そこに書かれている住所に、一人の『少年』が住んでいる。……『目的地』へ行く前に、彼に会わせて欲しい」
男「!……この住所は、確か――……」
徐倫「ええ。スピードワゴン財団なら当然知ってるわよね……彼は今、財団からの支援を受けて、一人で暮らしているんだから」
男「……何故、彼に?……彼を連れて行く事は、出来ませんが」
徐倫「わかってる。連れていく訳じゃあない」
徐倫「彼の持っている物が……必要になるかもしれない」
男「?……」
ブロロロロロロロロ……
…………
…………
メイ「学校は楽しいわね、静!」
静「ええ……楽しいわ」
バァ――ッ……
静「本当……貴女がいて良かった。メイ……貴女がいなかったら、あたし、一人で――……」
メイ「そんな事はないわ。静……貴女が優しい人だって事、私、よく知っているもの……きっと、他の人たちは、静の良さがまだわかってないだけよ」ニコッ
静「そ、そんな事ないっての。ったくさァ~~メイったらいつも真顔で恥ずかしい事言って……」
メイ「フフ、ごめんなさい」
メイ「ねえ、静。見た?この学校、とっても広いお庭があるの。今度そこを二人で歩いてみましょう?」
静「ええ……ウン。そうね……メイ」
メイ「楽しみね。フフフ……お弁当持って、ピクニックなんかしたりして!」
静「……楽しそうだわ。ウン……」
……カサッ……
静「……」
メイ「?……どうかした?静?」
静「え?う、ううん。なんでも……」
メイ「……変な静。私、先へ行くわよ?」
静「……うん。わかった……」
テクテクテク……
静「…………」
静(……あたしには、『友達』がいる。メイっていう……素晴らしい、友達が)
静(もっともっと小さな頃からの幼馴染で、いつも一緒にいて……仲がいい)
静(彼女がいなかったら……あたし、学校でも一人っきりで、悲しい毎日を送ってた……)
静(……けど、何で?あたし……)
静(何か……大切な事、忘れてるような……)
カサッ……
静「……?」
静の足元に、紙が落ちていた。
しわくちゃで、破れそうな、みすぼらしい紙が。
その紙には、ただ一言……
『あたま』
……という文字が、書かれていた。
静「…………?」
ザァァアアアア……
…………
…………
ゴォォオオオオオ
「我々が近づけるのはここまでです……あとはよろしくお願いします」
「わかりました……行きますよ」
「ねえ待って。ここさ……上空何メートル?外との気圧の差は?」
「かなり低く飛んでもらっています。4000から……5000といった所でしょうか」
「そう……ところでパラシュートは?」
「……」
「スカイダイビングのパラシュートってさ~~『メインパラシュート』の他に『リサーブパラシュート』ってあんのよ。それに安全装置までついてて、開かなくっても自動的にパラシュートが作動するってワケ。やっぱさ、そのくらいしないと――……」
ガシイッ!
「時間がありません。……『行きますよ』」
「おっ、オイ!ちょっと待――……」
ゴバッ!!
…………
…………
『三日目』
…………
…………
『うえ~~ん……ええ……ん……』
『どうか……のかの?……しず……?』
『こわしちゃった……あたし、あたし……』
『静……ずか……落ち着……かや……』
『大切な……切だったのに……』
『……わしたものはの……もう戻……』
『……』
…………
…………
メイ「――……静?」
静「はッ!!」
バァァア――ッ……
静「……ハァ、ハァ……?……??」
メイ「どうかした?……ぼうっとしてたみたいだけど」
静「……わかんない。ハァ……疲れてるのかも、あたし」
メイ「……」
静「けど、なんだろう……何か……『何か』……忘れてるような、そんな気がしたの」
メイ「……所詮は『夢』……完全に再現する事は出来ないのかしら……」ボソッ
静「え?」キョトン
メイ「ううん、何でもないわ。静」ニコッ
静「……そーいうのさァ~~、何でもなかった試しが無いわよね。メイ、もしかしてアンタ……なんか隠し事してる?」
メイ「してない……本当よ、静。神に誓ってもいいわ」
静「……ふ~~ん、そう……まあ別に、いいけど」
メイ「……フフフ……」
メイ(あと『四日』……この夢の中ではもう何年も過ごしたけれど、現実の時間であと『四日』経てば、私はこの世界中の人々と『友達』になり、この世界に生きる『神』となる……)
メイ(『神』とは『私』よ、静……私は私に誓ってる。ええ、ええ。『隠し事』なんて無いわよ……どうせすぐに、『隠した事』なんてどうでも良くなる……)
メイ(夢が現実と繋がる時、貴女は私と一緒に生きるのよ……静)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「……メイ?今度はアンタがぼーっとする番って訳?」
メイ「あら、ごめんなさい静。少し……考え事をね」
メイ「そんな事より見て、静!クローバーがいーっぱい!」
ザアァッ……
静「……すごいわね。学校にこんな所があるなんて」
メイ「ええ……さ、静。四つ葉のクローバーを探しましょう?押し花にして、貴女にプレゼントしてあげる!」
静「え?……あたしィ?」
メイ「私はね、今、とってもとっても、と~~っても幸せなの。この指の……」
スッ
メイ「……外側の世界、全てくらい幸せ。……だからね、私の幸せは、貴女におすそ分けしてあげたいの」
静「そ、そう言うならいいけどさァ~~……じゃあ代わりに、あたしが四つ葉を見つけたら、メイ……貴女にあげるわよ」
メイ「フフ……ありがとう、静」
クシャッ
静「…………え?」
メイ「?……どうかした?静?」
静「い、いや……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ「ほら、早く!一緒に探しましょう?四つ葉の……クローバーを」
静「……え、ええ……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ「――!!」ピクッ!
静「?……メイ?」
メイ「……何?」
静「え?」
メイ「……何か――……」
…………
…………
メイ「『近付いてくる』」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ「……どういう事、かしら?我が『ワンダフル・ワールド』の中では皆、素晴らしきこの世界へと旅立つはずなのに」
ゴォォオオオオオ……!!
メイ「来る……来てるわ。……チェスタ、私に力を貸して……!」
オオオオオオオオ!!
メイ「『空』よッ!!『落ちてきている』ゥ――ッ!!」
ゴオオオオオオオオオオ!!!
徐倫「うおおおおおお!!!」
ジョルノ「おおおおおおおおお」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ「なにィ~~~~ッ~~」
ジョルノ「無駄ァ!!」
徐倫「オラッ!!!」
メイ「URRRRYYYYYYY!!!!」
ドゴォォオオオ!!
…………
…………
その数時間前――……
ザッ!!
ジョルノ「空条……徐倫さん、ですね」
徐倫「……」キョロキョロ
バァ――ッ……
徐倫「……ええ、アンタは?」
ジョルノ「イタリアでギャングのボスをしています……ジョルノ・ジョバァーナです。貴女の……遠い親戚にあたります」
徐倫「……初めて聞くわ、そんな親戚」
ジョルノ「英語は少し苦手ですので、わかりにくい所があったらすみません」
徐倫「……あたしを牢屋から出したのは、アンタなの?」
ジョルノ「いえ。それはSPW財団の力です。ぼくはその点に関して一切知りません。……しかし、空条承太郎博士の娘さんなら……これからの『作戦』に不足はないでしょう」
徐倫「飛行機で行くのか?その……日本まで?」
ジョルノ「……」
徐倫「だってここ……『空港』だろ?日本の航空機関は機能してんのかよ」
ジョルノ「していません。というより、全世界で混乱が起こって主要な機関はほとんど麻痺しています。……これから、我々が所有する飛行機に乗って日本上空まで向かいます……あの膜の上まで」
徐倫「……『上』」
ジョルノ「護送車の中で読みましたか?ぼくがまとめた、あの能力についての考察レポート」
徐倫「読んだ……だから『上』というのはわかる。入ったら終わりだからね……だけど、そこからどうするっていうの?」
ジョルノ「……これは、我々の組織の中でも極秘情報なのですが……」
ジョルノ「ぼくは、あの『黒いドーム』のスタンド使いと同じように……一歩『先』へと行ったスタンドを持っています」
徐倫「!!」
ジョルノ「初めてこのスタンドを手に入れた時、ぼく自身、自分の能力については何もわかりませんでした。しかし……この十数年間、ぼくは密かに自分の能力について研究し、知り得る事が出来ました」
ジョルノ「ぼくは、敵の『攻撃』の動作やその意思を、全て『ゼロ』にする事が出来る。……終わりがないのが『終わり』……それが『ゴールド・E・レクイエム』」
徐倫「……『ゼロ』?」
ジョルノ「つまり、敵の夢に囚える能力は、ぼくには通用しないという事ですよ。おそらく、ぼくの側にいる人にもその効果は発揮するでしょう」
徐倫「!!――……つまり……」
ジョルノ「ぼく達は『戦える』……これは重要なアドバンテージです」
ジョルノ「それに、貴女は――(『何故』なのか?という事はわからないが)――ぼくと同じように、『ジョースターの血統』を、感じる事が出来ますね?」
徐倫「!!……え、ええ。ここに来る時、護送車の中で……アンタの存在を感じてた」
ジョルノ「それがある限り、あのドームの中で何が起ころうと離れ離れになる事はないでしょうし、空条承太郎博士を探す事も容易でしょう。……そろそろ行きましょうか。ミス・空条」
徐倫「……徐倫でいい。あたしもアンタの事、ジョルノって呼ぶから」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジョルノ「……それともう一つ。貴女は……『静・ジョースター』という女性について、知っていますか?」
徐倫「……『静』?」
徐倫「ええと……何年前だっけ?父さんに連れられてひいおじいちゃんの所行った時に……孫だっけ、ひいおじいちゃんの」
ジョルノ「……正確には娘ですね。養子ですが」
徐倫「ああそうだっけ。……その後から父さんとうまくいかなくなってきたから会ってないけど、覚えてるわ。でけーサングラスが印象的だった。……それが?」
ジョルノ「いえ……彼女も杜王町にいるようですので」
徐倫「……助けないといけない親戚が増えたって訳ね」
ジョルノ「……」カサッ
ジョルノ(……彼女の健康診断時の情報と、フーゴ達が調べ上げた、『有栖川メイ』の情報……彼女が通っていた病院から盗んだ情報)
ジョルノ(それによると彼女たちは……)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ジョルノ「……これは、彼女の戦い……なのかも、しれませんね」
徐倫「?」
…………
…………
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
徐倫「どうだッ!この吸血鬼野郎ッ!!」
ジョルノ「ぼくから離れないで徐倫!あまり前に出るんじゃあない」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ「……」ムクリ
メイ「……おかしいわね。何故……私の『世界』で、自由にいるのかしら?」
ジョルノ「……」
メイ「ん?」
ブラーン
メイの首が、折れて変な方向へ曲がっている。
メイ「……あら、あら、あらら。大変……前が見えないわ。うえぇぇえ~~ン。どこにいるのォ?二人ともォ……?」
徐倫「……」
ジョルノ「……」
メイ「……ンン~~」ボキキッ
手でちょいと直すだけで、首は元通りになった……ッ!
メイ「……自己紹介が必要かしら?私の名前は有栖川メイ……これからこの地球に唯一人の存在となる者……それで?貴方達は?」
ジョルノ「……」
徐倫「吸血鬼に語るような名前なんか無ェーわ、このタコ」
メイ「……そう」ニッコォ
ヒュッ!
ドボオ!!
徐倫「!!」
ジョルノ「!?なッ……」
瞬間!!
メイの右腕が、徐倫の腹を貫いたッ!!
ジョルノ「何ィ~~ッ~~!!馬鹿なッ!!徐倫!!(見えなかったッ!!これが……『吸血鬼』の速さかッ!!)」
メイ「私を馬鹿にしているのかしらァァ~~ッ!!親切丁寧にこの私がッ……貴女と『友達』になりたいから自己紹介から始めたのに!!その優しさを後ろ足で蹴って土をかぶせるっていうのねッ!!私と友達になりたくないっていうのねッ!!な……泣きそうだわ……ううう……うええ……!!」ボロボロ
徐倫「……そうよ。まったく……やれやれだわ」
ジョルノ「!!」
メイ「!!」
ガシッ!!
メイ「こ!!(コイツ!!胴が空洞に……身体が『糸』になっているッ!!)」
徐倫「捕まえた。そして食らいな……父さんの分まで!!」
徐倫「オラアッ!!!!」
バギャア
メイ「RY!!」ガブウッ!
319 : ◆eUwxvhsdPM - 2016/12/13 21:27:54.59 EkiwaDfq0 109/112今回はここまでです
※管理人より
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