サターニャ「じゃーん!みてみて!」
ラフィエル「サターニャ、おはようございます。なんですか、これ……?」
ヴィーネ「おはよ、サターニャ。どうしたの?」
ガヴリール「朝からうるさいな……」
サターニャ「これはね、いわゆる異世界に行ける機械なのよ!」
ガヴリール「……まさか」
サターニャ「皆さんご存知……世界の魔界通販よ!」
ヴィーネ「うわぁ……」
ラフィエル(あらあら、また楽しそうな展開ですね……!)
サターニャ「いやさすがに異世界なんて信じてないわよ?でも面白そうだし……」
サターニャ「そうね……ねえガヴリ」
ガヴリール「やだ」
サターニャ「……っ」ガッ
ガヴリール「!?ば、掴むんじゃ……」
サターニャ「すうぃっちおん!」
ポチッ!
ガヴリール「はっ!?ちょたんま、今のなし、今のナシ!!」
キュウィイイイイイイイイイイン
サターニャ「えっ、何この音……やだ止まらない」
ガシュン,ガシュン
ピッ
ヴィーネ「サターニャ、ガヴ!?」
ラフィエル「これはっ……何か、大きなエネルギーの移動を感じます!」
ピッ
ガヴリール「うあっ……あ、あああああ!!?!?」
サターニャ「ええええええええええ!?」
パチッ…
ギュウィイイイイイイイイン!
元スレ
サターニャ「異世界へGO!」ガヴリール「は?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1501335565/
ガヴリール「……」
サターニャ「……どこここ」
ガヴリール「……おい、サターニャ。こっちこい」
サターニャ「……ごめん」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「てめえいい加減にしろよ!?」ドカン!!
サターニャ「ぐはっ!」
ガヴリール「どこだよここ!みんなは!?」
サターニャ「わかんないけど……公園に似てるわね」
ガヴリール「……でも遊具とか微妙に違うぞ」
サターニャ「うーん……まさか……ここ……」
サターニャ「ほんとに、異世界……?」
ガヴリール「……パラレルワールドってやつか?」
サターニャ「……そういえば……!説明書があったわね!」
ガサゴソ
ガヴリール「……帰れなかったらどうしてくれんだよ……ネトゲのイベントが……」
サターニャ「こんな状況なのに一番はゲームなのね……あった、あったわ!」
ガヴリール「早く読め」
サターニャ「……ええと……」
【この度は『簡単世界線移動キット』をご購入いただき、有難う御座います。】
【この商品を使用し、世界線を移動した場合は“120時間の後自動で元の世界へと戻れる”仕様となっております】
サターニャ「……はい。」
ガヴリール「……サターニャ」
サターニャ「……」
ガヴリール「死ね!!!」ドゴォッ!
サターニャ「げほぇっ!!待って、まだ続きある!読ませて、ちょ、アイアンクローはやめて!」
ガヴリール「今すぐ読め!!」
サターニャ「……え、ええと……」
【時間の流れは元の世界と同様に過ぎていきます。用事があるなどで戻らなければいけない場合の対策として、世界線を越えた際にどこかに現れた“石”を探してください】
【その石を(図)の場所に嵌め込むと緊急に世界線を元の世界に移動させることが出来ます】
サターニャ「……です」
ガヴリール「……おいサターニャ、探してこい。今すぐ」
サターニャ「……はい」
ガヴリール「日が暮れるまでにだ。じゃなけりゃ……」
ガヴリール「わかってんだろうな」ギッ
サターニャ「……は、はい!」
ガヴリール「オラッ行け!!」
サターニャ「はい!」ダダッ
ガヴリール「……」
ガヴリール「さて、何をするか……」
ガヴリール「暇くさいな……」
「ガヴちゃーんっ♪」
「あら、ガヴ。何してるの?」
ガヴリール「……っ」ビクッ
ガヴリール(この声、まさか)
「どうしたの?」
ガヴリール「……ラフィ、ヴィーネ……!?」
白羽「はい、どうしたんですか?」
月乃瀬「?」
ガヴリール(うわあ、出くわしちゃったよ……)
ガヴリール(うーん……説明書には書かれてなかったし、リスクはでかいが……その分メリットもある。よし、言ってみるか)
ガヴリール「あのな、落ち着いて聞いてくれ。私は、この世界の存在じゃないんだ」
白羽「?」
月乃瀬「それは、どういう……」
ガヴリール「サターニャは知ってるだろ?」
白羽「ええ、あの方は、もちろん……」
ガヴリール「あのバカが魔界通販とやらで買った機械で世界線を移動してきたんだ」
月乃瀬「魔界通販……知ってるわ、あの胡散臭いものばかり売ってる……でも」
ガヴリール「そうだ。その魔界通販だ。あのクソバカのせいで私は帰れない」
白羽「ま、待ってくださいガヴちゃん……?サターニャさんがバカ……?どういうことですか?」
ガヴリール「……え?」
ガヴリール「いや、アイツはバカだろ。それも超絶に」
ガヴリール「いつも一人で騒いでるし、理解力も記憶力も思考力も全てが乏しいのがサターニャだろ」
白羽「……!」
月乃瀬「そ、そんな!サターニャはそんな」
白羽「ガヴちゃん……ではよろしくないですね。ガヴリールさんでよろしいですか?」
ガヴリール「おう」
白羽「私と、ヴィーネさんはもとの世界と相違点はありますか?小さなことでもいいです」
ガヴリール「いや、特に無いな」
白羽「なるほど。着いてきてください、ガヴリールさん」
ガヴリール「?、どこにだ?」
白羽「……この世界の、ガヴちゃんのところです」
ピンポーン
『……』
白羽「……これは、居ますね」
月乃瀬「そうね。というか、外にいる訳無いわ」
白羽「はい。休日のガヴちゃんは死体も同然な程動きませんからね」
ガヴリール「失礼な、ガヴちゃんに謝れ私は出るぞたまには」
ガチャリ
月乃瀬「……」グッ
ガヴリール「超怖いけどこの世界に限ったことじゃないか」
「おい何勝手に入って……」
ガヴリール「よ、よう」
「は?」
白羽「こんにちわ、ガヴちゃんっ」
月乃瀬「いるなら出なさいよ」
ガヴリール「たまには運動しないとまじで生命体やめることになるぞお前」
天真「いや誰だよお前!!」
ガヴリール「私はお前だよ、いやリアルに」
…
……
天真「……なるほど、それで私が二人いるわけか」
ガヴリール「さすが私だ。理解が早くていい」
天真「聞いた限り、この世界との差異はサターニャだな」
ガヴリール「……ほう」
天真「この世界のサターニャはな……、お前の世界のサターニャと違って」
ガヴリール「……」
月乃瀬「……」ゴクリ
白羽「驚きますよ」
天真「頭、いいぞ……!」
ガヴリール「なっ……!?」
ガヴリール「嘘だ!世界が違う程度でサターニャのバカは治るほど甘くないぞ!!!」
天真「残念ながら嘘じゃない。私はサターニャがいじられてるなんて想像できないし、宿題を忘れるなんて有り得ない」
月乃瀬「そうね」
白羽「サターニャさんにはかないませんよね~」
ガヴリール「なっ……!なっ……!?」パクパク
ガヴリール「い、いや……」
ガヴリール(いくらなんでも程度があるだろ、さては盛ってんな私)
天真「……」
天真(驚け私。お前の話聞いた限りだと……)
天真(お前の知ってるサターニャとの違いは、大きいぞ)
……
サターニャ「……ない」
サターニャ「無い!石無い!誰もいない!!ああああああああ!!!」
サターニャ「何やってんのよ私!!アイツは私にぶん投げてどっか行ったし!!くそー……戻れたらまた何か……」
ゴソゴソッ
サターニャ「ッ!?ガヴリール!?」
「わん」
サターニャ「……なんだ、アンタか……びっくりさせないでよ……」
「?、どうしたの?犬……」
サターニャ「え」
「……あら」
サターニャ「アンタは……」
「私!?」
胡桃沢「ふむふむ、つまり……」
胡桃沢「アンタはそっちのガヴリールと、世界線とやらを越えてこの世界にきた」
胡桃沢「こっちと同じでガヴリールはネトゲ中毒者。イベントに間に合うため帰りたいので石を探している、と」
サターニャ「そ、そうよ」
胡桃沢「大丈夫なの、その機械は?魔界通販は見たこと無いけど、良い噂は聞かないわよ」
サターニャ「無いのー!?私なのに!?あれほど面白いコンテンツも無いわ!ガヴリールとの勝負では何度助けてもらったことか!」
胡桃沢「ガヴリールとの勝負……?」
サターニャ「この機械も大丈夫に決まってるわ!魔界通販を私は信じる!」
胡桃沢「っ……」
胡桃沢「それ、見せてもらってもいいかしら」
サターニャ「いいわよ、壊さないでね」
胡桃沢「ありがとう。……ふむふむ、動力は電気だけど、世界線移動については天使力と悪魔力の何れかを媒介して回路を実現させる、といったところかしら」
サターニャ「ばいかい……?カイロ?」
胡桃沢「確かに……この仕組みなら世界線を移動することも……!?なにこれ、画期的すぎる……!でも、石……?これほどの技術力ならそんな仕組みより……」
サターニャ「ちょ、ちょどうしたの?ブツブツ一人で……」
胡桃沢「……なんでもないわ、存外悪くないのかもね、魔界通販。これ、返すわ。ありがとう」
サターニャ「うん……ま、魔界通販を知らないのは勿体ないから、見たほうがいいわよ」
サターニャ「それより私、一人で何してたの?」
胡桃沢「……っ」
胡桃沢「……でも」
サターニャ「聞くわよ、私はアンタなんだから。何があったの?」
胡桃沢「……ちょっと、最近自信無くなっちゃってね」
サターニャ「うん」
胡桃沢「私、これでも魔界じゃ天才って呼ばれてたの。修行が始まってからも、我ながら良い立ち回りだったと思う」
胡桃沢「でもね、私の夢は、魔界の頂点に立つことなの。それは計算が出来ても、覚えが良くても叶うことじゃない……」
胡桃沢「特殊な力については、ガヴリールと、ラフィエルにどうしても敵わない……」
胡桃沢「私、その程度で鼻高くしちゃってて、ほんとはちっぽけなんだな。って最近ね……」
サターニャ「……」
サターニャ「……勝ちたいの?ガヴリールに」
胡桃沢「……」
胡桃沢「……勝ち、たい……」
胡桃沢「私、勝ちたい!ガヴリールとラフィエルも、勉強では私を頼ってくれるけど、そんなんじゃなくて……」
胡桃沢「天使に……天使としてのガヴリールに勝ちたいの!」
サターニャ「……良く言えたじゃない。今、ガヴリールたちはどこにいるの?」
胡桃沢「えっと、確かラフィエルとヴィネットはお買い物って言ってたし……」
胡桃沢「色々含めたら今頃は大方ガヴリールの家じゃないかしら」
サターニャ「……?そう」
サターニャ「なら決まりね!今日は私を泊めなさい!」
胡桃沢「……どうぞ、入って良いわ」
サターニャ「邪魔するわ!さすが私、綺麗に整えてるじゃない!」
胡桃沢「さて……あまり気は乗らないけど、何時からどこなの?」
サターニャ「?まだ私何も……」
胡桃沢「魔界通販を見るんでしょう?」
サターニャ「話が早いじゃないの……!でも、放送はもっと夜中だから待機ね」
胡桃沢「うん、わかったわ」
サターニャ「何する?」
胡桃沢「そうね……チェスなんかは?」
サターニャ「ふっふっふ……私に勝てると思ってるの?ガヴリールとは何度もいろんなゲームしてるんだから、慣れてるのよ!」
サターニャ(ガヴリールにゲームして勝ったことないけど)
胡桃沢「いいわ、やりましょ」
……
…
サターニャ「何で勝てないのよ!!」
胡桃沢「うーん……他のゲームやる?」
サターニャ「もう十連敗……!ここで引き下がったら、私の完敗に……!」
サターニャ「もう一回!」
胡桃沢「まあ、いいけど……」
……
…
サターニャ「また、負けたああああ!!?」
胡桃沢「もう、だからね、そもそも駒を捨てることも多いから……」
サターニャ「だって可哀想じゃないの!」
胡桃沢「何のゲームだと思ってるのよ」
サターニャ「にいいいいいい!!!……あ、そろそろね」
胡桃沢「そうね、テレビ点けるわ。チャンネルは?」
サターニャ「魔界テレビよ、契約してる?」
胡桃沢「してるわ、一応。情報収集のために」
サターニャ「そう」
ピッ
『コンバンワ、テレビの前のみなさん!魔界通販です!今回紹介するのは…』
胡桃沢「……」ゴクリ
サターニャ「始まったわね!」ワクワク
『コレです!なんとこの商品、こうして使うと……』
サターニャ「おおー!欲しい!私も欲しい!……っ」
胡桃沢「へえ……っ」キラキラ
サターニャ「面白いでしょ?」
胡桃沢「……っ」
胡桃沢「……うんっ!」
『では、おやすみなさーい!』
胡桃沢「……すごい!すごいわ魔界通販!こんな楽しいものがあるなんて!」
サターニャ「そうでしょ!今日の商品なんかも、使い方をこー……こうすれば……」
胡桃沢「確かに!不意をつけるかも!」
サターニャ「ガヴリールに勝てるかもしれないわ!」
胡桃沢「ガヴリールに、勝てる……っ!」
サターニャ「あっ……でも、私120時間で帰らないといけないから、今から注文してもそれまでに届くか……」
サターニャ「……そう、だ……」
サターニャ「これ、あげるわ」
胡桃沢「?、何よこれ」
サターニャ「これはね……」
胡桃沢「……!いいの!?そんなもの貰っても……」
サターニャ「何言ってるのよ、私と私の仲じゃない」
胡桃沢「……っ、ありがと!明日……付き合ってくれる?」
サターニャ「もちろん!」
胡桃沢「やったあっ!」
サターニャ「勝ちましょ!アイツに!」
胡桃沢「うん!」
サターニャ「作戦は一つよ」
サターニャ「真正面からどーん!わかった?」
胡桃沢「え……作戦……?」
サターニャ「ええ。これは作戦よ、ベストプランニングよ!」
胡桃沢「意味違う気がするけど」
サターニャ「小さいことは気にしちゃだめよ!」
胡桃沢「ええ……」
サターニャ「そうだ、私の世界のガヴリールや、ラフィエルはね……」
……
サターニャ「それでね、ラフィエルのヤツ、私のメロンパンを犬を使って……」
胡桃沢「うわ、ひどいわね……メロンパンを狙うなんて」
……
サターニャ「なあーはっはっは!」
胡桃沢「な、なーははは……!」
サターニャ「ダメよ、そんなんじゃ!もっと気を荒ぶらせて……」
胡桃沢「な、なああははは!!」
サターニャ「だめだめ、もっとこう……」
……
ガヴリール「お、ナイス。上手いじゃん」
天真「当たり前だろ、誰だと思ってんだ」
ガヴリール「私だろ」
天真「その通りだ」
白羽「ん……朝ですか?」
月乃瀬「……あ、寝てた……二人とも夜通しやってたの?」
ガヴリール「常識だろ」
天真「さすが私」
月乃瀬「……」
……
「いい?これだけは覚えておきなさい」
「なに?」
「負けたら、楽しむの。また挑める、ってね!」
「……」
「……長い勝負になるわ。始めたら、アンタは大切なものを失うかもしれないけど……いいのよね」
「……うん、前に進むには、何かを手放すことも必要」
「私は……」
「大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルよ!なあーはっはっは!」
「そう、それでいいのよ!行きましょう!」
「ええ!」
ピンポーン
ギィ
月乃瀬「……?あら、サターニャと……サターニャ?」
サターニャ「こんにちわ、こっちのヴィネット!」
月乃瀬「ああ、そっちが向こうの……初めまして、よろしくね」
サターニャ「よろしく!」
胡桃沢「おはよう、ヴィネット!」
月乃瀬「で、そっちがこっちのサターニャね。……なんか口調変わってない?」
胡桃沢「気のせいよ!入らせてもらうわ!」
月乃瀬「え、ええ」
白羽「あ、おはようございます。サターニャさん、向こうのサターニャさん」
サターニャ「うん、初めましてね」
胡桃沢「おはよ、ラフィエル」
ガヴリール「?、うわ!サターニャ……と、サターニャ?」
天真「おっ、サターニャ。そうだ……宿題で見せて欲しいとこがあるんだけど……え、どっちだこっちのサターニャは」
サターニャ「うわ見分けやすい」
胡桃沢「……ガヴリール」
ガヴリール「私か?」
天真「どっちのだよ」
胡桃沢「あ、ごめんね、向こうのガヴリール、初めましてよろしく」
ガヴリール「おう」
天真「じゃあ私か、どうした?」
胡桃沢「……っ、その」
胡桃沢「勝負よ!大悪魔胡桃沢=サタニキア=マクドウェルと勝負しなさい!」
天真「……は?」
ガヴリール「……なにこれ、どういう……?」
白羽「なんか、昨晩聞いたそちらのサターニャさんの特徴と似てますね」
月乃瀬「一体何が起きて……?」
天真「どういうことだよ?」
胡桃沢「そのままよ、降参しなさい!」
天真「なんでだよ。つーかどうしたんだお前なんか口調も違うし」
胡桃沢「……ッ!」カチャッ
天真「……!銃!?」
胡桃沢「これは、……この銃は、デビルパイソンというわ!」
天真「はあ」
胡桃沢「この銃に撃たれるとね」
胡桃沢「10分間、笑いが止まらなくなるのよ!!」
天真「……なるほど」
胡桃沢「どう!?」
天真「どうってなんだ、お前なんか今日めんどくさいな……」
ガヴリール「デジャヴったわ」
サターニャ「すごいでしょ、堅物のあの子をここまで育てるの苦労したんだから」
月乃瀬「あ、あああ……サターニャが……まるで、アホな子に……」
白羽「……これはこれで面白そうです」
サターニャ「やっぱコイツらはどこでもそういう連中なのね」
天真「……そうだな、降参だ」
胡桃沢「!私……勝ったの!?ガヴリールに!」
天真「ああ。その銃かっこいいな、見せてくれないか?」
胡桃沢「ええ!勿論よ!」
胡桃沢「……ふふ」
天真「……ッ」
胡桃沢「と、見せかけてドーン!」
ドォン!
天真「結界ッ!!!」
胡桃沢「!?」
ガヴリール「クソ卑怯だな」
サターニャ「一回勝負挑んでからだから卑怯じゃないって刷り込むの大変だったんだから」
ガヴリール「もうあれただのお前じゃねーか」
天真「はっ!」
ガシャ
胡桃沢「しまっ……銃が奪われ……」
天真「それぇい!!!」
ドォン!!
胡桃沢「くはッ」
ガヴリール「まあそうなるな」
サターニャ「な!?なんで!?不意をついたのに!」
白羽「不意をついたのは認めるんですね、もしかしてそちらのサターニャさん、ドクズなんですか?」
サターニャ「向こうのアンタにこそ使う言葉よそれは」
白羽「マジですか」
サターニャ「うん」
月乃瀬「相当ねラフィエル」
ガヴリール「まああの話も私、私に教えたからな」
サターニャ「えっ」
ガヴリール「対策も練りやすいだろ」
サターニャ「なんと」
胡桃沢「はっ……ぅ、ぁふひっ、あはははははっ!いーひっひっひ!!」
天真「お前、どうしたんだよ……」
胡桃沢「うにゃ、なはははは!」
天真「お前もっと頭良かったじゃないか……」
サターニャ「……ガヴリール」
ガヴリール「なんだよ」
サターニャ「アンタじゃない!こっちの!」
天真「?」
サターニャ「……その、お願いなんだけど」
サターニャ「私に、構ってあげてね」
天真「え、いや、まあ、いいけど……」
サターニャ「……ありがとね」
胡桃沢「あああーっははは!いひっ、ふひゃあ!」
ガヴリール「……よくわからんが、サターニャ」
サターニャ「なに?」
ガヴリール「お前、石探してなかっただろ」
サターニャ「あ」
ガヴリール「おいで、サターニャ」
サターニャ「……ごめんなさい」
ガヴリール「謝罪なんていいよ、サターニャ。こっちへ」
サターニャ「……怒らない?」
ガヴリール「……」ニコッ
サターニャ「!ごめんねガヴリール!」
タタタッ
ガヴリール「……ッハイパーローキック!!!」
ドズゥン!!!
サターニャ「グァッ!!」
ガヴリール「探してこいっつってたろ!アホか!!」
サターニャ「怒らないって!」
ガヴリール「言ってないね!」
サターニャ「ええ!?」
天真「なるほど、そういう扱いでいいのか」
カラン、コロコロ
白羽「?、あれ、これ」
月乃瀬「……?赤い、石……?」
天真「……まさか」
胡桃沢「うふふ、あはっ、ぶひゃっ!」
天真「おい、ガヴリール!」
ガヴリール「私か!?」
天真「お前しかいないだろ!」
ガヴリール「どうした?」
天真「これ……」
ガヴリール「?、まさか……サターニャ!」
胡桃沢「うひゃはははは!」
サターニャ「……うん、私ね?どうしたの?」
ガヴリール「これって!」
サターニャ「え?あら綺麗な石じゃない」
ガヴリール「違う、機械にはめてみろ!」
サターニャ「ああ、うん……」
カチッ…
サターニャ「あ、はま……」
ヴィイイイイイイイン!
『世界線移動します、同行者は持ち主に掴まってください!』
サターニャ「しまっ、即なの!?ガヴリール!」
ガヴリール「お、おう!」
パシィッ
ッ……
キュウィィィィィィィィィン!
バシィッ!
天真「お、おいっ、わた……」
天真「……」
月乃瀬「……っ」
白羽「……帰って、しまいましたね」
月乃瀬「ほ、ほんと。突然やってきて、突然帰って……」
月乃瀬「……」
天真「……っ、……」
胡桃沢「あぁっ、ははは!うひっ……」
天真「何笑ってんだお前」イラッ
月乃瀬「犯人アンタでしょ」
白羽「……楽しかったです」
白羽「私も……」
白羽「私も、向こうの世界。行ってみたいですね」
月乃瀬「……そうね」
天真「……ああ」
胡桃沢「ああっはは、はは、うひっ、ふぶっ!」
……
ドサッ
ガヴリール「……っ」
サターニャ「がふっ」
「……ガヴ!」
「サターニャさん!」
ガヴリール「……本物か!?」
ラフィエル「はい、大丈夫ですよ!よかったです!」
サターニャ「……?」
ヴィーネ「ちょ、大丈夫サターニャ……?もう、心配したじゃない、丸一日も!!」
ガヴリール「帰ってきたー……!」
ヴィーネ「その、ガヴ……」
ラフィエル「……どうでしたか……?」
ガヴリール「え、何が?」
ヴィーネ「向こう……の、世界」
サターニャ「……ヴィネットも、ラフィエルもいたし、私とガヴリールもいたわ」
サターニャ「……」
サターニャ「楽しかったわ。ね、ガヴリール」
ガヴリール「……」
ガヴリール「ああ」
ヴィーネ「……わたしも」
ガヴリール「?」
ヴィーネ「私もいきたい!」
ガヴリール「は!?」
サターニャ「まあ、この機械も安全らしいけど……向こうの私の話では」
ヴィーネ「その……私も、私と話してみたいの!お願い!」
ラフィエル「っ……」
ガヴリール「いや、まあ、いいけど……」
ガヴリール「でもまあ」
ガヴリール「本当、楽しかったよ。自分と喋るのってさ」
……
胡桃沢「……はあ、はあ……」
天真「治ったか」
胡桃沢「うん、おえっ……」
月乃瀬「?、ポケットに何か入ってるわよ?」
胡桃沢「……?これ?」
白羽「……手紙、ですか?」
胡桃沢「…………」
胡桃沢「……っ」ツゥ
胡桃沢「……っ、ぅっ……」ポロポロ
白羽「サターニャさんっ?!大丈夫ですか?!」
胡桃沢「うん、うんっ……」
月乃瀬「誰からのなの?」
天真「……向こうのサターニャ、じゃないか?」
月乃瀬「なるほどね」
『自分を持ちなさい。私の言ったことは忘れてもいいから。アンタはアンタなんだからね』
『アンタは、自信を持っていいのよ。サターニャ』
胡桃沢「ひぐっ……ひぐぅ……っ」ポロポロ
月乃瀬「また、会えるかしらね」
白羽「会えますよ、きっと」
天真「そうだな……うん」
天真「きっと、また会えるよな」
End