ゼル「ただいま帰ったっと……ふぅ」ガチャ
ハニ「お帰りなさい!ゼルお姉ちゃん!」
ゼル「ただいまハニエル、父さんたちは?」
ハニ「今日は帰ってこれないんだって……」
ゼル「何?じゃあハニエル一人でお留守番してたのか?」
元スレ
ゼルエル「ガヴリール、今でもお前は天使だぞ」
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ハニ「ううん!ガヴお姉ちゃんがいるよ?」
ガヴ「いますよ?お帰り、姉さん」
ゼル「なんだ帰ってたのか、お帰り」
ガヴ「ただいま……帰って来たくなかったけど」ボソ
ゼル「……ふん、だろうな」
ハニ「ねぇゼルお姉ちゃん大学楽しかった!?」
ゼル「ん?あぁ楽しかったぞ。ハニエルも大きくなったら行くといい」
ハニ「がんばるね!」
ガヴ「ハニエルがんばれ~」
ゼル「お前も努力すれば軽く行けるものを……」
ガヴ「私なりに努力してるってば」
ゼル「……お前のあれが努力だと?」ピクッ
ハニ「……えっと……あ!そうそう!あのね?新しい遊び思いついたの!」
ガヴ「ん?なーに?」
ゼル「おいガヴリール……ちょっと話を聞け、大事なことだ」
ガヴ「今はハニエルのほうが大事だし。姉さんとはいつでも話せるじゃん」
ゼル「私もいつでもと言う訳じゃないだろう」
ガヴ「いつでも下界にどうぞ?」
ゼル「おい、バカにしているのか?」
ハニ「えっと……あのね……」
ガヴ「ごめんねハニエル?なに?」
ゼル「…………」
ハニ「えっと……あ!そうだ!今日の晩御飯!」
ガヴ「ん?」
ゼル「あぁ……そうだな、母さんがいないなら外に食べに行くか」
ハニ「ちがうの!もうあるよ!」
ゼル「ん?」
ハニ「ガヴお姉ちゃんと私で作ったの!」
ゼル「ほう?それ楽しみだな!どれどれ……」
ハニ「これ!オムライスセット!サラダつき!」
ゼル「おお!すごいな!偉いぞハニエル!これはうまそうだ」
ガヴ「…………」
ハニ「あっ……あのね?私はお野菜並べただけで……」
ゼル「それでも偉いぞ!早速いただこうか!」
ガヴ「……私あとで食べるから」
ゼル「おい……ガヴリール」
ガヴ「なに?」
ハニ「ゼルお姉ちゃん……えっとね……あのね……」アセアセ
ゼル「何が気に入らないか知らないが、少しはハニエルのことも考えたらどうだ?」
ガヴ「はぁ?私が気に入らないのは姉さんでしょ?ハニエルハニエルってクソむかつく」
ゼル「貴様……」
ガヴ「会えばお小言ばっかり鬱陶しいって……私もハニエルはあんたのオモチャじゃないよ?」
ゼル「――ガヴッ!!!そこになおれ!!!」
ハニ「ガヴお姉ちゃん……?」
ガヴ「――っ!……ごめんなさい……部屋で反省します……」タッタッタッ
ゼル「ガヴリール!!!」
ゼル「くそっ……あいつめ……」
ハニ「ぜるおねっ……お姉ちゃんっ……ぐすっ」グスッグスッ
ゼル「――っ!ハニエル、すまん……お前は何も悪くないよ?」ナデナデ
ハニ「ガヴお姉ちゃんっ……ひぐっ……帰って来てから……オムライスっ!」グスッグスッ
ゼル「……」
ハニ「せっかく……ぐすっ……ゼルお姉ちゃんのためにって……!」ポロポロ
ゼル「……そうか……」
ハニ「ゼルお姉ちゃん……喧嘩いや……」グスッグスッ
ゼル「あぁ……わかってる……すまないな」ギュゥ
ハニ「うぇ……ぐしゅっ」ギュゥ
ゼル「……ガヴリールに謝ってくるから、すこしだけご飯待ててくれる?」ナデナデ
ハニ「うんっ!待ってる!」グスッ
ゼル「ありがとうハニエル……お前はいい子だ……」
ハニ「うん!」
……
…………
………………
ゼル「……ふぅ……ガヴリール?入るぞ」ガチャ
ガヴ「……入らないでよ……ノックくらいしてよ」グスッ
ゼル「少しでいいから話を聞け」
ガヴ「今は嫌」
ゼル「……じゃあ待っていることにしよう」ポスッ
ガヴ「ちょ……!」
ガヴ「う~……」グスッグスッ
ゼル「……」
ガヴ「……姉さんごめんなさい」
ゼル「うん」
ガヴ「後でちゃんと話すから……」
ゼル「ああ、ゆっくりでいいぞ」
ガヴ「え?えっと……いや後でって」
ゼル「だがハニエルがご飯を待ってるな」
ガヴ「えぇ……先に食べてよ……」
ゼル「ガヴリール」
ガヴ「……」
ゼル「まぁここに座りなさい」ポンポン
ガヴ「は?」
ゼル「私の膝の上に乗りなさい」
ガヴ「え?……やだよ……子供じゃないし」
ゼル「ガヴリール?」ニコッ
ガヴ「むぅ……」
ガヴ「これでいいの?」ポスッ
ゼル「うむ……大きくなったな」ナデナデ
ガヴ「もう子供じゃないからやめて」
ゼル「私にとってはいつまでも可愛い妹さ……例え1世紀後でもな」
ガヴ「おばあちゃんになってるよ……」
ゼル「それにお前はよくこうして私の膝に乗っては勉強を邪魔をしたじゃないか」
ガヴ「えー?してないし!」
ゼル「いやいや……私が机に向かっていると必ず膝に座って一緒に教書を読んでな」
ガヴ「あー……」
ゼル「で、お前はさっぱりわからないものだから『これは何?』だとか『なんで?』とか……」
ガヴ「むぅ……したかも」
ゼル「ハニエルの質問癖はお前に似たんだな」
ガヴ「……」
ゼル「結果的に天使学校首席にまでなって誇らしかったが……」
ガヴ「今はもう落ちぶれちゃったね」
ゼル「お前は落ちぶれていない」
ガヴ「……あれは偽物だったんだよ」
ゼル「そう……かもな?私にはわからん」
ガヴ「わかんないならほっといてよ!」
ゼル「放ってはおけん!お前はあれほど努力していたじゃないか!?」
ガヴ「だからあれは偽物だったんだって!」
ゼル「じゃあ今のお前は本物か?その証明がどこにある!」
ガヴ「自分の証明なんて自分にしかできないじゃないか!」
ゼル「屁理屈ばかり言いおって……!」
ガヴ「姉さんだってそうじゃないか!私のことは諦めてほっといてよ!」
ゼル「諦めきれるものか!!!」ギュウッ
ガヴ「――っ!」
ゼル「どうして諦められるんだ……どうやったら諦められるんだ……?」
ガヴ「……」
ゼル「私はお前の幸せが欲しい」
ガヴ「……私は今でもそれなりに幸せだよ」
ゼル「未来永劫の、だ。お前がこの先、何の苦悩もなく
ありとあらゆる問題を解決するという確信がほしいのだ」
ガヴ「そんなの……姉さんだって無理じゃないか」
ゼル「そうだな。私に無理だからお前に望んでしまうのかもな」
ガヴ「……神様にだって……無理だよ……」
ゼル「……」
ゼル「お前が生まれた時のことを覚えているよ」
ガヴ「は?」
ゼル「私もまだ小さかったが……昨日のことのように思い出せる」
ガヴ「……」
ゼル「しわくちゃの猿みたいだった」
ガヴ「……姉さんだって生まれた時は変わんなかったと思う」
ゼル「ははは……まぁそうだろうな。だがお前は私の生まれた時を知らん」
ガヴ「むぅ……ずるくない?それ」
ゼル「ハニエルが生まれた時を覚えていないか?」
ガヴ「……なんとなく」
ゼル「猿みたいだったろう?」
ガヴ「猿みたいだったね」
ゼル「あの時、私は正直なところ嬉しいのと不安なのが半々だったよ、
お前ですら手を焼くのに私は大丈夫なのかってな」
ガヴ「……」
ゼル「たぶんお前はそんな顔をしていた私を見て思ったんだろうな」
ガヴ「何を?」
ゼル「覚えていないか?」
ガヴ「……忘れた……私まだ学校も行ってなかったんじゃない?あのとき」
ゼル「『私がこの子を絶対幸せにする』って言ったんだよ、お前は」
ガヴ「……」
ゼル「やっぱりお前は私の妹だと思ったよ……
私がお前が生まれた時に言った言葉をお前はハニエルにも与えたんだから」
ガヴ「……」
ゼル「救われた気分だった」
ガヴ「……」
ゼル「お前はハニエルのことをちゃんと今でも思っていてくれるんだろう?」
ガヴ「大事な妹だからね……」
ゼル「私も同じだ……ハニエルも……ガヴリールも私の可愛い妹だ」
ゼル「私はどれだけ変わってもお前はお前だと信じている」
ガヴ「期待には答えられないよ」
ゼル「……私はあの時私を救ってくれた神の使徒を信じていたいだけさ」
ガヴ「“恐れることはない。あなたは神から恵みを頂いた”」
ゼル「ふふっよく覚えていたな」
ガヴ「うん……姉さんが教えてくれた」
ゼル「今でもお前は私の天使だぞ。これからもずっとな」ギュゥッ
ガヴ「……うん」
ゼル「さて!ガヴリール、そろそろ降りてくれ。重い……」
ガヴ「失礼な……自分が乗れって言ったくせに」
ゼル「足がしびれてきた、それにハニエルが下で待っているしな」
ガヴ「うん……わかってる……でもお姉ちゃん、あと少しだけこのまま……」
ゼル「……しょうがないやつだな、お前は」
end

