ガヴリール「はあ? 俳句?」
サターニャ「そうよ。下界では五・七・五で歌を詠む風習があるのよ!」
ガヴリール「それで?」
サターニャ「テーマを決めてお互いに俳句を披露し、どちらが優れているかを競うのよ!」
ガヴリール「判定方法は?」
サターニャ「ヴィネットとラフィエルと委員長に審査員を頼んだわ!」
ガヴリール「もう決まってるのかよ」
元スレ
【ガヴドロ】サターニャ「俳句で勝負よ!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1500205304/
ラフィエル「面白そうですね~」
ヴィーネ「サターニャにしては知的でまともな勝負方法ね」
まち子(巻き込まれてしまった……)
ガヴリール「しょうがないな……やってやるか」
サターニャ「いい度胸ねガヴリール。こてんぱんにやっつけてやるわ!」
ガヴリール(こいつバカそうだし、楽勝だろ)
ラフィエル「では、テーマは『夏』でいきましょう♪」
ガヴリール「ずいぶんベタなお題だな」
ヴィネット「一見簡単なように思えて、実はとても奥が深いお題ね」
まち子「そうですね。幅が広すぎると逆にポイントを捉えにくいですしね」
ガヴリール「どうでもいいや。パパッと書いて終わらせるか」
サターニャ「うーん、悩むわねぇ」
ガヴリール(よし、これでいいか)
ガヴリール(うん、なかなかの出来だな。実に生活感に富んだ私らしい俳句だ)
ラフィエル「時間です!ではお互いに発表してください!」
サターニャ「いくわよ!聞いて戦慄するがいいわ!」
『宵闇に ふわふわ踊る ホタルかな』
ガヴリール(!?)
ガヴリール(嘘だろ? あのサターニャがあんな真面目な俳句を詠むなんて!?)
サターニャ「どうかしら? 夏といえばホタル! 宵闇の中をホタルが飛び交い、まるで踊っているように見える様を詠んでみたわ!」
ガヴリール(しかもちゃんと考えた上での俳句! 決してマグレでできた句じゃない!)
ヴィネット「素敵な句ね。目を閉じればそこにホタルのダンスが浮かび上がるようだわ」
まち子「ええ、とても美しくてロマンチックな句です。胡桃沢さんにしては以外だったわ」
ラフィエル「さすがサターニャさん!素晴らしいです~♪」
ガヴリール「なっ……?」
ラフィエル「では後攻ガヴちゃん!どうぞ~」
ガヴリール(やばいやばいやばい! こんな適当な俳句を見せたら絶対バカにされる!)
サターニャ「早くしなさいガヴリール! 時間稼ぎは無駄よ!」
ヴィーネ「どうしたのガヴ? 早く聞かせてちょうだい」
ガヴリール「え~と、その~……」
サターニャ「ええい! それを見せなさーい!」
バシッ
ガヴリール「あああああっ!」
ペラッ
『暑いから クーラーつけて ネトゲした』
ヴィーネ「……」
まち子「……」
ラフィエル「……」
サターニャ「……」
ガヴリール(終わった……)
ヴィーネ「素晴らしい俳句だわ!」
ガヴリール「え?」
まち子「ええ、こんな俳句みたことない!」
ガヴリール「は?」
ラフィエル「さすがガヴちゃんですね~」
ガヴリール「ちょっ」
サターニャ「なかなかやるじゃないガヴリール!」
ガヴリール「どうなってるんだ?」
ヴィーネ「夏というお題に対して、ストレートに『暑い』と表現する大胆さ!」
まち子「『クーラー』という季語を恐れることなく使う不敵さ!」
ラフィエル「しかも『ネトゲ』という百年前の俳人には想像もつかない単語を使う斬新さ!」
サターニャ「くうっ!さすが天使学校主席なだけあるわね!でも結果はまだ分からないわ!」
ガヴリール「お~い、みんな~?」
ラフィエル「それでは、審査結果を発表します!」
ドゥルルルルル……
ジャアアアアン!
ラフィエル「勝者、ガヴちゃん!」
ガヴリール「マジか……」
サターニャ「またガヴリールに負けたああああああ!」
ラフィエル「サターニャさんの句には致命的なミスがありました」
サターニャ「ミス?」
ラフィエル「はい。『宵闇』という言葉なのですが、これ実は仲秋の季語なんです」
ヴィーネ「月のない夜を表すから、四季共通だと誤解する人も多いわ」
まち子「自信満々で挑んだ癖にそんなことも知らないなんて。やっぱり胡桃沢さんだわ」
サターニャ「悔しいいいいいいいいい!」
ガヴリール「サターニャ、私はお前の俳句……好きだぞ?」
サターニャ「ほんと? ありがとうガヴリール! じゃあ次も俳句で勝負を」
ガヴリール「それは勘弁してくれえええ」
ガヴリールドロップアウト
『怖いから 二度と俳句は やらないよ』
ー完ー
13 : ◆tc6/59leHM - 2017/07/16(日) 20:53:51.531 fxbWlVsc0 11/11短いですが終わりです。読んでくださってありがとうございました。