1 : ◆eUwxvhsdPM - 2013/04/05 01:49:05.72 nl4D6ow+0 1/147※初めに
・このSSは「静・ジョースタの奇妙な日常」の続き・第二話です。
前作を知っていないと全く訳がわからないので注意して下さい。
・相変わらずオリジナル展開だらけです。苦手な方は閉じて下さい。前回よりも濃ゆいです
・あと、今回は少し投下スピードが遅いと思います。予めご了承をば。
・長くなりましたが、書かせていただいます。
一話
静・ジョースタの奇妙な日常
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363790589/
http://ayamevip.com/archives/50359976.html
元スレ
仗助「静のやばい物を拾ったっス」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365094145/
西暦2012年3月21日
フロリダ半島ケープ・カナベラル――
プッチ「理解したぞDIOッ!『これだ』ッ!このまま空中に浮いて同じ重力の条件を体で感じて探せばいいッ!『新月』と同じッ!重力の影響の位置をッ!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
プッチ「我がC-MOONの能力がッ!完璧になれる位置があるはずだッ!落ちつけ!位置を探すのだッ……素数を数えて落ちつけ!13 17 19」
アナスイ「逃がすと思うのかっ、どこまでも悪あがきしやがる野郎だぜ!!」
エルメェス「あいつ何かブツブツ言ってるぞ」
エンポリオ「重力はそのままだッ!地面の重力は垂直に戻らないッ!!」
承太郎「エルメェス、下を見ろ。ヤツの落とした銃を拾え」
プッチ「41 43 47…………」
プッチ「……139……149……?」
プッチ(おかしい……何故『位置』が見つからないッ!?新月の時の『重力』はッ……?どこだッ!?)
承太郎「エルメェス、銃を拾ってヤツを撃て」
ガシィィッ!
ドバッドバドバッドバッ
プッチ「151……くそッ!『C-……」
承太郎「『スタープラチナ・ザ・ワールド』」
ドォ――z__ン
・
・
・
プッチ(…………な……)
プッチ(何故だ……どういう事だッこれは!?何故……なぜ完璧な位置が見つからないッ!?)
プッチ(DIOッ……君の言う『天国へ行く方法』は間違いだったのかッ……!?)
???『…………ッチ……プッチ……』
プッチ(神よ……これが『運命』なのですか……!!)
???『……我が……友…………プッチよ……』
プッチ(…………はッ!!)
DIO『我が友、プッチよ……』
プッチ(ディ……DIOッ!)
DIO『君は何も間違っちゃあいない、君はよくやった。……よくぞここまで天国を追い求めたものだ……』
プッチ(……幻覚かッこれは……!?だが、DIOが『そこ』にいる!ハッキリと感じるッ……)
DIO『よくぞ追い求めた……しかし……』
プッチ(……?)
DIO『いつしか……君の求める物と、わたしが求める物は……大きく変わってしまっていたのだな……』
プッチ(…………何?)
DIO『君は貧弱な人間全てのために、人間全てを天国へ連れて行こうとした。……わたしは真の勝利者となるために、人間全てを犠牲にしてまで天国に行こうとした。……真の神(ディオ)となるために……』
プッチ(……何……だと……?)
DIO『君は天国を分け与えるべきじゃあなかったのだ。神のいない、人間しかいない天国とは……地獄だ。……君は、わたしのために、自分のために、神のために天国へ行くべきだったのだ……』
プッチ(待て……何を言っている?DIO……わたしは、わたしはッ……)
DIO『わたしは友となり、友はわたしとなる。わたしとわたしが違ってしまったのだから……天国の時は来ないだろう……』
プッチ(待て……待ってくれ、DIOッ……)
DIO『この世界に神などいない』
・
・
・
承太郎「そして時は動き出す」
ド――z__ン!!
バシュ!バシュ!バシュ!!
ドスゥー!!!
プッチ「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ズドアアァ
エルメェス「!?神父が……弾丸を防御せずに……!?」
承太郎「『銛』も命中した……全く防御しなかったのは予想外だったが……」
エンポリオ「あ……あいつ、フレームから外れて落ちてくるぞォォ――ッ!」
ドォーンッ!!
プッチ「がはッ……DIOッ……!どういう事だッ説明しろッ……!DIO……!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
承太郎「……徐倫……」
徐倫「……」コクッ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
プッチ「うおおおおおお!!!何をふざけた事を言っているんだッッッ!!?DIOォォォォォォ!!!!!!」
承太郎「『スター……」
徐倫「……フリィィィィィィ』ッッッ!!!」
承太郎・徐倫「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァッッ!!!!!」」
プッチ「あああああがああああぐあばああああ」
ドグシャアアーッ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
承太郎「……」
エルメェス「……」
エンポリオ「……」
アナスイ「……」
徐倫「…………」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
徐倫「……『蝶』が……飛んでるわ……」
承太郎「……」
徐倫「ヒラヒラと……楽しそうに……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
…………
…………
現在
州立グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所――
ガヤガヤ ガヤガヤ
ミューミュー「FE40536……起立しなさい。あなたに面会者よ」
徐倫「……ちょっと待って。今食事中だから……」
ミューミュー「…………」
徐倫「あたしさぁ~~やっぱりブタの逆はシャケだとは思えないのよねーッ……味とか食感とかが逆じゃあないと思う……生活が逆だったらもっと味も対極になるべきだと思わない?塩辛いんじゃあなくて甘い、柔らかくてジューシーじゃあなく硬くてサッパリ……」
ミューミュー「FE40536……起立しろ。手錠をかける」
徐倫「ちょっとミューミュー、紅茶持ってきてくれない?砂糖多めでェ~~……」
ミューミュー「……あのな……」ヒソッ
ミューミュー「徐倫……!確かにわたしはお前に情報を記録され……反撃は出来ない。わたし自身ももう逆らうつもりはない……だがな……」ヒソヒソ
ミューミュー「その立場を乱用するなッ……いいか?曲がりなりにもお前は囚人で、わたしは主任看守だ……『周囲の目』というやつがあるだろう?看守が囚人にいいように扱われるというのは『イケナイ』事だとわかるだろう?なあ?」ヒソヒソ
徐倫「……わかったわ。それで……面会者って誰?あたしのママ?」
ミューミュー「わたしは知らないわ。ただ……『二人組』のようよ?」
徐倫「……『二人組』ィ~~?」
…………
…………
ガシャアアン
ミューミュー「そこにあるマークの位置に立て……規則を……」
徐倫「いらないわ。さっさと扉を開けて」
ミューミュー「…………」
徐倫「あー、オホン……起立説明は結構ですので、扉を開けて下さいますかァ~~看守ゥ~?」
ミューミュー「……FE40536 、面会室に入れ」
ガアアアアア
徐倫「……あ……」
承太郎「…………」
?「……」
徐倫「……『父さん』……!(もう一人は誰だ?知らない……)」
承太郎「徐倫……」
徐倫「……ひ、久しぶり……」
承太郎「どうだ、最近……体調は……?」
徐倫「……元気でやってる……最近はもうここでの暮らしも慣れたわ……」
承太郎「……お前が司法取り引きを認めたのが辛い所だが……スピードワゴン財団の調査も順調だ……もうすぐここから法的に出す事を約束する……」
徐倫「別にいいわよ、やろうと思えばいつでも脱獄出来るしィ~~……」
ミューミュー「……勘弁してくれ、そのたびに殴られてたらたまったものじゃあないわ」
徐倫「フン……ところで……」チラッ
?「……」
徐倫「アンタは……?」
?「……初めまして」
承太郎「こちらの彼は……スピードワゴン財団を通じて知り合った――友人だ。名前は……」
フーゴ「パンナコッタ・フーゴです。よろしく」ペコリ
徐倫「?……はぁ、よろしく、フーゴさん……?」
承太郎「徐倫、早速ですまないが、時間が惜しい……今日お前に会いに来たのは、少し確認したいことがあるからだ。……フーゴ、ファイルを」
フーゴ「……」ガサッ……スッ
徐倫「『ファイル』?何かのデータ?」
フーゴ「……」ピタッ
徐倫「……?」
承太郎「……フーゴ、どうした?さっさとファイルを渡してくれ」
フーゴ「……空条博士、ならびに徐倫さん……このデータはですね~~スピードワゴン財団と僕達の組織がかき集めた『努力の結晶』であり、我らが『ジョジョ』の大いなる協力のもと出来た物だと理解していただきたいのです。丁重に扱って下さい。特に『ジョジョ』のデータは、組織でも極秘ですので……」
承太郎「……善処しよう」
フーゴ「……」スッ
徐倫「何だっていうのよ、これ……」パシッ パラッ……
徐倫「顔写真と……プロフィール?何人か載ってるようだけど……あッ!」
承太郎「徐倫、そのファイルに載っている人物の中で……見覚えがある者はいるか?」
徐倫「こいつとこいつ……見覚えがあるってもんじゃあないわッ!あたしはこいつらに『襲われた』ッ!」
承太郎「そいつは……」
フーゴ「『リキエル』と『ドナテロ・ヴェルサス』ですね……3年前に死亡しているのが確認されています」
承太郎「こちらの金髪の男はどうだ?見たことは?」
徐倫「いえ……全く知らないわ……攻撃されたのはこの二人だけ」
承太郎「……こっちの男も知らないのか?『ウンガロ』は、フロリダにいたはずだが……?」
フーゴ「キーウエスト行きの便で意識を失っているのが見つかっています。ファンタジー・ヒーロー事件を引き起こしたスタンド使いとされてますが、再起不能状態なので確認は取れていませんね……」
徐倫「……何だっていうの?このファイル……あの時プッチに味方してた奴らのリスト?」
承太郎「正確には違う」
フーゴ「全く違いますよッ!我らが『ジョジョ』は、3年前アメリカに行ってすらいないッ!」
承太郎「徐倫、このファイルは……わたしが過去に殺した男、『DIO』の『息子達』のデータだ」
徐倫「……DIO……天国を目指した、プッチの『友』……」
承太郎「DIOは、少々特殊な男でな。……スピードワゴン財団ではこの息子たちの行動を追っている」
フーゴ「こんなにも子がいたというのは最近わかった事ですけどねーッ」
承太郎「その内数人が、プッチ神父に味方していたことがわかった。……その正確な数を知るため、徐倫、お前にこのファイルを見てもらったわけだが……」
徐倫「……あたしが戦ったのはこの2人だけ……他は全く知らないわ」
承太郎「ということは……やはり『三人』か」
フーゴ「何にでも『例外』はある、ということですね……」
徐倫「あの時プッチ神父に味方していたのは『三人』……」
承太郎「そして、『例外』……フーゴの言う『ジョジョ』、『ジョルノ・ジョバァーナ』は、神父に味方しなかった」
フーゴ「当然ですね、我らが『ジョジョ』は、そんな下らない人なんかじゃあない」
承太郎「そして……『もう一人』だ……」パサッ
徐倫「?……こいつは?」
承太郎「……DIOの息子の、正確な数がわかった……『5人』だ」
徐倫「『5人』……最後の一人が、こいつ?」
承太郎「そうだ。しかし……こいつに関しては、情報が少ない」
フーゴ「わかっているのは顔写真と名前だけ。それと……最後に目撃された場所ですね。現在生きてるのかどーかすら不明」
承太郎「わたしはこいつを『確認』しなければならない……こいつは……」
フーゴ「日本の『S市』で目撃されたのを最後に、消息を絶っています」
…………
…………
S市杜王町、ぶどうヶ丘高校校門前――
紙人間『…………』ペラッ
静が生物教師、高塔と死闘を繰り広げた次の日の朝。
登校する生徒達を尻目に、紙人間は校門近くに立っていた。
手には、土埃にまみれヒビの入った硬そうな本があり……
身体からペラペラと音を出しながら、ペラペラと本をめくっている。
紙人間『……』ペラッ
ガヤガヤ ザワザワ……
「なァ~昨日のテレビ見たァァ~」
「ゲェーッ見忘れちまってたよォー」
紙人間『……』ペラッ
ザワザワ ワイワイ……
「ねーねェ~聞いたァ~?高塔センセー入院したんだってェェ~」
「ゲェ~ッショックゥゥ~~好きな先生だったのにィィ~~」
紙人間『……』ペラッ
ワイワイ ガヤガヤ……
「オイ、宿題やったかァー?」
「やるわけねーだろ~がよォーオメーッ頭脳が間抜けかァ~」
紙人間『……』ペラッ
……スタスタ
スタスタ スタスタ……
紙人間『……』ペラッ
スタスタ……ザッザッザッザ
紙人間『……』
ザッザッザッザッザ!
ズザッ!!
静「……」ハァー……ハァー
紙人間『……』
静「……何やってんだァァー……テメェ~~……」
紙人間『…………』ペラッ
静「昨日さァァ~~アンタあたしを『けしかけた』よな?あの高塔の野郎に。え?そうだろう?ノート使って旧校舎まで誘い込んだよなァー?そいつが……昨日の今日で何のこのこ顔出してくれちゃってんのォォ~~?」
紙人間『……ペラリ』ペラリ
静「なんとか言えッ!このスカタンッッ!紙が本を読んでんじゃあないぞッ!」
紙人間『ん、そうだな……少し声のボリュームを落とせないか?スタンドはスタンド使いにしか見えないんだから、君今すごく『変な人』だぜ?……ペララ』
静「……やっぱり『スタンド』なのね……『ペーパーマン』」
紙人間『そんなダッサい名前で呼ぶな。『ペーパー・バック・ライター』というちゃんとした名前を、この『心の力』にはつけているんだ』
静「そう……『バック・ライター』、本体は何処?スタンド相手にしゃべっても仕方ないわッ、さっきアンタが言ったように」
紙人間『数百メートル遠くだ。接触は不可能だな、会いたくないし』
静「めッ……!?嘘ついてんじゃあないわよッ!そんな射程距離……」
紙人間『ああ、その代わりに僕の能力はパワーが全くと言っていいほど無い。チンケな能力でね……こうやって、本を読む事が出来るという能力なんだが』
紙人間は硬そうな本を投げ捨てた。
すると――
本はペタリと薄くなり、一枚の『石版』となり、地面にあった穴へと吸い込まれ……
しっかりと、タイルとなって綺麗におさまった。
紙人間『情報収集にはバツグンだと思うよ。重宝してる。今もそこの地面のタイル一枚から、生徒の登校時間なんかを探っていた所だ』
静「……それで、あたしの登校時間調べて、待ち伏せしてたって訳ェ~?」
紙人間『いや……正直君と話す必要はないと思ってた。君がスタンド使いだというのは数日前からわかってたことだし……ああ、ノートを返す必要があったか』
静「ノートは後で絶対返せよなッ!それより……どういう意味なの?アンタの目的は?」
紙人間『僕は……そうだな、今現在の僕は、『僕の目的を達成出来るスタンド使い』と、『僕の邪魔をするスタンド使い』を探っている』
静「『邪魔』?何を邪魔されることがあるっていうの?そんなにその『目的』ってやつは、危ねーことだっていうのォ~?」
紙人間『何も直接的な邪魔の事を言ってるんじゃあない。間接的にも、スタンド使いが好き勝手動かれると、僕としては少々面倒だな、と思うだけだ。……もうかなり前からこの中等部と高等部の中をペーパー・バック・ライターに歩かせて探っているが、結構スタンド使いはいるようだし。好き勝手動くとそいつらは『邪魔をする』っていうことになる』
静「『好き勝手』って……自分のためだけに『悪事を働くようなスタンド使い』って事?……この学校にいるのォー?」
紙人間『まぁ、そうだな……今さっきもバック・ライターが見えている素振りをしているヤツがいたが、あいつは完全にスタンドを悪事に使っていたな……目が自己チューっぽかった。たぶんだけどォ~~』
静「ヘイ、ちょっと待って、整理させて。……アンタは、そのォ~~……自分の目的のために、悪事を働くスタンド使いをやっつけたいと考えてるって事ォ~~?」
紙人間『んー……ペラペラ……そんな良い奴じゃあないな、決して。……自分の目的の為には、君のように出会ったばかりの人を駒のように扱うような男だぜ、僕は。……世間一般で言う悪に分類されるだろう』
静「……アンタの『目的』は?」
紙人間『聞いてどうする?』
静「目的次第だったら!このあたし……『静・ジョースター』が手伝ってやってもいいわよ。……昨日アンタにけしかけられて駒として扱われたのは腹が立つけどォォ~……その代わりにあたしは成長出来たし、高塔は倒さなければならない邪悪だったしッ、結果オーライって感じィィ~~」
紙人間『……ペラペラ……』
紙人間『そうだな……僕の目的は、『成長すること』、かな?』
静「……何よそれェ~~?」
紙人間『どうしても知りたい情報があるんだ。ある男の情報。……今の僕の能力では、その男の名前と行動は知れても、声を聞いたり姿を見たりすることは出来ない。本に書いてあるのは文章だけの味気ない記録さ……この能力の『先』へ行きたいんだ』
静「スタンド能力の『先』……?」
紙人間『そのために僕は成長しなければならない。さらに先へと行くことが出来るよう、先へ行くための道具を別の奴に奪われることがないようにな。そして、言っておくが静・ジョースター、僕は君に手伝ってもらうつもりなんて毛頭ないからなッ』
静「にゃ、にゃにィ~?どーしてよッ、昨日はあたしをけしかけたくせにィィ~」
紙人間『君は……君の家系・ジョースターの血統は……僕の父を殺した血筋だからだ』
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
静「……何……ですってッ……『殺した』……?」
紙人間『それに、君はあまり頼りになる人間だとは思えない。昨日の戦いぶりを見ているとな。……これから先も駒として働きたいっていうのなら、もっともっと活躍してもらわないと……』
静「ちょっと待ってッ!そっちは置いといて、『殺した』っていうのがゼンゼン意味わかんないわよッ!あたしの家族が?それって――」
キィ~ン コォ~ン カァ~ン コォ~~ンッ……
紙人間『……授業か。そろそろ時間だな……』カサッ
静「待ちなテメェーッ!質問に答えてから行きやがれッッ!」
紙人間『疲れた。あれが食べたいな……あげたてで、穴があいてるやつだ。砂糖がまぶしてある、例のやつ』パラッ……パラ……
静「逃げるなッ!『ワイルド・ハニー』ッ!どらあっ!」
ブォン!!
しかし、静の放った『ワイルド・ハニー』の拳は、バラバラの紙となった『ペーパー・バック・ライター』には当たらず空を切った。
静「――クソッ……」
パラパラ……ペラペラ……
紙人間『最後に忠告だ、静・ジョースター……君の所属する一年B組には、少なくとも二人……スタンド使いがいる……』
静「何ィーッ?二人も……?」
紙人間『気をつけろ……そいつらは、悪事に自身の力を使うような奴だ。ペラペラ……巻き込まれないように、な……』
『ペーパー・バック・ライター』は風に吹かれて、遠く、遠くへ飛び去っていった。
静はしばらくの間空を見つめて、彼の言った言葉を噛み締めていた。
…………
56 : ◆eUwxvhsdPM - 2013/04/07 23:37:50.67 hkyRJmF+0 37/147スタンド名―ペーパー・バック・ライター
本体―???
破壊力―E スピード―C 射程距離―A
持続力―A 精密動作性―E 成長性―C
生物以外の物を本に変え、その情報を読むことが出来るスタンド。
たとえば地面は、昔誰に踏まれたのかとか、いつ頃雨が降ったのかとか、人間よりも遥かに正確に、昔の記憶を覚えている。
たぶん、数千年・数億年単位の情報を読むことも可能。ただし文字としてしか記されない。
元ネタはビートルズの曲だそうで。
良い名前の提案ありがとうございました。
…………
――1年B組教室、HR……
先生「えーッ……一年B組の担任を勤めていました、高塔先生が交通事故で入院をなされたそうなので……急遽、臨時の担任となることになりました……」
カッカッ……
クルウーッ!
早人「川尻早人、って言います……なんだかんだで、クラスを受け持つのは初めてなのでちょっぴり緊張してるけど……エト、よろしくね、みんな」
ヨロシクオネガイシマース
静(なんか……いかにも地味ィィ~なのに、強い目つきしてる先生ねェ……ルックスもイケメンだし)
早人「それじゃあさっそく、授業を始めます。今日の欠席は?……有栖川さん?彼女少し休みすぎじゃあないかなァ~、ペケばっかりだよ……まぁいいや、それじゃあ教科書開いて、6ページを……大林正雄君、読んでくれるかな……」
虻村「おいおいセンセーよォ~~、たしか生物は『宿題』が出てたと思うんだけどよォ~~高塔のヤローから。これどーなるっつーんだよォォ~?おれ結構ガンバッテやったんだぜェ~?」
早人「『宿題』?うーん、ぼくは詳しく授業について聞いていないからなあ……出来てる人だけ出してもらったらいいよ。出したくないなら別にいいかなァー」
ザワザワ ガサガサ
静(た、助かったァァ~……まだノート返ってきてないってのーッ)
…………
キィ~ン コォ~ン カァ~ン コォ~~ンッ……
早人「それじゃあ、今日の授業はここまで……」
ザワザワ ガヤガヤ
静(さっさと『バック・ライター』からノート取り返さないとなァァ~……今日は違うノートに書いたけど、あたしって几帳面な性格でね~、しっかりと生物のノートに書いておきたいなァー……)
ガヤガヤ ワイワイ……
早人「……あーッ、そういえば……静・ジョースターさん?」
静「……はいッ?」
早人「ちょっと……来てくれるかなァ?」
静「……?」
ガタガタッ スタスタ……
静「何ですかァ~先生?あたしのノートが無いって事なら、後日自分でなんとかしますけどォォ~?」
早人「ち、違うよ。そんな事じゃあない……ノート忘れたの?これから気を付けてよねーッ」
静「はいはいィィ~……で、他に何かありましたっけェ~?」
早人「えーっと……そうだね……」ジロジロ
静「……何スか?人のことジロジロ見ちゃってェェ~……そんな『動物園のパンダを見るような目』失礼だと思うんスけどーッ……」
早人「あッ、ゴメンね?いやァ、実はぼく……仗助さんとちょっとした知り合いなんだよねーッ」
静「先生が……?」
早人「だからちょっぴり気になっちゃって……静さんの事」ジロジロ
静「それにしてもちょっと見過ぎなんじゃあないのォ~?恥ずかしいってのーッ」
早人「だって、ねェ?まさかこんな……うん」
静「何スかァ~?あたしが美人すぎるとかァァ~?」
早人「それもそうかもしれないけど……いやあまさか、こんな大きい『娘』がいるなんて……」
静「……はあ?」
早人「えッ?」
静「……おいおいおい、だからおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい。ちょっと待てーッ!いつからあたしが『娘』になったんだってのーッ!!」
早人「ち、違うの?」
静「違うに決まってんだろーがよッ!マヌケッ!あたしは『妹』だってのーッ!ついでに言うと、血も繋がってねーッ!」
早人「い、『妹』ッ!?どうりで……いやけど、ヤッパリ似てるよなァァ~静さん……」
静「はあ~ッ?」
早人「その迫力というか、『凄み』というか……仗助さんにそっくりだよォー」
静「……褒め言葉として受け取っておくわ……」
早人「それで……静さん、本題なんだけど……」
静「はいはい、何ですかァ~?さっさとしてよねッせっかくの休み時間をダラダラ浪費したくないしィィ~」
早人「静さん……昨日、何処で何をしていたか覚えてるかい?」
静「……何の話です?」
早人「昨日の夜の話だよ。夜……この学校の近くを歩いたりとかしていなかった?」
静「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「別に……まぁ、昨日は少し忘れ物を取りに来たりはしてましたけどォォ~……すぐに帰りましたし。それがどうかしました?」
早人「昨日……エト、誰かに出会ったり、とか……本当にしなかったかい?」
静「周りくどいっスねェェ~もっとずばっと率直に言ったらどーなんスか?」
早人「えーっと……君、昨日、高塔先生に出会ったり……しなかったかい?」
静「…………」
早人「昨日……高塔先生がトラックに轢かれて入院したんだけど……どう見ても、誰かに殴られたかのような傷がいっぱいあったんだよねーッ……それと、高塔先生が事故にあったって時……静さん、君が同じ場所にいたっていう目撃談があるんだよ……」
静「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
早人「もう一度聞くけど……静さん、高塔先生に出会ったりしなかったかい……?」
静「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「……会ってません。あたし……高塔先生になんて……」
早人「……そう。なら、いいんだけど……」
静「……」
早人「……」
…………
…………
教室、昼休み――
ピンポンパンポォ~ン
「1-B吉岡、職員室に来なさい……」
静「……」スタスタ……
虻村「――だからよォォ~『チャンプ』っつー映画がメチャ泣けてオススメだって言ってるだろォーがよォォ~?」ガツガツ!
委員長「そんなクソ古い海外映画の何処がいいんだよ……キミ知らないのかい?漫画は日本が誇る文化だよ?『パーマン』とか見てみろよ。面白いぜーッ」パクパク
広瀬川「それも結構古いと思うよーッ委員長……」モグモグ
静「……康司、ちょっといい?ここ空いてる?」トントン
広瀬川「えッ!?し、静さんッ?」ゴクンッ!!
静「ちょっと虻村そこつめて……あたし座るから……はいごめんなさいね……」ガタガタ
虻村「なッ!?なんだァァ~イキナリィィ~~ッ?オメーッ昼飯の邪魔をしにきたっつ~のかよォォォ~?」
静「邪魔なんてしてないってのーッ。ただ、あたしも昼ごはんご一緒しようと思っただけ……」
虻村「『ご一緒』だぁぁ~?あッおいッ勝手に座るんじゃあねーぞッコラッ!」
静「がたがたうっさいわねッ別にいいでしょォ~ご飯一緒に食べるくらい……あッそのチーズ味のペンネ美味しそうッ。食べていいーッ?」
虻村「言いながら人の弁当勝手につまむんじゃあねーッ!コラッ食うなッこのタコッ!」
委員長「やかましいよ虻村君……別にいいんじゃあないかなー彼女がお昼をご一緒しても。なぁ広瀬川君?」
広瀬川「あ、ハイ。ボクもクラスメイトと親しくなるのはウレシイし……」
静「ほら、二人もこう言ってるじゃァァ~ん」モグモグ
虻村「黙れこのスッタコがーッ、おれはテメーのこと、メチャ気に入らんからなァァ~ッ!」
ピンポンパンポォ~ン
「1-B加藤、職員室に来なさい……」
広瀬川「それで、いきなりどうしたの?静さん……ちょっぴりめずらしいんじゃあないの?ご飯一緒に食べようだなんて……」
静「そうねーッ、まず一つ……康司にお礼が言いたくって」
広瀬川「……ボクぅ~?」
虻村「あ~ん?何かしたのかよォォ~康司ィ~?」
静「昨日、話してくれた……『杜王町の七不思議』ってあったでしょーッ?あの話のお陰であたし、ちょっぴり成長出来たみたいなの。結果的にだけどォ~」
広瀬川「えーっと……そうなんですか?」
静「ま!そういう訳だからさーッ、3キュー4ever……お礼言っておくわねーッ」
広瀬川「はぁ……どうも……?」
虻村「おれらには全く意味がわかんねーぜ~ッ……」モグモグ
委員長「確かにそうだが、うーん……成長ねぇ……?」
静「?……どうかした?」
委員長「いや……少し気になるんだけど、それってあれかい?『超能力』が関係してたり……?」
静「……!」
虻村「ブッ!!」
広瀬川「うわあ!虻村君ッ!きたないよッ!?」
虻村「だ、だって……うぷ、ウププ……超能力なんていきなり……ククク……」
委員長「……彼の事は気にしないで。それで、どうなんだい?」
静「……アンタ、何か知ってるっつーの?」
委員長「いや?僕はなにも知らないよ……ただ、君はなんだか『タダモノ』じゃあない奴だな、と思って言ってみただけさ。それに僕は、少し夢見がちで子供っぽい一面があってねーッ……少しそういうものに興味があったりするんだ」
広瀬川「へーッ!委員長もボクと同じような趣味を?」
委員長「趣味というよりも、ただ憧れてるだけなんだけどね。君が、僕の思ってるような力を持っているんなら、今度その『成長』ってヤツを少し見せてもらってもいいかい?非常に興味深いよ」
静「……考えとくわーッ」
虻村「お、おいおいテメェーら……何真面目にバカげた話してやがんだァァ~?んなモンあるわけねーッだろォ~がよォ~?『超能力』なんて……ギャハハ!」
静「……あー、今見せてあげてもいいけど……?」
委員長「軽々しく暴力に使うものじゃあないだろう?」
ピンポンパンポォ~ン
「1-B梅川、職員室に来なさい……」
静「ま、いいわ……それでさ康司、あたし他の『七不思議』についても詳しく聞きたいんだけどーッ」
広瀬川「うん、わかった。……昨日言ったのは『ペーパーマン』と『人体模型の呪い』だっけェ?」
静「あと『ボヨヨン岬』と『しゃべる本』もチラリと聞いたわーッ。他には?」
広瀬川「ええと、『振り向いてはいけない小道』――振り返るとあの世に連れて行かれる場所がどこかにあるらしい。あとは、『アンジェロ岩』――アンジェロ、と声をかけると唸る岩があるって話……」
委員長「そして、最後に『クラスメイトの化け物』だな……」
虻村「おッ、それならおれも聞いたことがあるぜ~ッ」
静「何それェ~?」
広瀬川「この学校のとある一クラスには、人の血を吸う化け物がいて、一緒に学生生活を楽しんでるって話だよ……」
静「へーッ、それは……」
ピンポンパンポォ~ン
「1-B寺沢、職員室に来なさい……」
静「……さっきから何だっつーんだよーッ、この『放送』ッ!朝あたしの安眠を妨害する『目覚まし時計』のように耳障りだわッ!」
広瀬川「なんか……『奇妙』じゃあないかなぁ?さっきから呼ばれてるの、ウチのクラスの生徒ばっかりだよ」
委員長「しかも『女子』ばかり呼ばれてるな……何かあったのかな?」
虻村「静ァ~、オメーッ呼ばれてねーッてことァ~よォ~、もしかしてオメーッ男なんじゃあねーのかァ~ッ?ギャハハハ!」
静「全く笑えねーってのーッ虻村……」シラケーッ
ガラガラッ!!
談笑を続ける生徒達の声をかき消すように、教室の扉が勢い良く音をたてて開いた。
入ってきたのは男女の二人組だった。
女の方は泣きながら、自分の机へと向かって小走りに動き、男がその後ろをなだめすかしながら追いかける。
女「シクシク、シクシク……」
男「おいおい待てよーッ、ちょっと落ち着こうぜーッ。大丈夫、退学になんかならねーッてェェ~。お金も俺がなんとかすっからよォ~」
女「もうダメよ……絶対ダメ……あたし、今日は帰るねッ……もうダメ、シクシクシク……」ダッ!
ガラガラ、ピシャーン!
男「あッ!待て、待てよ……チッ!」
シーン……
静「……」ジーッ
虻村「……」ポケーッ
広瀬川「……どうしたんだろう?」
委員長「さあね。男女の恋愛のもつれかな……?」
委員長「おい、君……」
男「……あッ、委員長。見てたんスかァ~?あんまり見られたくなかったなァ……」
広瀬川「何かあったの?彼女……泣いてたようだけどォー……」
男「いやァ~大した事じゃあないよ……」
虻村「『大した事』じゃあないかどーかは、おれらが話聞いてから決めるぜェ~、とりあえず話してみろよォォ~」
静「虻村にしては良い事言うじゃあないの……とりあえず、座って。今の彼女、さっきから鳴ってる放送と何か関係があるんじゃあないの?」
男「あ、ああ。まあね……」
静「その事が気になって夜も眠れないわ。彼女に何があったのか、話してみてくれないかしらーッ。ええっと……?」
男「……名前は大林正雄、16歳。まっ!あの彼女は気にしないでくれ」
大林「本当、大したことじゃあないんだよ……ホント気にしないで、いやマジで。ちょっぴり、あー……『ユスられて』いてね、彼女。部活の友達なんだけど……」
広瀬川「ユス……!『強迫』されてるって事!?」
虻村「おいおい、のっけから『大した事』じゃあ~ねーかよォォ~~。どういう事だーッああ~ッ?」
大林「いや、俺も詳しい事は何にも知らねーんだよーッ。彼女に相談されたってだけ……ほら、部活に入るとよ、『新入生歓迎会』とかあるよなーッ?集まって騒いで親睦深めるってヤツゥ~」
委員長「ああ……それがどうかしたか?」
大林「そうやって皆で騒いでいるとよーッ、ついつい、『気が大きく』なっちまう、っていう気分……わかるよなァァー?『ちょっとくらいなら大丈夫』とか思って、いつもなら出来もしない『悪い事』だって、平気でしてしまう……そんな気分になるっていうよォー……」
静「……」
大林「それでな、その『新入生歓迎会』で、ちょっぴり調子にノッちゃってさァー……彼女、『お酒』をチコッと飲んじまったんだよ……」
広瀬川「そ、それって……」
大林「いや!いや!いや!彼女の名誉のために言っておくが、彼女は悪くねーッ!酒を進めちまった野郎が悪いんだよッ!彼女は自ら酒を飲むような女じゃあねーんだッ!だけどホラ!『集団心理』っつーかよォ~!ともかく一杯だけ、手出しちまったんだよーッ!」
静「理由はどうあれ、飲んだのには変わり無いんでしょーッ?バレたら終わりじゃあないのーッ」
大林「……ああ、そうなんだよなーッウン。だから彼女、ヤバイ事になってるんだよなーッ」
委員長「まさか……飲酒が学校にバレたのかい?」
大林「『学校』じゃあねーッつーのが面倒な所でねーッ……」
虻村「どォ~いう事だァァ~?もったいぶってんじゃあねーぞッ!」
大林「うーん、俺も話を聞いただけなんだが……彼女の家に、一通の『封筒』が届いたらしい。何も書かれていない茶封筒で、その中には、写真が……『彼女が酒を飲んでいる瞬間の写真』が入っていたそうだ。それと一緒に一通の手紙がね、『この事をバラされたくなければ、50万用意しろ』っていうのが入っていたんだとーッ」
委員長「……何ていう悪質な……」
静「ちょっぴり自業自得だと思うけどねーッあたしは」
虻村「おいおいそれでよォ~、その金、払ったっつーのかよォォ~」
大林「まさか!払える訳がないだろう?だから彼女あせってる。ほら、さっきから呼び出されてる女子達、いるよなァー?」
広瀬川「うん。……もしかして、彼女たち……!」
大林「同じように強迫されて、金が払えずにチクされちまった奴らなんだろーなーッ。さっき職員室で吉岡の親父さんを見たしッ。あいつん家貧乏なのに大変だよなーッ……」
静「あんたの彼女が放送で呼び出されるのも、時間の問題ってわけねーッ」
大林「おいおい彼女はやめてくれッ。俺とあいつはそんな関係じゃあねェ~よォォー」
広瀬川「ううん、何かボクたちも力になれたらいいんだけど……」
静「康司アンタマジィ?マジに言っちゃってんの?お前ェ?どー考えても自業自得でしょうがァァ~。酒飲んだ奴が全面的に悪いってのーッ」
委員長「しかし、それを利用して強迫するなんてもっと『悪い事』だと僕は思うぜッ。大林君、犯人の心当たりはないのかい?その日写真を撮ってる素振りをしてた奴は……?」
大林「ああ、その事だけど、『変』なんだよなーッこれが。あの時『写真』を撮っていた奴なんかいなかったはずなんだよーッ。ケータイやデジカメ構えてたらすぐわかるだろォ~ッ?」
虻村「『隠し撮り』でもしてたんじゃあねーのかァァ~?」
広瀬川「確かに。最近のケータイには『無音カメラ』とかもあるし……」
静「そんなのあるのォ~ッ?」
委員長「君、『ガラケー』かい?『スマートフォン』には様々なアプリがあるんだよ……」
大林「うーん、それも無いと思うんだよなーッ。ただの盗撮とか隠し撮りじゃあないと思う。このクラスには大勢『被害者』がいるんだぜぇ~?そんなチンケなので大量の弱み握れるかよォ~?」
大林「俺はどっかの頭おかしい犯罪グループが一枚噛んでると見たねッ!高校生はカネ持ってると踏んで、グループでむしり取りに来たのかも……ヒヒヒッ!」
静「……あたしがそのグループの頭なら、もっとむしり取れそうなとこからむしり取るわね~ッ」
委員長「同感だ……犯人はきっと単独で、『盗撮』が趣味のクソヤローだよ。ただのねーッ……しかし、このクラスの『委員長』として、犯人を見過ごせない気持ちがあるのも事実だな……」
虻村「おい委員長ゥ~、オメーッ面倒な事に首突っ込むんじゃあねーぞッコラァ~ッ」
委員長「いいじゃあないかッ、このクラスの平穏をぶち壊そうとする犯罪者を僕達の手で捕まえる……想像するだけでカッコイイぞッ!なあ静君ッ!!」
静「あたしに振るなッめんどくせーッ!さっきからあたしは『自業自得』だって言ってんだろーがよーッ!」
広瀬川「静さん……それでもボクは、弱い人を食い物にする奴はスゴク悪い人だと思うよッ……委員長の言う通り、ボク達の手でなんとか出来るならなんとかしたい」
静「……ったく、しょおォォーがねえなァァ~ッ!ちょっぴりだけあたしも手伝ってやるわよッ」
大林「君たち……!」
虻村「お前らそんな事言ってよォォ~どーする気だァァ~ッ?犯人の目星もクソもねーだろォ~がよォォ~?」
委員長「聞き込みでも何でも出来る事ならいっぱいあるさッ。不謹慎だが、ちょっぴり『探偵』になったみたいでワクワクするなァーッ。『少年探偵団』って感じーッ」
虻村「おいおい、それってもしかして、おれも数に入ってんのかァァ~ッ?」
静「ここまで来て逃げるなんて無いだろーがよーッ」
広瀬川「『少年探偵団』!いいねッそれッ!盗撮犯を捕まえる正義の団なんてーッ」
虻村「……トントン拍子に話進みすぎだぜェェ~オメーらよォォ~」ハァ……
委員長「さっそく聞き込みとかしてみるか……誰か一人くらい、詳しく知ってる人はいるだろう」
広瀬川「ボク、少しクラスのみんなに聞いてみるねッ!」
大林「……なんだか悪いねーッ、おおごとになっちまったみたいで……」
静「気にしないでいいわよーッ。あいつらはただ楽しんでるだけだから……」
大林「犯人が見つかること、期待しているぜーッ」
ポン、ポンッ!
静「……気安くあたしの『肩』叩くの、やめてくれないかしらーッ」
大林「おっと……これは、失礼ッ」
静「フンッ!」
…………
…………
夜、東方家――
ジュージューッ!
仗助「変な事に首突っ込んでんじゃあねーぞッオメーはよォォ~」モグモグ
静「あたしだって突っ込みたくて突っ込んでんじゃあないってのーッ……あッ兄さん、それあたしが焼いてた肉ウ!」
仗助「早いもの勝ちだぜーッ!」パクウッ!
……静が昨日食べたがっていた『豪華な肉』は、今日の晩御飯となっていた。
ホットプレートでの『焼肉』……しかも『国産黒毛和牛』ッ!!
仗助「まあ確かに、盗撮とかユスりとかはスッゲェー悪い事だぜェ~?けど酒飲んだほうもたいがい悪いだろーがよォ~?」モグモグ
静「あたしもそー思うッ。だけどそれでも、ユスって良い事にはなんないわよね……」
仗助「ああ、まあな」ヒョイッ
静「あーッ!またあたしの肉取ったアアア!!」
仗助「あーん?オメーッ肉に『名前』でも書いてたのかよォ~ッ?」パクッ!
静「……」ワナワナ……
静「『ワイルド・ハニー』ッッ!!」
ズギャン!!
仗助「お、おいおいッ!スタンド出すのはやりすぎだろーがよーッ静ァ~ッ!」
静「うっさいわねーッ、攻撃するのは兄さんじゃあないわッ!どらあっっ!!」
ドシューッ!!
静の『ワイルド・ハニー』の拳は、ホットプレートの『鉄板上』を叩いたッ!
仗助「はッ!何ィーッ!鉄板の上にあった『肉』が『透明』にイッ!」
ドギャーンッ!!
静「『ピーマン』は『透明』にしないであげるわーッ!兄さんはそっちを食べなさいよねーッ!」イヒヒ
仗助「うぐぐ……!せっかく高いカネ払って買ってきた肉だっつーのにッ……」
静「それじゃ、腹一杯いただきまー……」アーン……
仗助「しかし『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!」
ドキュ――z__ンッッ!!
静「はむッ……ンべえッッ!!『生』アアアッッ!?」オゲェーッ!
仗助「お前が『箸』使ってる時は何処に『肉』があるかわかるぜーッ!掴んだ『肉』を『焼ける前』に治してやったッ!」
ドーンッッ!!
静「テメェーックソ兄ッ!食い物を粗末にしてんじゃあねーぞッコラアッ!!」ガタンッ!
仗助「先にやってきたのはテメェだろうがよォ~~。スタンドを悪用するからそーなるんだッ」
静「自分が肉パクついてた事を棚に上げるんじゃあないってのーッ!信じられねーわよチクショーッ!」
…………
…………
ジュージュー……
仗助「……まッ、今のはチとおれも悪かったけどよォ~、『スタンドを悪用するな』ってのは割りとマジな話だぜ~ッ」モグモグ
静「何よいきなりィィ~」パクパク
仗助「静ァ、お前はよーッ昨日何やら面倒な事に巻き込まれた『お陰で』……いや、『せいで』と言ったほうがいいかもなぁ~~、ともかくそれで、お前は強力な『スタンド能力』を身につけた。だが、いいか?その能力は無闇やたらに乱用するもんじゃあねえーッ」
静「別に乱用なんてしてないってのーッ」
仗助「『スタンド能力』は『危険』だ……使うのも、使われるのもな。お前がそれを乱用して『危険』に巻き込まれちまった日にゃあ、おれはよーッじじいにどう顔向けしたらいいかわかんねェ~ぜェェ~……昨日の出来事だけでどれだけキモを冷やしたか……」ハァ……
静「……黙って聞いてたらさーッ好き勝手言い過ぎじゃあないのーッ?今日友達に他の『七不思議』の事聞いたけどッ、あれ兄さんがやった事でしょッ?『アンジェロ岩』とかさーッ!」
仗助「うぐッ!」ゴクンッ!
静「あと『しゃべる本』とかも、たしか兄さんがやった事だったわよねーッ?この前ご飯食べてる時言ってなかったぁ~?自分は好き勝手スタンド使って色々やってるくせに、あたしにはやらせないなんてズッリィィ~だろ~がよォォ~ッ!」
仗助「あ、あん時はよォォ~~おれも『若かった』っつーか……ちょっぴり無茶な事を結構やっちまってたけどよーッ……オメーにはその、安心安全幸せにッ!生きてもらいたいっつーか……」シドロモドロ
静「……ごちそうさまッ!あたしもう寝るからッ!!フンッ!」
ガタン!タッタッタ……
仗助「……本当、気難しいよなーッ年頃の『女の子』ってよォー……」ハァ……
…………
…………
次の日――
チュンチュン チチチ……
ガチャ!
仗助「――ってな訳スよ、承太郎さん……静のコンプレックスはおれ一人じゃあどうしようも無いぜーッ。何か良い方法とか無いんスかァ~?」スタスタ
仗助は、パジャマ姿のままケータイを手にして、話しながら新聞を取りに外に出た。
電話の相手は、空条承太郎である。
承太郎『弱音を吐くなよ仗助……お前が優しく親身になってやるしかない。確かに気になる問題ではあるが……おれの方も少々忙しくてな……』
仗助「『忙しい』?何かあったんスか?」
承太郎『DIOの息子の事で少しな……ところで仗助、お前に渡した『もの』の研究は進んでいるか?』
仗助「ああ、『あれ』っスかァ~、やっぱり紙のままだと調べるのは難しいっスね……表面の細かい汚れや模様から、紀元前に作られたものだっつう事はわかりましたが……細かいメカニズムとかは、全然」スタスタ
承太郎『そうか……くれぐれも慎重に扱ってくれ。危険なものだからな……』
仗助「大丈夫っスよォ~。『あれ』を渡された日から、『あの本』の警備は厳重なものにしてますし、いざとなったら燃やしてしまいますからッ」ガチャッ
承太郎『……研究が進んで、少しはDIOのルーツがわかればいいのだが……』
仗助「任せてくださいっスよ、承太郎さんッ!」ガサッ
ヒラリ……
仗助「……ん……?」
仗助が郵便受けから新聞を取り出したその時、
何かが新聞の間から抜け落ち、宙を舞った。
それは、小さな『茶封筒』であった。
仗助「……なんだァ~?こいつァ~?宛先も何も書いちゃいねーぜェ~?」
承太郎『どうした仗助?何かあったか?』
仗助「いえ、なんにも無いっスよ承太郎さん……」
ガサッ……
仗助「ただ……妙な封筒が郵便受けに入ってたもんで……」
ペリ……ペリッ……
承太郎『妙な封筒?……まさか、危険物か?』
仗助「そんな物騒なもんじゃあ無いと思うっスよォ~?ただのイタズラか、宗教の勧誘かなんかでしょう」
ベリイッ!
カサッ……
仗助「何だァ?中身は写真…………!」
承太郎『……仗助?』
仗助「!……!?…………うッッ!!」
承太郎『仗助?おい、何があった?』
仗助「こ、こいつァ……!これはッッ……」
承太郎『……?』
仗助「こ、言葉に出来ねーッ……」
承太郎『……何だ、それは?』
ガチャッ!!
静「兄さん、おはよう……早いのねーッ起きるの……」フワァ……
仗助「しッ!しッしッ、静ァァッ!?お、おはよう……ございますゥ~……」ワタワタ オドオド
静「……何よその反応……?」
仗助「いやッ!な、なんにもねーッ!何も無ェーぜッ静ァッ!今日学校だろォ~ッ早いとこメシ食っちまえよッ!」
静「……?」
静「……なんかさーッ……焦ってない?兄さん……」ジロリ
仗助「なッ、何にも焦ってなんかねーっスよッ!ホラッ家に戻れってテメェーッ!」
静「……背中、何隠してるのォ~?」
仗助「しッ、新聞だよォ~新聞ッ!さっき取った新聞を後ろ手に持ってるだけだッ!何にもねェーからよ~ッお前は先にメシの準備でもしてろッ!」
静「…………」
静「……わかったわよ。その前にさーッ、新聞見せてくれない?今日のテレビ何があるのか知りたいのよねーッ」
仗助「あ、ああ、わかっ――」
静「スキありィッッ!!」ガッシィーッ!!
仗助「――ああッッ!?」
静「へっへっへーン!何か隠してると思ったら、手紙ィ?『ラブレター』でも貰ったっつーのォ?その割には地味ィ~な茶封筒ねーッ!」
仗助「静ァッ!コラッその封筒の中身を見るんじゃあねーッッ!!!」
静「もう遅いわッ!妹のあたしに隠し事なんてメチャゆるさないんだからッ!ほーら中身を見てやるわーッ!」
ガサァッ!!
仗助「うおおおッ!ま、マジでやめろーッッ!!言っておくがそれはッ……」
静「何ィ~?中身は『写真』?……はッッ!!」
静「…………」
仗助「…………」
静「…………は?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「……あー……言っておくが、それは……さっき郵便受けに入っててよォ~、決して!おれの物じゃあねーからな……誤解すんなよーッ?」
静「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「ただ、お前が見ると、その……ショックを受けると思って、おれは隠そうとだな……」
静「…………見た……の……?」
仗助「……はッ?」
静「この写真……見たっつーの……?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「しッ……『下』はそんなに……『上』をちょこっと見ただけ……いやマジで……そんなに『凝視』したわけじゃあねーし……誰にでもあることだろォ~ッ……ホラ、気にすんなよッ……」
静「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「……なッ?」
静「『ワイルド・ハニィィィィ』ッッッ!!!」
仗助「お、おれに『八つ当たり』すんじゃあねーッッ!!!」
ギャアーッ……
…………
…………
教室、一時間目――
ゴヅン
ゴヅン!
虻村「……」
ゴヅン! ゴヅン!
ゴヅン
広瀬川「……」
ゴヅン
ゴヅン
早人「…………」
ゴヅン
静「」ゴヅン!
早人「えーっと……静さん?何やってるのッ?机に頭打ちつけて……」
静「……」ピタリッ
静「……センセーよォ~ッ……アンタさーッ『電信柱にくっついて一日中ミンミン鳴いてるセミ』に向かって、『やかましいぞッこのクソムシ野郎ッ!』っていちいち叫んだりすんのかよォォ~……」
早人「……いや、しないと思うけど……」
静「だったらあたしに話しかけるんじゃあないわよォーッ!セミだッあたしはセミなんだッ!『セミ』だと思いやがれっチクショーッ!」
ガン!ゴヅン!!ゴン!!
早人「……えーっと……」
委員長「言っても無駄ですよーッ先生……授業を続けましょう」
早人「……授業にならないんじゃあないかなぁ……」ハァ……
…………
…………
休み時間――
静「……」
ゴヅン!ゴヅン!!
広瀬川「……まだやってるよ……」
虻村「おいーッ!いい加減うっせェーぞッッ!イラつく音立ててんじゃあねーッ!!」
静「……」ゴヅン!
委員長「……」
静「もうダメよ…………おしまい……昨日の夜の事見られた……兄さんに……あたしもう……生きてられない……」ガバ
虻村「はぁ~ッ?」
静「もう死にたいわッ!!クソッ!!クソッ!!もうお嫁に行けないッぅぅぅ~」
ガン ゴヅン ガンゴヅン ガン!
広瀬川「だからどうしたの?いったい何を見られたって言うの……?」
静「つまり……だから……その……マ……」
虻村「『マ』ぁ~ッ?」
静「……マで始まる言葉で……マ……マス……その、つまり……マスタ~~」
広瀬川「……?」
委員長「……?」
虻村「……?」
静「……………………ベ~~~ション…………をよ…………」
広瀬川「……」
委員長「……」
虻村「……えっ」
ワイルド・ハニー『ドラアアッッッ!!!』
ドゴオッッ!!
虻村「ぷげえーッッ!?」
虻村「な、『何』ィッ!?今何をされたんだァァ~ッ!?あががッ?」
静「結論から言うわッ!クソッタレな『盗撮強迫犯』は、あたし達と『同じクラス』で、あたしと同じ『超能力』を持ってる可能性があるッッ!」
広瀬川「えッ!?」
委員長「何……?」
虻村「ちょっと待てッ!その前に今ッ!『何をしたのか』話しやがれッッ!!」
静「手っ取り早く見せてあげたのよ……今のがあたしの『超能力』……『スタンド』って呼ばれてるものよ」
広瀬川「い、今のが……?」
委員長「いやいや待ってくれ。今虻村君が『勝手に吹っ飛んだ』のはわかったけど、『何が起こったのか』は全然わからなかったよ……今のが超能力?超能力で虻村君を殴ったのかい?本当に?」
虻村「オメェ~は全然わかんねーかもしんねぇ~けどよーッ!今メチャクチャ痛かったんだからなーッおれはッッ!何されたかは全く検討もつかねーが、『殴られた』って事だけはわかったぜェ~ッ!」
静「ま、世間一般で『超能力』と呼ばれてるものだけど……『守護霊』のようなものがあたしの近くにいると考えてもらったらいいわッ」
広瀬川「『守護霊』……そんなのが、本当にあるなんてッ……!」
委員長「『悪霊』と言ったほうが良くないかい?乱暴だよーッ君の『霊』は……」
静「本当に『悪霊』なのは『犯人』の『スタンド』の方よッ!あたしを盗撮するなんてさーッ!」
虻村「そ、その事だけどよォォ~……オメェーッマジに言ってんのかよォォ~……『超能力』もそうだけど、マ……を、見られたってよおォ~……」
静「……何よその、『捨てられた子猫』を見るような哀れみこもった表情は……もう一発ぶん殴ってやろうかッ?グチョグチョと人の『傷口』エグリ回してんじゃあないわよッ!」
広瀬川「し、静さん……少し落ち着こうよーッ……人にあたるのは良くないよーっ」
静「フンッ!」
委員長「えーっと、つまりだ。君……『撮られた』って訳かい?そのォー……『ひとりエッチ』を?」
静「顔近づけて言うな。あたしだってなーッ健全な一人のただの女の子ってだけよ……で!その撮られた『写真』が今日の朝、あたしん家のポストに入ってた訳だけど……あたしの部屋って二階なのよね。それに、昨日の夜はカーテンもキッチリ閉まってた……」
広瀬川「えーっと、その、つまり……?」
静「あたしが結構呑気してたとは言え、生身の人間が気付かれずにあたしの部屋を『盗撮』するのはかなり無理があるって事ーッ……犯人は、あたしと同じような『スタンド能力』で『盗撮』……『念写』をしてたんじゃあないのか?って考えてる」
虻村「お、おいおいその『スタンド』とかいうのはよォ~ッ、『念写』とかも出来んのかよォォ~?」
静「あたしのおじいちゃん……亡くなった父は、地球の裏側にいる人物だって『念写』したと聞いてるわ……犯人の能力がそーいうのに特化した能力なら、それが出来るでしょうねーッ。それでなくても、スタンド使いなら盗撮くらい楽勝だと思う」
広瀬川「なるほどーっ、『守護霊』にカメラ持たせて部屋まで行かせればいい話だもんねーッ……」
委員長「フーン。それで、君はなんでまた『犯人』はこのクラスにいると思ったんだい?」
静「まず、盗撮されてるのはこのクラスの女子ばかりでしょ?それで、昨日あたし達が犯人を捕まえると意気込んだそのすぐ後に、あたしが盗撮されたのよ?タイミングが良すぎない?」
委員長「うーむ、妥当なセンだが……少し弱いなァ」
広瀬川「弱い……?理由がって事?」
委員長「『盗撮』が出来るなら、『盗聴』も出来るって事だろう?ならばこのクラスの人じゃあなくとも、僕達が犯人を捕まえるって意気込んだ事を知っててもおかしくないだろう?」
虻村「このクラスの女子が盗撮されまくってるっつゥ~のはどーなんだよォォ~?」
委員長「一種の『ブラフ』なのかもな……容疑者のセンをこのクラス内に限定しようとしているんだよ」
静「いや!このクラスの女子だけを盗撮してるんじゃあなくって、このクラスの女子『しか』盗撮出来ないんだとあたしは思う……」
委員長「……確証は無いんだろう?」
静「まぁ~そうだけどさーッ……でもやっぱり不自然だとあたしは思うもん」
委員長「うーん……この事について想像で話をしても、決着はつかないな」
虻村「犯人がどいつかなんてウダウダ考えてねェーでよォー、逆転の発想ッ!『犯人』じゃあなくってよォ~『超能力者』を探せばいいんじゃあねーかァァ~?おれ名案ッ!」
委員長「……まだ『犯人』が『超能力者』だと決まった訳じゃあないだろう?それに、どうやって探すつもりだい?『貴方は超能力者ですか?』って聞き込みでもするのかい……?」
虻村「う、ウググ……」
静「そんな事言ってたら一歩も前に進めないじゃんかさーッ!アンタはこのクラスの人を守りたくないっつーのーッ!?」
委員長「ぼ、僕は論理的に物事を進めたくてだね……!」
広瀬川「あ、あのォ~……ねぇ静さん」
委員長「……?」ピタリ
静「……何?康司……」
広瀬川「あのさーッ……ボクちょっぴり閃いちゃったんだけどさ……えーっと……」
委員長「『閃いた』……?」
虻村「何を『閃いた』っつうんだよォ~?」
広瀬川「……あーッ、けどやっぱりよく考えたらダメかなァ~……素人の考えだから実際はムリなのかもォォ~……」
静「いいから言ってみなさいよーッ!ここで止められたら気になって夜も眠れないってのーッ」
広瀬川「あのさ……エト、盗撮してる犯人の『守護霊』……『スタンド』っていうの?それを捕まえたらいいんじゃあないかなー、って……」
委員長「……『守護霊』を……」
静「……『捕まえる』……」
虻村「……大胆な事言うよなぁぁ~オメーよォ~……」
広瀬川「ウン……やっぱり、ムリなのかなァァー……」
静「いや……!やってみる価値はあるわね……!」
委員長「……本当かい?で、出来るのか……そんな事……」
静「たぶんね……捕まえれなくとも、攻撃くらいなら出来ると思う……」
広瀬川「攻撃?……守護霊を攻撃をしても仕方ないんじゃあ……?」
静「『スタンド』にダメージを与えれば、『本体』にもダメージが通るのよ……」
虻村「おおーッ!それじゃあよォ~テメーが頼りになっちまうが、さっきの見えないパンチでいっちょパーッと……!」
静「問題は……」
委員長「『問題』?」
静「……『盗撮現場』をどーやって押さえるか、って事ォ~……」
虻村「……」
広瀬川「……」
委員長「……」
静「……やるしかない、か……」ハァー……
…………
…………
校舎内二階、女子トイレ――
バタンッ……
静「……ハァー……全く、やれやれね……」スタスタ
ガチャ……バタンッ
ガチャ……バタンッ
ガチャ……
静「……誰もいないわよね……」
キョロキョロ……
静「カギかけないで個室に入るヤツなんていないわよねーッ当然……よし、じゃあこの個室を使わせてもらうとするかァ~ッ……」
バタンッ……ガチャリッ!!
静「……本当、やれやれだわ……」
静「あたしの『写真』なんて……ただの『顔写真』だって数千円の値段がついてもおかしくないってのーッ……それなのにさァ~あたしの『ひとりエッチ』なんて……いくらすると思ってんのよーッ……」
ドサッ!
静「ハァー……あー……このままここに座って授業サボりたいなァー……けど『やるしかない』んだよなァァ~……チクショーッ……」
スルスル……
静「……犯人が『ペーパー・バック・ライター』だったらあたし、本気でキレっからなーッヤロォ~ッ……」
スッ……
静「…………」
ス……ス……
静「…………」
ス……クチ……
静「……んッ……」
?『……』
クチ……クチュ……
静「ん……う、ン…………」
…………クチュ……
静「……あ……」ピクンッ
?『……』
……ヌチ……クチァ……
静「……あ、あ……」
クチュ……クチャ……
静「あ、あーッ――」
?『――パシャリッ』
静「……『ワイルド・ハニー』ッッ!!!」
グワシィィッッ!!!
静「捉えたわよォ~~ッダボがァーッ!!」ギリギリッ……
?『パ、パシャ……!』
静が入った女子トイレのドアの上に、その『スタンド』はいたッ!
身体は緑色のヌメヌメとしたスーツを着たような姿で、頭部が『一眼レフのカメラ』のような形をした『スタンド』だったッ!
その気味の悪い『スタンド』は、いつの間にやらドアの上から静に向けて、頭部のカメラのフラッシュを光らせていた!『いいネタが手に入ったぞ』というようにッ!
そこを静の『ワイルド・ハニー』が捕まえたのだ……。
レンズ部分を、人間で言うなら『アゴ』にあたるであろう部分を、『ワイルド・ハニー』の手がガッチリ捉えていたッ!!
静「なるほど、見れば見るほど『盗撮』することしか頭に無いような『スタンド』ねーッ!!キッチリカッチリとあたしの『罠』にハマッてくれたみたいで嬉しいわッ!絶対あたしの『ひとりエッチ』を撮りに来ると思っていたわよーッ!」
?『パ……パシャ、パシャ……!』
静「あたしの超特大サービスシーンを盗み見るヤツなんて許さないってのーッ!このまま『再起不能』にしてやるわ……ドラァッッ!!!」
ドギャアッッ!!
?『パシャリッッ!パシャアアッ!!』
静「おおおっっ……ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラッッ――」
ドドッドゴドゴドゴドゴォッッ!!!
静「――ドラドラドラドラドラァッ…………!?」
ピタァーッ!
……シーンッ……
……『静寂』が辺りを包んだ。
静が『ワイルド・ハニー』による攻撃を中断したのだ。
静(おかしい……バカに手応えが『なさすぎる』わッ……どういう事……)
静は攻撃の手を止めて、今殴っていたはずの『スタンド』を、改めて見ようとした。
……が、すでにそこには何も居ない。
静「…………『居ない』ッッ!?」
ガチャァッッ!!
ドアを壊すかのような勢いで開け、キョロキョロと見渡しても誰も居ない。
煙のように、盗撮犯の『スタンド』は消え去ってしまっていた。
静「そんな馬鹿なッ……『消えた』?……考えられるのは、『スタンド』を解除したって事ォ~ッ?おそらく遠隔操作タイプだってェ~のに、器用な事するじゃあないのーッ……だけどッ!」
ガチャッ……バタァーンッ!!
静「手応えはあったッ!微かにだけどーッ数発ブン殴る事は絶対に出来たはずだわッ!」
ダダダダダーッ!!
静「つまりそれってェェ~本体にダメージを与える事が出来たって事よーッ!今ッ!クラスで『イタがってる奴』!そいつが犯人よーッッ!!」
ダダダダダダーッッ!!!
…………
…………
教室――
ガラガラガラーッッ!!!
静「…………」
静の目に映ったのは――『平穏な授業風景』であった。
教師が前に立ち、黒板に書いてある図を指さし説明し、それを生徒たちが黙ってノートに書き写す……。
そんな、『平穏』……。
先生「……ジョースター、遅刻だよ……急いで入ってきたその努力は認めるけどねェ~結果が重視されるのが『社会』なんだよなァー……だから減点だ。遅刻ゥ~……ま!とにかく座りなさい」
静「…………」
静は一瞬で理解した。
今この教室で、いきなり顔を『見えない何か』にブン殴られて飛び上がった人物や、『イテェーッッ!何しやがんだこのボケェーッ!』などと急に叫んだ人物が、誰ひとり『居なかった』という事を……。
静「……どういう、事……?犯人はこの教室の人物じゃあないっての……?」
先生「……ジョースター?どうしたんだ?座りなさい。欠席にされたいのかァ~?」
静「……」シブシブ……
ストン……
先生「……オホン、それでだねェ~……」
……静の耳に、先生の声はもう聞こえていなかった。
グルグルと『スタンド』に対する疑問が渦を巻き、アリジゴクのように静を引き込んでいた。
静はまだまだ、実戦を・スタンドを知らない『子供』だったのだ。
静「……あ(……ヤバイ!パンツはいてなかった)」
…………
…………
放課後――
静「…………」
スタスタスタスタッ!!
学校の授業が終わった途端、静はカバンを引っ掴んで外へ出た。
無言で足早に帰路へとつく。その後ろを、三人の男が追っかけていった。
虻村「おいおい静ァ~、『オトリ』の結果はどーなったんだよォォ~ッ!無視して帰ってんじゃあねーぞッコラッ」
広瀬川「し、静さんッ?ホントどうしちゃったんだろ……」
委員長「わからないが……彼女足早いなぁーッ。ほとんど走らないと追いつけないよ」
静「…………」
スタスタスタスタッ……
…………
…………
東方家――
静「兄さんッッ!!」
バァーンッ!!
広瀬川「お……お邪魔しますゥ~……」ヒョコッ
委員長「ここが静さんの家かい?なかなかいい所じゃあないか」
虻村「ホヘェ~、デケェー家だぜェー」
静「……アンタ達、どこまで付いてくる気よーッ」
広瀬川「あッ!ゴメンねッ?勝手に入ってきちゃって……けどボク、気になってさぁー……」
虻村「そォーだぜッ静ァ~ッ!テメェー結局犯人わかったっつーのかよーッ!」
静「今からその事について兄さんに確認するのよッ……兄さんッ!いないのォ~ッ?返事しなさいよーッ!」
スタスタ……
ガチャッ!
静「あッ、いるじゃんやっぱりィィーッ!」
仗助「う、うおッ!静ァーッ……か、帰って来てたのかァ~~オメェー……」キョドキョド
静「……いつまでウダウダやってんだよッテメーッ!朝の事は『忘れろ』ってのーッ!誰だってねーッこの年になったら『あーいう事』やるもんなのよーッッ!」
仗助「そんな事言ってもよーッ、中々忘れられるもんじゃあねーぜェ~ッ……スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃……」
静「テメェーを本当に月までブッ飛ばしてもいいんですけどねーッあたしはッ!」
広瀬川「……あれが、静さんのお兄さん……」コソッ
委員長「あまり似てないんだなーッ……なかなか特徴的な髪型だ」コソッ
静「とにかく聞いてよッ、あたしさーッ今朝の写真を撮った犯人の『スタンド』に、ついさっき出会ったのよッ!」
仗助「な、何ィーッ!?あの写真は『スタンド』が絡んでるっつーのかよォ~ッ?……ていうか、やっぱりオメェーッ面倒な事に首突っ込んでんじゃあねーかッ!」
静「それは今は置いといてよッ!大切なのはそこじゃあないのーッ!」
仗助「おれにとってはそこが一番大切だぜーッ!」
静「とにかく聞いてよッ!あたし、犯人のスタンドを攻撃したの。なのにダメージを与える事が出来なかったみたいなのよッ!これってどういう事なのーッ!?」
仗助「は、はぁ~ッ?待てッ意味がわかんねーぜッ。落ち着いて最初っから話せよなァ~ッ!」
静「あーもうッ!だからねェーッ…………」
…………
…………
仗助「……なるほど。おそらくそいつは『遠隔自動操縦型』のスタンドだろうなァ~……」
静「『遠隔自動操縦型』?……『遠隔操作型』とどう違うっていうのーッ?」
仗助「まず、射程距離がケタ違いに長ェーうえに、本体の距離と関係なく強いパワーを発揮できるっていう点だ。『遠隔操作』タイプは遠くなるほどにパワーが下がるからなーッ」
静「……遠い距離でも力が強いって、反則じゃあないのーッ?」
仗助「それと、スタンドへのダメージは本体にはほぼ無関係、っていうのが特徴だなーッ。もちろん欠点はあるぜーッ。『自動操縦』だからある一定の条件下でしか『攻撃』することが出来ねェーんだよ。今回の敵は、オメェーの『恥ずかしいッ!』とか『ウシロめたいッ!』とかいう気持ちに反応して攻撃したんじゃあねーかァ~?」
静「……なるほど。しかし……そうだとするとなかなか厄介ねーッ。兄さんは昔そういうタイプと戦った事あるんでしょう?どうやって勝ったのーッ?」
仗助「おれと康一がそういうタイプと戦ったことあるけどよーッ、最終的には両方とも、本体をとっちめた。それが一番手っ取り早いと思うぜーッ。逆に言うとそれ以外の手段はほとんど無いかもなァ~」
静「……参考になんないわねーッ……」
仗助「うーん、康一がいればよォ~そのスタンドを攻撃する事で、犯人を見つける事が出来たかもしんねーが……今康一のヤロォー仕事でアメリカだしなァ~……」
静「……何?今何て言った?『攻撃』?攻撃なんて効かないんじゃあないのーッ……?」
仗助「ああ、スタンドの『能力』は別みたいなんだよなァ~ッ。だから康一の『エコーズACT3』で重くすればよォー、犯人もズシン!と重くなるはずなんだよーッ……」
静「……!」
仗助「康一が帰国したら、少し頼んでみたらいいんじゃあねーかァ~?それまでは静、変な事に首突っ込むんじゃあねーよーッ」
静「……そうか……そうだねッ、うん……」
虻村「……全く全然意味がわかんねーぜェ~……」コソッ
広瀬川「完全に出るタイミング逃しちゃったねーッ……」コソッ
仗助「ん?おおッ!?オメェーらッ静の『友達』かぁーッ!?」
広瀬川「あッ!ハイッ!(見つかっちゃったッ!)」ビクーンッ!
委員長「どうも、お邪魔しています」ペコリ
仗助「静ァーッ!オメーッ友達が来てるっつーのによォ~待たしてんじゃあねーぞッコラッ!こっち来て座れよォ~茶でも入れるぜーッ」
虻村「おッ!いいんスかァァ~ッ!」ウヒョルンッ!
静「ゴメン兄さん、そんな暇ないわッ!ちょっとアンタ達こっち来なさい。早くッ!」
タタターッ!
虻村「あァ~?茶くらい飲ませろよッオメェ~ッ……」
仗助「お、おいおい静ァ~部屋に行くのかァ~ッ?リビングでゆっくりすりゃあいいだろうがよーッ……」
静「お茶なら後でいくらでもいただくわーッ!ほらッさっさと来いッズッコケ三人組ッ!」
委員長「その言い方スゴク心外だよッ君ィー……」テクテク
…………
…………
静の部屋――
静「……さて、と……アンタ達……」
クルリッ
静「犯人を捕まえるわよッ!」
委員長「……やっぱりそういう話か……望む所だけどねッ」
広瀬川「……ゴクリ……」
虻村「それよりよーッオメェ~茶くらい出せよなーッ」
静「……虻村はほっといて話進めるわよ……ていうか、本当はこれから先の事、あたし一人でもなんとかなるとは思うんだけど……」
委員長「……なんだ、そうなのかい?せっかく気合入れていたのに……」
静「あたし一人ばかり『貧乏くじ』引くのはガマンならないし、確実性をあげるために、アンタ達に手伝ってもらうわーッ……」
広瀬川「わ、わかった……力になるよッ!静さんばかりにツラい事押し付けられないもんねッ!」
虻村「一体何するって言うんだァァ~ッ?」
委員長「君の作戦がどういうものなのかはわからないが……成功する確率を数パーセントだろうと上げてやろうじゃあないかッ」
静「そう……それじゃあ、頼むわよ……」
委員長「ああ……」
広瀬川「一体、何をすればいいの……?」
静「アンタ達……ちょっと『ひとりエッチ』しなさい」
広瀬川「……」
委員長「……」
虻村「……」
三人「「「はあああああああぁぁぁァァーッッッ!!?」」」
ドギャーンッッ!!
静「ホントはあたしがやってもいいんだけどーッ……あたしばっかり撮られるのって不公平だと思わない?あたし達がチームだっていうのなら、『辛さ』は分かち合うべきよッ……だからほら、ちょっと『ヤバい事』してくれない?『ひとり』じゃあなくっても『男同士』でもいいわよッ」
委員長「待て待て待ってくれッ!今回ばかりは意味がわからないじゃあ済まされないぞッ!一体全体なんでそんな事をやらすんだッ!?」
虻村「さ、さすがによォ~それは少し出来ないってモンだぜェー……」オゲェー
静「犯人の『スタンド』……守護霊は、自動的に人の『恥ずかしい』とかいう感情に反応して『写真』を撮るみたいなの。だからアンタ達がそういう感情になってくれたら『スタンド』が現れるはずよッ。そこをあたしが攻撃するって訳ェ~」
虻村「そ、それこそテメェーが一人でやりゃあいい話じゃあねーかッッ!!」
委員長「それに、今日君同じ事をしなかったか?同じ事を繰り返した所で意味が無いんじゃあないのかッ?」
静「次はちょっぴり違うのよ……そーいう作戦があたしの中にはあるのーッ。で!今回ばかりは犯人のスタンドは出来る限り逃したくない……こっちの目論見がバレる可能性があるからね。あたし一人で誘い出すのと攻撃を同時にやったら、逃がしちゃうかもしれないでしょォ~?」
虻村「『敵は誘い出す』『攻撃もする』……『両方』やりゃあいいじゃあねーかッ!『覚悟』ができてねーぜッ!」
静「『覚悟』よりも『確実性』が大切なのよッ今はッ!同じ事何回も言わせるんじゃあないわよッ無駄ねーッ!」
広瀬川「う、ううーん……」
静「アンタ達さァ~自分の嫌な事を女のあたしに押し付けるって、一体全体どういう事なのォ~ッ!?それでも男かーッテメェらァァ~ッ!」
委員長「そ、それでも絵面的にスゴクまずいだろッ!僕はそういうのをスゴク気にしてだねーッ!」
虻村「あ!あとよッ、被害者は全員女だぜェ~ッ!おれ達男は写真撮られねーんじゃあねーのかァァ~ッ!」
委員長「そ!そうだよ虻村君ッ!君の言う通りだッ!!」
静「そんなの、やってみないとわかんないでしょーッ!」
委員長「だけどそれはッ、効率的じゃあないし、そのッ……」
広瀬川「わ、わかったよ静さん……ボク、やるよッ!」
虻村「康ォォ~~司ィィィィーッッッ!!!」
ムナグラガッシィィィィッッ!!!
虻村「テメェーッ!自分が何言ってんのかわかってんのかコラァッ!!」
グイグイッ!!
広瀬川「で、でも虻村君!やっぱり静さんに全部押し付けるのはよくないよッ!見えてる貧乏くじはボク達も引くべきだと思うッ!」
虻村「だからって男の『ヤバい事』なんかマジでマズいだろーがよォォーッ!!」
グイグイッッ!!
委員長「そうだぞ!そんなマンガがあったとしても、僕は見たくないなーッ!」
広瀬川「せ、世間体ばかり気にしてて犯人を捕まえられるっていうのッ!?本当に悪い人を捕まえたいっていうのなら、それこそ『覚悟』を決めるべきなんじゃあないのかいッ!?」
虻村「それとコレとは話が別だろォ~がッッボケェーーッッ!!」
グオオオッッ!!
広瀬川「だけど――」
バタバタッ
虻村「ンだとォ――」
グイグイッ
委員長「君は――」
グオオオッ
静「……ちょ、ちょォ~っと待って、アンタ達……今の状況さァ~……」
虻村「……あん?」
広瀬川「……えッ?」
委員長「……あッ」
それは……端から見ると、奇妙な光景であった。
背丈の大きな男が、少年のように小柄な一人を上から覆いかぶさるようにして、顔を思い切り近付けているという光景……。
あまりに強く胸ぐらを揺すられたためか、広瀬川のボタンのいくつかは吹き飛び、薄い胸板が外気に触れていた。
それは――少々汚い言い方をするならば、強引に、『襲っている』ようにも見える……奇妙な光景であった。
虻村「…………」
広瀬川「…………」
静「…………」
委員長「…………オゲッ」
?『…………パシャリ』
静「『ワイルド・ハニー』ッッ!!!」
ドグシャアアッ!!
?『パシャ!カシャカシャカシャッッ!!』
静「撮ってんじゃあないわよッボケーッ!!」
?『カシャ、リ……』
スウッ……
静「……攻撃が終わって逃げたか……しかしブン殴ることは出来た……!」
虻村「ち、違うッ!違うからなッテメェーらッ!今のは『事故』だッ『事故』ォ~ッ!」アタフタ
広瀬川「い、今の『撮られた』のォ~ッ!?それはちょっと!さすがにちょっと……」アタフタ
静「ちょっと落ち着けッテメェーらッ!もういいわよーッあたしの『作戦』は終わったからッ!」
広瀬川「えッ!?い、いつの間に……!」
委員長「し、静さん……今そこに『居た』のかい?犯人の『悪霊』が?」
静「ええ……そうよ。そして、今のが上手くいけば……」
虻村「上手くいけばァ~……?」
静「……明日にでも、犯人を捕まえることが出来るわねーッ……」
…………
…………
翌日、教室――
早人「オホン、え~っとォ……それでは、朝のホームルームを始めます。号令、大間君……」
キリーツ、レイーッ……オハヨウゴザイマース
早人「……うん、おはようみんな……じゃあ、出席を取るねーッ」
広瀬川(……昨日、静さんはああ言ってたけど……本当に……)
チラリッ
静「……」キョロキョロキョロ……
早人「……静さん?どうかしたの?ミョーな動きしてるけど……消しゴム落とした?」
静「いえ……別に。気にしないでいいわよォ~出席取っていてくれてェー……」
ギョロギョロギョロ……
広瀬川(……本当に、『大丈夫』なのかなァ~……心配だよーッ……)
早人「……ま、いいか……それじゃあ出席を。今日は……また有栖川さんが休みかァー……」
静「……!」キョロキョロッ……ピタッ!!
早人「……ま、いいか。じゃあ連絡事項を……エト、体育教師の大柳先生から……」
静「……見つけたッ……!」ボソッ
早人「……静さん?また何かあった?」
静「あ、いえ、何も……消しゴムあったわ」
広瀬川「……?」
早人「……?そう……」
静「…………さて……」
…………
…………
放課後――
ワイワイ、ガヤガヤ……
静「……」
ポケーッ……
広瀬川「……静さん?学校終わったよ?」
静「……ええ……そうね……」
ボオーッ……
虻村「……おい、静ァ~ッ……オメーッ聞いてんのかよォォ~ッああーッ?」
静「……え?何ィ~?全然聞いてなかったわ……何か言った?」
委員長「君……なんだか集中力が無いみたいだけど、大丈夫かい?もうみんな帰り支度をしているよ……」
虻村「オメェーよーッ、犯人見つける事は出来たのかよォォ~?今日一日電源切れたみてェーにボケーッとしてっけどよォ~」
静「犯人……ああ、犯人ね……もうどォ~~でもッいいんじゃあないっスかァァ~ッ……」
虻村「あァ~ッ?そりゃあどういう意味だっコラッ!昨日の意気込みはどーしたっつーんだよォォ~ッ?」
広瀬川「静さん……ホントどうしちゃったの?」
静「いえ、別にィー……ただ、『虫取り網にかかった蝶をそんなに急いでカゴに入れる必要があるのか?』って考えてるだけ……ただそれだけだってのーッ……」
委員長「……それって……!」
大林「おう、君たち!犯人は捕まったのかーッ?」モゴモゴ
広瀬川「あッ、大林君……」
虻村「ちィえ~~ス、ホイッス!」ムキ
静「……」
委員長「大林君……彼女の方は、どうなったんだい?」
大林「いやあ、あれ以降犯人からの連絡は無いんだけどね。きっとこれが最後の猶予期間みたいなもんなんだろうなーッ……彼女もそれがわかってるみたいで毎日焦ってる……学校終わりにエンコーでカネ稼ごうとするくらいだぜェーッ。余計話コジれるからやめた方がいいのによーッ……」モゴモゴ
委員長「君、友達なんだろう?もっと力になってあげろよッ。援助交際なんて僕が認めないぞッ」
大林「そりゃあそーっスけどねェェ~君らが犯人を捕まえる!って意気込んだのはどーなったんだァー?そっちが解決してくれりゃあ万事うまくいくんだよーッ」モゴモゴ
虻村「か、勝手言いやがってよォ~……」
広瀬川「虻村君、大林君の言うことももっともだよッ。ボク達がしっかり頑張って犯人を見つけないと……」
虻村「う、ウググ……」
大林「……その反応……想像してた通りよォ~、やっぱり犯人見つかってないって訳かァー……」モゴモゴ
委員長「……ああ、残念だが……」
静「……いや、わかったわよ……『犯人』」
委員長「!!」
広瀬川「えッ……!?」
虻村「ああァ~ッ?」
大林「……本当かい?そりゃあビッグニュースッ!だなァーおいッ!誰だ?誰誰?誰なんだァーッ?」モゴモゴ
静「うーん……そうねェ……ちょっと、想像出来ない人物だったんだけど……」
大林「うん?やっぱり『外部の人間』か?それともあの、『川尻先生』とか?あの人ネクラっぽくて盗撮好きっぽいもんなァーッ!ゼッテェェ盗み撮りとか昔したことあるってェェーッ!」モゴモゴ
静「うーん、いや、そういうのじゃあないの……もっと予想出来なかった人物っていうか……あ、委員長ちょっとドア閉めてくれる?」
委員長「?……ああ……」
ガラガラガラーッ
大林「もっと予想出来ないって……まさかァ~『彼女』とかァ~?そりゃあシャーロック・ホームズもビックリだなァァーおいッ」モゴモゴ
静「うん、そうね……クラスに人もいなくなったみたいだし……そろそろ聞かせてもらうわね……」
大林「……『聞く』?俺にかい?」モゴモゴ
静「ええ。大林正雄……アンタさァ~……」
静「なんで今日……『マスク』をしているの?」
大林「…………」モゴモゴ……
委員長「……」
広瀬川「……」
虻村「……?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
大林「……そうか……お前か……お前なんだな……」モゴモゴ
静「ちょっとさァ~……そのでっけェ~『マスク』、外してみてくれないかしらァァ~……?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
大林「……昨日、気持ちの悪い写真が撮れたと思ったら、『こう』なっちまうんだからなーッ……ホントついてねェーぜッ……君らの中の誰かかとは思ったが、まさか静・ジョースター……『君』とは……」モゴモゴ
広瀬川「?……何?何の話をしているの?君たち……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「……探りを入れに来たつもりなんでしょうけど、とんだヤブヘビだったわねーッ……『マスク』を取れ。大林正雄ッ!」
大林「命令すんじゃあねーぞッ尻穴女がッ!テメェーッこれ『治す』事が出来るんだろうなァーおいッッ!!!」
バッッ!!!
広瀬川「えッ……!?」
マスクを取った大林の『口元』は、『何処にもなかった』……。
くちびるが、歯が、舌が、アゴが……
『透明』になって、見えなくなっていた。
明らかに、スタンド攻撃……『ワイルド・ハニー』による『透明化』を食らっていたッ!
広瀬川「うわああああああッッ!?」
委員長「なッ……!」
虻村「何ィィーッ!!『クチ』が無ぇーッッ!!!」
ドギャ――z__ンッ!!
大林「……テメェーのスタンドなんだな……?これやったのよォ~……キスも出来やしねェ!クソッ!」
静「ええ……『ワイルド・ハニー』……昨日アンタのスタンド殴った時に、ついでに『透明』にさせてもらったわーッ……」
静「大林正雄、アンタが全ての『犯人』ね……写真撮ったのも、強迫したのもッ!」
大林「ああァ~そうさ……それの何が悪い?俺は世間に潜む『悪』を白日の下にさらしただけさ……悪い奴からカネを巻き上げたのも、俺のほうが有効活用出来ると思ったからさッ……!」
虻村「ンだとォー……ンの野郎ォォ~……」
広瀬川「虻村君、今は押さえてッ!」
大林「そうさ、じっくり押さえとけ……どうせ俺のやった事を、お前らは何一つわかってねェ~んだろォォ~?……静・ジョースター、お前だけだな?スタンド使いは……」
静「……ええ、そうね……」
大林「つまり……テメェーを殺せば……俺のやった事がバレる事ァねーんだ……スタンドによる『神聖なる裁き』だからなァ~……」
広瀬川「ころッ……!」
委員長「……穏やかじゃあないね……」
虻村「この虻村千休サマがよォ~~そう簡単にくたばると思ってんのかコラアッッ!!」
大林「ああ、思うねーッ!大昔の日本人はなァ~~カメラで写真を撮られると、『魂を抜かれる』と思い込んでいたらしい……あまりにソックリに映るもんだからなーッ。だけどこれって、実は本当の事ッ!……写真を大量に撮られた者は、その一枚一枚に魂をちょっとづつ取られていって、最後には抜け殻になるんだよ……ケケ!」
静「……何が言いたいの?」
大林「どいつもこいつもお前らもッ!この俺が写真を撮りまくって殺してやるんだよォォォォォッッッ!!!真実をさらしてくたばりやがれエエエエエ!!『ナイト・ウォッチ』ッッ!!!」
ズギャ――z__ンッ!!
ナイト・ウォッチ『パシャアアアアッッッ!!!』
静「……ハァーッ、やれやれね……」
大林「撮り殺してやるぜッッ!うおおおおおおおッッッ!!!」
ナイト・ウォッチ『パシャ!パシャ!カシャアアッッ!!!』
静「『ワイルド・ハニー』ッッ!!!」
ワイルド・ハニー『ドラァッッ!!!』
ドッゴォォォォン!!!
ナイト・ウォッチ『パシャ……!』
大林「ぷが……!」
静「兄さんの言う通りだわ……本体ブチのめすのが一番手っ取り早いわね……さて!あたしの恥ずかしい写真撮ったツケの全て……きっちり払ってもらうわよ……!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
大林「な、何ィ――!」
静「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!」
ドドドドドォォォォンッッ!!!
大林「うぐああああああッッッ!!!ぶあッッ!!!」
ガシャアアーンッッ!!
広瀬川「ああッ!大林君が窓ガラスを突き破って外へッ!」
静「……そんなに『撮る』のが好きならさーッ……逆に『撮られる』苦しみを味わいなさいよねーッ!」
虻村「お、おい見ろよォーッ!校庭に落ちた大林のヤツの『身体』……!『所々透明』になって、まるで『トムとジェリー』に出てくる『チーズ』みたいだぜェ~ッ!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ザワザワ、ワイワイ……
ピロリ!ピロリ!
カシャ!カシャ!パシャア!
ピカッ!ピロリロン!
委員長「大林君……校庭にいた下校途中の生徒に囲まれて、写真を撮られてるぞ……」
広瀬川「そりゃあ、穴ぼこだらけの人が空から降ってきたら、ねェ……」
ピロリロリンッ♪
虻村「静ァー……オメェーも写真撮ってんじゃあねーよッ!」
静「いやあ、便利だと思ってねーッ……ケータイ電話って、本当にィ~……」
――大林正雄、全治6週間の怪我・再起不能――
…………
…………
???―――
暗い、暗い部屋だった。
昼間だというのにひどく暗い。完全にカーテンをぴったりと閉じているせいだろう。
わずかに漏れる光を頼りに、部屋をしっかりと見渡してみると、以外と大きな部屋だという事がわかる。
その部屋の、カーテンが閉まった窓のすぐ近くに大きなベッドがあり、そのベッドにほとんどすがりつくようにして、『男』が跪いている。
その姿はまるで絶対の忠誠を誓うかのような姿で――否、絶対の忠誠を誓って『いるのだろう』。
ベッドに横たわる『少女』の言葉を待っていた。
広い部屋にいるのは、その『少女』と『男』のみであった。
「静……ジョースター……ふふ、はしたない姿……」
少女の手には一枚の写真があった。その写真は、『ナイト・ウォッチ』の大林正雄が盗撮した、静の自慰行為を収めた写真であった。
「あのジョースターの血統の者が、私と同じクラスとは、ね……しかし私は、彼女と『友達』になれていないし、出会った事すらないわ……どういう事かしら?ねぇ『チェスタ』?」
『チェスタ』と呼ばれた男は、そこでゆっくりと顔を上げた。
金色の髪の毛を少し長めに伸ばした、年の頃二、三十の白人であった。しかしその顔はとても美しく、年よりももっともっと若く見える。切れ長の目にある細いまつ毛と、筋骨隆々の身体が少しちぐはぐで、それでいてとても怪しい色気を放っていた。
「彼女……静・ジョースターは、あの日『遅刻』をしたそうだ……だから君と出会えなかったのだろう。君はあの日、何人かと『友達』になった後、すぐに帰宅したからな……」
「ああ、そうだったわね……長時間の外出は身体に響くから。しかし今は、もう少しだけ無理をしてでも教室に残って、彼女に会えば良かったと思っているわ……」
こほん、と少女が咳をした。
とても軽い、ただ喉に違和感があったから『した』だけの咳に聞こえたが……。
口元を抑えた少女の指の間から、真っ赤な血がたらりと垂れた。
「……具合は、良くないようだな……」
チェスタという男は、その所作は忠誠を近い従者としてぴたりと寄り添うというのに、妙に馴れ馴れしく少女に話す。
少女はその事を気にも止めず、右手の平をさっと振った。
「何でもないわ。大丈夫……本当、彼女と『友達』になれなかったのは残念だったわ。彼女のお兄さんにお近付きになれたかもしてないのに……」
カーテンの隙間から漏れる薄明かりの中、わずかに見える少女の顔は、蝋人形のように白く、冷たかった。
「……彼女、好き勝手やってくれてるみたいね……私の『友達』の、高塔先生と大林君を倒しちゃうなんて……お陰で新しい教師が来ちゃって、不必要にマークされちゃったじゃあないの……彼女と『友達』になれていたら、みーんな仲良く出来たというのに……」
「……高塔に関しては、『ペーパー・バック・ライター』がけしかけたそうだが……?」
チェスタが言うと、少女は悲しげにため息をついた。
「……『ペーパー・バック・ライター』の彼はどう?私があげた物、喜んでいた?」
「ああ。だが、『例の本』を盗み出す気にはまだなっていないみたいだ……正直、彼一人に任せるのは時間が掛かり過ぎると俺は思うがな……どうするつもりだ?」
「……別に何も。急ぎすぎても良い事は何一つ無いでしょう?」
彼女は真っ白な長い髪を掻き上げて、とても小さく、淋しげに笑った。
「全ては時間が解決してくれるわ……もしかしたら、静も彼もみんな、私の『駒』の一つなのかもしれない……」
「……しかし、その間に君が――!」
しいっ、と少女は人差し指を立てて息を吐いた。
まるで子供に言い聞かすような、とても可愛らしい仕草だというのに、有無を言わさぬ迫力があった。
少女が、チェスタの言葉を引き取って話す。
「――死なないわよ。……ねぇチェスタ?貴方は何があっても、私の味方なのでしょう?そして貴方は、この私を――」
「――『神にする』……何が何でも。ああ、ああ……わかっているさ。とても」
チェスタは両手の平を合わせて目を瞑った。
まるで本当に、神に対して祈るかのような姿であった。
「それが俺の目標であり、君の目標であるという事くらいわかっている。俺はここで『神を創る』」
「……わかっているのなら、いいわ。チェスタ……期待しているから、ね?」
「……それまで死ぬんじゃあないぞ、『神候補』」
チェスタの真剣な眼差しを、少女は笑って受け止めた。
「『あの素晴らしき日よ、もう一度』……もしも私が死んだとしても、私は残るわ。永遠に……ね……」
彼女の淋しそうな笑い声が、何時までも、いつまでも、暗い部屋に響き渡った。
…………
⇐To be continued=・・・?
234 : ◆eUwxvhsdPM - 2013/05/04 01:09:03.72 NXp22IlH0 146/147スタンド名―ナイト・ウォッチ
本体―大林 正雄
破壊力―E スピード―B 射程距離―A
持続力―A 精密動作性―C 成長性―D
『肩を叩いた者』を対象とし、対象の『心が動いた時』……
具体的には、『恥ずかしい』とか『後ろめたい』とかいう『負の感情』に反応して、自動的にシャッターを切るスタンド。
一度対象にすれば、たとえ地球の裏側にいようが写真を撮れる。その代わりにスタンドのパワー自体は低い。
『対象』に出来るのは10人まで。スタンドの見た目は『ノーモア映画泥棒』に似ている。
スタンド名はキングクリムゾンのアルバムから。
大林正雄は小林玉美からいただきました。
(『大』林…『小』林、マ『サオ』…『タマ』ミ)
236 : ◆eUwxvhsdPM - 2013/05/04 01:17:06.61 NXp22IlH0 147/147と、いうわけで、第二話完結です。
今回の第二話はほとんど書きため無し&ジョジョのマンガ無し
(引越ししたためダンボールに詰めて今出せない……)
で書いたので、読み返すとアラが多くて少し泣きそうです……。
次回の反省点として生かして行きたいと思います。
最後まで応援ありがとうございました。
次回タイトルは
静「ジャンケン教師がやって来た」
でいこうと思います。
ハイ、途中で気付いた人多くてビビりました。正直ナメてました。
体育教師とのバトルになります。
早ければ明日にでも新しくスレ建てさせていただきます。
それでは、出来たらまた応援お願いします。
続き
静「ジャンケン教師がやって来た」