【天界・天真家】
ゼルエル「ガヴリールとキスがしたい」
ハニエル「………………………」
ハニエル「そうなんだ」
ゼルエル「ここ2週間ほど我慢しているんだが、もう耐えられなくなってきた」
ゼルエル「禁断症状で手が震えるんだ」プルプル
ハニエル「病院いこ?お姉ちゃん」
ゼルエル「愛する人とキスをする事の何がいけないんだ!」ダンッ
ハニエル「愛も人によってはめいわくになるんだよ」
元スレ
ガヴリール「シスコンな姉さんはうっとおしい」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1499174998/
ゼルエル「実は、病院にはガヴリールに何度も行かされてるんだ」
ハニエル「そうなの?お医者さんはなんていってるの?」
ゼルエル「ゼルエルさんはちょこっと愛情が深いんですね~。まあ、お大事に」
ゼルエル「って言われて帰される」
ハニエル「お医者さんでも治せないってことなのかな……」
ゼルエル「私の愛が正常であると判断したんだろう。よって、この気持ちは間違ってはいない」
ゼルエル「私は私の愛を貫くぞ」
ハニエル「ガヴお姉ちゃんがかわいそうだよ……」
ゼルエル「よし、ハニエル。下界へ社会見学に行こう」
ハニエル「え?わたしまだ下界へいっちゃダメでしょ?」
ゼルエル「私が付いているから大丈夫だ。審査も簡単に下りる」
ハニエル「お姉ちゃん。じぶんの立場をあんまり私的にりようしないほうがいいよ?」
ゼルエル「はっはっは、ハニエルは難しい言葉を知っているな」
【下界・ガヴリール宅】
ピンポーン
ゼルエル「ガヴリール。愛を育みに来たぞ」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「ハニエル、おいで」
ハニエル「うん」トコトコ
ゼルエル「私もいくー」ルンルン
ガヴリール「ふん!!!!!」ドガッ
ゼルエル「ごっふ!!!」ゴロゴロゴロ
玄関「」バタン
玄関「」ガチャ (鍵)
ゼルエル「ガヴリール!ガヴリール!?」
ゼルエル「なぜお姉ちゃんだけ締め出すんだ!?」ドンドンドンドン
ゼルエル「ここを開けなさいガヴリール!」
玄関「」シーン
ガヴリール「なぜ姉さんが下界に……!」
ハニエル「お姉ちゃん、わたしゼルお姉ちゃんをとめられなかったの……ごめんなさい」
ガヴリール「ううん、ハニエルは悪くないよ」ナデナデ
ゼルエル「ふん、こんな下界の施錠など簡単に……」
ゼルエル「はっ!!!」バキバキ
ゼルエル「開いた!ガヴリール!」ダッ
ビリビリビリビリ
ゼルエル「ぎゃあああああああああ」
ゼルエル「くそ!ガヴリールに結界を張られた。しかもガチなやつだ!」
ゼルエル「…………」
ゼルエル「…………」スッ
ゼルエル「ぎゃああああああ」ビリビリ
ゼルエル「………………」
ゼルエル「うっ……ううっ……」
ゼルエル「ガヴリール……お姉ちゃん寂しい」メソメソ
ラフィエル「あら?どうしたんですかゼルエルさん」
ゼルエル「ラフィエル!」
ヴィーネ「お義姉さん!?」
サターニャ「げっ!?なんでいるの!」
ゼルエル「小悪魔も!」
ゼルエル「ちょうどいいところに!ガヴリールの結界をなんとかしてくれ」
サターニャ「え、結界……?」
ヴィーネ「一体何があったのかしら……」
ラフィエル「結界……ですか」
玄関「」ガチャ
スタスタ
ラフィエル「入れますけど」
ゼルエル「!?」
ゼルエル「まさかそんな」スッ
ゼルエル「ぎゃああああああ」ビリビリ
ヴィーネ「これってゼルエルさんだけ弾いてるとか……」
ラフィエル「ヴィーネさんも多分入れますよ」
ヴィーネ「えーと、お邪魔します」スタスタ
サターニャ「くくく……残念だったわね」スタスタ
サターニャ「んぎゃあああ!?」ビリビリ
ラフィエル「あ、サターニャさんも駄目みたいですね」
サターニャ「どういうことよこれ!!」
ゼルエル「こうなったら私も少し本気を出すしか」ゴゴゴゴ
ラフィエル「ゼルエルさん。あまり強引すぎると、ますますガヴちゃんに嫌がられてしまいますよ」
ヴィーネ「私達が説得してきますから」
ゼルエル「……すまない。よろしく頼む」
ヴィーネ「サターニャもそこでちょっと待ってて」
サターニャ「納得いかない」
ガヴリール「……で、何しにきたの姉さん」ブスッ
ゼルエル「は、ハニエルに下界を見学させようと……」
ガヴリール「ハニエルはまだ下界に来ていい歳じゃないでしょ」
ガヴリール「幼い妹を利用して口実作りするのはどうかと思うけど?」
ゼルエル「う、うぅ、反省している」
ハニエル「……ガヴお姉ちゃん」
ガヴリール「ん?」
ハニエル「わたし、久しぶりにお姉ちゃんに会えてうれしいよ?」
ガヴリール「ハニエル……」
ハニエル「ガヴお姉ちゃんにあえたのはゼルお姉ちゃんのおかげだから、あまりおこらないで……」
ガヴリール「そうだね。私もちょっと大人げなかったかな」ナデナデ
ハニエル「ガヴお姉ちゃんだっこしてほしいな」
ガヴリール「うん」ギュ
ヴィーネ「ふふ、いつもグータラなガヴもちゃんとお姉ちゃんできるのね」
ラフィエル「微笑ましいですねー」
ガヴリール「うるさいぞ」ナデナデ
ハニエル「えへへへ」ギュー
ゼルエル「ガヴリール、私もだっこ」
ガヴリール「姉さん少しは反省の姿勢を長続きさせて」
サターニャ「どうしようもないわね。この姉バカ天使」
ゼルエル「ところで君たちはガヴリールの部屋に集まっていったい何をしに?」
ラフィエル「サターニャさんがとっておきの物を手に入れたから、ガヴちゃんの家で披露するとの事だったんです」
ゼルエル「ほう?」
ガヴリール「そうだ、結局サターニャは何を持ってきたの?」
サターニャ「ふっふっふ、聞いて驚きなさい」
サターニャ「なんと、魔界安納芋を持ってきたのよ!」
ヴィーネ「えっ!サターニャ凄いじゃない!」
ガヴリール「何それ」
ラフィエル「私達には凄さが分かりませんねー」
ヴィーネ「魔界安納芋っていうのはね、頰が落ちるほど甘いと言われるお芋で、かなりの高級品なの」
ヴィーネ「そもそも生産量が少ないから滅多にお目にかかれないのよ」
ハニエル「すごーい!」
ゼルエル「よく手に入ったものだな」
サターニャ「お父様にツテがあってね」
サターニャ「お菓子の材料にと発注したら間違って10倍届いたの。おかげで家計は火の車よ」
ガヴリール「大丈夫なのそれ」
サターニャ「燃え上がってる感じがかっこいいじゃない」
ゼルエル「見た目も手触りも普通の芋だが」サワサワ
ガヴリール「魔界の芋でしょ?噛み付いてきたりしないの?」
ゼルエル「ひっ」ボト
サターニャ「噛み付かないわよ」
ラフィエル「どうやって調理すれば美味しく頂けるんでしょう?下界のサツマイモと同じですか?」
サターニャ「お父様からは普通に蒸せばいいって聞いたわ」
ヴィーネ「じゃあ早速やってみましょうか」
ハニエル「おいしーい!」
ラフィエル「これは頰が落ちてしまいますねー!」
ガヴリール「もぐもぐもぐもぐ!」
ヴィーネ「ちょっと、ガヴ食べすぎ。お腹にガスがたまっちゃうわよ?」
ゼルエル「いやしかし、確かにこれは食べすぎてしまうな」
サターニャ「喜んでもらえて何よりだわ!」
ゼルエル「夢中になってるガヴリールも可愛いぞ」パシャパシャ
ガヴリール「写真を撮るな」
ガヴリール「もぐもぐ」
ガヴリール「…………」ゴクン
ガヴリール(やばい、おならでそう)
ガヴリール「」モジモジ
ガヴリール「」プー
ガヴリール「…………」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「…………」カァァ
ゼルエル「ガヴリール、大丈夫だ。かわいい音だったぞ」
ガヴリール「やめてよ姉さん!!」
ゼルエル「なんならもう一度聴きたいぐらいだ」
ガヴリール「姉さんのそういうところが嫌いなの!!」
ガヴリール「サターニャのせいじゃん!……ばかっ……ばかっ!」ポカポカ
サターニャ「な……わたしのせい!?可愛く怒らないでよ!可愛いわね!」
ラフィエル(ガヴちゃんもう一回出ますかね。録音の準備を……)
ガヴリール「ところで姉さん今日は泊まっていくの?」
ゼルエル「いや、流石にハニエルがいるからな。天界には日帰りと伝えてある。今日は帰るよ」
ガヴリール「そう」
ゼルエル「はっ!しまった。そう言えばまだ本来の目的を遂げていない」
ラフィエル「本来の目的?」
ゼルエル「ガヴリール、真面目な話がある」
ガヴリール「な、なに神妙な顔して」
ゼルエル「キスをさせてくれ」
ヴィーネ「…………」
サターニャ「…………」
ラフィエル「…………」
ハニエル「あ、まだあきらめてないんだ」
ガヴリール「そんなことのためにわざわざハニエルまで連れて……?」
ゼルエル「そんな事とはなんだ!重要な事だろ!」
サターニャ「こいつ本当に天界で評価されてる天使なの?」
ラフィエル「愛情がとても深い天使様なんです」
ヴィーネ「かなり歪んでるけど大丈夫?」
ガヴリール「姉さん帰って」
ゼルエル「お前にキスをするまで帰らない」
ガヴリール「いや無理だから。ほんと無理だから」
ゼルエル「姉の愛を受け止めろガヴリール」
サターニャ「もはや姉の愛の範囲ではないわよね」
ラフィエル「だいぶ外れてはいますね」
ハニエル「どうしてゼルお姉ちゃんはガヴお姉ちゃんにキスをしたいの?」
ゼルエル「ガヴリールのファーストキスがまだ誰のものでもないからだよハニエル」
ハニエル「べつにゼルお姉ちゃんがちゅーしなくてもいいんじゃ」
ゼルエル「ダメだ。妹はお姉ちゃんのキスで卒業するものなんだ」
ハニエル「そうなの?」
ゼルエル「そうだよ」
ハニエル「じゃあ、わたしがガヴお姉ちゃんで卒業してもいいってこと?」
ゼルエル「……!?」
ヴィーネ「鮮やかに切り返してきたわ……!」
ラフィエル「やはり天真家は秀才が集うんでしょうか……!」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん、わたしとちゅーして」
ガヴリール「は、ハニエル……!?」
ハニエル「わたしとじゃ、イヤ?」
ガヴリール「それは、ダメだ……禁断すぎる」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん……わたし、ちゅーしたい……」
ガヴリール「う、うううう、ハニエルとなら……」
ガヴリール「いや、ダメだダメだ!」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん……!」
サターニャ「え、ていうかあれぐらいの子とだったら別に良くない?」
ラフィエル「ゼルエルさんとガヴちゃんはアウトっぽいですけど、ハニエルちゃんなら変ではないですね」
ヴィーネ「ガヴも混乱してるのかしら」
ゼルエル「こ、このままじゃガヴリールの初キスがハニエルに……!」
ゼルエル「待ちなさいハニエル!ガヴお姉ちゃんじゃなくてゼルお姉ちゃんがいるぞ!」
ハニエル「わたしゼルお姉ちゃんとはちゅーしたくない」
ゼルエル「」ガーン
ヴィーネ「悲しすぎる」
ガヴリール「う~……ハニエルおいで」
ハニエル「うんっ」
ガヴリール「」チュッ
ガヴリール「ほっぺで我慢してくれ」
ハニエル「えー……」
ハニエル「いつかほっぺじゃない所にしてね?ガヴお姉ちゃん」
ガヴリール「それは大人になるほど難しくなるんだよハニエル」
ゼルエル「ガヴリール、私も、ほっぺ!ほっぺ!」
ガヴリール「はい」パシンッ
ゼルエル「ふべっ」
ゼルエル「短い間だったが、楽しかったぞガヴリール」
ガヴリール「しばらく来ないでね」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん、会えなくなるの寂しいよぅ」
ガヴリール「また休みの日には帰るから」ナデナデ
ハニエル「うん……」
ガヴリール「それまで良い子にしてるんだぞ」
ハニエル「さびしくなったら、おうちのガヴお姉ちゃんのお布団で寝てもいい?」
ガヴリール「いいよ」
ハニエル「やった」
ゼルエル「やった」
ガヴリール「姉さん!」
ゼルエル「実はもう何度も寝てるけどな」
ガヴリール「姉さんっ!!」
ハニエル「お姉ちゃん、最後にだっこ……」スッ
ガヴリール「はいはい」ギュ
ゼルエル「……そろそろゲート開くぞ」
ガヴリール「うん」
ガヴリール「ほらハニエル」
ハニエル「ん……」
ハニエル「ガヴお姉ちゃん、またね」
ハニエル「大好きっ」
ガヴリール「うん」
ゼルエル「私もだぞガヴリール」
ガヴリール「はいはい」
ゼルエル「ではまた会おう」
シュン
ガヴリール「…………」
ガヴリール「行ったか」
ガヴリール「今日は騒がしかったな」
ガヴリール「みんなごめんな。急に姉さんが来ちゃって」
ラフィエル「いえいえ、ゼルエルさんが急なのはいつもの事ですから」
サターニャ「ほんと心臓に悪いわ……」
ヴィーネ「まあ、それだけガヴリールの事が好きって事だからね」
ガヴリール「ほんと姉さんのシスコンっぷりには困るよなぁ」
サターニャ「いやあんたもでしょ」
ガヴリール「え?」
ラフィエル「ガヴちゃん、ハニエルちゃんにデレデレでしたよ」
ヴィーネ「ていうかハニエルちゃんもガヴの事好きすぎだったわよね」
ラフィエル「今回のことではっきりしました」
ヴィーネ「ガヴのお姉さんがっていうより……」
サターニャ「あんたのとこ全員」
「「「シスコン」」」
ガヴ「まじ?」
完


