ガヴ「あー、今日も眠たい・・・」
ヴィーネ「ガヴ、昨日また遅くまで起きてたんでしょう?」
ガヴ「当たり前じゃん、ネトゲのイベント最終日だったんだぞ?」
ヴィーネ「何を偉そうに言ってるのよ」
サターニャ「ガヴリール!今日こそはアンタにこれで勝つわよ!」
ガヴ「はぁ?また魔界通販でなんか買ったのかよ」
ラフィ「あらあら~、面白そうな事してますね~」
ガヴ「あーーもう!毎日毎日うっとうしいな!」
ガヴ「ん?なんだ?急にめまいが・・・」
元スレ
ガヴ「今まで全部が夢・・・?」
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―――
ガヴ「あれ?なんで天界にいんの私」
ハニエル「やっと起きた、お姉ちゃん!!」
ゼルエル「よかった、本当に良かった!!」
ガヴ「え?ちょ、あれ?病院?」
タプリス「天真先輩・・・私、もうダメかと思いました・・・」
ガヴ「は?なんでみんな泣いてんの?」
ラフィ「無理もありません、あんな大きな事故・・・」
ガヴ「事故?」
医者「君はここ1年、意識も無く生死の境をさまよっていたんだ、しかし、これほど後遺症も無く会話もできるなんてまさに奇跡としか・・・」
ガヴ「なんのドッキリだこれ?それとも夢か?」
ラフィ「ガヴちゃん、ちょっと口調が荒っぽいですが、今はまだ混乱してるからだと思います、またゆっくり話しましょうね」
タプリス「そうですね、ひとまず私達は帰ります」
ゼルエル「ゆっくり休むんだぞ、ガヴリール」
ハニエル「またくるね、お姉ちゃん!」
ガヴ「なんの冗談だよお前ら!」
ガヴ「はぁー、マジで帰りたいんだが・・・」
ガヴ「とっとと人間界に行こう」
ガヴ「ん?体が思うように動かんな」
看護師「天真さん、トイレでしたらあちら左になります」
ガヴ「いや、人間界に帰るんだが」
看護師「え?」
ガヴ「だから、人間界に帰るんだって」
看護師「な、なんて事を・・・、せ、先生ー!」
ガヴ「なんなんだよこいつらは」
医者「天真さん、記憶が混乱してるようですね」
ガヴ「もういいよそうゆーの・・・」
医者「あなたの名前は?」
ガヴ「あ?天真=ガヴリール=ホワイトだよ知ってんだろ」
医者「では目がさめる前までの記憶は?」
ガヴ「普通に人間界の学校に行ってたよ、天使学校卒業したからな」
医者「本気で言ってるんですか・・・」
ガヴ「私は早く人間界に帰りたいんだ、こんなとこで嘘なんか付くか」
医者「こちらについてきてください」
ガヴ「は?なんだよ」
医者「いいですか、あなたに言わなければならない事が2つあります」
医者「1つは天使学校にまだあなたが在籍している事」
ガヴ「は?」
医者「もう1つは天界から人間界へ行く事など無い事です」
ガヴ「はぁ?だからもういいよ、何のドッキリだって」
医者「聞いた話だと、天真さんは人間界へ強い興味を持っていたそうですね」
ガヴ「興味も何も、実際にいたんだが」
医者「事故のショックで人間界へ行く夢をみてしまったのかもしれません」
ガヴ「・・・あのなぁ、仮にそうだったとして、人間界に行ってみろ?私の友人がいるから」
医者「行きたくても行けませんよ、何故なら天界から出る事は法律で最も重い罪に問われます」
ガヴ「は?」
医者「天真さんが生まれる前からこの法律は変わってませんよ・・・つまり天真さんが言ってる人間界の話は事故のショックによる夢としか・・・」
ガヴ「・・・っ!」
医者「あっ!天真さん!!」
ーーー
ガヴ「ったく、ナメた事言いやがって!何が夢だ、ドッキリにしては度がすぎるぞ?」
ガヴ「まぁいい、人間界に行ってアイツらをみっちり説教してやる!そしてネトゲのレベル上げ手伝わせてやる!」
ガヴ「ん?なんだこのデカい門は」
ガヴ「こんなの無かった気がするが、まぁいいか」
ゼルエル「何をしている、こんなところで」
ガヴ「ゼルエル姉さん?」
ゼルエル「千里眼で見てみたらこんなとこにいたからな、病院にいなきゃだめだろ?」
ガヴ「何を言ってるんですか!私は人間界に帰るんです!」
ゼルエル「なっ!!!」
ゼルエル「お前、自分が何を言ってるのかわかってるのか?」
ガヴ「ゼルエル姉さんまで私をからかうおつもりですか!」
ゼルエル「大馬鹿者っ!人間界への進入は法律で禁止されているんだ!そんな事してみろ、天界から追放されるぞ!我が一族の名に泥を塗るつもりか!!」
ガヴ「そ、そこまで言うなんて・・・もう知らない!ゼルエル姉さんなんかっ!」
ゼルエル「あっ、待てガヴリール!」
―――
ガヴ「ふぅ、ここが門の中か」
ガヴ「意外と中は狭いな・・・」
ガヴ「やはり看守がいるか」
ガヴ「神足通!」
ガヴ「さて、ここはどこだ?」
ガヴ「夢・・・じゃない、前に通った時は荷物点検所があったはずなんだが」
ラフィ「ガヴちゃん」
ガヴ「今度はお前まで私をからかいに来たのか」
ラフィ「少し・・・昔の話をしてもいいでしょうか」
ガヴ「は?」
ラフィ「天使学校で人間界について教わった時、ガヴちゃんはとても嬉しそうでした」
―――
先生「という訳で、人間界には我々の知らない世界が広がっているんです」
ガヴ「すごいですね、人間界は!先生でも知らない世界ですか・・・」
先生「ですが、現在の法律では人間界に行く事は固く禁じられています」
ガヴ「え?」
先生「残念ですが、人間界とはそういうところなのです」
ガヴ「そ、そんな・・・」
先生「むやみに干渉をすると大きく世界が変わってしまう可能性もあります、故に今まで誰も踏み入れたことのない世界なのです」
ガヴ「私、人間界に行きたいです!絶対に!」
先生「天真さん、そのような事をみだりに口外することも法律で罰せられるんです、言葉は慎みなさい」
ラフィ「ガヴちゃんはどうしてそんなに人間界へ行きたいのですか?」
ガヴ「決まってるじゃないですか、誰も行った事が無いからですよ!」
ガヴ「私は人を助けるために生まれてきたんです、人を助けずしてここにいる道理はありません!」
―――
ラフィ「その2日後、ガヴちゃんはここで人間界へ行こうとして銃撃されたんです」
ガヴ「物騒すぎだろ、っていうか本当にやめてくれよこんな遊び」
ラフィ「ガヴちゃん・・・まだわかりませんか?」
ガヴ「っ!」
ラフィ「それとも、もうわかってるけどわからないフリをしてるんじゃないですか?」
ガヴ「そ、そんな訳ないだろ!ラフィ、お前も人間界にいただろ!?」
ラフィ「いいえ、私はずっと天界にいました、ガヴちゃんが寝てる間ずっと」
ガヴ「なら・・・」
ガヴ「今までの何もかもが夢だったって言うのかよ!?あぁ!!?」
ガヴ「ふっざけんな!!ヴィーネは!!本当に心から親友と言えたのに・・・、サターニャだって普段はウザくて、でもあいつだって親友なんだよ・・・」
ラフィ「ガヴちゃん・・・」
ガヴ「もう他には何もいらない、ネトゲだっていらないから、あいつらに会わせてくれよ・・・」
ラフィ「ガヴちゃん!!!」
ガヴ「っ!!」
ラフィ「死刑を覚悟で人間界に降りたところで、所詮夢は夢です」
ラフィ「確実にその方々がいるとは限りません、リスクが大きすぎます」
ガヴ「それでも私は人間界に行く・・・」
ラフィ「どうして、そこまでして・・・」
ガヴ「言ったじゃないか・・・人を助けずして何が天使だ・・・」
ガヴ「それに、待ってる気がするんだ・・・あいつらが」
ラフィ「・・・わかりました、でも行くのなら私も一緒です」
ガヴ「ラフィ?でも・・・」
ラフィ「ここでガヴちゃん1人で行かせてしまったら私は一生後悔すると思うからです、深い理由はありません」
ガヴ「ラフィ・・・」
ラフィ「それに、ここにいるだけで私達は天界の重大犯罪者です、早く人間界に行きますよ!」
ガヴ「あぁ、行こう!人間界へ!」
―――
ガヴ「ここが私の部屋だったハズだ」
ラフィ「入ってみましょう」
ガヴ「カギがかかってるな、まぁいい、ヴィーネの家に行くぞ!」
ラフィ「は、はい!」
―――
ガヴ「ダメだ、チャイムを鳴らしても出ない」
ラフィ「もし、今日が平日なら学校に行ってるのでは?」
ガヴ「そうか、行ってみよう!」
―――
ガヴ「あれ、ヴィーネの席に知らない人が座ってる・・・」
ラフィ「やはりでしたか・・・ガヴちゃん、気を落とさないでください・・・」
ヴィーネ「あれ、ガヴの席に知らない人が座ってる・・・」
サターニャ「ほら言ったじゃない、やっぱり夢だったのよ、魔界を追放されてまで来たってのに・・・」
ガヴ「ん?」
ヴィーネ「え?」
ラフィ「おや?」
サターニャ「なっ」
完