……
ヴィーネ「ちょっとガヴ、足を開きすぎよ?」
ガヴリール「仕方ないじゃん、暑いんだし」
ガヴリール「それにこのベンチには私達しかいないんだから、そんな些細なこと気にしなくていいって」
サターニャ「ちょっと!そういうことじゃないでしょうが!」
サターニャ「あんた一人で場所を取ってるから私が座れないのよ!もう少し詰めなさい!」
ガヴリール「何で私がお前のために窮屈な思いをしないといけないんだよ」
ヴィーネ「ちょっとガヴ、流石にサターニャがかわいそうよ」
ガヴリール「大丈夫だって、サターニャはこういうの慣れっこだろ」
ヴィーネ「……」ジトッ
ガヴリール「……」
ガヴリール「わかったよ、ほれ、詰めてやるから座れ」スッ
サターニャ「ふん、最初からそうしなさいよね」ストッ
元スレ
ガヴリール「悪魔になってしまった……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1495115503/
ガヴリール「……んっ」ピクッ
ヴィーネ「……どうしたの?ガヴ」
ガヴリール「いや、なんでもない、ちょっと頭に痒みが……」
ズズッ……
ガヴリール「んっ……!?」ムズムズ
サターニャ「何よあんた、さっきから変な声出して……」
ガヴリール「い、いや、何か頭と背中が凄くムズムズして……っ」ビクンッ
バサァッ
ヴィーネ「!?」
サターニャ「ガ、ガヴリール!?あんた背中から羽が……!」
ガヴリール「しまった、無意識に羽を出してしまったか、どこか痒いと思ってはいたがまさか羽が……」
サターニャ「ちがっ、そうじゃなくて、あんたの羽が……!」
ガヴリール「……ん?」
サターニャ「悪魔の羽になってるわよ!!」
ガヴリール「えっ」
……
ヴィーネ「……この角、私達に生えてるものと同じね……」サワサワ
サターニャ「何よこの羽、私のより立派じゃない……」スリスリ
ガヴリール「ちょ、触るなって……っ」
ピクッ
ヴィーネ「ご、ごめんなさい、あまりにも立派な角だったからつい……」バッ
サターニャ「それにしても、ついに正体を現したわねガヴリール、まぁ、薄々気づいてはいたけど」
ガヴリール「何の話だよ」
サターニャ「とぼけても無駄よ、あんた、本当は天使なんかじゃなくて、悪魔だったんでしょ?」
ガヴリール「はぁ?そんなわけないじゃん、この角と羽はたった今生えてきたんだよ、お前らも見ただろ?」
ヴィーネ「……信じ難い事態ではあるけれど、ガヴが突然悪魔になったのは確かね」
ヴィーネ「一体何が原因なのかしら、こんなこと聞いたこともないけど……」
サターニャ「ふん、堕落しすぎて神様から見捨てられたのよ、いい気味じゃない」
ガヴリール「そんな……」シュンッ
ヴィーネ「ちょ、ちょっとサターニャ!ガヴが珍しく落ち込んじゃってるじゃない!」
サターニャ「な、なによ!本当のことじゃない!」
シュンッ
ラフィエル「話は聞かせてもらいました!」ニョキッ
ヴィーネ「!?」
ラフィエル「ガヴちゃんが悪魔になった理由、私にはわかります!」
サターニャ「ほ、本当に!?」
ラフィエル「はい、恐らく間違いないはずです」
ラフィエル「まず、皆さんが今座っているベンチに注目してください」
サターニャ「……」ジッ
ガヴリール「……何もない、普通のベンチだが」
ラフィエル「重要なのはベンチに座っている順番です」
ガヴリール「……順番?」
ラフィエル「左から順に、ヴィーネさん、ガヴちゃん、サターニャさん……」
サターニャ「……何よ」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「……まさか」
ラフィエル「そう、そのまさかです」
ヴィーネ「い、いや、でも、ありえないわ、そんなこと……」
サターニャ「な、何よ!私にもわかるように説明しなさいよ!」
ガヴリール「……私もわからん、教えてくれ」
ラフィエル「……皆さん、オセロのルールは知っていますよね?」
ガヴリール「オセロ?何で今そんな話を……」
ガヴリール「……!!」
……
ガヴリール「つまり、悪魔であるヴィーネとサターニャの間に座ってしまったから私も悪魔になってしまったってことか?」
ラフィエル「はい、私個人の推測ですが」
ヴィーネ「いえ、多分間違いないわ」
ヴィーネ「この現象はサターニャがガヴの隣に座った瞬間に起こったから、ラフィの言った通りだと思う……」
ガヴリール「おいおい、洒落になんないって、もしこの事が天界にバレたら私は……」
ラフィエル「焦ることはありませんよ、まだ、ガヴちゃんが天使に戻る手段は残っています残っています」
ガヴリール「ほ、本当か!?」
ラフィエル「はい」
ラフィエル「タプちゃんを呼びましょう!」
……
タプリス「話は聞きました、つまり、天真先輩が悪魔にされちゃったんですね……?」
ヴィーネ「一応誤解が無いように言っておくけど、これは事故だからね?決して私達がガヴを悪魔にしようとしたわけじゃ……」
サターニャ「……ふふふ、そうよ、これも全て計算の内、私とヴィネットはガヴリールを悪魔にするための作戦を考えていたのよ!!」
タプリス「……っ!!」
タプリス「やっぱり今回もあなたのしわざだったんですね!!」
ヴィーネ「ちょっと!なんであんたはそうやって話をややこしくするのよ!!」
ヴィーネ「ご、誤解だからね?タプちゃん、少なくとも私は……」
タプリス「…………」ササッ
ヴィーネ「何で無言で距離をとるのよ!?」
ラフィエル「ぷぷぷ……想像以上に面白いことに……」
ガヴリール「どうでもいいから早く私を元に戻してくれ」
ストンッ
ラフィエル「左、準備おっけーですー」
ガヴリール「よっと、私も大丈夫だ」
ガヴリール「あとはタプリス、私の隣に座ってくれ」
タプリス「はい!」
ヴィーネ「……あっ、ちょっと待って」
タプリス「はい?」
ヴィーネ「そこ、ガムがついてるわ、別のベンチに移りましょう」
ラフィエル「むむ、ですが、他にベンチは……」
ガヴリール「あ、あの花壇の周り、段差になってるから座れるぞ」
ガヴリール「それに、ベンチと違って広いから窮屈じゃないしな」
タプリス「そうですね!では場所を移しましょう!」
……
ガヴリール「これでよしっと……」
タプリス「私も大丈夫です」
ラフィエル「はーい、では、座りますねー……」
ストンッ
ガヴリール「んっ、んんんっ……」ピクピクッ
ヴィーネ「……あ、あれはっ!」
サターニャ「ガヴリールの頭の上に天使の輪っかが……!!」
ガヴリール「んんっ、背中がむずむずする……!」ファサァッ
ラフィエル「あ、ガヴちゃんの羽が元に戻ってますね」
タプリス「やりました!成功です!!」
……
ガヴリール「はぁ、まったく、一時はどうなる事かと思ったよ……」
ラフィエル「まさか私達天使と悪魔にこんな秘密があったなんて、これからは要注意ですね」
サターニャ「……それにしても熱っついわね、ラフィエル、隣座っていい?」
ラフィエル「あっ、はい、どうぞ」
ガヴリール「……ところで、ヴィーネはどこにいった?」
タプリス「月乃瀬先輩は皆さんのためにと、人数分飲み物を買いにいきましたよ」
タプリス「本当は私も付き添いたかったんですが、ちょっと手が離せなかったので……」
ガヴリール「流石ヴィーネ、気がきくじゃないか」
ラフィエル「ほら、噂をすればですよ?」
……
ヴィーネ「ごめん皆、遅くなっちゃった」
ヴィーネ「いろんな種類買ってきたから好きなの選んでね」ドサッ
ガヴリール「熱いなかサンキューな」
ガヴリール「ほれ、疲れただろ、ヴィーネも座れよ」
ヴィーネ「そうさせてもらうわ、タプちゃん、隣いい?」
タプリス「はい、どうぞ!」スッ
ヴィーネ「ん、ありがと」ストンッ
ガヴリール「……ん?ちょっと待てよ……?」
ガヴリール「これ●○○○●じゃん!!!」
完