電車
男「」
男(あれ…痴漢……だよな)
男「」
男(でもあそこで助けて男の人から恨み買うの嫌だし、証言のために時間使うのも嫌だな)
男(今日は大事なプレゼンなんだから……うん……別に気づかなかったって事でいいだろ……)グラァッ
ガシッ
男(っと揺れるな……って)
女「この人痴漢です!!」
男(え……)
元スレ
女「この人痴漢です!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1496188668/
男「い、いや!私はしてません!!」
女「」
ざわざわ
男「あ、あの人……」
痴漢「」ササッ
男「あ、ちょっ!まっ!!」
リーマン「」
リーマンB「」
OL「」
リーマンC「とりあえず次の駅で降りましょうか」
男「」
駅
OL「大丈夫?怖かったよね……」
女「はい……はい……」グスッグスッ
男「わ、私は…やっていません!犯人は別の人です!!」
リーマン「だけど、あの娘が手を掴んだのはあんたじゃないか!」
男「そ、それは…電車が急に揺れて、あの娘が間違えて……」
OL「ちょっと!あの娘が間違っているって言うの!?」
男「え、えぇ!!俺じゃないですよ!!!」
リーマンB「……君、本当にあの人がやったのかな?」
女「」
女「わ、わかりませんけど……私…触られた人の手を掴みました……」
男「だからそれは俺じゃ……!」
駅員「どうしました?」
OL「痴漢です」
男「だから俺は違います!別の人が触っていました!!」
駅員「……ここじゃなんですから、ちょっと事務所の方に行きましょうか」
男「お、お断りします!これから仕事ですし第一!」
男「私はやっていません!!」
OL「何言っているの!?あなたやったってこの娘が言っているのよ!」
OL「観念しなさい!この痴漢!」
男「っ!」
駅員「まぁここでは他のお客様の迷惑にもなりますし、目もありますから事務所行きましょう」
男「」
周り「あの人痴漢…?」
周り「こわ~い」
周り「あぁ言うのがいるから男の肩身が狭いんだよな…」
周り「」スマホパシャ
男「で、でも……」
駅員「やましいことがなければそれを事務所で言えばいいですから、ね?」
男「そ、そうだ名刺…あとでしっかりと……」
OL「ちょっと!あんた逃げる気!?」
男「そんなんじゃない!」
駅員「ほら、ここで話し合っても平行線ですから事務所で頭冷やして話し合いましょうよ」
男「」
事務所
駅員「それじゃ、君は×駅から前の◇駅まで痴漢を……」
女「はい……」
駅員「本当にあの人なのかな?」
女「…た、たぶんそうです……私の体を触っていた人の手を…掴みましたから」
男「っ!だからそれは俺じゃない!何度言えば!!」
女「」ビクッ
駅員「まぁ落ち着いて落ち着いて、女さんはこっちで話しましょうか」
女「はい…」
駅員B「えっと、君は隣にいた男の人が真犯人だっけ?」
男「はい!この目で見ました!!」
駅員B「う~ん…その人がやったっていう証拠は?」
男「しょ、証拠……」
駅員B「ないの?」
男「は、はい……ですけど、俺は右手でつり革を触って左手で鞄を持っていましたから……!」
駅員C「まぁそれでも触ろうと思えば触れるからねぇ……」
男「っ!だけど俺がやったっていう証拠も……!」
警察「どうもこんにちは~」
男「え……」
駅員B「あぁお疲れ様です」
警察「えっと、男さんだっけ?ちょっと署の方に来てお話しきけますかね?」
男「お、お断りします!!」
警察「ですがこのままここにいても駅の人に迷惑がかかりますし……」
警察「やましい事がないなら署で言えばいいですから、ね?」
男「っ!」
男「お、俺……わ、私はこの後大事な仕事が……」
警察「ですがここまできて、はいそうですかで返してしまうわけにも行きませんので……」
警察「ちゃんと我々男さんの話を聞きますから大丈夫ですって」
男「」
警察B「え~こちら◆駅…痴漢の疑いのある男を署へ…どうぞ」
警察署
警察「えっと、じゃあ職業と名前は?」
男「」
警察「黙っていても長引くだけですよ」
男「…○×社の会社員…男です」
警察「はい、男さん……」
警察「じゃあどうして痴漢なんかしたのかな?」
男「し、してません…俺は無実です……」
警察「でも、女の人はあなたからされたって言っていますよ」
男「あの人は嘘を吐いています……だって本当の痴漢は……」
警察「あなたの隣にいた人でしょ?でもその人に関する証拠も記憶もないんでしょ?」
男「」
男「指紋…」
警察「は?」
男「確か指紋で犯人がわかるって……」
警察「……衣服の指紋についてはまだ実用されていないんですよね」
男「は?」
警察「本とかテレビじゃあたかも主流の手法って取り上げていますけど」
警察「実際はまだ試験段階で運用はされていませんから」
男「そんな……」
警察「手についた繊維については一応採用はしてますが、あくまで補助的な感じにすぎませんから」
男「……」
警察「男さん…まだ初犯ですから捜査に協力してくれればすぐに釈放されますよ」
警察「それに反省点を見せれば情状酌量もされます」
警察「男さん…あなたがやったんでしょ?」
男「や、やってません…私は……やってません」
数日後
警察「男さん……やったんでしょ?もういい加減認めてください……」
警察「被害女性に対して申し訳なくないんですか?」
男「」
警察「ハァ……男さん……!」
男「……ました」
警察「は?」
男「しました」
警察「ん?あなたが痴漢をしたことを認めるんですね!?」
男「……は、はい」ブルブル
警察「それじゃあ休憩をしたあと詳しい調書をとりますね!」
警察「それじゃああなたは×駅から女性Aさんに痴漢をしたんですね」
男「…はい」
警察「どうして?」
男「」
警察「どうしてですか!?」
男「…なんとなく」
警察「…なんとなく?もっと詳しい動機があるでしょ!!」
男「」ビクッ
男「……ス、ストレス発散」
警察「あなたねぇ…そんなんであんな事して許されると思っているの?」
男「す、すいません……」
数日後
男「」
男(明日は検察か……)
男(あぁやって取り調べを受けるとやってもいないのに自分が痴漢になったって錯覚するな)
男(あの日のプレゼンどうなったかな……部長と後輩くんが上手くやってくれただろうか)
男(嫁と子はどうしているかな……)
男(子がサッカークラブ入るためのサッカーボール…買ってあげたかったな……)
ガチャガチャ
警察「」
男(さて、ちゃんと反省点見せて情状酌量してもうらか)
男(本当はしていないんだけどな)
署長室
男「」
男(どうしてこんな所に…)
男(検察に行く前にはここに寄らなきゃいけないのか?)
署長「男さん」
男「はい」
署長「先日都内某所で連続痴漢犯が逮捕されました」
署長「彼を取り調べた結果……男さんの件も自分がしたと自供しました……」
男「え?」
署長「その…それで……彼の供述は客観的に見て合理性があり信頼できると判断しました」
署長「ですから……その男さんには…無実の罪で何日渡り拘留させてしまい、また取り調べをさせてしまい」
署長「誠に申し訳ございませんでした!!」
男「」
男「はは…ははは」
男「あははは………」ブルブル
男「」スタスタ
男(こうやって外を歩くのは何日ぶりだろうか)
男(体感的には数年間あの地獄にいたみたいだ)
男「ただいま……」ガチャ
男「誰も…いないのか?」
男「」スタスタ
嫁『子を連れて実家に帰ります』
離婚届
男 嫁 印
男「…で、電話」
『おかけになった電話は……』
男「っ!確かあいつの実家は……」
姑『はい?』
男「あ、ご無沙汰してます……男です……」
姑「男さん……」
男「その…ご迷惑おかけしてすいません」
姑『いえ……』
男「その…私の件なんですが、無実が証明されまして……」
姑『そ、そうですか』
男「あの…今からそっちに行っても……」
姑『』
姑『あの日以来、嫁と子ちゃんは大変な目にあって』
男「え?」
姑『嫁はご近所さんから白い目で見られ嫌がらせもされて……』
姑『子ちゃんも学校でいじめられて……』
男「そんな……」
姑『もう二人は相当疲れていて……』
男「だったらなおの事…」
姑『あなたが無実なのはわかります、ですがあなたが来ると二人がもっと辛くなってしまいます』
男「そんな……」
姑『申し訳ありませんが……もうそっとしくれませんか?』
男「」
男「……わ、わかりました…二人を……お願いします……」
姑『はい…あなたが痴漢なんてする人じゃないって事は私も主人もちゃんと理解していますので』
男「……ありがとうございます」
男「…ハァ」
男「どうしてこんな事になっちゃったんだろうな」
男「そうだ…会社にも……」
男「」
男「明日にするか……」
翌日
男「よし……」
部長『はい』
男「その…ご迷惑おかけしています…男です」
部長『男くん……』
男「その…例の件ですが、冤罪という事が証明されまして」
部長『そ、そうか!頑張ったな!』
男「は、はい!」
部長『俺も同じ男だ…お前の辛さは容易に想像できる』
男「はい!」
男「その…ですから明日から…いえ今日からでも会社に行けますので!!」
部長『』
部長『…君が冤罪なのはわかったが、現実は厳しいぞ』
男「え?」
部長『あれから取引先からの君の評判は最悪だ』
部長『プレゼンをすっぽかした事ならまだしも理由が理由だからな』
男「ですが…」
部長『同僚からもだ、たとえ冤罪でも一度着た汚名は早々に払拭できるもんじゃない』
部長『あれから捜査と言って君の事を少なからず警察に聞かれたんだからな』
男「そんな……」
部長『言うならば君は外にも中にも味方はいない、敵だらけの環境だ』
部長『それでも君は頑張って耐えて、名誉挽回をするため仕事を続けられるか?』
男「」
部長『今すぐに結論を出さないでいい、十分に考えてくれ』
男「はい……」
数日後
居酒屋
部長「久しぶりだな…お前痩せたな」
男「はい……」
部長「で、どうする?」
男「これを……」
つ退職届
部長「そうか……」
部長「事が事だからな…一応懲戒解雇にもなっていないから退職金はちゃんと出る」
男「はい」
部長「その…俺もお前はそんな人間じゃないって大きな声で言えれば良かったんだが……」
男「大丈夫です……それにこんな状態じゃ俺自身仕事を続けていける自信もないので………」
部長「そうか…まぁ力になれる事があったらいつでも言ってくれ」
男「ありがとうございます……」
数日後
女「この人痴漢です!」
OL「観念しなさい!この痴漢!」
周り「あの人痴漢…?」
周り「こわ~い」
周り「あぁ言うのがいるから男の肩身が狭いんだよな…」
周り「」スマホパシャ
駅員C「まぁそれでも触ろうと思えば触れるからねぇ……」
警察「ん?あなたが痴漢をしたことを認めるんですね!?」
警察「あなたねぇ…そんなんであんな事して許されると思っているの?」
嫁『子を連れて実家に帰ります』
部長『言うならば君は外にも中にも味方はいない、敵だらけの環境だ』
男「っくはぁ!」
男「」
男「クソッまたこの夢か……」
男「……今この状況が夢ならどんなに救われたことか」
男「…よし、行こう」
弁護士事務所
助手「どうぞ」
男「」ビクッ
弁護士「どうしました?」
男「あ、いえ…なんでも……」
弁護士「…すまん、君は席を外してくれ。菓子は私が用意するから」
助手「?……はい」
弁護士「お気持ちはお察ししますが状況は厳しいですね」
男「」
弁護士「刑事補償は1日につき1000円から12500円程度が限度とされています」
弁護士「男さんの拘留期間を考えると10万円程度でしょうか……」
男「……それしか…あれだけの事をされてそれしか……」
弁護士「次に女性への民事訴訟ですが」
弁護士「これも厳しいですね…過去の判例も余程の故意がない限りは負けが多いので」
弁護士「向こうの弁護士もそれも見てか早々に訴訟の取り下げを求めてきていますしね」
男「」
弁護士「無論、男さんが訴訟を起こすなら私は全力を尽くしますが」
裁判所
弁護士「以上の事から男さんが受けた精神的苦痛及び経済的損失についての賠償を被告側に求めます」
サイバンチョ「では被告側は」
弁護士B「はい、確かに男さんのお気持ちは理解していますが、女さんも故意に男さんを貶めるためにしたのではありません」
弁護士B「満員電車で痴漢をされているという恐怖と混乱から痴漢犯を誤認してしまいました」
弁護士B「女さんも一人の男性の人生を狂わさせてしまった事を大いに反省しています」
弁護士B「以上の事から原告側の賠償請求は……」
男「」ブルブル
サイバンチョ「判決を言い渡します」
サイバンチョ「原告の訴えを棄却。被告側には賠償請求はないとします」
サイバンチョ「原告のお気持ちや苦悩は同情に値しますが、被告側に故意はなく反省も見られています」
サイバンチョ「また、過去の判例からも……」
男「」ブルブル
弁護士「……男さん………」
男(あいつはどう思っているんだ?)
男(当たり前だと思っているのか?こんなんで賠償請求なんて女々しい奴と思っているのか?)
男(俺は人生を狂わされたのにあいつはなんもない……)
男(故意はなく反省しているから許せだと…?)
男(ふざけるな……)
弁護士「すいません…お力になれなくて」
男「大丈夫ですよ、先生はこんなどうしようもない俺のために頑張ってくれました」
弁護士「男さん……」
男「ほんと、どうしようない奴のですよ…俺は」
弁護士「困った事があればまたいつでも私の下に来てください」
弁護士「痴漢冤罪被害者の社会復帰を支援する団体も知っていますので」
男「はい、ありがとうございます……」
弁護士「…くれぐれも……」
男「はい?」
弁護士「いえ、なんでもないです。ではまたいつか……」
男「はい…ありがとうございました」
数か月後
居酒屋
弁護士「そうですか…お仕事が決まりましたか」
男「えぇ、契約社員ですが…紹介してくれた支援団体のおかげです」
弁護士「そうですか…その……お体の方は……?」
男「一応心療内科にまだ通院していますが、まぁなんとか」
弁護士「そうですか……」
数時間後
男「すいません、奢ってもらって……」
弁護士「いえ、私も男さんと話せて嬉しいですから」
男「では」
弁護士「はい」
ボロアパート
男「ただいま~っと」
男「」
男「手紙……あいつからか……」
嫁『お久しぶりです。お元気ですか?』
嫁『私も子も元気です。子も新しい学校で友達を作り元気になりました』
男「」
嫁『養育費の件ですが、心配しなくて大丈夫です』
嫁『元々、私の我が儘で出て行ったので気を使わなくても大丈夫です』
嫁『あなたも早く自分の生活を取り戻せるよう応援しています』
男「」
男「そっか……うん」
男「」
男「ついこの前まで普通の生活をしていたのに」
男「まさか急に離婚,退職してボロアパート住みの契約社員か……」
ピッ
TV「次のニュースです。また線路に侵入して逃走です」
TV「昨日未明、痴漢と疑われた男が線路へ降り逃走をしました」
TV「犯人は未だ見つかっておらず、警察は捜査を続けている模様」
TV「最近多いですねぇ」
TV「えぇ、これで逮捕に結びついたのは数件ですよね……」
TV「もう痴漢して捕まったらこうしろって虎の巻みたいになっている状況が怖いですよねぇ……」
TV「警察と駅員ももし痴漢に疑われたら線路に逃げず……」
男「」
男「俺もあの時あぁしていればこうならなかったのか……」
男「もし逃げられたら家族も仕事も名誉も失わず………」
男「いや、俺はやっていない…やっていなかったんだ」
男「犯罪をしていないのに自分から犯罪者になったら本末転倒だ」
男「……」
数週間後
男「すんません…奢ってもらって」
部長「気にするなって、それより頑張れよ!」
男「はい」
部長「それじゃ」
男「はい」
男「」
男(俺には理解者がいる…大丈夫だ)
男(これから挽回したらいい、うん大丈夫だ!挽回できる)
男「」スタスタ
男(っ!)
女「」
彼氏「」
男「」
男(あいつ…間違いない……)
女「え~本当に~?」
彼氏「本当だって」
男「」
数分後
女「送ってくれてありがとう」
彼氏「ううん、大丈夫だよ」
女「ん…」チュッ
女「それじゃ、またね」
彼氏「うん、また」
男「」
男「は、はは……」
男(どうして俺が挽回する必要があるんだよ……)
男(そうだ、俺は悪い事なんてしていない…していないのにさ……)
男(俺はどん底に落とされたのにあいつは……)
男(こんな事あってたまるか……)
男(許せない……)
男(俺は犯罪者でも……痴漢でもない……)
数日後
女「いってきまーす」
男「」
女「あ、あなたは……?」
男「もう…忘れてしまったんですか?」
女「……すいません、急いでいるんで」
男「あれから私の人生は変わりました」
男「家族からは逃げられ、職も失い、社会的信頼も失墜し…やってもいないのに犯罪者扱いされて」
女「知りませんよ!なんなんですか!?警察呼びますよ!」
男「俺はお前に…お前に…」スッ
女「ひっ」
男「俺は……」
サクッ
TV「次のニュースです」
TV「昨日未明、街中で男性が手首を切り自殺をしました」
TV「男性は都内在中の契約社員、男さんと断定」
TV「警察は動機について慎重に……」
助手「…どうしてこんな事を……」
弁護士「あぁ……」
弁護士「男さんは女さんに訴えたかったのかもしれないな……」
弁護士「女さんがあの日間違えて男さんを痴漢にさせてしまったせいで」
弁護士「家族を失い職を失い…全てを失ってしまったと……」
弁護士「俺はお前に殺されたんだと……」
助手「で、でも…その……普通に考えたら男さんがその……」
弁護士「復讐のために殺してしまうと?」
助手「はい……」
弁護士「これはあくまで推測だけど」
弁護士「男さんは真面目な人で自分は何もしていないと潔白を主張し続けた……」
弁護士「自分は犯罪者じゃないってある主の矜持を持っていたんだと思う」
弁護士「だからこそ、ここで女さんを殺して犯罪者になったら、今までの全てが嘘になると思ったんだろう……」
弁護士「だけど、女さんが何も制裁を受けず幸せに生活しているのは許せなかった」
弁護士「だったらせめて、お前のせいで一人の人間がここまで失墜させられて」
弁護士「お前が一人の男を殺したんだと…呪いじみた訴えをしたかったんだろう……」
助手「」
助手「その…女さんは?」
弁護士「風の噂だけど、男さんの自殺の状況はとんでもないものだった」
弁護士「一説には血しぶきを上げて…一説には指を切り落としてから……」
弁護士「わからないけど、ひどくむごい自殺だった……」
弁護士「かつて自分が苦しめた男がそんな死に方をしたのを目の当たりにしたんだ…正気じゃいられない」
弁護士「女さんも心を閉ざしてしまったさ……」
弁護士「結婚も決まっていたのにそれもなくなって……」
弁護士「おびえるように生活しているらしい……」
助手「その…不謹慎ですが……男さんの呪いは成就したと……」
弁護士「そうかもしれない……けど、私はそれが正しいとは思わない」
弁護士「男さんは犯罪はしなかっただろうが、一人の人間の精神を壊すのは立派な罪だ」
助手「」
弁護士「…冤罪のせいで一人の男性がここまで追いつめられる世の中も正しいとは思えないけどね……」
助手「難しい問題ですね……」
弁護士「あぁ、罪なきものが一瞬にして全てを失う…これほど怖いものはない」
弁護士「…今日はもう帰るよ」
助手「どこに行くんですか?」
弁護士「……馬鹿な友人の顔を見に行くのと」
弁護士「その理解者である部長さんに彼の事を教えに行くだけだ」
助手「」
助手「私もご一緒します……」
弁護士「そうか」
./:::::\ /::::::ヽ
/::::::::::::;ゝ--──-- 、._/::::::::::::::|
/,.-‐''"´ \:::::::::::|
/ ヽ、::::|
/ ● ヽ|
l , , , ● l
.| (_人__丿 、、、 | おわり!!
l l
` 、 /
`ー 、__ /
/`'''ー‐‐──‐‐‐┬'''""´
冤罪ねつ造するのは論外だけど
男さんも女さんも被害者だし責められない