サターニャ「なんか家にこんな手紙が届いてたのよ」
『サターニャさんへ、パーティーをするので私のお家に来てください
場所はこの辺です』
サターニャ「ラフィエルなんだろうけど……何かの罠かしら……」
タプリス「えー……私にも届いていますし違うんじゃないですか?」
サターニャ「うーん……まずこれほんとにラフィエルからかしら?」
タプリス「え!?そんなわけあるはずないじゃないですか……」
元スレ
サターニャ「なんで私達こんな山奥に来てるのよ」タプリス「仕方ないじゃないですか」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1491824488/
タプリス「はー。それよりもこれあってるんですかー?」
サターニャ「あってるわよ!……たぶん」
タプリス「たぶんって…迷子になって死んじゃったらどうするんですか!」
サターニャ「知らないわよ私だってこんな山奥だと知らなかったんだもん」
タプリス「先が思いやられます……」
サターニャ「まー犬1疋つれてきたから大丈夫でしょ!」
犬「」ブクブクムネン…
サターニャ「って!犬ぅ!?」
タプリス「あわわわ…犬が目を回して泡を吹いてます……」
サターニャ「ちょっと!?折角助けたのに!?」
タプリス「南無阿弥陀仏…」
サターニャ「まだ死んでないわよ!あとそれ仏教!」
タプリス「あぁ、そうでした……ロザリオロザリオ…」
サターニャ「………」
犬「」
タプリス「……アーメン」
サターニャ「…………ま、死んだなら仕方ないわね先へ急ぎましょう」
タプリス「……そうですね、私達までこうなっては元も子もありません」
サターニャ「あー……もうお腹ペコぺこだわ……」
タプリス「こんなに長い道のりとは思いませんでしたからね」
サターニャ「ラフィエルの家のような影もないし」
タプリス「まだあるんですかね……」
サターニャ「迷ったのかしら……」
タプリス「え!?そんなこと言うのやめてくださいよ!!」
サターニャ「……もう戻ろうかしら」
タプリス「そうですね……招待してくれた白羽先輩には申し訳ありませんが帰りましょう」
サターニャ「はて?どの道から来たのかしら」
タプリス「お、おぼえてないんですか!?」
サターニャ「仕方ないじゃない!あんただって覚えてないでしょ!!」
タプリス「そ、それは……そうですけど覚えておいてくださいよ!!」
サターニャ「迷子になっちゃったわ……ん?」
タプリス「どうしたんですか?」
サターニャ「なによあれ」
タプリス「あれ…?家ですね……それも西洋造りの……」
サターニャ「きっとラフィエルの家だわ!やっぱり道はあってたのよ!」
タプリス「うむむ。なんとも後付で気に食わないですけど着きましたし良しとしましょう」
サターニャ「なによその言い方。気に食わないわね」
タプリス「って、あれ?これ白羽先輩の家じゃありませんよ」
サターニャ「あ、ほんとだわ」
サターニャ「なんか札が出ているわね」
タプリス「あー……えーと」
RESTAURANT
西洋料理店
ANGEL HOUSE
天使軒
サターニャ「やっぱりラフィエルの家じゃないみたいね」
タプリス「お料理屋さんですね」
サターニャ「なんでこんなところにあるのかしら」
タプリス「取り敢えずここで休憩しませんか?」
サターニャ「うーん。そうねちょうどお腹も減ってるし」
タプリス「あ、なんか書いてますね」
サターニャ「ん?」
タプリス「これ金で書かれているんでしょうか?」
「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」
サターニャ「なるほど!つまり無料で食べ放題って事ね!」
タプリス「そうみたいですねご遠慮はありませんとはそういう意味でしょう」
サターニャ「山の中で一時はどうなることかと思ったけどラッキーな事もあるのね!」
タプリス「そうですね!これはとてもラッキーです!早速中に入りましょう!!」
タプリス「あら?廊下ですか?」
サターニャ「まあそういう店なんでしょ」
タプリス「あっこの扉の裏側にも何か書いてありますね。えっと……」
「ことに、若くて天使なお方や大悪魔なお方は、大歓迎いたします」
サターニャ「なーはっはっは!大悪魔ですって!つまり私のことじゃない!!私は大歓迎と言うことね!!」
タプリス「そうですねにしても天使や悪魔ということは同業者が副業でやっているんでしょうか?」
サターニャ「そんなことどうだっていいのよ早く進みましょ」
タプリス「すごい水いろな扉ですね」
サターニャ「なんでこんなに扉が多いのよ」
タプリス「ロシア式でしょう。寒いとこや山の中はみんなこうですよ」
サターニャ「ん?扉の上に何か書いてあるわよ」
タプリス「本当ですね今度は黄いろで書かれてます」
「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」
タプリス「すごいですねこんなとこでなかなかやってるんですね」
サターニャ「そりゃそうよ!むしろこーゆーのを隠れた名店っていうのよ」
タプリス「それもそうですね取り敢えず扉をあけましょう」
サターニャ「……あ、裏にも黄いろで何か書いてあるわよ」
タプリス「本当ですね。えっと……」
「注文はずいぶん多いでしょうがどうか一々こらえて下さい」
サターニャ「どういうことよ?」
タプリス「うーん…きっと繁盛して注文が多いので時間がかかってごめんなさいと言う事でしょう」
サターニャ「なるほどねー…とりあえず早く席につきたいわ」
タプリス「また扉ですね」
サターニャ「ん?なんか横にあるわね」
サターニャ「鏡とブラシ?柄が長いブラシねー」
タプリス「今度は赤い字で何か書いてありますよ」
「お客さまがた、ここで髪をきちんとして、それからはきものの泥を落としてください。」
サターニャ「なんだかいいお店みたいだし偉い人でも来るんでしょう」
タプリス「それなら偉い人に無礼があってはいけませんね!」
サターニャ「ふー……靴の泥も落としたし……」
タプリス「この泥がついたブラシはどうすればいいんでしょうか?」
サターニャ「元あった場所に置いておけばいいんじゃない?」
タプリス「そうですね確かこの板の上に置いて……」
サターニャ「なっ!?」
タプリス「うわわ!ブラシが消えてしまいました!!」
サターニャ「って今度は何!?風!?」
タプリス「は、はやく次の扉に行きましょう!」
タプリス「何だったんでしょう今の……」
サターニャ「びっくりした……って離れなさいよ!なに抱きついてるのよ!」
タプリス「そっちだって抱きついてたじゃないですか!?」
サターニャ「はぁ……お腹がへり過ぎてしゅーだんさいみんにかかったかしら……」
タプリス「そうですねお腹が減ってますし……早く何か食べたいですね……」
タプリス「また扉ですか……」
サターニャ「今度は黒いわね、なんか大悪魔っぽいわね!」
タプリス「また何か書いてますね」
「どうか帽子と外套と靴をおとり下さい」
サターニャ「外套ってなによ」
タプリス「コートとかですね」
サターニャ「ふーん……この釘のとこにかければいいのね」
タプリス「マフラーとかもここにかけたほうがいいんでしょうか?」
サターニャ「靴脱いだら足がペタペタして気持ち悪いわね」
タプリス「でもなんだか癖になりますね」
サターニャ「そう……?」
タプリス「ふふっ……気持ちいい……」
サターニャ「さて靴も脱いだし扉を開けましょう」
タプリス「そうですね……また裏側に書いてありますね」
「ネクタイピン、カフスボタン、メガネ、財布、その他金物類、ことに尖ったものは、みんなここに置いてください」
サターニャ「金物が駄目ってことは……どういうことかしら?」
タプリス「雷が落ちてくるんじゃないですか?」
サターニャ「なによそれ危なっかしい料理店ねー」
タプリス「よくわかりませんが金庫がありますしこの中に入れるんでしょう」
サターニャ「財布を入れるってことはここで勘定を支払うのかしら」
タプリス「そうなんでしょうね。」
サターニャ「そうよ。きっと。」
タプリス「よし……鍵をかけましたよ」
サターニャ「……また先に何かあるわね」
タプリス「ガラスの壺ですかね?なにか白いのが入ってますよ」
「壺のなかのクリームを顔や手足にすっかり塗ってください。」
タプリス「クリームを塗るんですか。なんのクリームでしょう?」
サターニャ「くんくん……牛乳じゃないかしら?」
タプリス「にしてもクリームを塗れってなんですかね」
サターニャ「ふふふ……これはね外が寒いでしょ?このまま温かい部屋に入るひび切れるのよ」
タプリス「なるほどーそれの予防ですね」
サターニャ「ぬーりぬーり……」
タプリス「全部塗りました!!」
サターニャ「何よその格好真っ白で死人みたいね!」
タプリス「そっちだって真っ白ですよ!」
サターニャ「クリーム……まだ余ってるわね……」
タプリス「牛乳のクリーム……」
サターニャ「美味しいのかしら?」
タプリス「ちょ、ちょーっと食べてみようかな……」
サターニャ「あーあ!顔にもよく塗るかしら!」
タプリス「……美味し」
サターニャ「ちょっとクリームで時間を食ったわ急がないと!」
タプリス「クリームを食ったんでしょ!」
サターニャ「あなただって美味し、とか言ったじゃない!」
タプリス「それは……そんな事ありませんよ!!」
サターニャ「わかりやすい嘘をつくんじゃないわよ!」
タプリス「そ、そんなことは置いておいて扉を開けますねー……」
サターニャ「話をそらしたわね……」
タプリス「あっ!扉の裏側になにか書いてありますよ!?」
サターニャ「わざとらしいわねー…」
「クリームをよく塗りましたか、耳にもよく塗りましたか、」
サターニャ「あ、そうだったわ私耳を忘れていたわ」
タプリス「わたしもでした!危うく耳をひび切らすとこでした!」
サターニャ「ちいさなクリームの壺が有るわ。ここの主人はじつに用意が周到ね。」
タプリス「でもわたしはもうお腹ペコペコで……早く何か食べたいです……」
サターニャ「まだ戸があるわよ」
タプリス「またですか……」
「料理はもうすぐできます十五分とお待たせはいたしません。すぐ食べられます。
早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください。」
タプリス「瓶……これですね。すごい金ピカですよ」
サターニャ「高そうねー……これを頭にかけるのね」
タプリス「こう頭にかけて……」
サターニャ「私の番ね……香水ってこうやってかけるんだっけ?」
タプリス「さー?香水とかかけたことがないので……」
サターニャ「この香水……なんかへんね酢臭いわ」
タプリス「間違えたんですよ。そう、間違えたんでしょう。」
タプリス「これで最後ですか?……はあ…まだありますね……」
「いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。
もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。」
タプリス「……どうもおかしいですね」
サターニャ「何が?」
タプリス「え?えっと沢山の注文っていうのは向こうがこっちに注文してくるんですよ。」
サターニャ「……?どういうことよ?今から私達が注文すんでしょ?最後って書いてあるし」
タプリス「だ、だから!西洋料理店っていうのは西洋料理を来た人に食べさせるのではなくて……」
サターニャ「……?」
タプリス「来た人を西洋料理にして、食べてやる家ということですよ!」
サターニャ「食べる?私達を?」
タプリス「遁げないと!……あ、開きません!後ろの扉が開きませんよ!?」
サターニャ「なんで戻るのよせっかくここまで来たんじゃない」
タプリス「か、鍵穴!鍵穴から覗いてます!!」
サターニャ「鍵穴〜?」
「ふふふっ面白いことになってますね」
「ラフィ何したのよ……」
「なんだ?あいつら来たのか?」
タプリス「なんか喋ってますよ!?」
サターニャ「そりゃお客は私達だけじゃないんだから。さあ行くわよ」
タプリス「ちょっと!?何でですか!?食べられますよ!?」
「あ、サターニャさんが来ましたよ」
「呼んだんだからくるでしょ……ほんとに何したのよ……」
「逆になんでまだ来ないんだ?」
「早く二人を美味しく食べたいですねーふふっ」
「なんかわからないけど二人かわいそうね」
サターニャ「たのもー!!」
タプリス「あ゛ー!!もう終わりです!食べられてしまいます!!」
ラフィエル「サターニャさんいらっしゃいませー」
サターニャ「あれ?ラフィエル?なんでここにいるのよ」
ガヴリール「そりゃラフィの家だからに決まってるだろ、てかなんだよその格好」
ヴィーネ「ほんとだ!何これ?クリーム?洗ってきなさいよ臭っ!?」
サターニャ「う、うん???」
犬「」カンミ ウマウマッ
サターニャ「あっ!犬!なんでこんなとこでメロンパンなんて食べてるのよ!」
タプリス「」
ガヴリール「タプリスがなんか気絶してるぞ」
ラフィエル「あらあらー」
ヴィーネ「タプちゃーん?」
タプリス「……へ?ここは……?」
ヴィーネ「ラフィのお家よ」
タプリス「白羽先輩の……ハッ!料理店は!?」
ヴィーネ「料理店?」
ラフィエル「ププププッ」
ガヴリール「なーみんな揃ったし早くタコパしよーぜー」
ヴィーネ「はいはいあ、でもタプちゃんもシャワー浴びてきて」
タプリス「???は、はい……」
おわり