ヴィーネ「ねぇ、ガヴ。今日放課後どこか寄っていかない?」
ガヴリール「ネトゲやるから帰る」
ヴィーネ「ネトゲネトゲって、もしそのネトゲがサービス終了でもしたらどうするのよ」
ガヴリール「その時は事前にギルメンと別のに移るさ」
ヴィーネ「突然消えて連絡つかなかったら?」
ガヴリール「そんなことあるわけ無いじゃん、でもそんなことになったら流石の私も絶望して何するかわかんないな」
ヴィーネ「ちょっと、冗談でもそんなこと言わないでよ」
ガヴリール「ヴィーネが聞いてきたんじゃん」
元スレ
ガヴリール「……絶望した」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490800909/
ガヴリール宅
ガヴリール「さ、みんなおまたせーっと……ん?」
ガヴリール「ログインできない?緊急メンテか?」
ガヴリール「あれ公式サイト消えてる……なんだよこれ、とにかく2chに……」
ガヴリール「ハ、ハッキングだって?データが全部消えた……?」
ガヴリール「嘘だろ……」
ガヴリール「スレも大混乱じゃん……『世界が壊れてしまったので死にます』……そんな奴もいるのかよ……」
ガヴリール「どうしよ……」パタン
ガヴリール「どうしよ……なんか何もやる気が起きない……」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「死ぬか……」
ガヴリール「いやいや、何言ってんの、私天使だよ?」
ガヴリール「自殺なんて神に背く行為流石にできないって……」
ガヴリール「ほら目を閉じれば未来への希望が……」
ガヴリール「やばい……落ち込みすぎて、なんも浮かばない……」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「この紐でいいか」
ガヴリール「ドアノブにくくりつけて……これでよしっと」
ガヴリール「あとは力を抜くだけだ」
ガヴリール「天使が自殺なんてしたらどうなるんだ?」
ガヴリール「地獄に行ってあいつらに会えたりしてな」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「あいつらといたときはそこそこ楽しかったっけ」
ガヴリール「でも、私にはこのネトゲを無くした喪失感には耐えられそうにない」
ガヴリール「みんな、ごめんな……」
ガヴリール(く、苦しくなってきた……でもこれで……)バキン
ガヴリール「!?げほっ!……ゲホゲホ……」
ガヴリール「な、なんだ?ドアノブが壊れたのか……?」
ガヴリール「あんな丈夫そうなドアノブがこんな簡単に壊れるか?」
ペタペタ
ガヴリール「よし、部屋の隙間は全部塞いだ。あとはガス出しっぱなしにしてこのこないだサターニャから没収した対天使用睡眠薬を飲めば……」ガシャーン
ガヴリール「な、なんだ!?」
近所の親子「すいません、キャッチボールをしてたらすっぽ抜けちゃって、窓は弁償しますので」
ガヴリール「明らかにおかしい……まさかこれが神のご加護ってやつか?」
ガヴリール(くそっ!私は死ぬって決めたんだ!こんなぐらいで諦めるか!)
ガタンゴトン……
ガヴリール「特急列車に突っ込めば流石にどうしようもないだろ……」
ガヴリール「よし、近づいてきたぞ……今だ!」フラッ
ヴィーネ「ちょっとガヴ何してんのよ!」ガシッ
ガヴリール「え、ヴィーネ!なんでここに!?」
ヴィーネ「いや、ちょっと買い物しようと駅に来たらガヴを見かけたから声をかけようと……」
ヴィーネ「って言うか大丈夫?落ちるとこだったわよ?今」
ヴィーネ「って言うかネトゲしに帰ったんじゃないの?何してるのよ?」
ガヴリール「…………離して」
ヴィーネ「え?」
ガヴリール「離せよっ!」バッ
ヴィーネ「ちょ……ちょっと!ガヴ!?」
ガヴリール「」ダダダダ
ヴィーネ「ガヴ!どこ行くのよ!」
ヒュゥゥゥゥ
ガヴリール「へ……へへ……流石にここから落ちれば死ねるでしょ……」
ヴィーネ「ちょっとガヴいきなりどうしたのよ!説明してよ!ハァハァ」
ガヴリール「ヴィ、ヴィーネ。ついてきたの?私、死ぬことにしたんだよ。だからほっといてよ」
ヴィーネ「はぁ!?死ぬ!?天使が!?馬鹿言ってんじゃないわよ!」ザッ
ガヴリール「来ないで!」
ヴィーネ「」ビクッ
ガヴリール「そこから一歩でも近づいたら飛び降りるから」
ヴィーネ「ちょ……本気なの?」
ガヴリール「本気だよ……もう私はこの世界に絶望したんだ……楽しいことも何もないし」
ヴィーネ「馬鹿なこと言わないでよ!」
ガヴリール「」ビクッ
ヴィーネ「私はもっとガヴと一緒にいたい……」
ヴィーネ「絶望したって言うなら私に……私達に相談しなさいよ……そんな時のための友達でしょ?」グスッ
ヴィーネ「楽しいことが何もないっていうのなら私がいっぱい用意してあげるわ!だからほら……戻ってきて?」
ガヴリール「ヴィーネ……」
ヴィーネ「…………」
ガヴリール「ごめん……なさい……」
ヴィーネ「ガヴ……」ホッ
ビュウウウウウウウ
ヴィーネ「きゃっ!」
ガヴリール「うっ……」ズルッ
ガヴリール「あっ……」
ヴィーネ「ガヴリール!!いやあああああああ!」
ガヴリール(や、やばい!せっかくヴィーネのお陰で希望が持てたのに!)
ガヴリール(やだ、死にたくない!!)
ガヴリール(いや、今回もきっと加護があるはず!)
ガヴリール(きっと今までみたいに何か起こるだろ)
ガヴリール(ま、まだなのか?もう時間が)
ガヴリール(地面が目の前に………)
ガヴリール(死にたくn……)
ヴィーネ「………きて………ガヴ……、起きてガヴ」
ガヴリール「はっ!」
ヴィーネ「あ、起きたのねガヴ。随分うなされてたわよ?大丈夫?」
ガヴリール「あ……う……ヴィーネ?なんでここに?」
ヴィーネ「なんでも何も今日は泊めて貰う予定だったじゃない。なのにほっといてずっとネトゲやってるんだもん」
ガヴリール「あ、そっか……寝落ちしちゃってたのか……」
ヴィーネ「かなりうなされてるみたいで私も目覚めちゃったわよ……大丈夫?変な姿勢で寝てるからよ……」
ガヴリール「はぁ……はぁ……夢か……う……う……」
ヴィーネ「ガヴ?」
ガヴリール「うえええん、ヴィーネぇ!」ガバッ
ヴィーネ「ちょ!?ガヴ?」
ヴィーネ「相当怖い夢見たのね……よしよし、ほら一緒に寝ましょう」
ガヴリール「ありがと……」グスッ
ヴィーネ「いいわよ、友達じゃない」
ガヴリール「ヴィーネってさ……」
ヴィーネ「ん?」
ガヴリール「お母さんみたいだよな」
ヴィーネ「誰がお母さんよ、さっさと寝なさい」
ガヴリール「おやすみ」
ヴィーネ「おやすみ」
終わり