学校
ガヴリール「おーす、おはようヴィーネ」
ヴィーネ「あ、ガヴおはよう」
サターニャ「来たわねガヴリール!今日こそあんたに勝ってやるわよ!この魔界通販で買った」
ガヴリール「はいはいサターニャもおはよう」
サターニャ「ちょっと聞きなさいよ!」
マルティエル「サターニャ様、また何か面白い物を購入されたのですか?」
サターニャ「げっ!マルティエル!」
元スレ
ガヴリール「おはようマルティ」マルティエル「おはようございます、ガヴさん」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490632926/
ガヴリール「おはようマルティ」
ヴィーネ「おはよう」
マルティエル「おはようございますガヴさん、ヴィーネ様」
サターニャ「いつもいつもあんたは!どこから湧いてくるのよ!」
マルティエル「サターニャ様の面白い行動を見逃す訳にはいきませんので」
サターニャ「なによそれ!」
ヴィーネ「相変わらずね、マルティは」
ガヴリール「だな」
ガヴリール「で?サターニャなに買ったんだよ」
サターニャ「え⁉聞いてくれるの⁉」
ガヴリール「……やっぱやめとくか」
サターニャ「まーそこまで言うなら教えてあげてもいいけどね!これよ!」
ヴィーネ「遅かったわね、ガヴ」
マルティエル「わくわくです」
サターニャ「これ!『ポジションチェンジャー』よ!」
ガヴリール「名前だけじゃ分からん早よ説明しろそして帰れ」
サターニャ「帰らないわよ!えーと……このボタンを押すと、指定した人物と、その人物と関わりのある人物の、役職や立ち位置などを、交換することが、できます……よ!」
ガヴリール「できますよ、て」
ヴィーネ「つまり……サターニャを指定した場合、例えばサターニャの弟がサターニャの代わりにここに来る、ってことかしら?」
サターニャ「……?」
ガヴリール「おい、買った本人が理解してねーじゃん」
サターニャ「あ、ちなみに……交換された本人や周囲のに人達には、元々その人物が、その立ち位置だったように、記憶が改竄されます……よ!」
ガヴリール「されますよ、て」
ヴィーネ「じゃあ結局、使っても意味ないんじゃない?本人も周りも違和感を覚えないなら」
サターニャ「え」
ガヴリール「あー、そうだな」
サターニャ「えぇ⁉」
ガヴリール「まぁ、マルティとサターニャの立ち位置が入れ替わったら面白そうだけどな」
サターニャ「いいわね!私がマルティエルをいじる側になるのね!」
マルティエル「!」
マルティエル「サターニャ様、それでは私がサターニャ様の面白おかしい姿を拝見できなくなりますが」
サターニャ「問答無用よ!えいっ」ポチッ
マルティエル「……!」
サターニャ「……」
マルティエル「……?」
サターニャ「……え、これ何か変わった?」
ガヴリール「まー、サターニャと交換されるとも限らないしな」
ヴィーネ「それに記憶が改竄されるなら変わってても分からないわよね?」
ガヴリール「つーか押したお前の記憶も改竄されるのかよ」
サターニャ「⁉」
ガヴリール「もっかい押してみれば?」
サターニャ「これ、1回使い切り……」
ヴィーネ「ってことは、マルティは本当は別の誰かだったって事よね?」
マルティエル「そうなのでしょうか……?」
ガヴリール「へー、やっぱり自分でも違和感とかないんだ」
サターニャ「いい気味ね!マルティエルと入れ替わった誰か!」
ヴィーネ「違和感がなさ過ぎて、そのボタンの不良品を疑っちゃうわ」
ガヴリール「えーと、ちなみにマルティ、誰と交換されたか心当たりあるか?」
ヴィーネ「家族とか友達とか、それ以外の知り合いも含めたら特定できないわよね?」
サターニャ「より親しい親密な関係の人物が選ばれます……よ!」
ガヴリール「選ばれますよ、て」
マルティエル「私の親しい人物……あ」
ヴィーネ「心当たりあるの?」
マルティエル「天界の家に仲の良いメイドがおります」
サターニャ「メイド⁉」
ガヴリール「ああ、マルティの家は金持ちでな、執事やメイドがゴロゴロいる」
サターニャ「へ、へぇ!ま、胡桃沢家にも爺が、いたりいなかったりするけどね!」
ガヴリール「どっちだよ」
ヴィーネ「どんなメイドさんなの?」
ガヴリール「あれ……この場合、そのメイドの方が本当なら私達の友達、って事になるのか?」
サターニャ「……?」
ガヴリール「ああ、お前に分かるわけないよな、ごめん」
サターニャ「⁉」
マルティエル「ラフィエルという名の、白く長い髪が美しい出来るメイドなのですが……少々性格に難がありまして」
ガヴリール「ほう」
マルティエル「私の事を好き過ぎるのです」
ヴィーネ「お嬢様が大好きなメイドさん、ってことかしら?悪いことじゃないわよね?」
マルティエル「好きの度が過ぎているのです……そう、例えばーー」
天界 白羽家《回想》
マルティエル「ラフィエル、私はお風呂に入ります」
ラフィエル「そうですかー、では、服を脱ぐのを手伝いますねー」
マルティエル「いえ、私一人で大丈夫ですが」
ラフィエル「いえいえー、それではマルティエルお嬢様の脱ぎたて下着が手に入りませんからー」
マルティエル「退室をお願いします」
ガヴリール「性格に難ありっていうか変態だな、変態」
ヴィーネ「お嬢様の下着を狙うとか、ちょっと引くわね……」
サターニャ「他にはどんなエピソードがあるのよ?」
マルティエル「はい、その後私がお風呂に入っていると、ラフィエルが窓の外からカメラで撮影をしておりました」
ガヴリール「王道の変態だな」
マルティエル「あとは、トイレを撮影されそうになった事もありますね」
ヴィーネ「えぇー……よくクビにしないわね……」
サターニャ「マルティエル、苦労してるのね……」
マルティエル「優秀なメイドなのは確かですし、幼い頃からお世話になっていますので」
ヴィーネ「マルティ、優しい……!」
ガヴリール「……ん?」
サターニャ「どしたのガヴリール」
ガヴリール「あのさ、この話って、つまりは今ここにいるマルティのエピソードなんだよな」
サターニャ「……?」
ヴィーネ「……そうか、そう、よね?あれ、逆かな……もし逆なら」
ガヴリール「あ、あー、そうか、逆のパターンか、なるほど」
サターニャ「え、なによ、分かるように言いなさいよ!」
ガヴリール「いや、今の状況ってさ、マルティとメイドが交換されてるわけじゃん?」
サターニャ「そうね」
ガヴリール「ただ、記憶とかどこまで交換されてるか分かんないだろ?改竄されてるんだし」
サターニャ「あー、はいはい」
ヴィーネ(すでに分かってなさそう)
マルティエル(ああ、サターニャ様かわいい)
ガヴリール「だから、今マルティが話したエピソードだって、メイドの話なのかマルティ自身の話なのか分かんないじゃん……って」
サターニャ「なるほどね!友達が変態か、友達のメイドが変態かの二択ってわけね!」
ガヴリール「最悪の二択じゃねーか」
マルティエル「……」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」
サターニャ「……」
マルティエル「さ、サターニャ様、説明書!説明書に何か書いてありませんか⁉」
サターニャ「……ないわね」
マルティエル「……そうですか」
サターニャ「あ」
ガヴリール「なんか書いてあったか?」
サターニャ「時間経過で元に戻ります……よ」
ガヴリール「戻りますよ、て」
ボンッ!
ラフィエル「……⁉」
ガヴリール「おぉ!ラフィエル!そうだよ、マルティじゃねーよラフィだよ!つーかマルティエルって誰だよ!」
サターニャ「そうだわ!今朝学校来る前にボタン押して来たんだったわ!」
ヴィーネ「おかえりラフィ!……あれ⁉記憶は残るのね!」
サターニャ「そうみたいね!記憶は……あ」
ガヴリール「……!」
ヴィーネ「……」
サターニャ「……」
ラフィエル「あれ?あの、いったい何があったんでしょう?さっきまで実家でメイドをしていたんですが、自分がメイドである事に違和感もなくて……」
ガヴリール「……ま、なんだ……詳しくは聞かないからな、ラフィ」
ヴィーネ「そうね、変に聞いたら、その、あは、あはは」
サターニャ「大丈夫よラフィエル、もしあんたが変態でも、私は、まぁ、うん!」
ラフィエル「え、あの、えぇ……?」
おわり