ガヴリール「ああ、かなり歳の差があるけどな」
ヴィーネ「いいなぁ、私に年下の妹がいたら絶対可愛がってあげるのに…」
ガヴリール「そんないいもんでもないぞ、相手してやるのも結構面倒だし」
ヴィーネ「あら、私はそういうの結構好きよ?一日中お世話してあげちゃうかも…」
ガヴリール「それはそれで鬱陶しいな…」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「………………」チラッ
ガヴリール「………………なに?」
ヴィーネ「…………ガヴちゃん」ボソッ
ガヴリール「は?」
元スレ
ヴィーネ「ガヴリールって妹がいたんだ…」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490263833/
ヴィーネ「ねえ、ガヴちゃん、私の事お姉ちゃんって読んでみてくれない?」
ガヴリール「はぁ?いきなりなに言ってんの?てかその呼び方やめろよ」
ヴィーネ「いいから、本当にお願い、一回だけでいいの、一回だけで満足だから」
ガヴリール「なんでそんなに必死なんだよ、やだよ、恥ずかしいし」
ヴィーネ「お、おねがい!!なんでも!!なんでもするわ!!ガヴが好きなことなんでもしてあげるから!!一回だけお姉ちゃんって呼んで!!」
ガヴリール「は、はぁ?なんでお前そんなに…ていうか、今の話本当だろうな?」
ヴィーネ「本当、本当よ!だから一回だけ!一回だけお姉ちゃんって言ってみて!」
ガヴリール「そこまで言うなら仕方ないな、約束は守れよ………」
ガヴリール「お、お姉ちゃん……」カァァァ
ヴィーネ「」
ガヴリール「ほ、ほら言ったぞ」
ヴィーネ「…」
ガヴリール「約束は約束だからな、お前には何をしてもらおうか…」
ヴィーネ「…」
ガヴリール「焼肉が食べないなぁ、いや寿司ってのも捨てがたい…」
ヴィーネ「………ねぇガヴリール」
ガヴリール「…なに?」
ヴィーネ「一万円でどう?」
ガヴリール「は?なにが?」
ヴィーネ「一万円払うから私の妹になってくれない!?今日だけでいいから!!」
ガヴリール「」
…
ヴィーネ(小柄で可愛らしい容姿、生意気な性格、一人じゃ何もできないダメダメなところ…)
ヴィーネ(完璧よ、私の求める理想の妹だわ…!)
ヴィーネ「ど、どうなのっ!?」ハァハァ
ガヴリール「待てよヴィーネ、ちょっと考えさせて」
ガヴリール(正直ここまで必死になるとは思わなかった、ちょっと怖い)
ガヴリール(でも一日こいつの妹になるだけで一万円だぞ?お世話してもらって金が貰えるなんて…)
ガヴリール「…よし」
ガヴリール「いいだろう、なってやるよ、お前の妹にな!」
ヴィーネ「私の妹になるためのルールを説明します、まず、私の事をお姉ちゃんって呼ぶこと」
ガヴリール「はい、お姉ちゃん」
ヴィーネ「……っ…!」キュンッ
ヴィーネ「つ、次に妹ルールを書いたノートをガヴちゃんに渡します一通り目を通すように!」スッ
ガヴリール「えっと、なになに…」パラッ
1*私の事はお姉ちゃんと呼ぶこと(ヴィーネお姉ちゃんでも可)
2*私はあなたの事をガヴちゃんと呼びます、これを容認すること
3*お風呂は一緒に入ります、無論、寝るときも同じベッドで寝ます
4*あとは自然体のままでいてください、そのままのガヴが一番素敵!
5*以上の事に同意した場合、空白の欄にサインを書いてください
ガヴリール「……まぁ許容範囲だな」
【ヴィーネ宅】
ガヴリール「じゃあ今日一日よろしくな、お姉ちゃん」
ヴィーネ「よろしくね、でも今の挨拶、何か一つ間違いがありませんか?」
ガヴリール「は?なにが?」
ヴィーネ「…」ピーッ
ヴィーネ「妹違反です」
ガヴリール「おいおい、なんだよそれ聞いてないぞ」
ヴィーネ「姉と妹、それすなわち姉のが立場が上、それくらいはわかるでしょう?」
ガヴリール「まぁ、そうだな」
ヴィーネ「つまりそういうことよ、敬語を使えとは言わないわ、ガヴちゃんには妹らしい言葉遣いをしてもらいます」
ガヴリール「わ、わかったよ……ごめんね?お姉ちゃん…」シュン
ヴィーネ「…………っ!!」キュンッキュンッキュンッ‼
ガヴリール(ノートにこんなこと書いてなかっただろ!何がそのままでいいだよ!!)
ヴィーネ(生意気な妹の言葉遣いを正す、一回やってみたかったのよねー)
ガヴリール「お姉ちゃん、今日は何するの?」
ヴィーネ「そうね、せっかくガヴちゃんも一緒だし、遊びにいこっか?」
ガヴリール「やったー!お姉ちゃんと遊びにいくの大好きー!」
ヴィーネ「………………っ!!!!」キュンッ
ガヴリール(ヘドが出るわ、何言ってんだ私)
ヴィーネ「そ、そうね!お姉ちゃんもガヴちゃんと遊びに行くのすきよ?……えへへ」
ヴィーネ「ほら、じゃあおてて繋ごっか?」ニコッ
ガヴリール(私、何歳の設定なんだ!?)
……
「ふふ、微笑ましいわねー」
「姉妹かしら…?」
ヴィーネ「~♪」テクテク
ガヴリール「う、うぅ…」カァァァ
ガヴリール(なんだよこれ!!恥ずかしすぎるだろ!!ヴィーネのやつはなんで平気なんだ!?)
ヴィーネ「ほらガヴちゃん、お肉が安いわよ?今晩はガヴちゃんが好きなもの食べさせてあげる!」
ガヴリール「う、うん!お姉ちゃんの料理楽しみ!」
ガヴリール(や、やばい!こんなところ学校のやつらに見られたら…)
サターニャ「あら、ガヴリールとヴィネット…?」
ガヴリール「」
サターニャ「なに?なんで手を繋いでんの?」
ヴィーネ「今二人で買い物してたのよ、ねぇーガヴちゃん?」ニコッ
ガヴリール「う、うん…」
サターニャ「ガヴちゃん…?」
ガヴリール「ね、ねぇお姉ちゃん、あっちのほういかない?」グイ
サターニャ「…お姉ちゃん?」
ヴィーネ「せっかくサターニャに会ったんだし一緒に買い物しましょうよ」
サターニャ「…………ふぅぅーーん」ニヤッ
ガヴリール(こ、この状況で三人で買い物するのか!?絶対に嫌なんだけど!!)
…
サターニャ「なるほど、大悪魔であるサタニキア様は持ち前の頭脳で素早くこの状況を理解したわ!」
サターニャ「ズバリ、おままごとをしてたのね!?」
ガヴリール「そ、そうなんだよ~、罰ゲームでさぁ…」
ヴィーネ「違うわ」
ガヴリール「!?」
ヴィーネ「ガヴリールは私の妹になったの」
サターニャ「!?」
ヴィーネ「だから私の事をお姉ちゃんって呼ぶのは当然なのよ、ねぇガヴちゃん?」ニコッ
ガヴリール「う、うん…」
………
ヴィーネ「ほらガヴちゃん、ほっぺたにケチャップついてるわよ?」フキフキ
ガヴリール「うう、恥ずかしいよお姉ちゃん…」
ヴィーネ「あと、ピーマン残しちゃ駄目でしょ?好き嫌いする子は大きくなれないんだから…」
ガヴリール「ご、ごめんなさいお姉ちゃん…」シュン
ヴィーネ「……っ!そんな顔しないでガヴちゃん!お姉ちゃんも一緒に食べてあげるから…」
ガヴリール「えへへ、お姉ちゃんは優しいね……」
ヴィーネ「………………っ」キュンッ
サターニャ「………っ…」キュンッ
サターニャ「ね、ねぇガヴリール、私のからあげも食べる…?」
ガヴリール「え、いいのか?サターニャ」
ヴィーネ「…」ピーッ
ガヴリール「!?」
ヴィーネ「妹違反です、お姉ちゃんの友達には礼儀正しく」
ガヴリール「…………」
ガヴリール「いいの?サターニャお姉ちゃん…」
サターニャ「い、いいのよガヴリール!じゃんじゃん食べなさい!」スッ
ガヴリール「………………んむっ」モグモグ
ガヴリール「……おいひい」
サターニャ「っっっ…!」キュンッキュンッ‼
…
サターニャ「ほ、ほらガヴリール!なんでも頼みなさい!アイスでもパフェでもなんでもいいわよ!」
ガヴリール「いいの?」
サターニャ「いいわよ!好きなの頼んじゃっていいから!!」
ガヴリール「わーい!サターニャお姉ちゃんだいすきー!」ギュッ
サターニャ「んあぁぁっ…!!」キュンッキュンッ‼
ガヴリール(これ結構便利だな)
ヴィーネ「ちょっとサターニャ!あんまりガヴちゃんを甘やかさないでくれる?」
サターニャ「いいじゃない、美味しいもの食べさせてあげたほうがガヴリールも幸せに決まってるわ!」
ヴィーネ「ぐぬぬぬ……」
…
ガヴリール「今日は楽しかったー!サターニャお姉ちゃん、ありがとう!」フリフリ
サターニャ「も、もう帰っちゃうの…?」
ヴィーネ「ごめんねぇ~?ガヴちゃんは今日ウチにお泊まりするの~」
ヴィーネ「さ、おてて繋いで一緒に帰りましょ?」ギュッ
ガヴリール「うん!」
……
サターニャ「………………」
サターニャ「いいなぁ…」ボソッ
…
ヴィーネ「ガヴちゃぁ~ん、お風呂入れたわよー?」
ガヴリール「ほんとっ!?」
ガヴリール「お姉ちゃんと入るーっ!」ギュッ
ヴィーネ「もう、ガヴちゃんったら……でも嬉しいわ……!」キュンッ
ガヴリール(何が嬉しいだよ白々しい、ノートに書いてある通りやってるだけだよ)
ヴィーネ「お姉ちゃんと一緒にゴシゴシしよっか?」
ガヴリール「うん!」
……
カポーーーン
ガヴリール「おっふっろ、おっふっろ~♪」
ヴィーネ「ふふっ、ガヴちゃんったらはしゃいじゃって…」
ガヴリール(お前の趣向に合わせてやってんだよ)
ヴィーネ「じゃ、洗いっこしましょっか?」
ガヴリール「うん、私お姉ちゃんの背中流すー!」
ヴィーネ「ふふ、じゃあお願いね?」
ガヴリール「かゆいところはありませんかー?」ゴシゴシ
ヴィーネ「大丈夫よガヴちゃん、洗うの上手ねー」
ガヴリール「えへへー、お姉ちゃんが喜んでくれると私嬉しいなぁ」ニコッ
ヴィーネ「ああああああっ!!ああっ!!!」キュンッキュンッキュンッキュンッキュンッ
ガヴリール(うるせぇ…)
ヴィーネ「つ、次はガヴちゃんも洗ってあげるからね…?」ハァハァ
ガヴリール「ありがとー!お姉ちゃん!」
ガヴリール(普通に気持ち悪いんだけど)
………
ヴィィィィィィィィィン
ヴィーネ「ふふ、ガヴちゃんの髪の毛ってサラサラねー」
ガヴリール「お姉ちゃん、もういいよー…」
ヴィーネ「だめよ、ちゃんとドライヤーしないと中々乾かないんだから…」
ガヴリール「うううう、じゃあ我慢する…」
ヴィーネ「ふふふ、ガヴちゃんは偉いわね」クスッ
ガヴリール「えっへん!」
ガヴリール(もう少しで一日が終わるぞ、ここさえ乗り切ればあとは自由だ…!)
ガヴリール(最初の約束の報酬は焼き肉、それと今日の日当一万円、しっかりと払ってもらうぞ…!)
……【寝室】
ヴィーネ「ふふ、ガヴちゃん言い匂いがする…」スンスン
ガヴリール「く、くすぐったいよお姉ちゃん…」
ヴィーネ「んーー、顔埋めちゃおっ♪」グリグリ
ガヴリール「ちょ、そ、そういうのは本当に…」ビクッ
ヴィーネ「すーーーーー、はぁぁぁぁぁーーーーーー」
ヴィーネ「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
ヴィーネ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー」
ガヴリール(うっわ)
ガヴリール(眠れば、眠りさえすればこいつの妹は終わりだ)
ガヴリール(明日になったら朝一で金をを請求してやる、覚悟しておけよ…!)
ガヴリール「………………」
ヴィーネ「あれ、ガヴちゃんもしかして寝ちゃった?」
ヴィーネ「もぉ、もう少しお姉ちゃんにかまってよー」スリスリ
ガヴリール「………………っ」
ヴィーネ「こちょこちょ~」
ガヴリール「……………!?」ビクッ
ヴィーネ「うふふふ………」
…………
ヴィーネ「………………」スヤスヤ
ガヴリール「ね、寝たか……」ゼェゼエ
ガヴリール(散々おもちゃにされた、もう二度とこいつの妹なんてやってやるか…)
ヴィーネ「うふふ………ガヴちゃん…」ムニャムニャ
ガヴリール「…………」
ガヴリール(思えばサターニャのやつは優しかったな、なんというか、下心のない純粋な優しさが…)
ガヴリール(………いいことを思い付いたぞ…!)
………
ヴィーネ「おはようガヴちゃん、昨日は楽しかったわね」ニコッ
ガヴリール「だまれヴィーネ、茶番は終わりだ」
ヴィーネ「うっ」ビクッ
ガヴリール「とりあえず、金」
ヴィーネ「う、うん、今用意するわね…」ゴソゴソ
ヴィーネ「はい」スッ
ガヴリール「ん、一万円な、確かに受け取ったぞ」
ガヴリール「あと最初の約束も忘れるなよ、今日の晩飯はお前の奢りで」
ヴィーネ「そ、そういえばそんな約束もしてたわね…」
ガヴリール「とりあえず、先に学校行くから、また」スタスタ
ガチャッ
ヴィーネ「」
プルルルルルルル
サターニャ「ん?ガヴリールから電話ね…」ガチャッ
サターニャ「もしもし?」
『サ、サターニャお姉ちゃん?朝早くにごめんね…?』
サターニャ「う、ううん!全然いいのよ!今日はどうしたの?」
『私、次はサターニャお姉ちゃんのお家に行きたいなーって思って』
サターニャ「ほんと!?全然構わないわよ!いつでもきなさい!!」
『それでね?もし私がサターニャお姉ちゃんの妹になるとしたら、ほら、ね?』
『少しお小遣いが欲しいなー、なんて…』
サターニャ「………いくらほしいの?」
『一日1万5千円で、サターニャお姉ちゃんのこと大好きになっちゃうかも!』
サターニャ「………………」ゴクリ
…【学校】
ラフィエル「これは一体どういう…」
ヴィーネ「わ、私のガヴがサターニャに…」
ガヴリール「えへへー、サターニャお姉ちゃんだぁいすき!」スリスリ
サターニャ「も、もう…仕方ない子ね…」ナデナデ
ガヴリール「あのね?サターニャお姉ちゃん…」ギュッ
サターニャ「っ…なにかしら?」ドキッ
ガヴリール「こ、この手紙を読んでほしいの…」モジモジ
ガヴリール「恥ずかしいから、一人でいるときに読んでね…!」
……
サターニャ「……」キョロキョロ
サターニャ「よし、誰もいないわね…」
ペラッ
『妹ガヴちゃん、料金表!』
*本日はガヴちゃん妹券(一日分)のご購入ありがとう!今回はちょっとお金の話になるけど許してね?
*初回購入料金は1万5千円になってるけど、3回目以降の購入料金は2万円になっちゃうの!ガヴちゃんにも生活があるから、そこは許してね!
*でもでも、5回目以降の購入をしてくれた場合、お姉ちゃんの好きな服装で妹になってくる、コスプレサービス(5千円)が利用できるよ!(※日曜日は定休日です)
*もしもお姉ちゃんが本当に私の事が好きなら、また妹にしてくれるよね…?
サターニャ「コスプレサービス…」ゴクリ
……
サターニャ「これ、今日の分よ」スッ
ガヴリール「一万……五千……よし、ちゃんとあるね!」
ガヴリール「お姉ちゃんだぁいすき!またよろしくね!!」ギュッ
サターニャ「……!!」キュンッ
ガヴリール「次はいつ妹にしてくれるの…?」
サターニャ「ま、待ってなさい!仕送りが入ったらすぐに妹にしてあげるわ!!」
ガヴリール「わーい!お姉ちゃんだいすきー!」
サターニャ(バイト、探さなきゃ……)
ガヴリール(ふふ、ヴィーネのやつと違って面倒な縛りもないし、なんか色々奢ってくれるし、最高だな!)
ガヴリール(一応サターニャの仕送りまでの間に別の相手を探しておくか)
ガヴリール(ラフィエルは…ダメだな、あいつの妹になると何をされるかわからん)
ガヴリール(となるとタプリスか……)
……【天界】
プルルルルルルル
タプリス「電話?誰からでしょうか……」ガチャッ
タプリス「もしもし」
『タプリスか?私だ』
タプリス「て、天真先輩!?どうしたんですか!?」
『ごめんな、特に用事はないんだけどさ、なんか寂しくて……』
『迷惑……だったかな?』
タプリス「そんな事ないですよ!むしろ久しぶりに天真先輩の声が聞けて嬉しいくらいです!」
『ふふふ、タプリスは優しいな、ありがとう』
『本当は会って話がしたかったんだけどさ、タプリスも色々忙しいだろうしこっちに呼ぶのは迷惑かなーって思って…』
タプリス(天真先輩が私に会いたい!?これはきっと何か深刻な悩みがあるに違いありません!)
タプリス「全然大丈夫ですよ!今週中にはそっちに行けます!!」
……【ガヴリール宅】
タプリス「一体どうしたんですか!?天真先輩が私に会いたいだなんて…」
ガヴリール「ご、ごめんなタプリス、いきなり呼び出しちゃって…」
タプリス「いえ、天真先輩が困っているならどこへでも駆け付けますよ!」
ガヴリール「ふふ、頼もしいな……」
ギュッ
タプリス「………………!?!?」
タプリス「て、てんましぇんぱいっ!?な、な、なんでいきなり抱きついて……」
ガヴリール「ごめんな、最近一人で暮らしてると急に寂しくなってさ…」
ガヴリール「でも、タプリスの顔見たら落ち着いた、ありがとな」グスッ
タプリス(天真先輩が泣いてます…!後輩の前で涙を見せるなんて普段の先輩ならありえません…!)
タプリス(私がなんとかしてあげなくては!!)
………………
タプリス「天真先輩、悩みがあるなら私に話してください…」
ガヴリール「でも、こんなこと後輩のタプリスには……」
タプリス「私だって天使です、少しでも先輩の力になりたいんです!」
ガヴリール「タプリス………………」
ガヴリール「ありがとう、全て話すよ……」
………………
タプリス「悪魔に脅されてお金を要求されてる……?」
ガヴリール「そうなんだよ、それでどうしてもお金が必要で…」
タプリス「そ、そんなこと許されません!すぐにでも天界に報告して………」
ガヴリール「ま、待ってくれタプリス………!」
ガヴリール(えーーーっと………………)
ガヴリール「あ、あれだ!!人質を取られてるんだ!!」
タプリス「なっ………!?なんと卑劣な……!」
タプリス「許せません…………」ギリッ
ガヴリール「で、でも安心してくれタプリス!払えない金額じゃないんだ!」
ガヴリール「それに、お金を払って人質が開放されたのを確認すれば、すぐにでも天界に報告できる…!」
タプリス「な、なるほど……」
ガヴリール「そこで少し、タプリスに金銭的に援助してもらおうと思ったんだが、流石に後輩に頼む事じゃないと思ってな………」グスッ
タプリス「な、泣かないでください天真先輩!私も協力しますよ!!」
ガヴリール「ほ、本当か……?でもタプリスは下界のお金なんて…」
タプリス「これは緊急事態です!しばらくは下界で暮らしてアルバイトをします!!」
ガヴリール「…タプリス……!」
ガヴリール「だが、流石にただでお前からお金を貰うってわけにはいかない」
タプリス「い、いいんですよ先輩!命が掛かってるんです、お金で人質を開放できるなら……」
ガヴリール「それじゃ私の気がすまないんだ、だからタプリス、私にも協力させてくれ……」
タプリス「………協力?」
ギュッ
タプリス「………………!」ドキッ
ガヴリール「こ、こんなことしかできないけどさ、私だって天使だから、体を使って癒してあげることくらいはできる……」
タプリス「て、て、てててて、天真しぇんぱぃ……っ!?」ドキドキ
ガヴリール「も、もちろんえっちな意味じゃないぞ?でも、お前の望むことならある程度は聞いてあげるつもりだ……」
ガヴリール(これは中々の額が期待できそうだな)
………………
『ガヴリールセラピー(~天使の癒し~)』
*今回は私のためにわざわざ下界に降りてきてくれてありがとう、タプリスには感謝してもしきれない
*タプリスが下界で働いてお金を稼いでくれる、それなら私はお前を癒してやる、そういった気持ちで作ったのがこのシステムだ、まずはこの料金表を見てほしい
*ハグ(5千円)マッサージ(1万円)
*添い寝(1万円)コスプレ(1万五千円)
*コスプレハグ(1万8千円)コスプレ添い寝(2万円)
*料金はわりと良心的に設定させてもらった、全てお前のためだからな、私だってこのくらいの事はするさ
*下界でのアルバイト、大変だとは思うが頑張ってくれ、応援してるぞ!
(※定休日、日曜日)
………………
「胡桃沢さん、皿、洗っといて」
サターニャ「はーい!」シャカシャカ
「胡桃沢さーん、あっちのお客さんのオーダー聞いてきて!」
サターニャ「は、はーい!」アセアセ
…………
サターニャ「………ふぅ」
「おつかれさま、頑張ってるね!」
サターニャ「ありがとうございます!」
サターニャ(この日とこの日とこの日にバイトを入れて…………)
サターニャ(来週は一週間ガヴリールを妹にできるわ!)
……
タプリス「あと30件……」
タプリス「はぁ、新聞配達って思ったより大変なんですね…」
タプリス「午後からはファミレス、帰ったら内職…」
タプリス「大変ですが頑張ります!これも天真先輩のためですから!」
……
ガヴリール「………………」カチッ、カチッ
ガヴリール「ハズレばっかだな、もう5万ぶちこむか」カチッ
…
ヴィーネ「はぁ……」
ラフィエル「どうしたんですか?ヴィーネさん、私に相談とは珍しい…」
ヴィーネ「最近ガヴリールが冷たいのよ、まぁ、少し心当たりはあるんだけど…」
ラフィエル「ガヴちゃんと喧嘩したんですか?」
ヴィーネ「ううん、ちがうの、私が一方的に悪いんだけど…」
ラフィエル「何があったか、聞かせて貰えますか?」
ヴィーネ「実は…」
…
ラフィエル「ガヴちゃんを一日妹に…?」
ヴィーネ「そう、それもお金を払ってまで…」
ヴィーネ「あの日の私はどうかしてたのよ、私ってば最低だわ…」
ラフィエル「………………」
ラフィエル(ガヴちゃんはヴィーネさんの妹になってなにか不満があった、だからヴィーネさんに冷たくなったわけですね……)
ラフィエル(ですがおかしいです、この間ガヴちゃんにあった時はサターニャさんの事をお姉ちゃんって呼んでいたような…)
ラフィエル(まさかガヴちゃん、良からぬ事を考えているのでは…?)
………………
タプリス「て、天真先輩…っ!そこ、気持ちいいです…っ!」
ガヴリール「ふふ、痛かったら言えよ?」
タプリス「は、はひぃ………」ビクンッ
タプリス(天真先輩のぎこちないマッサージ、気持ちいいです…)
ガヴリール「なぁタプリス、この後添い寝してあげよっか?」
タプリス「えっ…!?で、でもお金が………」
ガヴリール「いいよいいよ、バイトで疲れてるだろ?半額にしてやるからさ…」
タプリス「じゃ、じゃあお願いします…」
タプリス(天真先輩、優しい…)
…
ガヴリール「ひさしぶり!お姉ちゃん!元気にしてた!?」ニコッ
サターニャ「ひ、ひさしぶりねガヴリール!」ドキッ
ガヴリール「ほら、早速遊びにいこっ!時間は待ってくれないよ!」ギュッ
サターニャ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!ガヴリール!」
サターニャ「もう、仕方ないんだから…」
ガヴリール「ふふふ…」
…
ガヴリール「な、なんてことだ………」
ガヴリール「1、10、100………」
ガヴリール「車が買える額だぞ、まさかここまで儲かるなんて……」
ガヴリール(これ全部サターニャとタプリスが稼いだんだよな…?)
ガヴリール(一体こんな額どうやって用意したんだよ…)
ガヴリール「……まぁいいか、流石にこの額を家に置いておくのは怖い、銀行に行くか…」
………
ガヴリール「…………」
ガヴリール「…………」キョロキョロ
ガヴリール(誰も見てないよな?誰も私の事見てないよな…?)
ガヴリール(ここにあるのは総額200万円、全部私のものだ…)
ガヴリール(誰にも渡すもんか!)
「君、ちょっといいかな?」
ガヴリール「!?」
ガヴリール「な、なんですかいきなり!あなた誰ですか!」アセアセ
ガヴリール(怪しい格好だな、警察ではなさそうだ…)
「私の思い違いならすみません、その鞄の中、大金が入っているのではないですか?」
ガヴリール「………………っ」
ガヴリール(わ、私を襲って金を奪うつもりか!?…ここは人通りがすくない、可能性としてはありえる!!)
ガヴリール(でも相手の声からすると女だ、全力で走れば私でも…)
「ふふ、逃げるなんて考えないでくださいね?ガヴちゃん…」
ガヴリール「………………!?」
ラフィエル「おひさしぶりですね、ガヴちゃん」バサッ
ガヴリール「な、ラ、ラフィエル!?なんでこんなところに…!」
ガヴリール「ていうか、なんで変装なんかしてたんだよ!」
ラフィエル「ふふ、この姿のままでは尾行ができないじゃないですか…」
ガヴリール「尾行……お前まさか…」
ラフィエル「そのまさかですよガヴちゃん、ヴィーネさんから聞きましたよ」
ガヴリール「ああ、あの事か、過ぎた事だ、ラフィエルには関係ない」
ラフィエル「ふふ、それはまだわからないですよ…?」
ラフィエル「今から答え合わせをしようとおもいます、まずはその鞄の中身、見せてください」
ガヴリール「………………っ」
ガヴリール「お、お前には関係ないだろ……」
ラフィエル「関係無いかどうかは中身を見て判断します」
ラフィエル「ガヴちゃんにやましいことがなければそれ、見てもいいですよね?」
ガヴリール「………………くっ」
ダッ
ラフィエル「逃がしませんっ!」ガシッ
ガヴリール「………かはっ…!」ドスンッ
ガヴリール(しまった!鞄が…!)
ラフィエル「ごめんなさい、勝手に見ちゃいますね」ジーッ
ガヴリール「まっ、まて!!」
…
ラフィエル「…凄い数のお札ですね、これは一体どうしたんですか?」
ガヴリール「な、なんだっていいだろ!返せよ!」バッ
ラフィエル「………………」ゲシッ
ガヴリール「いだっ……蹴ることないだろうが!!」
ラフィエル「黙りなさい」
ガヴリール「………っ」ビクッ
ラフィエル「あなたは最低です、サターニャさんの件はまだしも…」
ラフィエル「タプちゃんを騙してまで…っ」ギリッ
ガヴリール「なっ、なんでそれを…っ!?」
ラフィエル「昨日、タプちゃんから電話が掛かってきました、天真先輩が困っているから助けてほしい、と」
ガヴリール「………………っ」
ラフィエル「悪魔に脅されてお金を要求されている、人質がいるから手をだせない、よくもこんな嘘をつけたものですね…」
ガヴリール「ちっ………ちがっ…!」
ガヴリール「仕方なかったんだよ!金が、金が手に入るんだからっ!!」
ガヴリール「真面目に働くなんてアホのやることだっ!頭を使えばこんなにも簡単に稼げる!体力のない私にはもってこいじゃないか!」
ガヴリール「だ、大体元はと言えばヴィーネのやつが私をこんなにしたんだ!私に一万円であんなことさせて…っ!」
ガヴリール「入れ知恵なんだよ!悪魔の入れ知恵!!悪いのはヴィーネだ!!私じゃない!!」
ラフィエル「………………」
ラフィエル「………あなたからすれば簡単に手に入ったお金かもしれません、ですが…」
ラフィエル「それを稼ぐために働くサターニャさんとタプちゃんは、さぞ大変な思いをしたでしょうね…」
ガヴリール「………………っ」
ラフィエル「今回の件、私はあなたを許すことはできません」
ガヴリール「………………」
ラフィエル「もし、あなたに少しでも罪悪感が残っているのであれば」
ラフィエル「罪を正直に告白し、お二人にお金を返してあげてください」
ラフィエル「私からは以上です」
ガヴリール「………………」
……【ガヴリール宅】
サターニャ「ガヴリール、上がるわよー………げっ」
タプリス「く、胡桃沢先輩!?どうしてこんなところに…!?」
サターニャ「それはこっちの台詞よ!なんであんたがガヴリールの家に…!」
サターニャ「ちょっと、説明しなさいよガヴリール!!」
ガヴリール「………………」
タプリス「天真先輩…?」
ガヴリール「……今日は二人に話したいことがあるんだ」
サターニャ「………」
ガヴリール「………………」スッ
サターニャ「なにこれ…………お金?」
サターニャ「なんでこんな大金…」
ガヴリール「サターニャから貰ったお金は全部で85万円、ここにあるのは70万円だ…」
ガヴリール「15万円は使った、ごめんな」
サターニャ「………………?」
ガヴリール「タプリスに貰ったお金は全部で160万円、ここにあるのは130万円…」スッ
ガヴリール「30万円は使った、ごめん」
タプリス「て、天真先輩…?なんで返すんですか…?」
ガヴリール「本当にごめん」ペコッ
ガヴリール「タプリスに言ったあれ、全部嘘なんだ、お金なんて要求されてないし、人質もいない」
ガヴリール「サターニャ、お前の好意につけこんで汚い商売をしてしまった、本当に申し訳ない」
サターニャ「べ、べつに私は好きで払っただけだし、返さなくても…」
ガヴリール「いいから」
ガヴリール「そして、タプリス……」
タプリス「……ひぐっ……ぐすぅ……」ポロポロ
ガヴリール「本当に、本当にごめんな」
ガヴリール「私はお前を騙した、これは間違いない」
タプリス「よかった………よかったです………っ」ポロポロ
ガヴリール「……え?」
タプリス「天真先輩は困ってなかったんですね……それに人質もいなかった……っ…」ポロポロ
タプリス「本当に良かったです………っ…」グスッ
ガヴリール「………………」
サターニャ「……なんとなく事情はわかったわ、ガヴリール」
ガヴリール「………………」
サターニャ「歯を食いしばりなさい」
ガヴリール「……………」ギリッ
バチンッ‼
タプリス「て、天真先輩!?」
サターニャ「いい後輩を持ったのね、ガヴリール、あんたには勿体ないわ」
ガヴリール「…………返す言葉もない」ヒリヒリ
サターニャ「勿論、私の事で怒っているわけではないわ」
サターニャ「それも、わかってるでしょ?」
ガヴリール「…………あぁ」
タプリス「く、胡桃沢先輩!なにもぶたなくてもいいじゃないですか………!」
タプリス「大丈夫ですか?天真先輩…!」
ガヴリール「…………あぁ…」グスッ
ガヴリール「ごめん……っ……ごめんな……っ」ポロポロ
……
サターニャ「私の分のお金、使ってしまった15万円、それはそいつに渡してあげなさい」
タプリス「も、貰えませんよそんな大金!」
サターニャ「あなたが使ってしまった45万円、しっかり稼いで返す義務があるわ、ガヴリール」
ガヴリール「あぁ、私が使ってしまったからな」
タプリス「いいんですよ天真先輩!!そんなお金返さなくても…!」
ガヴリール「お前さ、寝てないだろ」
タプリス「…えっ」
ガヴリール「目の下、クマができてるぞ」
タプリス「………………」
ガヴリール「それにあっちの学校ほっぽりだして2ヶ月も下界に来てるんだ、これ以上ここにいちゃ不味いだろ」
タプリス「…はい」
ガヴリール「お金は必ず返す、これは私の責任だ、だからもうアルバイトはしなくていい」
ガヴリール「本当にごめん、私は先輩失格だ」
タプリス「そ、そんなことないですよ!ほら、こうやって正直に全部話してくれたじゃないですか…!」
ガヴリール「ラフィエルがいたからな、私一人じゃこのままお金を返すこともなかっただろう…」
タプリス「…………」
ガヴリール「せめてもの償いだ、タプリスが下界に長居した理由、私が天界に報告しようとおもう」
タプリス「………っ!それじゃ天真先輩が…っ!」
サターニャ「………………」スッ
タプリス「胡桃沢先輩………?」
サターニャ「好きにさせてやりなさい」
タプリス「…でも!」
サターニャ「あいつが罪を償わない限り、私はガヴリールを友人として見ることはできないわ、だから、ね?」
タプリス「………………はい」
……【学校】
ガヴリール「…………」
ガヴリール(あれから私は一週間に6日はバイトのシフトを入れている、マスターに事情を聞かれたが、流石に答えられなかった)
ガヴリール(お金を稼ぐってのは大変だった、サターニャはともかく、タプリスは一体どうやってあそこまでの大金を稼いだのか、少し想像はついたけど怖くなったので考えるのをやめた)
ガヴリール(どのみち後から私は天界で裁かれる事になるだろう、主席ということもあって追放まではされないだろうが…)
ガヴリール「………」
ラフィエル「ガ~ヴちゃん」ギュッ
ガヴリール「うぉっ………!?」
ラフィエル「一緒にお昼、食べましょう?」ニコッ
ガヴリール「ラフィエル………なんで……」
サターニャ「私もいるわよ!」
ヴィーネ「ガ、ガヴリール、この間はごめんね………?」
ガヴリール「サターニャ……ヴィーネまで……」
ラフィエル「色々と考え事があるとは思いますが、まずは私達にも相談してください」
ラフィエル「どんなことがあっても、友達は友達ですから」
ガヴリール「ラフィエル……」グスッ
ガヴリール「ありがとな……」
完