タプリス「ま、また負けてしまいました…」
サターニャ「ふっ、あんたのような天使が私に勝とうなんて100年早いのよ!」
タプリス「次こそは絶対私が勝ってみせます!」
サターニャ「何度やっても同じ結果だと思うわよ」
タプリス「むー、この悪魔~!」
たったったっ・・・
タプリス「あうっ」ビターン
サターニャ「」ビクッ
ラフィエル「あらあら~」
元スレ
タプリス「ドジっ子属性で天真先輩を更生させます」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490195799/
タプリス「う~」グスッ
ラフィエル「大丈夫ですか?タプちゃん」
タプリス「白羽先輩…」
サターニャ「もー、なにやってんのよ、何もないところで転ぶなんて」
タプリス(うぅ…悪魔に失態をさらしてしまいました・・・)
サターニャ「あんたってかなり抜けたところあるわよね」
ラフィエル「ドジっ子ってやつですね、そこがタプちゃんの可愛いところではあるんですが」
サターニャ「仮にもこの私に挑戦しに来る立場なんだからもっとちゃんとしなさいよね」
タプリス「む~ …でも、悔しいけどそのとおりですね…」
タプリス「これでは天真先輩を更生させることもできません…」
ラフィエル「うーん、そうでしょうか?」
タプリス「え?」
ラフィエル「タプちゃんのドジっ子属性ならガヴちゃんも動かせるんじゃないかと思いますよ」
サターニャ「? なんでよ」
ラフィエル「まず、天界ではガヴちゃんはタプちゃんを可愛がってくれましたよね」
タプリス「はいっ、あの頃の先輩には非常にお世話になりました」
ラフィエル「次に、タプちゃんは昔からドジっ子属性持ちでしたね?」
タプリス「う…はい、多分…」
ラフィエル「タプちゃんのちょっと抜けてるところに、ガヴちゃんの母性みたいなものが反応したところもあると思うんです」
ラフィエル「つまり、ガヴちゃんと接する時に遺憾なくドジっ子っぷりを発揮すれば、少しは昔を思い出して丸くなってくれるんじゃないかな、と」
サターニャ「うーん、あのガヴリールがそんなことで変わるかしら…」
タプリス「し、白羽先輩天才です!そんな作戦を思いつくとは!」
サターニャ「えー…」
タプリス「早速実践したいと思います!白羽先輩ありがとうございました!」
ラフィエル「いえいえ、ガヴちゃんのためでもありますから」
タプリス「胡桃沢先輩、次勝負するときは絶対負けませんよ! なぜなら次からは天真先輩が味方についてくれてるはずですから!」
サターニャ「ああ…まあ頑張りなさいよ」
タプリス「それではお先に失礼します!」
サターニャ「ねえ、本気でガヴリールが変わると思う?」
ラフィエル「まああのガヴちゃんですからね、実際そんなに影響はないと思います」
サターニャ「やっぱり… また『面白そうだったから』なわけ?」
ラフィエル「ふふ、バレてしまいましたか」
サターニャ「全く… あんた本当に天使なのかしら… 後輩までだますなんて」
ラフィエル「だますなんて人聞きが悪いですねサターニャさん、正しい方向へ導いてるだけですよ」
サターニャ「あんたの正しい方向って一体どっちなのよ…」
翌朝 通学路
ヴィーネ「おはようガヴ、今日は寝坊しなかったのね」
ガヴリール「おー…、私だって毎日ネトゲばっかしてるわけじゃないしな」
ヴィーネ「あ、そうなの?」
ガヴリール(昨日たまたまメンテが入ったからな)
タプリス(あれに見えるは天真先輩に月乃瀬先輩!)
タプリス(白羽先輩の助言、早速実行したいと思います!)
タプリス「天真先輩!月乃瀬先輩!」
ヴィーネ「あ、タプちゃんも来たわ」
ガヴリール「ん」
タプリス(天真先輩が気づきました!)
タプリス(最初の作戦は、何もないところで転ぶ!)
タプリス「おはようございまあーっ!?」ビターン
ヴィーネ「わっ、タプちゃん大丈夫!?」
ガヴリール「ちょっ、派手にやったな」
タプリス「いたた…」
ヴィーネ「大丈夫?どこかケガはない?絆創膏ならあるけど…」
タプリス「えーと、大丈夫みたいです」
ヴィーネ「本当?どこか痛かったらすぐ言ってね?」
タプリス「ありがとうございます、月乃瀬先輩」
タプリス(やっぱり月乃瀬先輩は天使のような方ですね…)
ガヴリール「怪我がなくてよかったよ 気をつけろよ、タプリス」
タプリス「…えへへ、すみません」
ガヴリール「じゃあ学校行こうぜ」
ヴィーネ「そうね」
タプリス「はいです」
タプリス(天真先輩も私のことを気にかけてくれましたし掴みはオッケーでしょうか)
タプリス(次の作戦に移りましょう!)
放課後
タプリス「ここが天真先輩の働いてる喫茶店…」
ガヴリール「へいらっしゃい…ってタプリスか」
タプリス「えへへ、来ちゃいました」
ガヴリール「ん…まあいいや、適当なとこ座って」
タプリス「はいです」
タプリス(やっぱり先輩のウェイトレス姿…イイですね…)
ガヴリール「ご注文は?」
タプリス「あ、えーと、ブレンドコーヒーで」
ガヴリール「へい」
マスター「ブレンドコーヒーかい?実は私はブレンドコーヒーには自信が(ry」
ガヴリール「へいお待ち」
タプリス「ありがとうございます」
タプリス(さて、ここでの作戦は…コーヒーをこぼしちゃう!)
タプリス(…のはちょっとやりすぎな気がします。お店や服も汚れてしまいますし)
タプリス(うーん、どうしましょう…)
カランカラン…
サターニャ「ガヴリール!今日も来てあげたわよ!」
ガヴリール「げっ、お前も来たのか…」
サターニャ「何嫌そうな顔してんのよ!あとお前もって何よ」
ガヴリール「いや、あそこ」
サターニャ「ん?あー…」
ガヴリール「どうした?」
サターニャ「別になんでもないわよ、とりあえずコーヒー持って来なさい!」
ガヴリール「命令すんな」
サターニャ(あの天使…ラフィエルに言われたことやりに来てるのかしら…ずっとコーヒーとにらめっこしてるようだけど)
タプリス(そういえば私コーヒーって飲むの初めてなんですよね、とりあえず飲んで落ち着いてから考えましょう)ズズッ…
タプリス「あつっ!にがっ!?」
サターニャ「」ビクッ
タプリス「あわわ… お、お水を…」
ガヴリール「あーはいはい」スッ
タプリス「あ、ありがとうございます…!」ゴクゴク
タプリス「コーヒーってこんなに苦かったんですね…」
ガヴリール「なんだ、お前コーヒー飲んだことなかったのか」
タプリス「うう…すみません…」
ガヴリール「いや、別に謝る必要はないが…」
ガヴリール「コーヒーは砂糖とかミルクを入れると丁度よくなるらしい。私はほとんど飲まないが」
タプリス「そうなんですか…それでは」
タプリス「あっ、ちょっと飲みやすくなったかもです」
ガヴリール「そうか」
タプリス「先輩、ありがとうございます!」
ガヴリール「ん…それ飲んだらとっとと帰れよ」
タプリス「えー」
ガヴリール「えーじゃねーよ ていうかあんまここにいても意味ないだろ」
タプリス「じゃあ…今日先輩の家に泊めてくれるなら今は帰ります」
ガヴリール「はー?泊まり?」
タプリス「そうです! 晩御飯とか作りますよ」
ガヴリール「それはありがたいが…お前、料理できたっけ」
タプリス「うっ…」
ガヴリール「…まあ、いいよ お前が私の家でいいって言うんなら」
タプリス「本当ですか!」
ガヴリール「ああ」
タプリス「ごちそうさまでした!」
タプリス「じゃあ先輩、お仕事が終わったら連絡くださいね」
ガヴリール「わかったわかった」
タプリス「それではまた後ほど!」
スタスタ…
ゴンッ
タプリス「うぅ~」(ドアに頭ぶつけた)
ガヴリール「…」
サターニャ「…」
サターニャ「ガヴリール~、あんた意外と後輩想いのとこあるじゃない」
ガヴリール「あー?なんだまだいたのかお前」
サターニャ「まだいたのかじゃないでしょ!頼んだコーヒーずっと来てないんだけど!?」
ガヴリール「もう遅いしいいだろ」
サターニャ「よくないわよ!」
夜
ピンポーン
タプリス「天真先輩、タプリスです」
ガヴリール「おー、鍵開いてるから勝手に入れ」
タプリス「おじゃまします…」
タプリス(お部屋は相変わらずなんですね…)
ガヴリール「適当にしてていいから」
タプリス「は、はい」
タプリス「って違います!今日こそは先輩を更生しに来たんです!」
タプリス「ちゃんと作戦だってあるんですよ!」
ガヴリール「はあ」
ガヴリール「作戦って?」
タプリス「それはですね…」
タプリス(あれ?これって言っちゃっていいんでしょうか、ていうかそもそもドジっ子属性?とかいうのがそんなにアピールできてないような気もします…)
タプリス「えーと…」
ガヴリール「ノープランかよ」
タプリス「えっと、ば、晩御飯にしませんか!?先輩!」
ガヴリール「話題そらしてきたな…まあいいけど 作ってくれるんだっけ?」
タプリス「はい!一生懸命頑張ります!キッチン使ってもいいですか?」
ガヴリール「ああ で、何作るの?」
タプリス「親子丼でも作ろうかと」
ガヴリール「ふーん」
「えーと、まずは鶏肉を切って… うー、上手く切れません…」
「次はたまねぎを切る… め、目に染みます…!」
「中火?強火? どうすればいいんでしょう…」
ガヴリール「…」
ガヴリール「タプリス」
タプリス「せ、先輩… だ、大丈夫です!必ずおいしい親子丼を…」
ガヴリール「あんま無理するなよ」
ガヴリール「私は最近調理部に入ったんだ(私は作らないけど)」
ガヴリール「そこで親子丼も作ってもらったことがある」
ガヴリール「だから親子丼の作り方くらいは私も知っている」
タプリス「それじゃあ… 私の料理、やっぱりダメですか…」
ガヴリール「まあそのまま作り続ければ間違いなくダメになるだろうな」
タプリス「うっ」
ガヴリール「だからさ、私も手伝うよ」
ガヴリール「二人で頑張れば少しはマシなものになるだろ」
タプリス「天真先輩…」
タプリス「で、できました…」
ガヴリール「よし、じゃあ食べるか」
タプガヴ「いただきます」
ガヴリール「…」モグモグ
タプリス「ど、どうですか…?」
ガヴリール「…うまいよ、まあまあな」
タプリス「ほ、本当ですか!」
ガヴリール「ああ、お前も食べろよ」
タプリス「はいっ …おいしいです!」
ガヴリール「よかったな」
ガヴリール「…あのさ」
タプリス「はい」
ガヴリール「タプリスはさ、あんまヴィーネみたいに私の世話とか、しないでもいいからな」
ガヴリール「あー、いや、タプリスの気遣いが余計とか言うんじゃなくて」
ガヴリール「お前は後輩だし、天界からの付き合いだ」
ガヴリール「あの頃と違う私に会って、幻滅したかもしれない それでもお前はこうして私についてきてくれる」
ガヴリール「まあ、私が頼りないのが悪いんだろうが、私の世話をするんじゃなくて
逆にたまには私を頼りにしてくれてもいいんだ」
ガヴリール「まあ、なんだ… 私も少しはちゃんとするよう努力するよ だからたまには私を頼れ」
ガヴリール「お前は大事な私の後輩だからな」
タプリス「て、天真先輩…!」
ガヴリール「ちょっとだけな、ちょっとだけ」
タプリス「ごちそうさまでした」
ガヴリール「ふー、ごちそうさま」
タプリス「食器は私が洗いますね」
ガヴリール「自分のは自分で洗うぞ?」
タプリス「いいんです、やらせてください これくらいは一人でもできますから!」
ガヴリール「そうか、じゃあ頼むわ」
タプリス(…)
タプリス(天真先輩が駄天してしまって、最初はすごくショックでした)
タプリス(あの頃の天真先輩はいなくなってしまったのだと、あの頃私に見せてくれた優しさもなくなってしまったのかと)
タプリス(でも、駄天しても心の奥にある優しさはなくなっていませんでした)
タプリス(色々変わってしまったところはあるけど、天真先輩はやっぱり私の大好きな天真先輩のままでした)
タプリス(ドジっ子アピールとか、そんなものは必要なかったんですね)
タプリス「ふう…お皿洗い終わりました!」
お皿「」ツルッ
ガシャン
タプリス「」
ガヴリール「あー」
次の日
ヴィーネ「おはよう、ガヴ あら、タプちゃんも一緒ね」
ガヴリール「おー」
タプリス「おはようございます月乃瀬先輩! 実は昨日天真先輩のお部屋に泊まらせていただいたんです!」
ヴィーネ「へー、そうなの それでなのね」
タプリス「えへへ…」
ヴィーネ「ガヴ、タプちゃんすごく嬉しそうだけど何かあったの?」
ガヴリール「さあな」
タプリス「~♪」
ラフィエル「皆さんおはようございます~」
ガヴリール「おーす」
ヴィーネ「おはよう、ラフィ」
タプリス「おはようございます、白羽先輩!」
ガヴリール「…タプリス、あんまくっつくなよ」
タプリス「いやですっ」
ラフィエル「あらあら~」
ラフィエル(よかったですね、タプちゃん)
ラフィエル「どうですか?タプちゃんは結局正しい方向へ進めたようですね」
サターニャ「…ま、そういうことにしておくわ」
おわり
40 : 以下、\... - 2017/03/23 01:03:32.966 vvx2zjgA0.net 30/30支援、保守してくれた人ありがとう
ドジっ子がどうの言ってたけど最終的に普通のタプガヴになっちゃいました