【ガルパン】ダージリン「これが私の料理道!!」【前編】
海苔のつまみ編
カエサル「ふ~やっと開放されたな」
エルヴィン「門佐が口を滑らせたからだぞ」
左衛門佐「すまんすまん、でも罪の重さで言えば他の者のほうが重いぞ」
おりょう「まあまあ、喧嘩はやめるぜえよ」
左衛門佐「しかし、少し腹が空いたな」
エルヴィン「半日近く軟禁されて叱責を受けていたからなあ」
おりょう「仕方ない、軽く作ってやるぜよ」
左衛門佐「流石はおりょう、頼りになる」
おりょう「それにしても何もない冷蔵庫ぜよ」ガサゴソ
カエサル「そう言えばお中元でノリを貰ったな、あれは使えないか?」
おりょう「よし、ちょっと待ってるぜよ」
おりょう「さて、まずは佃煮を作るぜよ。醤油、砂糖、味醂を3:1:1で混ぜてっと、焼き海苔はちぎってふやかしながら煮こむぜよ」
おりょう「あとは調味料を入れて煮詰めれば完成だな」クツクツ
おりょう「さて次はっと、おお、ほうれん草ぜよそれにえのきも、これで磯和えにするぜよ」
おりょう「まずはほうれん草とえのきを切ってさっと茹でる。水に落としてよく絞ってっと」ギュウウウウ
おりょう「めんつゆでも良いけど切らしているから醤油と砂糖でいくぜよ、だしの素をちょっと入れて味を見ながらさっくり混ぜる。こんなもんぜよ、後はもみ海苔をたっぷりと入れて混ぜれば磯和えぜよ」
おりょう「後はそうぜよねえ、おお、こんな立派な長芋が磯辺焼きにするぜよ」
おりょう「長芋をすりおろしてっと、今日は片栗粉を入れて粘りを強くするぜよ、なければ小麦粉でも大丈夫ぜよ」
おりょう「よーく練ったら海苔で挟んで、フライパンに油を引いて焼くぜよ」ジュウウウウウウウ
おりょう「味付けは醤油でいくか、醤油と砂糖を2:1ここにごま油をひとたらし照りを出すために味醂もちょっと、こいつを流し込んで絡めながら焼きば完成ぜよ」
おりょう「佃煮もいい感じぜよ、半分は茶漬けに、半分は冷奴にするぜよ、叩いた梅と鰹節をたっぷり入れて練るぜよ、後は豆腐に乗せれば。海苔奴ぜよ、好みでネギを掛けるぜよ」パラパラ
おりょう「もう一品ぐらいいくか、あいつら肉か魚を出さないといつも怒るからなあ、よしこの冷凍のまぐろのたたきを使うぜよ」
おりょう「凍ったまま四角柱に切るぜよ、これにのりを巻いて、天麩羅の衣をくぐらせてさっと表面がカリッとするだけ揚げるぜよ」
おりょう「みんな~出来たぜよ~」
左衛門佐「待ちかねたぞおりょう」ドズン
エルヴィン「うまそうな匂いだな」
カエサル「おお海苔づくしだな」
おりょう「まずこれが磯会えぜよ、ほうれん草とえのきのお浸しにのりが入ったものぜよ」
パクパクパク
左衛門佐「おお、この海苔のお浸しと海苔がお浸しの汁を吸ってヘニャっとなった所が良いな」
カエサル「海苔の香りが本当に磯の香りのようだな」モグモグ
左衛門佐「おりょう、まだ開けてないお米ジュースがあっただろう、あれを出そう」
エルヴィン「いいな、ライスワインは私も好きだぞ」ガヤガヤ
カエサル「今日は少し冷えるから、燗でいくか」ワイワイ
おりょう「燗を作るのは面倒くさいんだぞまったく、そう言えば錫のタンポがあったはずぜよ、あれなら早いし、楽ぜよ」
エルヴィン「なんだタンポって?」
左衛門佐「取手のついた燗器だな、口が広いから酒も入れやすいし、錫だから熱伝導も良い、味も良くなるそうだぞ」
おりょう「燗もできたぜよ」トクトクトク
左衛門佐「お米のジュースと磯会えがなんとも言えんな」カーーー
エルヴィン「魚介なんて入ってないのに海を感じるな」パクパク
おりょう「次は海苔奴ぜよ、味は付いているからそのまま食べるぜよ」
カエサル「醤油の代わりに佃煮が乗っているのか パクッ く~この酸味は梅だな、さっぱりしていて豆腐と合うな」
エルヴィン「後から鼻を抜ける海苔とカツオの磯の香りも良いな」パク
左衛門佐「その香りが抜けないうちにこいつをやると」グビ
左衛門佐「んん~たまらんな。おりょうは食べんのか?」
おりょう「こいつが出来たらいくぜよ、叩いたマグロの天ぷらぜよ」
エルヴィン「叩きを海苔で巻いたのか、パクリ んん~中がまだ生の叩きだ」パクパク
左衛門佐「面白いな、表面はパリパリの海苔の天ぷらで中はとろっとしたマグロのミンチなのか」
カエサル「これもお米のジュースが進むな、天つゆもいいが、やはりここは塩だな」パラパラ パクリ
おりょう「どうぜよ少しは満足したか?」
左衛門佐「ああ、旨い肴に酒文句無しだな」
エルヴィン「んん~だが小腹がすいているな、なにか〆的なものがほしいな」
おりょう「そう言うと思って、茶漬けを用意しておいたぞ、海苔の佃煮茶漬けぜよ」
左衛門佐「なんとも言えない照りだな、紫のような黒のような綺麗な光沢だ」
おりょう「ささ、お茶を掛けるぜよ」
ズズズ ズズ
エルヴィン「ふう~やっぱり〆はこれだな」
カエサル「海苔の佃煮も旨いな」
おりょう「まだ残りが瓶に入れてあるぜよ、また今度食べると良いぜよ」
エルヴィン「トーストにも合うらしいぞ」
おりょう「んん~それは遠慮したいぜよ」
左衛門佐「さて喰った食った、風呂にでも入って寝るとするか」ガタ
カエサル「私はもう少しローマ史を研究しようかな」
エルヴィン「そうか、じゃあ私もドイツ陸軍の防御ドクトリンの変遷を追ってみるかな」
おりょう「まったく・・・少しは片付けも手伝うぜよ、そんなんじゃもう作ってやらんぜよ?」
左衛門佐「お皿は私が洗うぞ」テキペキ
カエサル「ここのお皿は整理して持っていく、その後はすすぎと吹上だな」テキパキ
エルヴィン「お疲れでしたおりょうさん、ささ、肩をおモミしますよ」モミモミ
おりょう「ふふふ、たまにはこういうのも悪くないぜよ」コキコキ
カサカサカサ
オレンジペコ「ダージリン様、距離50mほどですね、もう少し近づかれますか?」ヒソヒソ
ダージリン「もう少し近づきますわ、有効射程距離までもう少しです。幸い、向こうもまだ気づいていませんわ」ソソソソ
ダージリン「いきますわよ」カチャ
スゥゥゥゥゥゥ カチリ
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パーーーーーーーン
バサバサバサ
オレンジペコ「命中ですねダージリン様」
ダージリン「ええ、上手くいきましたわ。ローズヒップ、ゴー!!」
ローズヒップ「了解ですわダージリン様」ダダダダ
絹代「それがこの鹿というわけですか」
ダージリン「ええ、鹿撃ちはイギリス紳士の嗜みですわ」
福田「それで本日はそのような出で立ちなのでありますね」
ダージリン「ええ、イギリスの伝統的なハンティングスタイルですのよ」
絹代「ウールのジャケットにニッカーズとアーガイルチェックのハイソックスがよくお似合いですよ」
ダージリン「ありがとうございますわ」
福田「この帽子はホームズが被っているやつでありますね」
オレンジペコ「それは鹿撃ち帽です、銃を使わない時はそうして横の耳あてをリボンで縛って上にあげておくんです」
絹代「ところでそうしてまたうちに?」
ダージリン「いつもお世話になっていますから、そのお返しにと思いまして鹿のお裾分けに来たんですの」
絹代「いやあ、それは気を使っていただいてありがとうございます」ペコ
ダージリン「気になさらないで、いつもお世話になっているのはこちらなんですから」
絹代「ありがとうございました、またお返しに伺います」
ダージリン「楽しみにしていますわ、ではごきげんよう」
福田「隊長殿、この肉はどの部分なのでありますか?」
絹代「これは前足、肩肉の部分だな。いつも動く部位だから美味しいぞ」
福田「なるほど、肩肉でありますか、ですが肩肉だと筋が複雑に入っているので煮込み料理しかないでありますか?」
絹代「そんなことはないぞ福田。よし、今日は鹿料理を作ろう」
福田「やったであります」
絹代「まずは鹿のローストを作ろう」
福田「ローストというと焼くのでありますか?」
絹代「ああ、ローストベニソンと言って欧州では伝統的な食べ方だそうだ、普通はもも肉でやるが肩でも十分美味しいぞ」
福田「それは楽しみであります」
絹代「まずは下ごしらえだな、今日は肩肉だから筋切りをしよう。ミートソフターがあると簡単だが、ないなら竹串でも出来るぞ」
福田「刃がたくさん付いているでありますね」
絹代「これで筋が切れて柔らかくなるんだ、次は味付けだな、今日はシンプルに塩コショウで行こう」
絹代「しっかりと振って揉み込んだら、塊のまま表面をフライパンで焼くぞ」ジュウウウウウウウウ
福田「美味しそうであります」
絹代「こんなものだな、後はこれをジップロックに入れてオリーブオイルとワインを少し、後は匂い消しにしゅうがを入れて空気を抜くんだ」
福田「もう良いんでありますか?全然火が通ってないでありますよ?」
絹代「今日は低温調理で仕上げるぞ、このまま袋ごと茹でるんだ75~80℃で20分煮るぞ」
福田「そんな調理法があったんでありますか?驚きであります」
絹代「柔らかく鹿独特の香りを楽しむ調理法だそうだ、赤い肉は赤く、白い肉は白くというのが欧州の考え方だそうだ」
福田「鹿肉は赤いので赤身を残して調理するでありますね」
絹代「そうだ、でも野生の鹿は病気が怖いからな、オーブンだと生焼けになることもあるが、その点低温調理なら中までしっかり火が通るからな」
絹代「鹿肉が68℃になるのがベストだな、火加減や時間は大きさによっても変わるから注意するんだぞ」
絹代「よし今日はもう一品作ろう、今度は竜田揚げだ」
福田「鹿の竜田揚げでありますか?」
絹代「ああ、揚げることで臭みも抜けるし、柔らかくなるからな」
絹代「今日はこれを使って肉を柔らかくするぞ」
福田「何でありますかこれは?」
絹代「これは塩麹だ!!一口大に肉を切ったらこれを肉に刷り込んで1時間ほど休ませるんだ」
福田「これで肉が柔らかくなるんでありますね」
絹代「下味は醤油と酒、じょうがだな。よく揉み込んでっと」
福田「揚げ油の準備も出来たであります」
絹代「じゃあ、片栗粉をまぶして揚げていくぞ」ジュウウウウ パチパチパチ
福田「この醤油が揚がる香りがたまらないであります」クンクン
絹代「よし完成だな、福田みんなを連れて来い」
福田「了解であります!!」ダダダダ
玉田「おお、今日は肉の叩きでありますか、豪勢ですな」
細見「こっちは竜田揚げですな、いい香りでありますな」クンクン
福田「ダージリン殿から鹿肉を頂いたのだります。今日はローストベニエと言う料理であります」
玉田「らうすとべにえか美味そうだな」
絹代「本来はバルサミコソースやホースラディッシュで食べるんだがな、やはり我々にはこのわさび醤油だろ」
細見「赤い肉にわさびを乗せて醤油で食べる、最高ですな」パクパク
玉田「肉なのに柔らかいんだな」モグモグ
福田「しっかり筋切りをして低温調理で仕上げたからであります」エッヘン
細見「作ったのは西隊長だろ」コツン
福田「痛いであります」グス
絹代「まーまー。ささ、竜田揚げも美味しいぞ、冷めないうちに食べた食べた」サスサス ナデナデ
玉田「こっちも柔らかいな、醤油の香りも芳ばしくていいな」
細見「だがこの味はなんだろう・・・ふくよかでいて馴染み深いような・・・・」
絹代「それは塩麹の香りだな、肉を柔らかくするために入れたんだ」
細見「なるほど、麹の香りでしたか、旨いでありますな、ごはんにも酒の肴にもピッタリですね」
絹代「ダージリン殿からお土産にとイギリスのビヰルも頂いたぞ、みんなで飲もう」
玉田「竜田揚げの脂とビヰルも絶妙でありますな」グビグビ
絹代「ローストベニエにも合うな、いいものを貰ってしまったな、また何かお返しせねば」コク
細見「うん旨いなこれは。 グビグビ よし福田、何か芸をやれ」ハハハッ
福田「えええ!?自分がでありますか?」
チーズ道続き
優花里「いや~皆さん素晴らしいチーズばかりでしたね」
オレンジペコ「どのチーズもとても美味しそうでした」
愛里寿「うん、チーズが好きになれそう」
優花里「これでチーズ大会も終わりでありますね」
まほ「「まったぁぁぁぁ」」
優花里「西住殿のお姉さんであります」
まほ「黒森峰もこの戦い参加させてもらう」
エリカ「王者のチーズというものを見せてあげるわ」
優花里「いえ、チーズの王様はイタリアのパルミジャーノであります」
エリカ「良いのよそんなこと!!黒森峰のチーズだって凄いんだから」
まほ「まずはこれだ、ドイツのモッツァレラチーズ、ステッペンだ」
優花里「ドイツにもモッツァレラチーズがあったんですね」
オレンジペコ「バイエルンで作られるチーズですね。ドイツは他国のチーズを改良するのが得意なんです」
まほ「今日はステッペンをライ麦パンに載せてトーストしてみた、食べてくれ」カチャ
愛里寿「これ本当にモッツァレラなの?なんだか見た目が全然違うけど?」
優花里「とりあえず食べてみましょう」ハム
パク ビニョオオオオオン
愛里寿「んん、すごい伸びる」
アンチョビ「あの伸び方はまさに焼いたモッツァレラだな。ピザみたいだ」
優花里「美味しいでありますね、このチーズとても滑らかです」
愛里寿「うん、でも、アンチョビの食べさせてくれたのよりちょっぴりしょっぱくて美味しい」
まほ「ステッペンは牛乳で作ったモッツァレラを熟成させたものだ、弾力のあるフレッシュなイタリアのモッツァレラと違って塩気の効いたセミハードチーズだ」
優花里「本当でありますね、焼いてないこちらはカチカチであります」コンコン
オレンジペコ「熟成させたことによる旨味とフレッシュチーズの良いとこどりのようなチーズですね、これを料理に使うだけで一段階上の美味しさになりますよ」
愛里寿「美味しい、酸味のきいたどっしりしたライ麦パンに塩気とコクがすごくあってる」パクパク
エリカ「次はこれよ、ちょっぴり大人な味だから気をつけなさい」コト
まほ「ボニファッツだ今日はグリーンペッパー味を用意した」
パクリ
優花里「本当でありますね、ピリリとして美味しいであります」
オレンジペコ「グリーンペッパーが練りこまれたチーズですね、ドイツの伝統あるチーズメーカーの商品でガーリック味なんかもありますよ」
愛里寿「胡椒でぴりっとしてるけど、チーズはすごくクリーミーで美味しい」パクパク
優花里「チーズに練り込むなんてすごい発想でありますね。白カビで熟成されたカマンベールのクリーミでコクのある味がたまらないであります」
エリカ「どう?これが黒森峰の実力よ」フンッ
まほ「最後はこれだ、これも少し癖があるから気をつけろ。ババリアブルーだ」コト
優花里「おおこれはブルーチーズでありますね」
愛里寿「臭い・・・」クシクシ
エリカ「ババリアブルーは青カビチーズだけどそれだけじゃないのよ」
優花里「ああ、本当であります!!外側は白カビチーズであります」
オレンジペコ「ババリアブルーはドイツのチーズで青カビ系と白カビ系を合わせたチーズなんですよ」
まほ「青カビチーズはどうしてもきつい酸味や匂いが気になるが、このチーズは白カビの力で青カビの刺激を抑えた入門用のブルーチーズだ」
パク
愛里寿「すごい滑らか、ちょっとピリっとするけど食べやすい」モグモグ
優花里「本当でありますね、青カビ独特の癖がありつつクリーミーで食べやすいであります」
まほ「ババリアブルーを作るときに牛乳に生クリームを加えて作るんだ、だから脂肪分も多くクリーミーな味わいなんだ」
愛里寿「青カビチーズってもっときついと思ったけど、これなら食べられる」モグモグ
まほ「こうした入門用チーズから始めればチーズの美味しさも楽しめるようになっていく、これからも楽しんでくれ」
愛里寿「うん、今日はありがとう」
まほ「ふふ、エリカあれを出してくれ」
エリカ「はい隊長!! これは私達からのお土産です」
まほ「ほかの学校がチーズを土産にしていたからな。我々からはチーズに合うデザートワインだ」
愛里寿「デザートワイン?」
オレンジペコ「食前酒などに出される甘めのワインですね」
まほ「今日は黒森峰特製のアイスヴァインとトロッケンベーレンアウスレーゼを用意した」
優花里「アイスヴァインは葡萄が成ったまま凍結してしまって出来たワインですね」
オレンジペコ「そうですね、氷点下の中凍ったまま葡萄の果肉を絞ることで糖度が高いことで凍結しない果汁のみが絞り出され、極上の甘さを持ったワインが出来上がるんです」
優花里「トロッケンベーレンアウスレーゼと言うのは?」
オレンジペコ「貴腐ワインのことですね、トロッケンは乾燥、ベーレンはぶどうの身、アウスが選ぶ、レーゼが収穫という意味です」
オレンジペコ「葡萄の身を樹になったままにして完熟させて干しぶどうのようにってから収穫するんです。糖度がとても高く特徴的な貴腐香という香りがする高級ワインですね」
エリカ「ワインの王にして王のワインと言われるワインよ!!まさに黒森峰の様なワインね」
まほ「クリーミーなフレッシュチーズには甘口のワインが合うからな、これで楽しんでくれ」
優花里「羨ましいでありますね」タラーーーー
愛里寿「ありがとう、大切に頂くわ」 ギュ
まほ「ああ、楽しんでくれ」 ギュ
優花里「これにて島田殿のチーズ克服大会も閉幕であります」
オレンジペコ「美味しそうなチーズばかりでしたね、私も食べたくなりました」
優花里「では司会進行の秋山優花里と」
オレンジペコ「解説のオレンジペコでした」
優花里「さようなら~」フリフリ
オレンジペコ「さようなら」フリフリ
~後日~
愛里寿「家出してきた、匿って欲しい」
優花里「どうしたんでありますか一体」
愛里寿「お母様と喧嘩した、もう家には帰りたくない」ボコ ギュウウウ
優花里「一体何があったんでありますか??」
愛里寿「お母様たら私のチーズとワインを全部食べちゃったの・・・・」
優花里「ええ!?あのチーズとワインを全部でありますか?」
愛里寿「大切にとっておいたのに、美味しい美味しいって内緒で食べちゃったの」
~島田家~
千代「愛里寿~ごめんなさい、出てきてちょうだい、お母さん悪かったわ~」オーーーーイ
チーズ道~完~
小ネタ~これが私の煎茶道~
パカラパカラパカラ ヒヒィィィン バカッピョーン パカラパカラ
オレンジペコ「お見事ですダージリン様」パチパチ
ダージリン「まずまずですわね、次はローズヒップあなたの番よ」ドオドオ
ローズヒップ「いきますわよ、それそれそれ」ビシィビシィ ヒヒィィィン バカラバカラバカラ
ローズヒップ「とうっ!!」ピョオオーーーン カコン ボテ
オレンジペコ「引っかかってしまいましたね」
ダージリン「ローズヒップ、スピードばかり出すことを考えていてはダメですよ」
ローズヒップ「すいませんでございます。なかなかダージリン様のようにはいきませんわ」
絹代「いや~それにしても見事な手綱さばきですね」
ダージリン「あら?西さんどうしてこちらに?」
絹代「アッサム殿からダージリン殿はこちらと伺いまして、先日のお礼にこのようなものをお持ちしました」ガチャ
ダージリン「可愛らしいバックですわね、竹で出来ているのかしら?」
絹代「今日は知波単で新茶が取れましたので、煎茶でもご馳走しようとお持ちしました」
ダージリン「お茶ですか良いですわね。ペコ早速支度をしてください」
絹代「いえいえ、せっかくの陽気ですから今日は野点でもいたしましょう、そう思って用意もしてきました」
ローズヒップ「のだてってなんでございますか?」
オレンジペコ「日本のガーデンティーパーティーですね、そこでお茶とお菓子を頂くんです」
ダージリン「良いですわね、ちょうど乗馬で喉も乾いていたところですの、よろしくおねがいしますわ」
絹代「では準備をさせていただきます。今日は煎茶を用意しました」
ローズヒップ「煎茶とはどういう区別でございますの?」
ダージリン「煎茶は日本茶の一つですわ、所謂緑茶ですね。新芽を摘みとってすぐに熱処理をしますの、そうすることで茶葉の酵素が失活して発酵が止まりますの。ですからみずみずしい茶葉のすっきりとした味わいと旨味を味わえますのよ」
ローズヒップ「流石はダージリン様でございますわ」キラキラ
ダージリン「蒸させた茶葉はその後揉みながら乾燥させるんですの、蒸す時間だ長いほど茶葉から渋みが抜けて色も味も濃くなるのよ」
ダージリン「反対に蒸す時間が短いほどすっきりとした味わいで渋みも濃く香り高いお茶になるんですのよ」
絹代「よくご存知ですね、流石はダージリン殿!!今日は新茶の香りを楽しめる浅蒸し茶を用意しました」
オレンジペコ「現在の煎茶の製法を開発したのがあの永谷園のご先祖様なんですよ」
絹代「なるほどそれは存じませんでした。流石がオレンジペコ殿」
オレンジペコ「ふふふ」ドヤ
ダージリン「・・・ペコ」ムス
オレンジペコ「すいません・・・・」
ローズヒップ「では玉露ですとか抹茶は何でございますの?」
ダージリン「あれはね、栽培法の違いなの。日本茶はね、ほうじ茶も番茶も粉茶も全部同じ茶の樹からできるのよ」
ローズヒップ「そうなんですのね、どう違うんですの?」
ダージリン「玉露と抹茶はほぼ同じ作り方ですわ、茶臼で挽いて粉にするかの違いですわね」
ダージリン「そもそもは蒸して乾燥させるだけでしたの、今では味を良くするために収穫前の20日間ほど茶の樹に黒いシートを被覆して育てたから収穫しますのよ」
ローズヒップ「どうしてそんなことをするんでございますの?」
ダージリン「被覆栽培することで美味しいお茶ができますの」
ローズヒップ「どうしてですの?」
ダージリン「ええっとそれは・・・・・」
オレンジペコ「お茶の旨味成分はアミノ酸のテアニンなんです。地中の窒素化合物を分解吸収してグルタミン酸とエチルアミンからテアニンに生合成し葉に蓄積するんです。これが光合成によってカテキンなどのポリフェノールに誘導されるんです」
オレンジペコ「このカテキンが苦味成分なんですが、カテキンの生合成は光によって促進されます。なので被覆栽培を行うことでテアニンが葉に蓄積しカテキンの少ない茶葉が出来るんです」
オレンジペコ「これによって独特の旨味を持った玉露や抹茶が・・・・」
ローズヒップ「・・・・・・・」ボケー
ダージリン「くぅぅぅぅぅぅ」ギリギリ
オレンジペコ「すいません・・・」ペコ
ダージリン「とりあえず、それで美味しいお茶が作れるんですの」
ローズヒップ「では抹茶と粉茶って違うものだったんですのね」
ダージリン「そうよ、粉茶は煎茶を作る際に出た砕けた茶葉ですの。ですから粉茶だから品質が悪いということではないんですのよ」
絹代「粉茶はお茶の色合いが濃く、味も濃いものが出るので寿司屋などでよく用いられますね」
ダージリン「次は番茶ですけど、これは番外の茶という意味ですわ。日本茶も紅茶のように何度も収穫しますの。初めの収穫のお茶が一番茶、その次が二番と続いてその後、茶の樹を伸ばしますの」
ローズヒップ「それを収穫したものということでございますね」
ダージリン「ええそうよ、察しが良いわね」ナデナデ
ダージリン「ですので番茶は他のお茶と違って秋に収穫するんですのよ」
ダージリン「ほうじ茶は漢字で書くと焙茶、つまり煎茶や番茶を炒って焙じたお茶ということです。独特の香ばしさがでて苦味も減るのでスッキリした味わいになりますわ」
ローズヒップ「では昆布茶や玄米茶はなんですの?」
ダージリン「あれは煎茶や番茶に玄米や昆布粉末を混ぜたものです」
ローズヒップ「なるほど流石はダージリン様」
ダージリン「ふふふ」ドヤーン
絹代「ささ、煎茶を楽しみましょう」
ローズヒップ「でも私、お茶の作法なんて知りませんことよ?」
絹代「良いんですよそんなこと、気軽にお茶を愉しめば良いんありますよ。よろしければ一緒に煎れませんか?」
ダージリン「良いですわね、ペコもローズヒップも習いましょ」
絹代「まずは道具ですね! 急須と茶碗があれば問題無いですよ、他にも煎茶道では様々な道具を使いますがお茶を楽しむならこれだけあれば十分です」
ダージリン「今日は随分器具が多いんですのね」
絹代「今日は野点ですからね、ポットでも良いんですがここは雰囲気を出すために涼炉とボーフラを用意しました」
オレンジペコ「涼炉は携帯用の湯沸し器ですね、細長い七輪みたいですね」
絹代「今日は炭を入れていますが、最近は電熱式のインテリアにも使えるものも出ているんですよ」
ローズヒップ「ボーフラって蚊の幼虫みたいな名前でございますわ」
絹代「ボーフラは把手のついた土瓶のことですね、流派によって保夫良などの字を当てたりしますね」
オレンジペコ「もともとはポルトガル語だそうですよ」
ダージリン「煎茶を入れる際は金属のやかんや鉄瓶などでは味が悪くなると避けられているのよ」
絹代「そこまで気にしなくても良いんですけどね、今日は急須も宝瓶という把手のないものを用意しました」
ダージリン「玉露などを煎れる際に使われるものですね、把手がなくて平たくて大きな蓋がとってもキュートですわ」
オレンジペコ「紅茶にはない形ですね」
絹代「この宝瓶なら茶こしを使わずにお茶を煎れることができるので野点には便利なんですよ」
オレンジペコ「中にも金属のフィルターがついていないのでお茶の味が損なわれないんですね」
絹代「では淹れていきましょう。まずは温度が大切ですね」
ローズヒップ「どういうことでございますの?」
ダージリン「紅茶では沸騰したお茶で淹れますが、煎茶は80℃程度が良いんですのよ、玉露などではもっと低めの70℃や60℃で淹れますの」
ローズヒップ「難しそうでございますわ」ウーン
絹代「そうでもないですよ、まずは人数分の茶碗を出してそこにお湯を注ぐんです。こうすると茶碗で湯冷ましになって80℃位になります」
オレンジペコ「同時に茶碗を温めるわけですね」
絹代「宝瓶や急須は温めません。ここに茶葉を入れます」ササッ
ダージリン「可愛らしい茶葉入れですわね」
絹代「これは茶壺と言います。抹茶の茶壺と比べて蓋が大きいのが特徴ですね。これは錫で出来たものに漆を塗って装飾したものです」
オレンジペコ「錫でできたものが密閉力もあり品質の変化が少ないんですよ」
ローズヒップ「可愛らしいですね、ピカピカでとっても綺麗でございますわ」
絹代「茶葉は一人匙1杯ですね、約5gです。ここに冷ましたお湯を入れて1分ほど蒸らします」
ローズヒップ「ずいぶん早いんですのね」
ダージリン「紅茶や中国茶と比べると随分早いですね」
絹代「そうですね、これも採れたての茶葉を発酵させないで淹れる日本茶の特徴ですね」
絹代「では、お茶を湯のみ入れます。少しずつ各茶碗に入れて周り味が同じになるようにします」
絹代「最後の一滴までしっかりお茶を出してくださいね。これができていないと2煎目の味が悪くなります」チョロチョロ
ダージリン「最後の一滴まで出しきるのは紅茶と同じですわね」
オレンジペコ「紅茶では最後の一滴をゴールデンドロップと言ったりしますね」
絹代「ささ、準備ができました。今日はお茶菓子も持ってきました。落雁と紫陽花です」
ローズヒップ「らくがん?紫陽花は花でございますか?」
絹代「落雁は米粉と砂糖を練り合わせて乾燥させたものです、紫陽花は和菓子の主菓子の一種ですよ」コト
ローズヒップ「わ~綺麗ですわ、本当に紫陽花みたいでございます」キラキラ
ダージリン「本当ですわね、透明な色とりどりの寒天が表面に付いているんですのね」
オレンジペコ「この落雁も可愛らしいですね、知波単とグロリアーナの校章になっているんですね」
絹代「落雁はこうして木枠で押し固めて作るんです、だからこうして好きな形が作れるんですよ、ささお試しください」
パクッ
ローズヒップ「ホロリと口の中で崩れてあっという間に溶けてなくなっていきますわ」ホワアアアン
ダージリン「和三盆のすっきりした甘さが良いですわね。ほろりと儚く溶けていきますわ」
オレンジペコ「口の中に残らずスーッと消えていくのでお茶にピッタリですね」
ローズヒップ「このお茶も最高でございますわ、日本茶も美味しいですわね」
ダージリン「すっきりとした味わいと甘みと渋みのバランスがいいですね」
オレンジペコ「この紫陽花もとっても美味しいですね、甘すぎずお茶を引き立てる甘さです」
絹代「では2煎目を淹れますね、次は沸騰した100℃のお湯でを淹れます」チョロチョロ
絹代「一度蒸らして茶葉が開いているので、直ぐに飲めますよ」チャチャ
コクンッ!
ダージリン「1煎目よりも味がはっきりして香りが強く出ていますね」
ローズヒップ「爽やかで美味しいでございますわ」ググウウウ
ダージリン「旨味成分のテアニンは淹れるたびに少なくなりますが、苦味成分はあまり変化がないのですからね。淹れるたびに変わる味わいも日本茶の特徴ですわ」
オレンジペコ「美味しいですね、新茶の苦味がお菓子と合いますね」
絹代「3煎くらい出せますが、やはり一番旨味があるのは1煎目ですね。2煎目は爽やかな香りとスッキリした味わいを、3煎目は苦味を楽しむことが出来ます」
ローズヒップ「日本茶も美味しいでございますね」
絹代「喜んでいただけて良かったです、次は是非、知波単の茶室で抹茶でもいかがですか?」
ダージリン「いいですわね、それでしたらグロリアーナのティーパーティーにも是非いらしてくださいね」
絹代「本当でありますか!!紅茶というのを飲んでみたかったんであります」
ダージリン「美味しい紅茶を淹れて差し上げますわ」フフッ
絹代「楽しみにしているであります」
オレンジペコ「これが私の煎茶道、今日はこの辺りで失礼します。次回もよろしくおねがいしますね」フリフリ
煎茶道~完~
ローズヒップ「お代わりおねがいしますわ~」
ダージリン「ローズヒップ、キチンとしなさい」フフ
~アンツィオ~
アンチョビ「それがこのワインってことか」ツンツン
ペパロニ「美味そうですねアンチョビ姐さん」ダラダラ
ダージリン「ええ、アスパラガスが快く譲ってくれましたの、今日はこのワインに合うような魚料理を教えてもらえるかしら?もちろんこのワインも一緒に飲みましょ」
アンチョビ「そういうことならこの、アンチョビに任せておけ!!最高のイタリアンを教えてやろう」
ダージリン「よろしくお願いしますわ。今日は何を作りますの?」
アンチョビ「そうだな、シーフードのパスタを2種類とピッツァにしよう」
ペパロニ「アンチョビ姐さんのピッツァですか、楽しみっすね~」
アンチョビ「まずはペスカトーレを作るぞ、魚介とトマトを使ったパスタだ。ペスカトーレってのは漁師風って意味だ。魚介なら何でもいいが、今日は旬のスルメイカとあさり、エビを使って作るぞ」
ダージリン「あのトマトと貝のスパゲッティですね、楽しみです」
アンチョビ「パスタだパスタ!! 今日は確かにスパゲッティーニを使うが、スパゲッティは麺の種類、ペスカトーレにはどんなパスタを使っても美味しく出来るんだ」
ダージリン「どういうことですの?」
オレンジペコ「スパゲッティーニは麺の種類のことですよ。1.6mm程度の太さの麺のことです、麺の太さや形で名前が変わるんです」
アンチョビ「そうだ、パスタってのが麺料理全般を表す言葉だな。ラザニアなんかもパスタになるんだ」
ダージリン「なるほどそうでしたのね、では早速作りましょう」
アンチョビ「じゃあ材料だ、今日は2種類パスタを作るから2人前にしておこう。ペスカトーレってのは、日本で言えばアラ汁みたいなものだな、魚介類ならなんでも良いぞ」
・イカ・・・・・・・・1杯
・エビ・・・・・・・・100g
・あさり・・・・・・・200g
・トマト・・・・・・・1個
・にんにく・・・・・・1欠
・白ワイン・・・・・・50cc
・スパゲッティーニ・・180g
アンチョビ「今日はこんな感じだな、ムール貝なんかを入れたりすると豪華に見えるな」
ダージリン「随分簡単ですのね」
アンチョビ「あくまでもメインは新鮮な魚介類だからな、その魚介類から出た旨味とトマトお旨味ををパスタに絡めるんだ」
アンチョビ「まずはにんにくを包丁で芽を取って潰すぞ」バンッ
アンチョビ「イカは皮を剥いて輪切りに、トマトは皮を向いておくんだ」
アンチョビ「次にフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れる。先に火をつけたらダメだぞ」
ダージリン「あらそうでしたの?」カチッ
アンチョビ「熱いオリーブオイルだと香りが出る前に焦げちゃうからな、じっくり炒めて香りと味を出すんだ」
ダージリン「いい香りがしてきましたわ」クンクン
アンチョビ「じゃあパスタを茹でるぞ、鍋にたっぷりのお湯を沸かして塩を入れる」ドサ
ダージリン「もう茹でますの?ずいぶん早いんですね」
アンチョビ「このパスタを茹でる間にソースを作るんだ、テキパキやらないと時間がなくなるぞ」パンパン
ダージリン「は、はいですわ」カチャカチャ
アンチョビ「にんにくに焦げ目がついてきたらもう出していいぞ、魚介を炒めていくんだ。汁気が出てきたらさっと白ワインを振って更に炒める」
ダージリン「味付けはしないんですの?」
アンチョビ「味付けはこのパスタの茹で汁でするんだ、だから最後に味をみて足りないようなら塩を入れればいい」
ダージリン「あさりが開いてきましたね」ジュウウウウ
アンチョビ「じゃあここにトマトだな、手でつぶしながら入れればいいぞ。しっかり切ってもいいぞ」
ダージリン「大胆ですわね」グニュウウウ
アンチョビ「軽く煮込んでスープにしっかり旨味を出すんだぞ」
ダージリン「パスタもそろそろ時間ですわ」
アンチョビ「じゃあ少しパスタの茹で汁も入れてスープを薄めるんだ、味をみて足りなそうなら塩を振る」
ダージリン「じゃあパスタを入れますね」ジュウウウ
アンチョビ「後は軽く鍋を振ってスープを絡めるぞ。皿に盛りつけてパセリを振ったら完成だ」
ダージリン「簡単ですのね、すぐ出来てしまいましたわ」
アンチョビ「簡単だがソースにはたっぷり旨味が出ているからな、次はカジキマグロを使ったパスタだ」
ダージリン「イタリアンでもマグロを食べるんですのね」
アンチョビ「ステーキにしたり色々な食べ方があるぞ。今日はシチリア風のオリーブとケイパーを使ったパスタだ」
ダージリン「ケイパー?ですか」
オレンジペコ「イタリア語ではカッペリにですね。ケイパーと言う花の蕾を酢漬けや塩漬けにしたものです」
アンチョビ「塩漬けのほうが塩抜きしたり面倒だが香りが良いんだ、酢漬けならそのまま使えるぞ」
ダージリン「あらこのパスタ穴が開いていますわね」ジイイ
アンチョビ「これはシチリア発祥のブカティーニだ。パスタの中まで味が染み込むからソースとの相性がいいんだ」
ダージリン「へ~色々な種類があるんですのね」フヨンフヨン
アンチョビ「じゃあ材料だ、今日はトマトをそのまま使うがトマトソースを使ったりもするな」
・カジキマグロ・・・・・・・2切れ
・トマト・・・・・・・・・・2個
・ケイパー・・・・・・・・・大さじ1
・にんにく・・・・・・・・・1欠
・オリーブの実・・・・・・・6個
・松の実・・・・・・・・・・大さじ1
・ブカティーニ・・・・・・・180g
ダージリン「これがオリーブですのね、黒いオリーブなんですね」
アンチョビ「黒いオリーブと言うより完熟したオリーブが黒いんだ。若いオリーブはまだ緑色なんだぞ」
ダージリン「そうでしたの、てっきり種類が違うんだと思っていましたわ」
アンチョビ「オリーブは種が入ってるから潰して種を出すんだ」プニュ
ダージリン「梅干しみたいですわ」プニュ
アンチョビ「まずはカジキを一口大に切って塩コショウをするんだ」
ダージリン「キメが細かくて美味しそうですわね」
アンチョビ「じゃあさっきの要領でにんにくを炒めるんだ。今度は煮詰めて濃いソースにするからパスタはまだいいぞ」
ダージリン「焦げ目がついて匂いが十分出ましたわ」
アンチョビ「じゃあ、にんにくを取り出してトマトを潰して淹れる、塩を少しして煮詰めてトマトソースにするんだ」
グツグツグツ
ダージリン「こんなものですの?」
アンチョビ「じゃあカジキを入れて炒め煮にするぞ、仕上げにケイパーと松の実を入れたらソースは完成だ」
ダージリン「これも簡単ですね、美味しそうな匂いですわ」
アンチョビ「じゃあパスタを茹でたら絡めていくぞ、煮詰まりすぎていたらここで茹で汁を入れるんだ、味をみたらパスタを入れて絡める」
ダージリン「よっ!よっ!よっ!」グルグル
アンチョビ「これにもパセリを振るぞ、これで完成だ」
ダージリン「美味しそうですね、さっきのよりもトロミがあって絡まっていますのね」
アンチョビ「トマトを煮詰めたからな、酸味が飛んで甘みがいけてくるぞ」
アンチョビ「じゃあ次はピッツァだな、ペパロニが準備してくれていつはずだ」
ペパロニ「姐さん生地と釜の準備出来てるっすよ」
オレンジペコ「ダージリン様、生地を作っておきました」
ダージリン「釜も石窯ですのね、大きいですわ」
アンチョビ「伝統的なナポリピッツァといえるのは釜で薪を燃料にして作るものだけだからな、うちではちゃんと釜で焼いて作るんだ」
オレンジペコ「イタリアには伝統的特産品保証という認定があってナポリピッツァ協会の規定にピザの大きさから焼き上がりの高さまで細かく指定されているんですよ」
ペパロニ「今日は家庭でもできるように材料を変えてるけどな」
ペパロニ「これがピッツァの皮の材料だ。今日は4枚分だぜ」
オレンジペコ「ナポリではピザは一人一枚ですからね、ナイフとフォークで食べるんです」
アンチョビ「テイクアウトのピッツァには認定がおりないからな、一人まるまる一枚提供の形が基本だ」
・強力粉・・・・・250g
・薄力粉・・・・・250g
・ドライイースト・大さじ1
・ぬるま湯・・・・300cc
・砂糖・・・・・・1つまみ
・塩・・・・・・・小さじ1
・オリーブオイル・大さじ1
ペパロニ「砂糖は発酵を助けるためだな、甘くするわけじゃないから指で1つまみ入れてくれ」
ペパロニ「まずは粉をふるいにかけておく、ボールにお湯と他の材料を入れてイーストを作っておく」
ペパロニ「後は。ふるいにかけた粉にイーストを混ぜあわせて菜箸でよく混ぜる」カチャカチャ
オレンジペコ「いきなり手でもいいですけど、手にへばりついて大変ですからね」
ペパロニ「まとまってきたら今度は手で捏ねる。打ち粉を振った台に移したら端の方から畳み込むようにこねていく」グイグイグイ
オレンジペコ「お上手ですね」
ペパロニ「次は二つ折りにしては押し出すように伸ばす。これを上手くやらないと上手く発酵しないぞ」グイグイグイ
ペパロニ「ボールに移して十字に表面に切り込みを淹れる。後は30分~1時間発酵させたら生地の完成だ」
ダージリン「これがピザ生地ですのね、つやつやのお餅みたいですね。パン生地みたいですわ」
アンチョビ「じゃあ伸ばしていくぞ、四等分にして残りは袋に入れておく。こうしておくと生地が乾かないぞ」
オレンジペコ「料理にかけては繊細なんですね」ボソッ
ダージリン「ペコ!!」
オレンジペコ「すいません」
ペパロニ「?? じゃあ伸ばせ、こうやって両手に移しながら叩いて伸ばす」パンッパンッ
ペパロニ「時々こうやって投げて遠心力で伸ばすんだ」ヒューン
ダージリン「おお、凄いですわ」
ペパロニ「へへへっ!!」ニコニコ
アンチョビ「こらペパロニ!! いきなり素人にそんなこと教えたら危ないだろ」
アンチョビ「こうやって台に乗せて指で伸ばすだけで良いからな」グイグイ
ダージリン「でもあれもやってみたいですわね」ジイイイイイ
オレンジペコ「ダメですよダージリン様、どうせ滑って落とすに決まっています」
アンチョビ「今日はマルゲリータにしよう。市販のピザソースでいいぞ」
ペパロニ「伸ばした生地にたっぷりソースを塗る。モッツァレラチーズはケチケチしな~い。バジルの葉を散らしたらオリーブオイルをまわしかける」
ダージリン「綺麗な彩りですね」
アンチョビ「イタリアの国旗を表して作られたからな。さてピッツァを焼くぞ、オーブンなら250℃くらいだ」
ペパロニ「釜で焼いたピッツァは旨いっすよ。生地はカリッとふわっとチーズはトロトロっすよ」
アンチョビ「じゃあ全部出来たな、早速食事にしよう」
ダージリン「まずはペスカトーレですわね」パクリ
ダージリン「んん~海の味がしますわ」
オレンジペコ「美味しいですね、トマトの酸味と魚介の旨味が溶け出したスープがパスタとよく絡んでますね」
アンチョビ「そうだろ~そうだろ~、トマトを使わせたらイタリアに敵うものはいないぞ」フフン
ペパロニ「このワイン旨いっすね~」グビグビ
アンチョビ「ああペパロニ、私も楽しみにしてたんだぞ、そんなに飲むな~」
ダージリン「シーフードの香りと白ワインも合いますね」クイ
オレンジペコ「次はカジキのパスタですね」
ダージリン「新鮮なカジキがふわっと柔らかで濃厚なトマトソースと合いますわね」パクパク
オレンジペコ「トマトとカジキってこんなに合うものなんですね」パクパク
アンチョビ「カジキはトマトソースとのステーキにしても美味しいぞ」パクパク
ペパロニ「いや~姐さんの作るパスタは最高っすね」ガツガツ
アンチョビ「こらペパロニ、そんなに独り占めするな」
ダージリン「このブカティーニでしたかしら?穴の空いたパスタにソースが良く絡まりますわね」パクパク
アンチョビ「形によって味わいが変わるだろ!!これがパスタの面白いところだな」
ペパロニ「姐さ~んピッツァも早くしないと冷めちゃいますよ」カブリ
ダージリン「ピザをナイフとフォークで食べるんですのね」カチャカチャ
アンチョビ「こうやって切って巻くと刺しやすくなるぞ」クルクル
オレンジペコ「モッツァレラがトロトロですね、見ただけで美味しそうです」
ダージリン「パリッとした皮が美味しいですわね」モグモグ
オレンジペコ「大きいですけどペロリといけちゃいますね」モグモグ
ペパロニ「いや~このチーズとサラミの組み合わせが最高っすね」モグモグ
アンチョビ「そうそうチーズとさら・・・・サラミ?? ああ、ペパロニ!お前自分だけかってにサラミを追加して焼いてるじゃないか」
ペパロニ「旨いっすよ姐さん、ワインともバッチリっす」グイ
アンチョビ「ああ、ワインもこんなに開けて、私だってまだちょっとしか飲んでないんだぞ~」
ペパロニ「いや~旨かったスよ姐さん」ニコニコ
ダージリン「気に入ってくれてようでよかったですわ。場所はわかっているのでアッサムに頼んで、また何時でも獲ってきてあげます」クイ
アンチョビ「獲ってきて??」ハテッ?
オレンジペコ「なんでもないです」ハハハッ・・・
アンチョビ「じゃあ最後はドルチェだ、今日はパンナコッタだぞ」
ペパロニ「これも旨いっすね最高っすよアンチョビ姐さん」パクパク
ダージリン「生クリームのコクとフルーツの酸味が良いですわね」パク
オレンジペコ「パンナコッタは生クリームを煮たと言う意味ですからね、プリンと違ってゼラチンで固めるんですよ」
ダージリン「プリンとは違ったこの食感とコクがいいですね」
アンチョビ「どうだこれがアンツィオの実力だ!! 今度はリゾットにするか?手打ちのパスタも教えてやるぞ」
ダージリン「良いですわね!!しばらくここに住み込もうかしら」ニコニコ
オレンジペコ「ダメですよダージリン様、作ってもらってばかりでは。みほさんのために料理を覚えるのではなかったんですか?
ダージリン「そうですわね、次はみほさんに私の手料理を食べてもらいましょう」
アンチョビ「おお!!それは良いな。頑張ってくれよ、応援してるからな」ギュ
ダージリン「ええ、ありがとうアンチョビ」ギュ
小ネタ
みほ「ドリンク・ウォー」
~大学選抜戦作戦会議室~
みほ「皆さん、今日は援軍に来てくれて本当にありがとうございます」ペコ
桃「我が大洗学園にために助力いただき感謝に堪えない。私からも礼を言わせてくれ」ペコ
杏「ありがとね~」フリフリ
ダージリン「構いませんことよ」フフ
まほ「ああ、ここで大洗に廃校になられては我々のリベンジもできなくなるからな」
みほ「お姉ちゃん・・・ありがとう」グスン
ケイ「さあ、早速作戦を考えましょ」
アンチョビ「その前に何か飲まないか?急いできたから喉が渇いたぞ」
杏「いいね~まずはお茶でもしてゆっくり落ち着こうか」
桃「そうですね、では飲み物をお持ちします」
杏「なにが良いかねえ?」フリフリ
みほ「そうですね、皆さんなにが良いですか?」
まほ「コーヒー!」
ケイ「コーヒーをお願いね!」
カチューシャ「ここは紅茶ね」
ダージリン「紅茶でお願いしますわ」
アンチョビ「やっぱりコーヒーだろ」
ミカ「コーヒをお願いしようかな」ポロローン
絹代「水杯をお願いします」ビシッ!
「「・・・・・・・・・・」」
まほ「会議にはなんといってもコーヒーだろ!」
ケイ「そうねカフェインを摂らなきゃ良い作戦は思いつかないわよ」
カチューシャ「なに言ってるのよ、紅茶って言ったら紅茶よ」
ダージリン「そうですわね、やはりここは紅茶にいたしましょう」
アンチョビ「なにを言っている、ここはコーヒーだろ?」
ミカ「この言い争いに意味があるとは思えない、けどやっぱりコーヒーが良いんじゃないかな?」ポロローン
絹代「私、様々な状況を考えましたところ、やはりここは水杯しかないと思われます」
みほ「ハハハッ・・・・・」タラタラ
杏「みんなバラバラだね~」フリフリ
桃「西住なんとかしろ隊長だろ、戦う前からこんなにバラバラでどうするんだ」ギリギリ
みほ「そんな・・・お姉ちゃんはコーヒーがいいんだよね?」
まほ「ああ、なんと言ってもコーヒーだな。これがなければ始まらない」
ケイ「よくわかってるわね、なんといっても会議にはコーヒーよ」
アンチョビ「そうだぞ!アンツィオでもコーヒーがないと始まらないからな」
ミカ「初めて合う人も多いからね、ここはコーヒーで仲を深めるのが良いんじゃないかな」ポロローン
みほ「みんなコーヒー何だね」
まほ「ああ、深煎の濃いブラックを」
ケイ「ええ、アメリカンコーヒーを」
アンチョビ「ああ、エスプレッソを」
ミカ「浅煎りの酸味の強いのが良いんじゃないかな」ポロローン
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
まほ「ブラックだ!!」
ケイ「アメリカンよ、アイスコーヒもいいわね」
アンチョビ「なに言ってるんだ、コーヒーと言ったらエスプレッソだぞ」
ミカ「・・・・・・・・」ポロローン ポローローン
杏「コーヒでもバラバラだね~」
ダージリン「全く、わかっていませんはね。こういう時は紅茶を飲むものなのよ」
カチューシャ「そうよ、紅茶よ全く。こういう時はね・・・」
ダージリン「ミルクティーよ」
カチューシャ「ロシアンティーに決まってるじゃない」
「「・・・・・・・・」」
ダージリン「なにを言っているのカチューシャ!紅茶と言ったらミルクティーでしょ」
カチューシャ「ダージリンこそ、ロシアンティーに決まってるじゃない」
「「「ギャーギャー ワーワー」」」
桃「いいかげんにしろ!! 大体知波単、お前の水杯はどういうつもりだ、特攻隊でもやるつもりか」ギリギリ
絹代「我々栄誉ある知波単学園、西住隊長のため最後の一兵になろうと玉砕覚悟で戦う所存であります」ビシッ
みほ「に、西さん・・・戦車道は戦争じゃありません、勝つことも大切ですが、それ以上に怪我をしないようにしてください」
絹代「西住隊長・・・そのお言葉だけで我々は最後まで戦えます」ウルウル
杏「どうしようか西住ちゃん?」
桃「会長はなにがよろしいですか?」
杏「私もコーヒーかな~」
みほ「じゃあこうしましょう、皆さんに各飲み物をプレゼンしてもらいます、一番おいしそうだったものを飲みましょう」
エリカ「なによそれ?そんな時間のかかること、もうコーヒーで良いじゃない」
まほ「わかった、では私からはじめよう」ガタッ
エリカ「た、隊長??」アセアセ
まほ「黒森峰では伝統的にコーヒーが飲まれているな、フィルター式のドリップコーヒーが多い。今日は我々が飲んでいる豆を幾つか持ってきている。エリカ、準備してくれ」
エリカ「はい!こちらになります」
まほ「まずはこの南米地域で作られる豆だな、ブラジルサントスやエメラルドマウンテンだ。酸味と苦味のバランスがよく飲みやすいな」
エリカ「特にコロンビアのエメラルドマウンテンはすっきりとした味わいと甘い花のような香りが特徴の最高品質のものなのよ」
まほ「次は中米・カリブ海地域のコーヒだジャマイカのブルーマウンテンやキューバのクリスタルマウンテンなどが有名だな」
みほ「山の名前がつくのが多いんだね」
まほ「コーヒーの樹の栽培に適しているのは熱帯地方の中でも一年を通して温度変化の少ない20℃前後の場所だ。水はけもよく肥沃な火山灰質の土壌が好まれる、通気性がよく昼夜の温暖差があると味も引き締まるんだ。だから自然と赤道付近の高い山での栽培が多くなる」
みほ「そうだったんだ、さすがお姉ちゃん」
まほ「次はアフリカ・中近東地域だな。有名なものではタンザニアのキリマンジャロ、エチオピアのモカなどだな。エチオピアはコーヒーの母国とも言われているぞ」
エリカ「エチオピアは今でも野生のコーヒーの木が生えているのよ」
まほ「最後はアジア・太平洋地域だな。ハワイのハワイコナや、ベトナムのロブスタが有名だな」
エリカ「ベトナムは苦味の強いロブスタ種を煮だして練乳を入れて飲んだりするのよ」
桃「コーヒーも色いろあるんだな」
みほ「お姉ちゃんは何が好きなの?」
まほ「やはりブルーマウンテンだな。ブルーマウンテンミストと呼ばれる霧が発生して昼夜の温暖差が極端に大きい香り、味、コクと最高のコーヒーが採れる場所の一つだな、今日はみほのためにブルーマウンテン№1を持ってきたぞ」
みほ「あれ?この豆なんだか白いよ?」ヒョイ
まほ「今日は生のコーヒー豆を焙煎して挽いて淹れよう」
ダージリン「コーヒーの焙煎しているところは見たことが無いですね、自分でできるものですの?」
まほ「最近は生のコーヒー豆も手に入るようになったからな。コーヒーが一番美味しいのはなんといっても、煎りたて挽きたて淹れたてだからな」
まほ「専用のロースターを使ってもいい、フライパンでも出来るぞ。今日は手網ロースターを使うぞ、直接火で炙るから加減もしやすく中も見えるから初心者向けだ」
カチューシャ「なんだかザルみたいね、こんなんで本当に焙煎できるの」クルクル
まほ「まずはハンドピックだ。カビたり割れたりした欠点豆を取り除くぞ」
エリカ「欠点豆が少ないほど良いコーヒーとも言えるわ。ブルーマウンテン№1は2%以下という基準があるのよ」
絹代「米の等級みたいなものでありますね」
まほ「まずは生の豆を手網に入れてフタをする。そうしたらガスコンロの中火で炒っていくぞ、火から大体15cm~20cm上のあたりだ」ジャラジャラ
エリカ「急いで強火で直火で炒めちゃダメよ」
まほ「こうして振りながら遠火で炒る。しばらくすると生豆の薄皮が焼けて剥がれてくる」パラパラ
エリカ「これをチャフっていうのよ。このチャフが全部で終わった状態で止めればライトロースト、コーヒーの試飲なんかで使われる極浅煎りよ」
まほ「今度はパチパチと音を立て始める、これがハゼだこの辺りがシナモンロースト。アメリカン・コーヒー用だな」
ケイ「ちょっと取っておいてね。後で私が使うわ」
まほ「このハゼが終わって音がしなくなればミディアム・ロースト。この辺りから酸味が薄らぎ苦味が出てくる」
みほ「本当だ、良い香りがする」クンクン
まほ「ここからが難しいぞ、どんどん色が濃くなってくる。焦がさないように注意しろ」ザッザッ
カチューシャ「本当ね、どんどん茶色が濃くなってくるわ」
まほ「ここで火を止めるとハイ・ロースト今から淹れるフィルター式にはここが合うな」
まほ「このまま更に炒っていく。表面がチョコレートのような深い茶色になってまたハゼが起こってくる」
まほ「さらに炭化が進んで黒くなってくる、ハゼが終わればイタリアン・ローストの出来上がりだ」
まほ「出来上がったら素早く冷やして完成だ」
アンチョビ「ここまでするとエスプレッソ向けの焙煎だな」
まほ「次は豆を挽くぞ。粗挽きから極細挽きまであるがフィルターに向いているのは中挽きだ」
桃「会長のお部屋にもミルがありましたね」
杏「そうだよね~好みの引き方ができるし微粉が出にくいからね」
みほ「微粉ってどういうことですか?」
修正
まほ「さらに炭化が進んで黒くなってくる、ハゼが終わればイタリアン・ローストの出来上がりだ」
まほ「出来上がったら素早く冷やして完成だ」
アンチョビ「ここまでするとエスプレッソ向けの焙煎だな」
まほ「次は豆を挽くぞ。粗挽きから極細挽きまであるがフィルターに向いているのは中挽きだ」
桃「会長のお部屋にもミルがありましたね」
杏「そうだよね~好みの引き方が出来るんだけど、微粉が出やすいんだよね」
みほ「微粉ってどういうことですか?」
まほ「微粉は細かすぎて均一に挽けないということだ。だが摩擦熱がでるから味が損なわれるんだ」
エリカ「次がプロペラ式のカッティングミルよ、これはフードプロセッサーみたいなものね、量を沢山作れるわ」
まほ「後は固定刃と回転刃の間に豆をまさ見ながら粉砕するカッティングミルもあるぞ。これはコーヒーショップなんかにおいておる赤いミルだな、粒子も均一になる。ただ微粉がこれも多いんだ」
まほ「好みに合わせて使い分ければいい」
まほ「さて、コーヒーを淹れるぞ私はペーパーフィルターを使う、この紙のやつだな」
ダージリン「これなら見たことがありますわ」
まほ「これにも穴の違いでカリタ式やメリタ式。円錐状のハリオ式などがあるぞ」
ダージリン「どう違うんですの?」
まほ「カリタ式は穴が3個開いている。目詰りしにくく簡単に入れられる」
エリカ「メリタ式は穴が1つよ、お湯が抜けにくいから蒸らしがしっかりできるわ。それになんといってもメリタ式を開発したメリタ夫人はドイツ人よ」
まほ「ハリオ式は2つとは違って円錐形だ、ゆっくり湯が抜けるから味を抽出しやすい。ただ粉を入れる量によって湯を入れる速度が変わるから難しいな」
カチューシャ「色いろあるのね、難しそう」
まほ「オーソドックスなカリタ式で淹れてみよう」
まほ「まずはフィルターをセットしてとサーバーを温めるんだ、お湯は捨てておく」チョロロロ
まほ「次は粉だな、一人10g、お湯の量は150cc位だなメジャーカップ1杯だ」
まほ「真ん中にくぼみを少し着ける。お湯を注いで下から出始めたら注ぐのをやめて少し蒸らすぞ30秒といったところだ」
まほ「新鮮なコーヒー豆を使うとこの時、粉が膨らんでくる」モコモコモコ
みほ「本当だ、もこもこしてきた」
まほ「この泡が大切だぞ、中心から少しずつ円を書くようにお湯を注ぐ。ゆっくりと淹れるんだぞ、泡が溢れそうになるから一度お湯を止める、泡がフィルターにつかないよう注意しろ」
エリカ「土手の粉がフィルターの代わりになって灰汁を吸ってくれるのよ、これが壁についちゃうと雑味が下に流れるから注意しなさい」
まほ「泡が治まってきたらまたお湯を注ぐ。今度はお湯が抽出量に達したらフィルターをサーバーから外す」ササッ
ダージリン「まだ入っているのによろしいんですの?」
まほ「ああ、灰汁が残っているからな、最後まで出しきらないのが大切だ」
ダージリン「紅茶とは随分違いますのね」フムフム
エリカ「最後にサーバーに残った泡をスプーンで取る。ここも灰汁があるからしっかり取るのよ」
まほ「これで完成だな! どうだ綺麗な黒だろ、深いコクと苦味と酸味のバランス、芳醇な香りとすっきりとした甘みとなめらかな舌触り。これこそ王者のコーヒーだな」
みほ「本当さ、いい香り今日はコーヒーにしようかな」クンクン
まほ「そうだろ?さあ、みんなコーヒーを飲もう」
ケイ「待ってちょうだい、コーヒーはHOTだけじゃないのよ!! 今度は私がDeliciousなアイスコーヒーを淹れてあげるわ」
ケイ「今日は水出しコーヒーでアイスコーヒーを作るわ」
みほ「水でコーヒーを淹れるんですか?」
ケイ「フィルターに入れた豆に一滴一滴時間を掛けて水を垂らして抽出するのよ、加熱しないからカフェインも少なくてすっきりとした味わいになるのよ」
桃「そんな淹れ方があったのか」フムフム
ケイ「豆は深煎の細挽きが良いわ、水と粉をセットしたらこのまま朝まで待つのよ」
ダージリン「向こうのチームは朝まで待ってくれませんことよ」
ケイ「Oops!! そうだったは作戦会議の途中だったわね、じゃあアメリカンにしましょう」
カチューシャ「アメリカンなんて水で薄めたコーヒーでしょ?嫌よそんな貧乏っぽいもの」
ケイ「アメリカンは焙煎の浅いコーヒーよ、確かにそうやって作る喫茶店もあるけどちゃんとしたアメリカンは豆の量もしっかり使うわ」
ケイ「コーヒー豆のフレッシュな酸味が味わえてとっても美味しいんだから」
アンチョビ「まーまー、ここはこのアンチョビに任せておけ!!本当のコーヒーという物を見せてやろう」
アンチョビ「私はこいつでエスプレッソを入れるぞ」
ダージリン「可愛らしいポットですわね」
アンチョビ「これはマキネッタ、直火式のエスプレッソマシーンだな。家庭でも簡単に淹れれるし、キャンプなんかの野外でも使えて便利なんだ」
カチューシャ「へ~エスプレッソってあのドロッとした濃いコーヒーでしょ?こんなので淹れれるの?」
アンチョビ「まあ見ていろ、まずは下のフラスコに水を入れる。バスケットって言う漏斗みたいなフィルターを入れるぞ」
アンチョビ「ここに粉を入れるんだ、しっかり焙煎したイタリアンローストの極細挽きだ。馴らしてポットをセットしたら火にかける」ガチャン
みほ「このままコンロに置くんですね」
アンチョビ「そうだぞ、コンロでもいいしアルコールランプでもいい。野外の時は網を置いて火にかければいいんだ」
カチューシャ「本当にエスプレッソが出来るの?」
アンチョビ「まーまー見ててくれ、お湯が沸騰してきたぞ。こうやって沸騰してくるとフラスコの中のお湯が蒸気圧で押し上げられてバスケットを通過して上のポットに移動する。スチームの音がしなくなったら火を止める。これでエスプレッソの完成だ」チョロロロ
カチューシャ「本当だわ、コーヒーが出てきた」
アンチョビ「これが家庭で味わうエスプレッソだ独特の苦味と香りが口の中に広がるぞ、アンツィオの朝はこれがないと始まらないからな」
カチューシャ「でもカチューシャこんな苦そうなの飲めない・・・・」
アンチョビ「ハハハッ心配しなくてもエスプレッソてのは砂糖をたっぷり入れて飲むものだ。もしそれでも苦いならカチューシャには特別にカプチーノを作ってやろう」
カチューシャ「カプチーノ?」
アンチョビ「ほらこうやってスキームミルクって言う泡だった牛乳を注ぐんだ。砂層もたっぷり入れてあるぞ」コトッ
カチューシャ「見てみてノンナ、コーヒーにハートマークがいっぱい出来てるわ」キャキャ
ノンナ「本当ですねカチューシャ、これはラテアートですね」
アンチョビ「そうだぞ、こうやって熊を書いたりうさぎを書いたりも出来るぞ」カキカキ
みほ「わ~ボコだ!! アンチョビさん凄いです」キラキラ
ミカ「じゃあ最後は私だね。私は旅をすることが多いから旅先でも入れやすいパーコレーターを使って淹れようかな」
みほ「パーコレーターですか?」
ケイ「あれは西部開拓時代の循環式の抽出装置ね。構造も簡単で直火にかけて作るからキャンプでも美味しいコーヒーが淹れれるのよ」
ミカ「こうやってバスケットに粉を入れるんだよ、浅煎りの極細挽きがいいね」カチャカチャ
ミカ「後は火にかけるだけ、簡単だろ?」ガチャ
アンチョビ「マキネッタみたいだな」
ケイ「そうね、でもマキネッタは一方通行で一度上がったらお終いだけどパーコレーターは何度もお湯が行き来するのよ」
ゴポゴポ
みほ「沸いてきましたね、蓋のところがガラスで見えるんですね」
ミカ「このまま弱火で3分くらいかな」ポロローン
ケイ「沸騰したお湯が噴水みたいに上がってコーヒーの粉にかかってまた落ちるの。何度も循環するからしっかり味を抽出、出来るのよ」
ミカ「これで完成だよ、浅煎りコーヒーの酸味がしっかり出ていて味も濃いコーヒーが出来るの。やっぱりコーヒーはこういう強いコーヒーに限るね」コクコク
カチューシャ「じゃあ次はカチューシャの番ね、ノンナ用意して」
ノンナ「はいカチューシャ、準備出来ましたよ」
みほ「なんですかこの大きなポットみたいなのは?」
カチューシャ「これはサモワールよ伝統的なロシアの湯沸し器よここの蛇口を捻るとお湯が出るのよ」
ケイ「上にティーポットが置いてあるのね」
カチューシャ「そうよ、ここには濃い紅茶が入っているの、サモワールが熱くなるから紅茶の保温も出来るのよ」
ノンナ「このこい紅茶をカップに注いでお湯で薄めて飲むんです」
カチューシャ「何度も紅茶をお代わり出来て便利なのよ」フフン
ノンナ「それから紅茶にはジャムが添えられますね」コト
みほ「これを入れて飲むんですね」
ダージリン「フフフッ、みほさん!これはねジャムを食べながら紅茶を飲むんですよ」ドヤーーーン
カチューシャ「それはこの前、私が教えてあげたことでしょ!!」ガタンッ!
みほ「そうだったんですか、私知らなかったです」ニコ
ダージリン「じゃあ最後は私ですわね、とっておきの紅茶を用意して差し上げますわ」
オレンジペコ「ダージリン様何を作りますか?」
ダージリン「そうですわね、今日は少し蒸し暑いですのでアイスティーなんてどうかしら?」
まほ「珍しいな、ダージリンがアイスティーを飲むなんて」
ケイ「そうね、それにアイスティーは邪道じゃなかったの?」
ダージリン「たまにはアイスティーもいいものよ」
オレンジペコ「暑いから冷たいものが飲みたいんですね」
ダージリン「ペコ!!」
オレンジペコ「ささ、準備出来ましたよ」
ダージリン「淹れ方はいつものやり方と同じですわ、ただ茶葉の量をいつもよりスプーン1杯多くしてください」
ダージリン「後はいつもどおり、新鮮な水を使ってしっかりジャンピングもさせてくださいね」
オレンジペコ「これは以前説明した紅茶のゴールデン・ルールなので省略しますね」
ダージリン「次に別の容器に氷をたっぷり用意しますの、ガラスのポットだとおしゃれですよ」カチャ
ダージリン「この氷をたっぷり入れたポットに出来た紅茶を注ぎますの」ジョロロロロロロ
オレンジペコ「こうやって冷やせば、紅茶が濁ったり香りが飛んだりしないんですよ」
ダージリン「これでアイスティーの完成ですわ。今日はアールグレイを使いましたわ、香りが強いのでアイスティーにも向いていますわ」
みほ「綺麗な色ですね」
ダージリン「今日はこのアイスティーを使ってノンアルコールカクテルを作りますわ」
まほ「紅茶でカクテルを?」
ダージリン「ええ、色々あるんですよ。グラスに氷とオレンジシュースを1/3ほど注ぎます」カラカラ
ダージリン「そこにゆっくりと混ざらないようにアイスティーを注ぎますの、あとは薄切りにしたオレンジを添えれば完成です」
みほ「すごく綺麗ですね、紅茶の赤色とオレンジシュースのオレンジが分かれてるんですね」
ダージリン「濃度が違うから混ざりませんのよ、カシスオレンジみたいでキュートでしょ?」
カチューシャ「本当ね、カシスオレンジを逆さまにしたみたい」
ダージリン「ミントを入れたりハーブを入れたり、紅茶もアレンジが出来るんですよ」
杏「おもしろいね~!!で、西住ちゃんどれにするの?」
みほ「ええっと・・・その・・・」オロオロ
桃「早くしろ西住、後がつかえてるんだぞ」ダンッ
みほ「・・・・ええっと、みんなで好きなモノを飲めば良いんじゃないですか?」アハハ・・・
杏「それもそうだね~じゃあ、河嶋~、私はエメマンよろしくね」
桃「はい会長!!すぐに用意します」
ダージリン「みほさん、アイスティーですわ、召し上がってください」カチャ
アンチョビ「いやいや、ここはエスプレッソだろ」
まほ「みほは飲み慣れたドリップが良いに決まっている」ダンッ
ケイ「アメリカンよ」
ギャーギャー ワーワー
アキ「ねえミカ?参加しなくていいの?」
ミカ「好みを相手に押し付けてもしょうがないからね、自分の飲みたいものを飲めば良いのさ」クイ
アキ「そうだね!! でもそのコーヒーってブルマンだよね」
ミカ「こんなコーヒー滅多に飲めないからね、アキも飲むかい?」
愛里寿「あの~まだ時間かかりそうですか?」
蝶野「そろそろ試合を始めたいんだけど?」
ドリンク・ウォー ~完~
小ネタ
みほ「ゲキカラ・ウォー」
西さんはコーヒーは飲み慣れていると思います、日本にコーヒーが入ってきたのは江戸時代後期の長崎です当時はあまり受け入れられなかったみたいですね
明治になって西洋文化が広まると日本にも喫茶店ができててきました。ハイカラさんみたいな袴姿に白いフリルのエプロンをした西さんは可愛いと思います
みほ「ゲキカラ・ウォー」
桃「よし今日の訓練はこれで終了とする」
「「お疲れ様でした~」」
麻子「暑い、だるい、疲れた・・・・」グデエエエン
華「最近、本当に蒸し暑いですね、戦車の中だと特に厳しいです」ハァハァ
柚子「みんな夏バテ気味ですね」
桃「西住、このままだと士気にも影響するぞ」
杏「そうだね~何かいっちょレクリエーショでもしようか」モグモグ
柚子「たまには良いかもしれませんね、でも何をしましょうか?」
みほ「じゃあ暑気払いに辛いものをみんなで作りませんか?」
杏「辛いものかいいね~」
桃「どうせならチームごとに競いますか」
杏「じゃあ一位のチームには豪華賞品も付けちゃおう」イエーイ
桃「では今、聞いた通りだ各チーム料理を用意しろ。明日料理大会を行うぞ」
「「料理大会だって 何作ろうっか~ どうしましょうキャプテン?」」
柚子「上位チームには商品も出ますからがんばってください」
「「よ~しやったるぞ~ あいあいあい 我々の出番ぜよ」」
桃「それではこれより各チームによる料理勝負を行う」
杏「優勝したいか~」
「「おお~~」」
柚子「まずは風紀委員、カモさんチームです」
そど子「私たちはこの胡瓜と豚肉のピリ辛炒めよ」コト
麻子「胡瓜なんて炒めて大丈夫なのかそど子?」
そど子「そど子って呼ばないで。胡瓜は中華料理なんかだとよく炒め物にするのよ、今日は相性もいい豚肉を使ったわ」
ゴモヨ「まずは胡瓜の皮をピーラーで剥いて飾りを入れます」シュウウ
そど子「こうやって縞模様を入れると味が染み込みやすくなるのよ、次は豚肉と一緒に油でさっと炒めるの」ジュウワアアアア
華「中華鍋で作るんですね」
そど子「じゃあ炒めていくわよ、鍋ににんにくとしょうがと唐辛子を入れて香りを出す」ジュウウウウウ
桂利奈「いい匂~い」クンクン
そど子「豆板醤に甜麺醤、豆鼓で香りと辛味を、胡瓜をと肉をを戻してさっと炒めて完成よ」ザッザツ
優花里「回鍋肉みたいな味付けなんですね」
みほ「そうだね、唐辛子の辛味が油に溶け出してとっても辛そう」
そど子「さあ食べてちょうだい」コトッ
華「おいひいですね」ハフハフ
みほ「とっても辛いけど、胡瓜のみずみずしさと肉の甘みがいいですね」
桃「生徒会もやりますね」
杏「おいしいね~」モグモグ
そど子「どうなの冷泉さんおいしいでしょ?」
麻子「そど子にしてはやるな、うまい」モグモグ
柚子「次は自動車部、レオポンさんチームです」
ナカジマ「私達の番だね」
スズキ「今日はキーマカレーだよ~」
華「何ですかキーマカレーって」
ホシノ「キーマってのはひき肉の事だよ、ひき肉カレーってことかな」
ツチヤ「じゃあ作るよ~」
ナカジマ「まずは玉ねぎにんにくをみじん切りにするよ~」ダダダダダダ
ホシノ「これをバターでじっくり炒めるからね」ジュウウ
ナカジマ「次はひき肉だよ、今日は牛肉だけど、豚や羊なんかも使うからね」
ツチヤ「カレー粉も仕込んでおいたよ~」
華「本格的ですね」
ナカジマ「カレー粉はインドにはないからね、各家庭や料理人ごとに配合が違うんだよ」
スズキ「自動車部特製の配合だからね」
ナカジマ「肉がポロポロになったら塩コショウとカレー粉を入れて炒める」
優花里「カレーのいい香りがしてきましたね」
ナカジマ「今日は簡単にコクを出すためにケチャップも入れちゃう」ブチュウウウ
ナカジマ「後は洋風だしを入れて煮込んだら完成だよ」
ホシノ「汁気がなくなるまでしっかり煮詰めてね」
ツチヤ「今日はサフランライスを用意したからね」
ナカジマ「サフランライスにカレーを盛り付けて、半熟卵をトッピング、好みでアチャールも付けてね」
沙織「なにアチャールって?」
麻子「インドのピクルスだな、人参や生姜、カブなんかを漬物にするんだ」
優花里「コリコリした食感が加わって美味しいですよ」
ナカジマ「じゃあキーマカレーだよ召し上がれ」コト
あゆみ「わ~美味しそう」カチャカチャ
桂利奈「いっただきま~す」ガブガブ
梓「そんなに掻きこむと喉に引っかかるよ」サスサス
カエサル「流石インドカレー、辛いな」ヒリヒリ
エルヴィン「ああ、でもこのヒリヒリがたまらないな、癖になる味だ」パクパク
パゾ美「このアチャールも美味しいわね」ポリポリ
そど子「辛味に酸味が加わると味が、はっきりするわね」モグモグ
柚子「次はアリクイさんチームです」
ねこにゃー「僕たちはこれを作るよ」コト
ぴよたん「ベヤングの激辛だよ」
ねこにゃー「ベヤングはねよく食べるから」
ももがー「今日はオムソバにするぞな」
ぴよたん「薄焼き卵を焼くずら」
ねこにゃー「後は出来上がったベヤングを包んでね、ケチャップとマヨネーズをかけるんだ」シュシュシュ
沙織「見た目は綺麗だけど・・・・」
麻子「いいのかこれは?」
桃「言い訳あるか、ちゃんと料理しろ」
華「でも美味しいですよ」ズルズル
優花里「か、辛いであります」ヒリヒリ
優季「から~い」ヒリヒリ
左衛門佐「この玉子とマヨネーズが良いな」
おりょう「これがなかったら辛くて食えんぜよ」ズルズル
柚子「次は1年生チーム、ウサギさんチームです」
沙織「手を切ったりしないかな?心配だよ~」オロオロ
梓「私たちは水煮魚を作ります」
カエサル「シュイジューユウ?」
優花里「四川料理ですね、水煮と付いてますが油っぽい煮物のような感じであります」
梓「今日は紗季が獲ってきたナマズを使います、肉でも鶏でもタラなんかでも作れますよ」
あゆみ「まずは鍋でスープ作りね、たっぷりの油に唐辛子、花山椒。豆板醤、ニンニク、生姜を入れてよく炒めます」ジュウウウウ
麻子「凄い煙だな」ケホケホ
優季「目がいた~い」グスグス
あや「メガネかけててよかった」
梓「しっかり辛味を引き出したら中華スープを注ぎます」ジュウウウウウウウ
優花里「スープが真っ赤っ赤でありますね」ヒイイイイイ
梓「次はナマズをそぎ切りにして塩コショウと片栗粉をまぶして茹でてザーレンに空けます」サパアア
梓「煮立ったスープにナマズを入れてニラと唐辛子粉、花山椒をまたたっぷり振ります」サササー
おりょう「あんなに入れて大丈夫なんぜよ?」
梓「お皿に盛って、桂利奈ちゃん準備出来た?」
桂利奈「あいあいあ~い」ジュウウウ
梓「煙が出るまで温めたネギ油を上から回しかけます」
ジュワワワワワア
あけび「凄い香りですね」
忍「目が痛いな」
梓「水煮魚の完成です」
スズキ「水煮なんて想像できない見た目だな」
ホシノ「ラー油まみれの魚だな」
華「いただきますわ」パク
柚子「辛いですね」ひぃひぃ
桃「食べただけで汗が吹き出すな」タラタラ
典子「根性で食べるぞ~」パクパク
そど子「汗まみれになっちゃうわね」
エルヴィン「辛いがその奥に魚のふっくらした柔らかさと旨味があるな」フーフー
おりょう「ヒイヒイ言いながら食べるのも乙なもんぜよ」パクパク
桃「なかなか旨いな、どれこのスープは」ズズ
梓「ああそれはダメです!!?」
桃「んがああああああああ!!!か、辛い」ギャアアアアア
梓「この料理は汁気を切りながら食べないといけないんです」
杏「ハハハッ大丈夫か~河嶋~」
柚子「次はバレー部、アヒルさんチームです」
典子「私たちは排骨飯を作るぞ」
優季「パイクゥファン?」
桂利奈「ほら、ドラゴンボールに出てたやつだよ」
優花里「排骨飯、香港の豚のから揚げ丼ですね。排骨とはあばら肉のことであります」
麻子「バレー部だから排なのか」
あけび「今日は作りやすいようにバラ肉ではなくてロースですけどね。薄いロースの唐揚げでパリパリして美味しいですよ」
典子「今日はスパイシーに仕上げます。まずは豚肉に五香粉とチリパウダー、醤油と酒を揉み込んで休ませます」
忍「キャプテン、揚げ油の準備オーケーです」
典子「豚肉に卵と片栗粉の衣をまぶして揚げます」ジュワアアアアアア
典子「揚げあがった豚肉を切ってご飯に盛り付けます」ザクッザクッ
華「サクサクで美味しそうです」
妙子「キャプテン、タレも用意できました」
典子「醤油ベースのタレにオイスターソースを入れた中華タレを上からかけて青菜を添えたら完成です」
左衛門佐「ガッツリ系だな」
エルヴィン「スパイシーでいい香りだな」
優花里「ピリ辛の豚の唐揚げに甘めの中華ダレが合いますね」ガツガツ
ねこにゃー「薄くてパリパリの唐揚げがおいしい」
ももがー「お菓子のビッグカツみたいぞな」
典子「台湾でも駅弁として売ってるんですよ」
優花里「カツ丼とは違った感じで美味しいですね」
麻子「カツ丼よりもパリッとしていて面白いなソースカツ丼みたいだ」
忍「好評のようですねキャプテン」
典子「これは入賞まちがいなしだな」
柚子「次はカバさんチームです」
エルヴィン「我々はペンネ・アラビアータを作るぞ」シューーコーーー
左衛門佐「ペンネはパスタの一種だな太いマカロニといったところだな」シュコーー
優花里「なんでエルヴィン殿はガスマスクに手袋を着けているんでありますか?」
エルヴィン「今日のは強烈だからな、素手ではとても出来ないな」
杏「今日のは強烈か上手いね~」ハハハッ
カエサル「今日はこのキャロライナ・リーパーを使うぞ」
みほ「真っ赤な唐辛子で美味しそうだね」
エルヴィン「これを刻んでにんにくとオリーブオイルで炒めるんだ、トマトソースを入れて煮詰めればアラビアータソースの出来上がりだ」
優花里「や、やばいであります!!急いで避難するであります西住殿」ガタガタ
みほ「どうしたの優花里さん?まだ料理はできてないよ?」
優花里「問題はあの唐辛子であります、あんなもの油に入れたら一面、焼け野原であります」グイグイ
麻子「そんなにやばいのか?」
優花里「唐辛子の辛さはスコヴィル値という数値で測るんであります」
みほ「聞いたことあるかも、日本の鷹の爪が4万くらいなんだよね」
優花里「そうであります、あの有名なハバネロでも10万から30万、強力な催涙スプレーでも18万程度であります」
麻子「じゃあそのキャロライナ・リーパーてのはどのくらいなんだ」
優花里「さ・・・300万であります」
みほ「へっ!?!?!?」
優花里「ですから300万スコヴィルなんであります」ガタガタ
華「それってどのくらいなんですの?」
優花里「防犯用トウガラシスプレーの原液よりも強力であります、そんなものを油に入れて香りを出したら」ガタガタ
エルヴィン「じゃあ早速作るぞ」ジュワアアアアアアア
ヒクッ
華「こ、この香りは・・・・・」ビクビク バタンッ
みほ「ああ、華さん大丈夫ですか」ユサユサ
桂利奈「なにこのにおい~」グシグシ
あけび「キャプテン涙が止まりません」エグエグ
典子「根性だ、根性で止めろ~」ズズズ
「「ギャーギャー ワーワー 窓だ窓を開けろ 目が見えないよ~ ウワーン」」
桃「避難するぞ、一時退避!!」
「「ワーワー」」
エルヴィン「・・・最後にオリーブオイルを振ったら完成だ!!!」シューーコーーー
エルヴィン「あれみんなどこに行ったんだ?」
桃「カバチームは失格だ!!」
柚子「次は優勝の立役者、あんこうチームです」
みほ「じゃあ私たちはからし蓮根を作りましょう」
優花里「熊本名物でありますね」
麻子「熊本藩主、細川忠利の病弱もこれで治ったらしいな」
沙織「じゃあまずは蓮根の皮を向いて茹でるよ」
華「剥けました、これを茹でるんですね」
みほ「柔らかくなるまで茹でてね、次は中の辛子味噌を作るよ」
優花里「麦味噌と辛子、蜂蜜を混ぜるんでありますね」コネコネ
沙織「今日はおもいっきり辛くしちゃうからね」
麻子「押し付けて味噌を入れるんだな」グイグイ
みほ「しっかり入れないと爆発するから気をつけてね」
優花里「最後は衣でありますね、今日は天ぷら粉にクチナシで色を付けたであります」
みほ「これをつけて揚げればからし蓮根の完成だよ」ジュワアアアアア
沙織「揚がったら薄く切って完成!!」
優花里「熊本のおせちには欠かせないでありますな」
みほ「うん、でも普段から食べるよ?」
パクリ
おりょう「むっちりシャキシャキした蓮根が旨いぜよ」シャリシャリ
左衛門佐「これも加藤清正が育てた熊本の味なんだな」パクパク
あや「辛いけど美味しいね」
紗希「・・・・・・」モグモグ
妙子「いけますねキャプテン」
典子「食欲をそそるな」カプ
柚子「最後は生徒会、カメさんチームです」
桃「会長なにを作りましょう」
杏「そうだね~やっぱここはマーボーかな」
柚子「麻婆豆腐ですね。では豆腐を切って茹でておきますね」
杏「じゃあ鍋を温めて油を入れるぞ、にんにく、唐辛子、豆板醤、甜麺醤、豆鼓醤を炒めて香りを出すぞ~」ジャージャー
桃「会長ひき肉です」
杏「ひき肉を入れてさらに炒める。中華スープと醤油、酒を入れる」ガシャガシャ
杏「みじん切りのネギと水溶き片栗粉でトロミを着けるぞ」
柚子「会長、豆腐の準備も出来ました」
杏「よし、じゃあ豆腐を入れてさっと混ぜる。仕上げはラー油と花山椒だ」バサアアア
優花里「あんなに花山椒を、見るからに辛いであります」
沙織「真っ赤な油がいっぱい浮いてるよ」オロオロ
杏「かんせ~い!!お好みで花山椒を掛けてね」
桂利奈「おいしそ~」
麻子「旨い 辛い」ガツガツ
華「とっても美味しいです」カチャカチャ
紗希「・・・・・・」山椒 ドバアアアー
梓「ちょっと紗季大丈夫なの?」
紗希「・・・・・美味しい」ボソッ
カエサル「火を噴くほど辛い麻婆タレが豆腐の甘みを引き出しているな」
エルヴィン「汗がどんどん出てくるな、これこそ四川料理だ」パクパク
桃「好評のようですね会長」
杏「ふふ~みんな喜んでるね~」
みほ「どれも美味しいね優花里さん」パクパク
優花里「そうでありますね、やっぱり蒸し暑い時は辛いものに限りますね」
麻子「麻婆お代わり」
沙織「麻子もう食べたの!?」
華「私もお代わりお願いします」ハーイ
沙織「華まで! じゃあ私もお代わり~」
優花里「みんなも食欲が戻ったみたいですね」
みほ「良かったです、ゲキカラ・ウォー 完です!!」
小ネタ
みほ「オスシ・ウォー」
みほ「皆さんお待たせしました」タッタッタッ
まほ「遅いぞみほ!!」
ケイ「良いじゃない、待ち合わせ時間はまだなんだから」
ダージリン「それにしても戦車道協会も良い計らいをしてくれましたね、大学選抜のご褒美に寿司屋に連れて来てくれるなんて」
カチューシャ「大学選抜に勝ったんだからそれくらい当然よ」フフン
優花里「でも私が案内係で良かったんですかね」
みほ「良いんじゃない、優花里さんも頑張ってくれたんだから」
ダージリン「では揃ったことですし行きましょ」
優花里「でも西殿が来られないなんて残念でしたね」
みほ「そうだね、今度は西さんも一緒にどこか行こうか」
ダージリン「ここみたいですわね、絹代寿司。良さそうなお店ですね」
ケイ「さあ食べるわよ、スシ、、テンプラ、フジヤマ!!」
カチューシャ「さあ入るわよ」ガラガラアア
ミカ「・・・・・・・」ポロローン
絹代「いらっしゃいませ!!」
みほ「西さん!!どうしてここに??」
絹代「ささ、こちらへどうぞ」
まほ「まさか知波単の店だったとわな」ガタンッ
絹代「福田、お茶をお出ししろ」
福田「お待たせであります」カチャ
ケイ「さて、どうしましょうか、カウンターのお店なんて初めてだからどうすればいいかわからないわ」
まほ「ではおまかせで握ってもらおうかな」
みほ「そうだね、じゃあ私もお姉ちゃんと一緒で」
カチューシャ「じゃあ私もそうするわ」
絹代「畏まりました、なにか苦手な物はありますか?」
まほ「私は大丈夫だ、みんなはどうだ?」
ケイ「私も大丈夫よ」
カチューシャ「カチューシャも好き嫌いなんて無いわ」
ダージリン「カチューシャはサビ抜きにしてもらわなくても良いのかしら」クスクス
カチューシャ「大丈夫よわさびくらい・・・ちょっと少なめが良いけど・・・」ボソ
まほ「じゃあおまかせで、白身を多めにしてもらおうかな。それからシャリを小さめで、種類を増やしてくれ」
絹代「分かりました。お寿司の前に何かつままれますか?」
まほ「そうだな、少しつまんでからにしようか、何がある?」
絹代「そうですね、カツオの叩きなんてどうですか? 藁で焼いたカツオです。後はお刺身ならムギイカも美味しいですよ」
まほ「じゃあそれを貰おうか、後、焼酎を前割り、冷で貰おうかな」
ケイ「前割りってなに?」
優花里「前もって水で割って寝かせた焼酎であります、焼酎と水が馴染んでまろやかになるんであります」
ケイ「へ~面白そうね、私もそれにしようかしら」
ダージリン「お寿司や刺身には他には何が合うのかしら?」
絹代「そうでありますね、日本酒を合わせるのが良いと思われますよ。ただ、できればお酒はつまみの間だけ、お寿司が始まったら寿司に集中していただきたいですね」
優花里「寿司は握りたてが一番ですからね、飲むのに集中してしまって置き去りにされた寿司を見ると悲しくなりますね」
絹代「はい、カツオの叩きとムギイカの糸造りです」
みほ「ムギイカって聞いたこと無いね?」
優花里「スルメイカの子供でありますね、麦が採れる今の時期に取れるのでそう呼ばれるんです」
ダージリン「ではいただきますわ」パク
ケイ「ん~この藁の香りがたまらないわね、懐かしい気持ちになるわ」
絹代「藁の香りを嗅ぐとなぜか懐かしい気持ちになりますよね」
カチューシャ「このイカも甘くて美味しいわね」
まほ「熊本の甘めの醤油もいいが関東の濃口もいけるな」パクパク
絹代「関東はなんといっても濃口醤油ですね、刺身も寿司も基本は濃口です。でも今日は煮切った酒を入れてあるんですよ、刺身醤油みたいなものですね」
優花里「昔は関東では濃口ばかりでしたがお店では一手間掛けて自家製のさしみ醤油のようにしているお店も多いですよ」
ダージリン「醤油に違いなんてあったのね」パクパク
優花里「関東では濃口を使うところが多いですね、中部地方ではお刺身には甘みのあるたまり醤油を使ったりします」
みほ「九州は甘い醤油が多いかな、さしみ醤油って言ってブレンドして味付けした醤油を使うよ」
優花里「ただ甘みが強いので白身魚などでは風味や香り、白身の甘みが飛ぶからと嫌われる人もいますね」
絹代「では、お寿司の方を始めさせてもらいますね、今日は白身を多めさせてもらいます。まずはコチです」
優花里「白身を味わいたいときは味の薄いものからと言いますね」
ケイ「いきなりトロとかを頼んじゃダメなの?」
絹代「別に構いませんよ、お寿司は好きな様に楽しんでいただければ構いません。お店の中にはまずは人気のネタを食べてみてくださいと中トロや穴子が先に来るお店もあります」
ダージリン「コチってどういう魚ですの?」
優花里「夏のコチ、冬のふぐといってさっぱりとしていて歯ごたえがある白身ですね、初夏が旬で透明感のある身と爽やかな味わいが特徴ですね」
絹代「今日は薄造りにして、2枚付けにしてあります、味は付いているのでそのままどうぞ」
ケイ「本当にさっぱりね」モグモグ
優花里「コチはそんなに旨味の強い魚では無いですからね、それに身もプリプリで硬いので薄造りにするんであります」
まほ「ふぐ刺しを何枚かいっぺんに食べたみたいな贅沢さだな」モグモグ
ダージリン「爽やかな味ですわね」
優花里「コチはこんな顔をしているんでありますよ o< ´・ω・` >oビローン 」
カチューシャ「なによその顔ハハハッ」
絹代「次はイサキです、これも味がつけてありますからそのままどうぞ」コト
みほ「美味しいねお姉ちゃん」モグモグ
まほ「ああ、口に入れるととろけるような脂がいいな」モグモグ
絹代「これでもまだ脂の少ない方ですね、冬の脂の乗り切ったものがお好きな人もいますが、この時期の麦藁イサキと呼ばれる時期が私は一番好きですね」
優花里「イサキはとっても諺が多い魚なんですよ、それだけ愛されているってことですね」
ダージリン「ねえこんな言葉を知っている、イサキは北を向いて食べろ」
ケイ「どういう意味なの?」
ダージリン「骨が硬くてキツイ魚だから何時死んでも良いように北枕になるようにして食べなさいと言う意味よ」
カチューシャ「怖いこと言わないでよ」プンプン
ミカ「それでも食べたいくらい美味しいってことじゃないかな」ポロローン
絹代「次はホシガレイです塩昆布が乗っているのでそのままで結構です、お好みで醤油を漬けてください」
優花里「幻の白身でありますね、美味しいであります」モグモグ
ケイ「そんなに凄い魚なの?」
優花里「天然物のホシガレイはめったに取れなくなってきましたからね、特に夏場はタイがおまり美味しくないのでこの時期はよく使われますね」
絹代「これからどんどん脂が乗っておいしくなっていきますね、特に秋口のホシガレイがいいですね」
カチューシャ「これもさっきのお寿司みたいにネタが何枚も乗っているのね」
絹代「白身魚はプリプリの食感を好まれる方も入れば熟成させて旨味がを味わうのが一番だという方もいますからね」
絹代「こうして2枚付けにしてどちらも味わえるようにしてあります」
まほ「美味いな、透き通るような身と飴色の身のコントラストが良いな」
ケイ「美味しいわね、上品な甘味と風味、熟成させた魚のコクと新鮮なプリプリコツコツした触感がいいわね」モグモグ
優花里「冷蔵庫で寝かせて熟成させたんですね、養殖物だと長い熟成が出来ないので天然物ならではですね」
絹代「次は青物を行きましょう、シンコをどうぞ」
優花里(シンコは6月の終わり頃に出始めるので本来はまだ無いですけどね)
ダージリン「初物のシンコですわね、ファーストフラッシュのようですわ」
ケイ「なんなのシンコって」
優花里「コノシロの子供ですね、成長するに連れて名前が変わるんです。シンコ、コハダ、コノシロと成長していきます」
みほ「やっぱりお寿司屋に来たらコハダだよね」
絹代「江戸前の代表的なタネですからね、塩と酢で魚の旨味を引き出すんです。寿司屋の力量がはっきりと出ますし、手をかけて準備しているのでぜひ食べてください」
ダージリン「カチューシャみたいに小さい魚ですね、お寿司に5枚ものっていますわ」
カチューシャ「カチューシャはこんなに小さくないわよ モグモグ 美味しいちょっぴり甘いのね」
絹代「シンコはまだまだ成虫途中ですからね、特に初物は脂ものっていないのでおぼろをはさみました」
まほ「これを食べると夏が来たって感じがするな」
みほ「この儚げな感じが良いよね」モグモグ
絹代「次はサヨリです、今年もシーズンも終わりなので名残りのサヨリです」
優花里「ハシリの後に名残りとは粋でありますね」
ケイ「魚が編みこんであるわ、ダージリンの髪の毛みたい」
絹代「網代ですね、サヨリはこうして三つ編みにしたり飾り造りにすることが多いんです」
優花里「サヨリはとっても綺麗な魚なんですよ、でもお腹の中が真っ黒なので容姿端麗でも腹黒い人を「サヨリのような人」っていうんですよ」
カチューシャ「本当にダージリン見たいね」クスクス
まほ「サヨリも軽く締めてやると旨味がはっきりするな」モグモグ
ケイ「脂も乗ってきてトロッとしてるわね、光物も美味しいわ」
絹代「次はシマアジですね」コト
カチューシャ「シマアジってアジとは違うの?」
優花里「シマアジはアジよりももっと大きい魚ですね、丸っこくて真ん中に黄色い縞があるからシマアジです」
ミカ「よく締まった良いシマアジだね、琥珀色の身がとっても綺麗だ」パクン
ケイ「脂が乗っているのに全然臭くなくて味わい深いわね」モグモグ
みほ「やっぱりこの旨味はシマアジならではだね、カンパチやヒラマサだとこうはいかないよ」モグモグ
絹代「次は赤身をいきましょう。今日は本マグロの子供のメジマグロです。トロもいいですが赤身の旨味を味わってください」
みほ「わ~深い真紅の色が綺麗だね」キラキラキラ
まほ「口に入れた瞬間広がる鮮烈な旨味と鼻を抜ける芳醇な香り、これぞマグロと言う味だな」モグモグ
ケイ「さっぱりとしているのにコクがあって美味しいわね、脂も程よくのっていて甘みが良いわ」
絹代「やはり寿司と言ったらマグロですからね、赤身のテンバと言う部位です」
ダージリン「口の中を駆け巡るマグロの血の味がいいわね、酸味と甘味のバランスもいいわ」
絹代「次は穴子です詰めと塩でお召し上がりください」
みほ「これも口に入れた瞬間にふわっと消えるね、こってりした照りがとっても美味しい」
まほ「こっちはさっと炙って塩で食べるのか、こってりとした穴子だが全く臭みがないな」モグモグ
絹代「今は旬の柔らかい穴子が取れますからね、しっかりと仕事をした臭みのない穴子に仕上げました」
絹代「次は玉子です、今日はすり身を混ぜたカステラ風の薄焼きをくらかけにしました」
ダージリン「この薄めの卵焼きがシャリに鞍のようにかかっているからくらかけなのね」モグモグ
カチューシャ「甘くてとっても美味しい」キャキャ
優花里「厚焼玉子の玉もいいですが、やっぱりこのカステラ風好きですね」モグモグ
絹代「後は巻物で終わりですが、何か追加で握りましょうか?」
まほ「そうだな、カツオの叩きがうまかったから、あれを握りで頼めるか」
みほ「私はもうお腹いっぱいだよ」フー
カチューシャ「私は玉子が良いは、とってもお美味しかった」
ミカ「カレイと赤身それからウニが良いかな」
ダージリン「私も赤身を頂けますか」
絹代「はい! はい!! さあどうぞ」ヒョイヒョイ
優花里「こんなに食べて大丈夫でしょうか・・・・」オロオロ
ダージリン「お勘定は協会もちですから大丈夫ですわ!! 私もうに頂けますか」
優花里「では私も、トロとシマアジをお願いするであります」
「「ワイワイ ガヤガヤ も~らい ヒョイ ああ、それは私が頼んだのよ アハハッ」」
みほ「オスシ・ウォー ~完~」
小ネタ 秋山優花里のお寿司講座
優花里「どうも秋山優花里です」
オレンジペコ「どうも解説のオレンジペコです」
優花里「今日は質問に答えていきたいと思います」
優花里「まずはコハダについてですね」
オレンジペコ「コハダは職人さんの違いがはっきりと出て面白く、美味しいネタですね、お店に言った際は是非召し上がってください」
優花里「ただ一貫目からいきなりコハダを頼まれるとこちらも気構えてしまいますからね、同業者かと思ってびっくりしてしまいます」
オレンジペコ「お店によって出し方をこだわる店もあるのでおまかせで、コハダを入れてくださいと言ってもらえると助かりますね」
優花里「次は白身の順番ですね」
オレンジペコ「白身は味の淡白なものが多いですからね、できるだけ味の薄いものから濃い物にしたほうが良いですね」
優花里「今回も味の薄いコチを先に持ってきたであります」
オレンジペコ「なにかいい白身は入っているかを聞いて、それを頼むのが良いと思いますね」
優花里「次はトロでありますが一貫目でも問題ないであります。実際に最初にトロが出てくるところもありますよ」
オレンジペコ「一番美味しい物を食べてもらいたいと考える人もいますからね」
優花里「お茶とがりでリセットして次に行けばいいであります」
オレンジペコ「次は玉子ですね、玉子は大きく分けて厚焼き風、だし巻き風、カステラ風、カステラの薄いものがありますね」
優花里「じっくり玉子と調味料だけで焼いたプリンみたいなプルンプルンの卵焼きもありますよ」
オレンジペコ「シャリと合わせるならすり身を混ぜたカステラ風の薄焼きが一番合うと思いますね、玉子だけっで締めに出てくるものもあるのでお寿司屋さんの特徴が出ますね」
優花里「よく通は玉子から食べるといいますからね」
オレンジペコ「玉子が焼けないと一人前ではなかったためそう言われることが増えたんだと思いますよ、ただ最近は専門店で買って出す店も多いのでなんとも言えませんが」
優花里「カステラ風の甘い玉子しかない店で、いきなり頼むのははっきり言ってちょっと変な人でありますね」
優花里「次は一番気を使うネタですね」
オレンジペコ「やはりマグロの赤身ですね、トロは脂で誤魔化しが効きますが、赤身はそうはいきませんからね、マグロを食べれば店の格調や方向性が大体わかってしまいます」
オレンジペコ「後はタイですね、白身といえばタイですから、どこのどんなタイを、締め方や熟成させるのか、新鮮な状態で出すのかと職人さんの考えかたが出ますからね」
優花里「次は海鮮丼についてであります」
オレンジペコ「やはり自分が美味しいと思うように食べるのが一番でしょう」
優花里「自分は酢飯じゃなくて温かいご飯の海鮮丼にわさびを溶いた醤油を回しかけて掻きこむのが一番好きですね」
オレンジペコ「よくわさびを醤油に解くと香りが飛ぶと言う人がいますが、醤油にわさびを溶いて作ったソースの美味しさも忘れないで欲しいですね」
優花里「次は骨泳がしであります」
オレンジペコ「包丁人味平に出てくる技ですね、さばいた魚が泳ぐというものです」
優花里「実はこれそんなに難しくないんであります」
優花里「活造りの捌き方で内蔵を傷付けないよう切るんであります、新鮮で元気なうちにすると泳ぎますね。普通は暴れないよう頭を叩くんでありますが、タオルで目を隠して暴れないようにしてやると気絶もしないので泳ぐであります」
オレンジペコ「泳ぐようにあえて身を残すとよく動きますよ」
優花里「ただ骨泳がしで作っても美味しい魚にはならないであります」
オレンジペコ「しっかりと締めたほうが絶対美味しいですね」
優花里「次は美味しい寿司屋の見分け方であります」
オレンジペコ「これも難しいですね」
優花里「人によって感じ方が違うのであくまでも個人的な意見であります」
優花里「まずは営業日であります」
オレンジペコ「通常市場というものは水曜と日曜が休みです。なので日曜日が休みの場合が多いですね」
優花里「なのでお店にいくのは金曜日が良いであります。月曜日木曜日では仕込みができていないですからね」
優花里「それから自分は個人店のほうが好きであります、こだわりが味わえて違いがはっきりと出るので面白いであります」
オレンジペコ「それから個人店で昼営業をしている所も避けていますね」
優花里「手を込めだしたらキリがないですが、はっきり言ってお昼に営業している暇は無いであります。どこかで手を抜くか出来合いのものを使っている可能性が高いであります」
オレンジペコ「新鮮で手を加えず生きのいい状態を良しとするお店もあるかもしれませんのでこれも好みですね」
優花里「後は清潔な店であること、後は内装などの店長とのフィーリングが合うといいですね」
オレンジペコ「最後は職人さんとの相性ということですね」
優花里「職人さんも自分が美味しいと思う方法を追求しています、それが自分に合うかが問題であります」
優花里「バフンウニとムラサキウニの違いでありますね」
オレンジペコ「ウニは世界中に900種類を超えるほど生息していますが日本ではバフンウニとムラサキウニ。特にエゾバフンウニとキタムラサキウニが美味しいとされていますね」
優花里「普段みなさんが食べているウニはウニの生殖器であります、オスもメスもほぼおなじ形と味ですね、粒がしっかりしているオスのほうが箱にした時の見栄えが良いので高い値がつきます」
優花里「ただ見た目ではわからないので割ってみるまでわからないですね」
オレンジペコ「バフンウニは12月~3月、エゾバフンウニは6月~10月が産卵期です、なのでその前の生殖器に栄養が集まる時期が美味しいとされています」
優花里「水温によって産卵が誘発されるであります。なので地域によって差が出るので使い分けています」
オレンジペコ「バフンウニは濃厚な甘みが特徴ですね、香りも高く身も赤いです、味が舌に残り粘りも強いです」
優花里「ムラサキウニと比べると単価が高いでありますね」
優花里「次にムラサキウニでありますがこちらは5月~8月が産卵期であります」
オレンジペコ「こちらは粒が大きく黄褐色ですね、白ウニと呼ばれたりもします。甘いは薄いですが癖がなく淡い味が特徴ですね」
優花里「粒が大きく見た目も綺麗なので寿司屋で使われる場合が多いですね」
優花里「よくパックの中で色が違うウニがあるでありますが、これは種類が違うわけではなくオスメスの違いであります」
オレンジペコ「メスのほうが色が濃くとろっとしています、反対にオスは黄色っぽく身がしっかりしていて味も僅かに濃厚なのでそれだけを集めた箱もありますよ」
優花里「旬によって使い分けるので自分の好みの種類の時期に寿司屋に足を運ぶのもいいでありますよ」
優花里「次は寿司についてでありますね、寿司、鮨、鮓と感じが色々あります」
優花里「鮓とはそもそもはなれずしなどの発酵させた保存食であります、それから今の形の握り寿司が生まれると鮨の漢字が使われたであります」
オレンジペコ「こちらはもともとは塩辛を表す漢字ですね」
優花里「そして江戸の末期に寿司という当て字が使われるようになったんであります」
オレンジペコ「祝寿の祝いを意味する寿詞が当てられたと言う説が有力ですね。天皇の御代の安泰・繁栄を祈り祝う言葉です」
優花里「寿を司ると言う縁起担ぎですね」
ドゥーチェに気づかなかったので短編~バラチラシ・ウォー~
杏「や~や~チョビ、待ってたよ」
アンチョビ「チョビって呼ぶな!!なんのようだ急に呼び出したりして」
杏「チョビには大学選抜でお世話になったからねえ、そのお返しというわけじゃないんだけどね」
アンチョビ「ん、なんだ?何かくれるのか?」ウキウキ
桃「良いニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい」
アンチョビ「それは良いニュースからだな、いいことは早く知りたい」
柚子「アンチョビ隊長の貢献と友情に感謝し、会長がお寿司を作ってくれます」パチパチ
杏「や~や~照れるね」ポリポリ
アンチョビ「お寿司、いやったああああ!!杏のお寿司!杏のお寿司!」ワーイワーイ
桃「喜んでくれているようですね」ヒソヒソ
杏「次のが言いづらいよね」ヒソヒソ
アンチョビ「で?悪い知らせってのは何なんだ?まさか今日は食べれませんなんて言うんじゃないだろうな」
杏「安心していいよ~ちゃ~んと今日作ってあげるから」
アンチョビ「なら安心だな、でその悪い知らせって言うのは?」
柚子「実は先日戦車道協会からご褒美に選抜参加校の隊長宛に高級寿司店への招待券が送られてきたんです」
桃「ただ手違いでアンツィオ校に配送が遅れてしまったようなんだ、それで今日はそのお詫びもかねている」
アンチョビ「じゃあ他のみんなは高級寿司店でおいしいお寿司お腹いっぱい食べたってのか?」
杏「ま~そう怒らず、今日はとびっきり美味しいちらし寿司食べさせてあげるから」
アンチョビ「チラシなのか?向こうは握り寿司だぞ」ウガアアア
桃「会長の寿司に何か文句でも」ギン
アンチョビ「・・・・いえ、ないです。楽しみです」
杏「じゃあまずはシャリだな」
柚子「会長、洗米終わりました」ガシャン
桃「こちらも水出汁準備出来てます」
アンチョビ「水出汁ってなんだ?」
杏「よく寿司屋とかでお釜に昆布入れてるでしょ~あれやっちゃうとね~昆布が煮立ってエグみも出ちゃうんだよね。だからこうして水に昆布をつけて水出汁を作ってそれで炊くとべたつかないし変な匂いもなくなるんだよ」
桃「会長釜の方は我々がネタの煮込みをお願いします」
杏「了解っと!!」シュパシュパ
杏「まずはマグロだねキッチンペーパーにくるんで軽く塩をする、こうすると余計な水分が出ておいしくなるんだよ。後はこれを漬けにして賽の目に切ったら完成ね」パチャン
アンチョビ「ペロ 醤油に煮切った酒と味醂か、ほんのりわさびが効いててうまそうだな」
杏「次は海老だね、サラダなんか使う小さい海老でも良いけど、今日は豪勢に車海老にしようか」
ピョーンピョーン
アンチョビ「おおまだ生きてるんだな」ツンツン
杏「おがくずに入れて搬送すると長持ちするみたいなんだよね~。綿を抜いて串をさす、そして軽く塩茹で」グツグツ サパアア
アンチョビ「もう上げちゃうのか?まだ中心まで火が通ってないぞ?」
杏「これはね~もう一回煮汁を作って漬け込むの、こうするとパサパサになんないんだよ」
アンチョビ「なるほど、出汁のきいた醤油だしね」ペロ
杏「穴子も炊いておいたからね、これも角切りにする」
アンチョビ「さっきから角切りばっかりだな」
杏「バラチラシだからね~、次はいか、厚焼き玉子、鯛、煮込んだ海老さあどんどん切るよ」トントントン
アンチョビ「なんで自分の歓迎料理を手伝わないといけないんだ」テキパキ
杏「次はチラシの材料だね、今日はかんぴょうと椎茸にしたよ、時間かかるからこれも炊いといたから」
アンチョビ「これはどう切ればいいんだ?」
杏「かんぴょうは細切れに、干ししいたけは薄切りが良いかな」
杏「次は薄焼き卵っと卵を割ってよう混ぜる、塩を少しっと」カチャカチャカチャ
杏「後は茶こしで漉してキメの細かい卵液にする」ツウウウ
アンチョビ「これを薄く焼くのか」フムフム
杏「見ててよ~よく焼いた卵焼き器にさっと油を敷いたらよく拭き取る。温まったら卵液を入れて回して全面につけろ。余ったらボールに戻すっと」
アンチョビ「クレープなんかより全然薄いんだな」ホオオオ
杏「焼けてきたらひっくり返して軽く焼いたら完成、大きめの平ザルかキッチンペーパーの上で冷まそう」
アンチョビ「面白そうだな、私にもやらせてくれ」
杏「いいよ~あっついから気をつけてね」フリフリ
アンチョビ「卵を入れて薄く広げて余ったら戻す」ツツーーー
杏「そ~そ~上手いねチョビ!!」
アンチョビ「これをひっくり返すんだな・・・アチッ・・アチッ アチッ 難しいな」
杏「ヘヘ~早くしないと焦げちゃうよ」
アンチョビ「とりゃあ ファサ 見たか!!」
杏「おお~上手上手」パチパチ
アンチョビ「ふふ~ん」ドヤーン
杏「後はこれを細かく千切りしてっと」タタタタタタ
桃「会長、そろそろ米が炊けます」
杏「オッケーじゃあ甘酢を作ろうか、今日は関西風のチラシ用の甘いシャリだから気をつけてね、関東だと砂糖を使わないってお店もあるからね」
杏「寿司屋でよく作られる量だよ」
・米・・・・・・・・2升
甘酢
・穀物酢・・・・・・300cc
・砂糖・・・・・・・300g
・塩・・・・・・・・100g
杏「まあ2升炊きの炊飯器が家にある人はいないと思うから自分の家の量で加減してれ、甘いシャリが嫌いな人は砂糖を減らしてね」
桃「シャリきりはよく濡らして拭いておくんだぞ、そうしないと米がくっつくからな」
柚子「ごはんに酢を掛ける時もシャリきりに掛けずに全部ごはんにかかるようにしてくださいね」
杏「さあシャリを作るぞ、河嶋!!」
桃「はい!」パタパタ
杏「混ぜちゃダメだからね~米を切るようにサッサッサッと」
アンチョビ「なかなか手際が良いな」フムフム
桃「会長もうそろそろいいですか」ゼエゼエ
杏「こんなもんかね、上下を返したら隅に固めて濡れ布巾を抱えてしっかり吸収させる」
杏「じゃ具材を混ぜようか、かんぴょうと椎茸の水気を切って混ぜあわせてね」
アンチョビ「こうかな?」サササ
杏「筋が良いね~ゴマも入れちゃうよ。さてこれをお皿でも良いんだけど、今日は桶にしようか」
桃「会長、準備しておきました」
アンチョビ「漆塗りなのか?表面の模様がすごく綺麗だな」キラキラ
杏「初夏用の蒔絵だよ、良いでしょ」
アンチョビ「良いなこれ、青竹の葉っぱの一本一本まで書いてある」ウンウン
杏「これにさっきのシャリを詰めたら、表面を全部、錦糸玉子で覆うんだ」パラパラ
アンチョビ「黄色一色というのも綺麗だな」パサパサ
杏「あとはチョビの感性で具を載せてくれればいいからね」
アンチョビ「私がやるのか??」
杏「そうだよ~頑張ってねー」フリフリ
アンチョビ「じゃあここにイカ、こっちはサーモン・・・・玉子はえええっと・・・・」
アンチョビ「出来たぞ!!」
杏「おお良いじゃんチョビ、美味しそうだよ~」
アンチョビ「そうかな~」テレテレ
杏「酢レンコンやイクラ、おぼろの配置も良いねえ、これなら何時でも良いお嫁さんになれるよ」パンパン
アンチョビ「そうかな////・・・・ってなんで招待客の私が作ってるんだ」ウガーーーー
杏「こっちの支度もしてたからね、ささもう準備出来てるよ」
アンチョビ「おお他にもこんなに料理を作ってたのか」ウキウキ
柚子「会長はお料理が得意なんですよ」
杏「ささ、食べよ食べよ~、河嶋~あのこも持ってきて~」
桃「はい会長!」
杏「ささ、まずは一杯」トトト
アンチョビ「なんだこれは?メロンみたいなフルーツの香りがするな」クンクン
杏「戦車道の聖地、富士の麓から届いた地酒だよ、今日はにごり酒だよ」
コクッ
アンチョビ「にごり酒って変な酸味があるって聞いてたけど、すっきりして飲みやすいな」
杏「これも富士のお山のお蔭かもね~さあさあ料理が冷めちゃうよ」
アンチョビ「そうだな、いただきまーす」ガブッ
アンチョビ「このアスパラのベーコン巻き美味しいな」ガブガブ
桃「朝採れたてをお持ちしましたからね」
柚子「会長のオクラの炒め物も美味しいです」パクパク
杏「オクラもねー豚なんかと炒めてあげると美味しいんだよね」
アンチョビ「この肉じゃがもいけるな、味がしみてて美味い」
杏「新じゃがを皮ごと使ったからね、甘くて美味しいでしょ」
桃「このチラシもいいですね、どれも一手間かけてあって美味しいです」バクバク
アンチョビ「握りもいいけどチラシも美味いな」パクパク
柚子「このミョウガの酢漬けもいいですね、がりとは違っだ爽やかさですね」
杏「ミョウガは今時期が旬だからね、こっちは鶏とズッキーニ、茄子なんかをトマトで煮てみたよ、チョビが好きかと思って」
パクン
アンチョビ「・・・お、おいひい ヒッグッ マンマの味だ」ヒックッ ヒックッ
杏「今日は来てくれてありがとうねチョビ」ポンポン ギュウウウウ
アンチョビ「ズビィィィ こちらこしょ ズビィィ こちらこそこのような歓迎、感謝の限りだ」
杏「全くチョビは、こんなにごはん粒付けて」ヒョイパクヒョイパク
アンチョビ「・・・その・・・・こういう食事ならまたうちにも来てくれ、イタリアンをごちそうするから///」ツンツン
杏「本当!! じゃあ今度お邪魔するかんね~」
アンチョビ「ああ、楽しみに待っている////」
杏「ほらもっとチョビも飲め、飲んで食べるのがアンツィオ校だろ」トクトク
アンチョビ「そうだな、よし目一杯食べるぞ」ガブガブ
桃「会長私達はそろそろ引き上げさせていただきます」
柚子「片付けは明日しますのでゆっくりして行ってください」
杏「悪いね~じゃあまた明日ね~」
「「こらチョビそれは私のだぞ 良いの良いのササもう一本行こう 全くチョビは・・・ チョビって言うな・・・ 」」
柚子「明日の片付けが大変そうだね」
桃「そうだな、少し小腹がすいたな、少し付き合え」
柚子「いいよなにが良い?桃ちゃん」クスクス
桃「桃ちゃんと呼ぶな///」
・アンチョビ贖罪編 ~チラシ・ウォー~ 完
ダージリン「ふふふ~ん♪」サラサラ
オレンジペコ「ダージリン様随分ごきげんですね、なにを書かれているんですか?」
ダージリン「随分料理も上達したので、みほさんを食事会に招待しようと手紙を書いているんですよ」サラサラ
オレンジペコ「ついにこの日が来たんですね」
ダージリン「ええ、グロリアーナのとっておきの料理で饗してあげますわ」
オレンジペコ「本当にやるんですか・・・?」
ダージリン「大丈夫よ、ペコにも手伝っていただきますからね、当日はこの店に来てください」
オレンジペコ「!?!?この店で良いんですか?」
ダージリン「ええ、あなたにはウエイトレスをしてもらうから、これを着てくださいね」ポスン
ダージリン「さて手紙も書けましたわ、これを大洗に届けてください」
オレンジペコ「畏まりました」ペコ
優花里「それがこの手紙なんでありますね」
みほ「うん、皆も是非来てくださいて書いてあるから、今度一緒に皆で行こうよ」
華「ダージリンさんの料理ですか、楽しみですね」
沙織「でも一体何が出てくるのかな?」
優花里「ハギスや魚の刺さったパイが出てきたらどうしましょう・・・」ガクプル
麻子「なんだハギスって?」
みほ「スコットランドの伝統料理だよ、羊の胃袋に内蔵のミンチが詰めてあるんだよ」
優花里「フランスの首相がハギスを指して酷い料理を食べるような連中が信用ならないって言ったそうです、イギリス人も激怒したそうですけど、外務大臣はハギスに関しては御尤もだといったほどの料理です」
みほ「ブッシュ大統領がG8の会合にハギスが出されるか懸念しているってジョークを言うくらいだからね」
麻子「なんだか行きたくなくなってきた」ウゲ
テクテク
優花里「ここみたいですね」
沙織「本当にここなの?」
麻子「どう見てもちゅ カランカラン オレンジペコ「いらっしゃいませお待ちしておりました」
みほ「オレンジペコさん、じゃあここであってたんですね」
オレンジペコ「さあどうぞ皆さん、ダージリン様もお待ちですよ」
みほ「ダージリンさん今日はお招きありがとうございます」ペコ
ダージリン「みほさんもみなさんも、いらしていただきありがとうございますわ!ささ、席にかけてください、早速食事会を始めましょう」
華「一体何が出てくるのか楽しみですね」
優花里「ダージリン殿は今日のために料理修行の旅に出ていたらしいですよ」
みほ「本当なの?そんなにしてくれていたんだ」
優花里「エルヴィン殿のところにも修行に来たと行っていました」
麻子「色々回ったんだな」
オレンジペコ「お待たせしました、まずは前菜、胡瓜と蒸鶏のごまソース掛けです」カチャン
華「わ~美味しそうです」ウキウキ
みほ「凄い盛り付けも綺麗」
オレンジペコ「ささ、お召し上がりください」
優花里「頂きますであります」パクリ
みほ「うん、シャキシャキの胡瓜としっとりした蒸鶏がとっても美味しいね」モグモグ
華「このソースもとっても美味しいです」パクパク
麻子「でもこれどう見ても・・・」
沙織「そうだね、あれだよね・・・」
オレンジペコ「次は2種のピメントと牛肉の強火炒め、こちらは渡り蟹を揚げてピリ辛の甘酸っぱいソースを絡めました」
華「これも美味しいですね」モグモグ
みほ「ピーマンがとっても綺麗、美味しい」モグモグ
優花里「渡り蟹の甘酸っぱいソースがたまりませんね」バリバリ
麻子「美味いけどこれもあれだよな」
沙織「うんあれだね」モグモグ
オレンジペコ「次はグロリアーナ特製の酢豚です」
沙織「ついに取り繕うのもやめた!?」
麻子「まあ良い食べよう モグ 甘酸っぱくて美味いな、豚肉もカリカリだ」モグモグ
オレンジペコ「豚肉にウイスキーを隠し味にしてるんです。甘酢あんにはグロリアーナ特製のアプリコットジャムが入ってるんですよ」
華「酢豚にジャムですの?」パク
優花里「本場ではサンザシの身を入れたりしますからね、アプリコットもあっているであります」パクパク
ダージリン「どうですか皆さん楽しんで頂けていますか?」
みほ「ダージリンさん、とっても美味しいです」
ダージリン「それはありがとうございます、では続きを持ってきましわね」
麻子「美味いがどう見ても中華料理だぞm青椒肉絲に棒々鶏だったぞ」
沙織「美味しいんだけどね、美味しいイギリス料理を食べさせるんじゃなかったのかな?」
優花里「わかりました!! 英国にはこんな言葉があるんです、英国で美味しいものを食べようと思ったら中華を食べろ」
麻子「イギリス料理を食べるより中華街で食べたほうが良いってことか」
優花里「グロリアーナは横浜中華街にも近いですからね、美味しいイギリスの料理とはこういうことだったんですね」
ダージリン「さあさあ、次はフカヒレですわよ、こちらは東坡肉、豚肉の角煮ですわ」コト
華「トロトロ、こってりでこれもとっても美味しいです」バクバク
沙織「こんな大きなフカヒレ初めて見たよ」パクパク
みほ「とっても美味しいね」パク
優花里「これだけ大きなフカヒレを崩さず煮上げるのは凄い技量でありますね」パク
ダージリン「ありがとうございますわ、次は炒飯をお持ちしますわね」
カランカラン
ダージリン「あら誰か来たのかしら?」
オレンジペコ「すいません今日は貸し切りになっていまして」
ズカズカ ガシャン
しほ「私にも炒飯を」ドン
みほ「お母さん、それにお姉ちゃんも!!!??」
まほ「すまないみほ、お母様を止めることが出来なくて」
ダージリン「構いませんわ、お久しぶりですねまほさん、それにお義母様も」ペコ
しほ「まずは炒飯を持って来なさい、話はそれからよ」
オレンジペコ「ダージリン様・・・」
ダージリン「心配することはありませんわ、私は調理に戻ります」スタスタ
みほ「どうしてお母さんがここに?」
まほ「みほの相手の技量を確かめると言って聞かなかったんだ」
沙織「なんだか凄いことになってきたね」ヒソヒソ
優花里「嫁と姑の喧嘩みたいであります」ヒソヒソ
ダージリン「お待たせしました、今日は旬の桜えびと高菜漬けを炒飯にいたしました」コト
みほ「うわ~いい匂い」クンクン
ダージリン「まほさんも召し上がっていってください」コト
まほ「すまないな、頂くよ」
華「これもとっても美味しいですね、桜えびの香りと高菜のぴりっとした味がたまりません」パクパク
優花里「それにお米もパラパラであります、美味しいです」パクパク
まほ「美味しいですねお母様」
しほ「悪くは無いですね」カチャ
オレンジペコ「良かったですねダージリン様」
ダージリン「ええ、ペコ。認めてくれたということかしら」
しほ「でもこの程度では娘は譲れないですね」ガチャン
みほ「お、お母さん/////」アセアセ
しほ「確かに美味しい料理ですわ、材料の選び方も腕も問題ないようですね。でもこんな借り物の料理ではダメです。あなたの本当の料理を出しなさい」
ダージリン「本当の料理・・・・?」
しほ「借り物ではない貴女の育った味を出しなさい。そうですね、ウナギのゼリー寄せでも出してもらいましょうか」ドカ
ダージリン「なっ!!??」
しほ「美味しいウナギのゼリー寄せを食べさせることが出来たら娘とのことも考えてあげてもいいです」
まほ「お母様それはあまりにも無茶な」
しほ「あなたは黙っていなさい!! それとも作れないと言うのかしら?」
ダージリン「分かりました、少々お待ち下さい」トコトコ
優花里「ひどすぎるであります、こんな無理難題を・・・・」
麻子「どういうことだ?」
オレンジペコ「これをどうぞ、これがウナギのゼリー寄せです」
沙織「いやああなにこれ1?」
麻子「うなぎのぶつ切りがセリーの中に・・・・」ガクガク
優花里「食べるともっと凄いでありますよ、うなぎの生臭さをローリエとレモン汁で消そうとしてもっと凄い匂いになっているんです」
みほ「味も塩だけだからね、これを美味しくするなんて・・・・・」
優花里「こんな難題とても無理であります、お母さんもそれがわかっていてこんな課題を出したんでありますよ」
みほ「お母さんはそんなことしないと思うけど・・・・・」
まほ「ダージリンを見守るしか無いな」
ダージリン「・・・・・・・・・・」カチャカチャ
ダージリン「ダメですわこれでは香りが消せても食感が・・・・・」
ダージリン「どうすればいいの・・・・」ガン
オレンジペコ「ダージリン様・・・・」
しほ「まだ出来ないのかしら、なら私は帰らせてもらうわ」ガタッ
ダージリン「ま、待ってください!!」
しほ「みほ、まほ帰りますよ」
「「待ったぁぁぁぁぁぁ!!!」」
エリカ「ここは私たちに任せて下さい」
絹代「私達も参加させていただきます」ビシ
アンチョビ「パスタの国からドゥーチェも参戦だ」
ケイ「私達も忘れてもらっちゃ困るわよ」
カチューシャ「カチューシャも助けに来てあげたわよ」
ダージリン「みなさんどうしてここに?」
しほ「なんなのあなた達?でも料理が出てこない以上帰るしか無いわよ」グイ
みほ「ああ、お母さん」グイグイ
エリカ「家元、まずは私の料理を食べて頂けますか?」
しほ「逸見さんでしたね、なぜあなたの料理を食べなくてはいけないのかしら?」
エリカ「ダージリンさんの料理はすぐ完成します、それまでも繋と思ってください」
みほ「お母さん、ちょっとでいいから食べてあげて」ウルウル
しほ「仕方ないですね、食べ終わったら帰らせてもらいますよ」カタン
エリカ「は、はい直ぐに用意致します」
エリカ「私達が時間を稼ぐわ、何とかしてあなたは料理を作りなさい」ヒソヒソ
ダージリン「でも私にはもうどうすることも・・・・」
アンチョビ「なにを言っている、お前の中には私達の教えた料理の技が詰まっているんだ、自信を持て」
絹代「そうであります、ここは私達が時間を稼ぎます、その間になんとか料理を」
ダージリン「わ、分かりましたは。私の一世一代の料理完成させてみせますわ」グググ
エリカ「どうぞ、ツヴィーベルズッペ、ドイツ風オニオンスープです」コト
しほ「ではいただきましわ、食べ終わったら帰らせていただきますからね」カチャン
エリカ「次はマウルタッシェ、ドイツ風ラビオリです、こちらはアイスバイン豚肉の煮込みです」
しほ「私がこの程度で止められるとは思わないで欲しいですね」バクバクバク
沙織「すごい速さ・・・・みるみるなくなっていく」
エリカ「ま、まだよシュパーゲル、白アスパラのソース掛けです」
シュパンシュパン バクバクバク
麻子「みるみるなくなっていくな、これじゃあ間に合わないぞ」
アンチョビ「私達を忘れてもらっては困るな、アクアパッツァにカルパッチョだ」ダン ダン
絹代「私は肉じゃがにほうれん草のおひたしです」
ダージリン「私はやりますわ、この皿に私のすべてを出し切りますわ」グググ
カチャカチャカチャ
オレンジペコ「ダージリン様頑張ってください・・」
シュパンシュパン バクバクバク
エリカ「なんてスピードなの流石西住流家元・・・・・でも、まだまだこれからよシュニッツェルドイツ風トンカツです」コト
シュン パクリ
アンチョビ「本当に早いな・・・こっちはオッソ・ブーコ にカポナータだ」コト
絹代「野菜のテンプラとそばです」コト
サクサク ズズズーーー
沙織「すごい速さ、みるみるなくなっていく」
華「本当にとっても美味しいです」モグモグ
麻子「美味い」モグモグ
沙織「だめじゃんふたりとも食べちゃ、ダージリンさんの時間稼ぎをしてるんだから」
麻子「いや、ここに立っているとな、自然と」モグモグ
華「いつの間にか料理を食べているんです」
沙織「なに言っモグモグ 本当だ」ゴクン
まほ「あれはまさか・・・・」
みほ「うん間違いないね」ゴクリ
優花里「なにか知っているんでありますか西住殿?」
まほ「あれは西住流格闘ディナー究極秘奥義、グルメ・デ・フォアグラ!!」
優花里「なんでありますかそれは?」
みほ「格闘ディナーで対戦相手をガチョウに見立て、相手に自分の料理を食べさせる奥義です、お母さんは驚異的なスピードで料理を食べつつ観客の口に料理を放り込んでいるんです」
優花里「そんなことを、卑怯じゃないピュン モグモグ 美味しいですねこれ」ゴクン
アンチョビ「やばいぞ材料が切れそうだ」トントントン
エリカ「西住流家元がまさかここまでやるなんて」カチャカチャカチャ
絹代「流石であります」タンタン
アンチョビ「クソ、次は・・・」スカスカ
アンチョビ「しまった、材料がついに切れた」
しほ「ここまでみたいですね、では帰らせていただきます。行くわよみほ、まほ」カタ
ダージリン「お待ち下さい、料理は完成しました」コトッ
オレンジペコ「ダージリン様!!」ウルウル
エリカ「なんとか間に合ったわね」
アンチョビ「全く心配かけて」
ダージリン「どうぞお召し上がりください、みなさんもご一緒にどうぞ」カチャ
麻子「おお、見た目がぜんぜん違うな」
沙織「美味しいそう!!」
まほ「テリーヌ仕立てにしたのか、頂くとしよう」スッ
パク
「「「んんんん~~!!!!!」」
華「美味しいですねこれ、先ほどのとは全然違います」パクパク
優花里「こんなウナギのゼリー寄せ食べたことがないであります」パクパク
アンチョビ「うなぎをぶつ切りじゃなくて開いたんだな、しっかり掃除されているから臭みもないのか」パク
絹代「それだけではないですよ、このゼリーもとても美味しいです」
エリカ「どうやってこんな味に・・・・」ゴクリ
ダージリン「まずはゼリーですがこれはゼリーではなく煮こごりです」
絹代「なるほどたしかにこれは煮こごりだ!!」
ダージリン「フランス料理のコンソメのゼリー寄せを参考にすっぽんのコンソメを作り、焼いたうなぎを固めました」
まほ「なるほど、このうなぎは煮込んだのではないんだな、だからこんなに香りが良いのか」
ダージリン「うなぎは一度白焼きにしてから、蒸して臭みを抜きました」
絹代「なるほど、関東風のうなぎの蒲焼の技法ですね、蒸すことで臭みを抜いたんですね」
ダージリン「中に一緒に詰めた野菜もそれぞれ別々の調理をしました。茄子は西さんに教えていただいた翡翠煮を参考にしましたのよ」
みほ「だからこんなに茄子が柔らかくてコクがあるんだ」モグモグ
ダージリン「パプリカも一度真っ黒に焼いてマリネにしたんです」
アンチョビ「イタリアンでよくやる手だな」ウンウン
しほ「なるほど、今まで習った調理法を合わせたわけね」モグモグ
まほ「しかしこのうなぎ、どこか懐かしい味がするな」
みほ「そうだね、どこかで食べたような気がする」モグモグ
しほ「これはロイヒャーアールね」
麻子「なんだそれ?」
みほ「そうかロイヒャーアールだったんだ、黒森峰でよく食べたなあ」モグモグ
まほ「ロイヒャーアールはドイツのうなぎの燻製だな、白焼きにして蒸した後、軽く燻製にしたんだな」
ダージリン「ええ、カエデの燻煙材で軽く燻しましたの、ほんのりとした甘い香りはカエデの香りですわ」
エリカ「今までの料理の集大成というわけね、それでいてみほの好みにも合わせているのね」
ダージリン「付け合せのソースはバルサミコ酢を使ったものと英国伝統のチリソースの二種類を用意しました」
まほ「お母様これには文句もつけようもないですね」
しほ「ぐぬぬぬぬ」ギリギリ
しほ「仕方ありませんね、この料理に免じて交際は許しましょう」フキフキ
ダージリン「やりましたわみほさん」ダキ
みほ「ダージリンさん・・・」アハハ・・・
アンチョビ「これはお祝いしないといけないな」
麻子「でももう材料はないぞ」
ケイ「おまたせ~、サンダース特製BBQの完成よ」
カチューシャ「このカチューシャも一緒に手伝ったのよ」
沙織「ははは、まだ作ってたんだ・・・」
カチューシャ「あれもう終わっちゃったの?」キョロキョロ
ケイ「せっかく美味しいローストポークを作ったのに」
アンチョビ「じゃあこれでパーティーが出来るな、乾杯だ~」シュポン
「「カンパーイ!!!」」
ダージリン「私やりましたはみほさん」グスグス
みほ「やりましたねダージリンさん」
優花里「ダージリン「これが私の料理道!!」これにて完結でありますね」
しほ「なにを言っているの、この程度ではまだまだよ、明日から西住家に泊まりこんで料理修行です、朝は4時に起きて水汲みですよ」
ダージリン「みほさんと一つ屋根の下で暮らせるならそのくらいわけないですわ」フフーン
みほ「いえ、私は大洗に住んでいるので実家にはいませんよ」
ダージリン「えっ!?」
しほ「西住家の味というものをしっかりと叩きこみます」
ダージリン「そ、そんな~」ガックシ
オレンジペコ「がんばってくださいねダージリン様」フフフ
ダージリン「そんなの嫌ですわーーー---」ウエーン
「これが私の料理道!!」~完~
アキ「ねえミカ?グロリアーナのダージリンさんが料理修行に各校を回ってるみたいだけどうちには何時来るのかな?」
ミカ「料理修行、それは本当に必要なことなのかな」ポロローン
アキ「せっかくトナカイも用意したのにね、どうしようかこれ?」
ミカ「ステーキが良いんじゃないかな、ベリーソースも添えてくれるかな」
アキ「料理に興味は無いんじゃなかったの?」
ミカ「料理には人生の大切なものが詰まっているんだよ」ポロローン
アキ「お腹が減っただけでしょ、モー」
~完~
646 : 以下、名... - 2016/06/12 11:37:36.91 mps8GU480 425/425読んでいただきありがとうございました
また何か思いついたら書きたいと思います