悪魔「左様。これからドールの所有者の方々に、真実をお話したいと思います」
※これはSS速報Rに投稿した「【ローゼンメイデン】まかなかったジュン「オナホを作って欲しい?」」からの抜粋です。
※既にそちらを読んだ方は、特に読む必要はありません。
【ローゼンメイデン】まかなかったジュン「オナホを作って欲しい?」
http://ayamevip.com/archives/49064524.html
ここはnのフィールド。
大きな円卓があり、ドール所有者たちと、身なりのよいダンディな中年紳士が座っている。
悪魔「本日は、急遽お呼びたてし、まことに申し訳ございません。
これからアリスゲームの本当の目的をお話します」
ざわつくドールの所有者。
悪魔「申し遅れましたが、わたくし、悪魔と申します。世に言う、いわゆる悪魔をやっております。
魂と引き換えに望みをかなえる、あれでございます」
まかなかったジュン(以下、ジュン)「なんで俺たちにそれを話すんだ?」
悪魔「それは追々……アリスゲームのことを話す前に、私とローゼンの出会いを話しましょう。
このスクリーンをどうぞ……」
悪魔がリモコンを操作すると、スクリーンに動画が映った。
元スレ
【ローゼンメイデン】まかなかったジュン「アリスゲームの真実?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482074669/
ここはローゼンの家。
錬金術の研究のはて、ついに悪魔を呼び出すことに成功したのだが……。
ローゼン「足りない? 足りないとはどういうことだ?」
悪魔「あなたの魂の価値では、娘さんを生き返らせるには足りない、ということです」
ローゼン「な!?」
悪魔「汚れなき貴重な少女の魂と、歪んで濁りきった中年男性の魂と等価な訳がない。
いうなれば、高価な宝石と、ただのガラス玉とを交換しようとするようなもの。取引になりませんな」
それを聞いたローゼンは、一つの考えに行き着く。
ローゼン(娘を蘇らせないなら……作ってしまえばいい……)
ローゼン「では、私の魂に見合う分の、人形作りの技量をくれ!」
悪魔「それなら。ではこの契約書にサインを」
動画を一時停止する悪魔。
悪魔「そもそもの始まりは、こういうものでした。皆さん、疑問に思いませんでしたか?
『娘さんを生き返らせるために、魂を売り飛ばして、人形作りの技量を得るくらいなら、
そもそも娘さんを生き返らせればよいのでは?』と。こういう事情があったのです」
ジュン「ほほう」
悪魔「それを踏まえて、アリスゲームの本当の目的を話しましょう」ピッ
ここはローゼンの家。
魂は差し押さえられているので、自分の心と生命から、擬似の魂といえるローザ・ミスティカを作り、
ローゼンメイデンを作ったのだが……。
悪魔「久しぶりに来ましたが……。どうです? 娘さんは作れましたか?」
ローゼン「……私の中のアリス……夢の中にしか存在しない理想の少女……精神と物体の中間……。
nのフィールドでしか実体を持たない……永遠のイデア……完成したよ……」
それは第七ドール、雪華綺晶であった。
悪魔「それで……満足したのですか?」
ローゼン「……」
悪魔「まあ、しないでしょうね。結局のところ、あなたが本当に望んでいるのは、娘さんなのだから」
ローゼン「……」
悪魔「あきらめて、あなたの魂を差し出して、終わりにしたらどうですか?」
ローゼン「……いやだ……娘を生き返らせるまで人形を作る……」
悪魔「ここまでの人形を作って、他の手段は残っているのですか?」
ローゼン「……」
悪魔「ないでしょうね」
悪魔が工房の椅子に座る。
悪魔「そんなことだろうと思ってました。そんなローゼンさんに、一つの提案があります」
素焼きの人形の頭を手に取る悪魔。
悪魔「あなたの作ったローザ・ミスティカ。これは見込みがある。ほぼ魂と言えるこれを磨けば、
娘さんの魂に見合う価値を持つかもしれない」
ローゼン「……」
悪魔「魂は……苦難や絶望を乗り越えようとする度に、より大きく、より深い色合いに、より強く輝くようになる。
あの6体の人形……失礼、6人の娘さんたちに苦難を味わわせて、ローザ・ミスティカが磨かれたら取り上げるのはどうですか?」
ローゼン「……」
悪魔「考えたのですが、娘さんたちにローザ・ミスティカの奪い合いをさせるのが良いでしょう。
愛するローゼンさんがそれを望んでいる、と言えば彼女たちはやるはずです。
愛しあう姉妹同士で争うわけですから、それはそれは深い絶望でしょうな」
激高するローゼン。
ローゼン「娘たちに殺し合いをさせるのか!」
悪魔「殺し合いとは人聞きの悪い。人形は命を持っていませんよ。それに……あなたの目的を思い出してください。
あなたの目的は人形を作ることですか? 娘さんを生き返らせることですか?」
ローゼン「あ、悪魔め……」
悪魔「このまま人形を作って、望みがあるのですか?」
ローゼン「くっ……わかった。提案を受け入れよう」
動画を一時停止する悪魔。
悪魔「アリスゲームの本当の目的は、これだったのです」
ジュン「このクソ野郎!!!」
ジュン、みつ、まいたジュンが立ち上がり、悪魔に詰め寄ろうとするが、見えない壁に阻まれる。
悪魔「お怒りはごもっともですが、最終的な決断はローゼンさんがなさいましたので、私に怒りを向けるのは、お門違いですな。
では次、アリスゲームの結末です」ピッ
ここはnのフィールド。
アリスゲームが決着し、一つになったローザ・ミスティカ。
悪魔「素晴らしい! 想像以上です。あなたの娘さんたちは立派にやり遂げましたね」
ローゼン「……渡さん……」
悪魔「今、なんと?」
ローゼン「ローザ・ミスティカは渡さん、と言ったんだ」
悪魔「今更、約束を反故には出来ません。それに買い手ももう決まってます。
あなたの娘さんと、あなた自身の魂を取り戻して、まだおつりが来るほどの金額だ。
あなたにとって、最上の結果だと思いますが」
ローゼン「……真紅が……私の娘が望んだんだ……姉妹たちを生き返らせて欲しいと……もう娘たちを裏切れない……」
悪魔「娘さんを生き返らせたくないのですか?」
ローゼン「娘は……安らかに眠っている……そっとしておくべきだ……そう気付いたんだ……」
悪魔「……それは正しい判断ですが……それに気付くのは数百年遅かったですな……」
ローゼン「ローザ・ミスティカは、今、私の手にある。お前に渡すくらいなら、壊してしまうぞ」
悪魔「事の真相を娘さんに話しますよ?」
ローゼン「覚悟の上だ」
悪魔が押し黙る。
悪魔「力ずくで奪う手段はいくらでもありますが……まあいいでしょう。あなたが違約金を払うなら、
ローザ・ミスティカはあきらめましょう。違約金を払う契約書にサインを」
動画を止める悪魔。
悪魔「ローゼンに事の真相を話すと言った手前、皆さんにお話したというわけです」
絶句するドール所有者たち。
ジュン「力ずくで奪わなかったのはなぜだ?」
悪魔「正直、私もローゼンメイデンのファンなのですよ」
ジュン「」
悪魔「アリスゲームを悪魔界に実況中継して、賭けの対象にしていたのです。それを見ていたら、彼女たちのファンになってしまいました。
なお、私は蒼い子押しでね。彼女に掛けて、個人的には大損を……」
ジュン「」
悪魔「掛けの胴元は私で、結構、稼がせてもらいました。なおラプラスの魔はゲームの進行役。賭郎でいう立会人ですな」
ジュン「」
悪魔「だから、どちらに転んでも良かったのです。ローザ・ミスティカが手に入ればビジネスとして美味しい。
ローゼンメイデンが復活すれば、ファンとして嬉しい」
まいたジュン「ローゼンはどうなったんだ?」
ニヤリと笑う悪魔。
悪魔「彼は……もはや何も持っていないので、体で払ってもらってます。具体的に言うと、熟年ホモビデオに半永久的に出続けることに……」
まいたジュン「ホモビデオ?」
ジュン「それ以上いけない!」
悪魔が立ち上がった。
悪魔「これで終わりでございます。これをドールに話すかどうかは、皆様にお任せいたします」
結局、所有者たちは真相を話すことにした。
まいたジュン「……ということだってさ」
真紅「お父様は、一度裏切ったかもしれないけど……結局、私たちを愛してくださっていたのね……」
まいたジュン「……」
真紅「真相を話してくださっていたら……私たちはきっと、よろこんでローザ・ミスティカを差し出したのに……」
まいたジュン「……」
真紅「お父様のためのドールなのだから……」
まいたジュン「でも……僕は……真紅にいてほしい……」
ふっと笑う真紅。
真紅「そうね。下僕の面倒を見なくてはいけないものね」
まいたジュン「下僕っていうな!」
真紅「ジュン……」
まいたジュン「ん?」
真紅「抱っこしてちょうだい」
おはり
9 : ◆KY9IyHJerk - 2016/12/19 00:35:09.03 50r2HyHXo 9/9ローゼンメイデンを読んで、モヤモヤしたところを、自分なりに裏設定を考えてみた。
なお、あれだけの仕打ちをドールズにしたローゼンさんが、いい話っぽく逃げ切りそうなのがアレだったので、ケジメしてもらいました。
ありしゃした。

