1 : 以下、\... - 2016/11/16 21:13:49.919 x63E9LE40.net 1/37

「ただいまー」

「お帰りなさい、あなた!」

「!」ピクッ

「…………」クンクン

「なんなの!? この香水の匂いは!? あたしという者がありながら!」

「るっせーな! キャバだよキャバ!」

「ぬわんですってぇ! ――許さんッ!」

「ぶった斬ってやるッ!」

妻は刃渡り30センチはある包丁を握り締めた。

元スレ
DV夫「ブン殴ってやる!」ヤンデレ妻「ぶった斬ってやる!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1479298429/

5 : 以下、\... - 2016/11/16 21:16:19.105 x63E9LE40.net 2/37

「シェアアッ!」

ザシュッ!

刃が夫の首筋を切り裂いた。おびただしい量の血が噴き出す。

「ぐう……ッ!」ブシュゥゥゥ…

「…………」ニヤ…

「――なあんちゃってな」

「!?」

「よぉく覚えとけ……人間は首を切られたぐらいじゃ死なんッ!」ヌリヌリ…


   止   血   完   了


「木工用ボンドで止血!? 考えたわね……!」

「日曜大工は男のたしなみよッ!」

9 : 以下、\... - 2016/11/16 21:19:19.882 x63E9LE40.net 3/37

「たかが香水ぐらいでキレてんじゃねーよ! ブン殴ってやるッ!」

グシャアッ!

夫は素早い踏み込みから、渾身の右ストレートを妻の顔面にブチ当てた。

「…………ッ!」ボタボタ…

「おやおや、鼻血まみれだなァ~」

「クックック……」

「!?」

「あたし鼻炎気味だから、むしろ鼻の通りがよくなったわ。ありがとう」スースー

「てめえ……!」

10 : 以下、\... - 2016/11/16 21:22:28.238 x63E9LE40.net 4/37

「だけど、きっちりお礼はさせてもらうわよ」

「右手に……包丁ッ! 左手に……カッターナイフッ!」

「二刀流ッ!」ジャキーンッ

「来やがれ!」サッ

「シェアアアアッ! ――シャアッ!」ビュオオッ ビュアッ

妻の両手から鋭い斬撃が繰り出される。

(速いッ! だが見切れねえほどでもねえ! こっちからも反撃――)

11 : 以下、\... - 2016/11/16 21:25:42.547 x63E9LE40.net 5/37

ズドンッ!

「が……ッ!?」

妻のつま先が、夫の股間にめり込んでいた。

「かかったわね」ニタァ…

「て、てめ……ッ!」

(こいつ、二刀流で攻めると見せかけて、金的蹴りを……ッ!)

「うふふ……これでもう子供作れないわねえ」

13 : 以下、\... - 2016/11/16 21:30:15.279 x63E9LE40.net 6/37

「……そいつはどうかな?」

「なにッ!?」

「あいにく俺のタマはチタンよりも頑丈でね」

「あの程度の蹴りじゃ、潰すどころかひびを入れることもできねェよ」キーンッ

「ぬう……ッ!」

「だが痛いことは痛いんだ。激痛なんだ」

「夫の大事なタマを潰そうとしたクソ女には、教育してやらなきゃなァ~~~~~!」

15 : 以下、\... - 2016/11/16 21:33:16.404 x63E9LE40.net 7/37

「フンッ!」ズボッ

「ふがっ!?」

夫は人差し指と中指を、妻の鼻の穴に押し込んだ。鼻フックである。

「ふがが……ふがっ、ふがっ」

「俺のターンはまだ終わってねえぜぇ? このまま――背負い投げッ!」グインッ

ブオオンッ!

「ふがぁっ!」グインッ


ズドォンッ!!!


轟音とともに、妻の全身は床に叩きつけられた。

16 : 以下、\... - 2016/11/16 21:38:06.289 x63E9LE40.net 8/37

「ぐ……!」

「普通の夫婦なら、ここで決着にするところだろう」

「だが……俺は違うッ! かけさせてもらうぜ、追い討ちッ!」

「オラァッ! オラァッ! ――オォラァッ!!!」

ドゴッ! ドゴォッ! ドボォッ!

夫の蹴りが、倒れている妻の腹に突き刺さる。

「どうだァ!? 俺の蹴りはァ!? 答える余裕もねえかァ!?」

「ヒャーッハッハッハッハァァァ!!!」ブオッ

ドグシャァッ!

18 : 以下、\... - 2016/11/16 21:41:43.037 x63E9LE40.net 9/37

しかし――

「ふう……」ムクッ

「…………!」ビクッ

「な、なぜ!? お前の内蔵は破裂……いや爆裂したはず!」

「あの程度の蹴りじゃ、あたしの腹筋を貫くなんてとてもとても……」

「…………!」ビキビキッ

みるみるうちに夫の顔面に、枝分かれした太い血管が浮かび上がる。

「……亭主を侮辱するかァァァッ!!!」

「愛してるわァァァッ!!!」

ドカッ! ザシュッ! バキィッ! ザシッ! ドゴッ! ズバッ!

…………

……

19 : 以下、\... - 2016/11/16 21:44:41.206 x63E9LE40.net 10/37

大の字になって、横たわる二人。

「ふう……」

「はあ……」

「…………」

「…………」

「メシにしよっか」

「すぐ支度するわ」

22 : 以下、\... - 2016/11/16 21:50:05.145 x63E9LE40.net 11/37

また別の日――



「おーい、ビールもう一本」

「ダメよ、飲みすぎよ」

「なんだと!?」ビキッ

「てめえ、亭主が飲みてえっていってんだから、とっとと出しゃいいんだよォ!」

「ダ~メ、たまには肝臓にも休日が必要よ」

「…………!」ビキビキッ

「この年中休日のクサレ専業主婦がァッ! ブン殴ってやるッ!」

夫はビール瓶を手に取ると、妻の頭めがけて殴りつけた。

ガッシャァァァンッ!

24 : 以下、\... - 2016/11/16 21:53:33.081 x63E9LE40.net 12/37

「へへへ……どうだ、効いたろ?」

「ククク……」

(笑ってる!?)

「愛する妻の忠告を無視するという蛮行……万死に値するッ!」

「愛するがゆえに……愛しすぎるがゆえに……冥土へ旅立たせてくれよう」ユラー…

立ったまま全身を脱力させる。

(なにがくるッ!?)

妻はビール瓶の破片をすばやくかき集めると、夫の顔面めがけて投げつけた。

グサササッ!

「ぐわあああああ……っ!」

26 : 以下、\... - 2016/11/16 21:56:30.652 x63E9LE40.net 13/37

「目に……目に刺さった! てめえ、なんてことしやがる!」

「クソがッ、失明した! 回復に数十秒はかかるッ!」

もちろん、こんな千載一遇のスキを逃す妻ではない。

「ウッシャアアッ!」ギュオオッ


ザグゥッ!


妻は包丁に全体重をかけるように突進し、夫の腹に刃を突き刺した。

「やったッ! やったわッ!」グリグリ…

30 : 以下、\... - 2016/11/16 22:00:29.553 x63E9LE40.net 14/37

「さあて、包丁を抜き――」グッ…

「!?」

(抜けないッ!?)グググッ…

「抜けねェよ、腹筋で止めてるからな」

「…………ッ!」グッグッ…

「亭主の腹を刺すたぁ、なんて腹黒い女だ……」

「そういう女には“おしおき”してやらねぇとなァ……」ニヤ…

「ふんっ!!!」

ガゴォッ!

夫のアッパーカットが妻の顎を打ち抜いた。

34 : 以下、\... - 2016/11/16 22:04:02.755 x63E9LE40.net 15/37

「…………」ブラーン…

「ヒャハハッ! 顎が外れてすげえツラになってるぞ! ムンクの『叫び』みてェだ!」

「これがホントのビッグマウスってやつだ!」

「ふふふ……」

「おかげでビッグマックを苦もなく食べられるわ」パクッ

余裕の表情でビッグマックを平らげる妻。

「なんという強がり……ッ!」

「これが強がりでないことは、あなたが一番よく分かってるはずよ」クス…

「~~~~~~!」

35 : 以下、\... - 2016/11/16 22:07:11.518 x63E9LE40.net 16/37

「ならば今度は脳を粉砕してくれるッ!」

「コークスクリューの拳でなァ!」ギュルルルッ

「今ッ!」ダッ

(タックルゥ!?)


ガシィッ!


妻は夫の下半身に抱きつくと、夫の体を掴んだまま、風呂場までダッシュした。

37 : 以下、\... - 2016/11/16 22:10:37.440 x63E9LE40.net 17/37

「ここがあなたの墓場になるのよ」

「決着は風呂場で、ってワケか……おもしれえ!」

「ホースを蛇のようにしてッ!」シュルルッ

夫はホースを巧みに操り、妻の首を絞めつける。

「絞ッ!」ギュゥゥ…

「…………ッ!」ミシミシ…

「ごめんなさいって言え。そしたら楽にあの世に送ってやるぜ!」ギュゥゥゥゥ…

「誰が……謝るもんか……愛してる……」ミシミシ…

「ぬんっ!」ボムッ

妻の首に巻きついていたホースが破裂した。

(こいつ……首の筋肉をパンプアップさせることで、ホースをちぎりやがった!)

38 : 以下、\... - 2016/11/16 22:14:36.397 x63E9LE40.net 18/37

すかさず妻は石鹸を手に取ると、反撃を開始した。

「石鹸こめかみ打ち!」

ドガッ!

「ぐっ!?」ヨロッ…

さらに両手に石鹸を掴み、夫の顔面を殴りまくる。

「ソォォォォォォォォォォォプッ!!!」

ガッ! ゴッ! ドガッ! ガッ! バキッ!

「オホホ、顔面が泡だらけだわ! バブル崩壊で顔面崩壊ってやつね!」

40 : 以下、\... - 2016/11/16 22:17:52.862 x63E9LE40.net 19/37

「あいにくだったな」

「ぬっ!」

「俺はしがないサラリーマン……バブル崩壊どころか、リーマンショックだぜ!」

「おのれえ!」

「ええい、服がジャマだ! 風呂場ならやっぱ素っ裸で闘らねェとな!」ヌギッ

「とことんやりましょうや!」ヌギッ

ドゴォッ! バキッ! ガスッ! ドゴッ! ベキィッ! グチャッ!

…………

……

41 : 以下、\... - 2016/11/16 22:20:45.127 x63E9LE40.net 20/37

大の字になって、横たわる二人。

「ふう……」

「はあ……」

「…………」

「…………」

「背中……流すよ」

「ありがと」

42 : 以下、\... - 2016/11/16 22:24:35.709 x63E9LE40.net 21/37

さらに別の日――



「ただいまー」ガチャッ

「お帰りなさい、あなた!」


夫がドアを開けた――その瞬間であった。


バッ!

44 : 以下、\... - 2016/11/16 22:28:45.806 x63E9LE40.net 22/37

ナイフを持った強盗が侵入し、妻の首に刃先を突きつけた。

強盗「この女を殺されたくなくば……金を出せ!」ガシッ

「あ、あなた……」

「やめろッ! 金なら出す!」

強盗「素直でよろしい……だが、金をもらうまでこの女は人質だ!」

「分かった……」

「だが妻にナイフを向けるのはやめろ! そうだ! 代わりに俺を人質にしてくれ!」

「妻も通帳やカードの在り処は知ってるからな!」

強盗「……いいだろう」

「ダメよ、そんなの! あたしがこのまま人質になるわ!」

「……あ?」ビキッ

45 : 以下、\... - 2016/11/16 22:32:33.044 x63E9LE40.net 23/37

「てめえ……亭主が我が身を犠牲にしようとしてるのに、なんだその態度は」

「亭主に逆らうアマをこのまま生かしておく道理はねぇよなァ~」

強盗「え?」

「ふん……愛する亭主のためなら、亭主にも反逆するッ!」

「それがあたしの“愛妻道”よ」

「ほざけェッ!!!」

ブオンッ!

夫が超高速のハイキックを繰り出す。

狙いは妻ではなく、強盗でもなく、妻の首筋に向けられたナイフであった。

蹴りを受けたナイフは当然――

グサァッ!

46 : 以下、\... - 2016/11/16 22:36:16.546 x63E9LE40.net 24/37

強盗「うわあああああああああっ!!!」

「ぐ、ぬうう……ッ!」ブシュゥゥゥゥゥ…

妻の首から噴水のように血液がまき散らされる。

「ヒャァ~ッハッハ! 亭主に逆らった罰よッ! その出血量では助かるまいて!」

強盗「な……なんてことを! 私は金をもらえればよかったのに!」

「心配するな……お前にはなんの罪もない。金を渡したら、このまま帰してやる」

「この女の命と引き換えにブタ箱に行けるのなら本望よッ!」

「クックック……」

「!?」

47 : 以下、\... - 2016/11/16 22:41:35.092 x63E9LE40.net 25/37

妻は落ち着いた手つきで、針と糸を用意し、首筋を縫い合わせた。


   止   血   完   了


「裁縫は……女のたしなみよ」

「バ、バカな……ッ!」

「人間は首を切られたぐらいでは死なん……あなたがいった言葉でしょぉ~?」

「ボケが始まったのかしらァァァン!?」

バキィッ!

「ぐぼっ……!」

お返しとばかりにハイキックを浴びせると、妻はすかさず包丁を装備した。

「心臓……いただき升ッ!!!」

ザクゥッ!

夫の胸に包丁が突き刺さった。

48 : 以下、\... - 2016/11/16 22:45:45.544 x63E9LE40.net 26/37

「決まったわ……ハートブレイク・ショット」

「あなたの死体は永久に冷凍保存して、一生愛してあげるわ……」

「――――!」ピクッ

ドクン… ドクン… ドクン… ドクン…

「な、なにッ!? 鼓動が止まっていない!?」

「よぉく覚えとけ……人間は心臓を刺されたぐらいでは死なんッ!」

(油断ッ!)

「むしろ、刺されたことで心臓が元気になっちまった」ドクッドクッドクッ

「反撃開始ィ!」

50 : 以下、\... - 2016/11/16 22:48:48.521 x63E9LE40.net 27/37

「亭主に逆らったことをあの世で悔いなッ!」ギュオッ

ズドンッ!

夫が妻の胸に右ストレートを浴びせるが――

「うっふっふ……」ニヤニヤ

(チィッ! デカイ胸に阻まれて、衝撃が心臓まで届かねェッ!)

「首も心臓もダメなら……狙いは皮膚ッ!」

「全身の皮膚をリンゴの皮をむくみたいに剥いて、人体模型みたくしてやるわッ!」

ザシュシュシュッ!

「ぐ……ぬう……ッ!」

(マズイな……人体模型みたいになったら、会社に行く時ちょっと恥ずかしい!)

51 : 以下、\... - 2016/11/16 22:52:57.672 x63E9LE40.net 28/37

ザシュシュシュッ!

夫の皮が次々と剥かれていく。

「あァ~……あなた、皮がめくれても、やっぱりかっこいいわ」ジュルリ…

「亭主の皮をはいで喜ぶ……それがてめえの本性か! 化けの皮がはがれたな!」

ザシュシュシュッ!


だが、皮むきに夢中な妻は気づいていなかった。

皮膚を狙った攻撃では、致命傷にはならない。

致命傷にならない以上――


(せいぜい皮むきに夢中になりやがれ。全身全霊の一撃を浴びせてやる……!)ギュッ…

52 : 以下、\... - 2016/11/16 22:55:47.596 x63E9LE40.net 29/37

「うおおおおおおおおおおっ!!!」

「む!?」

夫は妻の一撃をさばくと、全力を込めたストレートを妻の腹に叩き込んだ。


ボゴォッ!!!


「グオオ……ッ!」ゲボッ…

(――よし! やはり皮むきに夢中で、防御がおろそかになっていた!)

53 : 以下、\... - 2016/11/16 22:58:19.949 x63E9LE40.net 30/37

「ぐ……ぐえええええっ!」

「おええええええっ……!」

もがき苦しむ妻を見て、夫は満面の笑みを浮かべる。

「そうだ……もっと吐けッ! 苦しめェ! のたうち回れェェッ!」

「苦しんで苦しんで苦しみ抜いたら、もっと苦しいトドメを与えてやるッ!」

強盗「ま、待って下さい!」

「――ん? なんだあんた。まだいたのか」

55 : 以下、\... - 2016/11/16 23:01:38.770 x63E9LE40.net 31/37

「おえええええっ……ごえええええええっ……! うげええええええっ……!」



強盗「やはり……!」

「おい、妻は俺のボディブローで苦しんでるんじゃないのか!?」

強盗「違います……!」

強盗「これは――“つわり”です!」

「つわり!?」

57 : 以下、\... - 2016/11/16 23:05:59.168 x63E9LE40.net 32/37

「なぜ分かる!?」

強盗「なぜなら私は産婦人科医だからです!」

「なぜ産婦人科医が強盗を!?」

強盗「つい出来心で」

「ならしょうがないな」

強盗「心当たりはありますか?」

「妻と喧嘩になって、ヒートアップして、互いに素っ裸になることはしょっちゅうだが」

強盗「おそらくその時の揉み合いで、偶然着床してしまったのでしょう」

「なるほど」

強盗「とにかく、病院で詳しい検査をしてみましょう!」

59 : 以下、\... - 2016/11/16 23:08:58.586 x63E9LE40.net 33/37

病院にて――

強盗「検査をしたところ、やはり妊娠しておられます」

強盗「三ヶ月……といったところでしょうか」

強盗「すくすくと元気に成長していますよ」

「そうですか……!」

「やったわね、あなた!」

「ああ、よくやった!」

61 : 以下、\... - 2016/11/16 23:12:47.036 x63E9LE40.net 34/37

強盗「ところで――」

「はい?」

強盗「あなたがたはしょっちゅう喧嘩をしているそうですが……」

強盗「もう喧嘩はしない方がよいでしょう」

強盗「お腹の赤ちゃんにもよくありませんからね」

強盗「そもそも夫婦が拳や包丁で戦うなど、とんでもないことですよ」

「むむ……たしかに」

「おっしゃる通りだわ……」

62 : 以下、\... - 2016/11/16 23:15:50.177 x63E9LE40.net 35/37

「分かりました!」

「もう喧嘩はやめよう……今まですまなかった」

「いいのよ、あなた」

「これからは仲良くしよう!」

「ええ、あたしたち、真のおしどり夫婦になりましょう!」


………………

…………

……

63 : 以下、\... - 2016/11/16 23:19:54.623 x63E9LE40.net 36/37

三ヶ月後――

「ただいまー」

「お帰りなさい、あなた!」

「香水の匂いがするけど……」クンクン

「ああ、今日飲み会があって、泥酔した女の子を介抱したからそれで移ったんだろう」

「ふぅん、それなら仕方ないわね」

「俺は浮気なんかしないよ。愛してるのは君だけさ」

「ありがと、あなた」

65 : 以下、\... - 2016/11/16 23:23:17.307 x63E9LE40.net 37/37

「お腹、ずいぶん大きくなってきたね」

「ええ……時折こうやって暴れるの。元気でしょ?」ボゴォッボゴォッ

「おおっ、すごい。将来が楽しみだな」

「でしょ? このままお腹を突き破ってくれれば、ヒッヒッフーの手間も省けるしね」ボゴォッボゴォッ

「早すぎる反抗期ってところかな?」

「ええ、“反抗期胎児”ってやつね」ボゴォッ

「それにしても……素晴らしい気性の激しさだね」

「いったい誰に似たのかしら?」ボゴォッ

「いったい誰に似たんだろうね」





―おわり―

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