唯(25)「というわけで、ムギちゃんからタイムマシン(6兆円)を買いました!」
唯「125年ローンだけど、払う気は全くありません!」フンス
唯「早速過去へ出発だ!」
元スレ
平沢唯(25)「10年前からやり直そう」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1473170994/
10年前
唯(25)「うわぁ~本当に過去に戻っちゃった…」
唯「とりあえず家で腹ごしらえしよーっと!」ガチャ
憂(14)「え」
唯「あ」
憂「お…姉ちゃん?」
憂「なんだか大人っぽくなった…?」
唯(まずい…私は見た目は25歳なんだった)
唯「あはは~!そう!実は高校生になるからイメチェンしようと思って!」
憂「ふぅん…」ジロジロ
唯(おもいっきり不審に思われてる…)
憂「あんまし変なことしちゃダメだよ?」
唯「が、合点承知だよ~!」
唯「ご飯出来たら呼んでね!」タタッ
唯「なんとか乗り切った…」ガチャ
唯「わぁぁ!懐かしいなぁ!」
唯「20歳の時に失くしたアクセサリーもある!」
唯「…」
唯(25)「さて…これからどうするか考えよう」
唯(私には後悔がある)
唯(それは高校時代…ふざけてばかりで真面目にやってこなかったこと)
唯(そりゃあ軽音部のみんなとの時間は楽しかったし、大切な思い出だけど)
唯(でも…私のそのおちゃらけた生き方が…)
唯(あずにゃんの命を奪う原因になってしまった)
~
唯(18)「お茶おいし~!」
梓(17)「もう!唯先輩は少しは真面目に練習してください!」
唯(18)「まぁまぁ…時間はたっぷりあるんだし~」
梓(17)「呑気なこと言わないでください!時間は限られてるんです!」
唯(18)「明日から頑張るよ~」
梓(17)「…」イライラ
梓(17)「唯先輩なんてもう知りません!」ダッ
~
唯(25)「その日…あずにゃんは事故に遭って…」
唯「思い出したくないのに…でも、それを防ぐために過去に戻ったんだ!」
唯「頑張るぞ!」カチッシュボッ
唯「ふ~」モクモク
憂「お姉ちゃん」
唯「わ!?憂!?」
憂「お姉ちゃん、未成年だよね?」
唯(25)(とっくにアラサーに片足突っ込んでるけど)
唯(25)「あ~まさか憂に5時間もお説教されちゃうなんて…」トボトボ
唯「タバコも没収されちゃったし…コンビニで買っておこ…」
律(15)「でさ!私、高校でドラムやりたいんだ!」
澪(15)「何度も言うけど、私は文芸部に入るからな」
唯(あ…)
唯(若いなぁ…)
唯(25)「あれ…」
唯(25)「そういえば10年前の…15歳の私もいるはずだよね?」
唯(25)「今日は日曜日なのに、なんで家にいないんだろう」
紬(28)「ようやく気がついたのね」
唯(25)「ムギちゃん!?」
紬(28)「ひどいわ唯ちゃん…タイムマシンを買ってから3年も音沙汰無しなんて」
唯(25)「えっ…いや…」
紬(28)「琴吹家からは、例え過去だろうと逃げることは出来ないのよ」
紬(28)「しっかり代金を回収させてもらうわ」
唯(25)「ずびばぜぇんでじだぁ!!」土下座
唯(25)「お金は必ず払いますので!どうかあずにゃんを助ける為にこの高校時代をやり直させてください!!」
紬(28)「仕方ないわね…でも、梓ちゃんを助けたらちゃんと6兆円働いて払ってもらうわよ」
唯(25)「ありがとうございます…」
紬(28)「大体不用意過ぎるわ。私が事前にあなたが過去に戻ることを予想して15歳の唯ちゃんを拉致…保護しておいたからよかったけど」
紬(28)「過去の自分と出会ったら、あなたの存在が消えてしまっていたのかもしれないのよ」
唯(25)「そ、そんなに危険なの…?」
唯(25)「ムギちゃんのおかげで私の存在が消えちゃう危険は無くなったみたいだけど…」
唯「発信器を埋め込まれちゃったし…6兆円踏み倒すのは無理そうだなぁ」
唯「それに15歳の私をあずにゃんを助けるまで時空の狭間に監禁してるとか言ってたし…」
唯「もぉぉ!いきなり前途多難だよぉ!!」
梓(14)「!」ビクッ
梓(なんか前歩いてるお姉さんさっきから独り言言ってるし恐いなぁ…)
唯「ただいまぁ…」
憂「座って」
唯「えっ…もうお説教は終わったんじゃ…」
憂「これなに」ダンッ
唯「あっ…」
憂「お姉ちゃん高校一年なんだよね?私知らなかったなぁ…高校生ってお酒も飲めるんだ」
唯(しまった…私の携帯用ウヰスキーが…)
憂「説明してよ」
唯「こ、これは『ういすきー』と言ってね!」アタフタ
憂「…」
唯「ほら、『憂好きー』になるでしょ?憂のことをもっと好きになりたくて…それで…」
憂「…」
唯(流石にこれは通らないか…!)
憂「お姉ちゃん」
唯「は、はひ!!」
憂「私もお姉ちゃんが大好きだよっ!」ニヘラァ~
唯(チョロっ!!)
憂「でもお酒はダメだよ~我慢できないなら私を呼んでね」
唯「えっ…どういう…」
憂「私を好きにしていいから」ボソッ
唯「…」
唯(憂ってこんな子だったっけ…)
唯(25)「よし!今日から学校だ!」
唯「勉強も部活も全力で取り組むぞ!」フンス
唯「とりあえず…」
唯「制服になんとか身体を押し込まないと…」グググ
唯「酒とタバコの不摂生が…こんなところで…!」
唯(25)「なんかコスプレしてるみたいで恥ずかしいなぁ…」
紬(28)「ゆ~いちゃん!」
唯(上には上がいたー!!)
唯(どう見ても…夫の為に無理して制服を着る人妻!!)
紬(28)「言いたいことはわかるけど、言ったらあなたの頭に埋め込んだ爆弾を爆発させるわ~」
唯「今なんかサラッと凄いこと言ってるよね?!」
律(15)「…」
澪(15)「…」
唯(25)「…」ニコニコ
紬(28)「…」ニコニコ
律(15)「な、なぁ…澪…」ボソッ
律(15)「この2人、どう見てもおば…」ボソボソ
澪(15)「バカ律!」ボカッ
律(15)「ぐえあ?!」ドグシャーン
澪(15)「人を見かけで判断するのは良くないぞ!」
澪(15)「と、言うわけで…部員の揃った軽音部の第1回練習を始めたいと思う!」
紬(28)「お~」
唯(25)「よし!私頑張るよ!!」ジャララン
澪(15)「平沢さん凄いね!その使い込んだギター…それにその腕前!まるでプロだよ!」
唯(25)「一応プロのミュージシャンやってたんで」
澪(15)「え?」
紬(28)「唯ちゃんなりのジョークよ~」
紬(28)「気をつけて!」ボソッ
唯(25)「危ない危ない…」
澪(15)「律!いつまで寝てるんだ!練習するぞ!」
律(15)「悪ぃ…澪、さっきので右手…持ってかれちまったみたいでさ」テヘヘ
唯(25)「あ?」ギロッ
律(15)「ひっ?!」
唯(25)「ふざけてる暇ねーんだよ。こっちはあと3年しか時間がねぇの」グググ
律(15)「すすすみましぇん…」ジョバー
紬(28)「あらあら」
唯(25)「ふぅ…」スパー
紬(28)「順調ね…この1年で私達は既にプロ並の演奏が出来るようになったわ」
唯「まだだよ…まだ足りない」
唯「あずにゃんを守るには…この程度じゃ…全然…」
紬「唯ちゃん…」
紬「いよいよ明日は梓ちゃんの入部してくる日よ」
紬「大丈夫…うまくいくわ」
唯「だといいけど…」
紬「とりあえず部室に隠してるお酒は全部捨てておいたから」
唯「なんで余計なとこでサポートしてくるかなぁ」
梓(15)「はじめまして!中野梓と言います!」
澪(16)「軽音部に新たな仲間が増えて嬉しいよ」
律(16)「中野さん、悪いことは言わないからこの部活はやめといた方が…」ボソッ
唯(25)「おい田井中」
律(16)「はひっ!」ビクゥ
唯(25)「後輩を脅かしちゃダメだよぉ♪」
律(16)「ごめんなさいごめんなさい」
梓(15)(なんかこの軽音部ヤバそう…)
梓(15)「唯先輩凄いです…教え方がとっても上手で…全部スラスラ頭の中に入っちゃいます!」
唯(25)「あずにゃんが才能あるからだよ!教え甲斐があるもん!」
澪(16)「あの2人…すっかり姉妹みたいだな」
律(16)「私にもあれくらい優しくして欲しいんだけど」
紬(28)(唯ちゃん…これが時を遡ってまであなたがやりたかったこと…?)
紬(28)(あなたは世界の残酷さを…まだ何もわかってはいないわ…)
憂(15)「お姉ちゃん、最近帰り遅いね」
唯「うん!あずにゃんと居残りで練習しててさ~すっかり遅くなっちゃうんだ!」
憂「そっか…熱心なんだね」
唯「それにあずにゃん、今度うちに泊まり込みで練習させて欲しいんだって!いいよね?」
憂「もちろん…」
憂「梓ちゃんなら大歓迎だよ」
梓「お邪魔しまーす!」
唯「お!あずにゃん、あがってあがって」
梓「ふつつか者ですが…よろしくです!」
唯「もぉ~あずにゃんたらお嫁さんじゃないんだから」
梓「け、けっこん?!」プシュー
唯「おーい…大丈夫~?」ユサユサ
唯「よっと!」ジャジャーン!
梓「ふぅ…まさか夜まで集中して練習できるなんて思いませんでした」
唯「汗かいちゃったね…お風呂入ろっか」
梓「そうですね!じゃあ唯先輩、お先にどうぞ!」
唯「何言ってるの?一緒に入ろうよ」
梓「え…でも…」
憂「…」ジーッ
梓「や、やっぱり遠慮しときます!ささ、早く入ってきてください!」
唯「ほ~い」
唯「ふぅ~」カポーン
唯「幸せだな…こうしてあずにゃんと一緒に高校生活を送れて…」
唯「ずっと…この時間が続けばいいのに…」
ガシャーン!
唯「…?」
唯「何の音だろ…」
唯「憂~?どしたの~?」
唯「憂~?」
唯(おかしい…いつもなら呼んだら2秒で返事をするのに…)
唯「憂…?」ガチャ
梓「あ…あ…唯…先輩…」
唯「あずにゃん…」
梓「私…そんなつもりじゃ…なのに…」
唯「なんで…」
憂「」
梓「憂を…殺しちゃいました…」ポロポロ
唯「どうして…」
梓「悔しかったんです!憂が…憂が唯先輩を独占してるのが!!」
梓「唯先輩は…ただの後輩の私なんかより!妹の方が大事なんだって!」
梓「そしたら私…わけがわからなくなっちゃって!頭が真っ白で!」
梓「気づいたら…憂を…刺しちゃって…」
唯「ありえない…こんなこと…私知らない…」
梓「もう唯先輩の側にはいられません…」
梓「ごめんなさい!!」ダッ
唯「あずにゃん!待って!」
唯「どうして…あずにゃんがこんなことするはず…」
紬「これが現実よ、唯ちゃん」
唯「知ってたの…?」
紬「大方の予想はついていたわ。梓ちゃんは死の運命から逃れた。けれど、それは宇宙の予定調和を乱すこと」
紬「その対価を誰かが支払わなくちゃならない…それが憂ちゃんだったのよ」
唯「それじゃあ…私のしてきたことは…」
紬「言いたくはないけど、無駄だったということね」
唯「そんなの認めない!」
紬「あなたが認めようと認めまいと、これはもう決まっていることなのよ」
紬「あきらめなさい」
唯「嫌だよっ!!」
紬「まるで子どもね…あなたは高校生の頃から少しも成長していないわ」
唯「運命だって諦めて…出来ることがあるのに何もしなかったら…私は!私でなくなっちゃうもん!」
唯「もう一回過去に戻る…」
紬「どうするの?憂ちゃんを助けても…他の誰かが犠牲になるだけよ」
唯「考えがあるんだ」
紬「…」
紬「好きにしなさい」
唯「私がお風呂に入る前まで時間を巻き戻す!」
唯「よっと!」ジャジャーン!
梓「ふぅ…まさか夜まで集中して練習できるなんて思いませんでした」
唯「汗かいちゃったね…お風呂入ろっか」
梓「そうですね!じゃあ唯先輩、お先にどうぞ!」
唯「何言ってるの?一緒に入ろうよ」
梓「え…でも…」
憂「…」ジーッ
梓「や、やっぱり遠慮しときます!ささ、早く入ってきてください!」
唯「ほ~い」
唯(これであずにゃんと憂は2人きり…)
憂「梓ちゃんおつかれさま!ジュースだよ」
梓「ありがと…ねぇ憂、このリンゴは?」
憂「青森の親戚が送ってくれたの。お姉ちゃんウサギさんが好きだから目の前で剥いてあげるんだ♪」
梓「そっか…憂は唯先輩のことなんでも知ってるね…」
憂「もちろん!私にとってお姉ちゃんは全てだから!」
梓「…っ!」ギリッ
唯(来るか…!)
梓「憂はいっつもそう…お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん!唯先輩のことばっかり…」
憂「梓ちゃ…ん?」
梓「唯先輩は…私のものだっ!!」ガッ
憂「…っ!」
ガシャーン!
唯「あずにゃん!やめて!」ダッ
梓「?!」ピタッ
憂「お姉ちゃん…」
唯「あずにゃん…そんなに私のことを想ってくれてたんだね」
唯「今まで気づいてあげられなくて…ごめん」
梓「う…唯…先輩…」ポロポロ
唯「ほら、そんな危ない物持ってちゃダメだよ」
梓「ごめんなさい…」
唯「いい子…」ナデナデ
唯「さて…」
唯「あずにゃん、憂、2人とも大好きだよ。だから、私のこと…忘れないでね」
憂「何を…」
グサッ
唯「いったぁぁ~ぃ…」ボタボタ
梓「唯先輩?!」
唯「これで全部おしまい…悲しいことも…もうない…」ドクドク
憂「救急車を!」
唯「だい…す…き…だよ…」
唯「」
梓「唯せんばぁぁい!!!」
憂「おねぇぢゃぁん!!!」
紬「…」
唯(25)「ここは…天国…?」
紬(28)「残念だけど現世よ。やっと起きたのね」
唯「私…死んだはず…」
紬「確かに死んだわ。素人のくせに自分の急所を一突きするなんて…」
唯「え…でも…」
紬「まどろっこしいわね」
紬「あなたは私に6兆円を支払う義務があるの。死なれては困るから、現代に連れ帰ってサイボーグとして蘇生手術をさせてもらったわ」
唯「琴吹家って一体…」
紬「それでも一回の死は一回の死…それで宇宙の予定調和は帳尻合わせをされたみたいよ」
紬「あなたには呆れたわ」
唯「あずにゃんと憂は?!」
紬「18歳のあなたをいなくなった25歳のあなたの代わりに連れて行って元通りよ。あの出来事も夢だと思っているわ」
紬「後はあなたを本来の自分のいた世界に戻して一件落着ね」
唯「これで…あずにゃんも誰も…死なずに済んだんだ…よかった」
紬「それじゃあまた、3年後…28歳になったら会いましょう。さようなら」
唯「ムギちゃん…ありがとう…」
紬「それじゃあ15兆円の支払いはよろしく。逃げたら頭の中の爆弾が作動するから」
唯「え…6兆円だったはず…」
紬「あなたの蘇生にいくらかかったと思ってるの?旧友のよしみで300年後までに支払ってくれたらいいわ」
唯「そんなぁ!そんな長生きできないよ!」
紬「サイボーグなんだから寿命なんてないでしょ?」
唯「あ、そっかぁ~」
唯「\(^o^)/」
お
わ
り
紬「琴吹家は地獄の底まで取り立てるわよ」