関連
悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」八百万「No.3」【前編】
緑谷(そして…合宿当日…)
物真「え?A組補習いるの!?つまり赤点取った人がいるってこと!?」
物真「おかしいなあ!?おかしいなあ!?」
物真「A組はB組よりずっと優秀な筈なのに!?」
物真「あれええええ!?」
拳藤「制裁」ズドッ
物真<アリガトウゴザイマス!
ドサッ
拳藤「ごめんな?デク」ガシッ
拳藤「というか何も無かったみたいで安心したわ」
緑谷「うん…あの時はありがとう」
拳藤「ま、一緒に頑張ろうね合宿」
緑谷(いつもの拳藤さんだ)
緑谷(……)
緑谷(飛んでた時の事怒ってるのかなぁ)
緑谷(後で謝っとこう!)
「物真怖」
「体育祭じゃなんかあったけどまぁよろしくねA組」
「ん」
峰田「よりどりみどりかよ…!」ダラダラ…
切島「おいダメだぞそろそろ」
緑谷「ほら!A組のバスこっちだよ!」<しおりの席順だよー
悟空「この後1回宿の前に1回止まんだけど…」
悟空「そっからしばらく…」
飯田「席は立つべからず!べからずなんだ皆!」ワイワイ…
尾白「ポッキーちょうだい」ワイワイ…
上鳴「音楽流そうぜ!夏っぽいの!チューブチューブ!」ワイワイ…
切島「THE DAYでも流すか?」ワイワイ…
上鳴「バッカ!夏といやキャロルの終わりだぜ!」ワイワイ…
切島「終わるのかよ💧」ワイワイ…
尾白「ねえポッキーをちょうだいよ」ワイワイ…
砂藤「しりとりのり」ワイワイ…
芦戸「りそな銀行!う!」ワイワイ…
葉隠「ウン十万円!」ワイワイ…
砂藤芦戸「ダニィ!?」ワイワイ…
悟空「……」
悟空(まいっか…)
悟空(わいわいできんのも今だけだし…)
キィィ…
緑谷「休憩だ…」スタスタ…
峰田「おしっこ…おしっこ…」
上鳴「つか何ここパーキングじゃなくね?」
耳郎「ねえアレ?B組は?」
峰田「お、おしっこ…」
峰田「トトトトイレは…」
悟空「まぁ1日目何もせずってのもあれだしな」
緑谷「?」
「よーカカロット!」
悟空「お。おめえ達来たか」
麗日「…?」
「煌めく瞳でロックオン!」
八百万「…?」
「キュートにキャットにスティンガー!」
マンダレイピクシーボブ「ワイルド・ワイルドプッシーキャッツ!!」
ビシッ!
悟空「今回面倒みてくれるプロヒーロー」
悟空「プッシーキャッツだ!」<ま、全員じゃねえけどな
緑谷「連盟事務所を構える4名1チームのヒーロー集団!山岳救助等を得意とするベテランチームだよ!!キャリアは今年でもう12年にn
ピクシーボブ「心は18!!」ズドッ…
緑谷「ばぼっ!!」
麗日八百万葉隠(詳しっ)
ピクシーボブ「心は?」
緑谷「じゅじゅうはちでございます!」
悟空「30代後半ってそりゃおめえ立派なばっちゃんだぞ?」
ピクシーボブ「おい…テメェ今何つった…」ゴゴゴ…
悟空「怒っとシワ増えっぞ」
ピクシーボブ「~~!」ポカポカ…
悟空「あー悪かった悪かった…」<痛え痛え
緑谷(何この空気)
マンダレイ「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね」
マンダレイ「あんたらの宿泊施設はあの山のふもとね」チョコン…
「遠っ!!!」
麗日「え…じゃあなんでこんな半端なとこに…」
障子「…いやいや」
上鳴「バス戻ろうか……な?早く…」
マンダレイ「今はAM9:30……そうねえ…」
マンダレイ「早ければ12時前後かしらん」
切島「ダメだ…おい!」
芦戸「戻ろう!」
切島「バスに戻れ!!早く!!」ダダッ…
マンダレイ「12時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね」
悟空「へへへっ!」
悟空「悪いけどもう…」
ボコオオッ!
悟空「合宿始まってっからな?」
瀬呂「なんじゃこりゃあああ!!」
常闇(土系の個性か…!?)
轟(流される…!)
ゴオオッッ!
マンダレイ「私有地につき!個性の使用は自由だよ!」
マンダレイ「今から二時間!自分の足で施設までおいでませ!」
ドサッドサッ…
マンダレイ「この『魔獣の森』を抜けて!!」
緑谷「ず、随分高い所から落とされた…」
緑谷「魔獣の森?」
上鳴「なんだそのドラクエめいた名称は…」
上鳴「雄英こういうの多すぎだろ…」
切島「まぁ文句言ってもしゃあねえよ」
切島「行くっきゃねえ」
峰田「耐えた…オイラは耐えたぞ…」ダダダ…
ドスンッ!
魔獣「~!」
「ま、マジュウダァァァ!?」<ギャアアアッ!?
峰田「…」<ジョボボ…
口田「静まりなさい獣よ、下がるのです…!」
芦戸「口田!!」
ゴォォッ…
口田「!?」
緑谷(動物を従える口田君の個性が効かない…!?)
緑谷(……そうか!土くれ…!)
緑谷「っにゃろお!」ダンッ!
ダンッダンッ…
口田「!?」
ピクシーボブ<フンフフン♪
マンダレイ「っにしても無茶苦茶なスケジュールだねえ…」
悟空「本来2年の時にやっ事を前倒しで取る為の修行だからなあ…」
悟空「スケジュールがきっつきつなのは仕方ねえ」
悟空「状況によって限定されちまうが…個性を使える資格…」
悟空「ヒーロー活動可能にする…その仮免」
悟空「敵連合が動き出した今あいつらにも…」
悟空「自分らで守る方法が必要だ…」
緑谷爆豪轟飯田「邪魔すんなぁああっ!!!」
バキィッ!!!
グシャッッ!!
ピクシーボブ「おおっ!1発で!」
悟空「んじゃよろしく頼むぞ、ボブ」
ピクシーボブ「了解!くぅっ…逆立ってきたぁぁああ!」
マンダレイ「ほら洸太、行くよ」
「…」
洸太「下らん」
PM5:20
スタスタ…
ピクシーボブ「やーっと皆戻ってきたニャン」
爆豪「…はぁ…はぁ…」ズキズキ…
轟「っ…」
飯田(…レシプロが…よく耐えた!)プスプス…
ピクシーボブ「これでA組は全員集合できたね!」
瀬呂「何が…二時間…ちょっとですかっ」
切島「腹減った…死ぬ」
マンダレイ「ごめんごめん…私達ならって意味よアレ」
常闇「実力差自慢の為か…」
<やらしー
ピクシーボブ「ねこねこねこ…でも正直もっとかかるかと思ってた」<B組まだだし
ピクシーボブ「私の土魔獣が思ったよりも簡単に攻略されちゃった」
ピクシーボブ「いいよ…特にそこの3人…」
ピクシーボブ「と1時間前に帰ってきた緑谷君」
「はあああ!?」
緑谷「み、皆お疲れ…」
ピクシーボブ「躊躇の無さは経験値による物かしらん?」
ピクシーボブ「3年後が楽しみーー!ツバつけとこーー!」ブッブッ
<うわっ
悟空「…なんでツバつけてんだ?」
マンダレイ「彼女焦ってるの…適齢期的なアレで」
悟空「結婚てそんな難しい事かぁ?オラなんか18でやってたぞ」
マンダレイ(それは羨ま)
緑谷「適齢期といえば…」
ピクシーボブ<と言えばて!!!
緑谷「ずっと気になってたんですけど…」
緑谷「その子はどなたかのお子さんですか?」
洸太「…」
マンダレイ「ああ違う、この子は私の甥だよ」
マンダレイ「洸太!ホラ挨拶しな!一週間一緒に過ごすんだから…」
洸太「…」スタスタ…
緑谷「え…」
洸太「…」
緑谷「あえと…雄英高校ヒーロー科の緑谷…」
緑谷「よろしくね」
洸太「ふんっ」ドゴッ!!
緑谷「おおおおおおぉぉぉぉぉ…」
ドサッ
飯田「だ、大丈夫か緑谷君!」
緑谷「ら、らひひょう…」ガクッ
飯田「おのれ甥!何故緑谷君の陰嚢を!!」
洸太「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねえよ」
飯田「つるむ!!いくつだ君!?」
爆豪「マセガキ」
轟「お前に似てねえか?」
爆豪「あ?似てねえよつーかテメェ喋んてんじゃねえぞ舐めプ野郎!!!」ゴゴゴ…
轟「悪い」
悟空「ホラ皆!バスはこっちまで移動させてっから荷物持て!」
悟空「荷物部屋まで移動したら夕飯だ!腹一杯食え!!」ダラダラ…
マンダレイ「あんたがよだれ垂れてどうする」
悟空「んで終わったら風呂入って寝る!明日からが本番だ!」
悟空「さあ皆行け!てか飯!!」
「イタダキマス!!!」パンッ
瀬呂「へえ…て事は女子部屋は普通の広さなんだな」ワイワイ…
芦戸「男子の大部屋見たい!」ワイワイ…
芦戸「ねえねえ見に行ってもいい!?後で!」ワイワイ…
瀬呂「おー来い来い」ワイワイ…
峰田「肉も魚も野菜も…!贅沢だぜえ!」ガツガツ…
切島「美味しい!米美味しい!!」ガツガツ…
上鳴「五臓六腑に染み渡る!ランチラッシュに匹敵する粒立ち!」
上鳴「いつまでも噛んでいたい!!」
悟空「」ガツガツガツガツ…
マンダレイ「…」
ピクシーボブ「…」
悟空「おかわり!」
マンダレイピクシーボブ(食料底つく)
上鳴「土鍋…?」
切島「土鍋ですか!?」
ピクシーボブ「うん。つーか腹減りすぎて妙なテンションなってんね」
悟空「」ガツガツ…
悟空「おかわり!」
ピクシーボブ「うう…う、ウチらの飯分はぁ…?」
マンダレイ「米粒1個」
ピクシーボブ「いやああああ!!!?」
マンダレイ「まー色々世話焼くのは今日だけだし食えるだけ食っときな」
マンダレイ「あ、洸太、その野菜運んどいて」
洸太「フン…」
緑谷「…」
カポン…
峰田「まぁまぁ…」
峰田「飯とかはねえ…ぶっちゃけどうでもいいんスよ」
峰田「求められてんのってそこじゃないんスよ」
峰田「その辺分かってるんスよオイラぁ…」
峰田「求められてんのはこの壁の向こうなんスよ…」
カポン…
「……」
緑谷「……1人で何言ってるの峰田君?」
<気持ちいいー
<温泉あるなんて最高だわ
峰田「ホラ…いるんスよ…」
峰田「今日日男女時間ズラさないなんて…」
峰田「事故…そうもうこれは事故なんスよ…」
轟(ヤオヨロッパイ…)
飯田「峰田君やめたまえ!!」
飯田「君のしている事は己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」
峰田「やかましいんスよ」カポン…
峰田「壁とは超える為にある!!」ブチブチッ!
峰田「『Plus Ultra』!!!」ポッポッポッ…
緑谷「速っ!!」
飯田「校訓を涜すんじゃない!!」
轟(くそっカメラ持ってきてヤオヨロッパイ撮らせりゃよかった)
峰田(この時の為…!)
峰田(この時の為においらは…!)ガシッ
洸太「ヒーロー以前にヒトのあれこれから学び直せ」ドガッ
峰田「ダニィッ!?」ヒュゥゥ…
緑谷「洸太君…!?」
洸太「所詮…クズはクズなのだ…」
峰田「このっ…クソガキィィイッ!!」ヒュゥゥ…
蛙吹「やっぱり峰田ちゃんサイテーね」
芦戸「ありがとー洸太君!」
洸太「?」クルッ
麗日「……」
八百万「…」
洸太「ヘェアッ!?」
洸太(い、いいなぁ…カワイイ!)
ズルッ
洸太「ヘェアッ!?」
耳郎「あ、だ、男子んとこに!!」
ヒュゥゥ…
ガシッ
洸太「あ…あ」
緑谷「あっぶなあぶな…」
洸太「」グダッ
緑谷「き、気絶しちゃった…大丈夫かな」
マンダレイ「落下の恐怖で失神しちゃっただけだね」
マンダレイ「大丈夫、ありがとう」
マンダレイ「イレイザーに『1人性欲の権化がいる』って聞いてたから見張ってもらってたんだけど…」
緑谷(…相澤先生一か月くらいで入院したっきりなのに生徒の事よく見てるなぁ)
マンダレイ「最近の女の子って発育いいからね」<いいなぁ
耳郎「っくしゅん」
芦戸「どした?耳郎」
耳郎「え、いや風邪じゃないけど今なんか…」
緑谷「ともかく何もなさそうでよかった…」
マンダレイ「よっぽど慌ててくれたんだね」
緑谷「…」
洸太『ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねえよ』
緑谷「…洸太君はヒーローに否定的なんですね」
マンダレイ「ん?」
緑谷「僕の周りにはヒーローになりたいって人ばかりで…」<いや、僕もですけど
緑谷「この歳の子がそんな風なの珍しいな……って思って」
マンダレイ「…そうだね」
マンダレイ「当然世間じゃヒーローを良く思わない人も沢山いるけど」
マンダレイ「普通に育ってればこの子もヒーローに憧れてたんじゃないかな」
緑谷「普通…?」
ガチャ…
ピクシーボブ「マンダレイのいとこ…洸太の両親ね」
ピクシーボブ「ヒーローだったけど殉職しちゃったんだよ」
緑谷「え…」
ピクシーボブ「2年前敵から市民を守ってね…」
ピクシーボブ「ヒーローとしてはこれ以上ない程に立派な最期だったし」
ピクシーボブ「名誉ある死だった」
マンダレイ「でももの心ついたばかりの子供にはそんな事わからない」
マンダレイ「親が世界の全てだもんね」
マンダレイ「『ぼくを置いて行ってしまった』のに世間はそれを良い事・素晴らしい事と褒め称え続けたのさ」
マンダレイ「私達の事も良く思ってないみたい…」
マンダレイ「だけど他に身寄りがないから従ってる……って感じ」
マンダレイ「洸太にとってヒーローは理解できない気持ち悪い人種なんだよ」
緑谷「…」
死柄木『救えなかった人間などいなかったかのように…』
死柄木『ヘラヘラ笑ってるからだよなあ!!』
緑谷(……とても無責任で他人事みたいな言い方になるけど…)
緑谷(色々な考えの人がいる)
緑谷(立て続けに聞く価値観の相違に僕は何も言えなかった…)
マンダレイ<というか君の…服着てきな?
~翌日・合宿2日目~
「~」ボーッ
悟空「皆眠そうだなぁっ…ちゃんと寝たんか?」
瀬呂「いやはや…初日からあんな事やられちゃ早起きもクソも…」<5:30は辛い…
悟空「あんなんでくたばってたらこれから一週間耐えられねえぞ?」
悟空「今日から本格的に修行始めっからな」
悟空「目標はこれから戦う可能性も高え敵連合への対策って事でヒーローの資格の仮免の取得…」
悟空「その為の準備だ」
悟空「って事で爆豪試しにこれ投げてみてくれ」ブンッ
ガシッ
爆豪「…こりゃ体力テストの時の…」
悟空「入学したばっか…確か700ちょいだったな」
悟空(…あっれこのパネルどう操作すんだっけ)
切島「おお!成長具合か!」
上鳴「この3ヶ月色々濃かったからな!1kmとか行くんじゃね!?」
芦戸「いったれー!バクゴー!」
悟空(えいやちょっとタンマ…!)ピッピッ…
爆豪「んじゃよっこら…」
爆豪「くたばれ!!!」ボオオンッッッ!!!
緑谷(…くたばれ…)
悟空(あ、なんとかなった)
悟空「……700ちょいだな」<709.6
「あれ!!?」
葉隠「思ったより…」
悟空「…確かにおめえら4月から色んな経験通して成長してっけど」
悟空「あくまでそれは精神的…後は技術的にの話だ」
悟空「後は多少体力的な成長ぐらいだけで『個性』自体は然程変わってねえ」
悟空「だから今日からおめえらの個性を伸ばす」
緑谷(個性を…伸ばす…)
悟空「死ぬ程きついかもしれねえが…死なねえ様に気をつけろよ?」
B組「個性を伸ばす…?」
プラドキング「A組はもうやってるぞ、早く行くぞ」
プラドキング「前期はA組が色々目立ってたが後期は我々の番だ」
プラドキング「いいか?A組ではなく我々だ!」
鉄哲(先生…!不甲斐ない教え子でごめん…!)
「突然個性を伸ばすって言っても…」
「20名20通りの個性があるし…何をどう伸ばすのか分からないんスけど」
「具体性が欲しいな」
プラドキング「筋繊維は酷使する事により壊れ…強く太くなる」スタスタ…
プラドキング「個性も同じだ!使い続ければ強くなり」
プラドキング「でなければ衰える!」
プラドキング「すなわち!やるべき事は一つ!」
プラドキング「限界突破!!!」ザッ!
<ウワァァァァァ!
<ギャァァァァ!
「な、なんだこの地獄絵図…!」
「もはやかわいがりですな」
プラドキング「許容上限のある発動型は上限の底上げ」
プラドキング「異形系・その他複合型は個性に由来する器官・部位の更なる鍛錬」
プラドキング「通常であれば肉体の成長に合わせて行うが…」<ウヘエエエ!
悟空「まぁ状況が状況だ、早くやるに越した事はねえ」
拳藤「でも私達も入ると40人だよ?」
拳藤「そんな人数の個性たった6名で管理できるの?」
悟空「だからあの4人」
「そうなのあちきら四位一体!!」
マンダレイ「煌めく眼でロックオン!!」
ラグドール「猫の手手助けやってくる!!」
虎「どこからともなくやってくる…」
ピクシーボブ「キュートにキャットにスティンガー!!」
プッシーキャッツ「ワイルド・ワイルドプッシーキャッツ!!!」ビシッ(フルver)
ラグドール「あちきの個性『サーチ』!この目で見た人の情報100人までまるわかり!」
ラグドール「居場所も弱点も!」
ピクシーボブ「私の『土流』で各々の鍛錬に見合う場を形成!」
マンダレイ「そして私の『テレパス』で1度に複数の人間へアドバイス」
虎「そこを我が殴る蹴るの暴行よ…」
(色々ダメだろ)
虎「単純な増強型の者我の元に来い!」
虎「我ーズブートキャンプはもう始まってるぞ」
緑谷「ひーー」ブンブン…
(古っ)
虎「さぁ今だ打ってこい」
緑谷「はっ」ピタッ
緑谷「200パーセントジャン拳グゥゥゥッッッ!!!」ゴオオッッ!
虎「よぉぉぉしまだまだキレキレじゃないか!!」
虎「筋繊維が千切れてない証拠だよ!!」
緑谷「イエッサ!!」
虎「声が小さい」
緑谷「イエッサァッ!!!」
(ノリが怖え!)
虎「プルスウルトラだろお!?しろよ!ウルトラ!」
(この人だけ性別もジャンルも違うんだよなぁ)
悟空「終業式終わったからって1学期の授業全てが終わったわけじゃなえ」
悟空「こうして林間合宿開くとこもありゃ…2、3年、特にヒーロー科は学校で補習する奴が大半だ」
悟空「恐らく7割ぐれえの生徒はこの週まで授業があんだろ」
悟空「先生の手も空かねえ、1年の為だけに総動員ってのは無理がある」
悟空「これが一番『合理的』な方法だ」
緑谷(正直悟空さん1人で事足りるよなんて言えない💦)
緑谷「はぁ…はぁ…」
緑谷(…悟空さんから力の鍛え方を学んだ…!)
緑谷(グラントリノから身体に見合う力の使い方を学んだ…!)
緑谷(貰ってここまできた!)
緑谷(ここからは正真正銘僕の頑張り次第!!)
緑谷(…髪の毛…)
緑谷「うおおおおおっ!」
虎「よおおし!伸ばせっ!千切れっ!ヘボ個性を!!!」
緑谷「イエッサーーーー!!」
洸太「…」
<ん?かめはめ波(ビーム砲)は発動型じゃないかって?
<細けえこたあいいんだよ
ピクシーボブ「さぁ、昨日言ったね『世話焼くのは今日だけ』って!」
ラグドール「己で食う飯ぐらい己で作れ!カレー!」
「イエッサ…」
悟空「オラ料理できねえ…もうダメ」グゥゥゥ…
マンダレイ「あんた失敗するとここ一帯チリなるからダメさね」
ラグドール「アッハッハ!全員全身ブッチブチ!」
ラグドール「だからって雑なねこまんま作っちゃダメね!」
飯田「確かに…災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環…」
飯田「流石雄英無駄が無い!」
飯田「世界一旨いカレーを作ろう皆!!」
<ォォォオオ…オオ…
緑谷(それ僕の台ぐふ…)
ピクシーボブ「素直な子好み…!」
マンダレイ「やめい」
グツグツ…
瀬呂「爆豪爆発で火つけられね?」
爆豪「つけれるわクソが!!」ボォッ!!
瀬呂「ええ…💧」
芦戸「轟ー!こっちも火ーちょーだい!」
八百万「皆さん!人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんよ」カチッ
耳郎(お嬢様ってなんだろ)
轟「いや、いいよ」
ボォッ
麗日「わー!ありがとー!」ピョンピョン
轟(ここでカッコいいところを見せれば八百万も惚れる筈…)<燃えろー
チラッ
緑谷「あ、八百万さん切った材料持ってきてくれる?」
八百万「はははっはい!!」ピューン!
轟「……」<燃やし尽くせー!
轟(萌やし尽くしたい)<尽くしたらあかんよ
<イタダキマス!
ガツガツ…
切島「店とかで出たら微妙かもしれねーけど」
切島「この状況も相まって美味ええええっ!!」ガツガツ…
瀬呂「言うな言うなヤボだな!」ガツガツ…
上鳴「ヤオモモがっつくねー!」
八百万「ええ」パクパク…
八百万「私の個性は脂質を様々な原子に変換して創造するので」
八百万「沢山蓄える程沢山出せるのです」
上鳴「うんこみてえ」
耳郎「バカヤローー!」バチィッッ!
上鳴「ばべし!?」
八百万「ええ…そうですわ…私なんて皆さんに比べたら道端にある汚い糞みたいなもの…」ズーン…
轟(チャンス!ここで見せ場を作れば…)
轟「八百万、そんな落ち込むな。うんこだろうがしょんべんだろうが俺はお前の全てを受け止める」
八百万「」
麗日芦戸葉隠耳郎蛙吹「バカヤローーー!」バチバチィッッ!!
轟「何故!?」
峰田(今のは引くわぁ…)
口田(お食事中の方誠に申し訳ございません…!)
悟空「おかわりくれ!」
ピクシーボブ「お前は一回我慢を知れ」
スタスタ…
洸太「何が個性だ…本当…下らん…!」
緑谷「…?」
洸太「…」グゥゥゥ…
スタスタ…
緑谷「お腹…空いたよね?」
洸太「」ビクッ
緑谷「これ食べなよ」<カレー
洸太「テメェ何故ここが…」
緑谷「あ、いやごめ…足跡を追っていって…」
緑谷「ご飯食べないのかなと…」
洸太「いいよ、いらねえよ」
洸太「言ったろ…つるむ気などねえ」
洸太「俺のひみつきちから出てけ」
緑谷「ひみつきちか…!」
緑谷『うおおおおおっ!』
虎『よおおし!伸ばせっ!千切れっ!ヘボ個性を!!!』
緑谷『イエッサーーーー!!』
洸太「個性を伸ばすとか張り切っちゃってさ…気味悪い」
洸太「そんなにひらけかしたいかよ力を」
緑谷「…」
緑谷「君の両親さ」
緑谷「ひょっとして水の個性の『ウォーターホース』?」
洸太「…!」
洸太「マンダレイか!?」
緑谷「え、いやその…あーごめん…」
緑谷「うん…何か流れで聞いちゃって…」
緑谷「情報的にそうかなって…」
緑谷「残念な事件だった…覚えてる」
洸太「……うるせえよ…」
洸太「頭イかれてるよみーんな」
洸太「馬鹿みたいにヒーローとか敵とか言っちゃって殺しあって…」
洸太「個性とか言っちゃって……ひらけかしてるからそうなるんだ」
洸太「バーーーカ」
緑谷「…」
洸太「なんだよ!もう用ないんだったら出てけよ!!」
緑谷「いや…あの」
緑谷「えー…」
緑谷「…友達…僕の友達さ!」
緑谷「親から個性が引き継がれなくてね…」
洸太「………は?」
緑谷「先天的なもので稀にあるらしいんだけど…」
緑谷「でもそいつはヒーローに憧れちゃって」
緑谷「でも今って個性がないとヒーローにはなれなくて」
緑谷「そいつさ、しばらくは受け入れられずに練習してたんだ」
緑谷「物を引き寄せようとしたり…」
緑谷「火ぃ吹こうとしたり」
緑谷「個性に対して色々な考えがあって一概には言えないけど…」
洸太「…」
緑谷「そこまで否定しちゃうと君が辛くなるだけだよ」
洸太「…」
緑谷「えと…だから…」
洸太「うるせえ!ズケズケと!!」
洸太「出てけよ!!」
緑谷「………ごめん…とりとめのないことしか言えなくて」
緑谷「カレー…置いとくよ」コト…
洸太「…………」
洸太「うるさい…どいつも…こいつも…!」
「疼く…疼くぜ…」
「早く行こうぜ…!」
「まだ尚早」
「それに…派手なことはしなくていいって言ってなかった?」
「ああ」
「急にボス面始めやがってな」
「今回はあくまで狼煙だ」
荼毘「虚に塗れた英雄達が地に堕ちる…」ザッ…
荼毘「その輝かしい未来の為のな…」
トガ「そんな事はどうでもいいけど」
荼毘「」
トガ「これ嫌」
トガ「可愛くないです」
マスク「裏のデザイナー・開発者が設計したんでしょ」<お、表記ついた
マスク「見た目はともかく理に適ってるはずだよ」
トガ「そんな事聞いてないです」
トガ「可愛くないって話です」
マスキュラー「どうでもいいけど早くやらせろ」
マスキュラー「ワクワクが止まんねえよ」バキバキ…
荼毘「黙ってろイカレ野郎共」
荼毘「まだだ…決行は…」
荼毘「10人全員揃ってからだ」
スタスタ…
マグネ「おまたー」スタスタ…
ムーンフィッシュ「仕事…仕事…」スタスタ…
スピナー「……」スタスタ…
荼毘「威勢だけのチンピラをいくら集めたところでリスクが増えるだけだ」
荼毘「やるなら経験豊富な少数精鋭…」
荼毘「まずは思い知らせろ…」
荼毘「テメェらの平穏は俺達の掌の上だということを…!!」
~三日目~
プラドキング「…ええ…はい。まぁ順調ではありますかな!はは!はは…」
校長「うん、それは何よりだ」
校長「僕達も手伝いたいのは山々なんだけど何しろ生徒がいるのはそっちだけの話じゃないからね」
プラドキング「……それで…プレゼントマイクの件は…」
校長「……今日も体調を崩し休み…だってさ」
プラドキング「信じがたい状況ですな。あの男が風邪を拗らせた程度で休むなど…」
プラドキング「ましてや3日連続…」
校長「ああ…あまり考えたくはないケースだが…」
プラドキング「…」
校長「まぁ…今の君達がどうこうするって訳にもいかないから」
校長「そっちはそっちの事だけ集中しておいてくれよ」
校長「ではまた来朝も報告を宜しくね」
プラドキング「はい…」
プラドキング「……」ピッ…
プラドキング「今は…やるべき事をやるか…」
悟空「おーい補習組動き止まっちまってるぞ」
切島「お、オッス…!」
芦戸「すいません…ちょっと眠くて…!」
砂藤「昨日の補習が…!」
プラドキング『』ペラペラペラペラ…
切島芦戸上鳴砂藤瀬呂(追いつかねえし話分かり辛え!)
悟空「だから言ったろ10べえきついって」
悟空「上鳴と砂藤は容量の問題だな」
悟空「増やす為にはやっぱ反復して使い続けるのが妥当だろ」
悟空「瀬呂はそれに加えテープの強さと出す・巻くの速さの強化」
悟空「芦戸は溶解液を長時間使う時の皮膚の耐久度を上げねえと」
悟空「切島は硬化の硬度と筋力鍛えて個性を磨く」
悟空「その上おめえらは実技じゃ臨機応変に対応できなかった!」
悟空「それをちゃんと自覚して補習受けんだぞ!?」
悟空「他の皆も!赤点逃れたっつっても危ねえ奴はチラホラいたんだ!」
緑谷「……」ブンブンッ!
緑谷(他の皆は確か補習云々…だったけどオールマイトはどうだろ)
緑谷(まぁ敵側に狙われる可能性も考慮したらそらそうなるか…)
緑谷(でも担任とはいえ悟空さんが来るのも…)
緑谷(あの脳無をあっさりと倒した程の奴を見過ごす訳ないよなぁ…)
悟空「……」
悟空(……ここは…私有地…つったけど)
悟空(何やら大きい気が一つ二つじゃ済まねえ…)
悟空(……でもまだ襲ってすらいねえのにこっちから行くのもあれか…)
悟空(今は様子見か…)
ピクシーボブ「ねこねこねこ…」
ピクシーボブ「それより皆!今日の晩はねぇ…」
ピクシーボブ「クラス対抗肝試しを決行するよ!」
ピクシーボブ「しっかり訓練した後はしっかり楽しい事がある!」<ザ・アメとムチ!
拳藤「ああ!忘れてた…」
耳郎「怖いのマジヤダ…」ガタガタブルブル…
常闇「闇の狂宴…」
「イベントらしい事もやってくれるんだ」
物真「対抗ってとこが気に入った」
物真(フフフ…にっくきあの地味カスに復讐するチャンス…!)
物真(で、できれば拳藤と一緒に脅かして笑って帰るんだ!)
物真「フフフフフ!」
唯「ん?」
「物真怖っ!笑ってる!」
唯「んー」
ピクシーボブ「という訳で今は全力で励むのだ!!」
「イエッサァァ!!!」
トントントン…
麗日「うわっ!?爆豪君包丁使うのウマッ!?」
麗日「意外やわ~」
爆豪「意外って何だコラ包丁に上手い下手なんざねえだろ!!」トントントン
上鳴「出た、久々の才能マン」
切島「皆元気すぎ…」<上鳴スゲエ
轟「おい緑谷」
緑谷「ん?」
轟「昨日夕飯ん時どっか行ってたろ」
轟「どうしたんだ?」
緑谷「え、いや…ちょっと洸太君の事でね…」
轟「洸太?誰だ?」
緑谷「ええ!?あの子だよ!ホラえと…」キョロキョロ…
緑谷(……またいない…)
緑谷(ひみつきちかな……本当に嫌なんだな…)
緑谷「その子がさヒーロー…いや」
緑谷「個性ありきの超人社会そのものを嫌ってて」
緑谷「僕は何もその子の為になるような事言えなくてさ」
緑谷「……オールマイトなら何て返してたんだろうなぁ……」
緑谷「轟君なら何て言う?」
轟「…………」
轟「場合による」ドーン
緑谷「っ…いやそりゃ場合によるけどさぁ…」
轟「素性もわからねえ通りすがりに正論吐かれても煩わしいだろ」
轟「言葉単体だけで動くようならそれだけの重さだったってだけで…」
轟「大事なのは『何をした・何をしてる人間に』言われるか…だ」
轟「言葉には常に行動が伴う……と思う」
緑谷「…」
緑谷「そうだね、確かに通りすがりが何言ってんだって感じだ」
轟「お前がそいつをどうしてえのか知らねえけど」
轟「デリケートな話にあんまズケズケと首突っ込むのもアレだぞ」
轟「そういうの気にせずぶっ壊してくるからな…お前意外と…」
緑谷「なんか…すいません」
飯田「委員長!手が止まってるじゃないか!最高の肉じゃがを作るんだ!!」
ピクシーボブ「ってと!」
ピクシーボブ「腹もふくれた!皿も洗った!お次は…」
芦戸「肝を試す時間だぁぁっ!」
悟空「悪いけど補習組はこれから補習すっぞ?」
芦戸「嘘だろっっっ!!!!」
悟空「いや~悪い悪い。昼の修行が予想以上に捗らなくてよ…」
悟空「深夜は辛えだろうからこっち削るぞ」キラーンッ
芦戸「ひっ…」
上鳴「に、逃げるd
ガシッガシッ
悟空「じゃあ行ってくっぞ!」
フッ
緑谷(あんなの逃げられるわけないよ)
ピクシーボブ「はいという訳で脅かす側先攻B組ね!」
ピクシーボブ「A組は二人一組で3分置きに出発よ」
ピクシーボブ「ルートの真ん中に名前を書いたお札があるからそれを持って帰ること!」
常闇「闇の狂宴…」
麗日(また言っとる…)
緑谷(賑やかしメンバーが全員いないから空気が神妙になってる…)
ピクシーボブ「脅かす側は接触禁止で」
ピクシーボブ「個性を使った脅かしネタを披露してくるよ」
虎「創意工夫でより多くの者を失禁させたクラスが勝者だ!!」ビシッ
耳郎「やめて下さい汚い…」
峰田「失禁させた異性の汁飲んでもいいんスよね?」
飯田「成る程!競争させる事でアイデアを推敲させその結果個性に更なる幅が生まれるという訳か!流石雄英!!」
緑谷(どうあがいても補習の5人除いたら15人だから1人余っちゃうよなぁ…)
緑谷(1人はやだなぁ)
緑谷(1分後)
緑谷と組む奴
>>183(ボッチも可ッッッ)
183 : 以下、名... - 2016/08/09 01:59:49.66 3WwBZF8a0 107/291かっちゃん
緑谷(いや1人よりやだなぁ)
爆豪「オイなんでテメェと一緒に歩かねえと行けねえのかよ!」
緑谷「だ、だって引いちゃったもんは仕方ないでしょ…」
爆豪「一回ビビる毎に1発いれる」ボォッ
緑谷「何ソレ!!」
※七組目
ピクシーボブ「じゃ5組目…ケロケロキティとウララカキティGo!」
麗日「怖いよ梅雨ちゃん…めっさ悲鳴あげとる…」<ギャァアアッッッ!!
蛙吹「響香ちゃんと透ちゃんね…手を繋ぐといいわ」
蛙吹「大丈夫よ、私平気なの」
骨抜「カッカッカ…」
骨抜「小大、お前の脅かし今んとこ全員ビクってなってっぞ」
拳藤「体張るねえ唯」
唯「ん」
骨抜「轟超ウケたなー」
唯『お』ズッ…
轟『おっ』ビクッ
骨抜「『お』て!!」
拳藤「…」
拳藤「てかさ…ちょっと…」
拳藤「さっきから微妙に焦げ臭くない?」
骨抜「あーー?そういえば…急に煙っぽいのが…」シュゥゥ…
骨抜「轟ビビって個性ぶっ放したんじゃ…」クラッ…
ドサッ…
拳藤「………ほ、骨抜っ!?」
拳藤「…っ!?」
拳藤「唯吸っちゃダメ!この煙…」ゴォッ
唯「ん?」
ガシッ
拳藤「有毒!!!」シュゥゥ…
ピクシーボブ「何この焦げ臭いの…」
マンダレイ「黒煙…?」
荼毘「さぁ…始まりだ…」
荼毘「くれぐれも…気は高めるな…」
荼毘「地に墜とせ」
荼毘「敵連合『開闢行動隊』」
蛙吹麗日「ゆっくり…ゆっくり…」
「……」
トガ「……ぃぃ…」
マグネ「飼い猫ちゃんは邪魔ね」
峰田「な、何で…」
峰田「万全を期した筈じゃあ…」
ドサッ…
峰田「なんで!?」
悟空「…ここはこうしてな…」
マンダレイ【カカロット!カカロット!】
悟空「ん?どしたマンダレイ?テレパスしてきて…」
マンダレイ【ヴィ……敵が現れた!】
悟空「な、何だって!?」
プラドキング「何っ…」
切島「はあああ!?」
悟空(そ、そんな…奴らの気はさっきまで…)
悟空(…まさか…昨日までのはわざと…!!!)
ドクター「誰がいつ気の使い方を教えてないと言った…?」
峰田「なんで敵がいるんだよおおおっ!!!」
ピクシーボブ「うう…」
緑谷「ピクシーボブ!!」
マンダレイ「やばい…!」
緑谷「!!」
緑谷「洸太君……!」
プラドキング「どういう事だそれは!」
芦戸「なんでぇ!?なんで敵がいるのお!?」
物真「け、拳藤が…拳藤達が危なっ…」
ガシッ
悟空「落ち着け!とりあえず皆冷静になれ!」
悟空(気を探りゃ瞬間移動なりなんなりできっけど…)
悟空(何から手をつけりゃいい…!そもそも外の状況はどうなってる…!)
悟空「とりあえずおめえ達はそこいろ!」
悟空「外の様子を見てくるからプラドキング頼んだ!!」ダダッ…
プラドキング「なっ…おい!」
悟空(いってえどうなってる…場所についてはオラ達しか知らねえ筈だ…)
悟空(まさか…そんな…!)
キキーッ!
悟空「いっ!?」
荼毘「心配が先になったかカカロット」
ボォッ…
悟空(やべえ避けたら施設が…!)
悟空「プラ…」クルッ
ドオオンッ…
荼毘「…」
悟空「だりゃあっ!」ズドオッ!!
荼毘「っ…」
ズザザ…
悟空「なんだ…おめえらは…」
荼毘「……」スク…
荼毘「お前達に言う義理があるか?」
悟空(くそっ…まずは施設の安全を確保しねえと…)
悟空(皆…すぐ行くからな…!)
荼毘「邪魔はよしてくれよプロヒーロー」
荼毘「用があるのはお前らじゃないんだ」
スピナー「ご機嫌よろしゅう雄英高校!」
スピナー「我ら敵連合開闢行動隊!!」
虎「開闢行動隊…だと?」
緑谷「な、なんで敵連合が…!」
マグネ「この子の頭潰しちゃおうかしら…どうかしら?」
マグネ「ねえどう思う?」
虎「させぬわこのっ…」ゴォッ…
スピナー「待て待て、早まるなマグ姉」
スピナー「虎もだ。落ち着け」
虎「っ…」
スピナー「誰を生かし、誰の命を奪うかはステインの仰る主張に沿うか否か!」
飯田「ステイン…あてられた連中か…!」
スピナー「そしてアアそう!俺はそうお前、君だよメガネ君!」
スピナー「保須市にてステインの終焉を招いた人物」ガシッ
スピナー「申し遅れた。俺はスピナー」
スピナー「彼の夢を紡ぐ者だ」ジャッ
虎「……何でもいいがなあ…貴様ら…!」
虎「その倒れている女…ピクシーボブは最近婚期を気にし始めてなぁ…」
虎「女の幸せ掴もうって…いい歳して頑張ってんだよ」
虎「そんな女の顔キズモノにして…男がヘラヘラ語ってんじゃないよ!!!」
スピナー「ヒーローが人並みの幸せを夢見るか!!」
マンダレイ「虎!!指示は出した!他の生徒の安否はラグドールに任せよう!!」
マンダレイ「私らは2人でここを押さえる!!」
マンダレイ「皆行って!!良い!?決して戦闘はしない事!」
マンダレイ「委員長引率!!!」
緑谷「は、はいっ!」
爆豪「アア!?誰が逃げるだあ?売られた喧嘩は買い飛ばすに決まってんだろ!」ボォッ!
スピナー「…ぬ?もしやあの小僧は…」
マグネ「あ、資料に載ってる奴じゃん」
スピナー「尚更引く理由が無くなったな…」
スピナー「悪いが通らせてもらうぞ」
ズドォッ!
マンダレイ「え」
虎(指から…!?)
緑谷(あ、あれは!)
ズギュッ!!
マンダレイ「たっっ!!?」
ドオオンッ…
飯田「な、何だ今のは!」
尾白「か…貫通した…?」
緑谷(き、気功波だ…!なんでこいつら…!)
ドサッ
マンダレイ「っんん…」
虎「マンダレイ!」
マンダレイ「くそっ…左腕やられた…」
虎「血が…」
マグネ「余所見してていいのかしら~ん?」シャッ…
虎(しまった…!気を取ら…)
ドゴオォッ!!
ズザザ…
虎「ぐっ…貴様…!」
マグネ「あら~あまり効いてないみたい」
マンダレイ「虎っ!!」
緑谷(くっそ…!)
緑谷(戦闘許可が出されてない以上敵には手を出せない…!)
緑谷(でもこのままじゃ…)
悟空「波あああっ!!!」
ボオオッ…
荼毘「ぐあっ…」
シュゥゥ…
悟空「………」
ゴォッ!
悟空「だっ!!」ガッ!!!
荼毘「っと…」シュタッ…
悟空「おめえが気を消そうがオラには見えてるんだよ」
荼毘「流石…厄介だな…」
荼毘「情報通りの強さだ、孫悟空」
悟空(…でもなんでさっきから倒しても倒しても蘇ってくんだこいつは…!)
悟空(個性は1人一つじゃねえのかよ!)
荼毘「でもだからこそ…足止めはしないとな」ダンッ
悟空「知るかぁあっ!!!」ブンッ!
ゴオオッッ!!
シュゥゥ…
悟空「また死んだ…」
シュタッシュタッ…
悟空「……」
荼毘軍団「……」
荼毘「1人がダメなら100人はどうだ?」
悟空「10秒で片付ける…!」
悟空(…やむを得ねえ…)
悟空(このままずっと足止め食らうわけにはいかねえ…)
ダンッダンッ…
悟空(…皆なら…いや…正直勝率は低い…けど)
悟空(緑谷…!)
悟空「邪魔だあああっっ!!!!」
ゴオオオッッ!!!
荼毘「ぐあっ…」
荼毘「衝撃波…!」
悟空(処分云々は後でオラが受けりゃいい!!)
悟空【おめえら!聞こえるか!!オラからの指示だ!!】
緑谷「!?」
悟空【A組B組全員!!】
悟空【戦闘を許可する!!!】
マンダレイ「は、はあ!?何考えてんのカカロット!!」
虎「こやつら…敵連合の開闢行動隊という程…」
虎「恐らく他の奴らもラグドールや他の生徒の所に…!」
虎「何よりテレポートができるカカロットがわざわざこんな事をしているということは…」
緑谷「施設前にも…敵が…?」
虎「とはいえあそこにはプロが2人もいる。ここよりかは安全なのは確かだ」
虎「早く行け!ここは我らが食い止める!!」
スピナー「へへっ…そんな事はさせ…」シャッ…
ズドオオオッ!!!
スピナー「ぐおっ…」
緑谷「界王拳………」
スピナー「あ…」メキメキ……
緑谷「3倍っ!!!」
ヒュゥゥ…
ズドオオオ!!
マグネ「スピナー!?」
シャッ
マグネ「はっ!?」
緑谷「んっっがあっっ!!!」バキィッッ!!!
ズザザッ!
マグネ「ぐほっ!」
緑谷「…」
シュタッ…
緑谷「マンダレイ!」
マンダレイ「え…」
緑谷「僕…知ってます!!」
爆豪「はあ?」
緑谷「飯田君!皆連れて先行って!」ダダッ…
飯田「何をしているんだ緑谷…
緑谷「委員長命令だ!!!」
飯田「……」
飯田「後で追いかけるからな!」
飯田「皆行こう!」
尾白「ああ…」
マンダレイ「…緑谷…」
スピナー「あ、あ…の…ガキ…」
スピナー「なっ…」
虎「これで形勢逆転だな」バキバキッ…
マグネ「おへ…」
拳藤「ゴホッ…」
唯「んー?」
拳藤「っしろあたしは大丈夫だ…」
拳藤(くそ…毒ガスが充満してる…)
拳藤(戦闘許可もらったのは幸いだけど…)
拳藤(そんな事言われたって施設までは…)
鉄哲「おい拳藤!皆!!」
拳藤「!?」
拳藤「鉄哲!茨!」
拳藤「何それ…」
鉄哲「ガスマスク、八百万に作ってもらった!お前らの分っ!」ブンッ!
バシッ!
拳藤「あんがとさん!」スポッ
骨抜「」スポッ
唯「お」スポッ
拳藤「じゃあ早く施設に戻ろう!」
鉄哲「いや…俺は行く。こいつ連れてお前らは先行ってろ!」
拳藤「なっ…何馬鹿な事言ってんだよ!」
拳藤「あの戦闘許可はあくまで敵に遭遇した緊急時のみ」
拳藤「施設に戻る為の命令なんだよ!?」
鉄哲「…お前、いつも物真を窘めるよな」
鉄哲「でも心のどこかで感じてなかったか?」
鉄哲「A組との差……!」
拳藤「…!」
鉄哲「俺は感じてたよ…」
鉄哲「同じ試験で雄英入って同じカリキュラム」
鉄哲「何が違う?明白だ!」
鉄哲「奴らにあって俺たちになかったもの…」
鉄哲「ピンチだ!!」
鉄哲「奴らはそいつをチャンスに変えていったんだ!当然だ!!」
拳藤「でもっ…!」
鉄哲「人に仇なす連中にヒーローがどうして背を向けられる!?」
鉄哲「止めるな拳藤!!1年B組ヒーロー科!!」
鉄哲「ここで立たねばいつ立てる!?」グッ!!
鉄哲「このガス振りまいた馬鹿見つけ出して」
鉄哲「俺が必ずぶっ叩く!!!」バキバキッ
拳藤「…」
拳藤「分かった。いいよ…好きにして」
拳藤「…でも私も連れてけ!」
鉄哲「!?」
拳藤「単独行動がどれだけ危険な事か分かってその台詞言ってんだよな?」
拳藤「なら…サポートもいるんじゃない?」
鉄哲「…拳藤…」
洸太「……」ドオオンッ…
洸太「…」
マンダレイ【洸汰…!洸汰聞いてた?】
マンダレイ【すぐ施設戻って!】
マンダレイ【私知らないの!】
マンダレイ【あなたがいつもどこに行ってるか…】
マンダレイ【ごめん洸汰!!救けに行けない!】
洸太「…」
マンダレイ【すぐ戻って!!】
洸太「早く…戻らないと…」
ダダッ…
ザッ…
洸太「ひっ…!」
ドサッ
マスキュラー「…」
マスキュラー「見晴らしのいいとこを探して来てみれば…」
マスキュラー「どうも資料になかった顔だ」
洸太「誰だよっ…お前…」
マスキュラー「別にガキにゃ用はねえよ」
マスキュラー「ただこれ目撃者残すと面倒な事になるよなぁ…」
マスキュラー「あーあっつなんでこんなの着なきゃならんのだ」ペロ…
洸太(ふ、フード…)
洸太「!!?」
<『ウォーターホース』…素晴らしいヒーローたちでした
<しかし2人の輝かしい人生は
<1人の心ない犯罪者によって絶たれてしまいました
洸太「お、お前…!」
<犯人は現在も逃走を続けており
<警察とヒーローが行方を追っております
<個性は単純な増強型で非常に危険です
<この顔を見かけたら110番及びヒーローに通報を…
<尚、現在左眼に…
マスキュラー「……」ギロッ
『ウォーターホースに受けた傷が残っていると思われ…』
洸太「パパ……ママッ……!!」
マスキュラー「パパ…ママ?」
マスキュラー「何のことだかさっぱりだが…」
マスキュラー「まあとりあえず死ねえっ!!!」
ブオッ
洸太「うわあああああっ!!!」
シャッ…
マスキュラー「ん?」
マスキュラー「のあっっ!?」
ズドォッ!!
緑谷「……っ…」
メキメキ…
緑谷「退けえええええっ!!!」ゴオオッッ…
ヒュゥゥ…
ズドオオオッッッ!!
洸太「え…?」
シュタッ…
緑谷「……」
緑谷「大丈夫かい?洸太君」
洸太「お前…」
緑谷「…っ!」クルッ
マスキュラー「ってえ…」
緑谷「……お前、血狂いマスキュラーだな…」
マスキュラー「お?俺を知ってるのか。俺も有名人になったもんだなぁ…」
マスキュラー「ったくおめでてえよなぁ、どこにでも表れて正義面しやがる」
マスキュラー「あ、確かお前緑谷ってやつだったろ」
マスキュラー「丁度いいや。お前は率先して殺しとけってお達しだ」
マスキュラー「じっくりいたぶってやっから血を見せろ」パサッ
ドサッ…
緑谷「……」
緑谷「死ぬのは…」
緑谷「……お前だよ…!」
緑谷「くっ……!」ブチブチッ…
マスキュラー「あ?」
緑谷「はあああああああっ!!!」ゴオオッッ…
マスキュラー「なっ…」
ビキビキ…
緑谷「かっ!!」
ボボォッ!
洸太「……?」
緑谷「…2…3…4…」ボボボボ…
マスキュラー「…何の数だ?」
緑谷「……くっ……5…」
緑谷「6……っ!」
緑谷「7倍界王拳だああああっっっ!!!!」ボオオッ!!
マスキュラー「ぬあっ!?」ゴォッ…
マスキュラー「面白え!!」ゴオオッッ!!
マスキュラー「かかってこいよ…緑
緑谷「……」ボボボボ…
マスキュラー「……え
バギィィッ!!!
ヒュゥゥ…
マスキュラー「ぐほおおっ!?」シャッ
緑谷「だりゃあっ!」ドゴオォッ!!!
マスキュラー「がはっ!?」ゴッ!!
ヒュゥゥ…
緑谷「だっ!」
ダンッ!
マスキュラー「……っガキがっ!!」クルッ
マスキュラー「あれ…下にいない…俺の方に飛んでった筈だろ!」ヒュゥゥ…
緑谷「後ろだ」
マスキュラー「なっ!?」クルッ
緑谷「っらあっっっ!!」ドガァァッ!!!
マスキュラー「ぐあ゛あ゛あああっ!?」
ポキポキ…
ヒュゥゥ…
ズドォッ………
緑谷「っと」シュタッ…
マスキュラー「…な、なんでえ…」
マスキュラー「お、俺は…前よりずっと強くなった…筈じゃあ…」
緑谷「……だからどうした」
マスキュラー「ぐっ!!」ダダンッ!
緑谷「言っておくが逃す気も生かす気もない」
緑谷「……お前は…僕が殺す…!」ギュッ…
マスキュラー「て、テメェは殺人鬼かなんかか!なんで俺をそんな…」
緑谷「…!」ギロッ
マスキュラー「ひっ…!」
緑谷「……じっくりいたぶられて…血を流せ!!」
緑谷「ウォーターホースの…洸太君の恨みだっ!!!」
轟「…戦闘許可ってどういう事だよそりゃ…」
轟「てか大丈夫か?」
円場「…ぐ…」
轟「とにかくゴールに向かわず施設に行くか…」
轟「ここは中間地点にいたラグドールに任せよう」
轟(戦闘許可が出たとはいえ相手の力は未知数)
轟(下手に出しゃばらねえ方が…)
轟「…!」
ムーンフィッシュ「きれいだきれいだよ」
ムーンフィッシュ「ダメだ仕事だ」
ムーンフィッシュ「見とれてたああいけない」
轟(……た、確か先の組って…)
ムーンフィッシュ「きれいな肉面」
ムーンフィッシュ「ああもう誘惑するなよ………」ポトッ
ムーンフィッシュ「仕事しなきゃ」クルッ
轟(……常闇と…障子…!!)
ギュッギュッ
スピナー「はっ離せー!」
マグネ「なんでこんな束縛プレイをしなきゃならないのぉ」
虎「一旦黙れ」
マンダレイ「駄目だ…やっぱり来ないよ返信!」
マンダレイ「ラグドールいっつもすぐ返してくれるのに…!」
虎「…」
マグネ(……にしてもさっきのは…)
スピナー(さっきの気の上がりよう…マスキュラーが暴れ始めたと見た…)
スピナー(だが…それより高い気とマスキュラーが衝突している!?)
マグネ(ただでさえパワーが半端ないあいつが気の開放を身につけて化物になったってのに…)
スピナーマグネ(…まさかあのガキにあんな力が…!)
緑谷「だだだだだっ!!」ドガガガッッッ!!!
マスキュラー「ぬがっ!?ぼべっ!!ガバァッッ!!!」
緑谷「はあっ!!」
ズドオオオッッッ!!
マスキュラー「うああっ!」
緑谷「………」
ゴリュッ
マスキュラー「ごっ゛!!!」ドバッ…
緑谷「…」ダンッ
シュタッ…
マスキュラー「…うう…おばっ」ドババ…
緑谷「まだだ…」スタスタ…
洸太「もうやめてくれよお!!」ダダッ…
緑谷「…」ボボボボ…
洸太「さっきから殺す殺すって!」
洸太「なんでそうやって殺しあってんだよぉ!」
洸太「そんなに血を出し合って楽しいのかよお!!」
洸太「もうやめて…くれよ…」
緑谷「洸太君…」
ガシッ!!
マスキュラー「一瞬でも動いてみろ!」
マスキュラー「そしたらこいつの体ポロポロなっからな!!」ギュゥゥ…
洸太「うぅっ!?」
緑谷「洸太君っ!?」
マスキュラー「は、はは…」
マスキュラー「ようやく思い出せたぜ…ウォーターホース…」
マスキュラー「俺の左眼潰してくれた奴らだよな?」
マスキュラー「言っとくが俺はお前にもお前の親にも恨みなんかないんだぜ?」
マスキュラー「左眼の事もこれっぽっちも怒ってない」ギュゥゥ…
洸太「ぐうぅ…」
マスキュラー「俺はやりてえ事やってあいつらはそれを止めたがった」
マスキュラー「お互いやりてえ事やった結果さ」
マスキュラー「悪いのは出来もしねえ事をやりたがった…」
マスキュラー「てめえのパパとママさ!!」ギュゥゥッ!
洸太「がああああっ!!」
ドサッ
マスキュラー「………は………?」
ボボ……
緑谷「……レッグブレード……とでも名付けるかな」ボボボ…
マスキュラー「ぐああああっ!!?う、腕!ウデ!うでえええ!!」
緑谷「出来もしない事もやろうした…?」
緑谷「……ふざけるな…!」ググッ
緑谷「お前は洸太君の実現出来た…やりたかった事を否定させたんだ!!!」
洸太「…」
緑谷「どう考えたって…」
緑谷「悪いのはお前だろおおおっっ!!!」
ボボォッ!
マスキュラー「う、うああ…」ガタガタ…
緑谷「お前は洸太君の幸せも、夢も壊した…!」
緑谷「だから今度は僕がお前の全てを壊すっ!!」
マスキュラー「く、ぐうっ!!」ダンッ!
ゴオオッッ!
緑谷「に、逃げる気か!舞空術も使うのかよ…」
緑谷「かぁぁ…!めぇぇ…!」
緑谷「はぁぁ!めぇぇ!!」
ギュルル…
マスキュラー「いい!?」
緑谷「波ああああっ!!!」
ボオオッ!
マスキュラー「や、やめ…」
ゴォッ…
マスキュラー「あ、あ?」
「マスキュラー…」
ボボォッ!
「君はもう用済みだ…」
マスキュラー「なっ…おまっ…ま、待てっ
ドオオオンッ!!
緑谷「え!?」ゴオオッッ…
緑谷「か、かめはめ波が当たる前に爆発した…?」
ドサッ
緑谷「…し、死んじゃった…」
緑谷(くそっ…殺さない程度のかめはめ波で気絶させようとしたが…)
緑谷「というか痛っ…!」ズキズキ!
洸太「お、おいお前…」ダダッ…
緑谷(か、身体中が痺れる…5倍が楽になったとはいえ7倍は厳しかったかな…)
緑谷(それにしても…開闢行動隊…さっきの2人もそうだったけど…)
緑谷(界王拳を使わなきゃやられてた…どんな集団だよ…!)
緑谷(轟君やかっちゃんでさえ精々僕の2、3倍界王拳レベル…)
緑谷(このままじゃ皆が危ない!)
緑谷「デモイタイ!!」ズキズキ…
洸太「なんで…俺を…助けたんだよ」
緑谷「な、なんでって…」
緑谷「…人が死にそうな時、助けるのは当たり前だろ…?」
洸太「…お前死にそうだけど俺どうすればいいの」
緑谷「イタタタ!!」ズキズキ!
緑谷「そ、そうだなぁ…洸太君…僕のズボンの右ポケット探ってくれない?」
洸太「あ、ああ…」ゴソゴソ…
洸太「ん…?豆?」
グラントリノ『おい小僧。ストックだ』
グラントリノ『3つしかねえからよく考えて使
緑谷「」ボリボリ…
グラントリノ『……使えよ?💧』
緑谷「」ゴクン
緑谷「やっほー!すっかり快調ぉーっ!」ピョーン
洸太「は、はあ?」
緑谷「ありがとう洸太君!お陰で痛みなくなった!」
洸太「え、あ、はいども」
緑谷「さて…皆助けに行くか!」
洸太「ええ…」
緑谷「あ、後そうだ。洸太君も連れて行くよ」
緑谷「正直襲ってくる敵のレベルが予想以上だった…」
緑谷「僕が動いて救けられるなら動かなきゃ…!」ゴォッ!
洸太「…っ」
緑谷「その為には洸太君、君の力も必要だ」
洸太「え…」
緑谷「森に火がつけられた。どの道あれじゃ閉じ込められる」
緑谷「君の個性が必要だ」
緑谷「僕らを救けて、ウォーターホースみたいに…」
洸太「……」
コクッ…
緑谷「よし!おぶさって!飛ばすぞ!」
洸太「うん…」
「そうはいかないなぁ…」
緑谷「え…」
ビュオオッ…
悟空「!?」
悟空「緑谷の気が…消えた!?」
悟空(何が起こってる…!急に減ったと思ったらどっと回復して…)
悟空(くそっ…状況が読めねえ!)
荼毘「……」
荼毘「ククク…」
悟空「なんだおめえ!いきなり笑って!」
荼毘「早く助けに行った方がいいんじゃないか?」
悟空「な、何の話だ!」
荼毘「今頃どうだろう…殺されてるんじゃないのか?」
荼毘「来たぜ、本命が」
悟空「ほ、本命…?それって死柄…」
悟空(ま、まさか…!)
悟空(さっき緑谷の気が消える前に一瞬馬鹿でけえ気を感じた…)<いやオラにとっちゃたいした事ねえけど
悟空(まさか…そいつってのは…)
悟空(……)
荼毘「さてと…ならこっちもそろそろ片付けるか…」
「そうは行くかクソ敵」ダンッ
荼毘「あ?」
ドゴォォオッッ!!!
プラドキング「全く…あの男はなにボサッとしてるんだ」
プラドキング(それでなくても『昼から』非常事態だというのに…)
荼毘「痛えな…くそ…増援…」
荼毘「…ん?奴は…」キョロキョロ…
プラドキング「…」
悟空【すまねえプラドキング!緑谷がやべえかもしれねえ!】
悟空【こっち入口前で足止め食らってる!おめえに頼みてえ!】
プラドキング「どれだけ無責任な男よ奴は…」スッ…
荼毘「雑魚が…」
プラドキング「生憎そりゃこっちの台詞だ」
フッ…
悟空「こ、ここか!」
悟空「緑谷!洸太!何処にいんだ!」
悟空「くそっ…」
パチパチパチ…
悟空「ああ?」クルッ
「いやぁ素晴らしい素晴らしい」パチパチパチ…
「流石は孫悟空。情報通り只者じゃない」
「あんな所から1秒足らずでこんな遠い所に来た」
「瞬間移動でも使ったのかな?」
悟空「……まさか…こんな早くお出ましするなんて聞いてねえよ」
悟空「オール・フォー・ワン!!」
AFO「はっはっは。実は僕も驚いているんだよ」
AFO「君と出会うチャンスがこんなにも早くできたなんて」
AFO「これはきっと何かの巡り合わせに違いない」
AFO「握手しよ」
悟空「……緑谷と…洸太どこやった…」
AFO「?あああの生徒達…?」ゴソゴソ…
AFO「こん中」スッ…
緑谷「ぽ、ポイポイカプセル!?なんで!!」
ブンッ
ボンッ!
シュゥゥ…
悟空「で、電子ジャー!?」
悟空(……ああ!)
悟空「返せ!」ゴォッ!
AFO「え…」
悟空「なんであいつが魔封波を…」
AFO「速い!見えないぞ…」
パカッ
悟空「あ、あり!?」
AFO「あっはっは。騙された騙された」
AFO「そいつはダミーさ」<いやこれから使うんだが
AFO「彼らは此処此処」トントン
悟空「は?おめえ…」
悟空「お、おい…まさか…飲み込んだんか!?」
AFO「あったり~w」
悟空「おめえ!!!」
AFO「ははは。君のその顔が楽しみでたまらなかった」
AFO「困るよねえ…でもポイポイカプセルって丈夫じゃないからさ」
AFO「僕も一緒に巻きぞえってなっちゃうんだよね、倒そうとしたら」
悟空「だったらおめえの体だけに影響が来るように手加減すらぁ…」
AFO「おっとっと動くな動くな」
AFO「君がおかしな行動を起こした瞬間」
AFO「ポイポイカプセルを爆破する」
悟空「なっ!?」
AFO「ふふふ。当たり前だろう。君は超超超人だ」
AFO「不可能な事はほぼないと思ってるよ」
AFO「ただ僕はいつでも爆破できる」
AFO「例えばぁ…君の目つきが変わった瞬間爆破する事だって」
悟空「くっ…!」
AFO「ははっ。って事はさ、一瞬にしてチリにしないといけない訳だ」
AFO「簡単な話だろう?君には無理なんだ」
AFO「救けるのは…」
悟空「き、きったねえぞ…」
AFO「安心してくれ、このまま爆破するなんてそこまで僕も外道じゃあない」
AFO「取引をしよう」
悟空「取引?」
AFO「僕が今からある必殺技を出す」
AFO「君が耐えきれたらこの子達は返してやってもいい」
悟空「…は?」
悟空「本当に…いいんか?」
AFO「ああ。僕は隠し事は多いが嘘はつかない」
悟空「…」
AFO「どう?いや、難しかったらいいんだぜ?逃げても」
悟空「わ、わかった…やるよ」
AFO<あ、ジャー返して
悟空<え、ああ…
AFO「はいそれじゃイッツショータイム!」
AFO「さあ僕の渾身の一撃に耐えられるかな?」
悟空(……)
悟空(瞬間移動…って言ってるって事はオラの強さ知っててこんな余裕見せてんだよな?)
悟空(訳が分からねえ…)
AFO「行くぞ!!」
AFO「はあああ…」ゴゴゴ…
悟空(…しかも…)
悟空(頼みの綱が魔封波?)
悟空(考えがさっぱり読めねえ…)
AFO「あああ!」ゴゴゴ…
悟空(…オラを封じ込めた所でフタしめる前に脱出すりゃいい話だ)
悟空(いや、その前に返しゃいいか)
AFO「魔封波だっ!!!」
ゴオオッッ!!
悟空(今だ!魔封…)
AFO「止まれ」
ピタッ…
悟空「え…」
AFO「気を限りなく落とせ…それこそ一般人よりも…」
AFO「限りなく…0に近いところまで…」
シュン…
悟空(なっ…何が起きてんだ…なんで奴の言う通り…)
悟空(…ま、まさか!!)
ゴオオッッ……!
悟空「うああっ!」
AFO「そうだ!そのまま…そのままじっとしていろ!」
ゴオオッッ…
AFO「来た!!」
ズドッ!
AFO「よっと」パタン…
AFO「はぁ…はぁ…」
AFO「……はははは!」
AFO「やった!遂に!やりましたよ先生!!」
AFO「孫悟空を封じ込めるのに成功した!」
AFO「いや~まさか…こうも簡単に行くとは…」
AFO「警戒もせずベラベラと喋っているせいだぞ?」
AFO「……精々、心操君を恨めばいいさ…」
AFO「彼は僕の役に立ったよ…」
AFO「さてと…」
カチッ
ブゥゥ…
AFO「このカプセルは飲み込んで」ポイッ
ゴクッ
AFO「約束は約束だ。これは帰してあげよう」フッ
カチッ
ボンッ!
AFO「よっこらせっと」
パカッ
ギュオオッ!!
緑谷「ぐあっ!」ドサッ!
洸太「いたっ!?」ドサッ!
緑谷「た…たた…」
緑谷「な、なんだいきなり…風に吸い込まれて…」
緑谷「…誰だ、お前…」
AFO「ふふふ。いやぁ…ありがとう」
AFO「君達には感謝の気持ちで胸一杯だ」
緑谷「…え?」
AFO「君らが協力してくれたお陰で無事…」
AFO「孫悟空を殺す事に成功した…」
緑谷「……………」
緑谷「は?」
洸太(悟空ってあのツンツン頭か?)
AFO「いやはや君達使って取引してねえ…」
AFO「やっぱり捨てられないかぁ…そうだよなぁ…」
AFO「だって緑谷君。君だけじゃなくてこの幼子も一緒に封印されてたんだ」
AFO「そりゃ君、そんな事されたら悟空さんあの世で恨んじゃうよねえ…」
緑谷「………」
緑谷「事態は…大体読み込めた…」
ブチブチッ!
緑谷「お前なんだな!?オール・フォー・ワンは!!」
AFO「…当たり当たり」
AFO「吞み込みが早い!助かる!」
AFO「そんな君にはご褒美だ!」
AFO「………」
AFO「雄英高校は消えて無くなった」
緑谷「…………は…………?」
AFO「いや、驚いちゃうでしょ?その前にこの文章の意味を疑っちゃうよね」
AFO「安心して。そのままの意味で受け止めればいい」ピラッ…
ポトッ
緑谷「こ、この写真は…」
AFO「それ、跡の写真」
緑谷「こ、こんな瓦礫ばっかの物で騙そうったって…」
AFO「いやホラホラこれ見てよ」
AFO「……Aってあるじゃん」
緑谷(……嘘…だろ…)
緑谷(雄英の…マーク……)
緑谷(な、何が…)
緑谷(いや…こんなの…)
AFO「残念ながら君ら以外が全員学校にいた訳じゃなかったから全員は無理だったよ」
AFO「一部の生徒は残っている」
AFO「残念だなぁ…」
AFO「できれば…)
AFO「皆殺しにしたかった」
プチッ
緑谷「お前えええええっ!!!」
ダダッ…
緑谷「だっ!!」ダンッ!
洸太「お、おいやめろって!」
緑谷「だああああっ!!」ゴォッ…
AFO「……」
ブラドキング「くっ…」
荼毘「やはりプロだな…非常にしぶとい」
ブラドキング「キリがない…」
ブラドキング(個性は炎と分身持ちか!?複数持ちなんて脳無以外聞いたことないぞ…!)
荼毘「ん」ピクッ
荼毘(…あの男の気の反応が無くなった)
荼毘(…つまり…)
飯田「ブラドキング先生!!」ダダッ…
荼毘(これ以上やられると面倒だ…トゥワイスも限界)
荼毘「俺はここらで退散するとしよう」
ブラドキング「待て!!」ダダッ…
シュゥゥ
ブラドキング(ちっ!また消えた!)
ブラドキング「お前達!戻ってこれたか!」
飯田「はい!…しかし…」
ブラドキング「しかし?」
飯田「……ば、爆豪君が…」
飯田「突如消え去り…」
ブラドキング「何っ!?」
尾白「くそっ!向こうが資料に載ってる云々って言ってたから警戒してたのに…!」
峰田「く、口からへんな黒い液体出して…」
ブラドキング「…」
ブラドキング(何だ…何が起こっている…!)
轟「氷結っ…!」バキバキッ!!
キィッ!!
ダンッ
ガキッ!
ムーンフィッシュ「肉見せて」
轟「地形と個性の使い方うめえな…」
轟(ここででけえ炎熱使っちまったら森が燃えて逃げ道が無くなる…)
轟(また右だけで戦わねえと…)
ガサッガサッ…
轟ムーンフィッシュ「?」
ダダッ…
鉄哲「ちっ!まだ元までいけねえか!」
拳藤「待てって鉄哲!お前分かってるの!?このガス…」
鉄哲「やべえってんだろ!?俺もバカじゃねえ!」
拳藤「アホ!違うわ!」
拳藤「見てみろ!さっきと何か違うか分かる!?」
鉄哲「……?何か…濃くなってねえか?」
拳藤「そう。変なんだよ。フツーならゆっくり拡散する所をこれは…」
拳藤「こりゃ留まってる」
鉄哲「なんでえそんな事分かんだ?」
拳藤「さっき悟空先生テレパシーでガスの事触れてなかった。もしくはマンダレイが知らせるかと思ったけど…」
拳藤「つまり広場からみてガスは目視できないぐらいの範囲にしか広がってないんだ」
鉄哲「………」
鉄哲「で、よーするになんだ!?」
拳藤「発生源を中心に渦巻いてる…台風的なさ」
拳藤「つまりその中心にガスを出してて且つ操作できる奴がいるって事にならない!?」
鉄哲「……………」
鉄哲「拳藤…やべえなお前…」
鉄哲「ハーバード合格できんじゃねえの?」
拳藤「だろうと思って私は付いてきたんだよ…」ダダッ…
拳藤「んでだ、中心に向かう程ガスの濃度が高くなるってんなら時間も問題だ」
拳藤「ガスマスクのフィルターにも限度があって濃度が濃い程機能できる時間も短くなる」
拳藤「つまり…」
鉄哲「濃い方に全力で走って!全力でブン殴る!!」ダダッ!
鉄哲<だな!
拳藤<んん…まぁそうだなぁ
拳藤(な、なんちう単細胞…でも)
鉄哲「塩崎やクラスの皆がこのガスで苦しい目に遭ってんだよ!」
鉄哲「嫌なんだよ!腹立つんだよ!こういうの!」
鉄哲「頑張るぞ!拳藤!!」
拳藤(そういうの嫌いじゃないよ)
拳藤「うん!」
拳藤(…デク…大丈夫かな?)
ダダダッ…
マスタード「…まっすぐこっちに向かってくるのが2人…」<マスクじゃねえよマスタード様だよ
マスタード「やっぱ気付く奴も切り抜ける奴もいるんだね」
マスタード「流石は名門校」
マスタード「でも哀しいなぁ」
マスタード「どれだけ優秀な個性があっても…」
鉄哲「いたぁぁあああっっ!」ダンッ!
バァンッ!
マスタード「人間なんだよね」
ドサッ…
マスタード「ん?ああ銃効かない?」
マスタード「そういやいたね硬くなる奴」
マスタード「まぁでも関係ないよ」
マスタード「このガスの中、どれだけ息を止められてるかって話になるからね」
鉄哲「つっ…」ボロッ…
鉄哲(拳銃とかマジかよ!ガスマスク狙い撃ち…)
鉄哲(しかも何だこのチビ!学ラン…?)
鉄哲(タメか歳下ぐれえじゃねえか…!)
鉄哲(舐めやがって!)
鉄哲「んぬおっ!」ダンッ
バンッ!
鉄哲「ぐあっ!」
ドサッ
マスタード「ターミネーターごっこ?」
マスタード「硬化とは言え突進とかさぁ…勘弁してよ」
マスタード「名門校でしょ?高学歴でしょ?」
マスタード「考えてくんない?」
マスタード「じゃないと…殺しがいない」ジャキッ…
拳藤「鉄哲!」ダダッ…
鉄哲「ダメだ、退いてろ…!」ヨロッ…
マスタード「アッハハハハハ!」
マスタード「2対1で1人は身を隠して不意打ち狙いね!?」
マスタード「アッハハハ」
マスタード「浅っ。浅いよ底が」
マスタード「このガスはさぁ、僕から出て、僕が操ってる!」
マスタード「君らの動きが揺らぎとして直接僕に伝わるんだよ!」
マスタード「つまり筒抜けなんだって!」
マスタード「なんでそういうの考えらんないかなぁ?」
マスタード「雄英生でしょ?夢見させてよ…」
マスタード「それだからこんな襲撃許しちゃうんだよ…」
拳藤「鉄哲!血…!」
鉄哲「……んぬあああっ!」ダダッ…
拳藤「バッ…ちょっ…待っ
マスタード「バァカ」
バァンッ!
鉄哲「…がっ…」
マスタード「さっきより柔らかくなってない?金属の疲労的なやつ?息も続かなくなってきた?踏ん張り効いてないね?硬化は踏ん張り如何?硬化やらの単純な奴らって得てして体力勝負なとこあるもんねえ?そういうの考えず突っ走るのってさぁ…」
ドサッ
鉄哲「ってぇ…」
拳藤「て、鉄哲!大丈夫か?」
拳藤「鉄哲!!」ユサユサ…
鉄哲(…っべえ。息がっ…息っ!眠え…っべえ…色消える…)
マスタード「ねえ…君らは将来ヒーローになるんだろ?」
マスタード「僕…おかしいと思うんだよねぇ…」
マスタード「君みたいなさぁ!単細胞がさぁ!学歴だけでさぁ!」
マスタード「チヤホヤされる世の中ってさぁ!正しくないよねえ」
拳藤「お前…さっきから言いたい放題…!」
マスタード「ハハ!更には自分は隠れて戦ってくれてる仲間を心配する事しかできない馬鹿もいるのかぁ!」
マスタード「改めて勉強にならないよ!」
マスタード「こういう奴はヒーローとして最低だよね!」
マスタード「どうせ家族も友達もだーれも守れないクズになるんだよ!」
拳藤「…………」
拳藤「…今、なんつった」スタスタ…
マスタード「ん?いやだからさ~君みたいな馬鹿はどうせ誰ぼおおおっ!?ドゴォォオッッ!!
ヒュゥゥ…
ズドオッ!!
マスタード「ぼご…だ、だんで…」
拳藤「いやぁ…ごめんごめん」
拳藤「そういうのには私的でトラウマあるからさぁ…」
拳藤「掘り起こして欲しくないんだよねぇ…」バキバキッ…
マスタード「くっそ!がああっ!」ジャキ…
拳藤「デカくなれ!」ゴォッ!
バンッバンッバンッ!
シュゥゥ…
マスタード「ひっ…」
拳藤「……」
拳藤「とりあえず…死ね、な?」ニコッ…
マスタード「た、助けっ…」ダダッ…
ダンッ…
ドガァアッ!バキィッッ!ドゴォォッッッ!!
ゴシャアアアアッッッ!!!
グジャッ!
ムーンフィッシュ「ががっ…」
ドサッ…
轟「嘘だろっ…なんだよあれ…」
障子「轟!」
轟「障子…その傷は…」
障子「さっきそこの敵にやられた…常闇を庇って腕を斬られたが…」
轟「腕…?」
障子「安心しろ。浅くはないが複製腕を斬られたから大丈夫だ」
障子「複製器官は複製可能だからな」
轟「そりゃすげえ…ってこっちもそう言ってられねえな」
障子「くそっ…俺が庇ったせいで頭に血が上ってしまった…!」
障子「ただでさえ今は常闇にとって危ない空間なのに…!」
轟「とりあえず黒影正気に戻す!」
ダダッ!
影「ウアア!暴レ足リヌゾォオオッ!!」
常闇「くっ…くそっ…」
ボォッ!!
常闇「!」
影「ひゃん!!」
シュルシュル…
ドサッ…
常闇「はぁ…はぁ…」
常闇「す、すまん轟…お陰で抑えられた…!」
轟「気にすんな」
轟「にしてもすげえな、俺が防戦一方だったのを一撃で…」
常闇「不甲斐ない…!俺がしっかりしていれば…!」
障子「とりあえずさっさと戻ろう!」
障子「何故か知らんがガスもだんだん薄くなってる!」
ダダッ…
轟(…そういや…八百万…緑谷は…)
八百万「な、何者…!貴方は…!?」
トガ「トガです!」
泡瀬「危なっかしいやつが来たな…!八百万!お前隠れt
プスッ…
泡瀬「あふん」
トガ「ちうちう」チュゥ…
ドサッ…
八百万「泡瀬さん!」
トガ「百ちゃん!私と友達なろ!」
八百万「お断りですわ…」ジャキ…
ズドドドッ!
トガ「うわわっ!」
八百万「…」ズドドドッ…
トガ「きゃあああっ!」
シュゥゥ…
八百万「……」
トガ「百ちゃん!恋バナしよ!」ダンッ!
八百万「だからっ…」クルッ…
八百万「っ!!」ジャキッ!
トガ「おお?」ジャッ…
八百万(ぐっ…こっちも身動きとれませんわ…)
八百万(あと1ミリ前に行けば刺される!)
トガ「…すごい。私と同じ臭いする…」
八百万「え…」
トガ「好きな人がいますよね?」
八百万「!?」
トガ「そしてその人みたくなりたいって思ってますよね」
トガ「わかるんです。乙女だもの」
八百万(何なの…この人…)
トガ「好きな人と同じになりたいよね。当然だよね」
トガ「同じもの見につけちゃったりするよね」
トガ「でもだんだん満足できなくなっちゃうよね」
トガ「その人そのものになりたくなっちゃうよね。しょうがないよね」
トガ「貴方の好みはどんな人?」
トガ「私はボロボロで血の香りがする人大好きです」
トガ「だから最後はいつも切り刻むの」
トガ「ねぇ百ちゃん楽しいねえ」
トガ「恋バナ楽しいねえ」プスッ
八百万「くっ…!」
トガ「ちう…ちう…」
麗日「八百万さんに手え出すなああっ!!」
八百万トガ「!?」
ドゴォォッッッ!!
トガ「ううっ…折角盛り上がってたところなのに…」
トガ「んっ?」ピピピ…
ピッ…
八百万「はぁ…はぁ…」
蛙吹「大丈夫?百ちゃん」
八百万「麗日さん達は何故…?」
蛙吹「ちょっとね、気絶してて」
トガ「ええ!?もうですか!?」
トガ「…分かりましたよぅ…」ピッ
トガ「ごめんねえ…折角楽しかったのに帰らないといけなくなっちゃった…」
トガ「じゃあまた恋バナしようね!お茶子ちゃん!百ちゃん!」
ダンッ!
ゴオオッッ!
蛙吹「と、飛んだ…」
麗日「……八百万さん…」
八百万「……まさか貴方も…?」
麗日「…」コクッ…
麗日「と、とりあえず今は戻ろっ!愚図愚図してたら危ない!」
ダダッ…
ブラドキング「皆すまない。気絶した者まで運んでくれて…」
切島「まぁ倒れてたら連れてくしかないっしょ」
ブラドキング「他人事みたいに言うな馬鹿組」
補習組「馬鹿組!」
飯田「いえ…しかし…爆豪君は…」
ブラドキング「それは相手の個性を把握出来てなかった以上無理がある」
ブラドキング「逆によくこれだけの被害だけで済んだ」
ブラドキング「特に大きいのはガスの元を止めた拳藤と鉄哲だらう」<鉄哲死にそうやけど
マンダレイ「い、いえ!待って!まだ…」
ブラドキング「ん?」
マンダレイ「まだラグドールと洸太…それに緑谷君が来ていない!!」
ザァァ……
緑谷「……」
ポタポタ…
AFO「…よくここまで耐えたよ…」グイッ…
ピカァッ!!
AFO「だが悪運もここまでだ」
緑谷「が…」
洸太「み、緑谷ぁ…」
AFO「まぁ…まだ君達は死ぬには惜しいし…」
AFO「わざわざここで殺す必要はない…」
AFO「そうだなぁ…」ガシッ…
洸太「は、離せ!」
ゴロゴロ…
AFO「よし」
AFO「落とそう!」ニコッ
AFO「」ブンッ
洸太「ひ…」
緑谷「……ん……」ガクッ…
洸太「びゃあああああっっ!!!」ヒュゥゥ…
ピカァッ!!!
AFO「……孫悟空も…緑谷出久も……」
AFO「これで終わりだ…!」ザァァ…
マグネ「うー…」
スピナー「ま、まさか半分以上やられるとは…」
ムーンフィッシュ「」
マスタード「」
スピナー(ムーンフィッシュとマスタードがこんなボロボロに…)
マグネ(さらにマスキュラーの気が突然消えていた…)
マグネ(恐らくあのガキに殺された…なんてこと…)
スピナー(今暴れた所で2対複数じゃあ勝ち目はなさそう…)
マグネ(…だからってこのままのこのこと刑務所行きには…)
スピナーマグネ「……」
スピナー「しりとりする?」
マグネ「呑気ね」
スピナー「だって詰んだじゃんマグ姉」
マグネ「…」
マグネ「芸能人縛りよ」
スピナー「俺をいじめる気かい」
ザァァ…
ブラドキング「……」
ブラドキング「こんな天候の中じゃ捜索は困難…」
ブラドキング「カカロット、ラグドール…緑谷に洸太君」
ブラドキング「…何としても探さねば…」
虎「とりあえず明日までは待機だな」
ブラドキング「翌日森を捜索する」
ブラドキング「そして見つかり次第雄英高校へ出発する」
マンダレイ「…やっぱダメ」
マンダレイ「電波がつながらない」
ブラドキング「今朝までは何ともなく通話できたんだがな」
ブラドキング「何者かが狂わせたか…」
虎「……」
虎「確かに警察に通報できないようにするために電波を遮断したのは分かる」
虎「だがわざわざ正午からそんな行動を起こさなくても良かったんじゃあないか?」
虎「我らは奴らの存在に気づいてなかった」
虎「早めにしようがしまいが結果は変わらなかったはずだ」
ブラドキング「…」
ザァァ…
切島「……」
飯田「…」
切島「寝れねえ」
飯田「君もか」
上鳴「お前もか」
切島「……」
切島「正直あんな事あった後じゃな…」
切島「それに…」チラッ…
切島「爆豪…緑谷…」
~翌日・合宿四日目~
ブラドキング「……という訳だ」
ブラドキング「お前らは俺達が緑谷達を探している間に出発の準備をしろ」
ブラドキング「敵の襲撃後だ。何が起きるか分からん」
ブラドキング「迅速な対応を願う」
ブラドキング「以上だ、各自かかれ」
切島「ま、待ってくださいよ!」
切島「俺らも連れてってく
ブラドキング「駄目だ」
切島「っ…!」
ブラドキング「以前として敵はここにやって来ないが、まだ敵が潜んでいるという可能性は十分にありえる!」
ブラドキング「ただでさえこんな荒天だ。さらに行方不明者が増えるとまずい」
ブラドキング「行くなら出来るだけ少ない方がいい」
切島「……!」
切島「だからって…」
切島「嫌っすよ!」
切島「俺達は敵連合相手に何も出来なかった!」
切島「皆悔しいんスよ!なのにっ!」
切島「またここで逃げなきゃならないんスか!!?」
飯田「やめろ切島君!」グイッ
切島「何だよ!このまま高みの見物してろってのか?俺はごめんだ!」
飯田「プロに迷惑を掛けて捜索の妨げになりたいのか!」
切島「ならねえ!!!」
飯田切島「…っ…」
八百万「…落ち着いて下さいお二方」
切島「…八百万?」
飯田「なんだ?副委員長」
八百万「………」
八百万「先生の言う事は最もです」
八百万「無理に多人数で行動しても収集がつかなくなるだけですわ」
八百万「ここはプロに任せるのが妥当な方法だと思いますわ」
切島「八百万…っ!」
八百万「………」
八百万「しかし」
八百万「先生達の個性はどうでしょうか?」
八百万「見た所ブラドキング先生は増強型…」
八百万「虎さんは軟体」
八百万「わざわざ捜索しに行くという事はテレパスをしても応答がない…」
八百万「つまり4人共、殺されたか或いは瀕死の状態」
ブラドキング「…」
八百万「……この中に捜査を効率化してくれる個性は幾らでもいるでしょう」
八百万「私達を使うくらい…してもいいんじゃないでしょうか」
切島「八百万…」
ブラドキング「………」
ブラドキング(切島は…辛いんだろう)
ブラドキング(補習組は特別弱かった訳じゃない)
ブラドキング(むしろあの場にいたら大きな戦力になる奴ばかりだった…)
ブラドキング(自分達のツメの甘さがこの結果を招いた…)
ブラドキング(そう感じて責任の重さを痛感しているのだろう…)
ブラドキング(他の奴らもそうだ)
ブラドキング(毒ガスを吸って気絶し、何も出来なかった者)
ブラドキング(敵相手に歯が立たず何も出来なかった者)
ブラドキング(そして何より…皆仲間を奪われた…)
ブラドキング(それが一番…悲しいんだろう)
ブラドキング(じっとしていられないんだろう…)
ブラドキング「……お前らは何も学習しないんだな」
ブラドキング「飯田や、轟はそれこそ体験したからな」
ブラドキング「理解して切島を止めたんだろう?」
飯田「…」
ブラドキング「ヒーロー殺しで学んだだろう!私怨で動くのがどれだけ惨めで危険な事か!」
切島「……」
ブラドキング「……だが…」
ブラドキング「俺達3人での捜索が困難なのも事実」
ブラドキング「…」スッ…
ブラドキング「3…」
切島「…え?」
ブラドキング「3人までだ。それ以上の奴は連れて行けん」
上鳴「せ、先生っ…!」
ブラドキング「ただし、行く奴は俺が指名する」
切島「!?」
ブラドキング「当たり前だ。勝手に行きたい奴に行かせる訳にも行かん」
ブラドキング「こちらがサポートとして誰が適しているか判断する」
ブラドキング「文句はあるまい?」
切島「…はい…」
ブラドキング「因みに、本来なら行かざるべき状況だ」
ブラドキング「行きたくない奴は今すぐ俺に教えてくれ」
「………」
ブラドキング「……それが…お前らの答えだな…?」
虎「…」
マンダレイ「…」
ブラドキング「…決まりだな」
ブラドキング「連れて行く生徒を決めた」
「…!!」
>>239(3人)
239 : 以下、名... - 2016/08/10 13:05:55.65 6TBsspdE0 138/291つゆちゃん
うららか
やおよろ
蛙吹麗日八百万「!?」
ブラドキング「まず蛙吹は蛙の特性を利用しあらゆる環境で対応できる」
ブラドキング「麗日は障害物を浮かせて移動させたり空に飛んでの捜索も可能」
ブラドキング「そして八百万は捜索にあたってのツール…様々な救助用の道具を作製してもらう」
八百万「…」
ブラドキング「よし!その3人は準備が整い次第玄関前に集まれ!」
ブラドキング「他の者は早急に部屋の点検を済ませ、帰ってきたらすぐに出発出来る様にしろ!」
ブラドキング「活動開始っ!!」
バシャバシャ…
麗日「デクくーん…」
梅雨「緑谷ちゃーん…」
八百万「緑谷さーん」
ブラドキング「…」バシャバシャ…
ブラドキング「…やはりいないな…」
ブラドキング「一応肝試しのルートは全部行ったが…」
虎「はて…」
マンダレイ「やっぱり…洸太っ…」
虎「心配するな…必ず見つけ出す」
ブラドキング「とはいえここにいないということは…この森全体のどこかにいる可能性が出てきたぞ…」
麗日「そ、そんな…」
蛙吹「ここの森は結構な面積もってるからそう易々と調べられる範囲じゃないわ」
虎「だが早くしなければ4人共…」
八百万(…くっ…)
八百万(気…気さえ…)
八百万(気を感じる事さえできれば…!)グッ…
八百万「……」
ブラドキング「……仕方ない。ここは2人1組に手分けしてさが…」
マンダレイ「先生と生徒で1人ずつね」
八百万(っ!!)キッッ
虎「じゃあ我と…」
八百万「先生!」
ブラドキング「?どうした八百万…」
八百万「分かりました!緑谷さんと洸太君の場所!!」
ブラドキング「何?」
蛙吹「い、いきなり何を言い出すの百ちゃん…」
麗日「そうだよ…何を根拠もない事を…」
ブラドキング「……」
八百万「…」
ブラドキング「…いいや。八百万はそんないい加減な事を言わない奴だ」
ブラドキング「行こう。案内してくれ」
「!?」
八百万「はいっ!」
八百万(感じた…!)
ダダッ…
八百万(感じられましたわ…)
八百万(微かに…小さな…)
八百万(2つの…気配…!)
マンダレイ「本当にこの先にいるの…?」
虎「分からん…だが行くしかあるまい!」
ダダッ…
八百万「くっ…」
ピタッ
蛙吹「?」
八百万「あ………」
麗日「ど、どうしたの八百万さ…」
ザァァ…
緑谷「」
洸太「」
八百万「緑谷……さ……ん……」
マンダレイ「こ、洸太ぁぁっ!!」ダッ…
ガシッ
マンダレイ「洸太!起きて!洸太…」ユサユサ…
洸太「…………」
マンダレイ「洸太ぁぁ…」ポタポタ…
八百万「緑谷さん!緑谷さん!」ユサユサ!
緑谷「…」
蛙吹「完全に意識無いわ…」
ブラドキング「…洸太君はさほど重傷ではなさそうだが…」
ブラッ…
八百万「身体中…骨が折れてる…!」
八百万「関節が正常に機能してない!先生!!」
ブラドキング「すぐに施設まで運ぶんだ!早く!!」
マンダレイ「10カ所以上の打撲」
マンダレイ「さらに骨折の仕方が尋常じゃない」
マンダレイ「加えてかなりの高熱…」
虎「生きているだけでも奇跡の様な体だな」
マンダレイ「洸太は…頭を強く打っただけだろうね…」
ブラドキング「つまり2人は何処からか落下したという事か」
マンダレイ「この子達…泥だらけで発見したでしょ?」
マンダレイ「きっと洸太…この豪雨を利用して土を柔らかくしたんだ」
虎「それで衝撃を減らしたのか…」
マンダレイ「恐らく緑谷君はそれ以前につけられた傷…」
マンダレイ「もう落下している頃には気絶していただろうね」
マンダレイ「洸太はともかく…緑谷君がやばい!」
マンダレイ「今すぐ病院に搬送しないと…」
虎「だが電波が届いてない以上救急車は…」
ブラドキング「やむを得ん。俺が行ってくる」
ブラドキング「洸太君と緑谷君の保険証を」
ブラドキング「………という訳だ」
ブラドキング「診断の結果打撲箇所23、骨折箇所7、さらに…酷い高熱にうなされている」
瀬呂「な、なんてこった…」
芦戸「緑谷…」
ブラドキング「今、病院で治療中との事だ」
轟「まぁ…死なずに済んだだけ運がいいっていうかなんていうか…」
飯田「ともかく無事ならば良かった…」<あの甥も!
上鳴「ま、待てよ…2人の安否はいいとして…」
上鳴「悟空先生と爆轟はどうしたんスか先生!」
ブラドキング「…」
ブラドキング『お前…何故居場所がわかった…?』
八百万『何か…生命の気配を感じたのです』
ブラドキング『気配…?』
八百万『ええ…』
ブラドキング『その人間の気配とやらは今も感じられるのか?』
八百万『…すみません。まだ…完璧にこなせたって訳じゃないんです…』
八百万『でも…』
八百万『この施設以外の場所で人の気配は感じられません』
ブラドキング「……行方不明だ」
上鳴「え…」
ブラドキング「捜索はしたが…この2人以外の人間は誰1人もいなかった…!」
切島「嘘…だろ」
峰田「ってえ事は…ヴィ、敵に誘拐されたか…あああ…或いは…」
ブラドキング「………」
ブラドキング「お前達は何も悪くない……!」
ブラドキング「悪いのは…来るという可能性も考慮していたにも関わらず何もできなかった…」
ブラドキング「見殺しにした俺達が悪いんだ………!」ググッ…
ラグドール<あちきは!?誰にも心配されてない!
<………
<誤字たっぷりって言ったじゃない
ラグドール<知るか!!?しかも誤字じゃない!
緑谷(生徒40名の内)
緑谷(毒ガスを受けて意識不明の重体15名)
緑谷(軽・重傷者11名)
緑谷(無傷でいられたのは13名だった)
緑谷(…そして行方不明者1人)
緑谷(プローヒーロー達6名の内)
緑谷(ピクシーボブが頭を強く打たれ重体)
緑谷(ラグドールは大量の血痕を残し行方不明)
緑谷(……悟空さんも現在行方不明)
緑谷(一方敵側は4名の現行犯逮捕)
緑谷(彼らを残し…他の敵は跡形もなく姿を消した)
緑谷(僕らの楽しみにしていた林間合宿は…)
緑谷(最悪の結果で幕を閉じた…)
緑谷(……それどころか…)
緑谷(これは序章でしかなかった)
緑谷(これから始まる…悪夢の序章に…)
ブロロロ…
拳藤「……」
物真「…」
ブラドキング「…」キョロキョロ…
ブラドキング(あんな話をされた後だ。無理もない)
ブラドキング(が)
ブラドキング(静かだ…静かすぎる…!)
ブラドキング(出発前の期待とは裏腹の…)
ブラドキング(絶望!)
ブラドキング(己の力の未熟さを叩きつけられ…)
ブラドキング(あろう事か友と師を失った…)
ブラドキング(誰がこんな事態を予測した…)
ブラドキング(皆…もう苦悩にあけくれているのだらう)
ブラドキング(もはや何をしたらいいのか…)
ブラドキング(道を照らす…光を失いつつある…)
ブラドキング(…ここよりA組の方が悲惨な状況になってると思うと恐ろしくてたまらん…)
ブラドキング(何とかして早くこれを解消しなくては…!)ググッ…
ブルブル…
ブラドキング(…電話?)
ブラドキング(……さっき根津校長に繋がらなかった…まさか…)
ピッ
オールマイト<私が通話した!!
ブラドキング「オールマイト…何故…」
オールマイト<いや~すまないすまない。さっき校長に電話したのだろう?
オールマイト<こっちもやぶ用があって出れなくてさぁ…
ブラドキング「はぁ…」
オールマイト<……君、今電話できるって事は今施設より外にいるって事かな?
ブラドキング「!」
ブラドキング(言われてみれば…昨晩…何回か雄英からの不在着信の通知が来ていた…)
オールマイト<どういう事だい?君達の合宿はあと数日続くと思ったんだけど…
ブラドキング「…実は敵連合が動き出しまして…」
ブラドキング「襲撃に…あいました…」
オールマイト<……
オールマイト<嫌な…予感がしたが…
オールマイト<やはり…そっちもだったのか
ブラドキング「……?そっちも…?」
ブラドキング「な、何の話ですか!?オールマイト!」
ブラドキング「まさか…また敵が…」
オールマイト<いいや?敵は襲ってきてない
ブラドキング「え…」
オールマイト<……
オールマイト<爆破テロが起きた
ブラドキング「………は?」
オールマイト<…雄英高校は…跡形もなくふっとばされた…
オールマイト<生徒も…教師も…皆…
オールマイト<校長先生と私以外は…!!
ブラドキング「は…はは…な、何を笑えないご冗談を…」
オールマイト<信じるも信じないも君の自由だ
オールマイト<ただ…数時間後…思い知らされる
オールマイト<避ける事のできない…悪夢という名の真実に…
オールマイト<じゃ、私もこれからやらねばならん事があるので…
ピッ…
ブラドキング「………」
ブラドキング「……どういう…事だ…」ピッピッ…
ブラドキング「!?」
【遂に無敵の壁破れる!】雄英高校にて爆破テロ。生徒・職員の死亡者300人超え
ブラドキング「………ああ……」
ブラドキング「ああぁぁあ…」
ドサッ…
「先生!?」
緑谷(……僕らに…帰る場所など無かった)
ヒュゥゥ…
パシャパシャ…
「危ない!危ないから駄目だって!」
「やめろ!100年…いや1000年に一度の特ダネスクープだ!邪魔すんな!!」
切島「………何だよ…こりゃあ…」
拳藤「校舎も…USJも…」
拳藤「皆…っ!」
轟「消え…た………?」
飯田「そ…ん………な…」
麗日「なんで…なんで…」
麗日「なんでぇぇぇぇぇぇぇ
緑谷(僕らが期待と憧れを胸に…始まった雄英生活は…)
緑谷(たった4ヶ月で幕を閉じた)
緑谷(それを僕が知らされたのはそれから2日後の話)
緑谷(気絶と悶絶の繰り返し…)
緑谷(警察などが訪ねてくれた様だけど…)
緑谷(僕は何一つ覚えてない)
緑谷(……起きた時はそんな事考えられる程頭が働いてなかった…)
緑谷「……」チラッ…
緑谷「お母さんの字…」
メモ《起きたら食べて電話してください》
緑谷「…」
デクママ『出久…もうやだよ』
デクママ『お母さん心臓もたないよ…』
緑谷(洸太君無事か…?)
緑谷(クラスの皆は…)
緑谷(……)
AFO『雄英高校は消えて無くなった』
緑谷「うわああああああああああああああ
上鳴「緑谷!!」ガラッ!!
緑谷「ああ…上…鳴君…?」
上鳴「い、いきなり悲鳴聞こえたから…」
飯田「どうしたんだ緑谷君!!」
峰田「大丈夫か?」スタスタ…
緑谷「飯田君…峰田君…皆…!」
緑谷「よかった…皆無事…」
飯田「……」
緑谷「…れ…なんか…少なく…ない?」
飯田「……緑谷君…」
飯田「…実はな…」
八百万「お待ち下さい」
飯田「や、八百万君…」
八百万「…今緑谷さんにあんな話をして何になるというのですの?」
八百万「まだ意識を回復したばかりで朦朧としているのに…」
八百万「いきなりそんな事を信じられると思いますか?」
飯田「……すまない…」
八百万「後で私が話しておきますわ」
八百万「今はまず…あの後どうなったかを話しませんと…」
緑谷「…」
八百万「……皆は…揃ってません」
八百万「耳郎さんと葉隠さんは毒ガスの影響で現在意識不明」
八百万「ですから今ここにいるのは…16名…」
轟「爆豪…取られちまったからな」
芦戸「とっ轟!!」
八百万「……そして、悟空先生も今…行方不明で捜索中…」
八百万「以上が今の私達の状況ですわ」
八百万「ご理解いただけましたか?」
緑谷「ああ…大体…」
緑谷「…そっか…拉致されちゃった…かぁ…」
緑谷「……」
緑谷「僕だ…全部…僕のせい…!」
緑谷「あの時一緒に戻ってれば…こんな事には…!」
飯田「…」
緑谷「僕が…しっかりしていれば…!!」
緑谷「護れた命だった…!!」
切島「なら今度は救けよう」
緑谷「!?」
八百万「…」
~1日前~
八百万「敵の1人に発信機を取り付けました」
八百万『泡瀬さん!隠れて…』ガシッ…
泡瀬『は、はあ?』
八百万『…』
ズドッ…
脳無『…』ズドッ…ズドッ…
八百万(…脳無…なんで…)
泡瀬『な、なんだよあれ…脳むき出しの…』
八百万(…な、何をする…迎撃…いや…勝てるわけありませんわ…)
八百万(逃げる…と言っても足音で分かってしまう)
八百万『なら…』
ゴォッ…
八百万『くっ…!』ピュッ!
ペチッ…
脳無『…?』
泡瀬『ばっばか何であいつに攻…』
八百万『しっ』
脳無『…』ズドッ…ズドッ…
八百万「そしてこれがその信号を受信するデバイスです…」
八百万「これを捜査にお使い下さい」
オールマイト「…ありがとう。八百万少女」
八百万「級友の危機に…この様な形でしか協力できず…悔しいです」
オールマイト「その気持ちこそ君がヒーローたりうる証だ」
オールマイト「後は私達に任せなさい!」
緑谷「……つまり…そのデバイスを使って…」
八百万「敵のアジトに侵入しますわ」
切島「…ブラドキング先生にも言われたさ」
切島「俺たちゃヒーロー殺しの時の事を学んじゃいねえ」
切島「確かにこれがどれだけ危ねえ綱渡りすっ事かよく分かってる…」
切島「けど…」
切島「俺はダチが襲われてるって知ってて動けなかったんだ!」
切島「戦えたのに戦わなかったんだ!!」
切島「ここで動かなきゃ男でもヒーローでもなくなっちまう!」
切島「なぁ緑谷!!」
切島「まだ手は届くんだよ!!」
緑谷「…!」
切島「俺達に今戦闘って選択は許されていねえ」
切島「でも戦闘を避けて救出するってんならギリギリ俺達のルールに触れねえんだよ!」
轟「俺らは殺害対象だったが爆豪は殺さず攫った」
轟「生かされようが殺される可能性は幾らでもある」
轟「今の所俺、飯田、八百万、切島、そして麗日が行くつもりだ」
飯田「…言っておくが俺はこれに賛成して行こうとしているじゃない…」
飯田「寧ろ反対だから行く」
飯田「戦闘許可も解除された今の俺達が出張る様な場面じゃない」
飯田「少しでも戦闘の可能性を匂わせれば即座に引き返すぞ…!」
八百万「行くなら即行…今晩ですわ」
切島「重傷の今のおめえに行けるかどうかは分からねえ」
切島「でも誘ってんのはお前が一番悔しいと思ったからだ…」
「……」
緑谷「切島君…」
切島「…」
緑谷「………」
緑谷「ごめん。行かない」
八百万「…!」
切島「えっ」
緑谷「そりゃ…怪我の事もあるけど…」
緑谷「何より…」
緑谷「自分にはそこに行く権利はない」
切島「おめえ…何を…」
轟「…」
緑谷「………」
緑谷「兎に角…僕は行くのは嫌だ」
緑谷「…でもかっちゃんは救ってほしい…」
緑谷「切島君達に…託す」
麗日「デク君…」
切島「………っ…」
切島「分かっ…た…」
バタン…
常闇「…あいつなら快く受けると思っていたが…」
青山「やっぱり怖いんじゃないかな…」<敵うわけないよ☆
麗日「行く権利て…」
飯田「何か思いつめているな…」
障子「まぁ仕方ない。あいつにはあいつなりの事情があるんだろう」
轟「…ともかく今夜が勝負だ」
轟「後で八百万が帰ってきたら最後のミーティングだ」
轟「今回応援は誰も呼べない」
轟「俺達5人での戦いだ」
轟「それなりの腹くくっとけ」
飯田麗日切島「…」
八百万「……」
緑谷「…八百万さん…さっきの…話って…」
ダキッ
緑谷「えっ…ちょっ…八百万っ…///」
ポタポタ…
緑谷「……え……?」
八百万「…ひっ……くっ…」
八百万「良…かっ……たっ」
八百万「無事………で……」
八百万「ううっ…」
緑谷「………」
八百万「…すみません…取り乱して…しまって…」
緑谷「いや…寧ろ嬉しい」
緑谷「僕の事こんなに心配してくれたんだ」
八百万「…」
緑谷「……それで…さっき…後で話すって言ってたの…て」
八百万「……落ち着いて聞いてください」
八百万「雄英…高校は……」
緑谷「…」
八百万「…っ……」
緑谷「……無くなった…かな?」
八百万「!!」
緑谷「…聞いたさ。敵の1人に」
緑谷「最初はそりゃ信じられなかったさ」
緑谷「ましてや学校にはあのオールマイトがいる」
緑谷「…でも…今日の皆の顔は…」
緑谷「何かがすっぽり抜けていた…」
緑谷「そんな顔だった…」
八百万「……」
緑谷「…オールマイトも…皆も…」
緑谷「殺されちゃったの?」
八百万「…」
八百万「オールマイトは…爆発の寸前まで校長と直談していた様ですわ」
緑谷「直談?」
八百万「ええ」
八百万「先週、プレゼント・マイク先生が4日連続で休暇を取られた様です」
八百万「体調を崩されたみたいですわ」
八百万「合宿2日目…あの晩の前日」
八百万「オールマイト先生は妙に感じ、思い切ってマイク先生のご自宅へ伺った様ですが…」
八百万「中には誰もいませんでした」
緑谷「!?」
八百万「もしかしたら入院したかと思い病院にも駆けましたが…」
八百万「やはりマイク先生の情報は掴めませんでした」
緑谷「………」
八百万「……それで翌日、校長先生へ相談しに行ったのですが…」
八百万「午後0時49分頃…」
八百万「爆破テロが起きたのです」
緑谷「…!」
八百万「オールマイト先生は状況の整理もできず…」
八百万「目の前にいる校長先生と一緒に脱出することしかできませんでした…」
緑谷「つまり…オールマイトと…校長先生…後は相澤先生以外は…」
八百万「…」コクッ
緑谷「そんな…プロヒーロー達が…4人以外…」
緑谷「それに爆発って事は…僕達以外の生徒も…!」
八百万「ええ…1年はほぼいませんでしたが…」
八百万「2年、3年の大半の方々は補習をしていましたので…」
緑谷「………」
緑谷「…まだ生存者がいるだけマシと考えるしかないのか…っ」
緑谷「こんなのってないよ…」
八百万「……」
緑谷「それって…これから僕達はどうすればいいんだよっ!」
緑谷「まだ雄英入ってようやく生活に慣れてきたばっかなのに…」
緑谷「また…振り出しに戻るのか…!」
プルル…
緑谷「…え?」ゴソゴソ…
ピッ…
八百万「何方からですか…?」
緑谷「お母さん…」
八百万(お母様!!💦)
緑谷「……電話…しなきゃ…」
ピッピッ…
緑谷「…」プルル…
緑谷「…あ、お母さん?」
緑谷「ん…あ、今日退院…かな?」
緑谷「うん…うん。動けるようにはなったよ」<体怠いけど
緑谷「かなり強めの治癒を施してもらったみたい…」
緑谷「雄英…的には生徒は遠くに置きたくないっぽい」
緑谷「後マスコミ対策みたいな事又聞きした」
緑谷「…うん」
緑谷「え?」
八百万「…?」
緑谷「い、今なんて…」
デクママ<……出久…
デクママ<ヒーローならなきゃ…
デクママ<ダメ?
緑谷「は……?」
デクママ<その…もう…十分でしょ?
デクママ<出久は雄英入試合格したし…
デクママ<雄英高校にも入学できたし…
デクママ<……これで別の学校に行って…また同じ無茶続けるの?
緑谷「だっ…だから…もうこんな事しないから大…
デクママ<もう『大丈夫』は聞き飽きたよ!!
緑谷「…っ…」
デクママ<もう嫌なの!
デクママ<入学してから何回怪我してると思ってるの!?
デクママ<何回襲われてると思ってるの!?
デクママ<もう出久がボロボロになるの見たくないよ…
緑谷「……」
八百万「……」
緑谷「……今すぐ…決めるべき話じゃない」
緑谷「将来にもかかってくる。また…後で話そう」
ピッ…
緑谷「はあ……」
ドサッ…
八百万「緑谷…さん?」
緑谷(……)
緑谷『僕も…なれるかなぁ…』
デクママ『ヒーローにならなきゃ…駄目?』
緑谷(あの質問に、疑問文で返すとは思わなかった…)
緑谷(自業自得というか…なんというか…)
緑谷(…)
AFO『孫悟空を殺す事に成功した…』
緑谷(……八百万さんに…話すべきなのか?)
緑谷「…」
緑谷「やっ…八百万さん…」
八百万「…?」
緑谷「……」
緑谷「僕ってオールマイトになれると思う?」
八百万「え」
緑谷「……」
緑谷(クソォォッ!言おうとしたけどやっぱ嫌だから誤魔化そうと思ったら何言ってるんだ自分~っ!!?)
緑谷「ち、ちがっ!ちががうんんだ!ただオールマイトみたいな立派なヒーローに…」
八百万「…」ジ~…
緑谷「な、馴れるかぁあはははは…はは…」
緑谷「なんつって…」
八百万「…緑谷さん…何か隠してますわね…?」
緑谷「エイヤ!ケッシテ!!ナニモ!?」
八百万「…なんで目をそらすんですの…」
緑谷「……」
八百万「…」
緑谷「何でもないですっ!💧」
八百万「白々しい真似はよしてください…」ゴゴゴ…
緑谷「ひい!💦」
緑谷「……」
オールマイト『もし…嫌ならば誰かに渡してしまっても構わない…』
緑谷(……)
緑谷(自分1人で悩んでたって仕方ない)
緑谷(ここは…八百万に話そう)
緑谷「……分かった分かった」
八百万「?」
緑谷「話すよ。隠し事全部」
緑谷「決してこれは口外しないで欲しい」
緑谷「いい…?」
八百万「……はい…」
緑谷(八百万さんにOFAの事、AFOの事…)
緑谷(そしてあの晩、何があったのか全て話した…)
八百万「……そ…んな…」
八百万「悟空先生は…?」
緑谷「……」
八百万「あの…悟空先生がやられてしまったのですか…?」
緑谷「……ああ」
八百万「お、オール・フォー・ワンとはそれ程強い敵なのですか…?」
緑谷「うん…」
緑谷「オールマイトも言っていた、正直今の状況じゃ勝てないって」
八百万「っ!!」
緑谷「実際…僕はあいつに歯が立たなかった…!」ググッ…
八百万「まさか敵連合に…そんな恐ろしい敵が裏で糸を引いているなんて…」
八百万「な、ならば今晩の救出はやめるべきのでは!?」
緑谷「いや、100%来るとは限らない」
八百万「!?」
緑谷「今まで手を貸せば敵連合が勝てたケースは幾らでもあった」
緑谷「奴は自分が行かないといけないという判断をしない限り姿を現さない…」
緑谷「例えば…オールマイトが来た!とか…圧倒的不利な状況の場合…!」
八百万「…!」
緑谷「だから…尚更なんだ…」
緑谷「今、雄英の奴らが爆豪を取り返しに来るわけないだろう」
緑谷「そう思って油断している今こそ…千載一遇のチャンス…」
八百万「なら…何故緑谷さんは…」
緑谷「……」
緑谷「嫌なんだ…」
緑谷「また…失うのは…」
八百万「…?」
緑谷「もう何度も敵の襲撃に遭った」
緑谷「だから心の中でいつしか『もう大丈夫』という気持ちができていた」
緑谷「あの時…僕が自分勝手に行動して…敵に捕まったせいで…」
緑谷「悟空さんは僕を庇ってやられてしまった…!」
八百万「…」
緑谷「今までだってそんな場面は幾らでもあった…!」
緑谷「でもそれを乗り越えてきたのは偶然にも皆の助けを借りたからだ」
緑谷「…これ以上皆に迷惑は掛けたくないんだよ…!」
八百万「…」
緑谷「……くそっ…」
八百万(……迷惑なんて…掛けた事なかった癖に…)
八百万(悟空先生は…無個性の緑谷さんに希望を与えてくださった方)
八百万(1年間…自分には何も利点が無いのにも関わらず…)
八百万(それどころか…快く稽古をつけてくれました)
八百万(そんな恩師が亡くなってしまった事で自暴自棄担っている…)
八百万(それと同時に雄英高校が消滅したり、爆豪さんが敵に攫われたり…)
八百万(様々な衝撃が襲い掛かり精神的に彼を追い詰める…)
八百万(…もし…他の仲間やオールマイトが殺されたら…)
八百万(なら…自分はどうすればいいのか…)
八百万(…何が正しい道なのか…分からなくなっている…)
八百万(…私はどう助ければ…)
緑谷「……八百万さん…」
八百万「!は、はい!?」
緑谷「この髪の毛…持っていてくれないか?」
八百万「え…」
緑谷「……しばらく……休みたい…」
緑谷「もう…何も考えたくないんだ」
緑谷「…駄目?」
八百万「………」
八百万「分かりました。預かりましょう」
~数時間後~
オールマイト「……」
ガシッ…
オールマイト「今見ても…」
オールマイト「派手にやってくれたもんだ…」グシャッ
ザッ…
オールマイト「…お」
相澤「……何ここで黄昏ているんですか」
オールマイト「おー!病院以外で会うのは久しぶりだな!相澤君!」
オールマイト「傷はもう治ったのか?」
相澤「処置が大げさすぎなんですよ…2ヶ月も入院だなんて…」
オールマイト「まぁ、笑えないわな」
校長「やぁオールマイト」
オールマイト「校長!それにブラドキングも…」
ブラドキング「これから我らは爆破テロ等…諸々の謝罪会見がありますので…」
オールマイト「そっか…」
オールマイト「メディアは痛いところ突いてくるぞ。気をつけてな」
校長「ああ」
校長「オールマイトも…思う存分暴れてくるんだよ…」
オールマイト「……ええ」
オールマイト『敵連合のアジト!?』
塚内『ああ。ブラドキングに調書を取っていたんだがな』
塚内『思わぬ進展があった』
塚内『2週間程前部下が聞き込み調査で』
塚内『顔中ツギハギの男がテナントの入ってない筈のビルに入っていった』
塚内『という情報を得た』
塚内『20代位だと言うので過去の犯罪者を漁ってみたが目ぼしい者はおらず』
塚内『又、ビルの所有者に確認した所』
塚内『いわゆる隠れ家的なバーがちゃんと入ってるという話だった為』
塚内『捜査に無関係だと流していたんだが…』
塚内『今回生徒を攫った敵の1人と特徴が合致した!』
塚内『事態が事態だ』
塚内『裏が取れ次第すぐにカチ込む!』
塚内『これは極秘事項。君だから話している!』
塚内『今回の救出・掃討作戦、君の力も貸してくれ!』
オールマイト『…』
塚内『オールマイト?』
オールマイト『私は…素晴らしい友を持った』グググ…
塚内『?』
オールマイト『奴らに会ったらこう言ってやるぜ…』シュゥゥ…
オールマイト『私が反撃に来た!!!』ムキッ!!!
オールマイト『ってね』
八百万(長野から2時間)
八百万(時刻は22:07)
八百万「着きましたわ!神奈川県横浜市神野区!!」
轟「ここに奴らが潜んでいるのか」<人多いな
切島「さぁどこだ八百万!!」ダダッ
八百万「お待ち下さい!」ガシッ
切島「あぁ?」
八百万「ここからは用心に用心を重ねませんと!」
八百万「私達敵に顔を知られているんですのよ!」
麗日「うん!オンミツ!」ババッ
飯田「しかしそれだと偵察もままならんな」
八百万「ええ。ですから私…」ゴォッ
八百万「皆様の変装用の衣類を持ってきて参りました」
八百万「好きな物を着用してください」
轟「……」
轟<とりあえずドンキ行こ、な?
八百万<あ、そうですわね
八百万「完了ですわ!」
切島「オッラァ!コッラァ!?」
轟「成る程。これならバレないな」
飯田「パイオツカイデーチャンネーイルヨ!!」
八百万「夜の繁華街。子どもがうろつくと目立ちますものね!」
轟(ならもうちっと露出量増やして欲しかった…)ズーン…
切島(…なんつーか…その…ドンマイ)
八百万「では、早速…」
「あ、雄英じゃん!」
八百万「!?」クルッ
<では、先程行われた雄英高校謝罪会見の一部をご覧ください
飯田「何っ!」
麗日「あ!相澤先生…」
相澤「…この度…我々の不備から雄英生351名に被害が及んでしまった事…」
相澤「ヒーロー育成の場でありながら敵意への防衛を怠り社会に不安を与えた事…」
相澤「そして、多数の生徒・職員を死に追いやった爆破テロを許してしまった事…」
相澤「謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」パシャパシャ…
切島「あの…メディア嫌いの相澤先生が…」
レポーター「NHAです。雄英高校は今年に入って4回生徒が敵と接触していますが」
レポーター「今回生徒に被害が出るまで各ご家庭にはどのような説明をされていたのか」
レポーター「又、具体的にどのような対策を行ってきたのかお聞かせください」
八百万(体育祭開催の件から雄英の基本姿勢は把握してる筈…)
八百万(…なのに言わせるの…?)
八百万(悪物扱い…?)
校長「周辺地域の警備強化」
校長「構内の防犯システム再検討」
校長「強い姿勢で生徒の安全を保障する」
校長「と説明しておりました」
「はぁ?」
「守れてねーじゃん」
「何言ってんだこいつら」ザワザワ…
緑谷(結果が全て)
緑谷(空気がよどんでいく)
緑谷「……相澤先生…」
死柄木「不思議なもんだよなぁ」
死柄木「何故奴らが責められてる!?」
死柄木「奴らは少ーーし対応がズレてただけだ」
死柄木「守るのが仕事?」
死柄木「誰にだってミスの1つや5つする」
死柄木「『お前らは完璧でいろ』っだって?」
死柄木「現代のヒーローってのは堅っ苦しい…」
死柄木「なぁ爆豪くんよ!」
爆豪「…」
死柄木「人の命を金や自己顕示に変換する異様」
死柄木「それをルールでギチギチと守る社会」
死柄木「敗北者を励ますどころが攻め立てる国民」
死柄木「俺達の戦いは『問い』」
死柄木「ヒーローとは、正義とは何か!」
死柄木「この社会が本当に正しいのか!」
死柄木「一人一人に考えてもらう」
死柄木「俺達は勝つつもりだ」
死柄木「君も勝つのは好きだろ?」ニヤッ
死柄木「荼毘、拘束外せ」
荼毘「ん?」
爆豪「!?」
荼毘「…暴れるぞ?コイツ…」
死柄木「いいんだよ対等に扱わなきゃな」
死柄木「スカウトだもの」
死柄木「それに…」チラッ
死柄木「この状況で暴れて勝てるかどうか…」
死柄木「分からねえ様な男じゃないだろ?雄英生」
爆豪「…」
荼毘「トゥワイス外せ」
トゥワイス「はぁ俺!?嫌だし!」
トゥワイス「」カチャカチャ…
爆豪(意味わかんね)
Mr.コンプレス「強引な手段だったのは謝るさ…」
Mr.コンプレス「けどな」
Mr.コンプレス「我々は悪事と呼ばれる行為にいそしむただの暴徒じゃねえのを分かってくれ」
Mr.コンプレス「君を攫ったのは偶々じゃねえ」
Mr.コンプレス「ここにいる者事情は違えど」
Mr.コンプレス「人に」
Mr.コンプレス「ルールに」
Mr.コンプレス「ヒーローに縛られ…苦しんだ」
死柄木「…」スタスタ…
Mr.コンプレス「君ならそれ
爆豪「よっと」ボオオンッッ!!
死柄木「っ!?」
トゥワイス「死柄木!」<ダイジョブ!?
爆豪「黙って聞いてりゃダラッダラよぉ…!」
爆豪「馬鹿は要約できねーから話長え」
爆豪「要は『嫌がらせしてえから仲間になってください』だろ!?」
爆豪「無駄だよ」
爆豪『4対1!絶対負ける!って思っちゃうだろ!?』
爆豪『こー避けてパンチ!と見せかけて…』
爆豪『どんだけピンチでも…最後には絶対勝つんだよなあ!』
爆豪「俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた」
爆豪「誰が何言ってこようがそこぁもう曲がらねえ」
死柄木「…」
プスプス…
死柄木「お父さん…」
レポーター「生徒の安全…と仰りましたが」
レポーター「ブラドキングさん。事件の最中生徒に戦うよう促しましたね?」
レポーター「意図をお聞かせください」
ブラドキング「…私共が状況を把握できなかった為、最悪の事態を避けるべくそう判断しました」
レポーター「最悪の事態とは?」
レポーター「26名の被害者と1名の拉致は最悪と言えませんか?」
ブラドキング「私があの場で想定した『最悪』とは生徒がなす術なく殺害されることでした」
校長「被害の大半を占めたガス攻撃」
校長「敵の個性から催眠ガスの類だと判明しております」
校長「拳藤さん、鉄哲君の迅速な対応のお陰で全員命に別状はなく…」
校長「また生徒らのメンタルケアを行っておりますが深刻な心的外傷は今の所見受けられません」
レポーター「不幸中の幸いだとでも?」
校長「未来を侵される事が『最悪』だと考えております」
レポーター「攫われた爆豪君についても同じ事が言えますか?」
レポーター「ヘドロ事件での抵抗等経歴こそタフなヒーロー性を感じさせますが」
レポーター「反面体育祭で見せた粗暴さ…そして態度」
レポーター「精神面の不安定さも散見されています」
レポーター「もしそこで目をつけた上での拉致だとしたら?」
レポーター「言葉巧みに彼を拐かし悪の道に染めてしまったら?」
レポーター「未来があると言い切れる根拠をお聞かせください」
ブラドキング「…」
ブラドキング(くっ…分かっちゃいたが攻撃的!)
ブラドキング(ストレス掛けて粗野な発言を引き出そうとしている…)
相澤「…」ガタッ…
ブラドキング(いかんぞ…!恐らくイレイザーのメディア嫌いを知っての挑発!)
ブラドキング(やめろ!質問は俺が…)
相澤「…」
ペコ…
相澤「行動については私の不徳を致すばかりです」
相澤「ただ…体育祭でのソレらは彼の『理想の強さ』に起因しています」
相澤「誰よりも…『トップヒーロー』を追い求めもがいている」
相澤「あれを見て『隙』と捉えたのなら敵は浅はかであると私は考えております」
レポーター「………」
レポーター「爆破テロの件を考慮しても…そう断言できますか?」
相澤「!」
レポーター「どうやら爆破テロは『偶然』1年ヒーロー科が合宿中に起こった事件の様ですね」
レポーター「…では一体その爆弾を誰が設置したのか?」
レポーター「私は不思議に思うのですよ」
レポーター「生徒・職員全員殺すのなら…わざわざ終業日後にする必要はない」
レポーター「5、6月…いっそ4月にやったってよかった」
レポーター「ヒーロー科最高峰。簡単に侵入できる様なザルなシステムではない筈でしょう?」
レポーター「…裏を返せば終業日後が都合がいい…」
レポーター「そう考えた場合…1年ヒーロー科の誰かに敵連合の手先が潜んでいるのでは?」
レポーター「もし今までの彼の行動が全て演技だとしたら?」
レポーター「先程の精神面等の事も考慮しますと…」
レポーター「爆豪君がある理由で敵連合に加入していたら…?」
レポーター「例えばそう…雄英の教育体制に絶望したから…」
レポーター「ヒーロー殺しの様に…」
ザワザワ…
「うわっマジかよ!」
「でもあり得るよな」
「待てよそもそもザルかどうかは4月のマスコミ事件見りゃ一目瞭然だろ?」
「いや、あの後もマスコミがしつこく雄英んとこにインタビューしてたんだろ?」
「何も騒がれてねえって事は何も問題なかったんじゃねえか?」
飯田「あいつ…爆豪君を犯人に仕立て上げて…!」
「バクゴーじゃなかったとしても1年ヒーロー科の奴の誰かが犯人だってのは濃厚だよなぁ…」
「怖えな今の雄英高校…しかも1人に限った話じゃねえだろ?」
「いやもしかして全員…」
「オールマイトがいるのになぁ…」
ザワザワ…
八百万「…」
爆豪「……」
爆豪「バァカ…」
爆豪「だったら今頃こんな反抗してねえだろ」
死柄木「…」シュゥゥ…
爆豪(あんだけ大掛かりな襲撃カチ込んで成果俺1人)
爆豪(言質も取れてる!)
爆豪(こいつらにとって俺は『利用価値のある重要人物』)
爆豪(俺の心にとり入ろうとする以上本気で殺しに来るこたあねえ)バキバキ…
爆豪(相手は5人か…こいつらの方針が変わらねー内に…)
爆豪(2、3人ブッ殺して脱出したる!!)
爆豪「言っとくが俺はまだ戦闘許可解けてねえぞ!!」<HAHAHA!
トガ「刺しましょう!」
荼毘「いや…馬鹿だろ」
Mr.コンプレス「その気がねえなら懐柔されたフリでもしときゃいいものを…」
Mr.コンプレス「やっちまったなぁ…」
爆豪「したくねえもんは嘘でもしねんだよ俺は」
爆豪「こんな辛気くせーとこ長居する気もねえ」
死柄木「……」チラッ…
シュゥゥ…
黒霧(手が…!)
黒霧「いけません死柄木弔!!」
黒霧「落ち着いて…」
死柄木「!」ギロッ!
爆豪「っ!?」
死柄木「手を出すなよ………お前ら…」
ガシッ
死柄木「こいつは…」スッ…
死柄木「大切なコマだ」カチャ…
黒霧「…」
死柄木「…出来れば…少し耳を傾けて欲しかったな…」
死柄木「君とは分かり合えると思ってた」
爆豪「………」
爆豪「ねえわ」
死柄木「…」チラッ…
校長<我々も手を拱いているワケではありません
校長<現在警察と共に調査を進めております
校長<我が校の生徒は必ず取り戻します
死柄木「…」ボリボリ…
死柄木「仕方ない。ヒーロー達も調査を進めていると言ってる」
死柄木「悠長に説得してられない」
死柄木「先生」クルッ
死柄木「力を貸せ」
ゴボゴボ…
AFO「…良い……判断だよ死柄木弔」
八百万「ここが発信機の示す場所ですわ」
切島「これがアジト…いかにもだな!」
八百万「それは分かりません。つけたのはあくまで脳無ですから…」
八百万「ですが私が確認した限り敵は丸一日ここから動いていません」
八百万「敵がいるからといって爆豪さんがいるとは限りません」
八百万「私達がどれだけか細い情報でここに立っているか…」
八百万「冷静に考えてみてください」
飯田「耳郎君や葉隠君の様なユニーク活動に秀でた者はいない」
飯田「危険だと判断したらすぐ止めるぞ」
飯田「友であるからこそ…警察への通報も辞さんからな…!」
轟「………ああ」
轟「出来る範囲で出来る事…考えよう」
エンデヴァー「ちっ…」
エンデヴァー「何で俺が雄英の尻拭いを…」
エンデヴァー「こちらも忙しいのだが」
ジーニスト「まぁまぁ…そう言わずに」
ジーニスト「OBでしょう…」
塚内「今…雄英からヒーローは呼べない」
塚内「大局を見てくれエンデヴァー」
塚内「今回の事件はヒーロー社会崩壊の切っ掛けにもなり得る」
塚内「総力をもって解決にあたらねば…!」
ジーニスト「以前私の師が彼の素行を矯正すべく事務所に招いた」
ジーニスト「彼女曰くあれ程に意固地な男はそうそういない」
ジーニスト「今頃暴れているだろう。事態は急を要する」
ギャングオルカ「ほほう?またトラウマを植え付けられた犠牲者が1人…」
ジーニスト「まぁ…師匠は…見かけによらず恐ろしいからな」ガタガタ…
Mt.レディ「震えてますよ」
ジーニスト「…今回も本当は駆けつけてきて欲しかったものだがな…」
ジーニスト「断られてしまった…」
虎「我が同志ラグドールが奪われている!」
虎「個人的にも看過出来ぬ!!」
塚内「生徒の1人が仕掛けた発信機ではアジトは複数存在すると考えられる」
塚内「我々の調べで拉致被害者が今いる場所は分かっている」
塚内「主戦力をそこに投入し被害者の奪還を最優先とする」<オールマイトチームとジーニストチームだ
塚内「同時にアジトと考えられる場所を制圧し完全に退路を断ち一網打尽にする」
グラントリノ「俊典…」
オールマイト「?」
グラントリノ「俺なんぞまで駆り出すのはやはり…」
オールマイト「『なんぞ』なんぞではありませんよグラントリノ!」
オールマイト「ここまで大きく展開する事態…」
オールマイト「奴も必ず動きます!」
グラントリノ「…オール・フォー・ワン…!」
塚内「今回はスピード勝負だ!!敵に何もさせるな!」
塚内「先程の会見、敵を欺く様校長にのみ協力要請しておいた!」
塚内「さも難航中かの様に装ってもらっている!」
塚内「あの発言を受け…!」
塚内「その日の内に突入されるとは思うまい!!」
塚内「意趣返してやれ!!」
塚内「さぁ…反撃の時だ!」
塚内「流れを覆せ!!ヒーロー!!!」
麗日「……うーん」
麗日「電気も点いてないし中に人がいる感じもないね」
飯田「木を隠すなら森の中」
飯田「廃倉庫を装っているワケだな」
轟(……正面のドア…下に雑草が茂ってる…)
轟(他に出入り口があるのか?)
轟(どうにか中の様子を確認できないものか)
「おいおいおい!」
切島「?」クルッ
「ホステスー!何してんだよホステス~!俺たちとのみましょーー!」
「やーめとけバカ!」
切島「オッラァ!!」
飯田「パッパパパイオツカイデーチャンネー」
轟「一旦離れよ八百万」ガシッ
八百万「えっ…」
麗日「…」キョトン
轟「多くはねえが人通りもある」
八百万「目立つ動きは出来ませんわよ…どうされますの?」
切島「…裏に回るしかねえな」
切島「どれだけか細くても俺らにはここしか情報がねえ」
モゾモゾ…
八百万「くっ…狭いですわ…」
八百万「つっかえそう」
麗日(八百万さんのが大きいだけやと思う)
轟(壁になりたい)
飯田「安全を確信できない限り動けない…」
飯田「ここなら人目もないし…」
飯田「あっ」
ポツン…
飯田「あそこの窓からなら中の様子を見れるんじゃないか?」
轟「だけどこの暗さで見えるのか?」
八百万「なら私が暗視鏡を…」
切島「いや、それが俺持ってきてんだな実は」スッ…
飯田「ええすごい!なんで?」
切島「アマゾンには何でもあってすぐ届くんだ」
切島「1つしか買えなかったけど…」
切島「やれる事考えた時に…要ると思ってよ」
轟(それ軽く5万はしたぞ)
八百万「では私と麗日さんが浮いて中の様子を拝見しましょう」
飯田切島轟「……………は?」
麗日「うーん…なんかごっちゃごちゃしてるなぁ…」
八百万「何か発見しましたか?」
麗日「ううん。汚いだけ」
飯田「……///」
八百万「そうですか…」
轟「………///」
切島「……お前ら何なの?」
切島「上げたきゃ顔上げりゃいいだろ」
飯田「ばっ馬鹿者!下着を覗くなど雄英生云々関係なく恥ずべき行為!!」※小さい声で言ってます
切島(そもそも真下にいなけりゃ解決するだろ)
轟(やばいムラムラしてきた)
麗日「…やっぱり何も…」
麗日「うわわっ!?」
八百万「!?う、麗日さんどうなさいました!?」
麗日「ひ、左奥…」
麗日「八百万さん左奥見て…!」スッ…
八百万「えっ…」
八百万「…あ、あれは…」
八百万「嘘でしょ…?あんな無造作に…アレ…全部…」
八百万「脳無…!?」
ゴボゴボ…
爆豪「先生…?テメェがボスじゃねえのかよ…!」
爆豪「白けんな!」
死柄木「黒霧、コンプレス…また眠らせてしまっておけ」
死柄木「ここまで人の話を聞かねーとは…逆に感心するぜ」
爆豪(最大火力でぶっとばしてえがワープ野郎が邪魔すぎる…!)
爆豪(考えろ…!)
爆豪(どうにか隙を作って後ろのドアから…)
爆豪「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!!」
コンコン…
爆豪死柄木「ん?」
「どーもぉ…ピザーラ神野店でぇぇす……」
オールマイト「バクゴークン回収しに参りましたぁ…!!!」ドゴォォッッ!!!
トゥワイス「何だぁ!?」
死柄木「黒木!ゲー…
シンリンカムイ「先制必縛…」
シンリンカムイ「ウルシ鎖牢!!!」ゴオオッ!!
ガシッッ!
Mr.コンプレス「ぬおっ!?」
荼毘「木ぃ?」
荼毘「んなもん…」メラ…
ダンッ…
グラントリノ「逸んなよ」バギッ!
荼毘「あ…」
ガクッ
グラントリノ「おとなしくしといた方が身の為だぜ?」
オールマイト「流石若手実力派だシンリンカムイ!!」
シンリンカムイ(き、緊張するよぉ…)ドキドキ…
オールマイト「そして目にも止まらぬ古豪グラントリノ!!」
オールマイト「もう逃げられんぞ敵連合!何故かって?…」
オールマイト「我々が来た!!!」ザッ…
Mr.コンプレス「オールマイト…!あの会見後に…」
Mr.コンプレス「まさかタイミング示し合わせて…!」
トゥワイス「木の人引っ張んなってば!押せよっ!!」
トガ「や~!」
「攻勢時程守りが疎かになるものだ…」ゴォ…
エッジショット「ピザーラ神野店は俺達だけじゃない…」ドロン!
エッジショット「外はあのエンデヴァーをはじめ手練のヒーローと警察が包囲している」
エンデヴァー「おい塚内ぃ!!何故あのメリケン男が突入で俺は包囲なんだ!」
塚内「万が一捕り漏らした場合君の方が視野が広い」
エンデヴァー「シヤ!!!」
爆豪「オール…マイト…」
オールマイト「怖かったろうに…よく耐えた!」
オールマイト「ごめんな…もう大丈夫だ少年!」
爆豪「コッ怖くねーよ!!余裕だクソッ!」
死柄木「折角色々こねくり回してたのに…」
死柄木「何そっちから来てくれてんだよラスボス」
オールマイト(全員押さえられた!)
オールマイト(簡単には逃げられない筈…!)
死柄木「…仕方がない」
死柄木「俺達だけじゃない…そりゃあこっちもだ」
死柄木「黒霧」
死柄木「持ってこれるだけ持ってこい!!!」
オールマイト(脳無だな?)ニヤッ
死柄木「……………?」
黒霧「す、すみません…死柄木弔」
黒霧「所定の位置にある筈の濃霧が…」
黒霧「ない…!!?」
死柄木「!?」
オールマイト「やはり君はまだまだ青二才だ!死柄木!!」
死柄木「あ?」
オールマイト「敵連合よ。君らは舐めすぎた」
オールマイト「少年の魂を」
オールマイト「警察のたゆまぬ捜査を…」
オールマイト「そして…」
オールマイト「我々の怒りを!!!」
ドガァァッ!!!
切島「な、なんだぁぁあ!?」ゴォッ…
麗日「なんか破壊されてる!?」
Mt.レディ<キモーイ…
ジーニスト「脳無格納庫制圧完了」
ザッ…
オールマイト「おいたが過ぎたな!!」
オールマイト「ここで終わりだ死柄木弔っ!」
死柄木「終わりだと…?ふざけるな…!!」
死柄木「始まったばかりだ!」
死柄木「正義だの平和だの…あやふやなもんでフタされたこの掃き溜めを…」
死柄木「ぶっ壊す…」
死柄木「その為にオールマイトを取り除く!!」
死柄木「仲間も集まり始めた…」
死柄木「ふざけるな…ここからなんだよ…」
死柄木「黒ぎっ」
ザシュッ!!
死柄木「……は?」
黒霧「うっ!?」
ガクッ…
Mr.コンプレス「な、なんだ!?殺し…たのか?」
エッジショット「中を少々いじり気絶させた」
エッジショット「死にはしない」
ムクムク…
エッジショット「忍法千枚通し!!」ボンッ!
エッジショット「この男は最も厄介…」
エッジショット「眠っててもらう」
グラントリノ「さっき言ったろ。おとなしくしといた方が身の為だって」
グラントリノ「迫圧紘」
グラントリノ「渡我被身子」
グラントリノ「分倍河原仁」
グラントリノ「少ない情報と時間の中おまわりさんが夜なべして素性をつきとめたそうだ」
グラントリノ「わかるかね?」
グラントリノ「もう逃げ場はねえってことよ」
グラントリノ「なぁ…死柄木」
グラントリノ「聞きてえんだがおまえさんのボスはどこにいる?」
死柄木「………」
『誰も…助けてくれなかったね』
『辛かったね。転孤君』
死柄木「ふざけるな…」
死柄木「こんな…こんなぁ…」
『「ヒーローが」「そのうちヒーローが」』
『皆そうやって君を見ないフリしてたんだね』
『一体誰がこんな世の中にしてしまったんだろう?』
『君は悪くない』
死柄木「こんな…あっけなく…」
死柄木「ふざけるな…」
死柄木「失せろ…消えろ…」
オールマイト「奴は今どこにいる」
オールマイト「死柄木!!!」
死柄木「お前がっ」ギチギチ…
『もう大丈夫』
『僕がいる』
死柄木「嫌いだっ!!!!!」
ゴゴゴ…
ゴォッ…
脳無「~」
シンリンカムイ「脳無!?」
シンリンカムイ「あの黒い液体…例のか!」
グラントリノ「エッジショット!黒霧は…」
エッジショット「気絶している!こいつの仕業ではないぞ!!」
オールマイト「シンリンカムイ!絶対に離すんじゃないぞ!!」
爆豪「お゛!?」ゴボッ…
オールマイト「爆豪少年!」
オールマイト(口の中から…)
爆豪「ま…たか…よ…!?」
オールマイト「くっ!」ブンッ
スカッ
オールマイト「Noooooooo!!!」
シンリンカムイ「エンデヴァー!!応援を…」クルッ…
シンリンカムイ「何っ!?」
ズドドドッ!
「くそーーっ!!」ズドドドッ
脳無「ッッッ!」
エンデヴァー「塚内!避難区域広げろっ!!」ボオオッ!!
塚内「アジトは2箇所と…捜査結果が出た筈だ…!」ピッ…
塚内「ジーニスト!そっち制圧したんじゃないのか!?」
塚内「…………ジーニスト?」
グラントリノ「俊典…こいつぁ…」
オールマイト「ワープなど…持ってはいなかった筈…!」
オールマイト「対応も…早すぎる…!」
オールマイト(まさか…この流れを…)
死柄木「先………生」
轟「何が起こってんだ…!」
麗日「Mt.レディにギャングオルカ…」
麗日「No.4のベストジーニストまで!?」
八百万「虎さんもいますわ…」
Mt.レディ「うぇぇ…これ本当に生きてんの?」
Mt.レディ「こんな楽な仕事でいんですかね…ジーニストさん」
Mt.レディ「オールマイトの方行くべきだったんじゃないですかね…」<メッチャ勢いよく突入しましたけど
ジーニスト「難易度と重要性は切り離して考えろ新人」
ジーニスト「機動隊!すぐに移動式牢を!」
ジーニスト「まだいるかもしれない。ありったけ頼みます」
虎「ラグドールよ!!返事をするのだ!」
ギャングオルカ「チームメイトか!…息はあるのか」
ギャングオルカ「良かったな!」
虎「………しかし…様子が…」
虎「何をされたのだ…ラグドール!!!」
ラグドール「…」ボー…
飯田「ヒーローは…俺達などよりもずっと早く動いていたんだ…!」
切島「すっげえ…」
飯田「さあ、すぐに去ろう!」
飯田「俺達にもうすべき事はない!」
八百万「…オールマイトの方に爆豪さんは…」
轟「それなら尚更安心だ」
轟「プロの邪魔をする訳にもいかねえ」
轟「さっさと行くか」
麗日「うん!」
八百万(……プロヒーロー集結…オールマイト…)
八百万(これほどまでな大規模な奇襲をかけてしまったら…!)
八百万(奴が…!)
「すまない虎…」
八百万「!?」
「前々から…いい個性だと…」
「丁度いいから貰うことにしたんだ」
ギャングオルカ「止まれ。動くな」スッ…
ギャングオルカ「…連合の者か」
虎「誰かライトを…」
「こんな身体になってから…」
「ストックも随分と減ってしまってね…」
スタッ…
ジーニスト「忠告した筈だ」ギュッ!
ギチギチッ…
「ぐあっ…」
Mt.レディ「ちょっ…ジーニストさん!絞めてる絞めてる!!」
Mt.レディ「もし民間人だったら…」
ジーニスト「状況を考えろ」
ジーニスト「その一瞬の迷いが現場を左右する」
ジーニスト「敵には何もさせるな…!」ググッ…
八百万「………」
八百万「…え…」ゴォォッ…
「折角弔が自身で考え」
「自身で導き始めたんだ」
「出来れば邪魔はよして欲しかったな…」
緑谷「………!!!!」
緑谷(振り向くことすら!)
緑谷(一瞬の出来事…何が起こったのか…)
緑谷(一瞬…1秒にも満たない!)
緑谷(それでもその男の気迫は…)
緑谷(僕らに死を錯覚させた…!)
緑谷「何が起こった!何が…何が!!?」
緑谷「い、一瞬で…たくさんの気が小さく…」
緑谷「た…ただ1人が…」
緑谷「やっぱり…僕の時は遊びだったのか…?」
緑谷「あの時と比にならない位のデカさ…!」
八百万(弔…死柄木の事…!?)
八百万(何…嘘…オールマイト…)
八百万(まさか…じゃあ…)
八百万(あれが…)
八百万(オール・フォー・ワン…!!)
AFO「さて…やるか」
トガ「ぼえ!!」ドババ…
シンリンカムイ「!!?」
グラントリノ「マズイ全員持ってかれるぞ!!」ダンッ!
オールマイト「おんのれ私も連れて行けええっ!!!」ダダッ…
スカッ…
バシャッ…
シンリンカムイ「すみません皆様ぁ!!!」
エッジショット「お前の手落ちじゃない!」
エッジショット「俺達も干渉できなかった」
エッジショット「黒霧の『空間に道を開く』ワープじゃなく…」
エッジショット「『対象のみを転送する』系と見た!」
脳無「~!」
ガシッガシッ…
オールマイト「ぬぅぅ…」
シンリンカムイ「オールマイト!!」
オールマイト「OKLAHOMA…」グルッ
ギュルギュル…
オールマイト「SMASHHHHH!!!!!」
ズドォォッッ!!!
オールマイト「っとと」シュタッ…
「景気のいいぶっ壊しぶりだな…!」
「事が事だからだ!敵に集中しろ!!」
「こいつら…あっちから流れてきてるのか?」ズドドドッ…
塚内「ジーニストらと連絡がつかない!」
塚内「恐らくあっちが失敗した!!」
エンデヴァー「グタグタじゃないか…」
脳無「ッッッ!!」ダンッ!
エンデヴァー「……ったく!!!」ボオオッ!!
オールマイト「エンデヴァー!」
エンデヴァー「?」クルッ
オールマイト「大丈夫か?」
エンデヴァー「どこを見たらそんな疑問が出る!?」
エンデヴァー「流石のトップも老眼が始まったか!?」
エンデヴァー「行くならとっとと行くがいい!」
オールマイト「ああ…任せるね!」ダンッ!
ゴオオッ!
ゴォォッ…
ジーニスト「………」
ジーニスト「…あ……あ?」ピクピク…
パチパチ…
AFO「流石No.4!!ベストジーニスト!」
AFO「僕は全員消し飛ばしたつもりなんだ」
AFO「皆の衣服を操り瞬時に端へ寄せた!」
AFO「判断力・技術…並の神経じゃない!」
ジーニスト「こ……こい…つ…」
塚内『連合には恐らく…』
塚内『いや、間違いなくブレーンが居る』
塚内『そいつの強さはオールマイトに匹敵する』
塚内『そのくせ狡猾で用心深い…』
塚内『己の安全が保障されぬ限り表には姿を見せない』
塚内『今回は死柄木らの確保から奴の捕捉までを可能な限り迅速に行いたい』
ジーニスト(話が違う!)
ジーニスト(…から何だ?)
ジーニスト「!!」キッッ
ジーニスト(一流は!そんなモノを失敗の理由
ドッッ!!!
ジーニスト「………か……かか…」
AFO「……相当な練習量と実務経験故の強さだ」
AFO「君のは…いらないなぁ」
AFO「弔とは」
ドサッ…
八百万「っ!?」
AFO「性の合わない個性だ…」
ジーニスト「」
轟(なんだあいつ…)
轟(何が起きた?)
切島(一瞬で全部かき消された…!!)
麗日(逃げないと…分かっているのに…)
飯田(恐怖で身体が…)
八百万(身体が動かない…!)
爆豪「ゲッホ!!くっせえ!!」
八百万「!」
ドバッ
爆豪「はぁ…はぁ…」
切島「爆豪…」
切島(そうだ…そうだよ!)
切島(あの時動けなかぅたから助けられなかったんじゃねえかよ!)
切島(怖えから動けねえなんて…)
切島(目の前にいるんだぞ!?)
切島(俺らにはまだ気づいてない…よな!?)
切島(爆豪のとこまで6、7…)
切島(そんぐれえの距離なら3、4秒…)
切島(逃げ切れるのか?でもどこへ…皆は?どうすりゃ…作戦…策…)
切島(とにかく動かねえと…)ググッ…
切島(ここで動かねえと!!!)クルッ
ガシッ!!
切島「!」
飯田(俺が…)
麗日(私が…)
飯田麗日(守るんだ…!!)
ドバッドバッ…
死柄木「せ、先せ…」
AFO「……やはり来てるな」
飯田「!?」
死柄木「?」
ゴォッ!!
オールマイト「オール・フォー・ワンッッッ!!!」
ガッッッ!!!
オールマイト「全て…返してもらうぞ!!」
AFO「また僕を殺すか」
AFO「オールマイト」
AFO「随分遅かったじゃないか」
ゴオオオッッッッーー!
爆豪「うおおっ!?」
トゥワイス「なんっつう衝撃だ…!」
八百万「オールマイトまで…!」
シュタッ…
AFO「バーからここまで5km余り」
AFO「僕が脳無を送り優に20秒経過しての到着」
AFO「衰えたね…オールマイト」
オールマイト「貴様こそ」
オールマイト「何だ?その工業地帯の様なマスクは…」
オールマイト「大分無理してるんじゃあないか!?」
爆豪(オールマイトを素手ではじきやがった!)
爆豪(これが敵のボス…)
オールマイト「5年前と同じ過ちは犯さん。オール・フォー・ワン」
オールマイト「爆豪少年を取り返す!」ダンッ!!
オールマイト「そして貴様は今度こそ刑務所にブチ込む!!」ゴォッ…
オールマイト「貴様の操る敵連合もろとも!」
AFO「それは…大変だな」
AFO「やる事が多くて」スッ…
AFO「お互い」プクッ!!
オールマイト(腕が大きく…?)
ズッッッ!!!
ヒュンッ!
ズドドドッ!!!
オールマイト「ぐっ…」ガガガガ…
AFO「『空気を押し出す』+『筋骨発条化』+『瞬発力』×4+『膂力増強』+3」
AFO「この組み合わせは楽しいな」
AFO「増強系をもう少し足すか」
爆豪「オールマイトォッ!」
AFO「心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ」
AFO「だから…」
AFO「ここは逃げろ弔」
AFO「この子を連れて」
ペキペキ…
ヒュッ
黒霧「」ズドッ!
AFO「黒霧。皆を逃がすんだ」
Mr.コンプレス「貴方がワープを使えるのならそれで逃げるのが手っ取り早いのでは?」
AFO「僕のはまだ出来立てでね、コンプレス」
AFO「転送距離はひどく短い上…」
AFO「彼の座標移動と違い、僕の元へ持ってくるか、僕の元から送り出すかしかできないんだ」
AFO「ついでに…送り先は人」
AFO「なじみ深い人物でないと機能しない」
ゴオオオ……
AFO「『個性強制発動』…」
AFO「さあ、行け」
死柄木「先生は…」
ズダンッ!!!
死柄木「…!!」
オールマイト「逃がさん!!」ダンッ!!
AFO「常に考えろ弔」
AFO「君はまだまだ成長できるんだ」
ズドオオオッッ!!!
死柄木「先生…」
トゥワイス「行こう死柄木!!あのパイプ仮面がオールマイトを食い止めてくれてる間に!」
トゥワイス「コマ持ってよ」
爆豪「…」
Mr.コンプレス「荼毘は小さくして連れて行こう…」シュン…
オールマイト「爆豪少年!!」
爆豪「面っ…ドクセー…」
八百万「オールマイト…」
八百万(AFOが邪魔して爆豪さんを助けられない…!)
八百万(その隙に連合は爆豪さんを連れて逃げようとしている…)
八百万(爆豪さんも囲まれて逃げられる状況じゃない…)
爆豪「ちっ!」ボオオッ!
爆豪(こいつらも緊急事態…)
爆豪(さっきまでと違って強引にでも俺を連れてく気だ…)
爆豪(4対1…行けるか?)
爆豪(とりあえずこのクソ仮面に触られちゃいけねえー!)ボオオッ!!
オールマイト「今行くぞ!!」ダンッ!
AFO「させないさ」ガシッ
オールマイト「くっ…」
AFO「その為に僕がいる」
ズザザザザザッ…
オールマイト「くそっ…」
爆豪(オールマイト…!)
八百万(こんなピンチ…なのに…)
八百万(私達は戦う事が許されない…!)
八百万(せめて…隙が…どこでも…一瞬でいい!)
八百万(爆豪さんを救け出せる策を…!)
八百万(それができればオールマイトも存分に力を…)
八百万(オールマイト…)
八百万「っ!」
八百万「飯田さん…皆さん!」
飯田「駄目だぞ…八百万君…」
八百万「違いますわ!あるんですの!」
八百万「決して戦闘行為にはなりません!」
八百万「私たちもこの場から去れる!」
八百万「それでも爆豪さんを救出できる方法が…!」
轟「……言ってみてくれ」
八百万「ただし…これは爆豪さん次第なんですが…」
八百万「…恐らく私がやりますと…成功しない…」
八百万「ですから切島さん。貴方が成功率を上げる鍵です」
八百万「……爆豪さんは相手を警戒して距離を置いて戦っていますわ」
八百万「タイミングは爆豪さんと敵達が二歩以上離れた瞬間…」
麗日「飯田君…」
飯田「…バクチではあるが…状況を考えれば俺達のリスクは少ない」
飯田「何より成功すれば全てが好転する…!」
飯田「……やろう」
八百万(まず飯田さんのレシプロで推進力…)
DRRR….
八百万(次に切島さんの硬化で壁を破り…)
ドゴォォッッ!!
八百万(麗日さんの個性でなるべく高く飛びますわ!)
ぴと…
ゴォォッ!!
死柄木「あ?」
八百万(敵は私達に気づいていない!)
八百万(これまで敵に散々出し抜かれてきましたが…)
八百万(今私達が出来る立場にあります!)
八百万(手の届かない高さから…戦場を横断する!!)
AFO「ほう…」スッ…
八百万(敵のボスはオールマイトを食い止めていますわ…)
八百万(これはつまり…)
八百万(逆もまた然り!!)
ドゴオォッ!!
オールマイト「させるかよ」
八百万(そうなれば切島さんですわ)
八百万(私じゃ駄目。轟さんでも飯田さんでも麗日さんでも…)
八百万(入学してから今まで対等な関係を築いてきた…)
八百万(貴方の呼びかけなら!!!)
切島「来いっ!!!」
爆豪「……」
ダンッ
死柄木「やめっ…」
ボボボボッッッ!!
爆豪「馬鹿かよ」ニッ
ガシッ
八百万(オールマイトを見てから……)
爆豪(俺がこの場にいるからオールマイトが戦い辛え…)
麗日(私の無重力なら逃げられる!そうすればオールマイトが必ず…)
飯田(爆豪君なら分かってる筈…)
八百万(不思議と体の萎縮は治まっていた)
八百万(今どう動くのが最善か…)
ボオオンッッ!!
Mr.コンプレス「な、何ぃぃっ!?」
轟「思った通りだ!皆あっちに釘付け…」
八百万「私達も行きましょう!」
死柄木「どこにでもっ…現れやがる…!」
オールマイト「マジかよ…」
オールマイト「全く!」
飯田「よし!このまま逃げ切るぞ!!」DRRR…
トゥワイス「そう簡単に逃がすかよ!!」
トガ「シューティングゲームは久々だー!」
ボボボッ!!
切島「うっへええ!?あいつら光線撃ってきやがった!!」
麗日「あんな量…避けられる訳が…」
麗日「!!」
ドオオオンッ!!
トゥワイス「やったか!!」
Mt.レディ「……タイタン…クリフ…!!!」シュゥゥ…
Mr.コンプレス「ちっ!邪魔すんなこのデカ女!!」
飯田「Mt.レディ!?」ゴォォッ…
Mt.レディ「救出…優先…」フラ…
Mt.レディ「行って…バカガキ…!」
ドサッ!!
トゥワイス「まだ届く!!」
トガ「撃ち落と…
ダダダンッ!!
トゥワイス「!?」
ガガガッ!!!
トガ「わっ…」
トゥワイス「なっ…」
Mr.コンプレス「嘘っ…」
ドサッ…
オールマイト「グラントリノ!!」
グラントリノ「間に合ったか…!」
死柄木「3人共…やられた!?」
オールマイト「遅いですよ!」
グラントリノ「お前が速すぎんだよ」
AFO(志村の友人か…)
グラントリノ「……緑谷来てないな」
オールマイト「こういう時は颯爽と現れるんですがね…」
オールマイト「しかし…情けない事に…」
オールマイト「これで…」
AFO「あっちゃ…」
オールマイト「心置きなくお前を倒せる!!!」ダダッ!!
グラントリノ「あっとはテメェだけだ!」ダンッ!
グラントリノ「死柄木ぃぃっ!!」
死柄木「くっ…」
AFO「とりあえず退け」
オールマイト「ぬっ!?」
バキッッ!!!
オールマイト「ぐっ…」
オールマイト(しまった…正面が…)
AFO「サイコキネシス…」
死柄木「うおっ…」ゴッッ!!
トガ「っ…」ゴッッ!
グラントリノ「なっ…」
ダンッ!
グラントリノ「逃がすかよっ!!」
AFO「邪魔するな老ぼれ」
ゴオオッッ!!!
グラントリノ「ぐおおっ…」
ヒュゥゥ…
ズドオオオッッ!!!
オールマイト「グラントリノ!!」
グラントリノ「ってえ…」
グラントリノ(念力て…マジモンの超能力者だろありゃ…)
死柄木「待て…駄目だ先生…!」ゴッッ…
オールマイト「こなくそ…」
グラントリノ「逃げられる…!」
死柄木「その身体じゃあんた…駄目だ!!」
死柄木「俺まだ
ゴォォッ…
シュンッ…
AFO「弔」
AFO「君は戦いを続けろ」
ダンッ!!
AFO「ん?」
オールマイト「貴っ様ぁぁぁあっ!!」ゴォォッ…
オールマイト「喰らえ…!」ブンッ…
AFO(『転送』)
グラントリノ「ぼっ!」ドバッ…
ズズッ…
グラントリノ(またワープか!)
オールマイト(いけない…咄嗟にグラントリノを盾に…!?)
AFO「+」
バチッ!!!
オールマイト「ぐあっ!?」
オールマイト(腕が…)ズキズキ…
グラントリノ「がっ…」
AFO(『衝撃反転』)
AFO「僕はただ弔を助けに来ただけだが」
AFO「戦うというなら受けて立つよ」
オールマイト「すっ…すみません!」
グラントリノ「くっそ…」
AFO「何せ僕はお前が憎い」
AFO「かつてその拳で僕の仲間を次々と潰し回り」
AFO「お前は『平和の象徴』と謳われた」
AFO「僕らの犠牲の上に立つその景色」
ブクッ…
オールマイト(またかよ!?)
AFO「さぞやいい眺めだろう?」ブォッ…
オールマイト「DETROIT SMASH!!!」ブォッ!
ズドオオオッッ…
ゴオオッッ…
AFO(強引に打ち消したな…)
AFO「心置きなく…戦わせないよ」
AFO「ヒーローは多いよなぁ…」
AFO「守る物が」
オールマイト「黙れ」
AFO「っ!?」
ガシッ
オールマイト「貴様はそうやって…」ググッ…
オールマイト「人を弄ぶ!!」ゴキッ!
AFO「だっ…」
オールマイト「壊し」
オールマイト「奪い」
オールマイト「つけ入り支配する!」
AFO(マズイ!『転送』を…)
オールマイト「日々暮らす方々を!」
オールマイト「理不尽が嘲り嗤う!」グッ…
オールマイト「私は!それが!!」
オールマイト「許せないっ!!!」ズドオオオッッ!!
メキメキ…
パリンッ!
グラントリノ「俊典…」シュタッ
AFO「いやに感情的じゃないか」
オールマイト「!」
AFO「同じような台詞を前にも聞いたな」
ブニ…
AFO「ワン・フォー・オール先代継承者」
AFO「志村菜奈から」
ピッ…
轟「飯田、そっち無事か?」ダダッ…
飯田<ああ!轟君の方は逃げ切れたのか?
轟「多分な…」クルッ…
轟「奴の背面方向に逃げてる」
轟「プロ達が避難誘導してくれている」
飯田<良かった!
飯田「こっちは駅前!」
飯田「あの衝撃波も圏外だったみたいだ!」
飯田「奪還成功だ!!」
爆豪「いいか!?俺は助けられた訳じゃねえ!」
爆豪「一番良い脱出経路がテメェらだっただけだ!」
切島「ナイス判断!」
爆豪「オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからな」
飯田(…そうだ。足を引っ張る…)
飯田(これが今できる最善の筈だ)
飯田(……他のプロの方もいた…)
飯田(僕らはこれで…良かったんですよね?)
飯田(大丈夫…ですよね?)
飯田(オールマイト…)
プルプルプル…
オールマイト「貴様の…穢れた口で…」
オールマイト「お師匠の名を出すな!!」
志村『誇れ俊典!』
志村『ハナから持ってる奴とじゃ本質が違う』
志村『お前は「力」を勝ち取ったんだ!!』
AFO「理想ばかりが先行し、まるで実力の伴わない女だった…!」
AFO「OFA生みの親として恥ずかしくなったよ」
AFO「実にみっともない死に様だった…」
AFO<どこから話そうか
オールマイト「Enough!!!」ブンッ!
AFO「バカが」
ズドオオオッッ!!!
オールマイト「ごはっ!!」
ヒュゥゥ…
グラントリノ「っのバカ何度も食らって…」
オールマイト「っ…」ゴォッ…
プルプルプル…
オールマイト(マスコミ…こんな所までっ…)
グラントリノ「俊典!!」ダンッ!
オールマイト「なっ」ガシッ
グラントリノ「6年前と同じだ!」
グラントリノ「落ち着け!!そうやって挑発に乗って!」
グラントリノ「奴を捕り損ねた!」
グラントリノ「腹に穴を開けられた!!」
ゴォッ
ズダンッッッッ!!
AFO(距離をとったか…)
グラントリノ「お前のダメなとこだ!奴と言葉を交わすな!」
オールマイト「…はい…」
グラントリノ「前とは戦法も使う個性もまるで違うぞ」
グラントリノ「正面からはまず有効打にならん!」
グラントリノ「虚をつくしかねえ…」
グラントリノ「ホーリーシットまで後何分だ!」
オールマイト「……」
オールマイト「…30分は…」
グラントリノ「なら十分だ!限界超えろ!正念場だ!!」
オールマイト「はい!」
プルプルプル…
ポニレポ「悪夢の様な光景!!」
ポニレポ「突如として神野区が半壊滅状態となってしまいました!」
ポニレポ「現在オールマイト氏が元凶と思われる敵と交戦中です!」
ポニレポ「信じられません!敵はたった1人!」
ポニレポ「街を壊し!平和の象徴と互角以上に渡り合って…」
ブラドキング「オールマイト!?」
相澤「…」
校長(潰された…!塚内君…オールマイト!)
「うっおお…すげえ戦い…」
「オールマイトこんなボッロボロになんのって滅多にねえよ…」
「いや初めてじゃね?」
「やめてください!街がぁぁぁ!街そのものがぁぁっ!」
轟「流石は敵の親玉…オールマイトとタメ張ってやがる…」
轟「しかも個性複数ってなんだあいつ…脳無かなんかか?」
八百万「何にせよピンチに変わりないですわ…」
轟「……」
八百万「……」
轟(心配する八百万も可愛い)
轟(待てよ…そうだ。今2人っきりじゃん)
轟(何オールマイトとか言ってんだろ自分)
轟(これはつまり今すぐフラグを立てろという事だなぁぁぁ!?)
轟「や、やや八百万!!」
八百万「…」
轟「……?八百万……?」
八百万「……轟さん…」
八百万「…私…少しやらなければならない事を思い出しました」
轟「?」
八百万「今から緑谷さんの病院へ戻りますわ」
轟「っ!?」
轟「お前…何言ってるんだ…」
轟「なんでわざわざ今すぐ帰らなきゃいけないんだよ…」
轟「そんな用事これが終わってからでも…」
八百万「いえ…」
八百万「これが終わってからでは…」
八百万「遅いのです…」
轟「……」
轟「そうか」
轟「だけど新幹線でも2時間かかる距離だぞ?どうやって…」
八百万「ここでは使えませんが…」
八百万「それよりもうんと早く行ける手段はありますわ」
轟「…お前まさか…」
八百万「では行ってまいります!!」ダンッ…
ゴォッ…
<うわー飛んでったぞ誰か!
轟「…」
轟「……緑谷…」
轟「お前に…言う必要はなかったよな?」
轟「……別れの挨拶なんて…」
八百万「…よし。ここならば人目もなさそうですわ」
シュタッ…
八百万「では移動中に作っていた物を…」ゴゴオオ…
ズドンッ!!
八百万「…」
ガチャ…
八百万(ようやく分かりましたわ…緑谷さん…)スチャッ…
八百万(あの時…言うべきだった言葉…)ガシッ…
八百万「待ってて下さい…オールマイト、緑谷さん」
八百万「今、助けに行きますわ!!」
ゴオオッッ!!
緑谷「……」
ポニレポ<なんという事でしょう!
ポニレポ<かれこれ30分が経過しますが両者一歩も退かず!
ポニレポ<これまでにオールマイトが苦戦した敵など存在したでしょうか!?
ポニレポ<戦いが長引けば長引くほど街への被害も大きくなります!
ポニレポ<周辺地域の住人は…
緑谷(……何が…一歩も退かずだ…)
オールマイト「うおおっ!!!」ブォッ…
AFO「ふんっ」ブンッ…
ズドオオオッッ!!!
オールマイト「ぐっ…」ズキズキ…
オールマイト(腕が…ダメージが大きい…!)
緑谷(オールマイトの気は徐々に減ってきている…!)
緑谷(ただでさえ制限時間があるんだ…)
緑谷(あんな激しい戦いを長時間行えばすぐにガタが来る…)
緑谷(それに…相手は個性を奪う奴だぞ?)
緑谷(どんな個性を持ってるかなんてオールマイトは把握していない!)
緑谷(圧倒的に不利なんだ!!)
緑谷(…なんでだよ…)
オールマイト「ぬおおおおっ…」ダンッ!
ドオオオンッ…
緑谷(なんでそれなのにオールマイトは立ち向かう…)
緑谷(なんで笑う?)
緑谷(逃げてくれよ…そんな勝ち目のない戦いなんて…)
オールマイト『今の私ではとてもじゃないが太刀打ちできん…』
緑谷「なんで…戦うんだよ…」
緑谷「もう嫌なんだよ!これ以上皆がいなくなるのを見るのは…」
緑谷「オールマイトが居なくなったら誰が皆を守るんだよ…?」
緑谷「本当は怖いんだろ?敵と戦うのも!皆からの期待も!!」
緑谷「それは偽りの笑顔なんだろ!?」
緑谷「だったらっ…」
緑谷「もう…これ以上…は…」
ポタポタ…
緑谷「やめっ…てくれっ……!」
ガンガンッ!
緑谷「?」
八百万「緑谷さん!開けてください緑谷さん!!」
ガラッ…
緑谷「や、八百万さん…?」
緑谷「なんで窓から…かっちゃんは?」
八百万「奪還は無事成功しました!」
緑谷「そっか…それは良かっ
八百万「今はそんな場合じゃありませんの!!」
緑谷「?」
八百万「この…髪」スッ…
緑谷「……」
八百万「…オールマイトの今の状況…」
八百万「あなたが最も理解している筈です」
八百万「……今なら…まだ間に合
ベチンッ!
八百万「っ…」
緑谷「………嫌だよ」
緑谷「さっきも言ったよね?これは『なんとなく』で決めてもいいような話じゃないって!」
緑谷「オールマイトがピンチだから飲む!?そもそも今飲んだ所で僕はコントロールできない!」
緑谷「いいか!?これは数十年…いや下手すれば何世紀もの皆の願いと想いの結晶!!」
緑谷「こんな大それた物を緊急事態だからなんて理由で僕が貰うわけにはいかないだろ!?」
八百万「今そんな事を考えてる暇はありませんわ!」
八百万「一刻も早く…オールマイトを助けないと…」
緑谷「…無理に決まってるだろ…」
八百万「?」
緑谷「オールマイトも…他の人も…」
緑谷「背負いきれなかったこの使命を全員分僕が受け取るなんて!」
緑谷「オールマイトは手の届く範囲は全員助けたんだ!」
緑谷「僕は手の届く範囲の仲間や家族すら守れなかった!!」
緑谷「こんな奴が後継者に相応しいわけないだろ!!」
八百万「それはっ!」
緑谷「そんなに助けに行きたいなら八百万さんが飲めばいいだろ!?」
緑谷「本当は君だって行くのが怖いから僕に押し付けるんだろ!?」
緑谷「僕なんかよりよっぽど優秀…
バチッッッ!!!
緑谷「……」
八百万「………」
八百万「……怖いから…押し付ける…ですって…?」
ガシッ
緑谷「!」
八百万「自分より優秀…ですって!?」
八百万「貴方はっ!私を信じたからあの場を託したんじゃないの!?」
緑谷『君が好きな様に考えてみて!多分こういう作戦練りは僕より八百万さんが得意だと思うんだ!』
八百万『…で、でも…』
緑谷【きっと八百万さんならできる!自分を信じろ!】
八百万「貴方はっ!私を信じたからクラス委員に推薦してくれたんじゃないの!?」
轟『前学級委員決めたろ』
轟『お前のもう一人は…』
轟『緑谷なんだよっ!!』
八百万「あれは!全部違ったの!?」
八百万「私を信頼してくれたからじゃないの!?」
八百万「自信を無くした私を…」
八百万「助けてくれたんじゃないの!!?」
緑谷「………」
八百万「……」バッ…
緑谷「っ」ドサッ
八百万「…うっ…」
八百万「私…だって…
八百万「私だって…っ!」
緑谷「…」
ポタポタ…
緑谷「……!」
八百万「何をすればいいかなんて…良く分からないもの…!」ポタポタ…
八百万「悟空さんが消えて…雄英が消えて…今度はオールマイトまで消えてしまう…」
八百万「そんなの嫌だよっ…」
八百万「でも…私には力が無いからっ…」
八百万「だからっ…」
八百万「っ……ぃっ…」
緑谷「……」
緑谷(八百万……さん…)
緑谷(……)
緑谷(……な…んだろ…う…)
緑谷(これ…どこかで……)
緑谷「………」
「うわああああっ」
「貴方!起きてよ!貴方ぁッ!」
「出久…待ってたんだよ…?」
「なんで…なんで…」
緑谷「……………」
緑谷(今となってはもう忘れてしまっていた記憶…)
緑谷(なんでマスキュラーが許せなかったのか…)
緑谷(…そうだった…僕もだった…)
緑谷(………)
緑谷(……そうだ)
緑谷(僕がヒーロー目指したいって言ったのはこの日だっけ…)
緑谷(……なんで?オールマイトに憧れたから?)
緑谷(ただ悪い奴をやっつけたいからか?)
緑谷(それもあるかもしれない)
緑谷(……)
緑谷(でも少し違う…)
緑谷「…泣かないで…」
緑谷「今度は…僕が守るから…!」
緑谷(もう皆が…悲しむ姿を見たくなかったからじゃないか)
緑谷「……」
八百万「うっ…ひっ…」
緑谷「……」
ダキッ
八百万「?」
緑谷「………ごめんね、八百万さん」
緑谷「おかげで…覚めた気がする」
緑谷「目」
八百万「……」
緑谷「…」パシッ…
緑谷「……オールマイト…」
緑谷(…不安?恐怖?)
緑谷(そんなの捨ておけ!)
パクッ
八百万「!?」
緑谷(今は…)
緑谷(オールマイトを救けないと!)
ゴクッ…
オールマイト「…」
ミシミシ…
AFO「そろそろかな…」
オールマイト「くっ…」
オールマイト(岩盤にめり込んだ!しかも抑えられた!)
オールマイト(身動きが…)
AFO「楽しかったけどもう終わり…」
AFO「君の死はありとあらゆるヒーローの心を粉々にするだろう」
AFO「僕らはその瞬間を…」スッ…
グラントリノ(零距離であの技をっ!?)
グラントリノ「やめろっ!!」ダンッ!
AFO「遅い」
ボオオッ!!」
AFO「ぐおおっ…」
ヒュゥゥ…
ズドオオオッッ!!!
オールマイト「炎!?」
グラントリノ「まさか…」
「なんだ貴様…」
エンデヴァー「その姿はなんだオールマイトォッ!!」
オールマイト「エンデヴァー…」
AFO「全て中位とはいえ…」
AFO「あの脳無達をもう制圧したか…」
AFO「流石No.2にまでのぼりつめた男」
エンデヴァー「…」ギリッ!
エンデヴァー「オールマイト…」
オールマイト「はぁ…はぁ…」シュゥゥ…
エンデヴァー(貴様を超えようと研鑽を重ねてきた!)
エンデヴァー(重ねる度に痛感する…!)
エンデヴァー(貴様との差が…)
エンデヴァー(貴様の背中がっ!)グッ…
エンデヴァー(絶望が…俺をっ…!!)
エンデヴァー「なんだその…情けない背中はっ!!」
オールマイト「ハァはぁ…」シュゥゥ…
AFO「応援しに来ただけなら…」
AFO「観客らしく大人しくしてく
ゴォッ!
AFO「おっと」ヒョイッ
エッジショット「抜かせ破壊者」
エッジショット「俺達は助けに来たんだ」
ニョキニョキ…
グラントリノ「植物?まさか…」
シンリンカムイ「皆っ!!」ガシッ!
グオッ…
Mt.レディ「……シン…リン…カムイ…」
シンリンカムイ「よく頑張った…Mt.レディ!」
Mt.レディ「ば、バァカ…遅い…わよ」ガクッ…
シンリンカムイ「…すまないっ!」ギリッ…
「我々には…これくらいの…ことしか…出来ぬ」
オールマイト「!?」クルッ
虎「あなたの…背負う物を少しでも…!」ニュル…
オールマイト(市民!逃げ遅れた人が…)
オールマイト「虎…」
AFO「お、いいとこ発見」ブクッ!!
虎「!?」
ズドオオオッッ…
オールマイト「衝撃波!!!」
エッジショット「オールマイト避けろ!!」
オールマイト(ばっか…避けたら虎にラグドール…市民が…)
AFO「まずは怪我をおし通し続けたその矜持…」
AFO「惨めな姿を世間に晒せ…」
ゴオオッッ…
シュゥゥ…
オールマイト「はぁ…はぁ…」
AFO「平和の象徴」
ザワザワ…
爆豪「………は?」
飯田「え…」
「お、おい…なんだあのガイコツ…」
ポニレポ<え、えっと…何が…えー皆さん見えますでしょうか?
ポニレポ<オールマイトがしぼんでしまってます…
轟「どういう事だよおい…」
AFO「頬はこけ目は窪み!!」
AFO「貧相なトップヒーローだな」
AFO「恥じるなよ…それがトゥルーフォームなんだろ?」
シンリンカムイ「オールマイト…!」
オールマイト「……」
ギロッ!
AFO「……そっか」
オールマイト「身体が朽ち…衰えようとも…」
オールマイト「その姿を晒されようとも…!」
オールマイト「私の心は依然平和の象徴!!」
オールマイト「一欠片とて奪えるものじゃあない!」グッ!
AFO「素晴らしい!」
AFO「まいった。強情で聞かん坊な事忘れてた」
AFO「じゃあこれも…君の心に支障ないかな…」
AFO「あのね…」
AFO「死柄木弔は志村菜奈の孫だよ」
続き
悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」八百万「No.3」【後編】