◆艦娘が出て殺す!シリーズ◆
◆ウェルカムトゥ・ネオサイタマ・チンジフ
http://ayamevip.com/archives/44516722.html
◆ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング
http://ayamevip.com/archives/48089635.html
◆キックアウト・ザ・ニンジャ・テイトクファッカー
http://ayamevip.com/archives/48089676.html
元スレ
【艦殺(艦これ)】ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434927358/
【艦殺(艦これ)】アトロオーシャン・イン・ネオサイタマオーシャン
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442646537/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【KANMUSLAYER】
【システム・オブ・チンジフ・ストラグル】#1
(親愛なる読者の皆さんへ : 更新しようと思いましたがSS速報のサーバーがばくはつしてしまったのか知りませんがレスが読み込まれなくなってしまいましたのでやめました。とりあえず作者をケジメしておいたのでごあんしんください。再開は今日やると思われる。)
◆再開するが明日の朝をまたぐとおもわれるのでごりょう承ください。再開する◆
午前6時、未だ空は薄暗いが、ここキョート・チンジフのグランドマスター、ビスマルク派閥の艦娘たちにとっては違う。朝の兆しだ。
ドージョーに備え付けられた青銅の鐘が百八度打ち鳴らされると、彼女たちはタタミのしかれたこのドージョーに大声を上げて、全力疾走でエントリーする。
「ワーアアアアー!」「ワーアアアアー!」「キーエエエエー!」「アーアアアアーアー!アッ!アイエッ!」ドージョーの四方を囲む朱塗りのフスマを勢いよくはね開け、一斉に艦娘たちが飛び出してきた。勢い余って転ぶ者もいる。
そしてそのまま彼女たちはチェス駒めいて等間隔に整列する。そしてドージョーの上座にアグラしていた艦娘…軍服めいた装束に身を包んだグランドマスター、ビスマルクがゆっくりと立ち上がった。
ビスマルクは無言で整列する部下の艦娘たちの前を歩き始める。やがて一人の艦娘の前で止まった。グランドマスターを目の前にした艦娘、レーベは思わず身を竦めた。
ビスマルクはしばしレーベを見つめた後、静かに口を開いた。「今回の夏イベント…一部の提督は第五海域を解放できなかった」部下の艦娘たちがさらに叫んだ。「その心は!」…禅問答だ!ビスマルクは未だレーベを見つめている。
「ハ…ハイッ!」レーベ(なお彼女はくれぐれも女性である)は背をぴんと張って返事した。「演習で4回B勝利以上がとれないからです!」「バカ!」ビスマルクはレーベの頬を平手で打った。「ンアーッ!」なお、これは禅問答であるため、答えの内容に関係なく、罵りと張り手は飛んでくる。
「なかなか良い返答です。成果がでていますよ」ビスマルクは満足げに微笑む。「は、ハイ!アリガトウゴザイマス!」レーベも涙目になりながら答えた。(なお彼女はくれぐれも女性である)
「禅問答…茶道、日本の文化は素晴らしい!これを極めれば私たちはさらにブッダに近づけるはずよ!」ビスマルクは十字を切ってブッダに祈りを捧げた。彼女はドイツ生まれにして日本のブディズムに傾倒していのだ。
だが部下の艦娘たちは口をつぐんだまま整列している。少しでも動いてしまったら列の周りを歩き回っている艦娘、プリンツに木製の打撃武器であるケイサク・メイスを肩に叩き込まれるからだ。即ちこれはザゼンの一種である。
「もうすぐネオサイタマ・チンジフへの宣戦布告と共に攻撃が行われるわ…あなたたち!その命をロードに捧げなさい!」「「「「ハイ!!」」」」その声には一切のズレもない!異常ともいえる忠誠心を感じさせる。
「prima !(すばらしい)それでは毎朝の日課の108回チャントを捧げるわよ!ガンバルゾー!」「「「「「ガンバルゾー!」」」」「声が小さい!私一人より声が小さいわ!ガンバルゾー!!」「「「「「ガンバルゾー!!」」」」」「ガンバルゾー!!」「「「「「ガンバルゾー!!」」」」」城内に禍々しいチャントが響き渡る。キョート・チンジフに、朝が来た。
【KANMUSLAYER】
◆午後な〜◆
◆明日にまたぐと思われる。ごりょうしょうください◆
【KANMUSLAYER】
ビスマルクたちのバンザイチャントから数時間後、所変わってここはキョート・チンジフの大浴場。この奥ゆかしく荘厳なフジサンが描かれた風呂は修理のために使われる入渠ブロとは違う。
この浴室は修理のための入渠ブロとは違いキョート・チンジフの威光を示すための施設の一つである。そしてこの浴槽を朝一番で使うことのできる神聖な儀式、アサブロ・リチュアルを行うことができることが許されているのはグランドマスター位階の艦娘だけである。
「ふぅ…ククク…」そして今浴槽に浸かりながら防水加工のされた扇子をパタパタと動かし、不敵な笑みを浮かべる艦娘はグランドマスターのひとり、トネである。
彼女は7人のグランドマスターの中でも特に多人数の部下たちを抱える派閥のトップである。トネは貴族めいた立ち振る舞いで自身の威厳を示してきた、その末にグランドマスターの地位を得たのである。(クク…おっと!奥ゆかしくない立ち振る舞いじゃ!だが致し方もなし…ロードがワシに任せてくれたのだからなあ!クックック!)トネの扇子を振るう速度がさらに速まる!
◆>>785の文で「ことが」が被ってしまったことがあったのでケジメすることができました。再開することができました◆
(そうじゃ!ロードの期待に応えることができるのはこのワシだけ!ワシだけなのじゃッ!!いずれはタイホウ=サンの役職はこのワシに…!)トネの防水扇子を振る速度が霞み始めたその時、唐突に浴室の防水フスマがガラガラと勢いよく開けられた!「アイエッ!?」トネは驚きのあまり浴槽内で身体を滑らせ後頭部を強打した!「グワーッ!?」
浴室に唐突なエントリーをした者は…浅黒く焼けた肌、まとめられた白髪、鍛え上げられたしなやかな身体と豊満な胸!そしてその蛇めいた鋭い眼を持つ艦娘はグランドマスターのひとり、ムサシである!「おう?なんじゃトネ=サン!おったのか!」そしてトネの胸は平坦だった。
「グ…グワ…ドーモ…ムサシ=サン」後頭部をさすりながらトネは防水扇子の後ろで表情を歪ませた。まったく奥ゆかしくない振る舞いである、そもそもこの女と自分は住む世界が違うのだ!トネはムサシのことを蛇蝎のごとく嫌っていた。「ハッハッハ!足でも滑らせたか?シツレイするぞ」ムサシはザブザブと湯船に入ってきた。その身体には手ぬぐい一枚も身にまとっておらぬ!なんたる全裸か!?
「ハァーッ…やはりフロは気持ちがよい。ほれ!トネ=サンも飲むか?」そしてムサシは湯船に浸かりながら持ち込んだホット・サケを飲み始めた。ちなみに現在の時刻は午前8時である。「いえ…謹んでご遠慮させて頂くのじゃ、この後大切な任務があるのでな」トネはひきつる笑顔のまま丁重に断った。
「ほう?まさかロード直々の任務というヤツか」「耳が早いですなムサシ=サン、その通りじゃ!このワシが承ったのだ!ロード直々の任務をな!」トネはなるべく自分が大きく見えるように胸をそらした。「チョージョー!同期の身としても鼻の高いことじゃ!ハッハッハ!」ムサシはさらにホット・サケをあおった。アナヤ!二杯目である!
豪快に笑うムサシを見ながらトネは防水扇子の後ろで優越感に顔を歪ませた。この女の性格!立ち振る舞い!湯に浮かぶ豊満な胸!すべてが気に入らぬ!なにより口調も被っているのだ!「ではワシはシツレイする…任務準備をしなければならないのでな」いつかこの女を見下せる程の役職についてやる!トネの野心はグランドマスターの中でも底なしであった。
(フン!イクサオニと呼ばれる程のワザマエを持っているとしても所詮イクサ狂いの狂人よ!政略は知力を持つものが勝つのじゃ!いずれワシの元に部下としてこき使…)トネが立ち上がり湯船を出ようとしたその時…トネの足が湯船の中に何かにぶつかった!「グワーッ!?」ナムアミダブツ!トネは転倒し額を浴槽の縁に強打した!
「あ、ゴメン」トネが足を取られたのは人知れず湯船に浸かっていたグランドマスターのひとり、ウンリュウの足であった」「なんじゃお前もおったのか」「ウン、トネ=さんより先に入ってた」ムサシと平然と会話をするウンリュウの胸は豊満であった。(ぐぐぐ…!こやついつの間に!?相変わらず存在感の薄いヤツじゃ!)トネは額をさすりながら涙目で悪態をついた。しかしトネの胸は平坦であった。
「おう、大丈夫かトネ=サン?痛み止めにサケ飲むか?」「ごめんね」二人の言葉を背に受けながらトネはずかずかと歩きながら湯船を出た。「問題ない!シツレイするのじゃ!」トネは憤りと恥ずかしさのあまり防水扇子がへし折れるほど手を握りしめた。それが悟られぬようになるべく堂々と歩きながら。
「おうおう!任務中にこけるなよ平坦将軍殿!」「チクマ=サンに迷惑かけちゃダメだよ」トネは二人の声を遮るように防水フスマをピシャリと閉めると脱衣所で予備の扇子で激しく自分をあおぎはじめた。(ぐぬぬ…!見ておれイクサ狂いに浮雲娘め!ロードの寵愛を受けるのはこのトネひとりのみなのじゃッ!)
【KANMUSLAYER】
◆艦◆カンムス名鑑#32【駆逐艦レーベレヒト・マース】キョート・チンジフ所属、グランドマスタービスマルク派閥のアデプト位階の艦娘。通称レーベ。最近アプレンティス位階を脱したばかりであり自分の派閥の風習への戸惑いをぬぐい切れていない。光化学迷彩フロシキを用いた偵察任務は得意だがカラテは苦手。(なお彼女はくれぐれも女性である)◆艦◆
◆艦◆カンムス名鑑#33【重巡洋艦プリンツ・オイゲン】キョート・チンジフ所属、グランドマスタービスマルク派閥のマスター位階の艦娘。ビスマルクの副官めいた立場にあり、その行動をサポートする。噂では夜の生活もサポートしているらしい。主武装である黄金マニ装飾ガトリングガンは殺戮をしながら功徳を積む事が出来るアブハチトラズな兵器である◆艦◆
◆多分夜な〜◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【KANMUSLAYER】
「…でだ」沈黙が支配したこの会議室で最初の声を発したのは提督だった。ヒュウガとカガを除く全ての部門長の艦娘、そしてハツカゼがこの部屋にいる。一人の和服めいた装束を着るツインテールの艦娘を囲んで。
「コイツが言っている事にウソ偽りは無いか?ハツカゼ=サン」言葉をかけられたハツカゼは閉じていた目を開く。「…感じない。そういう感情はこの人からは感じられないわ」そう言ってハツカゼはソウリュウの肩に乗せていた手を離した。「つまりソウリュウ=サンの話の通りだとキョート・チンジフは今、わけのわからん小娘がトップにいる…という訳か」「ハ、ハイ…」ソウリュウはおずおずと答える。そしてなぜか提督の視線を避けるように目をそらした。
提督は片眉を上げてソウリュウにグイと顔を近づけて睨み付けた。「おい、何故目をそらす?真実を言っているのになにかやましいことでもあるのか?「そっ!そんなこと…ないです。アア…」提督に顔を近づけられたソウリュウはなぜか顔を赤面させて涙目になる。「まあまあ提督=サン、そこまでにしておきましょう」タツタが奥ゆかしくたしなめた。「ヒッ!」しかしソウリュウはなぜかタツタの笑顔を見たとたんさらに目を潤ませた。
「まって下さい提督=サン!」耳をつんざくような大声が艦娘たちの中から発せられた。「そんなに大声で言わなくても分かる…室内でマイクをつかうのはよせ」「しかしこんなことは信じられません!なぜ新しい司令官に従っていたかを覚えていないなどと!」マイクを通さなくても十分に大きい声で異議を唱えるのは戦艦長のキリシマである。
「それにウソ偽りがないなど何故分かるのです!?それこそ信憑性に乏しいかと!」眼鏡を神経質そうに整えるキリシマに睨み付けられたハツカゼは肩身を狭そうに身を縮ませた。「ハツカゼ=サンには分かるんだよ、そういうジツだ。お前も治療を受けたことがあるなら分かるだろう」「ッ…しかし!」
提督はなおも食い下がろうとするキリシマの肩に手をおくと静かに諭した。「落ち着け。コンゴウ=サンが消息不明、しかも残りの姉たちがキョートにいるのを不安がる気持ちは分かる。だが今の状況で俺たちの情報は限られているんだ」提督に見つめられたキリシマは静かに目を伏せ押し黙った。
「あ…あの、アタシのジツって一体何のことなのか…」ハツカゼはおずおずと質問する。「そのことについてはまた今度だ、ご苦労だったな」そう言って提督は部門長たちに向きなおった。「何かお前たちも意見はあるか?」
「しかしソウリュウ=サンの言うことが正しいとしてもあり得るのでしょうか?キョートの司令官が突然成り代わってしまったなどと…」思慮深げに疑問を投じたのは教育部門長のアシガラだ。彼女はこのチンジフでも古参の知識人である。「確かにそうですね、キョートにいらっしゃる方たちも疑問を感じなかったとしたら大変に不自然です」クローン妖精部門長のオオヨドもそれに続いた。
「う~ん…普通に考えたらおかしいわね」「キョートのみんなが突然おバカさんになっちゃったんじゃないクマ?」他の部門長の艦娘も互い互いで意見を交わし始める。「…もし」にわかにざわめき始める室内に言葉を投じたのはまたしても提督であった。「それもすべて正体不明の司令官の…ジツだったらどうする?」
【KANMUSLAYER】
◆記憶ないということは罪もないという解釈もできるのではないだろうかなあ。夜な◆
◆明日の朝をまたぐとおもう。◆
【KANMUSLAYER】
「アバーッ!サヨナラ!」カガのレップウが直撃した軽巡ツ級は爆発四散した!「フゥーッ…」しかし当のカガには少しの疲労も見られない。ただ静かに息を吐いてザンシンした。
カガは自分の数メートル付近で行われているもう一つのイクサに目をチラリと向けた。「イヤーッイヤーッ!」「グワーッグワーッ!」カガは加勢しない。終わりが近いと判断しているからだ。
「イヤーッ!」カコが放ったカラテストレートを受けた軽母ヌ級はワイヤーアクションめいて吹き飛ばされた!「グワーッ!」そしてその吹き飛ばされた先には…「もらいましたわッ!インダストリ!」フソウの大口径カラテ砲が爆煙を放ち軽母ヌ級に命中する!「サヨナラ!」爆発四散!
「敵のバイタルサインが消失!完全制圧ね」後方支援をしていたアガノが小型IRCを操作しながら戦闘を終えた3人に合流した。「フー…あんま手ごたえなかったぜ!数だけであたし達を押しきろうなんてあめーんだよ!」カコは得意げに鼻をかいた。
「これもオムラのインダストリが導いた勝利ですわ…モーターヤッター!」フソウはオムラ本社の方向に向かってバンザイ・チャントを行っている「アガノ=サン、通信は回復した?」旗艦であるカガはフソウの様子を気にも留めず自分の小型IRCを操作しながら問うた。
「うーん、やっぱりダメだわ。チンジフとの通信ができない」アガノは小型IRCの電波を調整するが画面の『通信エラードスエ』の文字が消えることはない。「普段は電波の行き届きにくい海域でもないのに…磁気嵐でも起こってるのかしら?」「…そうね」
カガは沈思黙考する。しかしすぐに結論を出しいち早く帰投する事が先決であると判断した。彼女は沈着冷静な性格であり旗艦としての能力も非常に優れている、ボーキ成分さえ切れていなければ。
「敵の反応が消失ってことはあの数のクローン駆逐艦もクローン軽巡洋艦も片付いたのか?流石アネ…」「ち、ちょっと待って!!」小型IRCを操作していたアガノは帰投に向けて準備しようとする3人を引き止めた。「どうしたのですの?まだ敵の残党が!?」フソウは大口径カラテ砲とミニガンを再度展開する!
「これは…6つのカンムスソウル反応!?こっちに高速で接近してくるわ!」「へ?なら味方じゃねーか。その6人も任務の帰りだろ!帰路がたまたま偶然…」「違うわ」カガは短く答えた。「へ?だが艦娘ならあたし達の味方だろ?」カコは訝しんだ。
「何かがおかしい、この識別信号はネオササイタマのものじゃないわ」「ということは…まさか!」フソウが何かを言おうとした瞬間、アガノの操作していた小型IRCに巨大な熱源反応が現れた。「!」アガノが驚いてその方向に目を向けると…凄まじい勢いで巨大な火球が迫ってきているのである!
「み、みんな!避けてーッ!!」アガノが叫んだ瞬間、3人は返答のかわりに後退バックフリップする!「「「イヤーッ!」」」ゴウ!3人が先ほどまで立っていた場所を巨大な火球が通過する!海面が一瞬蒸発する程の温度だ!アブナイだった。
「うおーっ!?何だ!?何だこりゃいきなり!!」体制を立て直したカコは後方で爆発する火球を見やった。「この攻撃の方向は…ソウル反応の方向と同じ方向から!」フソウは火球が飛んできた方向に向き直る。しかし…すでに3人の手の届く距離に何者かが踏み込み、チョップを振り下ろした。旗艦であるカガに向かって!「イヤーッ!」
「イヤーッ!」しかしカガは危なげなくこれをガード!バックフリップを終えた瞬間彼女はすでにいかなるアンブッシュにも対応できるように神経を張り巡らせていたのである。なんたるカンムス状況判断か!「イヤーッ!」襲撃者は追撃の回し蹴りを放つ!「イヤーッ!」カガは左手ブレーサーで受け止める!ブレーサー越しでも骨が軋むほどの威力の蹴りだ!しかしカガの表情は変わらない。
アンブッシュを終えた襲撃者は後方ジャンプで飛び離れ、その着地点にいたもう1人の艦娘と共にアイサツした!「ドーモはじめまして!私はヒエイです!」巫女服めいた装束にショートカットの黒髪の艦娘は礼儀正しくオジギした。
「ヘル・オー!ネオサイタマチンジフの皆さん!キソです」もう一方の眼帯をつけた艦娘は挑発的なキツネ・サインを掲げて凶暴な表情でこちらを睨んでいる。その首に巻かれたマフラーには『地獄お』のプリント。
「ドーモ、カコです!何だテメエらいきなり!?」カコはナックルダスターを取り出し、ボックス・カラテの構えをとる!「フソウです、なんのつもりですか!組織は違うといえど味方である私たちに攻撃するとは何事!」フソウも全砲門を二人に向けた。
「私はアガノです。この識別信号は…キョート・チンジフの!?」「そうさ!アタシたちはキョートのモンだ!」キソは今にも噛みつきそうな表情で答えた。「…カガです。この事はコドモ提督=サンは知っているの?それともあなた達の馬鹿げたムーホン?」カガは正面からキソの視線を受け止める。
「クックック…ムーホン?コドモ提督?それこそ馬鹿げた考えじゃ」ヒエイとキソが道を開けるとそこに歩いてきた艦娘が侮蔑的に4人に視線を巡らせる。「あなたは…」「ドーモ…下賎なネオサイタマ・チンジフの皆さん、トネです。ロードの命によりこの海域は我らキョート・チンジフが頂くのじゃ!」トネは扇子を突きつけた、まるで宣戦布告めいて。
【KANMUSLAYER】
(親愛なる読者の皆さんへ : ヒエイの髪は黒髪ではなく茶髪ということとネオササイタマというキョト・チンジフに続くなぞの組織を生み出してしまったので作者は二回ケジメしました)
◆艦◆カンムス名鑑#34【戦艦ヒエイ】キョート・チンジフ所属、マスター位階。チンジフにおけるどの派閥にも属さない「シテンノ」のうちの1人。カラテの腕だけなら組織内でもトップクラスのワザマエを持つがその反面カラテ砲の扱いは不得意で真面目だがやや抜けている性格。金剛型姉妹の二女◆艦◆
◆艦◆カンムス名鑑#35【軽巡洋艦キソ】キョート・チンジフ所属、アデプト位階の艦娘。直情的で血気盛んな性格をしており、やや素行不良娘である。両手に装備したカトン・ナックルによる火炎カラテを武器とする。片目には眼帯、首には「地獄お」とプリントされたマフラーを巻いている。平坦である。◆艦◆
◆今日の午後な?◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【KANMUSLAYER】
(これまでのあらすじ : カガを中心とした第二部隊は任務中終了の矢先、突然のアンブッシュを受けた!その正体キョート・チンジフのグランドマスタートネの部隊であった。なぜ同じ艦娘が!?これまでもサヴァイヴァー・チンジフなる独立部隊は存在したが今回はキョートからの刺客ということがあからさまなのである!)
カガは敵の大将であるトネのことを思い出そうとした。合同会議の場で顔を合わせた事があるがその時と変わった様子は見られない、前も今も変わらず口元を扇子で扇いでいるのだ。しかしネオサイタマの領海を奪うと堂々と宣言したのである!
「どうやら冗談を言っているわけではなさそうね」カガは静かにコウクウキ・ボウを構え、トネに突きつけた。「無礼者が!このグランドマスターであるワシの言葉を冗談とな?その言葉を宣戦布告とみなすのじゃ!」トネが片手を真横に突き出すと彼女を守るように新たに2人の艦娘の一艇の鬼瓦クルーザーに立つ艦娘がエントリーする!
「ズイホウです」「キヌです!」ショートボウを持った平坦な艦娘と両腕にカラテキャノン・ブレーサーを装備した艦娘がアイサツした後、鬼瓦クルーザーに立つ艦娘も続いてアイサツした。「クマノですわ!話に聞いた通りですわね、すぐに武器を構えるとはなんと無礼千万な方々でしょう!」
彼女は古代ローマカラテの使い手である!「野蛮なネオサイタマの皆様!わきまえなさって下さいまし!?キョート・チンジフの中でも最も高貴なあたくしたちの派閥の前に道は無し!道とはあたくしたちが通りし後にできるものなのですわ!ゆえに…」「全く意味が分からないわ。黙っていて頂戴」カガはクマノの方を見ずに吐き捨てた。クマノは出鼻をくじかれ、悔しげに言葉を呑んだ。
「まあそうかっかするものではないぞ?クマノ=サン」トネは嫌味たらしくカガたちに視線を巡らした。「貴様らは6対5というただでさえ不利な状況から…さらに苦境に対することになるのじゃからなあ~!」トネが鬼瓦クルーザーに合図を送るとクルーザー内から大量のクローン妖精が溢れ出した!「ざっけんなこらー!」「ざっけんなこらー!」「すっぞこらー!」
しかもこのクローン妖精たちは通常のクローン妖精ではない。サイズは一回りも二回りも大きく手にはヤクザガンやヤクザアサルトライフルを持ち、おそろいのヤクザサングラスを身に着けたクローンヤクザ妖精なのだ!「「「「「「ざっけんなこらー!!」」」」」」カガ達第二部隊はあっという間にクローンヤクザ妖精たちに包囲されてしまった!
「そんな…クローン妖精を戦闘利用することは禁じられているはずなのに!?」アガノは口元に手を当ててこの非道な行いに戦慄した。「使えるモノは全て使うのがあたくしたちのやり方ですわ!これで多対5というわけですわね!おおほほほ!!」この状況に気を取り戻したクマノが高らかに笑った!「チクショウ!調子乗りやがって…でもこれは実際ヤバイぜ!」「オムラのインダストリを持ってしてもこの量は多すぎますわ!」カコとフソウは背中合わせにカラテ警戒するがさらにクローン妖精はクルーザー内から続々と出てくる。
ナムアミダブツ!なんたる数の暴力か!第二部隊は一瞬にして背水の陣めいた苦境に立たされてしまったのだ!押し黙ってしまったカガに対しクマノは勝ち誇ったように彼女を見下した。「あらあらあら!戦意喪失ですの!?今ならドゲザし、ロードに忠誠を誓えばあたくしたちの派閥での下働きに」「…言ったわよね、あなた」しかしカガはクマノの口上を遮るように静かに呟いた。「エ…?」「多対5って、それは間違いよ。実際…」
「え?アバッ」カガの言葉に怪訝な表情を浮かべたクマノは次の瞬間鬼瓦クルーザーごと中に残っていたクローンヤクザ妖精ごと叩き潰されていた。空から落ちてきた、巨大な鉄塊に!「イヤーッ!」「サヨナラ!」クマノは鬼瓦クルーザーごと大爆発四散した!
(親愛なる読者の皆さんへ : 更新するにあたり途中のレスで人数のカウントミスがありました。訂正部分から改めてレスをしますのでご了しょう下さい。)
「まあそうかっかするものではないぞ?クマノ=サン」トネは嫌味たらしくカガたちに視線を巡らした。「貴様らは6対4というただでさえ不利な状況から…さらに苦境に対することになるのじゃからなあ~!」トネが鬼瓦クルーザーに合図を送るとクルーザー内から大量のクローン妖精が溢れ出した!「ざっけんなこらー!」「ざっけんなこらー!」「すっぞこらー!」「ちぇらっこらー!」
しかもこのクローン妖精たちは通常のクローン妖精ではない。サイズは一回りも二回りも大きく手にはヤクザガンやヤクザアサルトライフルを持ち、おそろいのヤクザサングラスを身に着けたクローンヤクザ妖精なのだ!「「「「「「「「「ざっけんなこらー!!」」」」」」」」」カガ達第二部隊はあっという間にクローンヤクザ妖精たちに包囲されてしまった!
「そんな…クローン妖精を戦闘利用することは禁じられているはずなのに!?」アガノは口元に手を当ててこの非道な行いに戦慄する。「使えるモノは全て使うのがあたくしたちのやり方ですわ。これで多対4というわけですわね!おほほほほほほほほほほ!!」この状況に気を取り直したクマノが高らかに笑った!
「チクショウ!調子乗りやがって…でもこれは実際ヤバイぜ!」「オムラのインダストリを持ってしてもこの量は多すぎますわ!」カコとフソウは背中合わせにカラテ警戒するがさらにクローン妖精はクルーザー内から続々と出てくる。
ナムアミダブツ!なんたる数の暴力か!第二部隊は一瞬にして背水の陣めいた苦境に立たされてしまったのだ!押し黙ってしまったカガに対しクマノは勝ち誇ったように彼女を見下した。「あらあらあらあらあらあらあら!戦意喪失ですの!?今ならドゲザし、ロードに忠誠を誓えばあたくしたちの派閥での下働きに」「…言ったわよね、あなた」しかしカガはクマノの口上を遮るように静かに呟いた。「多対4って、それは間違いよ。実際…」
「え?アバッ」カガの言葉に怪訝な表情を浮かべたクマノは次の瞬間鬼瓦クルーザーごと中に残っていたクローンヤクザ妖精ごと叩き潰されていた。空から落ちてきた、巨大な鉄塊に!「イヤーッ!」「サヨナラ!」クマノは鬼瓦クルーザーごと大爆発四散した!
「ファック!?何だありゃ!」「ひえーっ!クマノ=サン!?」驚愕するキョートの艦娘達たちの視線の先には巨大な鉄塊…いや!それは10フィートに匹敵する大きさの錨である!そしてそのオバケじみた錨には鎖が繋がっており、それを空中から投擲した小さな影がクルーザーの上に着地する。
そして粉塵の中露わになったその姿は「タタキブツシテタオス」ルーンカタカナで刻印された巨大な錨と、おお…ゴウランガ!そこにいたのは口元に豹の牙を模した白銀のメンポをつけた駆逐艦娘である。その小さな体躯でこの巨大な錨を担いだまま20mは跳躍し、空中で投擲したというのであろうか!?「ドーモ、ヤヨイです」彼女は無感情な目でオジギした。
「ヤヨイ=サン!」「潜伏していたのですね!」「流石姉貴だぜ!これで百人力だァー!」ヤヨイは味方たちの言葉に小さく頷くとタタキブツシテタオスを担いだまま跳躍し、カガの横に着地した。トネは爆発炎上する鬼瓦クルーザーを見て眉をひそめる。(ヌウッ…あれはネオサイタマの英雄ヤヨイ=サンか!ちと想定外じゃ…だが)
「どう?これで多対5になったでしょう。それとも雑兵を除けば5対5かしら」「ぬかせ下郎め!圧倒的な戦力差は変わりないのじゃ!者ども…」トネが閉じた扇子を掲げると部下たちは戦闘態勢をとる!もちろん第二部隊もだ!「…かかれぃ!」「「「「「「「「「イヤーッ!」」」」」」」」多数のシャウトが一斉にかち合う!ここにネオサイタマ、とキョートのイクサの火蓋が切って落とされたのである!!
【KANMUSLAYER】
◆艦◆カンムス名鑑#35【軽巡洋艦アガノ】ネオサイタマ・チンジフ所属。阿賀野型姉妹の長女だがチンジフに着任してそれほど経っておらず戦闘は不慣れ。自分よりも先に着任し、軽巡洋艦長に抜擢された妹のヤハギを誇りに思っている。イクサにおいては搭載数の多さを生かした後方支援を行う。◆艦◆
◆艦◆カンムス名鑑#36【重巡洋艦カコ】ネオサイタマ・チンジフ所属。直情的でボーイッシュな艦娘。頬には絆創膏を貼っている。ナックルダスターを武器としたボクシング由来のボックス・カラテにより自在なフットワークで1対1の状況にアドバンテージを持つ。ネオサイタマの英雄と呼ばれるヤヨイを姉貴と呼びリスペクトを惜しまない。◆艦◆
◆艦◆カンムス名鑑#37【軽空母ズイホウ】キョート・チンジフ所属、グランドマスタートネ派閥のマスター艦娘。スピードを生かした戦闘を得意とする。高速移動しながら容赦なくコウクウキを撃ち込む。他人にクールな印象を与えがちだが本人が極度の人見知りなだけである。◆艦◆
◆艦◆カンムス名鑑#38【軽巡洋艦キヌ】キョート・チンジフ所属、アデプト位階。シテンノのひとりであるジュンヨウがメンターであったせいで物事を深く考えずにとりあえず暴力で解決しようとする単純な思考の持ち主。カラテの出来自体は荒いがダブル・キャノンブレーサーは実際強力◆艦◆
◆艦◆カンムス名鑑#39【重巡洋艦クマノ】キョート・チンジフ所属、グランドマスタートネ派閥のアデプト艦娘。古代ローマカラテの使い手であるが、作中そのワザマエを披露する機会が訪れることなどなかった。高慢で平坦である。艦◆
◆登場人物がおおいので名鑑がおおい。このスレに最後まで収まるかとふあんになりましたが次のスレに続けばいいと思ったので問題はございませんでした。今週中に続きはやると思う◆
◆お知らせ◆ 残りに収まるじしんが無かったのでたてました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442646537/
なおこのタイトルの元ネタが分かるヘッズの皆さんは…備えよう
◆残りはメモ帳とか質問とかに使えばいいと思う。html依頼も出しておくのでごあんしんください。以上です◆
◆新スレ◆
(新規の読者の皆さんへ : このSSは艦これとニンジャスレイヤーがカラテ化学反応を起こして生まれたなんかです。なお実際のげんさくとは実際異なる部分があるのでごりょうしょうください。)
◆前作な◆
ウェルカムトゥ・ネオサイタマ・チンジフhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433088222/
ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434927358/
なお最初に更新する話はラスト・クチクカン・ガール・スタンディングに収録されている作品の続きなので見なければ分かりませんと思う。なので今すぐカンムスオン、しよう!以上です。◆蟹◆
◆なお更新メントは明日な◆
◆◆◆◆夜スリケン◆◆◆◆
【システム・オブ・チンジフ・ストラグル】続き
両陣営からシャウトと共にカラテ砲が一斉射撃された!次々と空中で衝突し相殺爆発されるが逸れた砲弾も少なくない、双方ともに散会して回避する。両陣営無傷!「クローンヤクザ妖精ちゃん達!てぇーッ!」「「「「ざっけんなこらー!!」」」」キヌの合図を受けたクローンヤクザ妖精達はヤクザガン連射!BLAMBLAMBLAM!!ナムアミダブツ!さっそく数の暴力だ!
「私にお任せあれ!イヤーッ!」仲間達を守るようにインターラプトしたのはフソウだ!次々と弾丸がフソウのカラテ艤装に着弾するがほぼ全てがはじき返された!
彼女のフジサンめいたカラテ艤装は破壊力だけでなく防御力にも優れる。その装甲板には「艦娘を守るオムラ社の装甲板」と大きく刻印されている。看板に偽り無し!「「ぐわーっ!」」不幸にも跳弾が当たってしまったクローンヤクザ妖精が海に落下し爆発!インガオホー!
「オムラのインダストリの前では無力ですわ!ヤヨイ=サン!」「イヤーッ!」ヤヨイはフソウのカラテ艤装を踏み台にして大きく跳躍、空中で手首の鎖につながれたタタキブツシテタオスをなぎ払うように投擲する!「「「「あばーっ!?」」」」一撃で多数のクローンヤクザ妖精が海にハエめいて叩き落された!
しかしヤヨイの攻撃はこれだけでは終わらない!自由な方の腕で手近なクローンヤクザ妖精の頭を掴むとそれを他のクローンヤクザ妖精に力任せに投げつける!「イヤーッ!」「ぐわーっ!」「あばーっ!」ヤヨイは跳躍を繰り返しながらタタキブツシテタオスを投擲しつつ、素手のカラテでクローンヤクザ妖精を次々と爆殺してゆく!ゴウランガ!殺戮の申し子!
◆寝休憩、短くてすまんな、本当にすまん◆
◆寝すぎた、再開する◆
「ファック!?アイツマジで駆逐艦なのかよ…化物じゃねーか!」キソは戦場を飛び回るヤヨイを見て悪態をつく。「ひるむな者共!どうせクローンヤクザ妖精達はソウル吸収装置で集めた後に再生チェンバーで蘇る!それに替えならいくらでもいるのじゃ!」トネの指示を受けた部下たちはそれぞれの敵に向かってブースト加速し肉薄!無論ネオサイタマの艦娘たちもそれに応戦する!
「姉貴だけでなくアタシ達の事も忘れんなよッ!」カコはすでにクローンヤクザ妖精の包囲網を突破しキソに接近していた!「シューッ!シュシュシュ!」そのままキソに殴りかかる!
「イヤーッ!」キソは左右の連打をブレーサーでガード!これはカコのボックス・カラテの基本ムーブメントである!鋭い連続パンチを受けたキソは防戦一方を強いられる。
「おらおらおらーッ!防御してるだけか!?」カコの嵐めいた乱打は止まらない!「そうだ…防御してるだけだぜ…」しかし防御しつつもキソは不敵な笑みを浮かべている。そして次の瞬間…カラテストレートを受けたキソのブレーサーから火炎が噴き出した!「グワーッ!?」思わず怯むカコ!
「次はコッチの番だな!オレのカトン・ジツを見せてやるぜーッ!イヤーッ!」キソは炎を纏ったカラテパンチを繰り出した!「グワーッ!」カコはガードするがガードの上からも火炎が彼女にダメージを与えている!アツイ!
「イヤーッ!」キヌに応戦していたアガノがキソに向かってゼロセンを投擲するる。援護攻撃だ!「ゼロセン?…要らないねェー!そんなモンは!イヤーッ!」しかしキソのブレーサーから噴き出した火炎が壁めいて立ちはだかった!ゼロセンは空中溶解!「ファック・オフ!そんなおもちゃのヒコーキは効かねぇッての!」
彼女は先天的にカンムスソウル由来の炎に対する耐性を備えている。ゆえに専用装備であるカトン・ナックルから噴き出す炎を間近で浴びても何らダメージは無い!そしてもちろんカラテ艤装にも装束にも防火加工が施されている、つつましやかなサイズの下着にもだ!
「いざ尋常に勝負です!イヤーッ!」ミニガンの掃射でクローンヤクザ妖精を駆逐していたフソウの元に回転ジャンプで飛びかかる影がひとつ!先程キソの火球と共にアンブッシュを行ったヒエイである。クローンヤクザ妖精に気をとられていたフソウに空中カカト落としを放つ!「イヤーッ!」
「イヤーッ!」フソウは体制を立て替えて装甲板でカカト落としを受ける。鈍い金属音と共に装甲板がひしゃげた!「そんな!オムラの装甲板が!?」クローンヤクザ妖精の一斉射撃を受けてもビクともしなかった装甲板が一撃で破損した!
「イヤーッ!」そしてそのままヒエイはショートフックを放つ!「グワーッ!」その拳はフソウのガードをすり抜け脇腹に命中!フジサンめいたカラテ艤装を装備する彼女の身体が数m後ろに引き下がるほどの衝撃である。「ぐうっ…まだまだっ!」しかし優れたカンムス耐久力を持つフソウはこれに耐え、大口径カラテ砲を発射する!「インダストリ!」
だがヒエイは真っ向からこの強力なカラテ砲弾に立ち向かう!「イヤーッ!」「なっ!!」ヒエイの放った回し蹴りはカラテ砲弾を弾き飛ばした!カラテ砲弾は海上に着弾し爆発する。フソウが驚くのも無理はない、なぜ砲弾を蹴り飛ばすような事が可能なのか?答えは…そう、カラテである!彼女の持つ恵まれたカラテセンスが成したワザなのだ!
「私はカラテがある限り負けません!かかってきなさい!」まさにノーカラテ・ノーカンムス!キョート・シテンノのひとりである彼女はグランドマスターナガトに次ぐカラテの持ち主なのだ。なお先程から彼女のスカートがめくれ上がって下着があらわだがこれは単に気づいていないだけである。なんたるストイックさか!?
一方旗艦であるカガはこの戦況を分析しながらクローンヤクザ妖精を淡々と撃ち落としていた。(まずいわね、フソウ=サンが相手している子は相当の手練。ヤヨイ=サンがいなければもっとひどい状況になったかもしれないわ…)カガを含む残りの4人でも十分すぎる任務だと思われていたが提督の指示によるヤヨイの配属は思わぬ助けとなった。
(提督、あなたは「これ」が起こるであろうと予測していたの?相変わらずの慧眼ね…)「おやおやカガ=サン?イクサの最中に物思いかのぉ?」深いクマをたたえた目を細めていたカガは一瞬で声をかけた相手に向き直る!「大した度胸じゃなぁ?思いびとの事でも考えていたのかの?」「…あなたには関係ないわ、トネ=サン」部下たちに指示を飛ばしていたトネがカガの方ににやにやとした笑いを向けていた。
「あなたの方こそ自分は安全な位置から指示するだけ?それとも指示するしか能が無いのかしら」「フン!粗野で愚鈍な闘犬同士の殺し合いは震えるほどに怖いからな。ほれ、臭いも獣じみておろう?実際たまらぬ!ゆえに私はこの位置がよいのじゃ!この位置が!」お互いカラテ以前に舌戦において一歩も譲らぬ!しかしトネは嫌味を飛ばしながらもカガのことを一片たりとも甘くみてはいない。
カガもそれは同じだった。お互いのソウルの格は相当に高い。カガは理解していた敵の中でトネが一番の実力を持っているであろうことを!「まあよい…ならばこのワシが!直々に相手をしてしんぜようぞ!」 トネは扇子を懐にいれると奇妙なカラテの構えをとった!カガも矢筒から3本の矢を引き抜き弓につがえる!
「ククク…貴殿が相当の使い手であろうとワシのジツの前ではお遊戯に過ぎぬのじゃ!カガ=サン!ワシに恐怖し、屈服せよ!」トネの身体にカラテが漲る!彼女の装備していた箱型のカラテ艤装が一斉に展開した。そこから現れたのは…おお、ナムアミダブツ!拠点制圧型超多連装カラテミサイルポッドである!
【KANMUSLAYER】
◆艦◆カンムス名鑑#40【駆逐艦ヤヨイ】ネオサイタマ・チンジフ所属。口元に豹の牙を模した白銀のメンポをつけた小柄な艦娘。10フィートに匹敵する鎖付き巨大錨「タタキブツシテタオス」の使い手。アクロバティックに戦場を飛び回る。素手のカラテも凄まじくそのワザマエはもはや駆逐艦娘の範疇を超えている。じつは最初期のメンバーであるヒュウガやカガとは同期。非常に寡黙なので仲間から怒っているのではないかとよく間違われる。◆艦◆
◆夜な?◆
◆↑今日の◆
◆ハテナマークもついてるし昨日とはひとこともいっていないのでもんだいありません。しかしまた昨日のSSのサーバーがおかしかったのでご要ぼうがあれば管理人はケジメする。始まりな◆
【KANMUSLAYER】
「ワシの力を!とくと味わえ!イヤーッ!」トネが空に向かって右セイケンヅキを繰り出す!DOUDOUDOU!!カラテミサイルが9発連続発射!すべてがカガに向かって高速接近する。なんたる悪魔的マルチプル攻撃か!
しかしカガはこれに真っ向から向かい合う。ブレのない瞳のまま一気に3本の矢を射た!「イヤーッ!」トネのカラテミサイルとほぼ同速度の矢は途中でそれぞれが3つのコウクウキに分裂!カラテミサイルと衝突し相殺破壊する!
「イヤーッ!」トネはすかさず空に左セイケンヅキを繰り出す!またしてもカラテミサイルが9連射されカガに迫る!これに対してカガは電撃的な速度で新たに3
本の矢をつがえ射た!「イヤーッ!」またしても9発すべてが相殺破壊!
カガは矢を射たコンマ1秒後にはブースト加速し瞬時にトネの側方に回り込む!そして無防備な方向から身を沈めた姿勢のまま矢を連続発射した!「イヤーッ!」
「無駄じゃ!イヤーッ!」だがトネはカガの方も見ずに右セイケンヅキを繰り出す!するとミサイルポッドを支えるアームの一つが高速旋回しカガの方向に向きなおった!DOUDOUDOU!!迎撃カラテミサイルがコウクウキと相殺破壊!
「イヤーッ!」カガはカラテミサイルの爆風に隠れながら大きく跳躍する!そして空中で身体をひねりながら…おお、ゴウランガ!矢筒から6本の矢を取り出しつがえ射た!それはすべてが4つに分裂しトネに降り注ぐ。合計24発だ!
しかしトネはその場所から一歩も動かず左セイケンヅキを繰り出す!「イヤーッ!」カラテミサイルポッド全門が頭上に高速展開し迎撃カラテミサイル発射!DOUDOUDOU!!またしてもすべて相殺破壊!
「中々やるではないかカガ=サン!たいした搭載数じゃ!」着地し再び矢をつがえるカガを見てトネは不敵に笑った。通常これだけのカラテミサイルを打てば血中カラテが尽きているであろうことは間違いない!
しかしトネに疲弊した様子はまったく見られない。トネは全ての艦娘のなかでもずば抜けた血中カラテを誇っている、ゆえにほぼ無尽蔵のカラテミサイルを生成し撃ち出すことが可能なのである!彼女の膨らむべき部分への栄養は全てカラテミサイルに本人も無意識のうちに回されているのだ!
◆平◆寝休憩、みなさんも寝なさい◆坦◆
◆アニメイシヨンは地上波版にも大きく期待を寄せているので再開する◆
【KANMUSLAYER】
しかしトネに疲弊した様子はまったく見られない。トネは全ての艦娘のなかでもずば抜けた血中カラテを誇っている、ゆえにほぼ無尽蔵のカラテミサイルを生成し撃ち出すことが可能なのである!彼女の膨らむべき部分への栄養は全てカラテミサイルに本人も無意識のうちに回されているのだ!
「イヤーッ!」しかしカガは顔色ひとつ変えずにコウクウキを射出!「イヤーッ…!」しかしカガのシャウトに重ねるようにしてどことなく控えめなシャウトと共にコウクウキが高速射出されカガの放ったコウクウキを横から撃ち落とした!敵側艦娘のインターラプトだ!
「新手…?」カガはいつの間にかトネを守るように死角から滑り込んできた艦娘を目認した。「ドーモ、改めましてズイホウです…」ズイホウはやや控えめな声で再アイサツした。
なぜカガほどの艦娘がズイホウの接近に気づかなかったのか?それは彼女が人と喋るのが恥ずかしいから喋る事もシャウトもなるべく抑えていたからだった。ズイホウは極度の人見知りである。
(中々の速度の攻撃…厄介ね)カガの相手を算段するような視線を受けたズイホウはやや眼を逸らした。視線を受けるのが恥ずかしいからだ。「そうじゃカガ=サン!ワシが直々に相手してやると言ったであろ?二人がかりでな!イヤーッ!」トネは再びカラテミサイル連射!「イヤーッ…!」ズイホウも控えめなシャウトと共にコウクウキを射出し高速旋回する!
致命的な攻撃を躱しながら飛び交うカラテミサイルを淡々と撃ち落としてゆくカガを不敵な笑みで見ているトネは内心冷や汗をかいていた。トネほどの艦娘とてコウクウキをほんの短時間であれだけ叩き込まれたのは初めての体験だからだ。
クウボ・カンムスクランの艦娘たちのカラテは型にとらわれないキュウドーである事はカンムス・カラテに精通する読者諸氏には周知のことであろう。クウボ・カンムスクランの艦娘はいついかなる体勢からでも常に己の最大威力でコウクウキを射ることが絶対的な必須条件だ!イクサの場において悠長に弓を引き絞っている暇などないのだ。仮に水上を滑りながらしっかり弓を引き絞っていたらブザマに犬死にするだけである。
◆また寝休憩、小出しに毎日更新してゆくのだなあ◆
◆な再開な◆
しかもカガのワザマエはトネの見てきた空母娘の中でもずば抜けて優れている。キョートにもこれ程の使い手はいないだろう。なのでトネは二人がかりでの力押しを抜け目なく選択したのだ!彼女の用心深さはグランドマスターの中で随一である。
(ワシのカラテミサイルとズイホウ=サンのフォローがあればカガ=サンに応戦することは十分に可能!ならば…)トネはカガに向けたミサイルポッドを一つ残し、残りの3つを上方に展開した!「ネオサイタマの三下どもめ!まとめてワシのカラテを味わうがいいのじゃ!イヤーッ!」
トネはその場でセイケンヅキ連打!DOUDOUDOUDOUDOUOUOU!上方に大量のカラテミサイルが射出され…おお、ナムアミダブツ!それぞれカラテを打ち込み合う残りの艦娘たちのイクサの場に嵐めいて降り注いだ!
「なっ…うおっ!?」そのカラテミサイルはキソのカトン・ジツを巧みなフットワークで回避しながら互角に撃ち合っていたカコめがけて飛んできた!「イヤーッ!」「グワーッ!」カコはカラテミサイルこそ躱したがキソの回し蹴りを受けてたたらを踏む!
カラテミサイルは弾幕を張りヒエイを牽制していたフソウにも接近する!「イヤーッ!」フソウは残った左装甲板でなんとか受けるが左装甲板破壊!「イヤーッ!」フソウの砲撃を回避し続けていたヒエイは一気に接近し拳を打ち込む!「イヤーッ!」フソウは自らの腕でそれを防ぐ!しかしこの交戦距離はカラテ砲撃によって場を制圧するフソウにとって圧倒的に不利だ!
そしてこの嵐のごとく降り注ぐ破壊の雨の中、ズイホウのコウクウキを撃墜していたカガの視界は捉えていた。「…!」カラテミサイルが直撃し、弾け飛ぶアガノのカラテ艤装が。
【KANMUSLAYER】
◆艦◆カンムス名鑑#41【重巡洋艦トネ】キョート・チンジフ所属、グランドマスター位階の艦娘。恐るべき暗黒カラテミサイルの使い手でありその圧倒的な制圧力は1人で1小隊並みの戦力を誇る。尊大な性格でよく胸を逸らして威張るが平坦である。また私生活は妹のチクマに大きく頼っている。好きなものはアイスとラムネ、嫌いなものは豊満な女性(妹は除く)◆艦◆
◆シヨンは最終回、更新は明日か明後日な◆
◆アニメシヨンの天狗リアリティショックがヘッズたちのずのうを焼いた。作者もニューロンがそん傷しましたが更新します◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「グワーッ!」アガノはひざをついた。彼女は突如として体の全身から力が抜けていく感覚を自覚する。しかしまだ自身の理解は追いついていない、それほどにカラテミサイルの攻撃は意識外からの攻撃であった。
(だ…め…まだイクサは…!)アガノがなんとか立ち上がろうとしたその時、すでにアガノと交戦していたキヌがワン・インチ距離まで接近していた!
「もらったぁーっ!イヤーッ!」キヌの両腕に装備されたダブルキャノンブレーサーによるダブルキャノン・ダブル・ポン・パンチが直撃!「グワーッ!」アガノはワイヤーアクションめいてなすすべもなく吹き飛ばされた!
「アガノ=サン!」フソウが吹き飛ばされるアガノへの追撃を防ごうとせんとするがフソウはヒエイへの応戦を強いられている。それは他の仲間たちも同じだった、援護攻撃もできないほどに敵艦娘たちの攻撃は激しさを増していたのだ!
そして吹き飛ばされるアガノに降り注ぐのは…おお、ナムアミダブツ!追撃カラテミサイルだ!もはやアガノには避けることも、防ぐこともできなかった。「サヨナラ!」再びカラテミサイルが着弾したアガノは爆発四散した。
「そ、そんな!!」「う…うおおおーッ!アガノ=サンーッ!!」フソウとカコの叫びも虚しくアガノは装束はボロボロになり意識を失い、海を漂っている。大破してしまった艦娘がその場で復帰する事は絶対的に不可能なのである。
「マイッタカ!これがあたしの暴力!あたしのカラテと暴力が組み合わされば実際三倍の凄さになるんだ!」キヌは威圧的にダブルキャノン・ブレーサーを打ち鳴らせる。「ハッ!これで多対5から多対4になったというわけじゃ。多対0になるのも時間の問題じゃな!」トネも威圧的に胸を逸らし、ズイホウを蹴り飛ばして体勢を整えたカガを見やる。
「…そう、大した問題じゃないわ。戦力が多少減っただけよ」カガの返答はぞっとするほど冷淡であった。しかし彼女の目の色は明らかに変わり、手に持った弓が小さく軋むがそれに気づく者は彼女自身以外誰もいない。
◆朝に続く◆
◆>>105でアガノは爆発四散ではなく大爆発四散しました。訂正ケジメして再開します◆
(仲間がやられたというに顔色ひとつ変えないてか…!流石噂どおりの冷血空母娘じゃの)カガのわずかな変化に気づくよしもないトネは余裕を感じさせつつも警戒を解かない。再びカラテミサイルポッドをカガに向けて展開する。
「フン!その減らず口もここまでゆくと滑稽じゃ!そろそろワシのカラテミサイルの真髄を…」「イヤーッ!」その時である!再びカラテミサイルによる制圧攻撃を行おうとしたトネの50m後方で鋭いシャウトが響き渡った!
そのシャウトの主はオバケめいた大きさの鉄塊を肩に担いだまま大きく跳躍したのだ。そう、すでに大量のクローンヤクザ妖精を80%近くまで殲滅したヤヨイである!
しかし凄まじいカンムス跳躍力を持つヤヨイといえどトネとの距離を詰めるには1度の跳躍では不可能だ。(ついに来たか…しかし貴公の英雄譚もここまでじゃ!)トネはヤヨイ側に向き直るとカラテミサイルポッドを次のヤヨイの予想着地地点に照準を合わせた!
だが!「イヤーッ!」ヤヨイがトネの予想着地地点に降りてくることはなかった。「何!?」ヤヨイは空中で跳躍を繰り返しながらこちらに接近している!しかし艦娘の中に誰一人とて空中を蹴ることができる者などいるはずがない。ヤヨイのジツか!?
しかしこれはヤヨイのジツなどではない!おお、見よ!ヤヨイの足元を!「あばーっ !?」「ぐわーっ!?」ヤヨイの足場になっていたのはもはや涙目になって後退していた哀れな残りのクローンヤクザ妖精たちである!ヤヨイは次々とクローンヤクザ妖精を海に蹴落とし爆殺しながらトネの方向に向かって跳躍を繰り返しているのだ。伝説の艦娘、ブル・ヘイケを思わせる驚異的なムーブメントだ!
「ヌウーッ!コシャクなことを!イヤーッ!」トネは空中10mまで迫ったヤヨイに対しカラテミサイル迎撃!アブナイ空中では限りなく無防備だ!
「イヤーッ!」しかし空中で身をひねったヤヨイにはカラテミサイルは当たらぬ!その腕に10フィートにも達する得物を持っているとは思えないほど流麗にカラテミサイルを回避し、その間をかいくぐりヤヨイはタタキブツシテタオスを両手で掴むと尋常ならざる膂力を込めトネの頭上から叩きつけた!「イヤーッ!」
この瞬間、味方だけでなく敵でさえもトネがネギトロになるであろうことを予感する。それほどにヤヨイの攻撃は絶望的であった。このイクサはネオサイタマの英雄たる彼女が終止符を打つのか!?
SPLAAAAAAAAAAASH!!攻撃の余波により海面から大きく水しぶきが上がった。水しぶきが収まった、そこには無残にネギトロ大爆発四散したトネの残骸が…否!そこに居たのはネギトロ死体などではなかった!ただトネは口元を再び口元を扇子で仰ぎつつ、にやつきながら立っているのである!
なぜヤヨイの絶望的な攻撃に対しトネは無傷なのか?その答えを知るには読者諸氏にはヤヨイの持つタタキブツシテタオスに注目して頂きたい!打ち付けられたタタキブツシテタオスはトネの数十センチ手前で止まっている、まるで見えない壁に阻まれているかのように。
しかしさらに目を凝らせば見えてきたはずだ。トネの1mにも満たない周囲には球状の濃密カラテ粒子空間で包まれている、カラテバリアだ!「愚か者めが!ワシのカラテ粒子は防御に転ずることも可能なのじゃ!」ヤヨイはタタキブツシテタオスにさらに力を込める!「イヤーッ!」だがカラテバリアはビクともしない、なんたる絶対防御か!
「効かぬといっておるのじゃッ!イヤーッ!」扇子を再び懐に入れたトネがセイケンヅキを打つとカラテバリアが発光し炸裂!「グワーッ!」ヤヨイはタタキブツシテタオスごと大きく吹き飛ばされる!「姉貴ーッ!」イヤーッ!」だがヤヨイは吹き飛ばされながらも前方にタタキブツシテタオスを投擲し急ブレーキ!大きく水しぶきを上げながら着水する。ヤヨイ自身にはダメージこそないが再びトネとは距離を取られてしまった。
恐るべきはトネの尋常ならざる血中カラテだ、トネのカラテバリアタタキブツシテタオスの一撃にも耐えてみせるというのか!?そう、可能なのだ。彼女の膨らむべき部分への栄養すらもカラテバリアに回すことでトネの壁めいた身体から生み出されるカラテの壁は想像を絶する程に硬い!硬いすぎるのだ!「善哉!貴公らの反撃はモハヤコレマデ!安心して…滅びよッ!!」トネのカラテミサイルが再び火山弾めいて戦場に降り注いでゆく!
【KANMUSLAYER】
◆最近忙しかったのでニューロン加速そうちによる作者の強化を試みている。成功すれば頻度があがるとおもいます。失敗したら次の作者を使うのでごあんしんください。以上です。◆
◆…10110加速して01いる010110101◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【KANMUSLAYER】
(これまでのあらすじ: この広範囲の海域はネオサイタマとキョートのほぼ半ばに位置する海域であり二つのチンジフの合同演習やシンスイシキ・リチュアルの行われる聖なる海域である。しかしこの場に響き渡っていたのは演習などではなく本物のイクサにおける壮絶なるカラテであった!)
「グワーッ!」鉄壁の守りを誇るフソウがよろめいた!ヒエイのチョップが左ミニガンに命中し破壊されてしまったからだ。一方のヒエイにも疲労の色こそ見え始めているがフソウに比べるとまだ余裕があるような面持ちである。
「ハァーッ…!残念です、やや卑怯な状況であなたと戦うのは」フソウは時折飛来するカラテミサイルに対応を強いられている。そのせいでヒエイに決定打を与えられないでいるのだ。「構うものですか…イクサはイクサ!そこには卑怯などという概念は存在しませんわ!」フソウは己を強いてカラテを構えなおす。
この2人の性格はある意味同じであった。正々堂々正面から相対し、一方はカラテで、もう一方はインダストリで殲滅するのがやり方である。だが容赦なきイクサの場においては自己のセイシンテキを投げ捨てても敵を打ち破らなければならないのだ。でなければその先に待つものは無残な大爆発四散である!
「イヤーッ!」「グワーッ!」そして別の場所でも容赦なきカラテは続いている!キソのカトン・ストレートがカコを捕らえたのだ。「グワーッ!」カコは海面を水しぶきを上げながら吹き飛びカラテ艤装は小爆発四散!「捕らえ…たぜェー…!クソが…!」一方のキソも何発かボックス・カラテの一撃を食らったようで荒い息を吐いている。
そしてカラテミサイルのほぼ半数ずつをヤヨイ、ズイホウと戦っているカガに向かって連射していたトネはひとつのイクサが終わりに近づいてくるのを確認した静かにほくそ笑んでいた。(ワシの血中カラテといえど多少の充填は必要。しかし奴らは数を減らしたカラテミサイルでも十分押し切られつつある!それに…)
トネはズイホウの戦うカガに視線を移す。カガはほぼ半数のカラテミサイルとズイホウの高速攻撃に対し互角に応戦している。恐るべきカラテであることはトネも認めざるを得ないがトネは予測していた、カガの血中ボーキ成分は無限ではない!つまりガス欠が近いということを予感していたのだ!
そしてトネの目は捕らえたのだ、カガの放ったコウクウキがわずかに弾速が落ちている事を!(来たッ!行けキヌ=サン!奴の後ろから叩き込んで沈めい!)「ヨロコンデー!」トネの漆塗り小型IRCからの通信を受け取ったキヌはヤヨイへの攻撃の手を止め、ズイホウに応戦しているカガに急速接近してゆく!
しかしカガは急速接近するキヌに気づいている様子はない、ズイホウの連続カラテチョップを捌いている最中でありキヌの方には視線を向けていない!「殺ったァーッ!イヤァアアアアーッ!!」キヌはダブルキャノン・ダブル・ポン・パンチをカガの背中に向けて繰り出した!
◆寝休憩◆
◆再開する◆
しかしカガは急速接近するキヌに気づいている様子はない、ズイホウの連続カラテチョップを捌いている最中でありキヌの方には視線を向けていない!「殺ったァーッ!イヤァアアアアーッ!!」キヌはダブルキャノン・ダブル・ポン・パンチをカガの背中に向けて繰り出した!
「ヤッター!暴力のおかげでキンボシ・オオキ…」キヌが勝利を確信した瞬間、キヌの拳は宙を切っていた。「イ…だっ、え?」そして唖然としたキヌの眼前数センチには拳があった。無論キヌの拳ではない!カガの拳である!
「イヤーッ!」「アッバーッ!?」CABOM!!ナムアミダブツ!カガの拳がキヌの顔面に到達した瞬間、小爆発が発生しキヌはあまりの衝撃にキリモミ回転し海面にほぼ平行にワイヤーアクションめいて吹き飛ばされた!「んなっ…何じゃとおおおおおーッ!?」トネは目を剥いて驚愕!今のほんの僅かな瞬間に何が起こったのか!?
時間を数秒前に戻してみよう。カガはキヌが自らの背後に来たタイミングにズイホウをチョップの間をかいくぐりカウンターパンチで吹き飛ばし、さらにその反動を利用しキヌの攻撃を躱すと共にクウボ・カンムスクランのヒサツ・ワザの一つである超至近距離でコウクウキ・バクをセイケンヅキに重ねて放つ、バクセンキ・ケンを繰り出したのである!
「グワーッ!あたしの暴力がグワーッ!通じないなんてグワーッ!?」顔面が黒コゲになったキヌはキリモミ回転しながら絶叫する。そして心の中でアプレンティス時代のメンターであったジュンヨウの助けを請うた。(うわあああーん!マスター・ジュンヨウ=サン!わたしに道を示してくれーッ!!)
そしてキヌのニューロン内に現れたジュンヨウはこう語りかける。((ヒャッハー!何事も暴力で解決するのが一番だぜ!))しかしこの状況は暴力ではどうにもならなかった。「サヨナラ!」キヌはキリモミ回転を続けながら大爆発四散した。
(ばかなッ!あの状況からキヌ=サンを大破させるとはなんというワザマエ…!まさか弾速が落ちていたということもブラフてか!?)しかし唖然とするトネをよそにカガはガクリと膝をついてしまった。
(…む?)カガは頭を振って立ち上がるズイホウに追撃もせずに荒い息を吐いている。(ボーキ切れ…どうやらそれはブラフではないようじゃなぁ〜!)ナムサン!いかな優れた搭載数を誇るカガといえど血中ボーキ成分は有限である。おびただしい数のカラテミサイル、クローンヤクザ妖精、ズイホウのコウクウキを撃ち落とし続けていればアウトオブ・アモーは避けられぬのだ!
(まずい…わ…早く補給を…)カガは胸元から何かを取り出そうとするが手が震えもつれてしまう。ボーキ中毒の末期症状だ!「死ね!カガ=サン!イヤーッ!」DOUDOUDOUDOUDOU!!勝利を確信したトネはヤヨイへ向けていたカラテミサイルポッド全門をカガに向け、一斉射撃する!
「!」切磋にカガは防御しようとするがそのような事が無意味なのは残酷なほど十分に理解していた。これだけのカラテミサイルを食らえば大爆発四散が避けられぬはずがない!「はーっはっはっはーッ!勝ったッ!旗艦が大破すればモンドムヨーで我々の勝利なのじゃあーッ!!」トネは瞬時に懐から扇子を取り出し高速で扇ぎながら高らかに勝利宣言した!
だがその時である。着弾しようとするカラテミサイルとカガの間に何者かが突如インターラプトした。それはフジサンめいた巨大な影であり…カラテミサイルは吸い込まれるようにフジサンめいた巨大な影に全弾着弾!「グワーッ!」苦悶の声と同時にカラテ艤装の部品が周囲に弾け飛んだ!
(…は?)トネはポロリと扇子を取り落とした。何が起こったのだ?トネの目の前には大爆発四散したカガがブザマに海に浮かんでいるはずだった。しかしそのフジサンめいた巨大な影は不屈めいて自分とカガの間に立ちふさがっている。
目を大きく見開き硬直していたカガはやがて絞り出すように、自分を護った仲間の名を呼んだ。「…フソウ=サン…」口の端から血を垂らし、カラテ艤装は完全に大破し、装束が引き裂かれてもなお、フソウはカガに向けて微笑んだ。「無事で…なによりですわ…!」
この時、敵味方どちらの艦娘もクローンヤクザ妖精でさえも攻撃の手を止め、今起こった出来事に目を向けていた。「がはっ!本当に…残念なのですわ…」フソウは血を吐きながらも倒れようとはしない。「オムラのインダストリの存在意義は…艦娘を、仲間たちを、チンジフを守るためにある!けれど…ひとりは守れなかった…!」
「………」フソウに向かい合うカガは雷に打たれてしまったように微動だにしない。「だからもうこれ以上は誰も傷つけさせないのですわ…私がどうなろうとも!オムラ!そしてネオサイタマ・チンジフ!バンザイ!」そしてフソウはガクリと膝をつき自らのチンジフとオムラ本社の方向に倒れ、大爆発四散した。「サヨナラ!」
沈黙が支配したイクサの場で、最初に動いたのはフソウに向き合っていたカガであった。「………」カガは何も言わずに立ち上がり、自分達の敵であるトネを見た。(ッ…!?)カガに視線を向けられたトネはソウルに直接カタナを突きつけられたような恐怖心を味わった。もはやカガは怒りを隠そうとしなかった。なんとか押しとどめていた感情は行き場を無くし、溢れ出している。
「…そうね、もう誰も傷つけさせたりしない、あの時みたいに」カガは誰ともなくつぶやいた。いつの間にかその手には3本の注射器が握られている。「だから、そのために…」異常なアトモスフィアを感じ取ったキョートの艦娘たちはほぼ同時に条件反射めいてカラテの構えをとる!そして彼女は…3本の注射器を自分の首筋に突き刺した。「…貴方たちを直ちに殲滅する」
【KANMUSLAYER】
◆艦◆カンムス名鑑#42【空母ヲ級】シンカイセイカンヤ所属。シックスゲイツ直属の深海凄艦娘。その謎めいた瞳からは感情を読み取るのは困難でありその真意は測り難い。通常の深海凄艦娘でありながらシックスゲイツの面々に匹敵するかそれ以上の実力を持つとされ、触手アームから悪夢的な数のコウクウキを撃ち出す。接近戦では触手カラテにより敵を殲滅する。ちなみに帽子型カラテ艤装は脱げる。目を開けたまま寝る謎の癖がある。◆艦◆
◆午後な〜◆
◆朝をまたぐだろうかと思われる◆
◆◆◆◆◆◆◆◆
【KANMUSLAYER】
カガの美しい首筋に突き刺された注射器のシリンジから正体不明の液体が彼女に流れ込んでゆく!「ンアーッ!!」カガはうめき声をあげ、びくりと身体を震わせた。「ぐ…無駄なあがきをしても無意味じゃ!いくらBKTアドレナリン(注釈 : バケツアドレナリン)を使おうとて…すでにそちらの戦力はロウソク・ビフォアザ・ウインドであろ!?」確かにトネが言った通り注射器の中に入っていたのはBKTアドレナリンだ、しかしそれは「半分」だけである。
カガの使用した注射器の中にはBKTアドレナリン、そして純正ボーキ成分が配合されている。しかもそれは純度100%に達する!本来ならば心停止に陥った時にでもないと使わないほど強力な薬だが、それを彼女は3本も使ったのだ。致死量の一歩手前である!
「ハァーッ…!ハァーッ…!」ゆっくりと顔を上げたカガの目は真赤に血走り、ブッダデーモンめいた輝きを湛えている。(ヒッ!)その目を正面から受けたトネは失禁しかけ、思わず内股になる。(なんという気迫ッ…これは…まるで!)トネは恐怖を振り払うように頭を振ると部下たちに指示を飛ばした!「何をやっておるか!三人がかりでカガ=サンを囲んで棒で叩けィ!」彼女の指示を受けたヒエイ、キソ、そしてズイホウは猛然とカガに襲い掛かった!
先陣を切ったのはヒエイだ!「イヤーッ!」カガを回転トビゲリで強襲する!「…イヤーッ!!」しかしカガはその攻撃に対してその場から一歩も動かず、爆発的な速度で手を繰り出しヒエイの足をつかんで回転トビゲリを止めてみせた!「なっ!?」「イヤーッ!」「グワーッ!」そしてヒエイの足を持ったまま海面に叩きつける!「イヤーッ!」「グワーッ!」もう一度叩きつける!ヒエイは衝撃あまり海面をトランポリンめいてはじけ飛ぶ!「グワーッ!」
「ブッダファック!クスリキメたくらいで調子にのんじゃねーッ!」カガの側面に回り込み、キソの振りかぶった足から炎が噴き出した!カトン機構は足にも搭載されている!「イヤーッ!!」キソは爆発的な速度のカトンブーストキックを放った。「イヤーッ!」しかしカガはこれを爆発的な速度でブリッジ回避!「イヤーッ!」「グワーッ!」そしてその姿勢からムーンサルトキックを放ちキソの顎を蹴り上げた!キソの身体が数センチ浮き上がる程の威力である!
しかしカガに襲い掛かった敵は三人であり攻撃の手は未だ止まぬ!ズイホウはカガの頭上に跳躍していた。「…イヤーッ!」ズイホウがやや強めのシャウトと共に放った矢が4機のコウクウキに分離!コウクウキは旋回し、カガを四方向から包囲するように突撃した!ズイホウがこの動作にかかった時間はわずかコンマ7秒、マスター位階のワザマエは伊達ではない!
「イヤーッ!」だがこれも加速するカガのニューロンにはスローモーション同然の速度でしかなかった。跳躍したカガは空中スピンキックでコウクウキ4機すべてを叩き落とす!「イヤーッ!」ズイホウのコウクウキ・ジツ破れたり!さらにカガは空中で無防備なズイホウを放ったコウクウキで逆に撃墜してみせた!「イヤーッ!」「グワーッ!」ズイホウはウケミもとれず、海面に叩きつけられ苦悶!「グワーッ!」
おお、ゴウランガ!何たる空母娘の型にとらわれない変幻自在かつ神がかりなカラテか!3人の手練れを相手にしてもなお、カガは圧倒している。BKT成分とボーキ成分の過剰摂取によりブーストされたカガの身体能力は駆逐艦娘並みに早く、軽巡洋艦娘の並みに軽やかで、戦艦娘並みに力強いのだ。
さらに普段はイクサの邪魔にならないように巻いてあるサラシは千切れ、装束の上からでもあからさまである豊満な胸がカガのムーブメントに合わせて激しく揺れる!何たる躍動感であろうか!
「ヌウウーッ!貴公の反撃もそこまでじゃ!ワシのカラテミサイルで今度こそ!」歯・みしていたトネは3人を相手取るカガにカラテミサイルの照準を向けようとした。だが!「イヤーッ!」鋭いシャウト共に巨大な鉄塊がトネに向かって投擲された!「なッ!?イヤーッ!」トネは辛うじてカラテバリア展開防御!凄まじい衝撃でトネは数メートル後ろに後退する。
(ぐうっ!この攻撃は…!)トネはその巨大な鉄塊、タタキブツシテタオスの飛んできた方向を睨みつけた。そう、タタキブツシテタオスに繋がる鎖の先を握っていたのはネオサイタマの英雄と名高いヤヨイに他ならない!「イヤーッ!」ヤヨイは尋常ならざる膂力で得物を片手で引き戻した!
「無駄なことを!いくら攻撃してもワシのカラテバリアは…」「イヤーッ!」トネの言葉を待たずヤヨイは再度タタキブツシテタオスを投擲!「イヤーッ!」しかしトネのカラテバリアに阻まれはじき返される!
「無駄なことを!いくら攻撃してもワシのカラテバリアは…」「イヤーッ!」トネの言葉を待たずヤヨイは再々度引き戻したタタキブツシテタオスを投擲!「イヤーッ!」しかしトネのカラテバリアに阻まれはじき返される!
「無駄なことを!いくら攻撃してもワシのカラテバリアは…」「イヤーッ!」トネの言葉を待たずヤヨイは再々々度引き戻したタタキブツシテタオスを投擲!「イヤーッ!」しかしトネのカラテバリアに阻まれはじき返される!
「無駄なことを!いくら攻撃してもワシのカラテバリアは…」「イヤーッ!」トネの言葉を待たずヤヨイは再々々々度引き戻したタタキブツシテタオスを投擲!「イヤーッ!」しかしトネのカラテバリアに阻まれはじき返される!
何度もカラテバリアに阻まれようと投げる!投げる!ヤヨイは投げ続ける!ヨーヨー・トイを扱うが如く何度も何度も叩きつけてゆく!「ぐううううーっ!動けん!いい加減にするのじゃーッ!」しかしトネがいくら防御しようとヤヨイは手を止めぬ!「う…おお…!カガ=サンの邪魔はさせねえぞーッ!」ダウンしていたカコもダメージを顧みず立ち上がり、防戦一方のトネにカラテ砲連射!トネはカラテミサイルはおろかその場から一歩も動けない!
「イヤーッ!」「グワーッ!」その一方でカガはいまだ三人の艦娘を圧倒していた。重いカラテ・ストレートを食らったキソは吹き飛ばされて小爆発四散した!しかしキソをフォローするためにヒエイとズイホウが立ちはだかった。「イヤーッ!」「イヤーッ…!」ヒエイはゼロセンを投擲し、ズイホウはコウクウキを射る!
しかしカガはわずかに身をそらすだけでこの攻撃を回避し、最大搭載数まで補給された矢筒に手をかける。そして弓にかけられたカガの手には!おお…ブッダも照覧あれ!その手に握られていたのは10本の矢であった。その10本すべてを引き絞り、カガは一度に撃ち出した!「イヤァアアアアアアーッ!!」
ゴウ!空を切り裂くような音とともに矢は一本につき4機に分裂!計40機のコウクウキが3人に一度に襲い掛かった!「「「イヤーッ!!」」」3人は辛うじて後転回避するがコウクウキから発生した空気の刃が3人の装束のみを切り裂いた!半裸!「「「ンアーッ!!」」」そしてなおも飛び続けていたコウクウキ40機は3人の先にあった巨大な岩に大穴を穿ち消滅した。
「うううっ…!」なんとか体勢を立て直したズイホウが顔を上げると恐るべきヒサツ・ワザを終えたカガと目が合った。その赤く輝くようにも錯覚される目に睨み付けられるがズイホウは勇気を振り絞り、弓に矢をつがえる!カガもほぼ同時に弓に矢をつがえ、両者同時にコウクウキを射た!「「イヤーッ!!」」
そう、同時に一本の矢を射た。少なくともズイホウにはそう見えた、そう見えたはずだったのだ。お互いの放った矢から変化したコウクウキは相殺破壊された。しかしそれは「1機」だけであり、ズイホウの伏し目がちな目に映ったのは衝突時の小さな爆炎から出てきたのは自分に向かってくる「2機」のコウクウキだった。
(…え?ナンデ?撃ち落した、はずじゃ)ズイホウを驚愕が襲うよりも先に2機のコウクウキはすでに彼女の懐に到達していた。ズイホウの平坦な胸の前で小爆発が2度起こる。「……う…あ…」ズイホウは声にならない叫びを上げ、崩れ落ちた。「あなた、結構素早いみたいね」
崩れ落ちたズイホウに向けているカガの目は凄まじく、容赦なきアトモスフィアを放っている。「でも悪いわね、あなたがひとつ撃つ間に…わたしは3つ撃てる。それだけよ」この時ばかりは普段は仲間と話す時でも、自分の姉妹と話す時でさえもあまり小さい声しか出せないズイホウでも大きな声を出すことができた。ソウルの叫びめいて。「…サヨナラ!」ズイホウは大爆発四散した。
【KANMUSLAYER】
(親愛なる読者の皆様へ : 最近誤字脱字インシデントが多発の傾向ににありますがニューロン加速そうちの副作用とは何ら関係ないと思う。さらに研修を重ねていくことでモーター作者・改善になるようにしてゆくだろう。以上です)
◆艦◆カンムス名鑑#43【重巡洋艦スズヤ】キョート・チンジフ所属。グランドマスター位階。古代ローマカラテの正統後継者。彼女はグランドマスターの中でも新参だが強気な自信にそぐわぬ恐るべきかつ油断ならぬ使い手。ネオサイタマの提督に恋文を送ったことがあるのは黒歴史である。◆艦◆
◆午後な◆
◆実際今日の午後◆
KANMUSLAYER】
ーーーーーーそうだ、あの日からだ。あの日からすべてが変わったーーーーーーーー
硝煙の匂い、破壊の限りを尽くされた中央司令室、倒れ伏せる仲間たち。もう戦える者など残っていなかった。自分を攻撃から庇って大破したヒュウガを抱いた彼女は絶望していた。
そして決して逃げまいと歯を噛み締めて立ち向かう「あの人」に伸ばされる白い手、その手の持ち主の赤く光る瞳、口元に浮かぶ邪悪な笑み、彼女は何もできなかった。恐怖という感情が彼女を支配していた。
何もかもが終わろうとしていたその時、涙を流し続ける彼女の瞳に映ったものがあったのだ。それは春のつむじ風めいて「あの人」を手に入れんとしていた者に躍り掛かった。その桜の髪飾りには、桜の首飾りには確かに見覚えがある。そうだ…あの時、わたしは
「…ゴホッ!ゴホーッ!」突如としてカガは大きく咳き込んだ。とっさに口を覆った手の平には血がついている。その鮮烈なまでの赤さは幸か不幸か、彼女に現実感を取り戻させたのだ。
「チクショウ…クソッタレ…!」「ズイホウ=サン…くっ!」残る二人に視線を戻し、口を拭いながらカガは何が起こったのか思い出そうとした。(今…のは?)ズイホウを大爆発四散させたその直後から記憶が混濁していた。それはほんの僅かな瞬間でしかなかったがあのソーマト・リコールめいたものは何だったのだろうか?ボーキ成分の過剰摂取のせいで起こった幻覚だったのだろうか。
しかしこの過去の幻視はボーキ成分の過剰摂取により様々なセイシンテキが混ざり、溶け合うカガのニューロンに混ざり合い、やがて消えた。(そんなことより残りは二人…そうすれば、最後は)
だがまさにこの時カガの身体はすでに危険な状態にあった。彼女の今の状態は言わば壊れかけの車に無理矢理ニトロエンジンを積み込み、トップスピードで走り続けている状態と同義である。その車がいずれ爆発炎上してしまうであろうことは想像に難くない!
残る二人をカイシャクせんとして鬼気迫る表情で歩を進めるカガには自分の身体が大爆発四散寸前まで迫っていることに気づいていない。BKT成分による鎮痛作用が身体の痛覚を麻痺させているのだ!
このままではカガは残る二人ともに刺し違える、もしくは最悪の場合実際死ぬだろう。しかしカガは再びヒビの入った弓に矢をつがえている!おお、ナムアミダブツ!誰かカガを止める者はいないのか!ブッダよ寝ているのですか!?
「…ザザ…重点…ザザ…重、点な!!」その時である!着信を知らせる電子音声が今まさにコウクウキを射んとしていたカガの懐から鳴り響いたのだ!(.…え?)カガは手をピタリと止め、硬直した。
「ザザ!緊急事態につき強制通信モードな!」『…こちらネオサイタマ・チンジフの提督だ。』「!!」そしてカガのIRCから聞こえた声は他ならない!自分たちの司令官、提督の声であった!「敵の通信…?」「イクサの最中に…電話かよ!ナメやがッて!」カラテ警戒する二人に目もくれず、カガの意識はIRCに釘付けである。
『状況は把握した。アガノ=サンとフソウ=サンのバイタルサインを確認したが大破したようだな…』「それ…は…」しかしなぜこの状況で通信機能が回復したのか?それは先ほど大爆発四散したズイホウが持っていたIRCジャマーが大爆発四散の余波で破壊されてしまったからだ。
「…ですが戦闘は継続できます。残りの敵は3人、こちらの残存戦力も3人です…!勝機は」『ダメだ、直ちに撤退しろ』再び戦闘を継続しようとするカガに告げる言葉はつとめて冷静であり、有無を言わせぬアトモスフィアを放っていた。
「し、しかし!それではこの海域を放棄する事になってしまいます!」『ダメだ、お前たち3人のバイタルも確認したがカコ=サンも危険な状態だがお前はそれ以上に危険だ。戦闘をすぐさま放棄しろ。』提督はカガの申し出に聞く耳を持たない。カガはなおも必死に言葉を続けた。「このままでは…アガノ=サンとフソウ=サンのカタキを討てません…!私は大丈夫です!だから…」
『ザッケンナコラー!!』しかし次の瞬間、IRCから鳴り響いたのは凄まじい怒声と何かの破壊音であった!その声を聞いたカガはビクリと震え、その表情はみるみるうちに狼狽し、激しく叱られた子供めいて崩れ始めた。「…あ…う…ああ…」震える言葉は言葉にならない。
『これ以上お前たちが…お前が傷つくことは絶対に許さん!今すぐ!直ちに!帰投しろッ!!』提督が声を荒げることなどほとんどないことである。それほどまでに提督の声には絶対的な響きがあった。「…………了解、しました…」そしてカガから発せられた声は極めてか細く、弱々しかった。
そしてトネをカコと共にその場に押しとどめていたヤヨイはやおら片耳に手を当て、一歩後退した。そしてこのイクサで初めて言葉を発した。「カコ=サン。潮時よ。撤退命令が出たわ」
「姉貴!?」「提督からの命令、これ以上は蛇足」そして、「イヤーッ!!」防御を続けるトネを牽制するようにタタキブツシテタオスを打ち振るとヤヨイは踵を返した。
「ハァーッ…ハァーッ…!待ってくれよ姉貴!もう少しで二人のカタキを取れるのに!!」しかしフソウをおぶさり、得物を持たぬ方の手でアガノを担いだヤヨイは何も言わずにカコを見た。「わ、わかったよ姉貴…だからそんなに怒らないでよ…」「別に怒ってないわ」カコがトネを振り返りながら後に続く。トネは追わぬ。
(なんじゃ?彼奴らが後退してゆく…?)有利の状況にあったにも関わらず撤退してゆくネオサイタマの艦娘たちを見てトネは訝しんだが、それはすぐさま勝利の愉悦へと変わった。「ククク……はーっはっはっはっはっはっ!!!見よ者ども!彼奴等が這う這うの体でブザマに逃げてゆくぞッ!!」トネは扇子を海に落としたことも忘れ高笑いしながら腕を高速旋回!しかしその手に扇子はない。
「ファック!待ちやがれあの女!目がムカつくんだよ!目が!」「落ち着いて下さいキソ=サン。逃げる敵は追っちゃダメですよ!いくら悔しいからって」「悔しくねェし!」ヒエイはキソをなだめている。岩場のかげで震えていた残りのクローンヤクザ妖精たちが恐る恐る顔を出し始めた。「多少のインシデントはあったが我々キョート・チンジフの勝利には変わりなし!ワシがいる以上は当然の勝利なのじゃーッ!はーっはっはっはっはっはっはーッ!!」凄惨たるイクサの後に響くのはトネの高笑いのみである。
「…通信を終了する」その戦場から数100キロ離れたネオサイタマ・チンジフの中央指令室、提督は虚脱したように椅子にもたれかかった。指令室は静まり返っている。「あ、あの…提督=サン…」秘書艦代理のタカオがおずおずと話しかけようとするが提督はすぐさま返事をした。「すぐに補給部隊を向かわせろ。大破した者が二人いる、大至急だ」「は、はいっ!」指令室にいる艦娘たちは慌てて業務に戻ってゆく。
(カガ、お前はまだ過去に囚われているのか…?いや、それは俺も…か)提督はしばらく椅子から動かなかった。しかし軍帽を被り直すと部下たちへの指示に戻っていった。
「ハァ…ハァ…うう…」撤退を続けるカガの顔には美しい顔にそぐわない怯えた表情が浮かび、がたがたと震え続けている。カコが声をかけようとするがヤヨイは静かにそれを遮る。「あの時、あの時、何故私は…!」うわ言めいて呟くカガの瞳からとめどなく涙が溢れ出し、海に落ちていった。
【KANMUSLAYER】
◆朝な〜◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【KANMUSLAYER】
キョート・チンジフ、「円卓の間」
円形の豪華な装飾を施された広間の頭上には黒曜石を切り貼りした巨大な腕を持つ化け物を討ち取る伝説の艦娘がレリーフされている。この円卓の間での雑務を負うのはキモノを着たクローンオイラン妖精たちである。彼女たちの瞳は激務のせいでマグロめいて死んでいる。
円卓のザブトンにアグラ、または正座している艦娘たちの顔は緻密に計算された照明角度によって覚束ない影となっている。彼女たちはチンジフの中枢、グランドマスター位階の恐るべき手練れたちである。そして最も高くなっているザブトンの上にちょこんと座っているロードの前に跪くのはそのグランドマスターのひとり、トネだ。
「ご機嫌麗しゅう、マイロード…このトネが見事作戦をA勝利で収めてきたのでございます!」盛った!彼女は戦果を大幅に盛ったのだ。昨日のイクサはどう考えても戦術的B勝利がいいところである。しかしそこに知略を巡らすのがトネのやり方だ!「ウン、クルシュナイ」ロードはゼロセン・トイで遊ぶのに夢中だ。
「ロードは大儀であったとおっしゃっています」「ハハーッ!アリガタキシアワセー!」言葉を代弁したタイホウの言葉にトネは深々と頭を下げた。しかしその下げた顔には他人には見せられないくらい愉悦に崩れた顔があった。(ハハハハーッ!!ヤッタ!ヤッタのじゃ!キンボシ・オオキイ!オオキスギルぞッ!これでワシの評価はウナギ・ライジングなのじゃーッ!!ウハハハーッ!!)トネは今すぐ扇子で仰ぎたい衝動に駆られる!
「ハッ!やるではないかトネ=サン!」「ウン、がんばったね」「Grazie!(ありがとうございました)制圧した海域は我々のチンジフの経済と株価において良い効果をもたらすでしょう」「良いわね、Danke!」「やるじゃーん」「カラテがない癖に中々だな!」他のグランドマスターからも賞賛の声が上がる。「ククク…!オソレイリマス…」トネは愉悦を堪えられずに口元を歪めている。
「それでは、次の議題に参りましょうか」「クク…それではワシはこれで」トネは自分のザブトンに戻ろうとした。「待ってください。次の議題も昨日のイクサについてです」「…へ?」タイホウに引き止められたトネは虚を突かれたようにぽかんとした。「そうです…昨日のイクサでの、損失額についてまだ話していませんでしたね」
(損失…額?あっ)トネは昨日のイクサを思い返した。鬼瓦クルーザーは完全大破、クローンヤクザ妖精はほぼ全滅、クマノ、キヌ、ズイホウが大破(しかも全員自分の派閥)「…と、被害はこんなところです。ローマ=サン、計算を」「ハイ」キョート電算機室室長でありキョート経済のコントロールを任されているローマはUNIX電卓を叩き始めた。
「クローンヤクザ妖精の蘇生費用…その他雑費、掌握した海域の利益を引いて…ムムッ!ヒヤリ・ハット!?3万弾薬!4万燃料!2万鋼材!1万ボーキサイトの損失ですッ!」そしてローマが叩き出した数字は実のところあまり芳しくないキョートの経済に決して小さくはない打撃を与えるには十分な額であった!「エ…エエーッ!」トネはあまりの額に驚愕し、座ろうとしていたザブトンから転げ落ちた!
「さて…トネ=サン、これについて何か弁解はありますでしょうか?あるのならばですが」「そっ…それは…その…!」タイホウのブリザードめいた視線を受けたトネの顔から冷や汗が噴き出す。「それにいつも貴方のサポートをするように決められていたチクマ=サンはどうしたのですか?なぜ昨日の作戦には同行していなかったのですか?」「あっ」
トネの頭の中に浮かぶのは数日前の作戦を任されたそのすぐ後にした妹のチクマとの会話だった。(チクマ!チクマチクマー!やったのじゃ!重要な作戦を任されたのじゃー!)(まあ、流石トネ姉さんですね。早速準備をしなきゃ)(ククク…待て待て、今回はワシひとりに任せておけぃ!)(姉さんひとりで…?大丈夫なのですか?)(そうじゃ!もうチクマの世話ばかりになっておられん!それにワシの方がちょっとだけお姉さんなのじゃからな)(うーん、でも…)(安心せい!チクマは温泉旅行にでも行って普段の疲れを癒してくると良いぞ!はははーっ!)(それじゃあ…お言葉に甘えさせてもらおうかしら。うふふ、ガンバッテね、トネ姉さん)
(そうだ…ワシが、大丈夫だって、ひとりで…)トネは己のウカツに口をぱくぱくとさせ唖然とした。「さて…それについても弁解は?できるのならば」タイホウの氷河期の到来めいた視線を受けたトネは慌てふためきながら必死に言葉を探した!「そっ…そそそそそそそれはの!?色々とありまして!派閥内の業務とか!部下たちとの慰安旅行とか…ほっ…ほ、ほら!あれですじゃッ!つまり…そう!行かれぬから!」
「ザッケンナコラー!!」「アイエエエエエ!?」タイホウの怒号を受けたトネは尻餅をついた。「行かれぬからってどういうことですかオラー!?この損失どうするつもりなんですかコラー!バカハドッチダー!!」タイホウは顔を真赤に染めて激怒しヤクザスラングを叫ぶ!コワイ!
(そ、そんなッ!こんなはずじゃ…ワシ、ワシの手柄が…!)タイホウの怒気に当てられたトネはガクガクと震えている。「ネエネエ。レップウホシイ」何が起こっているの知ってか知らずかロードは怒りのあまり息を切らしたタイホウの服をくいくい引っ張っている。
「ハァーッ…!ハァーッ…!ダメです」「エ…デモ、イイコニシテタラ、イッカゲツニイッカイ…カッテ、クレルッテ…!」「ダメなのです!これからしばらくは何もかも節約せねばならないのです…!」おお、ナムアミダブツ!ゼロセン・トイをポトリと落としたロードの目には涙が浮かび、その表情はみるみるうちに崩れ始めていくではないか!
「ろ、ロード」「ウワーン!バカ!カエレー!」「グワーッ!」大泣きするロードの投げたゼロセン・トイが額にぶつかりトネは再び転倒!そしてトネの目にもみるみるうちに涙が浮かび始めたではないか!「な、なぜじゃあ〜!なぜこうなるんじゃーッ!ウワーン!」鳴き声のデュエットである!
「その、まあ…なんだ。トネ=サンも頑張ったと思うぞワシは、うん」「よしよし」「ウワーン!」ムサシとウンリュウに慰められ、トネは情けないやら恥ずかしいやら少し嬉しいやらの感情がないまぜになって泣くしかない!
(ウワーッ!チクマー!ウワアアアアアアン!)しかしチクマが温泉旅行から戻ってくるまであと3日である。ケオスと化した円卓の間でただひとつ、天井に刻まれたレリーフの伝説の艦娘だけが凛として空を見つめていた。
【システム・オブ・チンジフ・ストラグル】終わり
◆艦◆カンムス名鑑#44【装甲空母タイホウ】キョート・チンジフ所属。幼きロードの側近を務める艦娘。冷たい目をしているがかなりの激情家であり口調は丁寧だがヤクザスラングをよく使う。カラテのワザマエは不明だが平坦さにおいては他の艦娘の追随を許さない。赤面症◆艦◆
◆磁気嵐により酉が乱れました。なお明日は天狗が来る。備えよう◆