典子「泣くな、涙はバレー部が復活したその日のために取っておけ」
あけび「はい!!」
「「「「そ~れそれそれ」」」」
キュュュュゥン
ドガァァァ
「「「「うわぁぁぁぁ」」」」
ガッ
典子「あっ!!」
典子(今、頭変なとこ……気…が――
女1「ちょっと、大丈夫、起きて」
典子「うっ……ううん……」
女1「気が付いた? 良かった」
典子「……誰?」
女1「知波単学園だよ、あなた大洗の生徒だね、もう二回戦始まってるよ」
典子「えっ、帰らないと……」
女2「でも、雪降って視界悪いから、戦車の中に入りなよ」
女1「そうだね、その方がいいよ」
典子「邪魔じゃないですか?」
女1「あたしらの戦車一人欠員してるから大丈夫だよ」
女2「それにフラッグ車で基本動かないしね」
典子「それじゃあお言葉に甘えて」
女3「はい、あったかいお茶」
典子「ありがとう」
女4「あなた八九式に乗ってた子だよね、私は酒田、通信手」
典子「磯辺です、八九式の車長です」
女3「足立です、砲手」
女2「河原口だ、操縦手ね」
女1「車長の土方、よろしくね」
足立「外、吹雪いてるから危なかったね、寒いけど、車内は天国みたいでしょ」
典子「はい、助かりました」
河原口「違う違う、そこは『ここは鉄の棺桶だしね』というとこだよ」
「「「「あはははははっ」」」」
典子「はははっ」
典子(へんなノリの人たちだな)
典子「でも、この戦車は大きくて強そうですよ」
酒田「そうでしょ、この四式中戦車は五式75mm戦車砲を搭載した、全備重量30.0t、最大装甲75mm、量産までこぎつけた日本戦車では最強よ」
河原口「これがうちの学園にいきわたれば、黒森峰にだって負けない」
典子(……なんか秋山さんと話が合いそうな人たちなのかな?)
酒田「いきわたればね、磯辺さんはなんで八九式に乗ってるの?」
典子「あの、私たちの学校はずいぶん前に戦車道が廃止になっていて、みんなで戦車を探すところから、始まったんですけど、そのときに見つけたのが八九式で……」
酒田「そうなんだ、もう少し良い戦車にめぐり合っていればな……」
典子「むっ、八九式は確かに装甲も薄くて、主砲もしょぼいですけど、大切な仲間です」
酒田「すみません、口が過ぎました」
土方「まったく、お前は――戦車に乗ったらそれが自分にとって世界で一番って思えっていつも言ってるでしょ、ごめんなさい磯辺さん、気を悪くしないで」
典子「いえ、大丈夫です」
土方「それより、無線機は直らないの?」
酒田「どうにも……」
土方「ぶっ叩いたらショックで直らないかしら」バンバン
典子「むちゃくちゃだな」
酒田「あっ!! つながりました」
土方「直ったか、見ろ私のおかげだ」
酒田「味方がシャーマンに追われているそうです!!」
土方「よし、すぐに救援に向かうように伝えろ」
酒田「……送信側が壊れたままです」
土方「……とにかく、救援に行く前進!!」
河原口「了解」
典子「あの、私降りたほうが……」
土方「降ろしてる時間も惜しいし、そこで見学しててよ」
典子(ええっ?)
土方「見えた、チハがシャーマン二両に追われている」
酒田「敵に背を見せて逃げるとは、情けないな」
土方「シャーマン相手じゃ、九七式ではああするしか方法がない」
土方「といって、こちらも正面からからじゃ不利だ、側面に回りこむぞ」
河原口「了解……チハが反転してシャーマンに向かいます」
土方「近寄って、零距離射撃で刺し違える気か?」
土方「シャーマンの正面にチハじゃ無理だぞ!!」
グワン
バッヒッ P
土方「くそっ」
酒田「今のが、最後の味方です、我々だけです」
土方「こうなったら、無謀だが……行くか、突撃だ」
典子「無理です、敵が多すぎます」
土方「私たちは三年間、優勝目指して頑張ってきた……でも、いつも打撃力不足で勝てなかった」
土方「私たちのゴールはあのフラッグ車なんだ、どんな状況でも、戦うと決めたんだ」
土方「足立、磯辺さんが降りるのを手伝ってやれ」
足立「了解」
典子「ちよっと」ドサッ
土方「前進、目標フラッグ車」ドドドッ
典子「そんな、今になって置いていくなんてひどいじゃないですか!!」
土方「一言言っておくよ、強い戦車に搭乗員が乗るんじゃなくて、搭乗員が戦車を強くするんだからね!!」
酒田「決勝戦がんばってね」
典子「待って~」
グワン
ヴォム、ヴォム
バウン
典子「ああっ、霧で砲火しか見えない」
「い…さ…、…べ…ん、いそ…、磯辺さん!!」
みほ「磯辺さん!!」
典子「はっ!!」
「「「「キャプテン!!」」」」
みほ「良かった、気がついたんですね」
妙「キャプテ~ン」(涙)
典子「痛っ~」
優花里「無理に起きない方が良いですよ、頭を打ってますから」
典子「……それより結果は?」
忍「私たち勝ちました、決勝進出です!!」
典子「いや二回戦の方、知波単学園とサンダースの――」
全員「???」
優花里「二回戦はありません、知波単学園もサンダースも初戦で負けています」
典子「……」
あけび「夢でも見たんですか?」
典子「……うん」
みほ「もう少し、寝ていたほうが良いよ」
典子「隊長!!」
みほ「はい?」
典子「決勝戦、絶対勝ちましょうね」
みほ「もちろんだよ」
典子(私たちだけじゃない、優勝目指してがんばってきた他校の生徒の分まで――情けない戦い方なんて出来ない)
おしまい
115 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします - 2013/03/12(火) 01:17:40.71 V81WLXo80 21/22昔の全国大会で負けた知波単学園生徒の強い思いが亡霊となって会場を彷徨っている
と勝手に解釈
乙でした
117 : 忍法帖【... - 2013/03/12(火) 01:21:42.21 L3wsUnyK0 22/22>>115
その解釈でたのむ

