麻子「だそうだ」
沙織「は?」
沙織「いやいや」
沙織「なに言ってるの、麻子?」
沙織「ノーマルですよ!ノンケですよ私!?」
元スレ
麻子「ノンケアピールは非ノンケの証拠」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357221051/
麻子「そうやってムキになるのがますます怪しいな」
沙織「いや、誰だってムキになると思うよ!?」
沙織「レズって言われて素直に受け入れるほうがおかしいって!!」
麻子「レズって言うな」
麻子「百合と言え、百合と」
麻子「直説的すぎるぞ」
沙織「どうでもいいよ!」
麻子「エスでもいいぞ」
沙織「だからどうでもいいって!」
沙織「…なに?そういう文学でも読んだの麻子?」
麻子「まあ読んだことはあるな」
麻子「で、どの娘が好きなんだ沙織」
沙織「あ。もう私がレ…百合だって確定なんですか」
麻子「腐ってもお前とは長い付き合いだからな」
麻子「幼馴染が同性愛者なのは大変ショックだが」
麻子「相談に乗るのもやぶさかではない」
沙織「好きな娘なんていないよ!」
沙織「私はおーとーこ!異性が好きなんです!!」
沙織「わかった?」
沙織「ていうか麻子がそれ一番よく知ってるじゃん」
麻子「心境の変化は誰にでもあるものだ」
沙織「そんな心境の変化は難易度高すぎだっての!」
麻子「じゃあ聞くが」
麻子「なんでモテてないんだお前」
沙織「モテてるよ!」
沙織「今日だって何回も声かけられたよ?」
麻子「近所のおじさん達から、だろ」
沙織「…うん」
麻子「やはりな」
麻子「じゃあ彼氏は?」
沙織「……いません」
麻子「そうか、やっぱり沙織は百合なんだな」
沙織「どうしてそうなるの!?」
麻子「ずっとおかしいと思ってたんだ」
沙織「確かに私がモテないのはおかしい!」
麻子「…本当にモテる気があるのか?」
沙織「え?」
麻子「沙織は料理ができる」
麻子「気遣いができる」
沙織「ま、麻子?」
沙織「そういうのって…照れるんだけど…」
麻子「胸がでかい」
もみもみ
沙織「ひゃっ!」
沙織「ち、ちょっといきなり揉まないでよ麻子!」
麻子「そして可愛い」
沙織「あ…ありがと」
麻子「どうしてこれで彼氏ができないんだ?」
麻子「なあ沙織?」
麻子「本当は彼氏をつくる気なんて」
麻子「さらさらないんじゃないのか?」
沙織「そ、そんなことは…」
沙織「ただ縁がないだけだよ!」
麻子「ウソをつくな」
麻子「どう考えても沙織が女が好きだからとしか思えないんだが」
沙織「違うもん!」
麻子「ウソだ」
沙織「違う!」
麻子「ウソ」
沙織「ちーがーうー!」
麻子「…きだ」ボソッ
沙織「へ?」
麻子「…………なんでもない」
沙織「?」
沙織「まあいいや」
沙織「麻子」
麻子「なんだ」
沙織「今日の麻子やけにつっかかるよね」
沙織「からかってるの?」
麻子「幼馴染が同性愛に目覚めたんだ」
麻子「心配でたまらないのは当然だろ」
沙織「だから私はー…」
沙織「あーもー…はいはい」
沙織「私は女の子が好きです」
沙織「これでいいー?」
麻子「やはりそうだったか」
沙織「もういいよそれで」
麻子「肝心な話に移るか」
麻子「どの娘が好きなんだ沙織」
沙織「うーんと…じゃあみぽりんで」
麻子「じゃあってなんだ、じゃあって」
麻子「真面目に答えろ沙織」
沙織「真剣だよ!」
沙織「みぽりんってかっこいいよね」
沙織「いつもはちょっとドジっ娘って感じだけど」
沙織「戦車のことになるとキリッとしてさ」
沙織「キャップで惚れるってやつかな」
麻子「…」
麻子「…却下」
沙織「なによ却下って!」
麻子「西住は高名な戦車道の家元だ」
麻子「沙織じゃ不釣合いだな」
麻子「あきらめろ」
沙織「なにそれ!ひどいじゃん麻子ー!」
麻子「そもそも嘘だろ」
沙織「なによー!」
沙織「せっかく麻子にあわせて答えてあげたのに!」
麻子「沙織には本当に好きな娘がいるはずだ」
沙織「自信たっぷりに言うね麻子…」
麻子「もう一度聞くぞ」
麻子「本当は誰が好きなんだ」
沙織「え゛?まだ続けるの?」
麻子「もちろんだ」
麻子「正直に言うまで終わらんぞ」
沙織「うーんと…」
沙織「じゃあ華!私華が好きだよ」
麻子「……」
麻子「…なぜ?」
沙織「そりゃ華って美人だし」
沙織「華道の家元ってすごい女らしいじゃん」
沙織「憧れちゃうよ」
麻子「そうだな」
麻子「一般家庭の沙織には不釣合いだな」
麻子「あきらめろ」
沙織「またそれですか!?」
沙織「さっきからひどすぎない麻子!?」
麻子「沙織が素直にならないからだ」
麻子「ウソをつく沙織が悪い」
沙織「…ねえ麻子」
沙織「私の答え全部否定する気だよね!?」
沙織「これって正解あるの?」
麻子「あるさ」
麻子「沙織には本当に好きな娘がいるんだ」
麻子「いいかげんに白状したらどうだ」
沙織「…そっか」
沙織「わかったよ、麻子」
麻子「やっとか」
沙織「私が本当に好きなのは…」
麻子「やれやれ、待ちくたび…」
沙織「ゆかりんだね!!」
麻子「……」
沙織「ゆかりんって戦車のことになると可愛いよね!」
沙織「でもいきなり思い出したようにビクッって我に返ったりさ」
沙織「なんか…放って置けないよね!」
麻子「……」
沙織「私も戦車のこともっと勉強しないとね!」
沙織「もっとゆかりんと仲良くなりたいもん!」
麻子「…不正解」
沙織「えー?ゆかりんじゃないの麻子」
麻子「違う」
沙織「じゃ誰だろ?」
麻子「……いるだろ、あと一人」
沙織「誰?」
沙織「教えてくれないとわからないよ麻子?」
麻子「…性悪」ボソッ
沙織「あっ、わかった!」
沙織「私が本当に好きなのは……」
沙織「私が本当に好きなのは……」
沙織「麻子」
麻子「…え?」
沙織「どうしたの?そんな驚いた顔して」
沙織「そう言ってほしかったんでしょ、麻子?」
麻子「いや…てっきりまた他の人の名前を出すかと…」
沙織「言っても否定するくせにー」
麻子「…ホントに?」
沙織「ホントだよ」
麻子「…」
麻子「…私の自己満足につきあってくれてすまないな」
麻子「私を好きなのは友達として、だろ?」
沙織「……」
沙織「麻子、本当に私のこと好きなの?」
沙織「そういう意味で」
麻子「…好きだよ、そういう意味で」
沙織「そっかー」
沙織「えへへ、うれしいな…」
そう言うと沙織は麻子に抱きついた
ぎゅう
麻子「さ、沙織…?」
沙織「麻子はかわいいねー」
沙織「…実はね」
沙織「麻子に言われたこと、図星だった」
麻子「…へ?」
麻子「ウソだろ…?」
沙織「ウソじゃないよ」
沙織「私もずっと…」
沙織「ずっと…麻子が好きだったんだよ」
麻子「だけど沙織は小学の頃から彼氏だとか…」
沙織「中学生の頃からかな」
沙織「麻子をそういうふうに意識したの」
沙織「だけどそれじゃ麻子に嫌われるかもしれないから」
沙織「いままでどうりにノンケアピってた」
麻子「そう…だったのか」
沙織「すごく動揺しちゃったよ」
沙織「麻子核心つきすぎ」
沙織「…本当にいままでのことは冗談じゃないんだよね」
麻子「冗談じゃない」
沙織「私がノーマルだったらどうするつもりだったの?」
麻子「…うまく冗談としてはぐらかすつもりだったさ」
沙織「その割りにはマジになりすぎてたよ」
麻子「沙織は意地悪だったな」
沙織「麻子がかわいかったからねー」
麻子「…バカ」
沙織「私達って両思いだったんだね」
麻子「沙織…」
麻子「…うまく行き過ぎてる気がする」
麻子「夢じゃないのか」
麻子「頬つねってくれ沙織」
沙織「こう?」
麻子「いひゃい」
沙織「夢じゃないみたいだね」
沙織「みぽりん達にどう説明する麻子?」
麻子「うまく隠していくしかないな」
麻子「………」
麻子「今日は私と一緒に寝るか、沙織」
沙織「そうしよっか」
麻子「夢心地のなかで寝るのもいいな」
沙織「そうだね旦那様」
麻子「…私は女だ」
沙織「言ってみただけー」
沙織「近いよ麻子」
麻子「いいだろ」
麻子「その…恋人同士なんだし」
沙織「照れてる?」
麻子「ない」
沙織「麻子かわいいっ!」
麻子(夢が…叶った気分)
沙織(夢が…叶った感じ)
麻子「おやすみ、沙織」
沙織「おやすみ、麻子」
麻子・沙織(どうか…)
麻子・沙織(どうか夢でありませんように…)
じりりりりりりり!!!!
麻子「…………」
麻子「目覚ましか…」
麻子(あれは夢…だったのか?)
沙織「麻子ー!」
沙織「ほら起きて…って」
沙織「めずらしく起きてる?」
麻子(確かめて…みようかな)
麻子「沙織、好きだ」
沙織「…」
沙織「私も好きだよ、麻子」