ペルソナッ!!
元スレ
唯「ペル……ソナ……」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298060252/
「……」
?「なぁ、こいつどうする?」
?「まだ使えそうだし、捨てるの勿体なくね?」
?「だな」
?「じゃあもうちっと使うか」
?「サンセー」
?「ひひひ」
唯「ふぁー……」
憂「ふふ、お姉ちゃんすごい欠伸」
唯「えへへ」
憂「授業中寝ちゃだめだよ?」
唯「分かってるよー」
律「よー、平沢姉妹」
澪「二人とも、お早う」
憂「お早うございます」
唯「りっちゃん、澪ちゃんおはよー」
梓「お早うございます。こうして皆さんが揃うのは久しぶりですね」
唯「あっずにゃ~ん!」 スリスリ
梓「ん!あ、朝からそーゆーことするのダメです!!」
梓「それにしても唯先輩、さっき大きな欠伸してましたけど」
唯「見てたの?恥ずかしーなー」 スリスリ
梓「す、スリスリしちゃダメって言ってるじゃないですか!」
律「すりすり~」
梓「律先輩もダメです!!」
憂「ふふふ」
澪「こら、いい加減にしないか律」 ポカ
律「いてぇ!暴力はよくないぞ、澪~」
澪「おまえが悪い」
律「ついカッっとなってやった、後悔はしていない」
梓「……はぁ。ところで、唯先輩はなんでそんなに眠そうなんですか?」
唯「えへへ、実は昨日ギー太が寝かせてくれなくてさぁ」
梓「……寝かせて」
律「お、梓がいやらしいこと考えてるぞー」
梓「かか、考えてませんよ!?」
律「焦るところがまた怪しいな」
唯「あずにゃんえっち……」
憂「梓ちゃんたら」
梓「う、憂まで!?」
律「スケベ梓ー!」
唯「えっちなあずにゃんここまでおいでー!」
梓「むきー!!」
憂「ふふ、行っちゃいましたね」
澪「あの二人にも困ったものだ」
憂「でもとっても楽しそうでした」
澪「今年で受験生なんだから、その自覚をそろそろ持って欲しいんだけどな」
憂「大丈夫ですよ!お姉ちゃんやるときはやっちゃう子です!!」
澪「……」
憂「皆さんが大学生になっても……、こんな日が続くといいですね」
澪「憂ちゃん?」
憂「私たちもお姉ちゃんたちを追いかけましょう!」
澪「あ、ああ」
がっこう
唯「ふぁ……」
紬「ふふ、唯ちゃんの欠伸とってもキュート」
唯「あ、ムギちゃんおはよう!」
澪「お早う、ムギ。唯は授業中寝ないよう気をつけろよ」
唯「えへへ、憂にも同じこと言われたよ」
律「そうだぞー、私を見習って真面目に授業受けないとな!」
唯「……」
律「何か言えよ!!てかツッコめよ!!」
澪「今日は心なしかクラスが騒がしいな。何かあったのか?」
紬「……」
澪「ムギ、知らないか?」
紬「うーん、分からないわ」
律「気のせいじゃねーか?」
澪「そうかな……」
さわ子「はーい、みんな席ついてー」
唯「あ、さわちゃんきたよ!」
律「澪、席に戻ろうぜ」
澪「そうだな」
紬「じゃあ、また後でね」
唯「うん!」
さわ子「……はい、点呼おしまいっと。それから、皆さんに大事なお話があります」
律「ついに彼氏ができたんですかー?」
さわ子「り……田井中さん、後で体育倉庫に来るように」
律「職員室じゃないのかよ!?」
さわ子「コホン……、それで大事な話なんだけど、今朝のニュースで知っている人も大勢いると思います」
唯「……zzz」
律(あー、今日はニュース見てなかったな)
澪(もしかして朝騒がしかったのはそのせいなのか)
紬(……)
さわ子「この近くで殺人事件がありました」
ほうかご ぶしつ
律「事件のせいでしばらく部活動は禁止だってよ」
唯「これじゃ練習できないね」
律「でもケーキは食べような」
唯「……えへ」
梓「えへ、じゃありません。こうして残るのだってほんとはいけないんですよ」
唯「つ、つっこまれちゃったよ、りっちゃん」
律「梓は先輩だろうと容赦しないからな」
梓「今日だって午前中で授業は終わりなんです。もしさわ子先生に見つかりでもしたら……」
さわ子「……あなたたち」
澪「ひっ!?」
さわ子「もぉ、あれほど今日は早く帰りなさいって言ったのに」
律「ケーキ食べながら言っても説得力ないぜ」
さわ子「……」 キッ
律「なんでもございません」
唯「でもでも、帰るまでお腹空いちゃうし」
律「ムギが持ってきてくれたケーキを無駄にするのもなんだし?」
さわ子「そうね……。私の分も持ってきてくれわけだし」
紬「ふふ♪」
澪「じゃあ今日はケーキを食べて早めに解散しよう」
梓「そうですね。練習ができないのは残念ですが、仕方ありません」
さわ子「ほんと、今日だけだからね?」
唯「はーい」
さわ子「それにしても、ひどい事件よね」
律「今朝ニュース見てないから、どんな事件か知らないんだよなー」
唯「私も私も」
澪「唯はいつもニュース見ないだろ」
梓「そうですね」
唯「ひどい!」
紬「たしか電信柱に被害者が突き刺さってたんでしたよね」
さわ子「ええ、それも三人まとめてね」
律「……すげぇな」
梓「異常としか言えません」
さわ子「大の男が三人まとめてやられて、三人まとめて電信柱に突き刺されるなんて、狂ってるわ」
紬「一部ではなんとか三兄弟って騒がれてるけど」
唯「なんとか?」
紬「えっと、たしか昔流行った曲だったと思うんだけど」
律「あー、あったな、そんなの」
梓「うーん、私は記憶にないです」
唯「私も分からないよー。何三兄弟なの?」
紬「ごめんなさい、私もド忘れしちゃって……」
さわ子「とにかく!今日はケーキ食べたら早く帰りなさい」
律「分かってるって。部長の私が、責任を持って帰宅させるぜ!」
さわ子「それが一番心配なの」
律「とらすとみー」
紬「……そういえば澪ちゃんは?」
唯「部屋の隅でガタガタ震えてるよ」
紬「最近夜は物騒だってうちの使用人が言ってたけど、まさかこんな事件が起こるなんてね」
律(……使用人がいるんだ)
唯「たしかに夜はなんだかいや~な感じだね」
律「最近になって変な霧が出始めたからな、そのせいで余計にだ」
梓「あ、私も思いました。夜の0時頃から時折霧が出るんですよね」
紬「使用人たちの話によるとね、霧の中を歩いてると、お化けが出るんですって」
さわ子「……その話は初めて聞くわね」
唯「も、もしかしたら、事件の犯人はそのお化けなんじゃ」
律「んなわけないだろー、お化けなんていないって!……う、噂話だよな?」
紬「私も聞いた話だから、なんとも言えないわ」
梓「夜遅くに出歩かないほうがいいってことですね」
律「そうだな」
唯「憂にも言っておかないと」
紬「それじゃあ、そろそろ帰りましょう」
さわ子「みんな、気をつけて帰るのよ。なんだったら私が車で」
律「大丈夫だって。まだ昼だぜ?さすがにこんな時間からは出ないだろ」
唯「もしものときはりっちゃんが身体をはってくれるんだよね」
律「そういう役は唯だろ」
唯「えぇ!?」
わたしんち
唯「たっだいまー」
憂「あ、お姉ちゃんお帰り。遅いから心配したよ」
唯「えへへ、ごめんね憂」
憂「お昼できてるよ。一緒に食べよう?」
唯「うん!今日は何かなー」
憂「今日のお昼はうどんでーす」
唯「わー♪」
唯「ご馳走様でしたー。すっごくおいしかったよ」
憂「ふふ、ありがとう」
唯「満腹満腹~」 ゴロン
憂「食べてすぐ寝ると牛さんになっちゃうよ?」
唯「ならないよー」
憂「お姉ちゃん、午後は何か予定あるの?」
唯「んー、とくにないかなぁ」
憂「事件のことは知ってるよね?」
唯「うん、今朝さわちゃんから聞いたよ。怖いよね」
憂「だからね、外出はなるべく控えたほうがいいと思うんだ」
唯「そだね、とくに夜は……あっ!」
憂「どうしたの?」
唯「ムギちゃんから聞いたんだけど、霧が出てる晩に出歩くと、お化けに会うんだって」
憂「お化け?」
唯「うん」
憂「それって、黒い液体みたいなやつかな?」
唯「うーん、そこまでは分からないよ」
憂「……そう」
唯「だからね、憂も出歩いちゃだめなんだよ!」
憂「うん、気をつけるね。心配してくれてありがとう、お姉ちゃん」
唯「かわいい妹のためだからね!」
よるおそく
唯「……ない」
唯「消しゴムが……、ない!」
唯(どうしよう、これじゃ宿題ができないよ)
唯(憂に借りれば……。でも、それだと明日学校で困るし……)
唯(コンビニまでは歩いて10分ぐらいだけど……うーん)
唯「今は、23時半……。霧が出てなかったら買いに行こうかな」
唯「どれどれ……」
唯(うん、大丈夫みたい。ぱっと行ってぱっと帰ってくれば平気だよね……)
唯「いってきまーす」
こんびに
唯「……ぷっ」
唯「ふふ!」
『ポーン!りそね銀行が午前0時をお伝えします』
唯「……っ!」
唯(今週号のジャソプを立ち読みしてたら、いつの間にか0時になっちゃった)
唯「し、しかも霧がが出てる」
唯(どうしよう……)
ブブブブブブ
唯「……!?」
唯(け、携帯電話かぁ。びっくりしたよ)
唯(憂から……。勝手に出歩いたこと怒られるよね)
唯「も、もしもし?」
憂『おねーちゃーん』
唯「ごご、ごめんなさい!ついカッとなって!!」
憂『夜に出歩いちゃだめって言ったじゃない』
唯「ごめんね、あの、消しゴムが無くて、えへへ」
憂『それなら私が貸してあげたのに。じゃあ今はコンビニにいるの?』
唯「うん。早く帰ってこようと思ったんだけど、ジャソプが面白くて長居しちゃった」
憂『もう……。じゃあ私が迎えに行くから、お姉ちゃんはコンビニで待っててね』
唯「だ、大丈夫だよ!走って帰れば5分ぐらいだし、それに憂だって危ないよ」
憂『私は平気。今から迎えに行くから、コンビニで待ってなくちゃダメだよ?』
唯「でも……」
憂『本当に危ないの!だから待っててね!!』
唯「……あ、切れちゃった」
唯(なんだかすごく真剣だったな、憂)
唯(それにしても、こうしてみると霧って不気味だなぁ。お化けが出るって聞いたから余計に)
唯(……)
唯(憂には心配かけちゃったし、来たらちゃんと謝らないと!)
憂「お姉ちゃん?」
唯「あ、憂」
憂「良かった、ちゃんとコンビニで待ってたんだね」
唯「これ以上憂に心配かけたくなかったからね。それと、今日はごめんなさい」
憂「ううん、もういいよ。さ、急いで帰ろう」
唯「そうだね、帰って早く寝よう!」
憂「……宿題あるんじゃないの?」
唯「やりたくないよー」
憂「それは自分で頑張らないとだめだよ」
唯「……はい」
かえりみち
唯「それでね!その話がすごく面白くて!!」
憂「そんなに面白いの?」
唯「うん、そんなにだよ!とくに『1、2の3で消えますから』って歌が傑作なんだよ!」
憂「そうなんだ。でもお姉ちゃん、立ち読みばっかりしてちゃだめだよ?ちゃんと買わないと」
唯「う、うん、そうだね。今度は買って、憂と一緒に見る」
憂「私と?」
唯「二人で仲良く読むんだよ」
憂「ふふ、楽しそう」
唯「でしょー?」
憂「……」
唯「憂?」
唯「どうしたの憂?」
憂「お姉ちゃん、私の後ろに隠れて」 グイッ
唯「う、憂!?」
憂「……来るよ」
唯「来るって、何が……」
ガガ……ギギ゙……
唯「な……何、あの黒い塊……」
憂「お化けの正体だよ」
唯「あれが……」
憂(まったく気配を感じなかった……。気配を消せるタイプもいるってことなの?)
唯「に、逃げないと。逃げようよ、憂!」
憂「たぶん、追いつかれちゃうよ」
唯「そんな……」
憂「大丈夫だよ。お姉ちゃんは、私が守る……!」
憂「来て、ヒミコッ!!」
唯「憂、それは……」
憂「大丈夫だよ。これは、もう1人の私」
唯「……」
憂「だから怖がらないで。お願い、お姉ちゃん」
唯「……もう1人の憂なら……もう1人の憂なんだったら怖くないよ!」
憂「ありがとう」
ギィイイイイ!!!!
憂「くっ!!」
唯「憂!?」
憂「へ、平気」
憂(思ったより力が強い。攻撃を防ぐだけで精一杯かも)
唯「わ、私に何かできることがあったら頑張るよ!」
憂「じゃあ、逃げて」
憂「私は大丈夫だから。……逃げて、お姉ちゃん」
唯「そ、そんなことできないよ!」
憂「なら、お姉ちゃんがこのお化けと戦う?素手で?」
唯「わ、私は……!」
憂「お願いだから……、きゃあ!」
唯「憂!!」
………グゴゴゴゴゴゴゴゴ!
唯「ひっ」
憂(くぅ、とにかく注意を引き付けて、お姉ちゃんを逃がさないと)
唯「……あ、あ」
憂「こっちこっちー、こっちだよー!」
……………ギ?
憂「今のうちに逃げて、お姉ちゃん!」
唯「……い、嫌だ」
憂「言うことを聞いて!」
唯「……」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「憂を残して逃げるなんてできないよ」
唯「すごく怖いけど、このまま逃げたら、私は私を許せない」
唯「おい、真っ黒くろすけ!わ、私のかわいい妹に手は出させないぞ!!」
…ギギギギギギギ
憂「だ、だめ!」
唯「私は逃げないって決めたんだ、絶対に憂を置いて行かない……」
憂「……!」
唯「……ペル……ソナ」
ギィイーーーーーーーー!!
唯「ペルソナァアアアアア!!」
…………グギィイイイイイ!?
憂(すごい、突進を跳ね飛ばした)
唯「今度はこっちの番だよ!」
憂(あれが、お姉ちゃんのペルソナ……)
唯「行くよ、イザナギ!お返しにこっちも突進攻撃だ!!」
キュウウウウウウウウー!!
憂(あれが、もう1人のお姉ちゃん……)
唯「憂、大丈夫!?」
憂「わ、私は平気だよ」
唯「憂……憂~~!」 ギュッ
憂「お、お姉ちゃん!?」
唯「憂が無事でよかったよー!あとすっごく怖かったよー!」
憂「……ふふ」
憂「助けてくれてありがとう、お姉ちゃん」
唯「えへへ、頑張ったかいがありました」
憂「もっとお姉ちゃんとギュッってしていたいけど、急いで帰ろう。またあいつが来るかも」
唯「さっきのは追っ払っただけどだからね……。よっし!じゃあ私がおんぶしてあげるよ」
憂「1人で歩けます」
唯「えー、イザナギでおんぶしてあげようと思ったのに」
憂「それがお姉ちゃんのペルソナの名前?」
唯「うん、そうだよ。私のペルソナかっこいーでしょ?」
憂「……」
唯「かっこいい?」
憂「そういう話は家に帰ってからね」
唯「ちぇー」
わたしんち
唯「無事到着~」
憂「……ふぅ」
唯「憂、何処も怪我してない?」
憂「うん、ヒミコが守ってくれたから」
唯「そっかぁ。じゃあヒミコにお礼言わないとだね」
憂「ふふ、そうだね」
唯「……ふぁーあ」
憂「大きな欠伸」
唯「今日は色んなことがあったから、疲れちゃったよぉ」
憂「もう1時になるしね。今日はもう寝たほうがいいよ、お姉ちゃん」
唯「そーするよー。おやすみ、憂~」
憂「おやすみ、お姉ちゃん」
よくあさ
唯「おーはーよー」
憂「お早う。とっても眠そうだね」
唯「うー、寝たりないよ」
憂「学校で寝ちゃだめだよ?」
唯「……zz」
憂「おねーちゃーん?起きてー」
唯「はっ!?」
憂「二度寝しちゃだめだよ」
唯「出たな、真っ黒黒介!!ペルソナァ!」
憂「きゃっ!」
唯「ご、ごめんなさい」
憂「もー、寝ぼけてペルソナ出すなんて危ないよー」
唯「気をつけます」
憂「じゃあ朝御飯食べちゃおうか」
唯「はーい」
憂「今日はトーストとベーコンエッグだよ」
唯「うほー、いただきます」
憂「はい、召し上げれ」
唯「……」 モグモグ
唯「そういえばさ、憂はいつからペルソナが使えるようになったの?」
憂「えっと、1週間くらい前からかな。霧が出てる晩に黒い影に襲われて」
憂「私のヒミコは元々戦うのは苦手なの。でもレーダーって言うのかな。それが優れてるんだよ」
唯「じゃあ黒介が近づいてきたりしたら分かるの?」
憂「うん。だから昨日の夜も気をつけてたんだけど、レーダーにひっかからないやつもいるみたい」
唯「あ、あれだよね。スシテル!」
憂「うん、ステルスね」
唯「そう、それだよ!!」
憂「お姉ちゃんのペルソナは戦うのが得意みたいだね」
唯「そーなのかな?」
憂「きっとそうだよ」
唯「そっかー、私のイー君強いのかー」
憂「あはは、もう愛称つけたんだ」
唯「かわいい名前なのに、かっこいいっていうギャップがたまらないんだよー」
憂「ふふ、そうだね」
唯「でへへ」
憂「あ、そろそろ出て行かないと遅刻しちゃう」
唯「だいじょーぶ!私のイー君がぱーっと連れていってくれるから」
憂「だめだよ、ペルソナは普通の人にも見えるんだから」
唯「なんと!?」
憂「それに、ペルソナを行使するのにも精神力を使うみたいだから、意外と疲れるんだよ」
唯「むむ」
憂「だから、いつも通り歩いて学校にいこ」
唯「りょうかいです……」
がっこう
律「おっす。唯は今日も寝不足か?夜何やってんだよー、このこのー」
唯「あ、りっちゃん。昨日の夜は色々あって」
律「ほほう、色々とな」
唯「色々でございます」
紬「ふふ、朝から楽しそう」
澪「漫才はそれぐらいにしておけ。もう先生来るぞ」
唯「漫才じゃないのにー」
律「小さいこと気にしてると、小じわが増えるぞ」
澪「私は姑か!」 ポカッ
律「ありがとうございます!」
さわ子「……とりあえず席ついて」
ほうかご ぶしつ
澪「今日も午前中授業か。まぁ犯人が捕まってないんだし、しょうがないか」
律「私は早く帰れて嬉しいけどな。でも部活もできないってのはなんだな」
紬「そうね、文化祭もあるんだし、練習しないといけないわよね」
梓「とくに唯先輩が気になります」
唯「わ、私はおうちでも練習するよ!?」
さわ子「そうね、心配だわぁ」
さわ子「……って何やらせんのよ!」 ガタッ
律「どうしたんだよさわちゃん」
唯「お、お茶がこぼれちゃうよ!」
さわ子「ケーキも無しって昨日言ったでしょ!なんでまた集まってるの!?」
紬「……てへ♪」
さわ子「ムギちゃん!かわいく笑ってもだめ!」
さわ子「まったく、この子たちは!」 ムシャムシャ
律「と、言いつつ食べるものはしっかり食べるさわちゃん」
さわ子「も、勿体無いでしょ!?仕方なくよ、仕方なく」
唯「でも昼間ならきっと安全だよー。お化けは夜出るからね」
澪「ゆ、唯!それは単なる噂だって言ったろ!」
律「まぁ出るなら夜だよな。昼間に出ても怖くないし」
唯「うんうん、黒介も日の光には弱そうな感じだったな」
梓「黒介?猫か何かですか?」
唯「え!?えっとー、うん、猫だよ、あはは」
紬「……」
さわ子「唯ちゃん、あなた夜出歩いてその猫追っかけてるんじゃないでしょうね?」
唯「そんなことしないよー。私が追いかけるのはいつだって、あずにゃーん!」 ダキッ
梓「にゃ!?」
よる りっちゃんち
律「ボーっ……」
律「まだ21時かぁ。テレビも今日はおもしれーもんやってないし、暇だな」
律「……」
律「そういえば唯が、今週のジャソプは面白かったって言ってたな」
律「でも、外は危ないよな」
律「あー!余計に読みたくなってきた!!こういうときはあれだな、どうせならやって後悔するべきだ」
律「そうと決まればコンビニにレッツゴーだぜぇ」
こんびに
律「今週のジャソプはーっと」
律「ないなー。売り切れかー?」
律「仕方ない、お菓子でも買って帰るかな。……ん?」
?「……」 キョロキョロオドオド
律「あれは……」
?「……」 キョロオドキョロオド
律「そこの君」
?「ひっ!?」
律「こんな遅くに出歩いちゃだめじゃないか。高校生だろ」
?「す、すみませんすみません!授業で使うノートが切れちゃったんです!」
律「ちょっと署まで来てもらおうか」
?「私は何もやってません!ほんとなんです!!無実です!!」
律「……ぷ、あははは!」
?「へ?」
律「その切り替えしはさすがのりっちゃんも想像できなかったぞ、澪」
澪「り、律!?おま、おまえだったのか!!」
律「まさかあそこまで綺麗に引っかかってくれるとは思わなかったぞ」
澪「馬鹿律!どうしておまえはそういうことばっかり」
律「はいはい、1人で家まで帰るのが怖かったんだな」
澪「……っ!そ、そんなことはないぞ。わ、私は1人でも……」
律「最後のほう聞こえなかったなぁ~」
澪「でもここで会ったのもあれだしな、一緒に帰ってやってもいい」
律「私は1人でもいいぜ」
澪「……そ、そうか?」
律「ああ」
澪「……ほんとにか?」
律「ほんとにだ」
澪「……うぅ」
律「なんてな、一緒に帰ろうぜ、澪」
澪「あ、ああ!せっかくだしな、一緒に帰るべきだな!!」
律「おまえ、嬉しそうだな」
澪「そんなことはないぞ、到ってフツーだ」
律「……お化け」 ボソッ
澪「ひゃぅ!?」
律「あはははは!」
澪「律ぅうううう!!」
どうじこく ゆいちゃんち
唯「……まだ22時だっていうのに薄っすらと霧が出てる」
唯(なんだか嫌な予感がする。念のためりっちゃんたちに外出は控えるように言っておこうかな)
唯「……んー、電話のが早いかな。まずは部長のりっちゃんにー」
プルルルルル
律『おー、唯。どしたんだ?』
唯「あ、りっちゃん。あのね、なんだか霧が出てきたから、外出は」
律『げ!霧出るのって0時じゃないのかよー。しまったな』
澪『お、おい!どうするんだよ、律ぅ!』
律『落ち着けって。まぁ、なんとかなるだろ』
唯「まさか外にいるの!?それに澪ちゃんの声もしたけど」
律『あー、コンビニで居合わせてさー。澪ったらビクビク震えててさ、生まれたての小鹿かっての』
澪『うるさい!』
唯「私が今から迎えに行くから、そこで待ってて!」
律『迎えにって、大げさだな。大丈夫だって』
唯「ほんとにほんとに危ないんだよ!だから、ね?」
律『心配してくれてありがとな。でも家も近いし、へーキだ』
唯「それでも!」
律『それを言うなら唯だって危ないだろ?部長として部員を危険な目に合わせれない』
律『お、今の発言部長っぽくないか、澪』
澪『知らん!』
律『そーかい。てなわけだから、私たちは大丈夫だ。んじゃなー』
唯「りっちゃん!?」
唯「……」
唯「もぉ!りっちゃんの馬鹿!!」 ダッ
律「唯のやつは大げさだなー」 ポチッ
澪「なんて言ってたんだ?」
律「危ないから、今からこっち来るって」
澪「それは唯も危ないじゃないか」
律「だよな。だから止めたよ」
澪「でも、なんでそこまで言ったんだろう。まさか、ほんとにお化けが……」
律「いないだろ。いるとしたら例の殺人事件の犯人だ」
澪「それも嫌だぞ!?」
律「私もそんなのと鉢合わせするのはご免だ。ちゃっちゃと帰ろうぜ」
澪「あ、うん……」
律「どうしたんだ?」
澪「あの、お、おトイレ行きたい」
律「漏らさないうちに行って来い」
澪「漏らすかっ!」
かえりみち
澪「……うぅ」 ブルブル
律「またトイレか」
澪「違う!ちょっと冷えるんだ!」
律「たしかに夜になると冷え込むようになったな」
澪「だろう!?」
律「空気がじっとりしてて、少し肌寒くて、おまけに霧が出てる」
澪「何が言いたいんだ、律」
律「こんな夜は……、出るな」
澪「……」 ゴクリ
律「澪の足元!」
澪「ひぃいいいい!!」
律「くくく、澪も懲りないな」
澪「……それはおまえだぁ!!」
律「はー、おかし……」 ブニュ
律「へ?」
ギィイイイイ……!!
律「な、なんだこれ!?」
澪「ああ、あれはゴミ袋だ」
律「たしかにそれっぽいけどさ、ゴミ袋が泣き声あげるか?」
澪「最近のは高性能だからな」
律「赤い目玉みたいのがついてますけど?」
澪「とってもキュートだな」
律「いい加減現実見ろ!ありゃどうみてもお化けの類だぞ!」
澪「あれはゴミ袋ゴミ袋。とってもキュートなゴミ袋」 ブツブツ
キィイイイイイイイ!!
律「澪、危ない!!」
澪「っ!?」
律「つっ!澪、平気か?」
澪「大丈夫。でも律が」
律「安心しろい、ちょっと引っかかれた程度だ」
ギィ……ギィ……
律「……やる気満々って感じだな。まいったぜ」
澪「うう、律ぅ」
律(唯があんなに真剣だったのはこのためか)
律(一か八かで踏み潰して……。それ以前にこいつに攻撃できるのか?)
澪「律、また来る!」
律「こうなったらやけくそ攻撃だー!!」 ダッ
澪「ば、馬鹿!」
「イザナギ!!」
キュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!
唯「二人とも大丈夫!?」
律「唯!おまえどうしてここに!?それにこの軍服着てるおにーさんは誰なんだよ!」
唯「話は後だよ!いけ、イーちゃん!ダウンしてる今がチャンスだよ!!」
イザナギ「……!」 ブン!
ギョウアゥアアアアアアアアアアアア!!
澪「……すごい、やっつけた」
唯「ふぃー、間一髪だったね」
律「ああ、ありがとな。えっとこっちの人は……」
唯「えへへ、イーちゃんだよ!ペルソナって言ってね、もう1人の私なんだって」
律「スタンドみたいなもんか」
唯「すたんど?」
律「いや、なんでもない」
澪「……イーちゃん、かっこいいな」
唯「うんうん、澪ちゃんは分かってるね」
律「そーかー?私はもっとこうワイルドなほうがだな」
唯「りっちゃんはやっぱり分かってないよ」
律「やっぱりってなんだよ!つか、色々説明しろ!わけが分からんぞ」
澪「ど、同感だ。あのお化けはなんなんだ。いきなり私たちを襲ってきたぞ」
唯「あのお化けについては詳しく知らないけど、霧が出る夜に現れるみたいなんだよ」
律「霧の夜……」
澪「お化けの噂、本当だったんだ」
唯「私も昨日黒介に襲われて、それでね、憂を守るだー!って思ったらイーちゃんが出てきてね」
律「あー、なんだ、ピンチになって、こんにゃろーって気持ちになったらペルソナが出てきたと」
唯「そう!まさにそれ!」
澪「信じられない話だけど、本当なんだよな。実際お化けもいたし」
唯「もしかしたらりっちゃんと澪ちゃんもペルソナ出せるかもね」
律「おお、それはいいいな!」
唯「こうやってね、フンスッ!って感じで出すんだよ」
律「ほむほむ、フンスな。掛け声はやっぱり、『ペルソナー!』なのか?」
唯「です!」
澪「さすがに律は無理じゃないか?」
律「やってみないと分からないだろー?いくぜ……」
唯「……」 ゴクリ
律「ペル……ッチュン!」
澪「……ペルッチュン?」
唯「もー、ペルソナって言ったでしょ。ペルッチュンじゃないよー」
律「今のはくしゃみだ!」
澪「冷えてきたな。こんなところで立ち話してないで、そろそろ帰ったほうがいいんじゃないか」
律「そうだな。またあんなのが来るとも限らないし」
澪「そうだ!さっさと帰ろう!よし帰るぞ!!」
唯「じゃあ私が送っていくよ」
律「しっかりと私を守るのよ?」
唯「りっちゃん姫!」
律「おほほほ!!」
澪「……」
律「おーい、澪、行こうぜ。早くしないと、またお化けが出るぞー」
唯「そだよー、早くいこーよー」
澪「あ、あ、あの……」
律「んだよー、またトイレかー?」
澪「もう、出てる」
律「も、漏らしたのか?」
唯「なんだってー!?」
澪「ちがう……」
律「だったらなんだってんだよ」
澪「お化け」
律「マジかよ!?」
唯「3匹もいるの!?」
澪「ゆゆゆ、唯~!」
ゲゲゲゲ!!!!
ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!
……………コポォ
唯(1対1ならなんとかなるけど、りっちゃんと澪ちゃんを守りながらだときつい)
唯(もし、いっぺんに攻めてこられたら……)
澪「おい、三匹まとめてきたぞ!」
唯「もぉ、なんで一斉に攻めてきちゃうかなぁ!!」
唯「くぅ!!」
律「唯!?」
唯「えへへ、へーきへーき。ようやく身体が暖まってきたところだよ」
澪(唯のやつ、私たちをかばいながら戦ってるから本気が出せないんだ……)
律(ペルソナが使えない私たちは、見てることしかできないのかよ!)
唯「頑張って、イーちゃん!」
澪(私は……)
律(私は……!)
「「唯!!」」
唯「な、何?」
律「私はペルソナが使えないけど、何かできることがあると思うんだ!」
澪「ああ!やつらの注意をひくことぐらないらできるぞ!」
唯「でも……」
律「見てるだけじゃ嫌なんだ!」
澪「私たちも、同じけいおん部の仲間だろ!?」
唯「……りっちゃん、澪ちゃん」
律「唯、後ろからくるぞ!」
澪「前方からも!」
唯「任せて!!イーちゃああああん!!」
イザナギ「……!!」
澪「一匹逃げていくぞ!」
律「よっしゃー、残り二匹!」
唯「けいおん部パワーを見せてやる!!」
ゲェエエエエエエエーーー!!
ヒゥイイイイイイイイイーー!!
律「同時攻撃かよ!?」
唯「負けるかぁあああああ!!!」 キィイン!
ギャン!!!
澪「やったか!?」
唯(一匹仕留め損ねた!!)
ヒヒヒヒヒ……!!
唯「りっちゃん、澪ちゃん逃げて!!」
律(つっ、傷が痛んで……) ヨロッ
澪「律!!」 バッ
澪「お、お化けめ!来るならこい!」
律「澪のばかちん!私をかばう暇があったら逃げろよ!」
澪「ううううう、うるさい……」 ガクガク
律「足が震えてるじゃないか、無理すんじゃねー!」
澪「守られてばかりじゃだめだから、私だって律を助けたい。大切な親友を守りたいんだ!」
律「今はかっこつけてる場合じゃないだろ!」
澪「私は、負けない。こいつにも、自分の中の恐怖にも……!」
ヒヒヒヒヒ!!!!!!!
律「澪ー!!」
澪「コノハナサクヤッ!!」
澪「もう、おまえなんて怖くないんだから!やっちゃえ、コノハナサクヤ!」
サクヤ「……ッ!!」 カッ
キュウーーー!!
唯「すっごいよ、澪ちゃん!火がボワーって出たよ!」
澪「……はぁはぁ」
律「澪、サンキューな。それより大丈夫か?」
澪「う、うん。私がペルソナを使えるとは思わなかったから、ちょっとびっくりした」
律「そっか」
唯「ねぇねぇ、澪ちゃん。さっきの火出すのもっかいやって!もっかいやって!」
澪「え?ま、まぁいいけど。……ほら」 シュボッ
唯「おぅ~、あったかいね~」 ホッコリ
澪「ほんとだな~、これはいいな~」 ヌクヌク
サクヤ「…………」
唯「あぁー、幸せ」
澪「まったくだ」
イーヒッヒッヒヒーー!!
唯「澪ちゃん後ろ!」
澪「ほえ?」
律「私の親友に、手を出すんじゃねぇー!!」 ザシュンッ!!
アヒィイイイ!!
澪「た、助かった……?」
唯「りっちゃんも、ペルソナ使えたの!?」
律「あ、あははは」
律「さっき使えるようになりました!」
澪「なに!?」
唯「じゃ、じゃあ今のはまぐれペルソナ?」
律「ま、まぁ言い方は悪いがそうだな」
澪(私は死ぬ一歩手前だったのか……)
律「澪がやられるって思ったら、コンニャローって思って……」
唯「そしたら、その、出たと」
澪「まるまるっと」
律「ぽんっと」
唯「もっとドラマチックに出さないとだめだよ!?」
律「そんな決まりないだろ!」
澪「律のペルソナもかっこいいな」
唯「むむ、イーちゃんといい勝負かも」
律「だろ?戦う女って感じで私っぽいよな」
唯「戦う女ってとこは同意だよ」
澪「なんて言う名前なんだ?」
律「トモエだ」
澪「ぴったりだな」
唯「うんうん、イメージ通りかも」
律「ふふ、これで私もはれてペルソナ使いの一員ってわけだな!」
唯「ペルソナ使い……。それかっこいいね!」
律「ペルソナ使い、律!参上!」
唯「おー!」 パチパチ
澪「あほやってないでいい加減帰るぞ!また新手が来たら洒落にならない」
律「む、そだな。今日は解散して、また明日話し合うか」
唯「あいあいさー」
ゆいちゃんち
憂「律さんと澪さんもペルソナが使えたの!?」
唯「うん、びっくりだよねー。なんかね、コンニャローってなったら使えたんだよ」
憂「そんな簡単に……でも……」
唯「なんで急にペルソナが使えるようになったんだろうね。もしかして、この霧と何か関係があるのかな」
憂「そうかもしれない」
唯「うー、考えれば考えるほど分からない」
憂「それは明日にして、今日はもう寝ようよ、お姉ちゃん」
唯「そーだね。私も大活躍したから疲れちゃった」
憂「うふふ、じゃあ今度アイス買ってあげるね」
唯「アイス!?わーい♪」
憂「だから今日はおやすみ」
唯「おやすみなさーい!」
よくあさ
律「よっ」
澪「お早う」
唯「りっちゃん、澪ちゃん!待っててくれたの?」
律「まぁな。色々と話しておきたいこともあったし」
澪「唯から聞いたんだが、憂ちゃんもペルソナ使いなんだって?」
憂「はい。私もお二人が、ペルソナが使えるって聞かされたときはびっくりしました」
律「使える当人が一番びっくりだよ」
唯「うんうん」
澪「ここでたむろするのもなんだ、歩きながら話そう」
憂「そうですね」
律「昨日の影はなんだったんだろうな」
憂「何処から現れるんでしょう。昼間はまったく気配も感じませんし」
唯「昼間は影の中で寝てるんじゃないかなぁ?」
律「ありえるな」
唯「もしくは霧があいつらを連れてくる……とか?」
澪「たしかに、以前からあんなのがいたなら既に噂になってるはずだ」
律「お化けの噂も霧が出始めてから。案外その推理当たってるかもしれないぞ、唯」
唯「えへへ、名探偵だなんて褒めすぎだよ~」
憂「勘違いお姉ちゃんかわいい♪」
律「……」
澪「そっとしておこう」
澪「それで、結局どーするんだ」
律「澪がお漏らししそうになったこと?」
澪「なってないだろ!それと引っ張りすぎだ!!」
唯「私ね、昨日寝る前に考えたことがあるんだけど」
律「唯もか。実は私も考えてみたんだ。最近起きた殺人事件のこと、謎の影のこと」
憂「……」
律「そして私たちが使える力のこと……」
唯「もしかして、りっちゃんも私と同じ考えなのかも」
律「意外とそーだったりしてな?おっと、もう学校か。続きは放課後、部室で話そう」
澪「もう居残りは禁止だぞ。またさわ子先生に怒られてしまう」
律「大丈夫だって。適当に理由でっちあげて部室に行けばいい」
憂「あの、それは私も行ったほうがいいですよね?」
律「ああ、来てくれると助かる」
憂「分かりました。放課後は部室に顔を出します」
唯「おぉ!憂が部室に来るなんて久しぶりだね~♪」
憂「うん、お邪魔させてもらうね」
律「それじゃあ放課後によろしく!」
唯「ウイウイサー!」
憂「ふふ♪」
澪「それじゃあまたな、憂ちゃん」
憂「はい」
ほうかご
律「SHRが長引いちまったな。憂ちゃん待ってるよな」
唯「メールで、図書室で待ってるって」
澪「なら急がないとな。行こう」
?「あ、あの……」
律「ん?私たち?」
?「はい。けいおん部の方たち、ですよね?」
律「そうだけど、あなたは?」
?「あ、私は、梓さんと学年が一緒で、二年生なんです」
澪「そうなのか。私たちにどんな用なんだ?」
律「とりあえず、この入部届けにサインを」
澪「あほっ!」 ポカッ
律「いたっ!」
?「実は私……」
唯「何かな、何かな?」
澪「唯、急かすなよ。余計に言いにくいだろ。ごめんな」
?「い、いえ。実はその、見てしまったんです。でも、怖くて言い出せなくて……」
?「もしかしたら、見間違えとかの可能性も……っ!!」
律「どうしたんだ?」
?「し、失礼します!!」
律「なんだ、行っちまったぞ。何が言いたかったんだろうな」
澪「分からない。話があればまた向こうから来るだろう」
律「そだな。私たちは急いで部室に行くとしますか」
唯「……」
澪「唯?顔が青いぞ。早く憂ちゃんを迎えに行こう」
律「おいおい、どうしたんだよ、唯。私の後ろに何か……」
唯「……ぁ」
律「いる……のか……」
澪(たしかな息遣いを感じるっ!)
律(ま、まさかこんな所にまで影がっ!?)
律「……」
澪「……」
さわ子「あーなーたーたーちー」
律「ぎゃー!!」
さわ子「何よ、大声あげて」
律「さわちゃんかよ~。びっくりさせないでくれよな」
さわ子「そっちが勝手にびっくりしたんでしょう」
律「だって唯が思わせぶりな顔するからさ」
唯「あまりにも恐ろしい形相だったので」
さわ子「……誰のことかしら」
唯「ひひひ、1人ごとであります!」
さわ子「それより、部室がどうのって聞こえたんだけど?」
律「あ、あー!それのことな!しばらく部室で練習できないだろ?」
さわ子「そうね、当分部活動は禁止だから」
律「必要な機材とか持って帰って家で練習しようって相談してたんだ。な、唯」
唯「そーなんだよ!りっちゃん部長の言う通り!!」
さわ子「ほんとかしら」
律「ほんとだって。だから今から部室に行くとこなんだ」
唯「学園祭に向けて家でバンバン練習するんだよー」
さわ子「ほんとにそれだけ?ケーキはないわよね?」
律「もちろんそれだけだって!だから1時間もかからないと思う」
唯「ぱっぱのぱで、すぐ終わります!」
さわ子「そこまで言うならいいけど。早めに終わらせるのよ」
律「あい!」
さわ子「後で見に行きますからね」
唯「いぇっさー!」
律「……なんとか誤魔化せたな」
唯「寿命が縮まる思いでした」
律「はは、言えてる」
唯「あっ、もうこんな時間!憂、待ちくたびれて寝ちゃってるよ!」
律「唯じゃないんだから、それはないだろ」
唯「シンパシーで分かるんだよ!急ごう!!」
律「おう。澪、ボーッとしてないで行くぞ」
澪「あ、ああ」
ぶしつ
唯「憂ー?」
憂「あ、お姉ちゃん……」
律「なんだ、こっちに来てたのか。必死に図書室探しちまったぜ」
澪「遅くなってごめんな。SHRが長引いて……っ!」
紬「……」
唯「……ムギちゃん」
律「ムギも、部室に何か用なのか?」
紬「そうね、どちらかというと、りっちゃんたちに用がるの」
律「私たちに?」
憂「……」
紬「りっちゃんたち、ペルソナ使いよね?」
澪「なっ!」
唯「どうして、それを知ってるの!?」
律「……なんで、分かった」
紬「朝教室でコソコソ話していたでしょう?気になったから聞き耳立ててたらね、聞こえてきたの」
澪「……」
紬「ペルソナって」
律「だとしたらどうなんだよ」 ゴクリ
紬「私もね、使えるんだ、ペルソナ」
律「嘘だろ……?」
紬「……アヌビス」 カッ!
唯「す、すごいの出たよ……」
澪「私たちのペルソナとはなんだか、オーラが違うな」
紬「唯ちゃんのイザナギがLv1としたら、私のアヌビスはLv59ってところかしら」
唯「分かりやすい!」
律「感心してる場合じゃないだろ」
澪「そ、そうだな」
律「ムギ、私はな、おまえのことは親友だと思ってる」
紬「嬉しいわ」
律「だからはっきりさせたいんだ。ムギが私たちの……」
紬「何?」
律「今まで通りの親友なのか、ほんとは敵なのかってことさ」
紬「……」
紬「りっちゃんたちが霧の夜に出会ったお化け、私はシャドウって呼んでるわ」
律「へぇ、かっこいい名前じゃないか」
紬「おそらくだけど、殺人事件の犯人はシャドウよ」
澪「そ、それは私も考えた」
紬「あんなことをするシャドウだから、きっとすごく強暴で凶悪な個体」
唯「想像したくもないね」
紬「でもしないとだめ。憂ちゃんから聞いたんだけど、今日ここで集まって話をする予定だったんでしょう?」
律「ああ」
紬「大方、この事件の犯人であるシャドウを退治しようって話じゃないかしら」
律「私はそのつもりだった」
唯「わ、私も……」
紬「りっちゃんたちは、その強暴で凶悪なのと戦うことになるのよ」
憂「……」
憂「私は、反対です……」
澪「憂ちゃん?」
憂「だって、とっても危険なんですよ!?」
紬「そう、とても危険なことなの。大怪我をしたり、最悪、誰かが命を……」
澪「……っ」
憂「遊び半分じゃ許されないんです!実際、人だって死んでる!」
律「……」
憂「たしかに私たちには力がありますけど、不死身というわけではないんですよ?」
唯「そう、だね……」
紬「この力を忘れて、普通の生活に戻ることもできわ。今なら」
憂「犯人はきっと警察がなんとかしてくれるよ。だから、危ないことはよそう、お姉ちゃん」
唯「……」
律「あーあ!」
唯「ど、どしたのりっちゃん」
律「なんつーかさ、憂ちゃんの言う通りだと思ってな」
紬「……」
律「そーだろ?たしかに犯人捕まえようって思ったけど」
律「それは特別な力に目覚めたことの思い上がりだったのかもしれない」
紬「遊び半分で手を出そうなんて、甘い考えだと思うわ」
澪「たしかにそうだな」
律「だからさ、それ聞いたら……はぁ……」
唯「わ、私は遊び半分じゃないよ!本気だよ!!」
憂「お姉ちゃんはまだそんなことを言って。律さんもお姉ちゃんに言ってあげてください」
律「唯、これは遊びじゃないんだぞ。マジの中の大マジだ。下手したら誰か死ぬ」
唯「死なないよ!みんなで力を合わせれば、きっと大丈夫だよ!!」
律「本気かよ、大怪我するかもしれないぜ?」
唯「私はこの力で憂も、友達も、この町も守りたい」
唯「でも、それは1人でできないことだと思う」
澪「……」
唯「だからね、みんなの力を貸してほしいの!みんなが大好きな友達を、家族を守るために!」
紬「それが、唯ちゃんの考えなのね」
唯「うん!私は譲らないよ!!」
憂「お、お姉ちゃん……」
律「唯……おまえ……」
唯「だからりっちゃんになんと言われようと、考えは変えない」
唯「むしろこっちの仲間に引き入れちゃうんだからね!!」
律「……」
唯「……」
律「……唯」
唯「なに?」
律「そいつは最高に燃えるな!!」
憂「律さん、それはどういう意味ですか……」
律「本当に思ってたんだよ、遊び半分で犯人捕まえてやろーって」
澪「律……」
律「けど、それじゃいけないんだ。そんな中途半端な気持ちじゃ、守れない」
律「怖くて、痛いこともあるかもしれない。それでも、私はみんなを守りたいって改めて思った」
唯「りっちゃん!!」
律「だからやってろうぜ、唯!!この町に平和を取り戻すんだ!!」
唯「おぅ!!」
澪「はぁ、おまえってやつは……」
律「へへ、今になってわかったのかよ。私がこういうやつだって」
澪「前から知ってたよ。律と唯だけじゃ頼りないからな、私も協力するぞ」
唯「さっすが澪ちゃん!」
憂「……」
唯「憂お願い、力を貸して」
律「安心しろい、いざとなったら唯も憂ちゃんもこのあたしがまとめて面倒みるぜい!」
澪「微力ながら、私も力を貸そう」
憂「みなさん」
唯「えへへ、けいおん部パワーでなんとかなりそうな気がしてきたでしょ?」
憂「……お姉ちゃんは、こうと決めたら絶対に貫き通すからね」
唯「そこに憂が加われば100人力だよ!」
憂「分かりました、私も協力します」
律「ありがとう、憂ちゃん」
憂「ただし、本当に危なくなったらお姉ちゃん連れて逃げちゃいますから」
澪「はは、それは困るな」
律「……さて、憂ちゃんもこっちに来たことだし、残るは1人だな」
紬「……」
澪「ムギ、おまえが来れば千人力だ」
律「事件解決のために力を貸してくれ!!」
唯「お願い、ムギちゃん!」
憂「私からもお願いします」
紬「ふふふ……」
澪「……?」
紬「実はね、私の答えはもう決まってるの」
紬「もちろんイエスに決まってるじゃなーい♪」
律「ムギ!」
唯「やっぱりムギちゃんは私たちの親友だよ~!」 ギュッ
紬「もう、唯ちゃんたら♪」
澪「でも、どうしてあんな回りくどい言い方したんだ?」
紬「ごめんなさい。でも、とても危険なことでしょう?みんなの覚悟が知りたかったの」
律「ムギは意地の悪いことをするな。そんなの最初からあるに決まってるぜ!」
憂「最初は遊び半分だって誰かさんが言ってましたよ」
律「ぐっ!そ、その部分はカットしておいてくれ」
澪「できるか!」 ポカッ
律「あひぃ!」
「「あはははは」」
ゆいちゃんち
律「……」
澪「……」
唯「……」
憂「……」
紬「ふぅ、お茶がおいしいわー。あら、なんだかみんな暗くないかしら?」
律「あの後さわちゃんにこってり絞られたからな、早く帰れって言ったでしょーって」
唯「本気で怒るとさわちゃん怖いね」
澪「……」 ガクガク
憂(澪さんは消えないトラウマになってそう)
紬「ところで今後の方針だけど、どうするの?」
澪「そうだな、ちゃんと決めたほうがいいと思う」
律「相手は霧の夜にしか現れないから、地道に足で捜査ってことになると思う」
唯「うぅ、大変そうだね」
律「もちろん、ただ闇雲に霧の中を探し回るんじゃないぜ?」
唯「そうなの?」
律「そんなんじゃいつまでたっても見つけられないだろ。そこで、憂ちゃんの出番だ」
憂「私のペルソナのレーダー、ですか」
澪「そうか、レーダーを使えば効率よく敵を見つけられるな!」
律「敵わないやつが近づいてくるのが事前に分かったら、逃げればいい」
唯「りっちゃんにしてはナイスアイディア!」
律「一言余計だ」
紬「ふふ♪」
律「それじゃあ、当面は夜のパトロールに決定だな」
唯「霧が出た夜のパトロールだね」
澪「私はそれでかまわないぞ」
憂「私もいいと思います」
紬「同じく~」
律「うし、お昼の部はここで解散~。最近霧が出る時間帯が早まってるようだから、各自注意すること」
唯「あいまん!」
憂「……皆さん、せっかくなのでお昼うちで食べていきませんか?」
澪「いいのか、憂ちゃん」
憂「はい、みなさんがよければですけど」
律「はは、そんなオールオッケーだよ。ムギはこの後用事あるか?」
紬「とくにないから、私も大丈夫よ」
澪「ならいただいていこう」
唯「わー、みんなでご飯だー!!」 バタバタ
律「こら!はやしゃぐな、唯」
よくあさ
唯「ふぁー!」
憂「お姉ちゃんすごい欠伸。ふぁ……」
唯「憂だって」
憂「結局昨日は霧が出なかったね」
唯「頑張って深夜1時まで起きてたのに」
憂「でも霧が出なかったってことは、シャドウも出なかったってことだから」
唯「いいことだね!……でも」
憂「眠いね」
唯「うん……」
プルルルルルルル
憂「あ、うちに電話だ。誰だろう」
憂「はい、平沢ですが……」
さわ子『さわ子だけど、その声は憂ちゃんかしら?』
憂「はい、先生お早うございます」
さわ子『朝早くにごめんなさいね。事件の件で全校集会があるからそのことで電話したの』
憂「そうなんですか。わざわざありがとうございます」
さわ子『ううん、別にいいのよ。』
憂(なんで今更全校集会なんだろ。あるとしたら事件が起こった次の日にするんじゃないのかな)
さわ子『それにしてもひどいわよね』
憂「そうですね、早く犯人が捕まって欲しいです」
さわ子『憂ちゃんの同級生なんでしょう?杭みたいなもので全身メッタ刺しで穴だらけだって……』
憂「……なんの、ことですか」
さわ子『何って今朝の事件よ。ニュース見てないの?』
憂「……っ!!」
憂「お、お姉ちゃんテレビ点けて!」
唯「うん!」
『被害者は○○○さん(17歳)。全身を杭のようなものでメッタ刺しに刺されており……』
憂(……嘘、昨日は霧なんてでなかったのに!)
唯「……この子」
憂「お姉ちゃん、知ってるの?」
唯「昨日、りっちゃんと、澪ちゃんと一緒にいるときに会った子だよ……」
憂「……」
さわ子『もしもし?憂ちゃんどうしたの?もしもし?』
がっこう
紬「……」
澪「昨日は霧なんて出なかったよな?なのになんで……」
律「知らねーよ!こっちが聞きたいぜ!!」
唯「事件の被害者は昨日会った子だよね」
律「……そういえばあの子、私たちに大事な話があるみたいだった」
澪「もしかして事件の犯人を見たんじゃないか!?」
律「それで殺されたってのかよ?でも犯人はシャドウだろ!」
唯「あのとき、ちゃんと話を聞いてあげれば、あの子は死なずにすんだのかな」
律「……」
澪「わ、私たちのせいで……」
律「クソっ!ぜってー許せない!!今日から毎晩パトロールするぞ!!」
唯「そ、それはなんでも……」
律「んだよ!唯はこのままシャドウを野放しにしててもいいってのかよ!?」
唯「そうは言ってないよ!」
紬「落ち着いてっ!!」
律「……っ!」
唯「……ご、ごめん」
澪「……」
紬「私たちが言い争っても死んだ人は帰ってこないわ」
律「……」
紬「昨日は霧は出なかった。そうね」
澪「ああ、天気予報やネットで調べたけど、霧は出てなかったみたいだ」
紬「憂ちゃん、昨日はシャドウの気配を感じた?」
憂「いえ、全く感じませんでした。と、言っても私は深夜1時に寝てしまったのですが」
紬「警察によると、死亡推定時刻は夜の21時から22時まで間らしいわ」
憂「その時間にも感じられなかったです」
澪「家から学校までかなり距離あるだろ。そんなに広範囲のシャドウの場所が分かるのか?」
憂「その、気配でシャドウが出現したかどうかは分かるんです。だけど、具体的な位置までは分かりません」
紬「つまり、昨夜はシャドウが出現しなかったってことになるわね」
律「シャドウが現れなかったって、どういうことだよ。犯人はシャドウだろ?」
唯「犯人はシャドウじゃない……?」
紬「……もしかしたら、私たちは大きな勘違いをしているんじゃないかしら」
澪「どういう意味だ、ムギ」
紬「……」
キーンコーンカーンコーン
紬「チャイムが鳴ったわね。そろそろ教室に戻りましょう」
唯「そうだね。また放課後話し合おうよ」
律「ああ……」
ほうかご
純「あっずさー、ういー、一緒に帰ろー」
梓「うん、いいよ」
憂「ごめん、この後予定があって」
純「なになに、デート?」
憂「あはは、違うよー。また今度誘ってね、バイバイ」 スタスタ
純「行っちゃった」
梓「……」
純「最近憂付き合い悪くない?」
梓「うん」
純「ほんとに彼氏だったりして」
梓「憂ならそういうことはちゃんと言ってくれるよ」
純「そーかなー」
梓「……」
純「ところでさ、今日梓暇?」
梓「とくに予定はないけど。どうしたの?」
純「でへへ、実はさ……」 ゴニョゴニョ
梓「えぇ!?」
純「声大きいって!」
梓「そ、それってまずくない?だって今は……」
純「そーだけど、やっぱ1人じゃ怖いからさ」
梓「それで友達を危ない目にあわせるのはどうなの?」
純「お願い!今度なんかおごるから!!」
梓「わりに合わないような……」
純「梓さま!!」 ギュッ
梓「にゃ!?な、な、何するの純!!」
純「お願いいたしますー!この通り!!」
梓「分かった!分かったから!!」
純「さっすが梓ー!心の友よ~」
梓「もう、純は強引なんだから」
純「それじゃあよろしくね」
梓「あまり気が進まないけど、しょうがないなぁ」
純「頼りにしてるから♪」
梓「はいはい……」
「今夜21時に公園集合!」
21じ こうえん
ニャーニャー
純「かっわいいでしょー♪」
梓「か、かわいい……」
純「公園に子猫5匹捨てられてるの見つけたときはびっくりしたよ」
梓「にゃにゃ?」
純「飼ってあげたいけど、私んち親が猫アレルギーだからね。今里親を探しながら世話してて」
梓「にゃにゃにゃ」
純「こうしてこっそり面倒見てるわけよ。子猫だから食欲旺盛で大変だわ」
梓「にゃっ!にゃっ!」
ニャーニャーニャー
純「……梓、猫と会話してる」
梓「にゃー!!」
憂「……」
律「憂ちゃんどうだ?」
憂「かすかですが、シャドウの気配の感じます。あっちの方角です」
澪「今夜は早い時間に霧が出たな」
紬「霧が出る時間帯が段々早まってきてる気がするの。このままだと昼にも霧が出るかもしれないわ」
律「そうならないためにも、さっさとやっつけちまおう」
唯「りっちゃんの言う通りだよ!霧で覆われた町なんて見たくないよ」
憂「あっ!」
澪「どうした、憂ちゃん」
憂「シャドウの近くに人が……、おそらく二人います!」
律「いよいよ急いだほうがいいな」
紬「ええ」
唯「行くよ、みんな!」
「「おーっ!!」」
梓「……はぁ、かわいかったな」
純「梓ってそんなに猫好きだったっけ?」
梓「んー、そうでもなかったんだけど、今日ので完全に猫派になった」
純「あはは、そうですか」
梓「ごめんね、遅くなっちゃって」
純「いいって。もとは私が誘ったんだし」
梓「うん。……あれ?」
純「どしたの?」
梓「霧が出てよく見えないけど、あそこに誰かいない?」
純「……うっすらと人型のシルエットが見えますな」
梓「ま、まさか……」
純「まさか、だよね?」
梓「……ちょっと近づいてみよっか」
純「やめたほーがいいって。このまま帰ろ?」
梓「でも、なんだかすごい気になっちゃって……」
梓「……これは」
純「あ、梓、待ってよ」 タタタッ
梓「……鏡?」
純「ほんとだ、梓が写ってるね。でもなんでこんな所に鏡があるんだろ」
梓「分からない」
純「にしてもおっきな鏡だよね。まるでもう1人梓がいるみたいだよ」
梓「……」
純「もうちょっとよく見てみよ」
梓「純!」
純「な、何よ、いきなり大きな声出して。びっくりするじゃん」
梓「それに近づかないで……」
純「え、だってただの鏡だよ?別にどうってことないでしょ」
梓「おかしいよ」
純「なにが?」
梓「鏡なら、純が写ってないとおかしい」
梓【ふ、ふふ……】
純「鏡の梓がしゃべった!?」
梓「……」
梓【……】
梓「あなた、誰」
梓【梓】
梓「梓は私」
純「ど、どうなってんの……」
澪「鈴木さん!」
唯「あずにゃん!!」
純「み、皆さん!」
律「おい、なんで梓が二人いんだよ」
憂「片方はシャドウです!」
澪「なんで梓とそっくりなんだ!?」
梓【あぁ、けいおん部の先輩方じゃないですかぁ。どうも】
唯「あずにゃん?」
梓【そーですよ。あなたの大好きなあずにゃんです。ウザイ唯先輩】
梓「……っ!」
梓【唯先輩ってほんとウザイんですよね、べたべたしてきて】
梓【律先輩も律先輩でだらしないし?練習もほとんどやらないダメ部】
律「梓、おまえ……」
梓「わ、私はそんなこと思ってない!!」
梓【だらしないから部員だって私が入部してから増えないじゃない。先輩が卒業したら廃部だよ】
梓「私が頑張って集める……廃部になんて……」
梓【はぁ……、なんで私こんな部活に入部しちゃったんだろ】
梓「や、やめて……」
梓【他の部活にしとけばよかったな】
梓「……あなたなんか私じゃない……あなたなんか私じゃない!!」
梓【ふ、ふふふ……あはははは……!!】
憂「シャドウの力が強まってる!」
澪「どーなってんだよ!あれは単なるシャドウの物真似じゃないのか!?」
紬「おそらく、あれは梓ちゃんの抑圧された心にシャドウが干渉したもの」
律「いうなれば、もう1人の梓ってわけか?」
唯「わわ、なんだかまずい雰囲気だよ!?」
紬「自分自身に否定されたことで、力が暴走する……!」
澪「来るぞ!!」
【ニャアアアアアアー!】
純「どどど、どーなってんですかー!?」
梓「……」 バタリ
唯「あずにゃん!?」
律「唯、憂ちゃん!梓と鈴木さんを安全なところへ!」
唯「がってん!」
憂「分かりました。純ちゃんこっちにきて!」
純「う、うん」
律「残りは戦闘準備だ!」
澪「ああ!」
紬「任せておいて!」
【ウニャウニャー】
律「しかし、ほんとに梓らしいシャドウだな。ちょっとかわいくて油断しちゃう」
【シャー!!】
紬「危ない!!」 ガキン!
律「いきなりかよ!てか尻尾が三本もあるなんて、まんま化け猫だな」
紬「りっちゃん、見た目に惑わされないで。これはシャドウなのよ」
律「すまん、ムギ。助かったぜ」
澪「私から行く!コノハナサクヤ!!」
サクヤ「……!!」 カッ!!
【アチュイニャー!!】
紬「炎でひるんだ!」
律「総攻撃のチャンス!?」
【ニャアーーーーー!!】
律「うわっ!」
澪「馬鹿!調子に乗るな!!」
【ニャアー】
律「くっそー、あの尻尾が厄介だな」
唯「お待たせ!二人とも安全な場所に避難させたよ」
澪「憂ちゃんは?」
唯「二人を見ててもらってる。あれがあずにゃんの……」
【ニャア?】
唯「……か、かわいい」
澪「それはもういい!」
律「んでどーすんだ、何か案は?」
紬「私にいい考えがあるわ」
【フニャア】
紬「アヌビス!やっちゃいなさい!!」
アヌビス「……!!」 ゴォオオオ!
唯「わっ!すごい風!!」
【ニャニャニャニャニャ!?】
律「ふらついてるな」
澪「……あ、ひっくり返った」
【ニャー!!】 ジタバタ
律「今度こそ!」
澪「総攻撃のチャンス!!」
唯「イーちゃん!!」 カッ!
【ギニャー!!】
【ニャァ……】 シュウー
紬「影が消えていく……」
律「やっつけたみたいだな」
唯「あ!あれを見て!!」
梓【……】
澪「また梓の姿に?ど、どういうことだ……」
紬「なんだか、とても悲しそうな顔をしているわね」
梓「……」
唯「あずにゃん!?どうしてここに」
憂「梓ちゃんが、どうしてもってきかなくて」
梓【……】
梓「……」 ヨロヨロ
唯「近づいたら危ないよ、あずにゃん!」
律「待て、唯。あのシャドウはもう敵意はないみたいだ」
梓「……最初は、どうしてこんな部活入っちゃったんだろうって思った」
梓【……】
梓「だけど、けいおん部で過ごす時間はとっても楽しくて、とっても充実してた」
梓「だから、先輩が卒業していなくなっちゃうのが余計につらかった」
唯「あずにゃん……」
梓「あなたはたしかに私。もう、否定しない」
梓【私はあなた……?】
梓「認めてあげられなくて、ごめんね」
梓【ううん、もういいよ】 スー
律「もう1人の梓が、消えていく……」
梓「……」 バタリ
澪「梓!」
憂「……気を失ってるだけみたいです」
唯「よかったー」
律「一件落着、なのか」
紬「今日のところは、そうみたいね」
澪「なら梓を送り届けて、私たちも帰ろう」
唯「私もそれにサンセー!きっとあずにゃんも疲れてるんだよ」
律「話はまた学校でな」
澪「ああ、今日はゆっくり休もう」
紬「そうね」
憂「それじゃあ梓ちゃんは私が……」
唯「みんなで送ろうよ!」
律「そのほうがいいだろ」
憂「分かりました」
澪「じゃあ帰るぞ」
唯「あいあいさー!」
憂(何か忘れているような……)
唯「うーいー?早くこないと置いて行っちゃうぞー?」
憂「純ちゃん!!」
純「へっくしっ!!」
ほうかご ぶしつ
梓「このたびはご心配をかけまして」
唯「あっずにゃーん!」 スリスリ
梓「もぉ、唯先輩たら」
澪「身体は大丈夫なのか?てっきり今日は休みかと思ったぞ」
梓「寝て起きたら元気になっちゃいました。それと、新しい友達もできたんです」
律「新しい友達?」
梓「はい……」
紬「……」
梓「ネコショウグン!」 カッ!
ネコ「ニャー!」
唯「ネコで将軍!?」
紬「これが、梓ちゃんのペルソナね」
憂「かわいいですね」
ネコ「ニャー!?」
律「おい、嫌がってるぞ。撫で回すのはそのへんにしておけ、唯」
唯「ちょぇー」
紬「梓ちゃん、部室に来たってことは事件解決に協力してくれるってこと?」
梓「はい。まだ目覚めてまもないですけど、先輩たちの力になりたいです」
律「梓、これは部活動じゃないんだ。怪我だってするし、命を落とすかもしれない」
澪「それでもいいのか?」
梓「先輩たちのように、私にだって守りたいものがあるんです」
憂「梓ちゃん……」
梓「怖くないかって聞かれたら、そりゃ怖いですよ?」
紬「ならどうして?」
梓「大切な人を失うことのほうがよっぽど怖いって気付いたからです」
梓「それに、私には力が……ペルソナがあるから……」
律「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
梓「その言葉は……?」
律「昔やってたヒーロー映画の台詞さ」
澪「責任か」
梓「……」
律「梓、力を貸してくれるか?」
梓「はい!」
唯「改めてよろしくねー、あずにゃん!!」 スリスリ
梓「ゆ、唯先輩はスリスリ控えてくださーい!」
憂「ふふ、スリスリするお姉ちゃんもかわいい♪」
律「梓も入れて6人、HTDのメンバーもけっこう増えたな」
澪「なんだ、HTDって?」
律「放課後探偵団の略。何かしら名前あったほうが便利だろ?」
唯「おぉ!かっこいいかも!!」
紬「ふふ、素敵だわぁ」
梓「律先輩らしい安直なネーミングセンスです」
律「ほっとけ!」
律「で、本題なんだけど、ここいらで捜査の方針を固めようと思うんだ」
唯「どーゆうこと?」
律「今までは霧が出てた夜にパトロールしてるだけだったろ?」
澪「そうだな」
律「どうせならさ、第1の事件、第2の事件の被害者を調べてみるのもいいんじゃないか」
憂「シャドウが犯人なら、あまり意味がないんじゃないでしょうか」
紬「本当にシャドウが犯人ならね」
律「仮にシャドウだったとしても、全くの無駄ってことはないだろ」
唯「なんかほんとに探偵みたいだね」
律「もしかしたら、何か新しい事実が分かるかもしれないしな」
澪「私はいいと思うぞ」
憂「私も賛成ですけど、どうやって調べるんですか?」
梓「第2の事件の被害者は私と憂の同級生ですから、調べようもありますけど」
律「うーん、問題はそこなんだよな」
澪「いきなり壁に当たったな……」
紬「私に心当たりがあるわ」
唯「ほんと!?」
紬「警察の人に知り合いがいるから、その人を当たれば分かると思う」
澪(そういえば、こなだいも死亡推定時刻をすらすらと答えてたな)
律(普通守秘義務ってのがあるんじゃないのか?警官としてはだめだろ……)
紬「どうしたの、りっちゃん?」
律「いや、どうやったら警察の人からそんな情報を引き出せるのかなと思って」
紬「りっちゃん」
律「な、なんだよ?」
紬「世の中には、知らないほうがいいこともあるの♪」
律「そう……だな……」
澪(ムギこわっ!)
律(被害者に関してはムギに一任して……)
澪&律(そっとしておこう……)
律「梓と憂ちゃん、第2の事件の被害者のことも調べておいてくれるか?」
梓「具体的に何をすればいいんですか?」
律「そうだな、事件当日の足取りとか。その日、何かおかしな様子はなかったかとか」
憂「分かりました、その子と同じクラスの人に聞いてみます」
澪「私たちは引き続き夜の見回りだな」
唯「がってん!」
律「何かあったらしっかりと報告するように」
「「りょーかーい」」
そのひのよる
唯「さぁ、集まりました。HTD見回り部隊!」
澪「なんでそんなに張り切ってるんだ」
律「今日は霧が出てないけど、油断はするなよ」
唯「分かってるよ、りっちゃん」
澪「憂ちゃんはなんて?」
唯「シャドウの気配は全く感じないって」
律「そうか……。とりあえずグルっと町内を一周しよう」
澪「分かった」
唯「りょーかーい」
澪「まだ時間も早いってのに、人っ子一人いないな」
律「この町にいるのが私たちだけみたいだ」
唯「……なんだか不気味だね」
「あら、あなたたち」
律「っ!」
澪「ひっ!?」
唯「その声は……」
和「三人集まって何してるの?」
唯「和ちゃん!」
和「散歩?」
律「まぁそんなところ」
和「まだ犯人も捕まってないのよ、お勧めできないわね」
唯「りっちゃんがどうしてもしたいってきかなくてさー」
律「私かよ!?」
澪「そういう和こそどうしたんだ、散歩か?」
和「まさか。これから勉強するから夜食の買出しに行ってきたの。冷蔵庫見たら何もなくて」
唯「ほえー、さすが受験生だね」
和「あのね、あなただって受験生なのよ?」
唯「はい……」 シュン
和「それじゃあ私は帰るから、もう夜に散歩なんてしちゃだめよ」
律「あいよ」
澪「和も帰り道気をつけてな。なんだったら送っていくぞ」
和「ありがとう、でも家は目と鼻の先だから」
唯「唯は受験生としての自覚を持つように、だって……」
律「ま、それを言うなら私もだな」
澪「威張ることじゃないからな」
唯「……今日は何もなさそうだね」
澪「これと言って異常も見当たらない」
唯「まだ見回り続ける?」
律「もう一周見て周って、解散するか」
澪「そうだな」
唯「そんじゃ早速いこー!」
つぎのひ ほうかごのぶしつ
律「……で、昨日見て周ったけど以上はなし」
澪「和に会ったぐらいだな」
紬「和ちゃんに?」
唯「うん、それ以外とは誰とも会わなかったし、シャドウも出なかったよ」
紬「……」
梓「どうかしたんですか、ムギ先輩」
紬「ううん、なんでもないわ」
律「それで、梓&憂ちゃん組は何か分かったか?」
梓「はい、一応収穫はありました」
紬「私も」
第1の事件の被害者たちについて
・三人はいわゆる不良仲間だった
・最近面白いおもちゃを見つけたと仲間内に話していた
・事件当日の足取りは不明(夜には霧が出ていた)
・死亡推定時刻から、生きながら電柱に張り付けにされた
第2の事件の被害者について
・学校で目撃されたのを最後に、その後の足取りは不明(紬調べ)
・第1の事件後、何かに怯えている様子だった
・死体発見場所は学校の屋上
・事件当日の夜に霧は出ていなかった
澪「ホワイトボードにまとめると、こんなもんか」 キュッキュ
梓「両方とも、被害者の足取りは分かってないんですね」
紬「警察の調べでも、目撃者は見つからなかったみたいだから」
唯「……うぅ、これだけじゃ全然分からないよぉ」
憂「第2の事件は霧が出てないというのが引っかかります」
律「たしかに気になるところだな」
紬「私はこの三人が見つけたおもちゃ……」
唯「遊ぶおもちゃってことはないよね」
澪「だろうな。でも、きっとろくなことじゃないだろう」
律「あー!余計こんがらがってきた」
澪「とにかくだ、忘れないうちにメモしておこう。解決の糸口に繋がるかもしれない」
梓「じゃあ、私がノートに書いておきますね」
律「頼む」
澪「私たちは、もう少し事件のことについて考えてみよう」
紬「そうね」
憂「……っ!!」
唯「どしたの、憂?」
憂「あ、あの……」
律「まさかやつらが!?」
さわ子「あーなーたーたーちー!!!!」 ゴゴゴゴゴゴ!
澪「ぎゃあああああああああ!!」
さわ子「何度も言わせないでちょうだい。居残りは禁止なの」
唯「ご、ごめんなさい」
さわ子「それに、このホワイトボードに書かれてること……」
律「それは、その」
さわ子「子供が遊び半分で首を突っ込んでいいことじゃないの。分かるわよね?」
澪「すみません」
さわ子「こんなことは今後一切禁止よ。これはね、あなたたちのためなの」
憂「……はい」
さわ子「分かったらさっさと帰りなさい。気をつけてね」
梓「分かりましたです」
唯「さわちゃん先生、さようなら」
さわ子「……」
唯「さわちゃん?」
さわ子「あ、はい、さようなら」
唯「どうかしたの、さわちゃん」
さわ子「……」
律「具合でも悪いのか?」
さわ子「あの子も、そう言っていなくなっちゃったなって」
紬「それって、第2の事件の?」
さわ子「ええ、昇降口に向かう途中ですれ違ってね」
梓「それじゃあ先生が最後の目撃者なんですか」
さわ子「そう、なるわね……」
憂「……そうだったんですか」
さわ子「私があのとき呼び止めていたら、あの子は……」
唯「さわちゃんのせいじゃないよ!悪いのは犯人だよ!!」
律「そうだぜ、さわちゃん」
さわ子「ありがとう唯ちゃん、りっちゃん」
げこうちゅう
律「最後の目撃者がさわちゃんだったなんてな」
澪「先生もつらいだろうな」
唯「……」
紬「先生の証言からしても、あの子は学校でさらわれた可能性が高いわ」
梓「どうしてそう思うんですか?」
紬「その子、発見されたときに上履きを履いていたの」
憂「それだと、学校から出ていないってことになりませんか?」
紬「外履きも下駄箱の中にまだあったから、おそらく……」
澪「昼間にシャドウが、白昼堂々とさらったってのか?」
紬「もしくは、犯人は……」
唯「学校関係者」
律「考えたくもないぞ……」
ゆいちゃんち
憂「……」
唯「……憂は、どう思う?」
憂「犯人のこと?」
唯「私たち、ずっとシャドウだって思ってたけど、もしかしたら学校の誰かが犯人なのかもしれない」
憂「でも、あんな異常な殺し方、普通の人には無理だよ」
唯「たしかに大人の男の人を電柱の上まで背負って、串刺しにするなんて無理だね」
憂「でしょ?そんなことができるのは、シャドウぐらいなものだと思う」
唯「……そうかな」
憂「そうだよ」
唯「その、もしかしたらだけど」
憂「……」
唯「犯人が私たちと同じペルソナ使いなら、犯行も可能だよね……」
憂「やめてよお姉ちゃん!それはクラスメイトや先生も疑うってことだよ!?」
憂「私、今日は見回り行かないから……」
唯「うん、わかった」
憂「部屋で勉強してくる」 タタタ
唯「……」
唯(私だって、学校のみんなを疑いたくはないよ)
唯(でも、もし誰かが犯人なら……私は……)
プルルルルルル
唯「ん、りっちゃんから電話。もしもし?」
律『唯!見たか!?』
唯「ど、どうしたの、りっちゃん。見たってなんのこと?」
律『まだ見てないのかよ!とにかく外を見てみろ!!』
唯「うん」
唯「…………うそ」
唯「まだ15時なのに、どうして霧が!」
律『澪、ムギ、梓にはもう連絡したんだ。唯と憂ちゃんは16時に駅前のファミレスに集まれるか?』
唯「うん、大丈夫だよ」
律『おし、じゃあ16時にな。来るときはくれぐれも気をつけてくれ』
唯「りょーかい」 ピッ
唯(……一体、どうなってるの)
唯「とりあえず、出掛ける準備しなくちゃ」
ふぁみれす
律「全員集まったか」
澪「唯、憂ちゃんはどうしたんだ?」
唯「憂は具合が悪くて、休んでるの」
律「憂ちゃんのレーダー頼りにしてたんだけど、参ったな」
梓「具合が悪いのでは無理はさせれません。私たちだけでなんとかしましょう」
紬「そうね」
唯「出掛ける前に憂に聞いたんだけど、ほんの僅かだけど、シャドウの気配を感じたって」
梓「やっぱり、この霧の中にもシャドウがいるんですね」
澪「ムギの言ったとおり、霧が出る時間がどんどん早まってるな」
紬「このままいくと、一日中霧で覆われるってことも十分に考えられるわ」
唯「憂が言うには、学校のほうからシャドウの気配を感じたみたい」
澪「学校か……。と、とりあえず行ってみるか?」
律「あったりまえだろ。シャドウが学校に巣食ってんならやっつけないとな」
梓「……やっぱり、学校の事件も犯人はシャドウなんじゃないでしょうか」
紬「もしかしたら、そうかもしれないわ。だから、それを確認しに行きましょう」
唯「うん、はっきりさせにいこう!あれこれ悩む前に、できることをしよーよ!!」
律「唯の言う通りだ。みんな、学校へ行くぞ!」
339 : 以下、名... - 2011/02/21(月) 03:22:21.07 XQUMhJuAO 135/268今来たんだがペルソナ知らなくても大丈夫?
342 : 以下、名... - 2011/02/21(月) 03:36:55.02 GpH7VuNJ0 136/268>>339
大丈夫なように書いてるつもりだけど
ペルソナ、シャドウのイメージが掴みにくいかも……
ペルソナは自分の中のもう1人の自分、自分の心を具現化した存在
もっと簡単言っちゃえばスタンドみたいなもん
シャドウはそのまま、黒くうごめく影のお化けをイメージしてくれればおk
ちなみにストーリーはP4とだいたい一緒だけど
P4の確信的なネタバレは避けるように書くつもりなんで
これからP4やる人も安心してご賞味いただけます(`・ω・´)
がっこう
梓「……正門、閉まってますね」
澪「もう学校の中には誰もいたいみたいだな」
唯「りっちゃん、入ってみる?」
律「せっかくここまで来たんだ。入ろう」
梓「りょーかいです」
律「やっぱり昇降口も鍵かかってんな」
澪「時間が時間だしな、仕方ないだろ」
梓「これからどうしますか?」
紬「さすがに窓を割って中に入るってわけにもいかないわね」
唯「屋上に行ってみない?」
律「でも鍵かかって、中には入れないんだぜ?」
澪「あ、ひょっとしてペルソナで?」
唯「思いっきり、びょーんって飛んだら行けると思うんだ」
紬「うん、行けるわ」
澪「でも、けっこう高さあるぞ……」
律「怖いってんなら、私がトモエで抱いて連れてってやるよ」
澪「こ、怖くないぞ!」
律「はいはい、トモエ、澪を頼む」
トモエ「……」 コクン
澪「おい、これってお姫様だっこじゃ!」
律「トモエ、飛べ!!」
澪「うわぁあああ!!高いぃいいいいい!!」
紬「……」
梓「ほんとに屋上までジャンプしちゃいましたね」
唯「次は私が行くよ」
紬「唯ちゃんお先に~」 ピョン
唯「あぁ!待ってよ、ムギちゃーん!!」 ピョーン
梓「……」
梓「じゃ、じゃあ私も。ネコショウグン!!」 カッ
ネコ「ニャー」
梓「あの、屋上まで連れて行ってほしいんだけど、できる?」
ネコ「ニャ?」
梓(……大丈夫かな)
梓「はぁ……はぁ……」
唯「あっずにゃーん、遅いよー」
澪「ここまで登ってきたのか……」
梓「だ、だってネコショウグンが、ジャンプは無理だって」
紬「ネコはジャンプ力あったと思うけど」
律「ああ」
梓「……」
ネコ「ウニャ?」
梓「もう!」
律「屋上に来たものの、なんもないな」
唯「うぅ、ここまで来れば何かあると思ったんだけど」
澪「KEEP OUTの黄色のテープが生々しいな」
梓「……」
コツコツ……
唯「……今、何か聞こえなかった?」
澪「私は何も」
律「私も分からなかったな」
唯「足音みたいな音が聞こえたんだけど、気のせいだったのかな」
コツコツ……コツコツ……
紬「聞こえたわ」
梓「はい!確かに足音が聞こえます!」
コツコツ……
澪「どんどん近づいてるぞ!」
?「…………こんばんは」
紬「あなたは……」
唯「姫子ちゃん!」
姫子「こんなところで何してるの、けいおん部」
澪「それは……」
姫子「まぁ、だいたい察しはつくけどね」
梓「どういう意味です?」
姫子「こういうこと……ティターニアッ!」
澪「ペルソナ!?」
律「おまえも、ペルソナ使いなのか」
姫子「まーね」
唯「どうして姫子ちゃんが」
姫子「私だって分からないわよ。でも使えちゃうものは使えちゃうから」
律「姫子がペルソナ使いってのは分かった。学校にいるのはなんでだ?」
姫子「もしかして、私疑われちゃってる?」
唯「お願い、教えて姫子ちゃん」
姫子「唯にそう言われちゃしょーがない、教えてあげちゃう」
紬「……」
姫子「あなたたち、霧が出る夜に影の幽霊が出るって話知ってるよね?」
梓「はい。私たちはシャドウと呼んでいます」
姫子「へぇ、それかっこいいね。私もそう呼ぼう」
紬「続けて」
姫子「ああ、ごめん。私もさ、そんなのは噂話程だろうって思ってたんだけど、これがほんとに出ちゃって」
姫子「びっくりしたわ。さすがにあのときは死ぬかと思ったもの」
澪「それがきっかけで、ペルソナに目覚めた?」
姫子「うん。気がついたらティターニアが私の側に立ってた」
姫子「自分は特別なんだ、選ばれた人間なんだ、って思ったら舞い上がっちゃって」
律「……」
姫子「事件を解決してやろうと1人で頑張ってみたけど、全然分からない。お手上げ状態」
梓「じゃあ今日ここに来たのもそのためなんですね」
姫子「そ。ここで殺されたなら、また同じシャドウがここに現れるって思ったの」
唯「私たちも犯人を捕まえようってみんなで協力してるんだよ!」
姫子「へぇ……」
律「よかったら私たちの仲間にならないか?姫子が来てくれれば心強い」
姫子「……」
唯「姫子ちゃん、みんなで犯人を捕まえよう?この町の霧を晴らそうよ」
梓「わ、私からもお願いいます。先輩、協力してください」
澪「姫子、頼む」
姫子「私はやめておくわ」
唯「どうして!?」
姫子「事件を調べてるうちにね、思ったことがあるの」
紬「……」
唯「それは、なに?」
姫子「犯人は、もしかしたら私と同じペルソナ使いなんじゃないかって」
澪「そんな!!」
唯「……っ!!」
姫子「だから、あなたたちとは一緒にはいられない。もしかしたら、あなたたちの中に犯人がいるかもしれない」
梓「あ、ありえません!絶対そんなことありえませんっ!!」
姫子「どうして言い切れるのかしら」
梓「私はけいおん部でたくさんの時間を過ごしてきて、そんなことをする人じゃないって知ってます!」
姫子「私はね、そこまで信頼するほどの時間を過ごしたわけじゃないから」
唯「そんなの……悲しいよ……姫子ちゃん」
姫子「それに、私は犯人かもしれない」
唯「絶対違うよ、姫子ちゃんはそんなことしないもん!」
姫子「……」
唯「友達だから、分かるもん!!」
姫子「唯は、優しいね」
律「姫子、おまえ……」
姫子「さてと、私はそろそろ帰るわ。それじゃあ……」
姫子「……あ、そうだ。言い忘れてたことがあった」
澪「言い忘れてたこと?」
姫子「実はね、正門の前で真鍋さんを見かけたの」
唯「和ちゃんを……?」
姫子「じっと校舎のほうを見ていたけど、私が声をかけようと思ったら走って行ってしまって」
姫子「そのまま声をかけれず仕舞い。真鍋さん、あそこで何をしていたのかしらね」
唯「……」
姫子「ふふ、それじゃあね、唯」
澪「……行っちゃった」
梓「最後に言ったこと、本当でしょうか」
律「分からない」
紬「もしかしたら、和ちゃんもペルソナ使い……」
唯「……和ちゃん」
律「今日のところは、これで引き上げよう」
澪「夜のパトロールはどするんだ?」
律「今日はお休み。色々あってみんな疲れてるだろうから」
紬「そうね、それがいいわ」
律「唯、憂ちゃんにもゆっくり身体を休めるよう言っておいてくれ」
唯「……」
梓「唯先輩?」
唯「あ、ごめん。聞いてなかった」
律「しっかりしろ、犯人見つけるんだろ?」
唯「そうだね……」
よくあさ ゆいちゃんち
唯「……」 モグモグ
憂(昨日家に帰ってきてから、お姉ちゃん元気ないな。何かあったのかな)
唯「ご馳走様」
憂「お姉ちゃん、あのね……」
唯「おトイレ」
憂(聞こうとしてもはぐらかされちゃうし、どうしたんだろう……)
がっこう
律「おっはー」
紬「お早う、りっちゃん、澪ちゃん」
唯「おはよう」
紬「唯ちゃんもお早う」
律「SHRまでまだ時間あるし、ちょっくら部室で作戦会議でもするか」
唯「ごめん、私はちょっと用事あるから」
澪「あ、唯!」
律「唯のやつ、どうしちまったんだ?」
紬「昨日からなんだか元気がないみたい」
澪「和のこと、気にしてるのかな……」
せいとかいしつ
唯「失礼します」 ガラガラ
和「あら、唯じゃない。どうしたの?」
唯「和ちゃんに用があって」
和「そう。用って何かしら?」
唯「あ、あのね和ちゃん……」
和「なーに?」
唯「昨日、学校に来た?」
和「ええ、もちろん来たわよ」
唯「えっと、学校から帰った後なんだけど。16時くらいかな」
和「……」
唯「……来たのかな?」
和「来てないわ。昨日は霧が出ていたでしょう?危ないからずっと家で勉強してたの」
唯「そうなんだ」
和「なんでそんなこと聞くのかしら?」
唯「その時間に学校で和ちゃんを見た人がいて、ちょっと気になったの」
和「……誰」
唯「え?」
和「私を見たって人は、だーれ?」
唯「え、あ、えっと……」
和「……」
唯「……それは」
和「言いたくないのなら別にいいけど」
唯「……」
和「用はそれだけかしら?私はこの書類を片付けたいから、もう少しここに残っていくわ」
唯「分かったよ。お仕事の邪魔しちゃってごめんね」
和「邪魔だなんて……。またいらっしゃい、今度はお茶でも入れてあげる」
唯「うん、ありがとう。私先に戻ってるから」 ガラガラ
和「ええ、教室でね」
和「…………」
和「…………誰に見られたのかしら」
唯(和ちゃんが言うには、学校にきてない……)
唯(姫子ちゃんが言うには、和ちゃんは学校にきていた……)
唯(どっちかが嘘をついてるってことだよね)
唯(……)
姫子「唯、お早う」
唯「ひ、姫子ちゃん」
姫子「私の顔を見て驚くひどくない?」
唯「そんなんじゃないよ、いきなり声をかけられたからびっくりして、あはは」
姫子「ふーん、考えごとでもしてたのかな?」
唯「う、うん」
姫子「当ててみせようか?」
唯「それは困るかなー、なんて……」
姫子「真鍋さんのことでしょ」
唯「……っ!」
姫子「ふふ、唯は嘘がつけないタイプね」
唯「あのね、姫子ちゃん」
姫子「なに?」
唯「昨日、ほんとに和ちゃんを見たの?」
姫子「ええ、あれは間違いなく真鍋さんだったわ」
唯「よく似てる人ってことは……」
姫子「さすがにクラスメイトの顔は見間違えないわよ」
唯「そう、だよね」
姫子「もしかして、そのこと真鍋さんに聞いたの?」
唯「……うん」
姫子「それで、学校にはきてないって言われたのかな。だから私が嘘をついてると思った?」
唯「そんなつもりじゃ!」
姫子「でもね、二人の意見が食い違ってるってことは、どちらかが嘘をついてるってことよね」
唯「も、もしかしたら何かの勘違いかもしれないよ!?」
姫子「なら断言しておくわ。私は勘違いなんかしていない」
唯「姫子ちゃん……」
姫子「さて、嘘をついているのはどちらでしょう?」
唯「……」
姫子「ふふ、なーんて。じゃあね、唯」
律「おぅ、何処行ってたんだよー、唯」
澪「そろそろSHR始まっちゃうぞ」
唯「えへへ、ごめんね。ちょっと用事があって」
さわ子「みんなー、席つきなさーい」 ガラガラ
紬「さわ子先生来たみたい」
律「じゃあ学校終わったら駅前のファミレスで作戦会議な」
紬「分かったわ」
澪「そういうことだから、憂ちゃんにも声かけておいてくれ」
唯「あ、うん……」
さわ子「いつまで話してるの?欠席扱いにしちゃうわよー」
律「そりゃないぜさわちゃん!」
じゅぎょうちゅう
唯(……姫子ちゃん、和ちゃんのどちらかが嘘をついてる)
唯(でもどうして嘘なんか)
唯(……犯人だから?)
唯(違う!二人ともそんなことするような人じゃないよ!何か別の理由があるんだよ!!)
「ゆーいー、田井中さんから手紙」 コッソリ
唯「あ、うん、ありがと」
唯(なんだろう……) ペラッ
『外見てみろ!!』
唯(外……?)
唯「霧がっ!?」 ガタッ
先生「ひ、平沢さん?霧がどうかしたのですか……」
唯「はっ!?……あの、霧が出てるなーと思いました」
先生「たしかにうっすらと霧が出ていますね。ですが授業中は静かにお願いしますね」
唯「はい、ごめんなさい」
唯(どどどど、どういこと!?まだ朝なのに霧が……)
唯(なんで霧が出てるの!?)
ほうかごのきょうしつ
澪「おい、どーなってるんだ!?なんで霧が出てるんだよ!!」
律「私が知るかよ!」
紬「登校したときは晴れていたわよね」
唯「うん、間違いなく晴れてたよ」
律「どうして今になって霧が出たんだ」
澪「このままだと、町は霧に沈んじゃうんじゃないか」
紬「晴れない霧が町を覆う……」
律「霧の中はシャドウだらけってか?冗談じゃないぜ」
澪「その、一ついいか?」
唯「どうしたの、澪ちゃん」
澪「もしかしら気のせいなのかもしれないんだけど……」
律「いいから話せって」
澪「その、霧が出てから妙に胸騒ぎがしてな、何か関係があるんじゃないかと思って」
律「それは澪が怖がりだからじゃないか?」
澪「こ、これは違う!」
紬「……実は私も」
澪「ムギもか!?」
紬「ええ、すごくいやな気配を感じるの」
唯「私もなんとなくだけど、感じる。今も!」
澪「これってさ、シャドウの気配なんじゃないか?」
律「気配を察知できるのは憂ちゃんのペルソナだけのはずだろ?」
紬「こうは考えられないかしら。私たちにも分かるくらい、強い力をもったシャドウが現れた」
唯「そ、それって……」
律「ラスボス登場ってことかよ」
澪「シャドウのボスか……」
律「と、とりあえず憂ちゃんに確かめてもらおう」
紬「そうね、それが一番手っ取り早いわ」
唯「じゃあ私が憂に連絡を……」
プルルルルル
唯「あれ、あずにゃんから電話だ」
唯「もしもし、あずにゃん?」
梓『唯先輩、憂がっ!!』
びょういん
唯「……」 ガラガラ
律「唯、憂ちゃんは!?」
澪「だ、大丈夫なんだよな!そうだよな!」
唯「お医者さんが言うには、何処も異常ないって」
律「よ、よかったー」
唯「でも、それが異常なんだって……」
澪「どういうことなんだ?」
唯「意識が戻らない原因がまったく分からないって言われたの」
紬「……まさかシャドウが」
梓「うぅ、憂……」
憂「……」
律「今にも起きそうだな」
澪「ああ」
唯「……憂」
梓「ひっぐ、うぅ……」
紬「梓ちゃん、つらいだろうけど、憂ちゃんを見つけたときのこと、もう一度教えてくれる?」
梓「は、はい。授業が終わった後、憂と一緒に皆さんのところへ行く予定だったんです」
律「私がメールで言っておいたからな」
梓「でも、いざ行こうとしたら憂がいなくて。屋上へ行ったら憂が……憂が……」
澪「倒れていたのか」
唯「あずにゃん、何で屋上だと分かったの?」
律「それもそうだな、私だったら近づきたいくないぞ」
梓「……授業中、急に霧が出たじゃないですか」
澪「ああ、私たちもびっくりした」
梓「そしたら、憂が屋上に何かいるって言ったんですよ」
紬「何か……」
澪「シャドウか」
梓「分かりません。ただ、すごく怯えた様子でした」
律「1人で様子を見に行って、それで……?」
梓「ありえませんよ。このことは後で先輩に報告しようって約束したのに」
唯「うん、憂はそんな軽率なことをする子じゃないよ」
澪「じゃあ、どうして屋上なんかに行ったんだ」
梓「分かりませんよ!!」
紬「落ち着いて、梓ちゃん」
梓「うぅ……」
律「なにかの理由があって、憂ちゃんは屋上に行った。そこでなにかがあった」
紬「あるいは、誰かに連れていかれた、ね」
澪「鍵は屋上だな」
紬「もう一度屋上に行ってみたほうがよさそう」
律「ああ、ただ……」
唯「……」
律「唯、今日は憂ちゃんについててやれ」
唯「……うん」
澪「そうだな、それがいい」
律「梓は、どうする?」
梓「私も、憂のそばにいたいです」
律「分かった。私たちの分まで、よろしく頼む」
よる びょういん
憂「……」
梓「憂……」
唯「あずにゃん」
梓「はい?」
唯「あずにゃんは、この事件のことどう思う?」
梓「犯人がシャドウか人間か、ということですか?」
唯「うん」
梓「私はシャドウだと思います。憂も、そのシャドウに」
唯「私もね、最初はそう思ったんだ」
梓「……」
唯「でも、もしかしたら人間が……学校の誰かが犯人なのかもって思ちゃったの……」
唯「そしたらね、みんな怪しく思えて……。和ちゃんや姫子ちゃんを疑ちゃったんだよ」
唯「ひどいよね、友達なのに……」
唯「だけど、シャドウの気配がして、憂が倒れたって聞いたときね……」
梓「……」
唯「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ安心しちゃったんだ。あぁ、やっぱり犯人はシャドウだったんだって」
唯「もう、誰も疑わずにすむんだって……」
梓「……唯先輩」
唯「えへへ、ほんとにひどいよね。最低なお姉ちゃんだよね」
梓「最低なんかじゃないです」
唯「……」
梓「それだけ、みんなのことが大好きなんですよ」
唯「だけど、私は……」
梓「つらかったんですね。気付いてあげられなくて、すみません」
唯「つ、つらくなんてないよ。ひどいこと考えてたんだよ?」
梓「唯先輩、もう我慢しなくてもいいんです」 ギュッ
唯「我慢なんて……してない……ひっく……うう……」
唯「あずにゃん、あずにゃん!」
梓「よしよし」 ナデナデ
唯「もう、誰も疑いたくなかったんだよ!全部全部シャドウが悪いんだよ!」
梓「そうですね」
唯「シャドウが憂を!憂を!!」
梓「シャドウをやっつけて、憂を助けましょう」
唯「うん、うん!!」
梓「だから今日はもう休みましょう。自分のためにも、憂のためにも」
唯「……ぐすっ……分かったよ」
梓「おやすみなさい、唯先輩」
唯「おやすみ、あずにゃん……」
よくあさ とうこうちゅう
律「よ、澪」
澪「律か」
律「律か、とはなんだよ。元気ないなー」
澪「……霧」
律「……晴れないな。昨日の朝からずっと霧が町を覆ってる」
澪「このままだと、町中がシャドウだらけになっちゃうのかな」
律「そんなことにはならない」
澪「でも霧が……」
律「きっと晴れるさ。……晴らしてみせるさ」
がっこう
紬「りっちゃん、澪ちゃんお早う」
律「よー、ムギ」
澪「お早う」
紬「唯ちゃんと梓ちゃんは……?」
律「学校は休むとさ。放課後の作戦会議は参加するってメールで言ってたぜ」
紬「そう」
澪「今日、屋上を調べるんだよな?」
律「その予定だよ」
紬「なら夜がいいと思うの」
澪「余計危険じゃないか?」
紬「昨日の深夜、屋上でのシャドウの気配がより強まったのよ」
律「その時間帯に姿を現すってわけか」
紬「はっきりと気配が伝わってきたから、間違いないと思うわ。かなり強い力をもったシャドウね」
澪「屋上のシャドウを倒せば、霧も晴れるかな」
律「きっとな」
紬「ええ」
澪「……」
律「いまさら怖くなったのか、澪ちゅわん」
澪「む、武者震いしてたとこだ」
紬「あら、頼もしい」
律「じゃあ澪が最前線で決まりだな」
澪「私は後方支援でいいぞ!うん、そっちのが合ってるからな!」
律「さいですか」
紬「なにはともあれ、また放課後に話し合いましょう」
律「今度は唯と梓も含めてな」
澪「おい!その前に私の話を聞け!」
ほうかご ふぁみれす
律「全員集まったな」
澪「唯、憂ちゃんの具合はどうだ?」
唯「健康そのもの。いつ目覚めてもおかしくないってお医者さんが言ってたよ」
律「屋上のシャドウを倒せば、きっと目覚めるさ」
梓「そうです。めでたしめでたしのハッピーエンドです」
澪「殺人事件の犯人は、やっぱり屋上のシャドウなんだろうか」
律「たぶんな」
紬「……」
律「おそらく、屋上のやつがシャドウの親玉だと思う」
梓「そいつを倒せば、憂もこの霧も!」
唯「私、頑張るよ!」
澪「私だって!」
紬「今夜午前0時、学校の正門に集合ね」
律「全てを終わらせるんだ!いくぞ、HTD!!」
「「お~~!!」」
唯(今夜、シャドウを倒して憂を助ける!ついでに町も救っちゃう!)
唯(気合入れないと……!)
姫子「あ、唯じゃない。今、帰り?」
唯「姫子ちゃん!丁度いいところにきてくれたよ!」
姫子「どうしたの、鼻息荒くして……」
唯「今夜0時にね、みんなで屋上に行くんだ」
姫子「ああ、屋上のシャドウを倒すのね。でも、あいつめちゃめちゃ強そうよ」
唯「だからね、姫子ちゃんにも力を貸して欲しいんだよ」
姫子「無理無理、あんなの勝てっこないって」
唯「1人の力じゃ無理だよ」
姫子「……」
唯「でもね、みんなの力を合わせれば、きっとできるよ」
唯「私ね、和ちゃんと姫子ちゃんを少しだけど、疑っちゃったんだ」
唯「事件の犯人じゃないかって」
姫子「ま、無理もないわ」
唯「でもそんなことあるわけないんだよね。和ちゃんも姫子ちゃんも、私の大切な友人だから」
唯「私が信じた友人だから」
姫子「……」
唯「今夜0時……来てくれるって信じて待ってるよ、姫子ちゃん……」
姫子「……そう」
マヨナカ がっこう
唯「……」
律「すげー力を感じるな。ビリビリ伝わってくるぜ」
澪「怖くない、怖くない」 ガクガク
紬「いよいよね」
梓「やってやろうです、ネコショウグン!」
ネコ「ニャーっ!」
唯「行こう、この霧を晴らすために!!」
律「ああ!これで最後だからな、派手にいくぜ!」
澪「憂ちゃんを助けるんだ!」
梓「負けられません!」
おくじょう
紬「すごい霧ね。身体にまとわりついてきて、まるで生きてるみたい」
梓「霧が濃すぎて、視界最悪です」
律「とにかく、周りに注意するんだ」
唯「あい!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
澪「な、地震か!?」
律「足元の影が波うってる」
紬「現れるわよ!」
【……我は影の王】
梓「こいつが……、全ての元凶!?」
律「にしてもでかすぎだろ!」
澪「黒い目玉お化け……」
唯「りっちゃん、あそこ見て!」
律「身体から、霧が噴出してる」
澪「じゃあやっぱりあいつが……!」
【世界は、全てが霧に包まれる。それは人の望んだこと】
梓「そんなこと、望んだ覚えはありません!」
【人は、己の心を仮面で覆い、本性を隠し生きている】
【しかし、本当は心の仮面を脱ぎ捨てたいと思っている。生きることが窮屈だと感じている】
【だから我はそれを叶えた。戒めを解いた】
紬「まさか、それがシャドウ……」
【いかにも。あらゆる戒めから解放された存在。真の自由を謳歌できる存在】
澪「シャドウは、人々の抑圧された心から生まれた存在なのか」
唯「もう1人の自分……!」
【時が経てば、身も心もシャドウとなろう。真の自分になれるのだ】
律「そんなのごめんだぜ!苦しくても、つらくても、私は私でありたい!」
澪「たしかに人は弱いけれど、強くなることだってできるんだ」
唯「自分自身に勝つ強さだって、あるんだよ!」
【貴様らは例外だった。自身の本性を受け入れ、打ち勝った。そしてシャドウを使役した】
【貴様らはペルソナと呼んでいる】
梓「ペルソナは、もとはシャドウなんですね」
ネコ「ウニャウニャ」
【試さねばならない。人の可能性を。心の力を。もう一度】
紬「来るわ!!」
【消えろ……】 ガッ!
律「トモエ、ガードしろぉおお!!」
トモエ「……っ!!!!」
澪「大丈夫か、律!?」
律「ってぇ……攻撃がはんぱなく重いぞ!」
【跪け……】
澪「きゃああ!」
梓「澪先輩!?よくもー!ひっかき攻撃だよ、ネコショウグン!」
ネコ「ニャー!」 カリカリカリカリ
【……】
梓「お次は尻尾ビンタ!」
ネコ「フシャー!」 バチコンバチコン
【……】
梓「次は……」
【退け……】
梓「ひぅ!」
唯「あずにゃん!」
紬「唯ちゃん、りっちゃん!こうなったら同時攻撃よ!」
律「おう、任せておけ!」
唯「行くよ、イーちゃん!」
「「「ペルソナッ!!!」」」
【吹き飛べ……】
唯「うわわわわ!」
律「ちっくしょぉ!!」
紬「……っ!」
澪「うう、律……」
梓「唯先輩、ムギ先輩!」
律「…………」
唯「はぁ……はぁ……」
紬「力が入らない」
澪「勝てない……のか……」
【……終わりのようだな】
唯「まだまだだよ!まだ私は……つっ!」
澪「律、起きろ律ぅううう!!」 ユサユサ
律「……」
梓「憂を助けるって決めたんだ、絶対に助けるってきめ……」 バタッ
紬「あ、梓ちゃん」
【失せよ、人間……】
唯「私は諦めないっ!諦めてやるもんかぁあああ!!」
「ふふ、唯ってば意外と諦めが悪いんだね」
澪「姫子!?」
唯「信じてたよ、姫子ちゃん!」
姫子「唯にあそこまで言われちゃこないわけにはいかないよね」
唯「でも、来るのおーそーいー!!」
姫子「ヒーローは遅れて……ちょっと遅刻しすぎたかしら……」
紬「ふふ、そうね」
姫子「じゃあその分挽回しないとね」
【……無駄なこと】
姫子「そういうのはね、しっかりともがいてあがいたときに初めて言えるのよ」
【……】
律「……ん、私は?」
澪「律!心配させるな!」
梓「あれ……私は何を……」
唯「りっちゃん、あずにゃん!怪我ない?どこか痛くない?」
律「怪我はないし、痛みもないぞ。それどころか……」
梓「むしろ力が湧いてくる感じですよ!」
澪「ど、どういうことだ?」
姫子「私のペルソナはね、傷を癒したり、力を高めたりすることができるの」
唯「そういえば、私もどんどん元気が溢れてくる気がする!」
澪「私もさっきのダメージの痛みがひいてきたぞ!」
律「よっしゃああ!これからが本番だぜ!!」
紬「今度は負けないわ」
梓「倍返しにしてやるです!」
【……ならば、心を砕こう】 シュー!
紬「やつの身体から、すごい勢いで霧が噴出してる!」
梓「わわ、霧が濃すぎて全く見えないです」
律「視覚を封じる攻撃かよ!」
唯「霧で全てが覆われちゃった。みんな、大丈夫!?」
紬「きゃあああああ!」
律「ムギぃ!!よくもムギを!!」
澪「律、よせ!」
律「うわぁああああああ!!」
澪「律ぅううううううううう!!」
澪「律が、律が死んだ?そんな……そんな……きゃっ!」
姫子「や、やっぱり敵う相手じゃなかったのよ!ごめん、唯!私は逃げさせてもらうわ」
唯「待ってよ、姫子ちゃん!!」
梓「すみませんが、私も逃げさせていただきます。自分の命が大切ですから」
唯「あずにゃん!」
梓「ぎゃっ!」
唯「……っ!!」
【残りは貴様1人だ】
唯「……」
【信じた仲間は逃げ、死に絶えた。貴様はどうする】
唯「……じゃない」
【……】
唯「こんなの仲間じゃない……」
【自ら否定するか。やはり人間は……】
唯「こんなの、本当のみんなじゃない!やい、目玉お化け!みんなを返せ!!」
唯「私の信じた仲間を!強い絆で結ばれたみんなを!!」
【……っ!】
唯「ペルソナァアアアアア!!」 カッ!!
【馬鹿な……霧の沼から脱出するだと……?】
【人間が、自力で……しかも全員が……】
【ありえん、ありえんことだ】
律「ま、実際起こっちゃったんだから、仕方ないだろう」
澪「一瞬、ほんとにみんな死んじゃったのかと思ったぞ」
紬「たちの悪い幻覚といったところね」
梓「私は分かってましたけどね」
姫子「だいたい、脚本がひどいのよ」
唯「みんなが揃ったら、ハッピーエンドしかありえないもんね!」
【人の身に余る力だっ!!】
唯「誰もがもつ強さだよ!!」
律「んじゃま、そろそろフィナーレといきますか」
唯「いっちゃいますか、りっちゃん!」
【……滅びよ】
姫子「しっかりと、オチつけてね」
澪「おいおい、姫子もやるんだぞ」
紬「ふふ、最後まで協力してね」
梓「エンディングまで一直線です!」
【滅びろぉおおおおおお!!】
「「ペルソナッ!!」」
律「やったか!?」
【……】
澪「ま、まだ生きてるぞ!」
姫子「往生際が悪い」
紬「……待って、様子が変」
【これが……、人間の心の力か】
梓「そうです!みんな合わさるとすっごいんです!」
【貴様らは、人間の可能性を示した。私は、このまま朝の光に消えるとしよう】
【だが忘れるな。私は、人間が望む限り、何度でも蘇る】
唯「そのたびに、私たちが邪魔しちゃうんだから!」
【忘れるな。我は影の王。人間の心より生まれし者】 シュウウ
澪「消えた……」
梓「み、見てください!霧が!!」
唯「どんどん晴れてくよ!?」
紬「……朝日が昇るわ」
律「きれいだな」
姫子「今日はいい天気になりそうね」
梓「そうですね……」
唯「じゃあさ、じゃあさ、みんなで何処かにお出かけするのはどうかなっ!?」
紬「素敵♪」
律「思いっきり羽を伸ばしたいぜ」
澪「いいかもしれないな」
唯「はい!満場一致でけってー……」
梓「学校が終わった後に、ですね」
唯「えーっ!?」
ほうかご
唯「ふぁー……」
梓「これから憂のお見舞いに行くのに大丈夫なんですか?」
唯「えへへ、ごめんあずにゃん」
紬「事件が解決して、憂ちゃんも意識が戻って緊張の糸が切れたのよ」
梓「気持ちは分かりますが……」
唯「……zzz」
梓「歩きながら寝ないでください!!」
唯「あ、憂おはよう」
梓「梓です!!」
澪「しょうがないな、唯は。律もなんとか言ってくれ」
紬「いないわね」
澪「そういえば、電車の中で律のやつ寝てたな」
紬「……あ」
澪「置いてきた!?」
びょういん
憂「みなさん」
律「具合はどうだい、憂ちゃん」
憂「おかげさまですっかり良くなって。もうすぐ退院できるだろうって言われました」
唯「ゆーいー!」 ガバッ!
憂「お、お姉ちゃん!?」
唯「よかったよー、ほんとよかったよー」
憂「みんな見てるよ、恥ずかしいよー」
紬「あらあら、うふふ♪」
梓「でも、ほんとによかった。これなら文化祭も出られるね」
憂「うん!お姉ちゃんの演奏楽しみにしてるよ」
唯「けいおん部最後の文化祭だからね、気合入れてくよ!」
唯「よーし、みんな円陣組んで!」
澪「なんだよ、やぶからぼうに」
唯「いーから組むの!憂も!!」
憂「わ、私も?」
唯「私の後について言ってね!いくよ?」
梓「なんだか恥ずかしいです」
唯「文化祭にむけてー、HTD頑張るぞー!」
律「HTDはもう解散だろ。これからはHTTだ、HTT」
唯「えへへ、そうでした。じゃあテイクツー!」
唯「文化祭に向けてー!」
「病院では静かにしてください!」
澪「ひっ!?す、すみません」
唯「あはは、怒られちった」
律「はは、私ららしいな」
梓「ふふ、同感です」
その後、私たちは文化祭に向けて本格的に練習を始めました。
しかし、憂の体調は一向に回復せず、むしろ悪化したのです。
それを機に、唯先輩は練習に来なくなり、文化祭ライブは中止を余儀なくされたのでした。
あれからすうかげつご
律「みんな揃うのも久しぶりだな」
澪「ああ、卒業以来だ」
紬「梓ちゃん、けいおん部のほうはどう?」
梓「すみません、私の力不足で部員が全然集まらなくて……」
律「本来は憂ちゃんが入るはずだったしな、仕方ないさ」
梓「すみません……」
澪「ところで、唯って今何してるんだ?」
紬「大学進学をとりやめて、憂ちゃんのためにバイトしてるって聞いたけど」
梓「お見舞いは毎日行ってるみたいですよ。きっと今日も来てます」
紬「今から会うのが楽しみね」
澪「ああ、唯と会うのは本当に久しぶりだ」
びょういん
梓「失礼します」 ガラガラ
唯「あ、あっずにゃーん!」 ダキッ
梓「ちょ、唯先輩やめてください!みなさん来てるですよ!!」
律「よ!元気そうだな」
澪「はは、唯は変わらないな」
紬「ほんとね」
唯「みんな久しぶり!なんだか大人っぽくなったよね!!」
律「だろう?大人の魅力ムンムンだろう?」
唯「りっちゃん以外!」
律「てめー、唯ー!」
唯「きゃっきゃ!」
梓「もう!あんまりうるさくすると憂に悪いですよ!!」
律「そ、そーだな。すまん」
唯「別にいいよ。憂もね、みんなが来てくれてすごい嬉しいって!!」
澪「……っ!」
唯「え?……うん、うん。そーなの?」
律「お、おい、唯?」
唯「あのね、寝巻き姿だからちょっと恥ずかしいって」
紬「……そう」
梓「……」
唯「そんなの気にしないのにねー。憂の照れ屋さん!えへへ♪」
律「おい、梓……」
唯「あれ、どうかしたの?」
梓「いえ、なんでもありません」
唯「そうなのー?」
律「ああ、何でもないよ。ちょっとジュースでも買って来るから、梓付き合ってくれないか」
梓「分かりました」
唯「あ、私コーラね!憂は何がいい?オレンジジュースね!りっちゃん!」
律「ああ、コーラとオレンジな。りょーかいだ……」 ガラガラ
律「どーいうことだよ!」
梓「それはどういう意味ですか」
律「憂ちゃんだよ!」
梓「ご覧の通りです」
律「ご覧の通りって……」
梓「あの後、憂はまた意識不明になったんですよ」
梓「先輩たちが大学に入学してすぐあたりに」
律「どうして知らせてくれなかったんだ」
梓「唯先輩が、みんなも何かと忙しいだろうからって」
律「どうしてそこで遠慮しちまうんだよ」
梓「文化祭で、ライブが出来なかったのは自分のせいだと、引け目を感じているんだと思います」
律「でも、あれは仕方なかっただろう……」
梓「結果、唯先輩は憂に逃避、入れ込んでしまったんですよ」
律「入れ込むたって、チューブでつながれて、やせ細った憂ちゃんを見ても……」
梓「何も感じないほどに、です。今は、妄想の憂と楽しくおしゃべしています」
律「……」
梓「……私も認めたくありませんでした」
律「こんなのってありかよ……」
去り際の、律先輩の言葉がとても印象的だったのを今でも覚えています。
町の霧は晴らせたけど、今度は私たちの心に霧がかかってしまった、と。
497 : 以下、名... - 2011/02/23(水) 00:03:00.27 dZGSg10h0 201/268終わり
なんとか日をまたぐ前に終わらせられてよかった
規制くらったときはどうなるか心配だったけど、皆様の温かい保守に見守られて
なんとかなりました。どうもさんきゅー
498 : 以下、名... - 2011/02/23(水) 00:04:34.13 YCOePQSv0 202/268え?ちょ…
え?
509 : 以下、名... - 2011/02/23(水) 00:25:26.61 0OR1a1GYO 203/268前のセーブポイントからやり直そうか
562 : 以下、名... - 2011/02/23(水) 19:28:13.87 dZGSg10h0 204/268>>488から分岐します
今日あたりで完結できそうです
きっと、おそらく
かえりみち
澪「憂ちゃん、元気そうでよかったな」
唯「うんうん!文化祭までに退院できそうでよかったよ~」
梓「唯先輩、練習しっかりしないとだめですよ?」
紬「ふふ、梓ちゃんの言う通りよ」
唯「うぅ、あずにゃんとムギちゃんが厳しいよ、りっちゃーん」
律「おー、よしよし」 ナデナデ
梓「もー!ちゃんと練習してくださいね!」
澪「最近はごたごたして全く練習できなかったからな、当然だ」
律「はいはい、分かってますよー」
澪「ところで帰りの電車何分だ?」
律「あー、携帯で調べるからちょっと待ってろ」
唯「おー!携帯にそんな機能がっ!?」
梓「……唯先輩」
紬「ふふ♪」
律「……あり?」
澪「どーした、律?」
律「携帯が……ない……」
唯「えぇ!?」
梓「何処かで落としたんでしょうか?」
律「……そういえば憂ちゃんの病室で、机の上に携帯を置いた記憶が」
澪「なんでそんなとこに携帯置いたんだ!」
律「電源を切り忘れててさ、慌てて切って、そのまま机によっこらせと……」
唯「ぷーっ!りっちゃんドジ♪」
律「おまえには言われたくねー!」
律「と、いうわけだから携帯取りに行って来るわ」
澪「じゃあ私たちも……」
律「いいって、帰りが遅くなっちゃうだろう?先帰っててくれよ」
梓「いいんですか?」
律「ああ、気をつけて帰るんだぞ。じゃ、明日学校でな!」
唯「りょーかいであります!りっちゃんも帰りは気をつけるんだよー」
紬「ばいばい、りっちゃん」
澪「寄り道しないで真っ直ぐ帰るんだぞ、律」
律「はいよ、まったなー!」
律「……さてと、急いで戻らないとな」 タタッ
ういちゃんのびょうしつ
律「失礼しまーす」 ガラガラ
憂「あ、律さん。携帯忘れていきましたね」
律「あはは、ばれてたか」
憂「机の上にありましたよ、はいどうぞ」
律「お、サンキュー」
憂「ふふ、気をつけてくださいね」
律「んじゃ私はもう帰るよ。これ以上ここにいたら、憂ちゃん休めないからな」
憂「……」
律「文化祭、楽しみにしててくれよな!それじゃ……」
憂「律さん!」
律「ん?なんだ、憂ちゃん」
憂「霧の元凶であるシャドウは倒したって言ってましたよね」
律「ああ、もうこの町が霧で覆われることはないぜ」
憂「殺人事件の犯人も、そのシャドウだったんでしょうか」
律「そうだろ」
憂「……本当に、そうでしょうか」
律「気になることでもあるのか?」
憂「二度目の事件のとき、霧は出ていませんでした」
律「そうだな、でもそれはたまたま霧が出ていなかっただけで、あのシャドウが殺したんだろ」
憂「それはないと思うんです」
律「……どうして」
憂「あれだけ強大なシャドウなんですよ?行動を起こせば、絶対に私のレーダーにひっかかるはずなんです」
憂「それが、事件の夜は何も感じることはできませんでした。シャドウの気配なんて微塵もなかったんです」
律「……」
憂「もしかしたら、事件の犯人は別にいるんじゃ……」
律「じゃあ、まだ事件は続くってことかよ」
憂「分かりません」
律「もしかしたら、霧が出てなくても活動できるシャドウが別にいるんじゃないか?」
憂「おまけに出現する気配も感じることのできない、ステルスのシャドウですか?」
律「それは……」
憂「できすぎている気もしますが、いないとも言い切れません」
律「……」
かえりみち
律(たしかに、私も何か引っかかるものを感じてた)
律(町の霧は晴れたのに、私の心の霧はまだ晴れていない……)
純「あれ、律先輩じゃないですか」
律「あ、鈴木さん」
純「憂のお見舞いの帰りですか?」
律「まぁね」
純「……他の皆さんは?」 キョロキョロ
律「携帯を病室に忘れちゃってさ、他のみんなは先に帰ってもらったんだ」
純「そうだったんですかー」
律「鈴木さんはこれからお見舞いかい?」
純「そうなんですよー。お母さんに頼まれた買い物してたら遅くなっちゃって」
律「なら急いだほうがいいぜ。そろそろ面会時間終わっちゃうからな」
純「マジですか!?だ、ダッシュで行ってきます!それでは失礼しますね!」
律「転ぶなよー」
律「あ、こけた……くくく……」
律(……)
律(1人でうじうじしてても何も始まらないな。明日、みんなに相談しよう)
律(間違っていたら、笑い話にもなるさ……)
律(もしも、真犯人が別にいるのなら、捕まえたい)
律(でも、それが学校の人間だったら?)
律(先生、友人だったら?)
律(私は、捕まえることができるのかな……)
つぎのひ がっこう
唯「やっほー」
澪「お早う、唯。今日は眠そうじゃないな」
唯「昨夜はよく眠れましたー。快眠快眠~♪」
紬「感心感心~♪」
澪「あ、あはは……」
律「……よ」
澪「律!……今日はおまえが眠そうだな」
律「昨日ちょっと考えごとしてたんだよ」
唯「りっちゃんが考えごとー?うそー」
律「……まーな」
澪(いつもなら『なんで意外!って顔すんだよ!!』と、怒るのにな……)
唯「なんだか今日元気ないね、何かあったの、りっちゃん?」
律「実は気になることがあるんだ。今日の放課後、部室に集まれるか?」
紬「私は問題ないけど」
唯「私もおっけーだよー」
澪「まだ部活動は当面禁止だから、あまり長居はできないぞ」
律「犯人はまだ捕まってないからな」
唯「ほんとは、私たちがやっつけたのにねー」
澪「まぁ、もどかしくはあるな。みんなで練習も早くしたいし」
律「本当に犯人は捕まってないかもしれないんだ」
ほうかご ぶしつ
梓「唯先輩から放課後に部室に集合と言われたんですけど、なんの集まりなんですか?」
唯「あのね、りっちゃんが大事な話があるんだって」
澪「律、犯人が捕まってないってどういうことだよ?犯人は、私たちがやっつけたただろ」
律「たしかに、霧はあの目玉親父のせいだったかもしれない。けど、殺人事件の犯人は別にいるんじゃないか?」
紬「……」
梓「そんな!」
律「もしかしたら、犯人は学校の……」
唯「そんなわけないよ!学校の誰かが犯人だなんて、やだよ!!」
律「私だって嫌だよ!でも、そうかもしれないんだ」
紬「りっちゃんは、どうしてそう思ったの?」
律「実は憂ちゃんが……」
律「……と、言うわけなんだよ」
紬「……」
梓「憂がそんなことを……」
澪「た、たしかにおかしいな」
律「だろう?このままうやむやにしてちゃいけないと思う」
唯「それが、友達を捕まえることになったとしてもなの?」
律「……ああ、間違ったことは正さなきゃいけない」
唯「りっちゃんはクールだね」
梓「ゆ、唯先輩」
唯「だってそうじゃん!信じた友達を疑って、捕まえる?そんなのおかしいよ!!」
律「そうだな、最低かもしれない」
唯「なら!」
律「だけどさ、誰だって間違えることはあるだろ。私だって、唯だって……」
唯「……」
律「友達が間違ってるって気付いたら、どうする?」
梓「それは間違ってるよって教えてあげます……」
律「だろ?見て見ぬフリするのが友達じゃないだろう?」
澪「……ああ」
律「どんな状況だろうと、人を殺していいわけないんだ」
紬「そうね」
律「私は間違ってることだと思うから、もし友達が犯人なら、ぶん殴ってでも分からせてやりたい」
律「おまえのやったことはいけないことなんだぞってな」
唯「……りっちゃん」
唯「……私も」
律「……」
唯「友達が間違ってたら、直してあげたいよ……」
律「そっか」
唯「つらいけど、言ってあげなくちゃいけないもんね」
澪「その人のためにな」
律「ならHTD、再始動だ」
紬「昨日解散したばかりなのにね」
律「それは言わない約束だろ!」
唯「あはは」
律「とりあえず、事件を改めて調べてみよう」
梓「最初から徹底的に、ですね」
澪「ムギ、警察の人からもっと情報は聞き出せないのか?」
紬「問題ないわ。みっちり引き出しておく」
唯「ムギちゃん頼もし~」
律「梓、前にホワイトボードに事件のことを書いただろ?あれをメモった紙、今持ってるか?」
梓「はい、ありますよ」
律「それコピーしてみんなに配ってくれ」
梓「分かりました。今からコピーしてきますね」 タタッ
律「梓!」
梓「はい?」
律「その紙は見られないように気をつけろ」
梓「はいです!」
梓「どうぞ、唯先輩」 スッ
唯「ありがと、あずにゃん」
律「よし、コピーした用紙は行き渡ったな。これを元に考えていこう」
唯「らじゃー!」
澪「むぅ、これだけじゃよく分からないな」
律「たしかにな。とりあえず今日のところは解散して、明日また話し合おう」
梓「え、もう解散しちゃうんですか?」
律「さわちゃんがきたらまた怒られるだろ?」
澪「こ、今度は怒られるだけじゃすまないかも……」
律「各自で事件について考えてきてくれ。明日はファミレスに集まって、そのことについて意見を出し合おう」
唯「私の名推理が火を吹くね!」
梓「使い方が間違ってるような気がします」
律「よし、解散!」
かえりみち
唯(この紙に書かれることから犯人を……)
唯(も、もしくは何か気付くことがあれば!)
唯「だー!全然わっかんないよー!!」
和「あら、唯もついに受験勉強を始めたのかしら」
唯「和ちゃん!え、えへへ」
和「どうやら違うみたいね」
唯「なんで分かるのっ!?」
和「何年の付き合いだと思ってるのよ」
唯「さすが私の親友!」
和「……素直に喜べないわ」
唯「……和ちゃん」
和「なに?」
唯「あのね、この前聞いたこと覚えてる?」
和「この前というと、生徒会室でのことかしら」
唯「そうだよ。学校に来たかってお話」
和「……」
唯「和ちゃんは、絶対に学校に来てないんだよね?」
唯「信じていいんだよね?」」
和「……はぁ」
唯「和ちゃん?」
和「白状するとね、本当は学校に来たのよ」
唯「そうなの?」
和「ええ」
唯「じゃあ、なんで嘘なんか……」
和「以前みんなに注意した手前、私が出歩いてたって言うのが恥ずかしくて。ごめんなさい」
唯「べ、別に気にしてないよ、和ちゃん。でも、なんで学校に来たの?」
和「大したことじゃないわ。学校に勉強で使う参考書を忘れてちゃったの」
和「気付くのが遅かったから、もしかしたら学校閉まってるかもって思ったけど」
唯「学校には入れた?」
和「案の定手遅れ。正門の前でしばらく呆けてたけど……」
和「冷静に考えてみたら、危険な霧の中を戻ってするようなことじゃないわよね」
唯「……」
和「馬鹿らしくなって、走って帰ったわ」
唯(姫子ちゃんが見たことと一致する!)
和「嘘をついてごめんなさい、唯」
唯「誰にでも言いたくないことあるもんね!ほんとに、気にしてないから大丈夫だよ、和ちゃん」
和「ありがとう」
唯「これからもよろしくね!」
和「ええ、もちろん」
唯「えへへ」
和「でも受験勉強はしっかりね?」
唯「……はい」
つぎのひのほうかご ふぁみれす
律「各自事件のことは考えてきたな!じゃあまずは誰から意見を……」
澪「……」
唯「……」
梓「……」
律「おいおい、何も思い浮かばなかったのか?」
唯「そういうりっちゃんはどうなんだよ!」
律「私はもちろん考えてきたさ」
梓「なら、律先輩からどうぞ」
律「……」
澪「さぁさぁ、律の推理を聞こうじゃないか」
律「そ、その前にムギが警察で得た情報を聞こう」
(((逃げた!!!)))
紬「……これ」
唯「んー?これは十字架の写真?」
澪「おい、この十字架の先端のとがってるところ、赤黒くなってないか?」
梓「これってもしかして」
紬「そう、二度目の事件の凶器なの」
律「杭でメッタ刺しって言ってたけど、まさか十字架だったなんて」
澪「でもどうして今更凶器を?最初に聞いたときには教えてくれなかったのか?」
紬「報道規制がどうたらとか言ってね」
梓「そういえば、テレビでは杭としか言ってませんでしたね」
律(規制も何も、死亡推定時刻まで漏らしてるのに今更それはないだろ)
澪(情報を聞き出した刑事にどれだけ圧力かけたんだ……)
紬「あいつ、本庁から田舎に左遷させようかしら……」 ボソッ
律(なんでそんな権限があるんだよ!?)
紬「新たに分かったことは、これぐらいかしら」
律「二度目の事件の凶器か……」
唯「じゃあ、いよいよりっちゃん探偵の推理を!」
律「すみません、何も思いつきませんでした」
梓「だろうと思いましたよ」
澪「どーするんだ、もう行き詰ったぞ」
律「ぬぬぬっ」
唯「その刑事さんを絞り上げれば、まだ情報が出てくるんじゃないかなぁ?」
律(やだ、唯ったら鬼畜)
紬「……やってみるわ」
澪(搾り方は聞かないでおこう)
梓「なら今はムギ先輩の情報待ち、ということでいいんでしょうか」
律「そだな。あとは何か気付いたことがあれば、何でもいいから教えてくれ」
澪「分かった」
唯「唯探偵の推理は次回に期待してて!」
梓「誰もしてませんよ」
律「今日はこれでお開きだ。みんな、気をつけて帰るんだぞ」
「「はーい」」
あずにゃんち
梓「……」 ジーッ
梓「紙とにらめっこしても何も思い浮かばないや。だいたい、これだけじゃヒントが少なすぎるよね」
梓「ネコショウグン、これ事件の内容を書いた紙なんだけど、どう思う?」 スッ
ネコ「ニャ……」 ジーッ
梓(意外と真剣に読んでる……)
ネコ「ニャニッ!?」
梓「何か思いついたの!?」
ネコ「ニャッニャッ!!」 フリフリ
梓「え?」
ネコ「ニャニャニャニャ!」 ミブリテブリ
梓「うん……」
ネコ「ナーッ!!」 バリバリ
梓(何言ってるか全然分からない……)
つぎのひ がっこう
梓「……」 ボーッ
純「おはー、ってすっごい眠そうだね、梓」
梓「うん、考えごとしてたらいつの間にか深夜2時だったの」
純「恋の悩み事かなー?」
梓「違うよ……」
純「うーん、分からないや。ヒント頂戴!」
梓「私がヒント欲しいぐらいだよ」
純「どういうこと?」
梓「……」
純「し、死んで……寝てるのか……」
ほうかご ふぁみれす
唯「……ふぁーあ」
澪「……」
梓「……ムニャムニャ」
紬「……」
律(みんなの意見は聞くまでもないなぁ。ムギの方も何も情報が得られなかったんだろうか)
紬「りっちゃん、ごめんなさい。こってりたっぷり搾りあげたんだけど、これ以上何もないって」
律「そっか。ないなら仕方ないないな!な、澪」
澪「あ、ああ!そうだぞ。別にその刑事さんのせいってわけじゃない」
紬「そうなの?ついカッとなって左遷させちゃった」
律「それは、まずいんじゃないか?」
紬「大丈夫、表向きは厭味な上司が小さな失敗にケチつけて左遷した、という筋書きになるから」
澪(すごい!ムギってすごい!あと怖い!)
律「コホン……。とりあえずだな、わかってることでもいいから意見を出していこう」
澪「そ、そうだな。それがいい」
紬「犯人は学校の関係者、これはほぼ間違いないと思うわ」
梓「そうですね」
唯「うー、問題は誰かってことよだね」
律「異常な殺し方からして、犯人は複数かもしくは……」
紬「ペルソナ使いである可能性が高いわね」
梓「複数よりも、そっちのがしっくりくる気がします」
澪「今わかってるペルソナ使いと言えば、何人いる?」
律「えーと、私と澪と唯とムギ、それから梓に憂ちゃん」
唯「それと姫子ちゃんだね」
澪「考えたんだけど、和が実はペルソナ使いってことはないだろうか」
律「否定はできないな」
梓「真鍋先輩を入れたら8人ですか」
唯「犯人がペルソナ使いなら、私たちの中に犯人がいるかもってことだよね」
紬「あくまで可能性だけれど」
梓「先輩たちが悪い人じゃないのはよく知ってます!絶対この中に犯人はいませんよ!!」
律「とくに唯先輩、だろ?」
唯「あずにゃ~ん!」 ダキッ
梓「茶化さないでくださいよー!」
紬「あらあらまぁまぁ♪」
梓「と、とにかく、この中に犯人なんていないんですぅ!!」
「あなたたち、ここで何してるの?」
律「げっ!」
さわ子「いきなり『げっ』とはひどいわね。これでもあなたたちの顧問なのだけど」
律「いや、びっくりして、あはは……」
さわ子「犯人がどうたらって聞こえたけど、まさかまだ探偵ごっこしてるの?」
唯「聞き間違いじゃないかな~」
さわ子「いいえ、たしかに聞こえました」
梓「ニュースの話をしてたんですよ!それで、犯人ひどいですねーって」
澪「そうそう!ひどいなーって話してたんです」
さわ子「……」
律(さ、さすがに無理があったか?)
さわ子「私ね、あなたたちのことけっこう好きよ?」
紬「……」
さわ子「教師がこんなこと言っちゃいけないんだけど、他の子たちよりもずっと好き」
梓「先生……」
さわ子「もし、あなたたち身に何かあったら私は……」
唯「さわちゃん……」
さわ子「あの子のように、十字架の杭で穴だらけになったあなたたちとご対面なんて、嫌よ」
律「……」
さわ子「だからね、お願い。もうこういうことはやめて?」
澪「わ、私たちは」
律「分かったよ、さわちゃん。心配させてごめん」
澪「律?」
紬「もう、こんなことは二度としません。ね、唯ちゃん、梓ちゃん」
唯「心配させてごめんね、さわちゃん」
梓「ごめんなさいです」
律「気分転換にさ、なんか食べようぜ!今日は私が奢るぞ、さわちゃん」
さわ子「ふふ、調子いいんだから。でも甘えちゃおうかな」
律「マジかよ!?普通逆だろ!!」
さわ子「給料日前できつくて」
唯「えー、何にお金使ったのー?」
さわ子「い、色々ね」
澪(お酒かな……)
梓(お酒でしょうか……)
さわ子「私はチーズインハンバーグと、ライス。あ、もちろんライスは大盛りね!」
律「うぅ、それぐらいならなんとか払えるか」
さわ子「あ、デザート忘れてたわ」
律「……」
さわ子「ふぅ、ご馳走様でした」
澪(すごい食べっぷりだった)
唯「あはは、さわちゃん食べすぎだよー」
さわ子「いいのよ。これぐらい食べないと大人はやってらんないの」
梓「説得力があるようなないような」
紬「勉強になるわー」
律「嗚呼、私のお小遣いが……」
澪「元気出せ、今度何か奢ってやるから」
律「絶対だぞ!絶対だからな!!」
さわ子「それじゃそろそろ帰りましょうか。奢ってくれたお礼に、車で送るわよ」
唯「わーい♪」
紬「でも、さわ子先生の車にこの人数は無理なんじゃ……」
澪「……」
さわ子「……あ、私仕事があるんだった。じゃーねー」
律「おぃいいいいいい!!!!」
かえりみち
澪「律、元気出せって」
唯「そだよ、明日ムギちゃんがおいしいケーキ持ってきてくれるって!」
律「……」
紬「りっちゃん」
律「ああ……」
梓「どうしたんですか?」
律「みんなに聞いてもらいたい話があるんだ」
澪「お金なら貸せないぞ」
唯「わ、私も今月はきついから……」
律「真面目な話なんだよ」
紬「……」
おくじょう
「……」
律「呼び出してごめん。どうしても話しておきたいことがあって」
「なに?」
律「最近この町で起こった殺人事件について」
「……」
律「私たちが探偵の真似事してたのは知ってるよね。実はさ、犯人を見つけてやっつけたんだ」
「すごいじゃない」
律「これで一件落着。町の霧も晴れてめでたしめでたし。でも、そうじゃなかった」
律「私たちの勘違いだったんだよ。犯人は別にいたんだ」
「へぇ……」
律「真犯人は学校の関係者だってことは分かったけど、誰かまでは分からなかった」
律「でも、今日の出来事で分かったんだ。もしかしたら、この人なんじゃないかって」
「それは誰かしら」
律「さわ子先生、あなただ」
さわ子「冗談にしてもひどいわよ」
律「冗談だったらいいんだけどな」
さわ子「だいたい、どうして私なのよ」
律「二度目の事件、最後の目撃者」
さわ子「まさかそれだけで?たまったものじゃないわね」
律「まだある。ファミレスで、さわちゃんこう言ったよな。『十字架の杭で穴だらけになったあなたたち』」
さわ子「それがどうしたの?」
律「どうして凶器が十字架の杭って知ってるんだよ」
さわ子「テレビで見たの」
律「報道規制でテレビには凶器のことは流れてない。ムギが警察に確認済みだ」
さわ子「……ああ、思い出したわ。りっちゃんたち、以前ホワイトボードに事件のこと色々書いてたじゃない?」
律「……」
さわ子「そこに書いてあったのを見たのよ」
律「それもありえない」
さわ子「……」
律「私たちが、二度目の事件の凶器が十字架の杭だと知ったのは、つい最近なんだよ」
律「あのときのホワイトボードに、書かれているわけがないんだ」
さわ子「……」
律「なぁ、本当にさわちゃんが犯人なのかよ?」
律「自分でも信じたくないんだよ!なんとか言ってくれよ!むしろ否定してくれよ!」
さわ子「……全く、あなたたちは」
律「……」
さわ子「世の中クソね」
さわ子「あー、まずったなー。なーんであんなこと言っちゃったのかしら」
律「さ、さわちゃん?」
さわ子「ドラマで自ら自供しちゃう犯人を馬鹿にしてたけど、まさか私がねー」
律「じゃあ、殺人事件の犯人は……」
さわ子「はい、私です。せいかーい」 パチパチパチ
律「ふ、ふざけんなよ!なんでこんなことしたんだ!!」
さわ子「こっからはあれかしら、犯人の回想タイム?」
律「さわちゃん!!」
さわ子「はぁ……。私ね、あいつらに暴行されたの」
律「あいつら?」
さわ子「ほら、あの団子三兄弟」
律「最初の事件で、電柱に串刺しにされた男たちのことか」
さわ子「そりゃひどかったわよ?もう身も心もズタズタにされちゃったんだから」
律「……」
さわ子「自殺まで考えたわ。手首切ろうとしたけど、死ねなくて」
さわ子「そしたらね、どうして私が死ななきゃいけないんだろう。死ぬべきはあいつらなんじゃないかって思えてきたの」
さわ子「でも女の力じゃやっぱり無理ね。逆にやられちゃったわ」
律「そこで、ペルソナに目覚めた」
さわ子「あたり。このままじゃ一生こいつらの『おもちゃ』よ。憎い、憎い、殺してやるって思った」
さわ子「気がついたら、ペルソナが使えるようになってたわ。あいつらを殺せる力も」
律「それでも人を殺すことは間違ってる」
さわ子「そうかしら?」
唯「あの子は!あの子には何の罪もなかったんじゃないの!?」 タタッ
律「唯……」
さわ子「あら、唯ちゃんいたんだ」
唯「どうして、あの子まで殺さなきゃいけなかったの……」
さわ子「簡単なことよ。事件の目撃者だったから」
さわ子「あの子とあなたたちが話してるのを耳にして、もしかしてと思ったらね」
律「あの子が途中で行っちゃったのは、さわちゃんを見たからか」
さわ子「あとでしっかり捕まえたけどね。必死に命乞いしてたわ」
さわ子「誰にも言わないから助けて、助けてって」
唯「ひどいよ……」
さわ子「私も捕まりたくないから、ごめんなさい」
律「……」
さわ子「唯ちゃんがいたなら、他のみんなもいるわよね」
律「ああ」
さわ子「出てきたら?話したいこともあるでしょ」
律「みんな、出てきてくれ」
澪「……」
梓「先生……」
紬「……」
さわ子「みんな暗いわね。質問ないの?」
梓「……憂は、憂は先生がやったんですか!?」
さわ子「ああ、憂ちゃんね。あれは私じゃないわ」
梓「じゃあ、どうして憂はあんなことに……」
さわ子「んー、あれじゃない?強いシャドウの気に当てられたからとか、そんなとこ」
梓「そんなとこって」
さわ子「そう言われても分からないものは分からないから」
律「憂ちゃんには一切手は出してないんだろ」
さわ子「そうね」
唯「……」
さわ子「質問は終わりかしら?」
澪「さわ子先生が犯人だなんて、信じられない」
さわ子「でも犯人なのよね、ごめんなさい」
澪「わ、私、さわ子先生のこと尊敬してた!大好きだった!」
さわ子「私もみんなが大好きだった。だからこういう結果になってしまうのはとても残念」
唯「……さわちゃん」
さわ子「りっちゃん、一つだけいいかしら?」
律「なんだよ」
さわ子「これはみんなにも聞いて欲しいんだけど」
唯「なに、さわちゃん?」
さわ子「担任として、顧問として最後のお願い」
紬「……」
さわ子「死んでくれる?」
梓「先輩!上!上見てください!!」
澪「こ、これは!!」
唯「すごい数の十字架が浮いてる……」
紬「これが、二度目の事件の凶器なのね」
さわ子「この技ね、すっごい疲れるのよ」
澪「おい、どーすんだよ、律!!」
律「こんな数、とてもじゃないがカード仕切れないぞ!」
さわ子「詰みね」
唯「さわちゃん!!」
さわ子「ばいばい、みんな」 スッ
ザザザザ!!!!
さわ子「……あら?」
梓「……私、生きてる?」
紬「み、みんな大丈夫?」
唯「すごいよ!このバリアー、ムギちゃんが張ったの!?」
紬「ええ」
澪「助かった。ありがとな、ムギ」
紬「ふふ、でも、力を使い果たしちゃった……」 バタッ
律「ムギ!?」
梓「……気絶してるだけみたいです」
さわ子「まいったわね、さすがにもうあの技は使えないわ」
澪「さわ子先生は、私たちを殺す気だった……」
唯「……さわちゃん」
律「ガツンとぶん殴ってやろうぜ、目が覚めるぐらい強いやつをさ」
唯「そうだね、りっちゃん!」
唯「行くよ、イーちゃん!」
律「頼むぜ、トモエ!」
澪「来い、コノハナサクヤ!」
梓「お願い、ネコショウグン!」
さわ子「あなたたち、私とやり合うの?」
唯「さわちゃんの目を覚まさせるんだよ!そして、さわちゃんを助けるの!」
さわ子「……あのとき」
唯「……」
さわ子「誰も助けにこなかった」
澪「す、すごい力を感じる!」
さわ子「誰も、助けてなんてくれなかった!」
さわ子「タナトォオオオオスッ!!!!」 カッ!
タナトス「オォオオオオ!!!!」
律「あれが、さわちゃんのペルソナ」
梓「勝てるんでしょうか……」
唯「勝つ、負けるじゃないよ!これは、さわちゃんを助ける戦い!!」
さわ子「ならなぜあのとき助けてくれなかったの!?」
タナトス「ォオオオ!!!!」 ブン!
唯「っ!!」
澪「唯!?そんな、一撃で……」
さわ子「私は、取り返しのつかないことをしてしまったのよ、あと戻りなんてできないの!!」
梓「きゃっ!!」
律「梓ぁ!」
さわ子「こんな弱いあなたたちじゃ、結局何もできなかったわ」
律「そりゃ私とやりあってから言うんだなぁ!!」
さわ子「だから弱いって言ってんでしょー!!」
律「ぐぁあ!!」
澪「律っ!!」
さわ子「ほんと、弱い」
澪「よくも……よくも律を……!」
さわ子「あら、澪ちゃんが怒るところ初めてみるかも」
澪「コノハナサクヤ!焼き尽くせ!!」
サクヤ「……!」 ゴォ!
さわ子「ぬるいわね」
澪「なっ!?」
さわ子「沈みなさい」
タナトス「……っ!!!!」 フォン!
澪「うぁあああ!!」
さわ子「あらかた片付いたわね」
さわ子「……」
さわ子「トドメ、ささないと……」
唯「……さ、さわちゃん」
さわ子「あら、唯ちゃんまだ立ち上がれるんだ。少し見直しちゃった」
唯「はぁ……はぁ……」 フラフラ
さわ子「でも満身創痍。立ってるのもやっとなのね。大丈夫、今楽にしてあげるから」
唯「……うぅ、ひっぐ」
さわ子「……なんで、泣いてるのよ」
唯「さわちゃんのことを思ったら……うう……」
さわ子「ど、同情はいらないわ。助けてくれなかったくせに」
唯「だから、これからさわちゃんを助ける」
さわ子「助けるって何?自首してやり直せって言うの?」
唯「そうだよ」
さわ子「馬鹿馬鹿しい!悪いのはあいつら、死んで当然よ」
唯「あの三人はそうなのかもしれない……。でも、殺していい理由にはならないよ」
さわ子「私はね、むしろ被害者なのよ?」
唯「あの子だってそうだよ!何の罪もなかった!ただ、見てしまっただけ……」
さわ子「そ、それは運が悪かったたとしか言えないわ」
唯「じゃあ、さわちゃんも暴行されたことを、運が悪かったと諦められる?」
さわ子「……っ!!」
唯「さわちゃんは、ただ見てしまったというだけであの子を殺したんだよ」
さわ子「……」
唯「さわちゃんだって感じているんでしょ?心を覆う、罪悪感という霧を」
さわ子「……うるさい」
唯「さわちゃんは根っからの悪い人じゃないもん。私知ってるもん」
さわ子「それ以上、口を開かないで……」
唯「さわちゃんは間違ったことをした。だから、やり直そうよ」
さわ子「……ぐっ」
唯「もう、暗闇に1人になんてしない。私たちがいるよ」
さわ子「うるさい、うるさいっ!!」
タナトス「オオオオッ!!!」 ヒュッ!
唯「きゃっ!!」 ドサッ
さわ子「……」
唯「……」 フラフラ
さわ子「立ち上がらないでよ、なんで立ち上がるのよ!?」
唯「……一緒にいるって決めたから」
さわ子「……っ!!」
律「あれ、私は……」
唯「……」
律「唯!だ、大丈夫か!?」
唯「えへへ、なんとかね」
律「他のみんなも、息がある。まだ生きてる」
唯「よ、よかった……」
さわ子「どうせ、私がトドメさすけどね」
律「そんなこと……いつっ!」
唯「りっちゃん……」
律「クソっ!身体が思うように、動かねー!」
さわ子「ふふ、好都合ね」
唯「させない、よ……」
さわ子「またあなたはそうやって。力もないくせにでしゃばらないでよ!!」
唯「たしかに、私は弱い。けど、みんながいる」
さわ子「そのみんなは気絶してるけどね!」
唯「みんなを思う気持ちが私を強くする」
律「唯……!」
唯「みんなとの絆が、私を強くするんだ!!」
さわ子「な、何よ、この光……」
唯「全ての霧を晴らし、あまねく照らす……」
さわ子「なっ!?」
唯「伊邪那岐大神!!」 カッ!!
律「……唯のペルソナが、変わった」
さわ子「ふ、ふざけないでよ。4人も殺しておいて、何にもないわけないじゃない」
唯「……」
さわ子「下手したら死刑よ?もう終わりなのよ」
さわ子「……私は」
唯「……罪を償おう、さわちゃん」
さわ子「今更、負けてらんないのよぉおおお!!」
唯「さわちゃぁああああん!!」
唯「…………」
さわ子「あーあ、負けちゃった」
律「自首するんだろ」
さわ子「正直、ここで殺してほしいんだけど、それはしてくれないのよね」
唯「うん」
さわ子「やっぱり。私、死刑かなぁ」
律「それは、私たちが決めることじゃない」
さわ子「そうね……」
律「……」
さわ子「……唯ちゃん」
唯「なに?」
さわ子「……ありがとう」
すうしゅうかんご ぶしつ
澪「律!だからここはそうじゃないって言ってるだろ!!」
律「ぜってーこっちがのいい!ムギもそう思うだろう!?」
紬「ど、どうかしらー?」
梓「今まで練習をサボってきたからです。もっと早くから練習すればこんなことにはならなかったんですよ」
律「そうはいってもだな、色々とあったわけだし」
唯「……さわちゃんが自首してから、大変だったよね」
紬「……そうね」
律「……」
梓「さわ子先生、どうなるんでしょうか」
澪「分からない」
紬「軽い罪とは言えないから」
梓「……」
唯「あのね、実はみんなにお願いがあって」
律「お願い?」
唯「うん。今回のね、事件のことを通して、歌を作ってきたんだ」
澪「唯が1人で?」
唯「そうだよ」
梓「見せてもらってもいいですか?」
唯「……これなんだけど」
律「どれどれ……」
澪「いい歌だな」
律「ああ」
梓「グスン……」
紬「梓ちゃん、泣いてるの?」
梓「泣いてません!泣いてなんかいませんよ!?」 ゴシゴシ
唯「これをね、文化祭で歌いたいんだ」
律「うし、部長が許可する!」
澪「でも、文化祭まであまり日数がないぞ?」
律「そこはほら、徹夜なんなりしてさ」
梓「私は、それでもいいですよ!」
唯「ありがとう、あずにゃん」
紬「私も賛成」
律「もちろん、私もだ。澪はどーする?」
澪「仕方ないな……」
唯「みんなありがとう」
律「最後の文化祭ライブだからな、悔いが残らないようにしよーぜ!」
紬「そうね」
梓「そういえば、憂は文化祭までには退院できるんですよね?」
唯「うん。だから憂にも聞いてもらえるよ」
澪「なら、一層練習に力をいれないとな」
唯「ほんとは、さわちゃんにも聞いて欲しかったんだけど……」
梓「……唯先輩」
律「しみったれんなー!練習あるのみだー!」
唯「うん!そうだね!!」
澪「文化祭に向けて頑張ろうなっ!」
梓「はいです!」
紬「ふふ♪」
ぶんかさいとうじつ
純「うーいー!退院おめでとう!」
憂「ありがとう!文化祭に間に合ってよかったよー」
純「大好きなお姉ちゃんの演奏聞きたいもんね」
憂「えへへ♪」
和「憂ちゃんじゃない。もう身体はいいの?」
憂「あ、和さん。このたびはご心配をおかけしました」
和「ふふ、すっかり良くなったのね。これなら唯も思いっきり演奏できるわ」
姫子「そうね」
憂「そちらの方は……?」
和「唯や私たちと同じクラスメイトの姫子」
姫子「よろしく」
憂「はい、こちらこそよろしくお願いします」
純「よ、よろしくお願いします(なんだか、かっこいい人だなー)」
純「あの、良かったら一緒にライブ見ませんか?」
和「私たちは最初からそのために来たのだけど、姫子どう?」
姫子「別に、いいわよ」
純「じゃあ決まりですね!いい場所確保できたんですよ、姫子先輩!」
純「こっちです!」 クイクイ
姫子「ちょ、ちょっと、引っ張らないでよ」
憂「ふふ、純ちゃんたら姫子先輩が気に入っちゃったみたいです」
和「そうね。姫子が面くらってたわ」
ザワザワザワ……
和「そろそろ始まるみたい」
憂「楽しみです♪」
唯「えー、こんにちは!放課後探偵団です!」
律「おい、唯」
唯「あ、間違えちゃった……。放課後ティータイムです!」
パチパチパチ……
唯「ありがとうございます。えとですね、ここ最近、いろんなことがありましたね」
唯「殺人事件があって、大切な人を失って、晴れない霧に覆われて……」
唯「私は、挫けそうになったり、立ち止まることもありましたけど……」
唯「そんなときに、私の肩を叩き、背中をそっと押してくれたのは私の大好きな友達でした!」
唯「それと、大好きな憂も!!」
唯「この歌を、私の大切な友達、家族……。そして、さわ子先生に捧げます」
「Never More」
733 : 以下、名... - 2011/02/24(木) 03:58:02.23 /oDJ/Oua0 266/268おわり
ちなみに「Never More」はP4のED曲です
http://www.youtube.com/watch?v=6pAb68IUR3E
とてもいい曲なので、ぜひ聞いて欲しいです
だいぶ長引いたけど、なんとか終わらせることができてよかった
それにしてもやっぱりすっぱり犯人が誰か分かっちゃったな
ほんとは安価で当ててもらう予定だったのに……
741 : 以下、名... - 2011/02/24(木) 04:15:41.20 /oDJ/Oua0 267/268ムギが警官を左遷させてるのはP4のパロディがやりたかったのです
実際P4に本庁から左遷されてきた刑事さんが登場するのですが
それがムギのせいで左遷されたんだったら面白いかなーと
ぶっちゃけP4知らない人が見たらただの黒ムギなんだけどね!
それから、ムギがやたら強いのにも理由があったり……
さて、このたびは当スレッドをご利用くださいまして、真にありがとうございました
最後まで続けられたのも、皆さんのお陰でございます
それと、P3、メガテンのSSを書くと言っていた方、楽しみにしてるからー!
747 : 以下、名... - 2011/02/24(木) 06:19:03.65 ij54QSFTO 268/268おつおつ面白かったー
ムギが場数を踏んでるっぽいのは美鶴先輩的な事情かな

